JPH0739261A - 樹木の植栽方法 - Google Patents

樹木の植栽方法

Info

Publication number
JPH0739261A
JPH0739261A JP18848193A JP18848193A JPH0739261A JP H0739261 A JPH0739261 A JP H0739261A JP 18848193 A JP18848193 A JP 18848193A JP 18848193 A JP18848193 A JP 18848193A JP H0739261 A JPH0739261 A JP H0739261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
planting
sheet body
trees
tree
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18848193A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Izumi
正憲 泉
Kiyokazu Takegawa
清和 竹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOIZUMI JUTE MILLS
KOIZUMI SEIMA KK
Original Assignee
KOIZUMI JUTE MILLS
KOIZUMI SEIMA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOIZUMI JUTE MILLS, KOIZUMI SEIMA KK filed Critical KOIZUMI JUTE MILLS
Priority to JP18848193A priority Critical patent/JPH0739261A/ja
Publication of JPH0739261A publication Critical patent/JPH0739261A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工性が向上され、マルチング機能が充分に
発揮され、かつ、排水機能が付与され土壌肥培管理をも
容易に行い得るようにする。 【構成】 予め基盤土壌1に基盤用シート体21を敷設
し、この基盤用シート体21上に土壌3を供給し、この
状態で上記土壌3に植栽樹木Pを植付し、この樹木Pが
植付された土壌3の表面を必要に応じて被覆用シート体
23で被覆する。上記基盤用シート体21上に供給され
る土壌を縦方向に区分するように区分用シート体22が
設けられている。上記基盤用シート体21、被覆用シー
ト体23および区分用シート体22は全て黄麻マットで
形成されている。上記基盤用シート体21、被覆用シー
ト体23および区分用シート体22のいずれかまたは全
てに樹木の育成に寄与する活力促進剤が付与されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、育成後移植されるべき
樹木を対象とした樹木の植栽方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹木の植栽とは、樹木が適正に成育する
ように、樹木を管理状態で植え付けることをいう。従っ
て、樹木を植栽するに際しては、植栽地に本格的に植栽
する前に、予め所定の圃場(植栽場)において、充分に
管理できる状況で一時的に栽培されることが多い。この
ような植栽を行うことによって良好な管理状態で幼木等
の成長が促進され、移植されたときには確実に根付きす
るため、上記の一時的な植栽は造園業や林業においては
欠くことのできない樹木育成手段とされている。なお、
このような植栽は幼木等に限られることはなく、造園業
等においては、商取引上すでに充分に育成している樹木
が対象とされることもある。
【0003】すなわち、樹木の植栽に関しては、苗木を
購入して所定の植栽地に植付する新植と、すでにある程
度成育している樹木を所定の植栽地に移し変える移植と
に分類されるのである。さらに上記移植は、本格的に他
の植栽地に植付されるまでの間だけ植栽される仮植と、
移し変えられた所で本格的に根付かせる定植とに分類す
ることができる。
【0004】ところで、従来、上記のような植栽に関
し、造園業、林業および農業間でそれぞれ異なった考え
方が採用されてきており、統一的なコンセプトが形成さ
れていないのが実情である。
【0005】すなわち、造園業の立場では、植栽は商品
として取り引きされるまでの間の一時的な樹木の活着が
主眼であるため、それぞれの単木の枝ぶりや根周り範囲
の管理にのみ意が払われることが多い。従って、根周り
に限っては客土が用いられたり、活力促進材が付与され
たりして細心の管理が行われる。
【0006】これに対して、林業の立場では、樹木をそ
れぞれを単木としてとらえるのではなく、単木の集合体
である林や森としてとらえ、これらが全体的にバランス
をとって肥大成育するための条件が考慮されるため、単
木間の植林間隔や間伐材の伐採等に注力され、それぞれ
の単木の根周りに意が払われたりすることはない。また
土質の改良も根周りのみというのではなく、林や森全体
を対象にして大規模に行われる。
【0007】これらに対し、農業においては、その目的
は果実等の収穫が目的であるため、収穫物の収量が極力
多くなるように、植栽地(農園)全域に亘って農薬や化
学肥料が大量に散布される。
【0008】しかし、立場が異なるとはいいながら、い
ずれも生き物である植物を対象とした植栽であって見れ
ば、共通のコンセプトが存在してもよいはずであり、そ
れは、たとえ人工が加わったとしても、終局は自然の摂
理に合致したものにしなければならないというものであ
ろうと考えられ、そのような観点からは、多量の農薬や
化学肥料の使用は好ましいものではない。また、樹木の
植栽に限っていえば、初期は人工的な植栽環境であって
も、時間の経過に従って自然樹林に戻るようなものでな
ければならないと考えられる。
【0009】ところで、このような植栽に関し、上記コ
ンセプトを実現するものとして、造園業、林業および農
業の異業種間に共通して採用されてきた植物成育のため
の優れた手法が古来から存在する。すなわちこの手法と
はマルチングである。マルチング法とは、広義には、栽
培樹木の根ぎわを藁や草などで被覆する栽培法の総称で
あり、被覆した藁や草で水分の蒸散が有効に抑止される
ほか、それらの腐食分解によって土壌が改質されるな
ど、マルチング法は古来から引き継がれてきた極めて優
れた植栽手法である。
【0010】近年は、被覆材(マルチング材)として着
色した合成樹脂製のフィルムや、麻などの不織布フェル
トが用いられるようになり、これらの使用によって土壌
の水分蒸散が抑えられ、雑草の発生が抑止される等、マ
ルチング材が樹木の効率的な育成に大いに貢献するよう
になっている。なお、マルチング材として合成樹脂製の
フィルム等が使用されると腐食しないため、合成樹脂製
のマルチング材が堆肥の役割を果たすことはないのでこ
の点では本来のマルチング法の利点が享受できない欠点
を有している。
【0011】マルチング法が採用された樹木の育成に関
しては、例えば、特開昭59−154927号公報によ
って開示されたものや、実公平2−35859号公報に
よって開示されたものが知られている。
【0012】上記特開昭59−154927号公報によ
って開示されたものは、幼木を所定間隔で植えた後、こ
の幼木の幹周囲を含む植栽地表面に、非透光性不織布か
らなる所要幅の保護マットを敷設するようにしたもので
あり、非透光性であるため保護マット下の雑草の発生を
抑止することができるほか、保護マットの保温性および
保水性によって極めて良好な幼木の植栽環境が得られる
と記載されている。
【0013】また、実公平2−35859号公報には、
天然樹皮または合成樹脂材の粗繊維からなる分厚い帯状
シート材の長手方向を二つ折りにして形成される土壌袋
が開示されている。この土壌袋に土壌を詰め、この土壌
に樹木を植付することにより土壌の保水性が良好にな
り、樹木の植栽上好都合であるとしている。特にこのよ
うな土壌袋は、コンクリートの吹き付けのり面を対象と
し、コンクリート吹き付け前に土壌が装填された袋を配
置するようにし、袋の上からコンクリートの吹き付け施
工を行うような適用が好都合であると説明されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開昭
59−154927号公報に記載の幼木の植栽方法にお
いては、なるほど土壌の表面は不織布からなるマルチン
グ材によって被覆され、雑草の発生は抑制されるととも
に、保温効果、保水効果によって土壌表面は幼木の育成
に適した環境になるが、幼木にとって最も重要な根が張
っている土壌内の環境については考慮が払われていない
ため、その部分については管理されない状況となり、水
はけ等で問題点を有する場合がある。
【0015】また、使用されるマルチング材は、合成樹
脂製の不織布であって、長期間の使用によっても腐食し
ないため、移植の際には一旦敷設したマルチング材を取
り去る必要があり、移植作業の施工性が劣るという欠点
を有している。
【0016】また、実公平2−35859号公報に記載
の土壌袋にあっては、予め袋を形成させるために、マル
チング材に縫製その他の面倒な加工を施さなければなら
ず、そのために加工費用が嵩むという経済的に不利な面
がある。さらに、袋はそれほど大きなものにすることが
できないため、結局小さな袋を多数用意し、それらの各
々に土壌を装填し、それらを逐一現地に配置しなければ
ならない等施工性に欠け、結局大規模にはこのような土
壌袋を使用した幼木等の植栽は効率的に行い得ないとい
う問題点を有していた。
【0017】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、自然樹林の土壌断面構造を
観察した結果、自然樹林においては、礫や岩が多い劣悪
な植生基盤であっても、落葉や落枝による栄養層が形成
され、この栄養層において微生物の作用で落葉等が生分
解され、栄養に富んだ土壌が形成されるとともに、ミミ
ズや昆虫の等の活動によって土壌に水や空気の流通孔が
形成され、それらが湊合されて極めて良好な植栽環境が
自然にでき上がっているという事実を基に鋭意研究の結
果本発明に到達したものである。すなわち、本発明によ
って、施工性が向上され、マルチング機能が充分に発揮
され、かつ、土壌肥培管理をも容易に行い得るととも
に、自然の摂理に合致した樹木の植栽方法を提供するこ
とを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
樹木の植栽方法は、樹木を一時的に植栽えする樹木の植
栽方法において、予め基盤土壌に基盤用シート体を敷設
し、この基盤用シート体上に土壌を供給し、この状態で
上記土壌に樹木を植付し、樹木が植付された土壌の表面
を被覆用シート体で被覆することを特徴とするものであ
る。
【0019】本発明の請求項2記載の樹木の植栽方法に
おいて、予め基盤土壌に基盤用シート体を敷設し、この
基盤用シート体上に必要かつ充分な土壌が付着した樹木
を載置し、この載置によって形成された土壌の表面を被
覆用シート体で被覆することを特徴とするものである。
【0020】本発明の請求項3記載の樹木の植栽方法
は、請求項1または2記載の樹木の植栽方法において、
上記基盤用シート体上に供給される土壌を縦方向に区分
するように区分用シート体を敷設することを特徴とする
ものである。
【0021】本発明の請求項4記載の樹木の植栽方法
は、請求項1、2または3記載の樹木の植栽方法におい
て、上記基盤用シート体、被覆用シート体および区分用
シート体が天然繊維で形成されていることを特徴とする
ものである。
【0022】本発明の請求項5記載の樹木の植栽方法
は、請求項1、2、3または4記載の樹木の植栽方法に
おいて、上記基盤用シート体、被覆用シート体および区
分用シート体のいずれかまたは全てに樹木の育成に寄与
する活力促進剤を付与することを特徴とするものであ
る。
【0023】
【作用】上記請求項1記載の樹木の植栽方法によれば、
土壌と基盤土壌との間には基盤用シート体が挟設され、
土壌の表面は被覆用シート体で覆われ、その結果土壌は
基盤用シート体と被覆用シートとによってサンドイッチ
状に挟持されるため、土壌の表面は被覆用シート体によ
って太陽光の照射が遮断され雑草の発生が有効に抑制さ
れるとともに、土壌に滲み込んだ土中水は底部の基盤用
シートに誘導されて適切に排水され、植付された植栽用
樹木に対して極めて良好な状態になる。
【0024】上記請求項2記載の樹木の植栽方法によれ
ば、基盤用シート体上に必要かつ充分な土壌が付着した
樹木が載置されるため、特に新たに土壌を供給しなくて
も、樹木に付着している土壌で形成された新植栽地の表
面を被覆用シート体で被覆することによって樹木の植付
が完了し、移植工事の簡素化に寄与する。
【0025】上記請求項3記載の樹木の植栽方法によれ
ば、基盤用シート体上に供給される土壌を縦方向に区分
するように区分用シート体が設けられているため、土壌
が広大な面積に亘って敷設されているような場合には、
この区分用シート体によって土壌が適切に分割され、土
中水はこの区分用シートに誘導されて排水され、土壌が
広大な面積に敷設されていても土中水に片寄りのない均
一な状態にすることができるとともに、敷設された区分
用シート体によって空気の流通系路が確保される。
【0026】上記請求項4記載の樹木の植栽方法によれ
ば、基盤用シート体、被覆用シート体および区分用シー
ト体のいずれもが天然繊維で形成されているため、相当
期間の植栽樹木の成育過程においてこれらのシート体は
土中の微生物その他の作用で分解し、自身は良質の堆肥
になる。従って、シート体を撤去する必要はない。ま
た、上記各シート体の腐食によって、土壌中に空間部が
形成されることになる。この空間部が空気の流通を行わ
しめるルートチャンネルの役割を果たし、樹木を植栽す
る上で最良の環境になる。
【0027】上記請求項5記載の樹木の植栽方法によれ
ば、基盤用シート体、被覆用シート体および区分用シー
ト体のいずれかまたは全てに樹木の育成に寄与する活力
促進剤が付与されているため、別途肥料や各種農薬等を
供給しなくてもシートに付与された活力促進材が土中水
に誘導されて土壌に溶脱し、この溶脱した活力促進材の
作用によって土壌の土質は改善されるとともに、植栽樹
木へ栄養素が供給され、良好な育成が行われる。
【0028】
【実施例】図1は、本発明に係る樹木の植栽方法に基づ
いて造成された植栽場の一例を示す断面図であり、図2
は、図1のA−A線視図である。これらの図に示すよう
に、植栽場Fは基盤土壌(造成基盤土壌)1上に施工さ
れたシート体2と、このシート体2を利用した状態で基
盤土壌1上に供給された土壌(植栽基盤土壌)3とから
基本構成されている。すなわち、基盤土壌1上に基盤用
シート体21が敷設され、この基盤用シート体21の上
に土壌3が盛土され、この土壌3の表面がマルチング材
としての被覆用シート体23で被覆され、さらに土壌3
はブロックに区分され、各ブロック間に区分用シート体
22が縦方向に敷設された状態で植栽場Fが形成されて
いる。
【0029】上記被覆用シート体23の中央部には貫通
穴23aが穿設されており、この貫通穴23aから植栽
樹木Pの根鉢4が差し込まれ、土壌3の中に埋設された
状態になっている。
【0030】そして、図1のA−A線視図である図2に
示すように、区分用シート体22で区分されたブロック
の基盤土壌1については一方向に緩やかな傾斜が形成さ
れ、その傾斜に沿って基盤用シート体21が敷設されて
いる。図2の場合は左方向に下り勾配が形成されてい
る。
【0031】このような植栽場Fを造成するには、予め
基盤土壌1の地均しを行い、排水のために基盤土壌1全
体に亘って緩やかな傾斜を形成する。暗渠排水溝を形成
させるようにしてもよい。その後基盤土壌1に基盤用シ
ート体21を敷設し、この基盤用シート体21上に土壌
を供給する。この際予め設定されたブロック分けに従っ
て区分用シート体22を敷設するようにする。具体的に
は、一つのブロックが形成された状態でその急勾配部分
に区分用シート体22を敷設し、この急勾配部分の区分
用シート体22の上につぎのブロックの土壌3を供給す
るようにすればよい。
【0032】そして、土壌3の上面に被覆用シート体2
3を敷設する。この被覆用シート体23には所定の位置
に予め貫通穴23aが穿設されており、この貫通穴23
aに対応した土壌3の上面部分に根鉢4を埋設するため
の植穴を掘設するのである。この穴に植栽樹木Pの根鉢
4を埋設することによって本発明方法に係る植栽場Fが
得られる。
【0033】なお、図3は本発明に係る樹木の植栽方法
に基づいて造成された植栽場の他の例を示す断面図であ
る。この例の植栽地においては、植栽樹木Pに根に根鉢
4が形成されていない。すなわち、この例の植栽樹木P
は、同じ敷地内の他の場所に仮植されていたものを、シ
ョベルカーで掘り起こし、そのままショベルカーで基盤
用シート体21が敷設されている同敷地内の新たな基盤
土壌1に運搬し、根鉢4を形成させることなくそのまま
基盤用シート体21上に載置し、後は上記と同じ方法で
区分用シート体22および被覆用シート体23を敷設し
て植栽場Fが造成されている。
【0034】このように、植栽樹木Pが同じ敷地内1内
に仮植されていたものを移植する場合には、仮植されて
いる植栽樹木Pを掘り起こすだけで、その根にはすでに
なじんでいる多くの土壌が付着しているため、特に根鉢
4を形成させることなく移植することが可能になるので
ある。
【0035】そして、上記シート体2は、本実施例にお
いては、図4に示すような天然黄麻繊維100%の黄麻
マットが用いられている。この黄麻マットのロール状不
織布フェルト(織幅約1000mm、厚さ10mm)が
所定長さに裁断され、裁断されたもの3条の側部を互い
に接合されてて矩形のシート体2が形成されている。上
記接合はリベット止めで行われている。ロール状不織布
フェルトとしては、具体的には小泉製麻株式会社製の品
番「RJM100#100R−S」が用いられている。
なお、本発明に係るシート体は、このような黄麻の不織
布フェルトに限定されるものではなく、コイヤー繊維、
シュロ繊維、再生ウール等で代表される植物性天然繊維
や動物性天然繊維のフェルト品を用いてもよい。
【0036】このようなシート体2に樹木の育成に寄与
する活力促進剤が付与されている。活力促進材として
は、土壌の改質に寄与する各種の土質改質剤や各種の肥
料等が用いらる。本実施例においては、活力促進剤とし
て、日東化学工業株式会社製の尿素系重合ポリマーを主
成分とする、商品名「ミクレア・II」、あるいは、株式
会社翠陵製の塩素、炭酸、カルシウムイオン、マグネシ
ウムイオン、ナトリウムイオン等からなる、液状の商品
名「スイリョーアクア」および粉状の「スイリョーアー
ス」が用いられている。
【0037】本発明の樹木の植栽方法は以上のように構
成されているので、この方法で土壌3に植栽された植栽
樹木Pの周囲は、土壌3の表面が被覆用シート体23で
被覆された状態になっているため、表面土壌3の雑草の
繁殖が抑制され、その分植栽樹木Pの育成が促進され
る。
【0038】また、土壌3と基盤土壌1との境界面には
基盤用シート体21が敷設されているため、雨水などに
よる土中水は一旦土壌3内に浸透してからこの基盤用シ
ート体21に誘導されて図2の矢印で示すように基盤土
壌1に形成された緩やかな傾斜に誘導されて排水される
ため、過剰な土中水による植栽樹木Pの根腐れを有効に
防止することができる。
【0039】特に基盤用シート体21が厚手の黄麻マッ
トで形成されているため、このマットの織目が空間を形
成し、この空間が排水の通路となって効果的に過剰の土
中水を排水することができる。このような基盤用シート
体21の敷設は、基盤土壌1が水捌けの悪い粘土質の土
壌で形成されているような場合や重機転圧による圧密土
壌もしくは埋立地の粗悪土壌を用いる場合には殊に効果
的である。
【0040】さらに、植栽場Fを形成している土壌3
は、縦方向に敷設された区分用シート体22によってブ
ロック分けられているため、土壌3が広大な面積に亘っ
て敷設されているような場合には、この区分用シート体
22によって土壌3が適切に分割され、土中水はこの区
分用シート体22に誘導されて排水され、植栽場Fが広
大であっても土中水に片寄りのない均一な状態にするこ
とができ、その結果植栽場F全域に亘ってバラツキのな
い植栽樹木の成育が行われる。
【0041】加えて、シート体2には予め植栽樹木Pに
対する活力促進剤が付与されているため、この活力促進
剤が土中水に溶脱し、土壌3が改質されるとともに植栽
樹木Pへの適切な養分の供給が促進される。
【0042】そして、シート体2は天然繊維からなる黄
麻マット製であるため、植栽樹木Pが根付いた時期に
は、シート体2は土中の微生物等によって分解され、堆
肥としての役割を果たすため、これによっても土質が改
善される。
【0043】また、シート体2が、微生物等の作用によ
って腐食すると、それを構成していたセルロース分が分
解して単糖類となり、さらに分解して有機質の肥料にな
るが、このような生分解によってシート体2の体積は減
少する。シート体2の体積が減少すると、その部分の土
壌中に空洞ができることになり、この空洞が空気の流通
通路(ルートチャンネル)になるため、樹木の植栽には
極めて優れた土壌環境になる。
【0044】図5は、本発明に係る樹木の植栽方法によ
って造成された植栽場の他の例を示す断面図である。こ
の例の植栽場Fにおいては、基盤土壌1に予め植栽樹木
Pの根鉢4が充分に埋設される規模の植穴5を形成して
おく。そしてこの例の場合は、上記根鉢4が基盤用シー
ト体21の役割を果たすものである。すなわち、上記植
穴5の両内壁面および底面に沿うように基盤用シート体
21が敷設された状態になっている。また、この例の場
合は基盤用シート体21の両側部が、区分用シート体2
2の役割を果たしている。
【0045】上記植穴5に根鉢4が入れられ、その周り
に土壌3が装填される。この土壌3の上に貫通穴23a
を有する被覆用シート体23が被せられ、植栽場Fが形
成されている。
【0046】この例の植栽場Fは以上のように構成され
ているので、図1〜図3を基に先に説明した植栽方式の
効果に加えて、上記基盤用シート体21によって根鉢4
部分の空気の流通が促進され、植栽樹木Pの育成に好結
果をもたらすことができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の樹木の植栽
方法は、予め基盤土壌に基盤用シート体を敷設し、この
基盤用シート体上に土壌を供給し、この土壌に樹木を植
付し、樹木が植付された土壌の表面を被覆用シート体で
被覆するように構成されてなるものである。
【0048】従って、本発明方法によって形成された土
壌と基盤土壌との間には基盤用シート体が挟設され、土
壌の表面は被覆用シート体で覆われ、その結果土壌は基
盤用シート体と被覆用シートとによってサンドイッチ状
に挟持された状態になっているため、土壌の表面は被覆
用シート体によって太陽光の照射が遮断され雑草の発生
が有効に抑制されるとともに、土壌に滲み込んだ土中水
は底部の基盤用シートに誘導されて適切に排水され、植
付された植栽用樹木に対して極めて良好な植栽基盤状態
になり、良好な植栽樹木の成育が実現する。
【0049】特に上記基盤用シート体上に必要かつ充分
な土壌が付着した樹木を載置し、この載置によって形成
された土壌の表面を被覆用シート体で被覆するようにす
れば、基盤用シート体上に必要かつ充分な土壌が付着し
た樹木が載置されるため、新たに土壌を供給しなくて
も、樹木に付着している土壌で形成された新植栽地の表
面を被覆用シート体で被覆することによって樹木の植付
が完了し、移植工事の簡素化に貢献することができ好都
合である。
【0050】そして、基盤用シート体上に供給される土
壌を縦方向に区分するように区分用シート体を敷設すれ
ば、土壌が広大な面積に亘って敷設されているような場
合には、この区分用シート体によって土壌が適切に分割
され、土中水はこの区分用シートに誘導されて排水さ
れ、植栽場が広大であってもそこを土中水に片寄りのな
い均一な状態にすることができ、その結果植栽場全域に
亘ってバラツキのない植栽基盤の造成が行われ好都合で
ある。
【0051】また、基盤用シート体、被覆用シート体お
よび区分用シート体のいずれもを天然繊維で形成すれ
ば、相当期間の植栽樹木の成育過程においてこれらのシ
ートは土中の微生物その他の作用で分解し、自身は良質
の堆肥になり、植栽樹木の移植に際してシートを撤去す
る必要はなく、植栽および移植施工の効率化が達成され
る。さらに、上記各シート体の腐食によって、土壌中に
空間部が形成されることになるため、この空間部が空気
の流通を行わしめるルートチャンネルの役割を果たし、
樹木を植栽する上で最良の環境になる。
【0052】基盤用シート体、被覆用シート体および区
分用シート体のいずれかまたは全てに樹木の育成に寄与
する活力促進剤を付与させれば、別途肥料や各種農薬等
を供給しなくてもシートに付与された活力促進材が土中
水に誘導されて土壌に溶脱し、この溶脱した活力促進材
の作用によって土壌の土質は改善されるとともに、植栽
樹木へ栄養素が供給されるため、良好な育成が行われ好
都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹木の植栽方法によって造成され
た植栽場の一例を示す断面図である。
【図2】図1のA−A線視図である。
【図3】本発明に係る樹木の植栽方法によって造成され
た植栽場の他の例を示す断面図である。
【図4】単位シートの一例を示す平面図である。
【図5】本発明に係る樹木の植栽方法によって造成され
た植栽場のさらに他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基盤土壌(造成基盤土壌) 2 シート体 21 基盤用シート体 22 区分用シート体 23 被覆用シート体 23a 貫通穴 3 土壌(植栽基盤土壌) 4 根鉢 5 植穴 F 植栽場 P 植栽樹木

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め基盤土壌に基盤用シート体を敷設
    し、この基盤用シート体上に土壌を供給し、この土壌に
    樹木を植付し、樹木が植付された土壌の表面を被覆用シ
    ート体で被覆することを特徴とする樹木の植栽方法。
  2. 【請求項2】 予め基盤土壌に基盤用シート体を敷設
    し、この基盤用シート体上に必要かつ充分な土壌が付着
    した樹木を載置し、この載置によって形成された土壌の
    表面を被覆用シート体で被覆することを特徴とする樹木
    の植栽方法。
  3. 【請求項3】 上記基盤用シート体上に供給される土壌
    を縦方向に区分するように区分用シート体を敷設するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の樹木の植栽方
    法。
  4. 【請求項4】 上記基盤用シート体、被覆用シート体お
    よび区分用シート体が天然繊維で形成されていることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の樹木の植栽方
    法。
  5. 【請求項5】 上記基盤用シート体、被覆用シート体お
    よび区分用シート体のいずれかまたは全てに樹木の育成
    に寄与する活力促進剤を付与することを特徴とする請求
    項1、2、3または4記載の樹木の植栽方法。
JP18848193A 1993-07-29 1993-07-29 樹木の植栽方法 Pending JPH0739261A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18848193A JPH0739261A (ja) 1993-07-29 1993-07-29 樹木の植栽方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18848193A JPH0739261A (ja) 1993-07-29 1993-07-29 樹木の植栽方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0739261A true JPH0739261A (ja) 1995-02-10

Family

ID=16224492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18848193A Pending JPH0739261A (ja) 1993-07-29 1993-07-29 樹木の植栽方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0739261A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0986A (ja) * 1995-06-15 1997-01-07 Taniguchi Sangyo Kk 根巻き材
US6819020B2 (en) 2000-11-06 2004-11-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Compact electric motor
CN111657045A (zh) * 2020-07-13 2020-09-15 河北省林业和草原技术推广总站 一种用于花椒幼树早春栽植的方法
WO2023204247A1 (ja) * 2022-04-19 2023-10-26 株式会社小松製作所 植林機械、植林システム、及び植林機械の制御方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0986A (ja) * 1995-06-15 1997-01-07 Taniguchi Sangyo Kk 根巻き材
US6819020B2 (en) 2000-11-06 2004-11-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Compact electric motor
CN111657045A (zh) * 2020-07-13 2020-09-15 河北省林业和草原技术推广总站 一种用于花椒幼树早春栽植的方法
WO2023204247A1 (ja) * 2022-04-19 2023-10-26 株式会社小松製作所 植林機械、植林システム、及び植林機械の制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5224290A (en) Versatile herb, vegetable, flower and groundcover sod mat and method for propagation
RU2234207C2 (ru) Газонный элемент для озеленения искусственных или естественных участков и способ его получения
KR101656364B1 (ko) 세조망을 이용한 과수 우량묘목 생산방법
RU2751851C1 (ru) Способ интенсивного выращивания газона с обогащением почвы водой с помощью суперабсорбента при орошении
CN209861759U (zh) 一种大规格苗木的双容器育苗结构
CN111149602A (zh) 一种高温高盐大风环境下的珊瑚礁砂乔灌木种植绿化方法
JPH0739261A (ja) 樹木の植栽方法
CN105648999B (zh) 秸秆毯及其制造方法与应用
KR101014602B1 (ko) 식생기반매트를 이용한 사면녹화 방법
KR101747933B1 (ko) 이식용 수목의 잔뿌리촉진매트 및 이를 이용한 수목 이식 방법
JP2003061479A (ja) 植物育成容器と植生基盤および屋根の緑化方法
RU2827932C1 (ru) Рулонное покрытие из многолетников
JP3452185B2 (ja) 植生工法
CN217523405U (zh) 一种滨海盐碱地原地乔-灌-草造林种植系统
JPH0646673A (ja) コンクリート基盤上で根の徒長を防止して観賞用植物を育成する方法と植物の根の徒長防止網
JP2717368B2 (ja) 法面植栽工法
KR101116910B1 (ko) 즉석재배보호묘상과 이의 제작방법
BR102023001770A2 (pt) Material fibroso com fita celulósica contendo nutrientes, sementes, substrato, polimeros e herbicidas para plantio de mudas ou revegetação de áreas de solo exposto
Decker Producing sods over plastic in soilless media
Siyag et al. Planting, Regeneration, Aftercare and Maintenance
Cossitt et al. Production of planting stock
Ang Ex-situ conservation of endemic, endangered and threatened tree species in an ex-tin mine-An experience of planting and tending practices
Guyette et al. Alabama's reforestation of abandoned mine lands
CN118661587A (zh) 一种适用于高温高湿地区的油橄榄垒土栽植方法
CN115245124A (zh) 一种薰衣草花海的种植方法