JPH0737954U - 改良型ピルファープルーフキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 家庭内等の安全な場所での利用を前提とした
食品用広口瓶用のプラスチック材による安全用キャップ
であり、長時間使用時に不衛生となる残留バンドを残さ
ずまたは、必要に応じ残留を適宜選択できるようにす
る。さらに形状的制約から逃れ得ることから開封開始用
の摘み部を必要に応じ摘み易い大きさに変化させ得るよ
うにする。 【構成】 食品用広口瓶等のキャップであり、瓶と対応
するネジ山を内側の備えた主要閉栓部と、瓶外周に対し
環状に沿って設けられた開封溝により挟まれて帯状に形
成されたティアリングバンドと、このバンドの一端部に
設けられ利用者がティアリングバンドを引き裂く際に利
用する摘み部と、キャップの最下端に設けられた下方バ
ンドと、ティアリングバンドと下方バンドとをつなぐた
めの上下段継承部とから構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は容器の不正開放を防ぐためのキャップ、いわゆる、ピルファープルー フキャップの内、プラスチックやポリプロピレン等の材質によるキャップに対し 、開封時にキャップの一部を容器側に残留させないタイプの改良型ピルファープ ルーフキャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のプラスチックやポリプロピレン製のネジ式ピルファープルーフキャップ は上部に主要閉栓部分、中央に開栓のためのティアリングバンド、そして下部に 残留用バンドの３部分によって構成されている。また安全重視のため残留用バン ドが瓶本体に確実に残るように工夫されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、材質がプラスチックやポリプロピレン製のキャップの場合、残留用バ ンドは、店舗や流通過程での安全に対してのみ重要な意味をもつだけであり、家 庭内等の安全な利用場所においては、むしろ残留バンドが長期間にわたって瓶口 周辺に残るので、不衛生になる傾向があった。

【０００４】 また、ティアリングバンドの摘み領域は以下の理由で狭く、そのため摘み難い 問題があった。その理由とは、信頼性あるキャップ製造における素材の硬度はプ ラスチック等の素材であっても有る程度硬さが要求される。そのため人間の手で 引き裂け得るティアリングバンドの幅はあまり広く形成でき得ないことが自ずと 決定されていた。さらに現実には次のような複数の形状的制限が加わり掴み易い ティアリングバンドは得られていなかった。すなわち、まず幅方向から部分的で さえもはみ出すことのできない制約がある。この幅方向の制限により残留バンド の形状はより欠けた部分のない綺麗なリング状とするとこができ、それにより確 実に瓶側に残留バンドが切れずに残る安全性が確保されている。一方外周方向へ の制限とは、隣接するキャップ同士と衝突または、外包装箱等との接触を防止す るためで、これにより輸送時および製造時での安定性が確保されている。 さて、本考案は上述の問題を解決するために考案されたもので、必要に応じ残 留バンドもティアリングバンドと共に引き裂くことを可能としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案による改良型ピルファープルーフキャッ プは、食品用広口瓶等のキャップであり、瓶と対応するネジ山を内側の備えた主 要閉栓部２と、瓶外周に対し環状に沿って設けられた少なくとも２本の開封溝に より挟まれて帯状に形成されたティアリングバンドと、ティアリングバンドの一 端部に設けられティアリングバンド引き裂く際の始点になる摘み部と、キャップ の最下端に設けられた下方バンドと、ティアリングバンドと下方バンドとをつな ぐ上下段継承部とから構成され、ティアリングバンドの摘み部から開封溝に沿っ て開封開始し上下段継承部に接続されたまま下方バンドと共に残留せずに引き離 されるようにしたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

以上のように構成された本考案の改良型ピルファープルーフキャップは、摘み 部を持って引き裂くと２本の開封溝に沿って形成されたティアリングバンドが帯 状に離脱し、さらに引き続き引き延ばすと上下段継承部を橋渡しとして下方バン ドとつながって延長され、最終的に共に直線状になって残留せずに引き離される ようになる。

【０００７】

【実施例】

図１および図２は本考案の一実施例を示す正面図、および部分断面斜視図であ る。図面上で開示したキャップ１は主に食品用広口瓶用のネジ式のキャップであ り、個々の構成要素を以下に説明する。

【０００８】 ・主要閉栓部２、この部分は天面にガス浸透を防ぐための金属シールが設けら れ、内側にネジ山を備え、キャップの主要部分を構成する。 ・ティアリングバンド５、この部材は環状をなし、環状に沿って設けられた開 封溝３および４により挟まれて帯状に形成されている。 ・摘み部６、これはティアリングバンド５の一端部に設けられ、利用者がティ アリングバンド引き裂く際に利用する摘み部分である。 ・上下段継承部８、これはティアリングバンド５と下方バンド７とをつなぐ部 分である。 ・下方バンド７、これは従来においては専ら残留するために用いられていた部 分であるが、本考案においては、上下段継承部８によりティアリングバンドと一 緒に裂き取られ得るように構成されている。

【０００９】 さて、上記各構成要素の関連構成、および利用方法について説明する。 ・関連構成について、主要閉栓部２、ティアリングバンド５、および下方バン ド７は、開封溝３および４を介して接続されており、上下段継承部８には開封溝 は施されていない。なお、開封溝３および４には弱接続部11が点在している。 ・利用方法について、食品用広口瓶（図示せず）にねじ込まれた本考案のキャ ップ１に対し、利用者は瓶本体を掴み一方で摘み部６を指で引っ張る。すると、 開封溝３および４が弱接続部11が裂かれることにより開封され、ティアリングバ ンド５は上下段継承部８のみが接続された状態で引き延ばされる。つぎに、さら にティアリングバンド５を引き延ばすと上下段継承部８の下方に設けられた傾斜 開封溝10が引き裂かれ、ティアリングバンド５はそのまま下方バンド７とつなが って延長され、共に直線状になって残留せずに引き離される。

【００１０】 以上本考案の一実施例の構造および使用方法を述べたが、各構成要素は、必要 に応じ下記に示した他の実施態様が得られる。 ・摘み部６は、図３に示したようにティアリングバンドの幅よりも広く大きく 摘み易く作ることができる。即ち、上下段継承部８を広い面積で構成できるため に、上下段継承部８の厚さを薄くできる。それにより摘み部６は大きく指で掴み 易い大きさに構成できた。従来このように大きな摘み部分を構成できなかった理 由は、ティアリングバンドの終端における引き裂かれるべき終端部の開口溝の僅 かな空間を利用し、しかも外周へはみ出さない条件下で形状が決定されていたた めである。繰り返しになるが、従来のような形状的制約から逃れられ得るために 開封開始用の摘み部６は必要に応じ摘み易い大きさにすることができるようにな る。

【００１１】 ・上下段継承部８は、図４に示したように、必要に応じ選択溝９を設けること ができる。この選択溝９は開封溝３および４よりも僅かに結合が強い開封用の溝 であり、利用者は、ティアリングバンド５を引き裂く際に上方へ引き上げるよう に緊張させることにより、ティアリングバンドは上下段継承部８の選択溝９に沿 って独立して引き離され、下方バンド７は従来の通り残留バンドとして瓶本体に 残る。 一方、ティアリングバンド５を引き裂く際に下方へ引き下げるか、あるいは通 常の横方向へ緊張させる何れかの何れかの力加減で引き延ばすと上下段継承部８ の下方に設けられた傾斜開封溝10が引き裂かれ、ティアリングバンド５はそのま ま下方バンド７とつながって延長され、共に直線状になって残留せずに引き離さ れる。このように残留または一体削除といった両方の形態を選択することが可能 になる。 また、従来の残留状態のティアリングバンドはバンド全体に亘って均一である ため単純に手で緊張させてもリングは引き裂けず、除去することが困難であった が、選択溝９を設けた場合、一旦残留されたティアリングバンドにおいても、例 えばリサイクルの為の回収時において手でティアリングバンドの一部を引っ張る だけで、選択溝９からリングは切断され、簡単に除去できるようになる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成したので、以下の効果を奏する。 ・従来の残留バンドは利用環境の安全条件を満たした条件下においては、衛生 面で逆に悪化する傾向があった。それは利用期間が長ければ長いほどこの残留バ ンドが瓶口から垂れる食品によって繰り返し汚染され、不衛生でとなり、かつ買 い替え時において見た目の不快感により、次期購買者を失うに至る。本考案にお いては、このような好条件下で利用されることを前提にした改良型ピルファープ ルーフキャップであり、通常利用においてはティアリングバンドはそのまま下方 バンドとつながって延長され、共に直線状になって残留せずに引き離され、汚染 原因を除去することができる。

【００１３】 ・また環境問題が大きく問われ、硝子瓶においてはリサイクルの円滑化が問題 視されている昨今において、ティアリングバンドが瓶本体に残留することは、硝 子素材のリサイクル過程において不純物混合という形で阻害原因といなっていた 。このような重大な問題に対し、本考案は必要に応じ残留せずに引き離すことが 可能となるため、結果として従来同時に解決でき得なかった不正開放対策面とリ サイクル対策面をともに良好に満たすことができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す正面図。

【図２】 図１の点線で示した周辺を拡大示した斜視
図。

【図３】 大きな摘み部を形成した本考案の正面図およ
び線端面図。

【図４】 選択溝を設けた本考案の正面図および部分拡
大線端面図。

【符号の説明】

図１中 １：キャップ ２：主要閉栓部 ３：開封溝 ４：開封溝 ５：ティアリングバンド ６：摘み部 ７：下方バンド ８：上下段継承部 ９：選択溝 10：傾斜開封溝 11：弱接続部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】食品用広口瓶等のキャップ(１)であり、瓶
   と対応するネジ山を内側の備えた主要閉栓部(２)と、瓶
   外周に対し環状に沿って設けられた少なくとも２本の開
   封溝(３，４)により挟まれて帯状に形成されたティアリ
   ングバンド(５)と、ティアリングバンド(５)の一端部に
   設けられティアリングバンド引き裂く際の始点になる摘
   み部(６)と、キャップの最下端に設けられた下方バンド
   (７)と、ティアリングバンド(５)と下方バンド(７)とを
   つなぐ上下段継承部(８)とから構成され、ティアリング
   バンド(５)の摘み部(６)から開封溝(３、４)に沿って開
   封開始し上下段継承部(８)に接続されたまま下方バンド
   (７)と共に残留せずに引き離されるようにしたことを特
   徴とする改良型ピルファープルーフキャップ。