JPH0739253Y2 - レーザ発振器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はレーザ発振器、特に共振器反射鏡アライメン
トのためのHe-Neレーザ光入射用のリアウインドの改良
に関するものである。

［従来の技術］ 第４図は従来のレーザ発振器のリアウインド部分を示す
断面図である。図において、（１）は真空容器を構成す
るレーザ発振器筐体、（２）はHe-Neレーザ発振器本
体、（３）はHe-Neレーザ発振器本体（２）より射出さ
れたHe-Neレーザ光、（４）はHe-Neレーザ光（３）をレ
ーザ発振器筐体（１）内へ入射されるためにレーザ発振
器筐体（１）に設けられたリアウインド部で、レーザ発
振器筐体（１）に連通状態に連設されたウインドホルダ
筒（５）と、ウインドホルダ筒（4a）に内部で保持され
たリアウインド（６）とから構成されている。このリア
ウインド（６）はHe-Neレーザ光（３）を通過させる材
質であるZnSeで形成されている。（７）はレーザ発振器
筐体（１）内に配設された共振器反射鏡、（８）は共振
器反射鏡（７）にHe-Neレーザ光（３）を通すために設
けられた小孔である。

従来のレーザ発振器は上記のように構成され、He-Neレ
ーザ発振器本体（２）より射出されたHe-Neレーザ光
（３）は、リアウインド部（４）のリアウンド（６）を
通過してレーザ発振器筐体（１）内へ入射し、さらに共
振器反射鏡（７）に設けられた小孔（８）を通過して共
振器部分に入射する。この共振器部分に入射したHe-Ne
レーザ光（３）は、共振器反射鏡（７）のアライメント
に使用される。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のような従来のレーザ発振器では、レーザ発振器筐
体（１）内には大気圧よりも低圧（50〜100Torr）のレ
ーザガスが封入されており、レーザ発振器筐体（１）に
形成されたリアウインド部（４）のリアウインド（６）
はHe-Neレーザ光（３）を通過させるために、ZnSe等で
構成されているから、レーザ発振器筐体（１）内外の圧
力差や衝撃により破損することがあり、リアウインド
（６）が一旦破損すると、レーザ発振器筐体（１）の気
密が失われて発振不能となるという問題点があった。

この考案はかかる問題点を解決するためになされたもの
で、リアウインド部（４）のリアウインド（６）の破損
によってレーザ発振不能となる可能性を減少させ、信頼
性及び安全性の高いレーザ発振器を得ることを目的とす
る。

［課題を解決するための手段］ この考案に係るレーザ発振器は、He-Neレーザ光をレー
ザ発振器筐体内に入射させるためのリアウインド部を、
内部にリアウインドを有し、両端に連結部を有する複数
のウインドホルダ筒を互いにこれらの連結部で取外し可
能に連結して形成するようにしたものである。

［作用］ この考案においては、リアウインド部を内部にリアウイ
ンドを有し、両端に連結部を有する複数のウインドホル
ダ筒を互いにこれらの連結部で取外し可能に連結して形
設したから、リアウインド部の事故等によってリアウイ
ンドの１枚が破損しても他のリアウインドによって気密
が保たれる。従って、レーザ発振不能となることが防止
される。

［実施例］ 第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第２図は同
実施例の要部を示す断面図、第３図はウインドホルダ筒
を示す断面図である。図において、従来例と同一の構成
は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
（10）はレーザ発振器筐体（１）の後部に形成された開
口部、（11）は開口部（10）の内周面に形成された接続
用雌ネジ部、（12）はレーザ発振器筐体（１）の開口部
（10）に接続されて設けられたリアウインド部、（13）
はリアウインド部（12）の一部を構成する断面円形のウ
インドホルダ筒、（14）はウインドホルダ筒（13）の内
部中央に配設されたリアウインドで、ZnSeで形成されて
いる。（15）はリアウインド（14）の気密を保つための
Ｏリング、（16）はウインドホルダ筒（13）の図におい
て右端側に形成された連結部である雄ネジ部で、外径は
ウインドホルダ筒（13）の外径よりも小さく構成されて
いる。（17）はウインドホルダ筒（13）の右端側の両面
に埋め込まれたＯリングで、連結時の気密を保つもので
ある。（18）はウインドホルダ筒（13）の図において左
端側に形成された連結部である雌ネジ部で、内径は雄ネ
ジ部（16）の外径と同じ寸法に形成されている。（19）
はウインドホルダ筒（13）の雌ネジ部（18）に螺合さ
れ、ウインドホルダ筒（13）内のリアウインド（14）を
押えて固定する押えリングである。

この実施例では上述したウインドホルダ筒（13）を二つ
連結させて二つのリアウンド（14）を有するリアウイン
ド部（12）が構成されている。二つのウインドホルダ筒
（13）の連結は一つのウインドホルダ筒（13）の連結部
である雄ネジ部（16）ともう一つのウインドホルダ筒
（13）の連結部である雌ネジ部（18）とを螺合させて連
結する。このようにして二つのウインドホルダ筒（13）
が連結されて形成されたリアウインド部（12）は、その
ウインドホルダ筒（13）の連結されていない雄ネジ部
（16）をレーザ発振器筐体（１）の開口部（10）に形成
されている接続用雌ネジ部（11）に螺合させて、レーザ
発振器筐体（１）に取り付けられている。このリアウイ
ンド部（12）のレーザ発振器筐体（１）への取り付けは
レーザ発振器筐体（１）に真空シールを行って取り付け
られる。なお、二つのウインドホルダ筒（13）の連結時
にも真空シールを行って連結される。

上記のように構成されたレーザ発振器においては、レー
ザ発振器筐体（１）に設けられたリアウインド部（12）
は二つのリアウインド（14）を有して構成されているた
め、リアウインド部（12）の事故等によってリアウイン
ド（14）の一枚が破損しても、他の一枚のリアウインド
（14）によってレーザ発振器筐体（１）の気密が保たれ
る。従って、レーザ発振器筐体（１）が真空漏れによっ
てレーザ発振不能となることが未然に防止される。

また、ウインドホルダ筒（13）は両端に連結部がある同
径の雄ネジ部（16）と雌ネジ部（18）を有し、もう一つ
の同じ構造のウインドホルダ筒（13）とこれらの雄ネジ
部（16）と雌ネジ部（18）とを螺合により取り外し可能
に連結しているから、複数のウインドホルダ筒（13）を
連結したり、取り外したりしてリアウインド（14）の枚
数を簡単に増減させることが可能となる。

従って、例えば、外側のウインドホルダ筒（13）のリア
ウインド（14）が破損した場合には、その外側のウイン
ドホルダ筒（13）を別に用意してあるウインドホルダ筒
（13）と交換すればよい。また、内側のウインドホルダ
筒（13）のリアウインド（14）が破損した場合には、外
側のウインドホルダ筒（13）に別のウインドホルダ筒
（13）を更に連結させるようにすれば、修理実施までの
期間も信頼性及び安全性を低下させることはない。

更に、リアウインド部（12）はレーザ発振器筐体（１）
と別個に形成することができる構造であるから、トータ
ルとして納期の短縮化も図れる。

なお、上記実施例では複数のウインドホルダ筒（13）の
連結をネジ式によって行うようにしているが、ネジ式に
限定されるものではないことは勿論である。

［考案の効果］ この考案は以上説明したとおり、レーザ発振器筐体に設
けられるリアウインド部を内部にリアウインドを有し、
両端に連結部を有する複数のウインドホルダ筒を互いに
これらの連結部で取り外し可能に連結して形成したの
で、リアウインド部の事故等によってリアウインドの１
枚が破損しても、他のリアウインドによってレーザ発振
器筐体の気密が保たれてレーザ発振不能となることが防
止されるために信頼性及び安全性の高いレーザ発振器が
得られるという効果がある。

また、リアウインド部は複数のウインドホルダ筒を取外
し可能に連結して形成されるので、用途目的に応じて、
リアウインドの枚数を簡単に増減させることができると
いう効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第２図は同
実施例の要部を示す断面図、第３図はウインドホルダ筒
を示す断面図、第４図は従来のレーザ発振器のリアウイ
ンド部分を示す断面図である。 図において、（12）はリアウインド部、（13）はウイン
ドホルダ筒、（14）はリアウインド、（16）は雄ネジ部
（連結部）、（18）は雌ネジ部である。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

フロントページの続き (72)考案者 松野 司 愛知県名古屋市東区矢田南５丁目１番14号 三菱電機株式会社名古屋製作所内 (72)考案者 佐藤 清 愛知県名古屋市東区矢田南５丁目１番14号 三菱電機株式会社名古屋製作所内 (56)参考文献 特開 平１−218081（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】共振器反射鏡アライメント用のHe-Neレー
   ザ光を内部に入射させるためのリアウインド部を設けた
   レーザ発振器筐体を備えてなるレーザ発振器において、 上記リアウインド部は内部にリアウインドを有し、両端
   に連結部を有する複数のウインドホルダ筒が互いにこれ
   らの連結部で取外し可能に連結して形成されていること
   を特徴とするレーザ発振器。