JPH0739010U

JPH0739010U - 光学顕微鏡

Info

Publication number: JPH0739010U
Application number: JP6991193U
Authority: JP
Inventors: 雅仁山添
Original assignee: Nichia Corp
Current assignee: Nichia Corp
Priority date: 1993-12-27
Filing date: 1993-12-27
Publication date: 1995-07-14

Abstract

(57)【要約】【目的】光学顕微鏡の照明装置の部品点数を大幅に減
らす合理化、及び、消費電力の少ない省電力型の照明装
置を提供する。【構成】光学顕微鏡の照明装置の照明ランプにＬＥＤ
を用いることにより、好ましくは赤色、緑色、青色のＬ
ＥＤを同時に用いることにより、照明装置を構成してい
る、反射鏡、焦光レンズ、熱線カットフィルター、色フ
ィルターを省略し、消費電力のＬＥＤを用いることで、
省電力型の光学顕微鏡用照明装置を得る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本発明は照明装置を改良した光学顕微鏡に関し、更に詳しくは、照明装置として発光ダイオード（ＬＥＤ）を用いた光学顕微鏡に関する。

【０００２】

【従来の技術】

光学顕微鏡は図１に示す様に、主として、対物レンズ１、接眼レンズ２、試料台３、及び照明装置４で構成される。そして、試料５は試料台に載せられ、照明装置で照明され、その微少部分をレンズ系により拡大することで目に見えるようになる。

【０００３】光学顕微鏡は、対物レンズと接眼レンズの組み合わせで拡大率を多数変更可能であるが、拡大率が数十倍程度の低倍率は問題ないが、数百倍以上の高倍率に選定して使用する場合、試料の極めて微少な部分をレンズ系で拡大して見るため、レンズ側は透過率の高い明るいレンズでなければならい。また同時に、照明装置側の光量も十分大きくなければならない。

【０００４】それで、光学顕微鏡用照明ランプ６として、従来、白熱灯、水銀灯、或いはハロゲンランプが用いられた。これらのランプは上記した光量が大きいことは満たしていて、その点では実用性のある照明ランプである。

【０００５】ところが、これらランプは全空間に一様に光を出す為に、試料面の方向のみを照明するように、図１に示すように反射鏡７が必用である。また、試料面に平行に照明できるようにするために、焦光レンズ８が必用である。

【０００６】更に、照明ランプからは可視光のみでなく、熱線が出る為に、これもカットできる熱線カットフィルター９を備える必用があった。

【０００７】また、これら従来の照明ランプは試料の微少部分を照明するだけでよいのに関わらず、不必要な部分まで照明し、消費電力が大きく非効率的であった。

【０００８】その上また、試料の種類或いは目的によっては、照明する色を変える必用があり、絞り１０の下の色フィルター１１により照明光の色調を変化させる構造となっている。これも光学顕微鏡の照明装置の構成を複雑にしている。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、上記した従来の光学顕微鏡用照明装置の改良であり、反射鏡、焦光レンズ、熱線カットフィルター、色フィルターの要らない、消費電力の少ない光学顕微鏡用照明装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案者は上記した課題に対し、照明装置に発光ダイオード（ＬＥＤ）を組み込むことを特徴とする顕微鏡により解決できることを新規に見いだした。

【００１１】本考案に使用するＬＥＤは一般に市販されているもので問題なく、基本的に赤色、緑色、青色の光の三原色のＬＥＤを組み合わせて白色にして使用することが好ましい。

【００１２】本考案には、他の黄色、黄緑を用いても差し支えない。または、色フィルターを併用することで、白色域発光のＬＥＤを使用することも可能である。

【００１３】本考案に使用するＬＥＤは試料台の下から試料を照明する透過型、試料台の上方から試料を照明する反射型、及び接眼レンズを通して試料を照明する落射型ににも使用することもできる。

【００１４】最適なな色調、及び光量を得るためには、ＬＥＤの切り替えスイッチと、光量調節用ボリュームを組み込むことで可能になる。

【００１５】

【作用】

ＬＥＤは基本的に発光は一方方向にしか出ず、その為、従来の照明装置を構成する反射鏡は必用なくなる。

【００１６】また、ＬＥＤの発光は基本的に指向性があり、しかも、レンズを形成している樹脂モールドの材質や形状を変えることにより、最適なレンズが形成できる。その結果、従来必用だった焦光レンズが必要ない。

【００１７】また、ＬＥＤは数十ミリワットの小さな電力で点灯し、従来より光学顕微鏡光源として使用されている電球等は数十ワットの電力を必用としてことから、電力消費は１／１０００のオーダーになり、省電力型照明を達成する。その結果として、発熱量は非常に小さくなり、従来より使用しなければならなかった熱線カットフィルターも不必要になる。

【００１８】ＬＥＤの樹脂モールドのレンズを適当に選定することで、かなりの指向性を向上させることができるので、試料位置の狭い範囲にのみをねらって照明できるために電球等に比べ照明効率の良いランプとなる。

【００１９】その上、ＬＥＤに赤色、緑色、青色の三原色を使用し、それらに流す電流を制御することにより、基本的に色は自在に出すことができる。それで、色フィルターを使用する必用がない。

【００２０】

【実施例】

以下に、図面を参照しながら、本考案の実施例について説明する。［実施例１］図２に本考案の一実施例を図示する。本考案は対物レンズ１、接眼レンズ２、試料台３、及び照明装置４の基本的な光学顕微鏡の構成をもっている。この中で、照明装置４に赤色ＬＥＤ６Ｒ、緑色ＬＥＤ６Ｇ、青色ＬＥＤ６Ｂを配設しているという特徴を有している。この図において、各色ＬＥＤは直線上に配置しているが、その位置関係を示すものではなく、３個のＬＥＤが在ることを説明しているに過ぎない。それ故、好ましくは、３個のＬＥＤはこれらで形成される正三角形の各頂点に配置することが光学的に等価となり好ましい。

【００２１】これら３個のＬＥＤは、対物レンズの中心から下ろした垂線が、試料台と交わる点、即ち、試料位置に光軸を合わせる。

【００２２】本考案に使用するＬＥＤの一例を図３に示す。ＬＥＤは一対のリードフレーム２０、２１と、１つのリードフレーム２０の先端の皿部分にＬＥＤチップ２２を装着し、このＬＥＤチップを包囲してレンズ状に形成された樹脂モールド層２３からなっている。レンズの形状は試料をできるだけスポットで照明できるように、発光に指向性を持たせるように計算し決定した。

【００２３】赤色ＬＥＤはこのＬＥＤチップ２２が、ガリウム・アルミニウム・砒素系より成り、緑色ＬＥＤとして、インジウム・ガリウム・リン系より成り、青色ＬＥＤとして、ガリウム・インジウム・窒素系より成るのものを用いた。また、レンズ状の樹脂モールド層２３はエポキシ樹脂とした。

【００２４】赤色ＬＥＤは１．５Ｖ、緑色ＬＥＤは２．０Ｖ、青色ＬＥＤは３．６Ｖの電圧で駆動し、電流制限抵抗により標準電流を２０ｍＡとした。

【００２５】試料照明として白色光が必用な場合は、３個全てのＬＥＤを点灯させ、赤色光が必用な場合は赤色ＬＥＤのみを、緑色光が必用な場合は緑色ＬＥＤのみを、青色光が必用な場合は青色ＬＥＤのみを発光させることができるように、切り替えスイッチ３０を配設した。また、光量調節のためにボリュウム３１を配設した。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明したように、光学顕微鏡の照明装置の照明ランプにＬＥＤを組み込むことにより、照明装置の構成部品としての反射鏡、焦光レンズ、熱線カットフィルター、及び色フィルターを省け、部品点数を大幅に減らすことができ、合理化ができるばかりか、ＬＥＤは少電力で点灯することから、従来の電球等を用いた場合に比べ、大幅な省電力の照明装置を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の光学顕微鏡の一実施例を示す外観図。

【図２】本考案の光学顕微鏡の一実施例を示す外観
図。

【図３】本考案に使用したＬＥＤの断面図。

【符号の説明】

１・・・・・対物レンズ２・・・・・接眼レンズ３・・・・・試料台４・・・・・照明装置５・・・・・試料６・・・・・照明ランプ６Ｂ・・・・青色ＬＥＤ６Ｇ・・・・緑色ＬＥＤ６Ｒ・・・・赤色ＬＥＤ７・・・・・反射鏡８・・・・・焦光レンズ９・・・・・熱線カットフィルター１０・・・・絞り１１・・・・色フィルター２０・・・・リードフレーム２１・・・・リードフレーム２２・・・・ＬＥＤチップ２３・・・・樹脂モールド３０・・・・切り替えスイッチ３１・・・・ボリュウム

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】照明ランプとして発光ダイオードが組み
込まれていることを特徴とする光学顕微鏡。
【請求項２】赤色、緑色、青色の発光ダイオードが組
み込まれていることを特徴とする請求項１項に記載の光
学顕微鏡。
【請求項３】白色の発光ダイオードと色フィルターを
組み込まれていることを特徴とする請求項１項に記載の
光学顕微鏡。