JPH0738875B2 - 空気清浄化滅菌装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は空気滅菌装置に関し、さ
らに詳しくは、バイオ施設や医療施設あるいは食品製造
工場等の環境衛生施設用の空気清浄化滅菌装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、病院あるいは老人ホーム等におい
てＭＲＳＡ（メチシリン耐性黄色ブドウ球菌）その他の
細菌による空気汚染や院内感染が世界中で問題となって
いる。これを防止するためにオゾンに空気を接触させる
ことにより滅菌する方式が提案されているが、オゾンは
有毒であるだけでなく、電極にチリ、ホコリが付着して
オゾンの発生効率が低下するため、大量の汚染空気を効
果的に清浄化滅菌することができない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は有毒な物資
を全く発生させることなく、空気中の細菌類を効率的に
補足して汚染空気を清浄化滅菌することを目的とする

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、空気滅菌塔に吸気口と排気口とを形成
し、吸気口と排気口の間の流路に高速回転ブラシを配設
して回転ブラシと排気口との間に除滴手段を配置し、高
速回転ブラシに給水手段により殺菌水を給水することに
より、高速回転ブラシの遠心力により微細水滴を形成し
てこれを空気滅菌塔の内壁に衝突させてされに細かく分
裂してできた超微細水滴に接触させることにより汚染空
気イオンを清浄化しながら大量に連続的に殺菌するもの
である。

【０００５】

【作用】上記構成に基づき、空気滅菌塔内で高速回転ブ
ラシに殺菌水を給水してやると微細水滴が空気滅菌塔の
内壁に衝突して超微細水滴が発生し、これに吸入空気が
接触して汚染空気は清浄化されながら殺菌される。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。空気滅菌塔１０に吸気口１２と排気口１４とを形
成し、その中間部に高速回転ブラシ１６を配設する。高
速回転ブラシ１６は回転軸１６ａに金属またはプラスチ
ック製の多量の密集したブラシを植毛したものである。
回転軸１６ａは複数のノズル１６′ａを有する中空軸か
らなり、これに給水パイプ１８からなる給水手段が連通
している。給水パイプ１８は殺菌水を貯めた受水槽２２
に接続されていて、ポンプ２４により給水される。吸気
口１２と回転ブラシ１６の中間には線条部と孔部とを備
えたアートメタルまたはエキスパンドメタルその他の特
殊スクリーンからなる超微細水滴形成スクリーン手段２
５ａ、２５ｂが配置されている。スクリリーン手段２５
ｂは空気を高速回転ブラシ１６の外周方向に指向させる
空気偏向スクリーン部２５′ｂを備える。スクリーン手
段２５ａ、２５′ｂは線条部と穴部とからなり、空気が
穴部を通過する間に線条部に衝突してできた超微細水滴
に接触して清浄化殺菌される。受水槽２２の上部には内
部に殺菌用の銀イオン材をつめたパックからなる殺菌層
２６ａ、２６ｂが配置され、その中間にフィルター２７
が配置してある。殺菌層２６ａ、２６ｂの銀イオンは受
水槽２２の水の中に僅かに溶出して、受水槽２２、空気
滅菌塔１０の内壁、スクリーン手段２５ａ、２５ｂ、お
よび回転ブラシ１６におけるバクテリア、菌類、藻類等
を殺菌するとともに、超微細水滴中の銀イオンが空気中
のバクテリア、細菌類を効果的に殺菌して、空気をクリ
ーンにする効果がある。受水槽２２に過酸化水素を加え
て、微生物や細菌類に対する殺菌力を高めても良い。吸
気口１２には吸気ファン２８が配置されている。高速ブ
ラシ１６の上部には空気中の水滴を除去するためのエリ
ミネータ３４または、デミスター３６からなる除滴手段
が配置されている。デミスター３６はワイヤメッシュそ
の他の適切な材料からなり、その中に冷却コイル３８を
備え、冷却コイル３８は熱電素子４０その他の適切な冷
却手段に接続される。空気滅菌塔１０の内壁に近接して
防風用遮へい板２９ａが設けられていて、還水路２９が
形成されている。

【０００７】殺菌層２６ａ、２６ｂに内蔵されるイオン
材は１例として砂その他の鉱物表面に金属イオン濃度２
０〜２００ｐｐｍで銀イオンをコーティングしたものが
望ましい。砂表面の金属イオン濃度５０ｐｐｍを用いて
殺菌テストした結果は次のとおりである。

【０００８】

【試験方法】 細菌：銀イオンコーティング砂５ｇに菌液１ｍｌを接種
した後、３５℃で保存し、保存開始時と２４時間経過時
における検体５ｇ当りの生菌数を測定した。 カビ：銀イオンコーティング砂２０ｇに菌液２ｍｌを接
種した後、２５℃で保存し、保存開始時と２４時間経過
時における検体２０ｇ当りの生菌数を測定した。

【０００９】

【試験結果】

【００１０】上記結果から、一般的な細菌である黄色ブ
ドウ球菌、大腸菌および緑膿菌を効果的に殺菌し、ま
た、カビの中でも比較的耐薬品性のある黒カビに対して
２４時間つまり１日でほとんど生育を抑制できることが
分かる。したがって、今後エイズ患者の増加に伴って世
界中で蔓延すると考えられる結核菌に対しても殺菌効果
が高いと予想される。

【００１１】上記構成において、回転ブラシ１６がモー
タ等の駆動手段（図示せず）で高速回転されている時に
回転軸１６ａに銀イオンを含んだ殺菌水を給水すると、
水滴は回転ブラシ１６の遠心力により微細水滴状となっ
て放射方向に飛び散る。吸気口１２からファン２８によ
って供給された空気は、スクリーン手段の線条部の隙間
を通過する間に回転ブラシ１６の遠心力の作用により形
成された微細水滴に衝突してできた超微細水滴と接触し
てここで１次清浄化される。つぎに、空気は高速回転ブ
ラシの遠心力によって形成された微細水滴が空気滅菌塔
の内壁と防滴プレート手段とに衝突して出来た超微細水
滴に接触して２次清浄化殺菌される。このように、細菌
類を補足した超微細水滴は空気滅菌塔の内壁に沿って下
方に流れて殺菌層２６ａ、２６ｂに滞留してここで銀イ
オンにより効率的に殺菌される。清浄化殺菌された空気
は除滴手段３６で除滴された後排気口１４から排出され
る。

【００１２】図２、３はスタッブスクリーンからなるス
クリーン手段２５ａの１例を示すもので、２５ｂはベー
スメタル、２５ｃはベールメタル２５ｂの片側に形成さ
れたスタッブからなる第１線条部、２５ｄはベースメタ
ル２５ｂの反対側に形成されたスタッブからなる第２線
条部を示す。空気の一部はベースメタル２５ｂに衝突す
るとともに、他の一部はベースメタルとスタッブ２５
ｃ、２５ｄの隙間を通過する。このとき空気は微細水滴
１７およびスクリーン２５ａに衝突して分裂した超微細
水滴に衝突して効率的に清浄化される。

【００１３】

【発明の効果】この発明によれば、密集したブラシを有
する高速ブラシから微細水滴を空気滅菌搭の内壁に衝突
させて超微細水滴を形成して、これに空気を接触させて
清浄化することができる。微細水滴によって微細な塵埃
および細菌やウイルスを補足してこれらを殺菌層にて殺
菌して環境衛生上望ましいクリーンな空気を供給するこ
とができる。この方法によれば装置構成が単純化される
とともに、空気の圧力損失も少ないため、小型の送風手
段の使用が可能となり低騒音化が可能となる。さらに、
ポンプは汎用の給水ポンプの使用が可能となり、水の消
費量及びポンプならびに回転ブラシの消費電力を低いレ
ベルに押さえることができるため装置コストおよびラン
ニングコストの大幅な低減が可能となり、実用上の価値
が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明による望ましい実施例の空気清浄
化滅菌装置を示す。

【図２】図２は図１のスクリーン手段の第１側面図を示
す。

【図３】図３は図１のスクリーン手段の第２側面図を示
す。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気口と排気口とを有する空気滅菌塔
   と、吸気口と排気口との間に空気を通過させる送風手段
   と、空気滅菌塔内に配置された高速回転ブラシと、殺菌
   水を受ける受水槽と、殺菌水を高速回転ブラシに供給す
   る給水手段と、高速回転ブラシと排気口との間に設けら
   れていて除滴するための除滴手段とを備え、高速回転ブ
   ラシの遠心力により微細水滴を放射状に飛ばして空気滅
   菌塔の内壁に衝突させて分裂してできた殺菌水の超微細
   水滴に空気を接触させて空気中の際菌類を補足すること
   により空気を清浄化しながら殺菌することを特徴とする
   空気清浄化滅菌装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、空気滅菌塔内におい
   て吸気口と高速回転ブラシとの間に線条部と孔部とから
   なるスクリーン手段を配置し、吸気口から流入した空気
   をスクリーン手段の孔部を通過させる間に線条部に衝突
   した超微細水滴により空気を１次清浄化殺菌することを
   特徴とする空気清浄化滅菌装置。
3. 【請求項３】 請求項２において、除滴手段と高速回転
   ブラシとの間に防滴プレート手段を配置して除滴手段へ
   の微細水滴の侵入を防止することを特徴とする空気清浄
   化滅菌装置。
4. 【請求項４】 請求項３において、除滴手段内に除滴作
   用を増加させるため冷却コイル手段を備えてなることを
   特徴とする空気清浄化滅菌装置。
5. 【請求項５】 請求項１において、高速回転ブラシと受
   水槽との間に銀イオン材からなる殺菌層を備え、超微細
   水滴に補足された細菌を殺菌層にて銀イオンにより殺菌
   することを特徴とする空気清浄化滅菌装置。
6. 【請求項６】 請求項５において、殺菌層に近接してフ
   ィルター層を備えてなることを特徴とする空気清浄滅菌
   装置。
7. 【請求項７】 吸気口と排気口とを有する空気滅菌塔
   と、吸気口と排気口との間に空気を通過させる送風手段
   と、空気滅菌塔内に配置された高速回転ブラシと、殺菌
   水を受ける受水槽と、殺菌水を高速回転ブラシに供給す
   る給水手段と、高速回転ブラシと排気口との間に設けら
   れていて除滴するための除滴手段と除滴手段と高速回転
   ブラシとの間に配置された防滴手段と、高速回転ブラシ
   と吸気口との間に配置されたスクリーン手段と、スクリ
   ーン手段の下方に配置された銀イオン材からなる殺菌層
   と、殺菌層の下方に配置された受水槽とを備え、高速回
   転ブラシの遠心力により微細水滴を空気滅菌塔の内壁と
   防滴手段とスクリーン手段とに衝突させてできた超微細
   水滴に空気を接触させて、空気中の塵埃および細菌類を
   補足し、細菌類を補足した水滴を殺菌層に滞留させた後
   に受水槽に還流させることを特徴とする空気清浄滅菌装
   置。
8. 【請求項８】 請求項７において、受水槽の殺菌水が過
   酸化水素を含むことを特徴とする空気清浄滅菌装置。