JPH0738833U - 気泡流量計付き、ボール逆止弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 この考案は、国の各省庁の水銀使用廃止
の方針に沿って、水銀に変わり、ＯＩＬ媒体による気泡
流量計付き、ボール逆止弁に関するものである。 【構成】（イ） 逆止弁と気泡流量計は上下、２室の構
造で装着、交換等のメンテナンスも良い。 （ロ） 真空ポンプ（６）に接続して弁が作動して密閉
になり装置全体を真空にして、不活性ガス（７）で置換
する。装置内圧が高くなれば弁（図２）機構が密閉から
解除され、ＯＩＬ（図４）の中を気泡の上昇によって流
量を見識できる流量計である。また装置内が減圧になれ
ば弁（図２）は密閉。この反復作用である。 （ハ）（図３）では、さらに発展して、ボール（１）上
部に外部微圧調整ネジ（１３）を取り付けて微圧調整も
可能な構造を採用した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、化学薬品の中でも不安定物質の分類に属する、低温物質、吸湿物質 、金属化合物等を使用しての実験を行う場合、大気中の温度、湿度、酸化作用に よって分解、重合等の反応が行われ、自然発火、時には爆発等の恐れがある。こ れらの薬品を安全に使用する為に、真空ポンプで装置内の空気を取り除き、不活 性ガス（アルゴン、窒素）等に置き換えて大気との接触をなくすことを目的とす る。 いわゆる置換を行う気泡流量計付き、ボール逆止弁である。 この逆止弁の性能の出来、不出来によっては上記の危険をはらんでいる、大変 重要な機能的役割を果たすものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の弁は中空ガラスをフロート弁とし、水銀を媒体に気密保持の機能 性を兼ねているが構造上水銀によるアマルガム化とともに接触面からのリークが 定義され、それに伴ってトラブルが考えられる。 箇条書に問題点を述べる。 （イ）大気解放による水銀汚染。 （ロ）真空装置内外への水銀汚染による研究への影響。 （ハ）突沸による器具破損から生じる水銀飛沫事故。 （ニ）不活性ガスの純度の低下。 （ホ）高価な不活性ガス（アルゴン）の浪費。

【０００３】

【考案が解決しょうとする課題点】

上記の問題点のなかでも、第１に国の各省庁の強い指導方針である水銀廃止。 現在、地球規模的環境汚染が叫ばれる中でも、最も人体に悪影響を及ぼす水銀汚 染の問題に取り組む。 そのために、媒体である水銀を使用しないで、安全で、クリーンで、環境衛生に すぐれた気泡流量計付き、ボール逆止弁を開発しょうとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

いまその解決手段を図面に追いながら説明すれば （イ）（図１）（図３）においては上下脱着できる構造になっている。 （ロ）上下（逆止弁・流量計）分離する。 （ハ）オーリング（２）をガラス内径の溝に装着する。 （ニ）ガラスボール（１）をセットする。 （ニ）解放口（３）からＯＩＬ（４）まで注油する。 （ホ）上下（逆止弁・流量計）を装着する。

【０００５】

【作 用】

本案は以上のような構造であるから、これを操作するときは、以下の手順で使用 する。 （イ）真空ポンプ（６）、不活性ガス（７）に接続。真空引き後、不活性ガスに 置換を行う。 （ロ）不活性ガスで装置内圧が高くなれば弁（図２）から不活性ガス（Ｃ）が流 れ、 （ハ）不活性ガス道（８．９）を通ってＯＩＬの中を気泡（図４）が発生して流 量が分かり、 （ニ）解放口（３）から大気中へ放出される。 （ホ）Ａから置換した不活性ガスはＢでガラスボールを上げＣＤＥＦＧＨの順に 大気中に放出する。 （ヘ）装置内が減圧になれば弁（図２）が閉じ密閉状態になる。 （ト）装置内に不活性ガスが流れる。

【０００６】

【実施例】

なお、本考案の実施に当たっては次の展開ができる。 （イ）ボールをＳＵＳ、ナイロン、テフロン、セラミック等に交換できる。 （ロ）ＯＩＬ流量計の逆転、（図３）。 （ハ）任意の加圧機構、（図３） この構造は外部微圧調整ネジ（１３）のネジ の上下、昇降運動により調整ネジ受け（１２）、ガラスボール押さえ（１１）の 間のコイルスプリング（１０）の反発力が加圧となり、不活性ガスボンベ圧（７ ）とのバランス作用で任意のガス圧を調整できる。

【０００７】

【考案の効果】

したがって、本考案のＯＩＬ流量計付き、ボール・オーリング逆止弁においては 、 （イ）水銀に変わり、ＯＩＬ使用のため安全である。 （ロ）クリーンな環境が確保でき、衛生面もよい。 （ハ）到達真空度に到る時間も１５秒前後と高性能である。 （ニ）リーク量も１．６５３×１０−５ｔｏｒｒ．ｌ／ｓｅｃ（ｏｕｔガス込み ）と非常によい。 （ホ）不活性ガスの純度もよい。 （ヘ）不活性ガス流量（ゲージ圧０．０６ｋｇ／ｃｍ^２）が非常に少ない。 （ト）高価な不活性ガス（アルゴン）の節約になる。 （チ）流量計の気泡機能が大変よい。 （リ）０リングの交換は簡便である。 （ヌ）０リングは安価で反復性がよく、 （ル）耐久性に優れて、長期間使用できる。 （オ）任意の不活性ガス圧の調整が可能である。 以上水銀媒体によるフロート弁に比べて大変安全でしかも機能性に優れた構造の 気泡流量計付き、ボール逆止弁である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の正面図

【図２】本考案のボールとオーリングの部分図

【図３】本考案のＯＩＬ流量計の逆転正面図（不活性ガ
ス美圧調整機構付き）

【図４】本考案のＯＩＬ中の不活性ガスの気泡の流動の
部分図

【符号の説明】 １ ガラスボール ２ ０リング ２’０リング ３ 解放口 ４ ０ＩＬ ５ 逆止弁 ６ 真空ポンプ ７ 不活性ガスボンベ ８ 不活性ガス道 ９ 不活性ガス道 １０ コイルスプリング １１ ガラスボール押さえ １２ 調整ネジ受け １３外部微圧調整ネジ Ａ〜Ｈは不活性ガスの移動ルートを示す

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】（イ）ボールとオーリングを組み合わせた
   弁と、 （ロ）気泡流量計の機構。 （ハ）外部微圧調整ネジによるコイルスプリングを利用
   した微圧調整機構。 以上の如く構成された。ＯＩＬ流量計付き、ボールとオ
   ーリング機構の逆止弁。