JPH0737976B2 - 生物化学的酸素要求量の測定方法及びその装置 - Google Patents

生物化学的酸素要求量の測定方法及びその装置

Info

Publication number
JPH0737976B2
JPH0737976B2 JP16154390A JP16154390A JPH0737976B2 JP H0737976 B2 JPH0737976 B2 JP H0737976B2 JP 16154390 A JP16154390 A JP 16154390A JP 16154390 A JP16154390 A JP 16154390A JP H0737976 B2 JPH0737976 B2 JP H0737976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
gas
oxygen
gas chamber
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16154390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0452556A (ja
Inventor
尊夫 小川
Original Assignee
有限会社小川環境研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社小川環境研究所 filed Critical 有限会社小川環境研究所
Priority to JP16154390A priority Critical patent/JPH0737976B2/ja
Publication of JPH0452556A publication Critical patent/JPH0452556A/ja
Publication of JPH0737976B2 publication Critical patent/JPH0737976B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は工業・家庭廃水,湖沼,海域,河川,貯留水等
水質汚濁の指標である生物化学的酸素要求量(BOD)の
測定方法及びその装置に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 廃水の汚濁の程度を示す指標にはいくつかのものがある
が、そのなかでも生物化学的酸素要求量(BOD)は基本
的なものである。BODは生物が汚濁物を分解するときに
消費する酸素の量を測定するものであつて、JISで記述
されるBOD測定法は試料を溶存酸素を十分含む希釈水で
薄め、溶けている酸素をBOD反応の酸素源として20℃で
5日間汚濁物を生物分解し、残つた酸素の量を化学分析
や溶存酸素計により測定することにより、求めるもので
ある。この方法は測定期間が5日間と長く、また途中経
過が不明であり、また測定可能範囲が狭いため予め化学
的酸素要求量(COD)等を測定し、BOD値の予測をたてて
希釈倍率を決める必要があるなど測定に熟練を要したり
する。
このためもつと簡便に、あるいは途中経過も解るよう
に、いくつかの方法が実用化されている。代表的なもの
は密閉容器内で生物が消費していく酸素を気体の圧力の
変化を検知して、その酸素分を電気分解により発生する
酸素で供給するものである。廃液等の試料と空気を密閉
にした状態で、この試料中の生物が汚濁物を分解すると
きには酸素を消費し、炭酸ガスを排出する。このときに
炭酸ガスだけをアルカリ等で吸収すると、酸素の消費量
に相当する内部の圧力が減少する。この圧力変化で電気
分解からの酸素供給量をコントロールし、電気分解に要
した電気量等を記録することにより、5日間のBOD値を
測定するとともに、生物が汚濁物を分解する過程も記録
することができる。この方法はJISで記述される標準希
釈法と比べると、多くの利点をもち大変有用なものであ
るが、残念なことに装置の価格が1台数百万円と非常に
高価なことである。また近年バイオセンサーを用いて短
時間に、また試料にセンサーを付けるだけで測定できる
BOD計測器も市販されてきているが、これは生物分解の
初期の現象だけで判断するため、複雑な廃液と生物の反
応を包括できず、JISで記述される測定値とはかならず
しも一致しない。
本発明はBODの測定をきわめて簡便で、しかも安価に測
定できる方法および装置を提供する。
(課題を解決するための手段) 本発明は定量の測定される液体と定量の空気または酸素
を含む気体を連接する室にそれぞれ密閉状態に収容し、
該気体と上記液体を両室間の境界区帯で接触させ、該境
界区帯は、気体の通過を有すが液体の通過を許さない性
質を有し、かつ気体が通過することによって生じる気体
室内の源圧により液体が吸引されるにつれて該液体を気
体へ移行させる通路を有している膜であって、その液体
室にいれた液体が生物により分解し液体中の酸素を消耗
していくに従い、気体室内からその接触する境界区帯を
通して酸素が供給され生物分解が継続していく。一方気
体室内は酸素が出ていくに従い源圧状態になり、液体室
内から上記境界区帯を通して液体が進入する。また生物
分解により生じた炭酸ガスは一部は液体中に溶解する
が、溶解度以上の炭酸ガスは気体となり一部は気体室内
にたまるので、気体室内にいれた炭酸ガス吸収により除
去し、炭酸ガスによる測定誤差を防止する。この結果気
体室内に侵入した液体の量が消耗された酸素の量と等量
となり、液体の量を外から観察測定することによりBOD
値が測定できる。
次にそれぞれの構成について詳細に述べる。
まず気体室は一定量の密閉容器で内部の圧力変化で変形
しない材料でつくり、また外から液体の量が観察できる
よう透明な材質が好ましい。また液体と接する部分の一
部または全部はガスは透過し、液体は透過しない膜を具
備する。これを実現する材料はポリエチレン,ポリエチ
レンテレフタレートなどのプラスチツク材料がある。
次に液体室は、薄いシート状の材料で加工し、密閉状態
で中の液体が気体室内に侵入し、液体の量が減つた分大
気圧により容易に変形し、気体室内がほぼ大気圧に等し
い状態になるようにする。これを実現する材料としては
ポリエチレンの30ミクロン程度のフイルムで袋状に加工
すれば容易に可能である。またポリエチレンテレフタレ
ートや塩化ビニールなどのプラスチツクフイルムでも厚
みを選べば容易に可能である。
上記境界区帯には上記ガスを透過し、液体は透過しない
膜を有し、該膜は、BOD測定範囲内で溶存酸素の平衡濃
度と実際の液中の酸素濃度の差により生物分解に必要で
十分な酸素の量を躯体側から液体側に透過し、かつ液体
のヘツド差から生ずる圧力差では水を通さないようにし
たものである。装置の形状や測定条件によりことなる
が、膜のガス透過の程度は酸素透過量が0.01/m2・hr
・atm以上、好ましくは1/m2・hr・atm以上、さらに
好ましくは10/m2・hr・atm以上が生物が酸素を消費し
ていく速度からよろしい。また耐水圧としては10mmH20
以上、好ましくは100mmH20以上が実用的である。これら
に適合する膜はすでに包装材料や衣料衛生用品素材や乾
燥剤の袋に用いられているフツ素系多孔質膜やポリオレ
フイン系微多孔質膜などの各種の通気撥水性多孔質膜が
適用でき、具体的には湿気とりとして市販されているド
ライペツト(エステー化学株式会社)に使用されている
高分子膜や徳山曹達株式会社製のポリオレフイン系微多
孔質膜である商品名NFシートなどが使用できる。
上記気体室内のガスは、原理的には酸素を含むガスであ
ればよいが、効率を考えれば少なくとも空気またはそれ
以上の酸素濃度を含むガスが好ましく、酸素100%でも
よい。
上記境界区域には、また気体室と液体室を導通する通路
を有し、該通路は気体室から酸素が膜を通して液体中に
供給されるに従い気体室内が減圧状態になるに従い液体
が気体室内に侵入するためのものである。通路の径は水
が通過するのに十分で水がもれない程度の大きさで、直
径10ミクロンから3ミリ程度、このましくは0.1ミリか
ら2ミリ程度、さらに好ましくは0.5ミリ程度が液体の
通過に全く抵抗なくまた液体がもれない好都合である。
上記炭酸ガス吸収剤は、生物分解の過程で生ずる炭酸ガ
スが気体室内に入ると誤差となるので気体室内の炭酸ガ
スを除去する必要があるためで、これに適用できるもの
としては、カ性ソーダや水酸化カルシウムのようなアル
カリや酸素と反応せずに炭酸ガスと反応したり吸着する
物質なら適用できる。好ましくはこれらの物質を例えば
前述の膜と同種の膜で容器をつくり収納すれば侵入する
液体と混合せずに炭酸ガスを除去でき好都合である。な
お該炭酸ガス吸収剤としては、その他の適宜の吸収材・
吸着材を用いることができ、また該吸収材は上記液体室
側に入れておくこともできる。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第1図〜第3図において、(1)は気体室であり、
(2)は液体室である。該気体室と液体室は境界片(1
2)に形成された膜(3)により接している。上記気体
室の中には炭酸ガスを吸収するための吸収剤容器(4)
が入つている。上記気体室と上記膜(3)は(6)の部
分でヒートシールによる溶着や接着等で固着されてお
り、又気体室と液体室とは(7)の部分で上記のように
固着されて外気とは遮断されている。(8)は気体室と
液体室を導通させる通路で、膜に針で孔をあけたりその
他の方法であけられる。なお、上記通路は境界片に設け
ることができる。(5)は液体を入れたあと外気が入ら
ないようにするためのチヤツクであるが、これは粘着テ
ープその他の密閉手段が用い得る。酸素を含む気体は気
体室に予め入れておいたり、測定時に入れたりする。BO
D値を測定するときは、図示のものでは、まず図の一点
鎖線の部分をハサミでカツトし、上記液体を液体室
(2)いつぱいに入れ、そのチヤツク(5)をしめる。
あとは20℃で5日間恒温状態にして、気体室に侵入して
くる液体の量を気体室に表示してある目盛り(9)で読
めば測定できる。また侵入してくる液体の量は常時観察
できるので、分解の過程も測定できる。上図のもので
は、上記気体室と液体室が斜めに接しており、平面図で
下にいくに従つて狭くなつているのは、気体室の容積を
下にいくに従つて小さくすることで、侵入液体の量の読
み取り精度を向上させるためのものである。第4図はBO
D値の測定中の液体が気体室内に侵入している状態を示
し、(10)は侵入液面であり、(11)は液体室がつぶれ
た状態を示している。気体室へ侵入した液体の量の分、
大気圧により液体室の上部がつぶれて全体の容積が減つ
た状態となる。第5図は炭酸ガス吸収剤容器の詳細を示
す。図示の炭酸ガス吸収剤容器(4)はポリエチレンで
形成されているが、その他の材質で形成することができ
る。該容器(4)上面の膜(13)は上記膜(3)と同じ
膜で作られている。(14)はカ性ソーダの水溶液であ
る。上記容器(4)と膜(13)は、(15)の部分でヒー
トシールや接着等によつて固着されており、炭酸ガスは
この膜を通過してカ性ソーダ水溶液に吸収されるが、液
は通過せずこぼれないようにしてある。第6図は第2図
のチヤツク(5)部分の拡大図である。上記気体室
(1)側からはチヤツクのメス凹部(16)が、また液体
室(2)側からはオスの凸部(17)がでており、両者を
押さえれば凸凹が合致し、しめることができる。この構
造は既にポリ袋等のチヤツクとして広く実用化されてい
るものと同じである。第7図は上記気体をキヤツプ(1
8)を開閉して挿入する場合を示す。なお上記BOD反応に
必要な微生物や栄養塩類については、液体資料と同時に
必要に応じ適宜量を加えてもよいし、また予め上記液体
室内に入れておいてもよい。
第8図,第9図は上記実施例の結果を示すものである。
該測定では気体容積4.5c.c、初期状態の試量液7.4c.c、
ガスは酸素90%を使用した。膜は徳山曹達株式会社ポリ
オレフイン系微多孔質膜…商品名NFシート190(7)を
使用した。試料液としては植種液として活性汚泥を入れ
たグルコース水溶液950ppm,470ppm,230ppmを使用した。
第8図は本測定装置による侵入液量と、液量からBODを
換算した値の時間経過による変化をグラフにあらわした
ものである。第9図は、120時間(5日間)経過後のBOD
値とJIS法によるBOD値の関係を示したものである。この
結果は、ほぼJIS法による結果と一致した。
(発明の効果) 本発明は前記のように生物化学的酸素要求量(BOD)が
簡便に測定でき、かつその途中経過も測定可能となり、
しかもその装置及び測定を経済的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は斜視図,第2図
は断面図,第3図は背面図,第4図は液体室がつぶれた
状態を示す断面図,第5図は炭酸ガス吸収剤容器の斜面
図,第6図はチヤツク図の拡大断面図,第7図は他の例
を示す斜面図,第8図は液量の換算BOD値と経過時間の
関係を示すグラフ,第9図は本発明によるBOD値とJIS法
によるBOD値の関係を示すグラフである。 1……気体室,2……液体室,3……膜,4……炭酸ガス吸収
剤容器,8……通路,9……目盛り

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連接する室にそれぞれ密閉状態に収容され
    る酸素または酸素を含む気体と該酸素の要求量が測定さ
    れる廃液等の液体を上記両室間の境界区帯で接触させ、
    その境界区帯は、気体の通過を許すが液体の通過を許さ
    ない性質を有し、かつ気体が通過することによって生じ
    る気体室内の減圧により液体が吸引されるにつれて該液
    体を気体室へ移行させる通路を有している膜であり、該
    区帯を通して上記気体が液体室へ移行せしめられ、該気
    体の移行により上記気体室内に生じる減圧に伴って上記
    液体が該気体室へ吸引され、その吸引された液体の量を
    計測することによって該液体の生物化学的酸素要求量を
    測定することを特徴とする生物化学的酸素要求量の測定
    方法。
  2. 【請求項2】定量の容積を保持しこれに酸素または酸素
    を含む気体を密閉状態に収容する気体室、 該気体室に接し外圧によって変形可能であり上記酸素の
    要求量が測定される廃液等の液体を密閉状態に収容する
    液体室、 上記両室の境界にあって上記気体の通過を許すが上記液
    体の通過を許さない性質を有する膜、 上記両室の境界にあり該膜を気体が通過することによっ
    て生じる上記気体室内の減圧により上記液体が吸引され
    るにつれて該液体を上記気体室内へ移行させる通路、 上記液体から発生する炭酸ガスを吸収する吸収・吸着
    材、 を備えた酸素要求量の測定装置。
  3. 【請求項3】上記気体室を透明に形成しこれに目盛を設
    けた請求項2に記載の生物化学的酸素要求量の測定装
    置。
JP16154390A 1990-06-20 1990-06-20 生物化学的酸素要求量の測定方法及びその装置 Expired - Lifetime JPH0737976B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16154390A JPH0737976B2 (ja) 1990-06-20 1990-06-20 生物化学的酸素要求量の測定方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16154390A JPH0737976B2 (ja) 1990-06-20 1990-06-20 生物化学的酸素要求量の測定方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0452556A JPH0452556A (ja) 1992-02-20
JPH0737976B2 true JPH0737976B2 (ja) 1995-04-26

Family

ID=15737104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16154390A Expired - Lifetime JPH0737976B2 (ja) 1990-06-20 1990-06-20 生物化学的酸素要求量の測定方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0737976B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317886A (ja) 2001-04-20 2002-10-31 Nippon Pillar Packing Co Ltd 樹脂製管継手

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0452556A (ja) 1992-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0837948B1 (en) Device and method for detecting microorganisms
Hansen et al. Anoxic incubation of sediment in gas-tight plastic bags: a method for biogeochemical process studies
Tengberg et al. Evaluation of a lifetime‐based optode to measure oxygen in aquatic systems
CA2820072C (en) Single use bioreactor for use with detachable dissolved oxygen sensor
US6855514B2 (en) Method for detecting presence of microorganisms, and quantities of microorganisms
Guilbault et al. A specific enzyme electrode for urea
CN101128599A (zh) 用于基于酶的传感器应用的扩散和酶层
US3869354A (en) Ammonium ion specific electrode and method therewith
US4737343A (en) Gas-sensing optrode
WO2004072606B1 (en) Polymeric membranes for use in electrochemical sensors
WO1998022794A1 (fr) Dispositif servant a recueillir un gaz
US20120171760A1 (en) Non-invasive sensing of bioprocess parameters
EP2437651A1 (en) Non invasive gas analysis
US6066249A (en) Method for calibrating an instrument for measuring electrolytes and metabolites by analysis of blood gases
US6564155B2 (en) Method of, and sensor for, testing liquids
JPH0737976B2 (ja) 生物化学的酸素要求量の測定方法及びその装置
US20060175208A1 (en) Water-conductivity CO2 sensor
KR102488368B1 (ko) 식품의 이산화탄소 포집장치
JPH09511402A (ja) 標本の生物分解性を測定する処理方法
JPS6326338B2 (ja)
JPH02104272A (ja) 液体検出装置
JPH10288591A (ja) 水溶液中のにおい強度測定方法
JP2003279450A (ja) 呼気採取容器
JP2002085090A (ja) 真菌検査方法および真菌用検査具
JPH02257052A (ja) バイオセンサ