JPH0738757A - 領域別濃度補正型画像処理装置 - Google Patents

領域別濃度補正型画像処理装置

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JPH0738757A
JPH0738757A JP5181380A JP18138093A JPH0738757A JP H0738757 A JPH0738757 A JP H0738757A JP 5181380 A JP5181380 A JP 5181380A JP 18138093 A JP18138093 A JP 18138093A JP H0738757 A JPH0738757 A JP H0738757A
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JP5181380A
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Inventor
Yoshiya Imoto
善弥 伊本
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 広濃度レンジの画像を本来の画像情報の持っ
ているガンマ特性を損なうことなく、濃度レンジの限ら
れた紙などの出力媒体に出力する。 【構成】 1コマ画像に記憶されている情報を電子的に
読み取り、画像の状態に応じて濃度補正を施してデジタ
ル画像データを作成する画像処理装置において、読み取
り情報をm(m>n)ビットのA/D変換器24でデジ
タル画像データに変換した後ビット幅圧縮を行うビット
幅圧縮手段25〜28、読取領域を2つ以上の画像領域
に区分けした画像領域の情報を記憶する領域記憶手段1
2、各画像領域毎及び画像領域の境界領域毎に最適な濃
度補正量を決定しビット幅圧縮手段の出力に対して別々
の濃度調整処理を施す手段2を備えたものである。この
構成により、写真撮影での逆光などの照明状態の欠陥を
補正して良好な画像再現を行うことができ、領域境界で
の補正のエラーを緩和し、きめ細かな濃度補正を行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1コマ画像に記憶され
ている情報を電子的に読み取り、画像の状態に応じて濃
度補正を施してデジタル画像データを作成する領域別濃
度補正型画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカラーコピー機の原稿台上に、
写真フィルム像を投影してカラーコピーをとる装置が知
られている。この装置は、画像の読取信号をデジタル信
号に変換して読み込むため、フィルム画像を接続機器に
よりワークステーション等に読み込んで、CRT等に表
示しながら編集することもできる。
【0003】ところで、写真フィルムは、撮影された時
の条件により、人物などの主要被写体の明るさ、空など
の背景部の明るさのバランスがとれていないものが多
い。このため、主要被写体である人物の肌色が適正にな
るよう出力した場合の背景部の空の色は、撮影条件によ
り変化し様々な問題が発生する。
【0004】図9は撮影条件により明暗のバランスがと
れていない写真画像の例を示す図である。例えば「逆光
の場合」には、図9(イ)に示すように空の色が明るく
とんでコピー上で真っ白になってしまい、晴れた日にと
った写真でも青空の色がでない。これに対し、「人物に
直射日光があたっているような場合」には、空の色が暗
くなり、霞み空の場合には黒が混じった汚い色になる。
また、図9(ロ)に示すように木陰の下に人物が2人い
て、そのうちの1人がひなた、もう一人がひかげにいる
ような写真フィルムの場合には、ひなたの人物の肌色を
適正に出そうとすると、ひかげの人物の肌色は、暗く見
苦しい色になってしまう。逆にひなたの人物の肌色を適
正に再現しようとした場合には、ひなたの人物が白くと
んで非常に見苦しい写真になってしまう。さらに、被写
体撮影時の照明状態のムラによって、照明の暗い部分の
シャドー部と、照明の明るい部分のハイライト部の間の
濃度差が大きくなり、両者とも、飛ばさず潰さずに再現
することが難しくなる。
【0005】これは、元々自然界の被写体の持つ濃度レ
ンジが4程度(光量比で4ケタ)もあるのに対して、コ
ピーや印画紙などで再現できる濃度レンジが2程度(光
量比で2ケタ)と限られてしまっていること、さらに、
自然界の被写体を人間が直接見るときには、各被写体の
明るさに合わせて人間の眼の感度を調整するため(明順
応・暗順応)、濃度レンジ4をそれほど意識せずとも良
いのに対し、写真に撮影した場合には、物理的な濃度レ
ンジがそのまま現れてしまうためである。プロのカメラ
マンが撮影を行う場合には、こうした逆光などを考慮
し、レフ板などを使い照明状態を整えてから撮影を行う
ので、こうして撮影されたフィルムを原稿に使えば、編
集処理を施す元原稿としても充分な画質が得られる。
【0006】しかし一般の人が写した写真フィルムや機
材が充分でない場所で写した報道写真などの場合、こう
した主要被写体と背景部濃度とのミスマッチのある場合
が多くなる。このことから、デジタルカラー複写機+ワ
ークステーションとによって写真を編集してプレゼンテ
ーション資料を作ることを考えると、美しい資料にする
ためには、写真原稿についてはプロが撮った写真などに
限られてしまう。そこで、こうした主要被写体と背景部
の濃度のミスマッチを解決するために幾つかの提案がさ
れている。
【0007】例えばネガフィルムの場合、直接鑑賞しな
い中間画像媒体であることを利用してフィルム撮影特性
のガンマを低くし、被写体濃度レンジで3以上の範囲を
フィルム濃度レンジで2程度の範囲に濃度圧縮してい
る。これをコピーに再現するときは、再度濃度伸長し
て、元のガンマに戻すとともに、主要被写体に合わせて
再現濃度の設定を行っている。
【0008】また、特開昭64ー123680号公報で
は、この性質を使ってフィルムに写っている画像の実際
の濃度レンジを測定し、ハイコントラスト/ローコント
ラストに応じて再現特性曲線のガンマを変え、ハイコン
トラストのものはローガンマの再現曲線で再現すること
を提案している。この考え方は、元々写真焼付けに際し
コントラストに合わせて、硬調の印画紙と軟調の印画紙
を使い分けていたことと同じ考え方である。
【0009】この手法を使うと、元々の被写体の濃度を
圧縮することで、コピー上のハイライトがとんだり、シ
ャドーがつぶれたりすることが少なくなり、逆光の背景
の空も白くならずにすむ。しかし、全体をローガンマに
再現することで、画像のメリハリがなくなる欠点があ
る。このため図4の(ロ)の例では、ひなたにいる人物
のハイライト部からひかげにいる人物のシャドー部まで
を再現しようとすると、ひなたの人物の髪の毛の黒が薄
いしまりのない色になってしまう。
【0010】写真焼付けの手法では、こうしたハイコン
トラストのネガからの焼付けに際してもう一つ「覆い焼
き」と呼ばれる手法が知られている。これはネガフィル
ムを印画紙に投影焼付けする時に、フィルム上のある領
域からの光を一時的に遮断し、領域ごとの焼付け露光量
を変えるという手法である。モノクロネガからの焼付け
では、手を使って所望の領域の光を遮断し、この領域の
画像の焼付け濃度が濃くなりすぎないようにすること
で、ハイライト画像を再現しながら覆い焼きを行ってシ
ャドー画像をつぶれないようにするものである。
【0011】これをカラー写真の焼付けで精度よく行う
ための提案として、特開平1ー270039号公報があ
る。この提案では、焼付け投影光路中に液晶表示パネル
を設け、ひかげの人物(ネガ上では透過濃度が低く明る
い)の部分を覆い焼きし、ひなたの人物と同じ焼付け濃
度にしている。また特開昭62ー189457号公報で
は、主要被写体と背景部のそれぞれの領域に応じた濃度
補正量をもとめる方法が提案されており、写真焼付けで
は、この2つを組み合わせれば、主要被写体と背景部の
濃度のミスマッチの問題が一応解決できる。
【0012】しかしこの方式は、写真焼付け時の露光時
間を制御して露光量をかえるため、ラインセンサで1ラ
イン毎に一定時間露光しながら走査をするデジタルカラ
ー複写機のような方式の読取装置には使えない。また、
ひなたの部分とひかげの部分の境界を厳密に処理するも
のではなく、境界付近での遮光領域の範囲を時間的に変
化させることにより境界をぼやけさせる効果を使うが、
3色の露光時間のバラツキによる色変わりもあってひな
たとひかげの境界と覆い焼きの境界が見苦しいものにな
りやすい。また、濃度の濃い部分と薄い部分をわけて処
理をしようという提案も例えば特開昭62ー25727
9号公報にある。この提案の内容は、マイクロフィルム
のモノクロ読取画像を良好に2値化するためのもので、
2値化の際のしきい値を領域により変更することで、フ
ィルム周辺部のかぶりの影響のため濃度が濃くなる部分
とフィルム中心部の濃度が薄くなる部分との背景濃度部
の差による2値化時の文字のかすれ/太りをなくそうと
いうものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところでこうしたネガ
フィルム画像をデジタル画像としてで読み取るときの別
の問題として、ネガ/ポジ変換を行った後でのハイライ
トの階調の粗さがある。ネガ/ポジ変換は、濃度空間上
での線形変換が基本である。しかし、通常A/D変換は
反射率等間隔に行われるため、読取画像の高濃度部で
は、濃度空間で見て量子化ステップが粗くなっている。
ネガ/ポジ変換処理では、この高濃度空間上での線形変
換でハイライトに変換するため、ハイライト部の階調が
粗くなってしまう。この結果、ネガフィルムから再現し
た画像のハイライト部は、ザラザラした粒状性の悪いも
のになってしまう。
【0014】この対策として、フィルムに応じた濃度補
正にゲイン調整を併用して行い、A/D変換レンジを有
効に使い、読取画像の高濃度部は量子化ステップを細か
くして読むことで粒状性の改善を行う方法が考えられ
る。しかしハイコントラストなフィルムの場合、ハイラ
イトからシャドーの濃度差が大きいので、読取画像の低
濃度部まで読もうとすると、高濃度部の量子化ステップ
が粗くなってしまう。
【0015】またポジスライドの場合には、フィルムの
撮影特性のガンマが高く、濃度レンジが4近くあるた
め、フィルム画像上のハイライトとシャドーの濃度差が
大きい。このため、フィルムにあわせて、信号読取レベ
ルの調整を露光量やゲインで行っても、ハイライトをと
ばさずに、またシャドーをつぶさずに読み取ることが難
しくなる。
【0016】こうした対策としては、A/D変換のビッ
ト数を8ビットから9ビット以上に上げることが考えら
れるが、ビット数が大きくなると、外部機器との接続が
不便になったり、LSIでの処理も汎用のものが使えな
い欠点がある。このため、市販のフィルムリーダーで
は、ネガ/ポジ変換等を行う階調変換テーブルで12ビ
ットから8ビットに変換して使っている。
【0017】また、9ビット以上で読み取ったデータを
濃度データに直してから、指数部と仮数部に分けて仮数
部8ビットに対して減算によるシェーディング補正を行
う提案を本発明者が行っている。しかしこの方式は、画
像処理を行うシステムバリューを濃度にとった場合の提
案であり、システムバリューが明度になった場合には、
A/D変換直後から反射率 濃度 明度と変換されるこ
とでの演算誤差の累積や、階調の欠落が問題になる。
【0018】一方、変換テーブルで9ビット以上の信号
を8ビットに変換した後で、ワークステーション等での
編集作業により、前記「ハイライトのとび」や「シャド
ーのつぶれ」の問題を補正しようとしても、読み取られ
た濃度レンジがワークステーションに取り込まれた画像
の段階で制限されていたのでは、失われた階調を復元で
きない。またワークステーションに送る段階で、前述の
ようにガンマを寝かしてワークステーションに取り込
み、編集処理を行った場合には、階調のロスがあるので
画質の劣化を伴う。さらに、階調数のロスを防ぐため、
9ビット以上のビット数でデータを転送しようとして
も、画像メモリは標準的に8ビットで構成されているた
め、ワークステーションで受けとることができない。
【0019】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、目的は、写真フィルムに記録されている広濃度レ
ンジの画像を本来の画像情報の持っているガンマ特性を
損なうことなく、濃度レンジの限られた紙などの出力媒
体に出力することである。本発明の他の目的は、被写体
撮影時の照明条件に起因する被写体の記憶色からのずれ
を補正することである。例えば逆光などの条件によらず
被写体の空の色と人間の肌の色の明るさをそれぞれ適正
に再現させることである。本発明のさらに他の目的は、
ネガから読み取った画像のハイライト部の粒状性を改善
することである。本発明のさらに他の目的は、画像内の
領域ごとに別の濃度補正を行う時に生じる領域境界での
補正のエラーを緩和することである。本発明のさらに他
の目的は、9ビット以上の分解能で読み取った画像をワ
ークステーションなどに送るため8ビットに変換するに
あたり、効率の良い変換を行い画質の劣化をおさえるこ
とである。
【0020】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、1
コマ画像に記録されている情報を電子的に読み取り、画
像の状態に応じて濃度補正を施してデジタル画像データ
を作成する画像処理装置において、読み取り情報をm
(m>n)ビットのA/D変換器でデジタル画像データ
に変換した後ビット幅圧縮を行うビット幅圧縮手段、読
取領域を2つ以上の画像領域に区分けし区分けした画像
領域の情報を記憶する領域記憶手段、及び各画像領域毎
及び該画像領域の境界部毎に最適な濃度補正量を決定し
前記ビット幅圧縮手段の出力に対して別々の濃度調整処
理を施す濃度調整処理手段を備えたことを特徴とするも
のである。
【0021】さらに、前記ビット幅圧縮手段は、ルック
アップテーブルと、データを仮数部と指数部に分ける部
分からなり、仮数部で変換テーブルのアドレスを引用し
指数部で変換テーブルを選択し、前記仮数部のデータバ
スでシェーディング補正処理を行うことを特徴とし、ま
た、前記濃度調整処理手段はビデオデータに乗算処理を
行う乗算器の乗算係数を格納しておく複数個の乗算係数
レジスタを有し、前記各画像領域及び該画像領域の境界
部の情報に基づき、乗算係数レジスタを切り換え、複数
種類の変換カーブを予め書き込むルックアップテーブル
を有し、前記各画像領域及び該画像領域の境界部の情報
に基づいて変換カーブを切り換え、ルックアップテーブ
ルの変換カーブを前走査によって得た画像情報の領域境
界部を挟んだ両側の部分の濃度情報に基づいて書き込む
ことを特徴とするものである。
【0022】読取画像を前走査して得た画像情報を使っ
て前記2つ以上の画像領域の区分けの決定と、各画像領
域毎及び該画像領域の境界部毎に最適な濃度補正量を決
定各画像領域ごとに最適な濃度補正量の決定を行うこと
を特徴とするものである。
【0023】
【作用】本発明の領域別濃度補正型画像処理装置では、
読み取り情報をm(m>n)ビットのA/D変換器でデ
ジタル画像データに変換した後ビット幅圧縮を行うビッ
ト幅圧縮手段、読取領域を2つ以上の画像領域に区分け
し区分けした画像領域の情報を記憶する領域記憶手段、
及び各画像領域毎及び該画像領域の境界部毎に最適な濃
度補正量を決定し前記ビット幅圧縮手段の出力に対して
別々の濃度調整処理を施す濃度調整処理手段を備えたの
で、写真撮影での逆光などの照明状態の欠陥を補正して
良好な画像再現を行うことができる。
【0024】しかも、領域ごとの濃度補正量を変更する
ために、フィルムのより広い濃度レンジを読み取る必要
があるので、A/D変換のビット数を8ビットよりも大
きくし、浮動小数点データのように仮数部と指数部に分
けてビットシフトを行うので、画像データの有効ケタ数
を損なわずに、変換カーブ部(ENL)に送り、このE
NLを領域ごとに変更することにより、効率よく8ビッ
ト画像データに変換することができる。
【0025】また、領域と領域の境界部をさらに別の領
域として各画像領域毎及び該画像領域の境界部毎に変換
カーブを変更して濃度補正量を変更するので、領域境界
での補正のエラーを緩和することができ、前走査を行う
ことで得た情報を使って、領域の境界の決定、領域ごと
の濃度補正値の決定を行うので、きめ細かな濃度補正を
行うことができる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明に係る領域別濃度補正型画像処理
装置のシステム全体の1実施例構成を示す図である。
【0027】図1において、読取部1は、反射原稿やフ
ィルムをCCDで読み取るものである。ENL2は、読
取部1での読取信号の階調変換を行うLUT(Look
Up Table)である。ライン間補正ブロック3
は、CCDにおいて読取ラインの位置がRGBでずれて
いるためにその補正を行うものである。色補正部4は、
読取信号に色補正マトリックスをかけあわせる乗加算器
であり、この補正により編集処理に都合の良いシステム
バリュー(本実施例ではL* ,a* ,b* )に変換され
る。切換え部5は、編集処理部などとの分岐のための切
換えを行うものである。色補正部6は、レーザープリン
タの出力に合わせたシステムバリューに変換するもので
ある。UCR7は、墨入れ・下色除去を行い、D/F8
は、精細度処理を行い、TRC9は、レーザープリンタ
の出力階調特性に合わせた階調変換を行うものである。
切換え部10は、レーザープリンタ16への出力経路
と、ワークステーション18等の外部端末への出力経路
の切換えを行うものである。
【0028】色検知・色変換回路11、領域生成回路1
2、領域メモリ13は、編集処理に使われるものであ
り、最初の切換え部5で分岐され、例えば原稿に書かれ
たラインマーカーの色を前スキャンで検知して、そのマ
ーカーで囲まれた範囲を領域生成用のLSIで判定しマ
ーカーで囲まれた範囲を領域メモリ13に記憶させる。
そして、実際のコピーの読取時に、領域メモリ13に記
憶された範囲を予め決められた色に変換するという編集
などを行う。
【0029】AGDC14は、グラフィック制御用のL
SIであり、領域メモリ13上に図形を描画するなどの
機能を持ち、指定された点を中心にした指定色の円を描
くなどの編集機能がこのLSIにより実現できる。IP
S CPU15は、読取部1乃至切換え部10、色検知
・色変換回路11、領域生成回路12からなる各処理、
各変換ブロックの処理パラメータの書換え、制御を行う
ものである。
【0030】レーザープリンタ16と外部端末との切換
えで、切換え部10がレーザープリンタ16に切り換え
られたときには、1画面の読取動作毎にK,Y,M,C
の4色の信号のうちの1つがレーザープリンタ16に送
り出され、外部端末に切換えられたときには、1画面の
読取動作毎にR,G,BまたはL* ,a* ,b* の3色
の信号のうちの1つが8ビットバスに送り出される。つ
まり、外部端末であるワークステーション18に切り換
えられたときは、1色毎の8ビット信号を3回の読取動
作で外部端末に取り込む構成になっている。例えば標準
的な表色系であるL* ,a* ,b* で取り込む場合には
編集回路のシステムバリューと同じであるので、IPS
CPU15が色補正部6乃至TRC9からなる後半の
各変換ブロックの設定を素通しにする。そして、ワーク
ステーション18の内部でCRT19の特性に合わせた
色変換を行い、RGBでCRT19に表示する。ワーク
ステーション18とIPS CPU15との信号のやり
とりで、各変換ブロックの設定の変更もできる。
【0031】次に読取部及びENLまでの構成を詳しく
説明する。図2は読取部及びENLまでの具体的な構成
例を示す図である。
【0032】通常の反射原稿の読取には、汎用の8ビッ
トA/D変換器が使われる。しかし、フィルム読取の場
合には、先に述べたように、濃度レンジが広いことや、
ネガ/ポジ変換器を使用する必要がある等で条件が異な
るため、10ビットA/D変換器が使われる。したがっ
て、ここでA/D変換された10ビットのデジタルデー
タは、階調変換用のENLを通して8ビット信号にする
必要がある。さらに、階調変換後では、L* に比例する
データとなり、光量に比例するデータではなくなるの
で、階調変換を行う前に、シェーディング補正を行わな
ければならない。この部分を工夫した回路が図2であ
る。
【0033】図2において、CCD21で読み取られた
アナログ信号は、その原稿に合わせたゲイン調整回路2
2、オフセット調整回路23を通って、10ビットA/
D変換器24に入力され、その10ビット出力は、セレ
クタ25に入力される。そして、このセレクタ25で
は、上位4ビットを次の〔表1〕に従って判定しビット
シフト量を決め、決められたビットシフト量に従って1
0ビット信号を下位の8ビットに詰めるようにビットシ
フトを行い、SD26に入力してシェーディング補正を
行う。このSD26は、シェーディング補正のための8
ビット入力の汎用LSIで、このLSIを使うために、
セレクタ25で、10ビット信号を8ビット信号に変換
している。
【0034】
【表1】 ここで、10ビット以上のA/D変換器24を使う理由
は、高出力データは8ビットの有効桁数があれば充分で
あるが、低出力データの有効桁数が足りないためであ
る。このことより、シェーディング補正の前段でデータ
を仮数部とシフト量(指数部)に分け、仮数部を8ビッ
トにしても実用上は問題ない。また、ビデオデータが光
量に比例するデータであれば、シェーディング補正が除
算であることから仮数部を8ビットに対してのみシェー
ディング補正を行えばよい。
【0035】シェーディング補正を行うLSIのSD2
6は、オフセット補正の減算器と白補正を行う除算器か
らなる。除算器を構成するには、LSIのゲート数が多
く必要であり、さらに10ビット除算器になると、ゲー
ト数が膨大となる。また、通常の反射率読取のために
は、8ビット処理で充分な性能がでるため、標準は8ビ
ット補正であり、8ビット補正のLSIが汎用のLSI
になっている。このため処理を8ビットに制限できるメ
リットは大きい。
【0036】A/D変換の前段でのオフセット調整回路
23は、黒レベルを読んだときのA/D出力が大体0に
なるように合わせ込むものである。しかし、完全に0に
合わせ込もうとすると、オフセット自動調整を行うとき
に、マイナス側のズレを検知できないため、故意にわず
かにオフセットを残して調整する。ここでは、その量は
16/1023であり、白補正を正確に行うためには、
黒レベルを0に合わせなければならないのでこの分をデ
ジタルで減算する必要がある。この減算を10ビット幅
の部分で行ってもよいが、10ビット減算器が複雑にな
るため、SD26に付属している減算器を流用する。減
算は、セレクタ25でのシフト量の影響を受けるので、
シフト量によって4/8/16と切り換えている。
【0037】オフセット補正を行ったことで、この部分
のデータは、0が黒レベルに対応するCCD露光量に比
例したデータとなり、ビットシフト量Nが光量の2N
に対応する。このため、白レベルの補正は、ビットシフ
ト量によらず、各画素ごとに決定された白基準のシェー
ディングデータで除算すればよくなる。ここでシェーデ
ィング補正の精度は8ビットになるが、有効桁数で8ビ
ット確保されているので、充分な性能が得られる。
【0038】なお、このSD26は、ビデオデータをシ
ェーディングメモリ27に書き出す機能も有しており、
このシェーディングメモリ27を介して、ビデオデータ
をIPS CPU15が読み込むこともできる。このデ
ータを書き出すモードの時は、セレクタ25の設定は常
に2ビットシフトとなり、10ビットデータの上位8ビ
ットがSD26に入力される。
【0039】次に、セレクタ28によって〔表2〕に示
すようなENL入力データに変換される。
【0040】
【表2】 まず、セレクタ28には、SD26の出力8ビットとビ
ットシフト量2ビット(0〜2)が入力される。SD2
6の出力は、光量に比例するデータであり、ビットシフ
ト量Nも光量の2N 倍に対応するデータなので、この2
つのデータの関係は、セレクタ25の出力と同様で、ビ
ットシフト量分逆算しても、数値の意味は変化しない。
この関係から、〔表2〕のようにデータを上位詰めに再
シフトする。この再シフトでセレクタ25のシフト量に
対して、上位ビットに0が入っていて逆シフトされた場
合には、シフト量が減る。シフト量が0でない場合に
は、必ず再シフト後の最上位に1が入っている。シフト
量が0の場合には、最上位が0の場合と1の場合の2通
りに分かれる。合計4通りの場合に分かれ、これをEN
Lカーブの選択信号2ビットに使う。
【0041】最上位ビットの情報は、すでに上記の通り
ENL選択信号に含まれているので、下位の7ビットを
仮数部として、ENLーLUTの入力に対して出力して
やればよい。こうすることにより、A/D出力の全レン
ジの7/8の範囲で、有効桁数8ビットを保ちながらシ
ェーディング補正を行い、さらに、ENLのアドレスを
9ビット幅に圧縮することができる。
【0042】図3は10ビット反射率入力に対するネガ
/ポジ変換のENL変換カーブの例とその変換カーブを
本実施例用に変換した例を示す図である。10ビット反
射率のレンジを0〜1/8、1/8〜1/4、1/4〜
1/2、1/2〜1/1の4つに分けたのが図3(a)
の点線で示した範囲で、0〜1/8、1/8〜1/4を
拡大して、1/2〜1/1の範囲を圧縮したのが図3
(b)に示す本実施例用の変換カーブである。図3
(b)の点線で区切られた範囲が前述のENLの選択信
号ビットで選ばれる範囲である。この変換カーブの形を
見るだけでも、元々の変換カーブでは入力信号の暗い部
分で変換カーブの傾きがきついのに対して、図3(b)
のカーブの傾きが明るい部分から暗い部分にかけて均等
に近く変換効率が良いことがわかる。図2にてさらにバ
ンク切換えとして上位2ビットを領域生成12からの出
力で選択する。この出力により、領域メモリに記憶され
ている情報で4種類までの領域別処理ができる。またE
NLは、仮数部7ビット・選択信号2ビット・領域切換
え2ビットの合計アドレス11ビット、出力8ビットの
512Kの高速SーRAMで容易に構成することができ
る。この部分の回路は、RGBの3系統があり、3色の
ENLの出力は8ビット×3色の信号になる。
【0043】次にこの回路を使った領域別濃度補正の手
順を述べる。図4は領域別濃度補正を説明する写真画像
の例を示す図である。まず、原稿ネガフィルムの読取を
行い、ワークステーションに読取データを取り込む。こ
の際には、全画像データを転送すると時間がかかるの
で、300×200画素×3色程度の画像データに間引
いた画像を送る。
【0044】また、この時には、通常のフィルムからの
コピーの場合と同様にA/E(自動濃度調整)を行って
CRTに表示する。この際のENLカーブは、画像のハ
イライト部分からシャドー部分の階調が失われないよう
に通常のコピーモードよりもガンマを低くしたカーブを
設定する。このカーブを決定するための6次式の係数は
予めROMに格納しておき、CPUで計算してENLの
RAMに書き込む。
【0045】色補正部4のブロックには、R,G,Bま
たはL* ,a* ,b* に変換する係数を設定する。切換
え部5は、〔色補正部4→色補正部6〕に設定し、色補
正部6以降のブロックは、D/F8を除いて素通しの設
定にする。このとき間引いたサンプリングを行っている
ことから、D/F8の設定は、ボカす設定にし、サンプ
リングの粗さで細部が見づらくなることを防ぐ。
【0046】こうしてI/F17を介してL* ,a*
* の1色ずつが1回の読取で、ワークステーション1
8に取り込まれて行く。ワークステーションに取り込ま
れた予備走査画像は、ワークステーション18のCRT
19に適した変換が行われ、RGBの画像でCRT19
に表示される。この画面上で、オペレータは、覆い焼き
の領域の指定を行う。
【0047】まずオペレータは、画面上で覆い焼きの境
界線の指定をする。これは、画面上に表示された境界線
をマウスでなぞることによって行う。図9(a)に示す
例では、青空と草原の境界線をマウスでなぞり、図9
(b)では、ひなたとひかげの境をマウスでなぞる。こ
の境界線の部分の位置情報は、IPS CPU15に送
られ、サンプリング分の画素密度変換が行われ、AGD
C14により3mm相当の幅(領域メモリ13の画素密
度は1/4mmなので、12画素の幅)に広げられて領
域メモリ13に書き込まれる。
【0048】次に、この領域境界の情報をもとに再度A
/Eを行う。A/Eでは、フィルムを16点(1点は3
2画素の平均値)×16ラインで間欠的な読取動作を行
い、1ラインを読み取るごとにシェーディングメモリ2
7にデータを書き出し、これをIPS CPU15が読
むことでビデオデータを採取する。この際のセレクタ2
5によるビットシフトは常に0に固定しておき、10ビ
ット出力のうちの上位8ビットのみをシェーディングメ
モリ27に採取する。
【0049】こうして採取したA/Eサンプルデータ2
56点を「前段階で決定した境界線データのどちら側か
?」により、例えば図4で●、▲のグループと、○、△
のグループのグループの2つに分ける。この2つのグル
ープそれぞれについて、平均濃度・最大最小濃度などを
使ってRGBごとの濃度補正量〔ΔDR1,ΔDG1,ΔD
B1〕と〔ΔDR2,ΔDG2,ΔDB2〕を求める。この濃度
補正量を使ってアンプゲインの設定などA/D入力の設
定を行い、この分を差し引いた濃度補正量〔ΔD1(R
/G/B)〕と〔ΔD2(R/G/B)〕をLUTで変
換することにより〔a1(1,R/G/B)〕と〔a1
(2,R/G/B)〕の2組のENLカーブの補正値を
決め、それぞれのENLカーブ1とENLカーブ2を書
き込む。例えば図9の(a)では、暗い草原と人物がE
NLカーブ2を用い、明るい青空がENLカーブ1を用
いる。
【0050】次に境界線の部分を変換するENLカーブ
を決定する。まず、境界線を挟んだ両側のサンプルデー
タについての平均〔R1,G1,B1〕と〔R2,G
2,B2〕を求める。図4の●の平均と○の平均であ
る。この平均値にアンプゲインの変更分とベースフィル
ム濃度分の補正を行ってD1(R/G/B)とD2(R
/G/B)とし、反射率〔a1(R/G/B)〕と〔a
2(R/G/B)〕に直す。このa1(R/G/B)と
a2(R/G/B)及びENLカーブ1とENLカーブ
2の濃度補正量ΔD1(R/G/B)とΔD2(R/G
/B)を使って境界部分のENLカーブを決める。
【0051】図5は図4に示した2重線を切り口とする
画像上の濃度分布を示す図、図6は各領域に分けたEN
Lカーブによる補正を説明するための図である。図5
(a)に示す明るすぎる空と暗すぎる草原のような濃度
差の大きいものに対して領域別に濃度補正を行った結果
を示したのが図5(b)であり、境界にオーバーシュー
ト波形が発生すると共に、白抜けを起こした輪郭線と暗
い輪郭線が境界線に発生するため見苦しい絵になる。こ
こで、境界領域を設け処理を分けて行うことにより、図
5(c)のように滑らかな変化とすることができる。こ
こで行うのは、ENL1上にある反射率a1の点とEN
L2上にある反射率a2の点を結んでa1(R/G/
B)とa2(R/G/B)及び、ΔD1(R/G/B)
とΔD2(R/G/B)の値の大小関係によって場合分
けすることである。〔表3〕及び図6にその大小関係に
よる場合分けを示す。
【0052】
【表3】 ΔD1とΔD2の大小によって図6で領域1のENL1
と領域2のENL2のどらちが右側のカーブになるかを
決定し、a1とa2の大小によって領域1の代表点と領
域2の代表点の反射率がENLカーブ上でどちらが左側
になるかを決定する。
【0053】上記の場合が図5に示す例で、領域1と
領域2の立場を入れ換えただけのの場合と並んで最も
一般的な場合である。境界の両側の代表濃度D1とD2
を濃度から反射率に変換する逆対数LUTを通して反射
率a1とa2に変換する。このあと、ENLカーブは、
図3(b)に示すように3段階に変わっているので、場
合分けを行いENLカーブのアドレスに変換する。これ
によって決まったアドレスにより、アドレスa1まで
は、ENL1と同じ内容のデータをENL3に書き込
み、アドレスa2以上は、ENL2と同じ内容のデータ
をENL3に書き込む。アドレスa1とa2の間は、そ
れぞれのアドレスからの距離による加重平均をENL1
データとENL2のデータの間でとったものである。
【0054】こうして図6に示すようなENLカーブが
描け、a1よりも暗い(出力では明るい)エリアは、領
域1と同じ変換特性となり、空で境界に近い部分の画像
がオーバーシュートのため出力上で暗くなりすぎること
がなくなる。また、a2よりも明るい(出力では暗い)
エリアは、領域2と同じ変換特性になり、草原で境界に
近い部分の画像がオーバーシュートのため出力上で明る
くとんでしまうこともなくなる。図6の他の場合もそれ
ぞれ「a1とa2がどちらが明るいか?」と、「ENL
1とENL2のどちらが右側にあるか?」の〔表3〕に
示した場合分けによって、ENL1とENL2のデータ
から書き込むことができる。
【0055】実際の画像データの入力にあたっては、1
0ビットA/D変換器から出力されたデータを図2の回
路で9ビットデータに圧縮し、ENLーLUTの入力デ
ータとして、さらに、領域メモリに記憶さている3領域
の識別信号が領域生成のブロックから出力され、ENL
ーLUTの上位2ビットに入力される。これにより、画
像領域ごとに別々の濃度補正が施されることになる。こ
こで、境界線の部分については、2種のパラメータを領
域生成部からの信号で切り換えることによりD/Fによ
る精細度強調の処理の強さを切り換え、処理の段差が強
調されることを防ぐ。この読取データは、最終的な画像
データとしてワークステーションに取り込むこともでき
るし、カラーレーザープリンタに出力することもでき
る。こうすることで領域別の濃度調整が可能になり、図
9に示すような撮影時の照明状態が逆光などの良好でな
いフィルムからでも良好な画像再現が可能になる。
【0056】図7は本発明に係る領域別濃度補正型画像
読取装置の他の実施例を説明するための図である。上記
の実施例(以下、実施例1という)では、オペレータが
2つの領域の境界をなぞることで境界の設定を行った
が、境界線が複雑な形をしているものでは境界線の指定
が難しくなる。そこで、ワークステーション上の間引い
てサンプリングした300×200画素の画像上で空を
判断する領域1の青空の部分を指定し、空を判断するし
きい値として、ΔL1* ,Δa1* ,Δb1* を順次変
えながらその指定された部分周辺の平均のL* * *
の値を基にして領域1の境界を切り出せる値を決定す
る。図7では、空の部分の濃度が連続的に変化している
ため、しきい値のとり方によって境界線の位置が順次変
わっていく様子を示している。画面上に画像と境界線を
合わせて表示して、境界線が最適になる所を決定する。
そして、青空と草原の境界に一致したところで、そのと
き設定していたΔL1* ,Δa1* ,Δb1* の値をし
きい値とする。
【0057】次に、こうして決定されたしきい値ΔL1
* ,Δa1* ,Δb1* と、ワークステーション上で決
定した境界線の座標をIPS CPU15に送り、実施
例1と同様に、境界線の両側についてA/Eサンプリン
グを行い、ENLの計算などを行う。また、IPS C
PU15は、しきい値ΔL1* ,Δa1* ,Δb1*
色検知部に設定し再度走査読取を行う。ここで、しきい
値ΔL1* ,Δa1*,Δb1* で決められた範囲の領
域は、より正確に細かい分解能で領域メモリに取り込ま
れる。次に、AGDCを使って、取り込まれた領域の輪
郭を作成し、実施例1と同様に輪郭部を太らせて、境界
領域とする。以後の処理は実施例1と同じである。こう
することで、領域間の境界が複雑なものでも、最適な領
域境界の設定が可能になる。
【0058】図8は本発明に係る領域別濃度補正型画像
読取装置の他の実施例を説明するための図である。実施
例1では、10ビットA/Dを使い11ビット入力のE
NLーLUTのRAMに入力したが、より高画質を望む
ならば、12ビットA/Dを使用するなど階調分解能を
上げる必要がある。この場合には、どうしてもENLの
入力ビット数が増えてしまう。また領域分割の数を増や
す場合には、ENLカーブの本数を増やす必要がある。
こうした場合には、ENLカーブで濃度補正量の切換え
を行うことが、ENLーLUTのRAMの容量の制約
や、ENLカーブの計算書き込み時間の問題として出て
くる。そこで、図8に示すような回路を使って途中に乗
算器38を設け、この乗算器38で乗算係数の格納され
ているレジスタを領域生成部から切り換えることで、領
域ごとに独立な濃度調整を行うようにしてもよい。
【0059】図8に示す回路の動作をさらに説明する。
まずアナログビデオ信号は、12ビットA/D変換器3
4でデジタル信号に変換され、セレクタ35に12ビッ
トデジタル信号として入力される。この12ビットデジ
タル信号の上位5ビットを使って、〔表4〕の論理値表
のようにビットシフト量を求め、下位詰めにシフトした
8ビット信号と、シフト量(0〜4の3ビット信号)を
出力する。このシフトされた8ビット信号に実施例1と
同様にシェーディング補正を行い、領域によって切り換
えられる乗算係数をかけあわせる。この乗算係数は1.
0倍〜2.0倍の範囲の数字に桁を割り振られた8ビッ
トの数字で、IPSーCPUから設定され、前記のよう
に領域生成部からの信号で切り換えられる。
【0060】この乗算積は、乗算による有効桁落ちを考
慮してケタ上がりを含む9ビットのデータとなって、セ
レクタ2に入力される。セレクタ2では、入力9ビット
のうちの上位6ビットと、入力シフト量3ビットによっ
て、〔表5〕の論理値表に従い、ENLの選択(0〜6
の3ビット)と入力9ビットのうちの仮数部7ビットを
出力する。ここの考え方は、実施例1の10ビットの場
合を拡張しただけである。
【0061】
【表5】 こうしてセレクタ2の出力合計10ビットがENLーL
UTに入力される。ENLーLUTは11ビットRAM
で構成されているので、空いている最上位1ビットを領
域切換えのために使えるので、この最上位ビットの切換
えにより、実施例1の境界部のENL(ENL3)を書
き込んでおいたものを選択する。実施例1のENL1と
ENL2の切換えで、領域1と領域2の濃度補正量を切
り換えることは、乗算器の乗算係数の切換えで代用でき
るが、ENL3の途中の階調ガンマを変化させたENL
カーブは乗算係数の変更で代用できないため、境界部と
通常の領域の切換えのみをENLの切換えで行う。
【0062】こうすることで、ENLーLUTを構成す
るRAMの容量を大きくすることなしにA/D変換器の
階調数を大きくし、広い濃度レンジにわたって有効数字
8ビットの階調分解能を維持することができる。こうし
て、ネガフィルムからの読取画像のハイライト部の粒状
性を良好に保ちながら、領域ごとに別々の濃度補正を行
うために必要な広い濃度レンジにわたる充分な階調数を
維持することができる。
【0063】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記
の実施例では、処理を分ける領域の数が、2つの領域と
その境界部の合計3つだったが、領域メモリのビット数
・乗算レジスタの切換え数を増やすことで、領域数を容
易に増やすことができる。こうすることで、よりきめの
細かい濃度補正処理を行うことができ、全画面内での撮
影時の照明状態の分布が複雑なものでも、きめ細かく補
正することができる。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、読み取り情報をm(m>n)ビットのA/D
変換器でデジタル画像データに変換した後ビット幅圧縮
を行うビット幅圧縮手段、読取領域を2つ以上の画像領
域に区分けし区分けした画像領域の情報を記憶する領域
記憶手段、及び各画像領域毎及び該画像領域の境界部毎
に最適な濃度補正量を決定し前記ビット幅圧縮手段の出
力に対して別々の濃度調整処理を施す濃度調整処理手段
を備えたので、写真フィルムに記録されている広濃度レ
ンジの画像を本来の画像情報の持っているガンマ特性を
損なうことなく、濃度レンジの限られた紙などの出力媒
体に出力することができる。したがって、被写体撮影時
の照明条件に起因する被写体の記憶色からのずれを補正
することができ、例えば逆光などの条件によらず被写体
の空の色と人間の肌の色の明るさをそれぞれ適正に再現
させることができる。しかも、領域ごとの濃度補正量を
変更するために、フィルムのより広い濃度レンジを読み
取る必要があるが、A/D変換のビット数を8ビットよ
りも大きくし、浮動小数点データのように仮数部と指数
部に分けてビットシフトを行うので、画像データの有効
ケタ数を損なわずに、変換カーブ部(ENL)に送り、
このENLを領域ごとに変更することにより、効率よく
8ビット画像データに変換することができ、9ビット以
上の分解能で読み取った画像をワークステーションなど
に送るため8ビットに変換するにあたり、効率の良い変
換を行い画質の劣化をおさえることができる。
【0065】また、領域と領域の境界部をさらに別の領
域として各画像領域毎及び該画像領域の境界部毎に変換
カーブを変更して濃度補正量を変更するので、領域境界
での補正のエラーを緩和することができ、前走査を行う
ことで得た情報を使って、領域の境界の決定、領域ごと
の濃度補正値の決定を行うので、画像内の領域ごとに別
の濃度補正を行う時に生じる領域境界での補正のエラー
を緩和することができ、ネガから読み取った画像のハイ
ライト部の粒状性を改善し、きめ細かな濃度補正を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る領域別濃度補正型画像読取装置
の1実施例を説明するための図である。
【図2】 読取部及びENLまでの具体的な構成例を示
す図である。
【図3】 10ビット反射率入力に対するネガ/ポジ変
換のENL変換カーブの例とその変換カーブを本実施例
用に変換した例を示す図である。
【図4】 領域別濃度補正を説明する写真画像の例を示
す図である。
【図5】 図4に示した2重線を切り口とする画像上の
濃度分布を示す図である。
【図6】 各領域に分けたENLカーブによる補正を説
明するための図である。
【図7】 本発明に係る領域別濃度補正型画像読取装置
の他の実施例を説明するための図である。
【図8】 本発明に係る領域別濃度補正型画像読取装置
の他の実施例を説明するための図である。
【図9】 撮影条件により明暗のバランスがとれてい写
真画像の例を示す図である。
【符号の説明】
1…読取部、2…ENL、3…ライン間補正ブロック、
4、6…色補正部、5、10…切換え部、7…UCR、
8…D/F、9…TRC、11…色検知・色変換回路、
12…領域生成回路、13…領域メモリ、14…AGD
C、15…IPS CPU、16…レーザープリンタ、
17…I/F、18…ワークステーション、19…CR
T、21…CCD、22…ゲイン調整回路、23…オフ
セット調整回路、24…A/D変換器、25、28…セ
レクタ、26…SD、27…シェーディングメモリ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1コマ画像に記録されている情報を電子
    的に読み取り、画像の状態に応じて濃度補正を施してデ
    ジタル画像データを作成する画像処理装置において、前
    記記録された画像を走査して電子的に情報を読み取る読
    み取り手段、該読み取り手段により読み取った前記情報
    をm(m>n)ビットのデジタル画像データに変換する
    A/D変換手段、前記デジタル画像データをnビットに
    ビット幅圧縮するビット幅圧縮手段、前記画像の読取領
    域を2つ以上の画像領域に区分けし区分けした画像領域
    の情報を記憶する領域記憶手段、及び前記各画像領域毎
    及び該画像領域の境界領域毎に最適な濃度補正量を決定
    し前記ビット幅圧縮手段の出力に対して別々の濃度調整
    処理を施す濃度調整処理手段を備えたことを特徴とする
    領域別濃度補正型画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記ビット幅圧縮手段は、変換カーブを
    書き込むルックアップテーブルと、データを仮数部と指
    数部に分ける部分からなり、仮数部で変換カーブのアド
    レスを引用し指数部で変換テーブルを選択することを特
    徴とする請求項1記載の領域別濃度補正型画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記仮数部のデータバスにシェーディン
    グ補正処理を行うためのシェーディング補正手段を設け
    たことを特徴とする請求項2記載の領域別濃度補正型画
    像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記濃度調整処理手段は、ビデオデータ
    に乗算処理を行う乗算器の乗算係数を格納しておく複数
    個の乗算係数レジスタを有し、前記各画像領域及び該画
    像領域の境界部の情報に基づき、乗算係数レジスタを切
    り換えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の領
    域別濃度補正型画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記濃度調整処理手段は、複数種類の変
    換カーブを予め書き込むルックアップテーブルを有し、
    前記各画像領域及び該画像領域の境界部の情報に基づい
    て変換カーブを切り換えるようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の領域別濃度補正型画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記濃度調整処理手段は、ルックアップ
    テーブルの変換カーブを前走査によって得た画像情報の
    領域境界部を挟んだ両側の部分の濃度情報に基づいて書
    き込むことを特徴とする請求項4記載の領域別濃度補正
    型画像処理装置。
  7. 【請求項7】 読取画像を前走査して得た画像情報を使
    って前記2つ以上の画像領域の区分けの決定と、各画像
    領域毎及び該画像領域の境界部毎に最適な濃度補正量を
    決定各画像領域ごとに最適な濃度補正量の決定を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の領域別濃度補正型画像処
    理装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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