JPH0737238A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0737238A
JPH0737238A JP17794293A JP17794293A JPH0737238A JP H0737238 A JPH0737238 A JP H0737238A JP 17794293 A JP17794293 A JP 17794293A JP 17794293 A JP17794293 A JP 17794293A JP H0737238 A JPH0737238 A JP H0737238A
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JP
Japan
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magnetic
circuit
back coat
coat layer
data
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JP17794293A
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Kazunobu Chiba
一信 千葉
Yuichi Arizaka
裕一 蟻坂
Koji Naruse
宏治 成瀬
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非磁性支持体上の一主面に金属磁性薄膜より
なる磁性層が形成され、前記磁性層が形成されている面
とは反対側の主面にバックコート層が形成されており、
このバックコート層表面には、イソシアネート基を有す
る硬化剤及び潤滑剤を含有する混合液が塗布されてい
る。 【効果】 バックコート層の耐久性を向上させ、苛酷な
環境下でも保存特性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体
となる。テープの機械強度の劣化を小さく抑えながらも
テープの薄膜化が可能となる。また、ドロップアウトや
エラーレートを低く抑えるので、ディジタル画像信号の
記録に適したものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる金属薄膜型の
磁気記録媒体に関するものであり、特に、例えば、ハイ
バンド8ミリビデオ用の磁気テープ、ディジタルVTR
等の短波長磁気記録信号の記録再生用の磁気テープ等と
して好適な磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に、酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等
の粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体,
ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂,ポリウレタン樹脂等
の有機結合剤中に分散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥す
ることにより作成される塗布型の磁気記録媒体が広く使
用されている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co
−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等)によってポリエステルフィルムやポリアミド、
ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着し
た、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され
注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は抗磁
力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れる
ばかりでなく、磁性層の厚みをきわめて薄くできる為、
記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、磁性
層中に非磁性材であるその結合剤を混入する必要が無い
ため磁性材料の充填密度を高めることができることな
ど、数々の利点を有している。
【0005】更に、この種の磁気記録媒体の電磁変換特
性を向上させ、より大きな出力を得ることが出来るよう
にするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成する場
合、磁性層を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着が提案さ
れ実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】また一方、一般に画像
情報を記録再生する低域変換方式のビデオテープレコー
ダにおいては、長波長域のカラー特性も重要であるた
め、使用するテープの残留磁束密度Brのみならず、エ
ネルギー積なるパラメータの最適化が必要となってい
る。
【0007】前記エネルギー積は、残留磁束密度をB
r、磁性層の厚みをδ、抗磁力をHcとしたときにBr
・δ・Hc(Gauss ・cm・Oe)なる式で与えられるもの
であって、通常は輝度特性、クロマ特性の両特性を満足
するように磁性層の厚みδが決定されている。
【0008】これに対して、ディジタル画像信号を記録
するディジタルVTRにおいては、長波長領域の特性よ
りむしろ、短波長特性を重視した設計が必要となる。特
に、ディジタル画像信号を再生歪みが少ないような形で
圧縮して記録するディジタルVTR等においては、電磁
変換特性が高く、且つエラーレートが低いことが必須の
要件である。これを実現するためには当然前記エネルギ
ー積を最適に設計することに加えて、エラーレートを左
右するドロップアウトを小さくしたり再生波形の位相歪
を小さく押さえる等の点を考慮する必要がある。
【0009】更に、記録再生装置の小型化の傾向が強ま
る中、カセットの小型化がシステムとして必要になり高
密度記録化の流れと合いまって磁気テープのより一層の
薄物化が必要となっている。一般的にテープを薄型化す
る場合非磁性支持体の厚さを薄くすることで対応してき
ているが非磁性支持体の厚さがうすくなることでテープ
の機械的な強度が弱くなるため非磁性支持体の材質を変
更するなどの対策を施すことがおこなわれてきた。
【0010】この様な中でテープ厚さが薄くなってくる
とテープ全厚におけるバックコート層の厚みがしめる割
合がおおきくなり薄塗のバックコートの開発が必要とな
ってきた。この薄塗技術の開発によりテープの機械強度
の劣化を小さく抑えながらテープの薄型化が可能となり
記録再生装置の小型化または長時間化に寄与することと
なる。しかし、従来のバックコートの塗料組成による薄
塗ではカーボン等の顔料の脱落が多くなり信頼性を確保
することが難しかった。
【0011】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、バックコート層を薄くしても
顔料の脱落等が起こすことのない耐久性に優れたものと
し、走行耐久性に優れた高密度磁気記録に最適な磁気記
録媒体を提供することを目的とする。また、ディジタル
画像信号を記録するディジタルVTR、特にディジタル
画像信号を再生歪みが少ないような形で圧縮して記録で
きるように、高い電磁変換特性が得られ且つエラーレー
トが改善されたディジタル画像信号用の磁気記録媒体を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために提案されたものであり、非磁性支持体上
の一主面に金属磁性薄膜よりなる磁性層が形成され、前
記磁性層が形成されている面とは反対側の主面にバック
コート層が形成されてなる磁気記録媒体において、上記
バックコート層表面にはイソシアネート基を有する硬化
剤が保持されているものである。
【0013】上記イソシアネート基を有する硬化剤は、
この硬化剤と潤滑剤とを含有する混合液をバックコート
層表面に塗布されることによって保持されることが好ま
しい。
【0014】上述のようにして、バックコート層表面に
イソシアネート基を有する硬化剤を保持させることによ
り、バックコート層の耐久性を向上させることが可能と
なり、走行耐久性に優れた磁気記録媒体とすることがで
きる。また、潤滑剤を保持させることにより、走行時の
摩擦を小さくして走行安定性に優れたものとすることが
できる。
【0015】上記バックコート層に保持させる硬化剤と
しては、一般に使用されるものであればいずれも使用可
能であり、特に限定されるものではないが、例えば、
2、4トリレンジイソシアネート(TDI:商品名コロ
ネートL−50)や、トリメチロールプロパンに上記コ
ロネートL−50を付加したもの,4、4ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシア
ネート(HDI)等を付加させた物等が挙げられる。
【0016】また、同様に、上記バックコート層に保持
させる潤滑剤も、磁気テープ用として一般に使用されて
いるものであればいずれも使用可能である。例えば、主
骨格がフルオロカーボン系、アルキルアミン、アルキル
エステル等であるものが好ましい。
【0017】なお、上記バックコート層に塗布される混
合液における硬化剤及び潤滑剤の添加量は、バックコー
ト層に含有される結合剤100重量部に対して、それぞ
れ0.01〜10重量部とすることが好ましい。硬化
剤、潤滑剤の添加量が0.01重量部未満であるとその
効果が発揮されない。一方、硬化剤が10重量部を超え
るとこの硬化剤自身が磁性層と粘着を起こしドロップア
ウトやエラーレートの発生を増加させてしまう。また、
潤滑剤が10重量部を超えるとこの潤滑剤が磁性層に転
写してドラムやガイドとの張り付きを起こしてしまう。
【0018】さらに、本発明の磁気記録媒体は、入力デ
ィジタル画像信号を複数の画素データからなるブロック
単位のデータに変換してブロック化し、該ブロック化さ
れたデータをブロック単位に圧縮符号化し、該圧縮符号
化されたデータをチャンネル符号化し、該チャンネル符
号化されたデータを回転ドラムに装着された磁気ヘッド
により記録されるものであり、且つ、磁性層の残留磁束
密度、厚さ及び抗磁力の積であるエネルギー積が75Ga
uss ・cm・Oe以上であることが好ましい。
【0019】上記エネルギー積が75Gauss ・cm・Oe以
上とすることにより電磁変換特性に優れたものとなる。
また、上述のようにバックコート層表面に硬化剤を保持
させることによりドロップアウトが抑えられ、エラーレ
ートの低いものとすることが可能となり、ディジタル画
像信号記録再生用の磁気記録媒体としても好適なものと
なる。
【0020】本発明が適用される磁気記録媒体は、非磁
性材料よりなる非磁性支持体上に磁性層として金属磁性
薄膜を設けてなる金属薄膜型の磁気テープ(いわゆる蒸
着テープ)である。
【0021】上記非磁性支持体上には、強磁性金属材料
を直接被着することにより金属磁性薄膜が磁性層として
形成されているがこの金属磁性材料としては、通常の蒸
着テ−プに使用されるものであれば如何なるものであっ
てもよい。例示すれば、Fe,Co,Niなどの強磁性
金属、Fe−Co,Co−Ni,Fe−Co−Ni,F
e−Cu,Co−Cu,Co−Au,Co−Pt,Mn
−Bi,Mn−Al,Fe−Cr,Co−Cr,Ni−
Cr,Fe−Co−Cr,Co−Ni−Cr,Fe−C
o−Ni−Cr等の強磁性合金があげられる。これらの
単層膜であってもよいし多層膜であってもよい。
【0022】さらには、非磁性支持体と金属磁性薄膜
間、あるいは多層膜の場合には、各層間の付着力向上、
並びに抗磁力の制御等のため、下地層または、中間層を
設けてもよい。また、例えば磁性層表面近傍が耐蝕性改
善等のために酸化物となっていてもよい。
【0023】金属磁性薄膜形成の手段としては、真空下
で強磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体上に沈着させ
る真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行う
イオンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲
気中でグロー放電を越こし生じたアルゴンイオンでター
ゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等、いわゆる
PVD技術によればよい。
【0024】また、上記非磁性支持体上に形成された強
磁性金属材料上には保護膜層が形成されていても良いが
この材料としては、通常の金属磁性薄膜用保護膜として
一般に使用されるものであれば如何なるものであっても
よい。例示すれば、カーボン、CrO2 ,Al23
BN,Co酸化物、MgO,SiO2 ,Si34 ,S
iNx ,SiC,SiNx −SiO2 ,ZrO2 ,Ti
2 ,TiC等があげられる。これらの単層膜であって
もよいし多層膜、あるいは複合膜であってもよい。
【0025】もちろん、本発明にかかる磁気テープの構
成はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない範囲での変更、例えば必要に応じて非磁性支持
体上に下塗層を形成したり、潤滑剤、防錆剤などの層を
形成することは何等差し支えない。この場合、バックコ
ート層に含まれる非磁性顔料、樹脂結合剤あるいは潤滑
剤、防錆剤に含まれる材料としては従来公知のものがい
ずれも使用できる。
【0026】例えば、非磁性顔料としては、カーボンの
ほかに、必要に応じて、ヘマタイト、雲母、シリカゲ
ル、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、炭化タングステン、
窒化ホウ素、デンプン、酸化亜鉛、カオリン、タルク、
粘土、硫酸鉛、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、ベーム石(γ−Al2 3 ・H2 O),ア
ルミナ、硫化タングステン、酸化チタン、ポリテトラフ
ルオロエチレン粉末、ポリエチレン粉末、ポリ塩化ビニ
ル粉末、金属粉等を併用してもよい。
【0027】また、結合剤としては、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチ
レン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ
樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル−メタクリル酸共重
合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチ
レン−ブタジェン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂またはこれらの混合物等があげられる。
【0028】なかでも柔軟性を付与するとされているポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体等が好ましい。これらは、イソシ
アネート化合物を架橋剤として使用し、より耐久性を向
上させたり、適当な極性基を導入した物であってもよ
い。
【0029】溶剤としては、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、等の
ケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、
乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエステル等のエ
ステル系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコー
ルモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエー
テル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤があ
げられる。
【0030】
【作用】バックコート層表面にイソシアネート基を有す
る硬化剤を保持させることにより、バックコート層の耐
久性を向上させることが可能となり、走行耐久性に優れ
た磁気記録媒体となる。また、高温多湿といった苛酷な
環境下でも保存特性、走行耐久性に優れたものとなる。
テープの機械強度の劣化を小さく抑えながらテープの薄
型化が可能となり記録再生装置の小型化または長時間化
に寄与することとなる。
【0031】また、ドロップアウトを抑え、エラーレー
トを低く抑えることも可能となるため、ディジタル画像
信号記録用の磁気記録媒体として好適なものとなる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明がこの実施例に限定されるものではない
ことはいうまでもない。
【0033】先ず、本実施例において金属磁性薄膜を形
成するために使用した蒸着装置の構成について説明す
る。
【0034】図1に示す様に、この製造装置において
は、頭部と低部にそれぞれ設けられた排気口95から排
気されて内部が真空状態となされた真空室81内に、図
中a方向に定速回転する送りロール83と、図中b方向
に定速回転する巻取りロール84とが設けられ、これら
送りロール83から巻取りロール84にテープ状の非磁
性支持体82が順次走行するようになされている。
【0035】これら送りロール83から巻取りロール8
4側に上記非磁性支持体82が走行する中途部には、上
記各ロール83、84の径よりも大径となされた冷却キ
ャン85が設けられている。この冷却キャン85は、上
記非磁性支持体82を図中下方に引き出す様に設けら
れ、図中c方向に定速回転する構成とされる。
【0036】尚、上記送りロール83、巻取りロール8
4、及び、冷却キャン85は、それぞれ非磁性支持体8
2の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものであり、
また上記冷却キャン85には、内部に図示しない冷却装
置が設けられ、上記非磁性支持体82の温度上昇による
変形等を抑制し得るようになされている。
【0037】従って、上記非磁性支持体82は、送りロ
ール83から順次送り出され、さらに上記冷却キャン8
5の周面を通過し、巻取りロール84に巻取られていく
ようになされている。尚、上記送りロール83と上記冷
却キャン85との間及び該冷却キャン5と上記巻取りロ
ール84との間にはそれぞれガイドロール86、87が
配設され、上記送りロール83から冷却キャン85及び
該冷却キャン85から巻取りロール84にわたって走行
する非磁性支持体82に所定のテンションをかけ、該非
磁性支持体82が円滑に走行するようになされている。
【0038】また、上記真空室内には、上記冷却キャン
85の下方にルツボ88が設けられ、このルツボ88内
に金属磁性材料89が充填されている。このルツボ88
は、上記冷却キャン85の幅と略同一の幅を有してな
る。
【0039】一方、上記真空室81の側壁部には、上記
ルツボ88内に充填された金属磁性材料89を加熱蒸発
させるための電子銃90が取り付けられる。この電子銃
90は、当該電子銃90より放出される電子線Xが上記
ルツボ88内の金属磁性材料89に照射されるような位
置に配設される。そして、この電子銃90によって蒸発
した金属磁性材料89が上記冷却キャン85の周面を定
速走行する非磁性支持体82上に磁性層として被着形成
されるようになっている。
【0040】また、上記冷却キャン85と上記ルツボ8
8との間であって該冷却キャン85の近傍には、シャッ
タ91が配設されている。このシャッタ91は、上記冷
却キャン85の周面を定速走行する非磁性支持体82の
所定領域を覆う形で形成され、このシャッタ91により
上記蒸発せしめられた金属磁性材料89が上記非磁性支
持体82に対して所定の角度範囲で斜めに蒸着されるよ
うになっている。
【0041】更に、このような蒸着に際し、上記真空室
81の側壁部を貫通して設けられる酸素ガス導入口92
を介して非磁性支持体82の表面に酸素ガスが供給さ
れ、磁気特性、耐久性及び耐候性の向上が図られてい
る。
【0042】実施例1〜8 上述のような構成を有する蒸着装置を用いて金属磁性薄
膜を形成し磁気テープを作成した。なお、以下に主な製
造条件を示す。
【0043】 ベース :ポリエチレンテレフタレート 6μm 150mm幅 下塗 :アクリル酸エステルを主成分とす
る水溶性ラテックスを塗布 密度 1000万個/mm2
【0044】蒸着条件 インゴット :Co90−Ni10wt% 入射角 :45〜90° 酸素導入量 :3.3×10-63/sec 蒸着時真空度 :7x10-2Pa
【0045】バックコート :カーボン、及びウレ
タンバインダーを混合したものを0.3μm厚塗布また
塗布時に硬化剤を混合した。 顔 料:カーボン 100重量部 結合剤:ウレタン 100重量部 硬化剤:コロネートL50 5重量部 トップコート :磁性面にパーフルオロポリエーテ
ルを塗布 スリット幅 :8mm幅
【0046】上述の条件に従って非磁性支持体上に金属
磁性薄膜を形成し、バックコート層を塗布し乾燥させた
後、バックコート層の表面に硬化剤及び潤滑剤を溶剤に
溶かした混合液を塗布した。そして、8ミリ幅に裁断し
て磁気テープを作成し、実施例1〜8のサンプルテープ
とした。
【0047】上記硬化剤としてはコロネートL−50を
用い、潤滑剤としてはフルオロカーボンを主骨格とし第
3アミンにより変成したものを使用した。なお、上記潤
滑剤において、フルオロカーボンとしては商品名デムナ
ムを使用し、第3アミンとしてはジメチルデシルアミン
を使用し、塩構造をとるように合成した。
【0048】各サンプルテープにおいて、使用された硬
化剤及び潤滑剤の添加量、溶剤の種類は表1に示される
とおりである。なお、上記硬化剤及び潤滑剤の添加量
は、バックコート層に含有しているウレタンバインダー
を100重量部としたときの硬化剤の重量部及び潤滑剤
の添加量として重量部で示している。
【0049】
【表1】
【0050】上述のようにして作成された各サンプルテ
ープの磁気特性は、Hcが1220Oe,Brが430
0Gであり、また、磁性層の膜厚は200nmである。
【0051】そして、上記実施例1〜8のサンプルテー
プに対して、25℃,湿度50%の環境下でデジタル画
像信号の記録を行い、45℃,湿度90%の環境下に2
4時間放置した後、ドロップアウト及びエラーレートを
測定した。
【0052】比較例1 バックコート層の表面に塗布される硬化剤及び潤滑剤を
溶剤に溶かした混合液において、硬化剤の添加量を多く
した以外は、上記実施例と同様にして磁気テープを作成
し、これを比較例1のサンプルテープとした。そして、
このサンプルテープについても上記実施例と同様にして
ドロップアウト及びエラーレートを測定した。
【0053】比較例2 バックコート層の表面に塗布される硬化剤及び潤滑剤を
溶剤に溶かした混合液において、潤滑剤の添加量を多く
した以外は、上記実施例と同様にして磁気テープを作成
し、これを比較例2のサンプルテープとした。そして、
このサンプルテープについても上記実施例と同様にして
ドロップアウト及びエラーレートを測定した。
【0054】比較例3 また、硬化剤及び潤滑剤を溶剤に溶かした混合液を塗布
しなかった以外は、上記実施例と同様にして磁気テープ
を作成し、これを比較例3のサンプルテープとした。そ
して、また、比較例3のサンプルテープに対して25
℃,湿度50%の環境下でデジタル画像信号を記録し、
ドロップアウト及びエラーレートを測定した。
【0055】比較例4 さらに、上記比較例3のサンプルテープに対して25
℃,湿度50%の環境下でデジタル画像信号を記録した
後、45℃,湿度90%の環境下に24時間放置してか
ら、ドロップアウト及びエラーレートを測定した。。
【0056】特性の評価 上述した実施例1〜8、比較例1〜4において測定され
たドロップアウト及びエラーレートを表1に併せて示
す。
【0057】なお、上記ドロップアウトの測定はソニー
製EVS−900改造機を用い、記録信号は白50%を
使用し、−16dB10μ秒以上のものを測定した。ま
た、上記エラーレートとしてはディジタルVTRによる
画像情報の記録再生時のエラーレートを示した。
【0058】比較例3と比較例4を比べると、高温多湿
環境下に長時間保存することにより、バックコート層に
含まれる顔料や未架橋成分の結合剤が剥離し磁性層側に
粘着するため、ドロップアウトが増加し、エラーレート
が著しく劣化することがわかる。
【0059】一方、実施例1〜8より、バックコート層
形成後に硬化剤及び潤滑剤を溶剤に溶かした混合液を塗
布すると、顔料等の剥離が防止でき、ドロップアウト、
エラーレートともに劣化を抑えられることがわかる。
【0060】しかし、比較例1のように硬化剤の添加量
が多すぎると、硬化剤自身が磁性層と粘着を起こしドロ
ップアウトやエラーレートを増加させてしまう。また、
比較例2のように潤滑剤の添加量が多すぎると、潤滑剤
が磁性層に転写し、ドラムやガイドとはりつきを起こし
易くなる。したがって、硬化剤の添加量は10重量部以
下、潤滑剤の添加量も同様に10重量部以下とすること
が好ましいことがわかる。
【0061】以上の結果より、バックコート層表面に硬
化剤及び潤滑剤を適当量含む混合液を塗布することによ
り、バックコート層表面の未架橋結合剤や分散性の悪い
顔料が磁性層側に転写することを防止し、ドロップアウ
トやエラーレートの発生を抑えることができることがわ
かった。
【0062】ここで、エラーレートを測定したデジタル
VTRの記録再生系について説明する。カラービデオ信
号をディジタル化して磁気テープ等の記録媒体に記録す
るディジタルVTRとしては、放送局用のD1フォーマ
ットのコンポーネント形ディジタルVTR及びD2フォ
ーマットのコンポジット形ディジタルVTRが実用化さ
れている。
【0063】前者のD1フォーマットディジタルVTR
は、輝度信号及び第1,第2の色差信号をそれぞれ1
3.5MHz、6.75MHzのサンプリング周波数で
A/D変換した後、所定の信号処理を行って磁気テープ
上に記録するもので、これらコンポーネント成分のサン
プリング周波数が4:2:2であることから、4:2:
2方式とも称されている。
【0064】一方、後者のD2フォーマットディジタル
VTRは、コンポジットカラービデオ信号をカラー副搬
送波信号の周波数の4倍の周波数の信号でサンプリング
を行ってA/D変換し、所定の信号処理を行った後、磁
気テープに記録するようにしている。
【0065】いずれにしても、これらのディジタルVT
Rは、共に放送局用に使用されることを前提に設計され
ているために、画質最優先とされ、1サンプルが例えば
8ビットにA/D変換されたディジタルカラービデオ信
号を実質的に圧縮することなしに記録するようになされ
ている。
【0066】したがって、例えばD1フォーマットのデ
ィジタルVTRでは、大型のカセットテープを使用して
も高々1.5時間程度の再生時間しか得られず、一般家
庭用のVTRとして使用するには不適当である。
【0067】そこで本実施例においては、例えば5μm
のトラック幅に対して最短波長0.5μmの信号を記録
するようにし、記録密度1.25μm2 /bitを実現
するとともに、記録情報を再生歪みが少ないような形で
圧縮する方法を併用することによって、テープ幅が8mm
あるいはそれ以下の幅狭の磁気テープを使用しても長時
間の記録・再生が可能なディジタルVTRに適用するも
のとする。
【0068】以下、このディジタルVTRの構成につい
て説明する。 a.信号処理部 先ず、本実施例において用いたディジタルVTRの信号
処理部について説明する。
【0069】図2は記録側の構成全体を示すものであ
り、1Y、1U、1Vでそれぞれ示す入力端子に、例え
ばカラービデオカメラからの三原色信号R,G,Bから
形成されたディジタル輝度信号Y、ディジタル色差信号
U、Vが供給される。この場合、各信号のクロックレー
トはD1フォーマットの各コンポーネント信号の周波数
と同一とされる。すなわち、それぞれのサンプリング周
波数が13.5MHz、6.75MHzとされ、且つこ
れらの1サンプル当たりのビット数が8ビットとされて
いる。
【0070】したがって、入力端子1Y、1U、1Vに
供給される信号のデータ量としては、約216Mbps
となる。この信号のうちブランキング時間のデータを除
去し、有効領域の情報のみを取り出す有効情報抽出回路
2によってデータ量が約167Mbpsに圧縮される。
【0071】そして、上記有効情報抽出回路2の出力の
うちの輝度信号Yが周波数変換回路3に供給され、サン
プリング周波数が13.5MHzからその3/4に変換
される。周波数変換回路3としては、例えば間引きフィ
ルタが使用され、折り返し歪みが生じないようになされ
ている。この周波数変換回路3の出力信号は、ブロック
化回路5に供給され、輝度データの順序がブロックの順
序に変換される。ブロック化回路5は、後段に設けられ
たブロック符号化回路8のために設けられている。
【0072】図4は、符号化の単位のブロックの構造を
示す。この例は、3次元ブロックであって、例えば2フ
レームに跨がる画面を分割することにより、同図に示す
ように(4ライン×4画素×2フレーム)の単位ブロッ
クが多数形成される。なお、図4において実線は奇数フ
ィールドのラインを示し、破線は偶数フィールドのライ
ンを示す。
【0073】また、有効情報抽出回路2の出力のうち、
2つの色差信号U、Vがサブサンプリング及びサブライ
ン回路4に供給され、サンプリング周波数がそれぞれ
6.75MHzからその半分に変換された後、2つのデ
ィジタル色差信号が互いにライン毎に選択され、1チャ
ンネルのデータに合成される。したがって、このサブサ
ンプリング及びサブライン回路4からは線順次化された
ディジタル色差信号が得られる。
【0074】このサブサンプリング及びサブライン回路
4によってサブサンプル及びサブライン化された信号の
画素構成を図5に示す。図5中、○は第1の色差信号U
のサブサンプリング画素を示し、△は第2の色素信号V
のサンプリング画素を示し、×はサブサンプルによって
間引かれた画素の位置を示す。
【0075】上記サブサンプリング及びサブライン回路
4からの線順次化出力信号は、ブロック化回路6に供給
される。ブロック化回路6では一方のブロック化回路5
と同様に、テレビジョン信号の走査の順序の色差データ
がブロックの順序のデータに変換される。このブロック
化回路6は、一方のブロック化回路5と同様に、色差デ
ータを(4ライン×4画素×2フレーム)のブロック構
造に変換する。そしてこれらブロック化回路5及びブロ
ック化回路6の出力信号が合成回路7に供給される。
【0076】合成回路7では、ブロックの順序に変換さ
れた輝度信号及び色差信号が1チャンネルのデータに変
換され、この合成回路7の出力信号がブロック符号化回
路8に供給される。ブロック符号化回路8としては、後
述するようにブロック毎のダイナミックレンジに適応し
た符号化回路(ADRCと称する。)、DCT(Dis
crete Cosine Transform)回路
等が適用できる。前記ブロック符号化回路8からの出力
信号は、さらにフレーム化回路9に供給され、フレーム
構造のデータに変換される。このフレーム化回路9で
は、画素系のクロックと記録系のクロックとの乗り換え
が行われる。
【0077】次いで、フレーム化回路9の出力信号がエ
ラー訂正符号のパリティ発生回路10に供給され、エラ
ー訂正符号のパリティが生成される。パリティ発生回路
10の出力信号はチャンネルエンコーダ11に供給さ
れ、記録データの低域部分を減少させるようなチャンネ
ルコーディングがなされる。チャンネルエンコーダ11
の出力信号が記録アンプ12A,12Bと回転トランス
(図示は省略する。)を介して一対の磁気ヘッド13
A,13Bに供給され、磁気テープに記録される。な
お、オーディオ信号と、ビデオ信号とは別に圧縮符号化
され、チャンネルエンコーダ11に供給される。
【0078】上述の信号処理によって、入力のデータ量
216Mbpsが有効走査期間のみを抽出するによって
約167Mbpsに低減され、さらに周波数変換とサブ
サンプル、サブラインとによってこれが84Mbpsに
減少される。このデータは、ブロック符号化回路8で圧
縮符号化することにより、約25Mbpsに圧縮され、
その後のパリティ、オーディオ信号等の付加的な情報を
加えて、記録データ量としては31.56Mbpsとな
る。
【0079】次に、再生側の構成について図3を参照し
ながら説明する。再生の際には、図3に示すように、先
ず磁気ヘッド13A,13Bからの再生データが回転ト
ランス及び再生アンプ14A,14Bを介してチャンネ
ルデコーダ15に供給される。チャンネルデコーダ15
において、チャンネルコーディングの復調がされ、チャ
ンネルデコーダ15の出力信号がTBC回路(時間軸補
正回路)16に供給される。このTBC回路16におい
て、再生信号の時間軸変動成分が除去される。TBC回
路16からの再生データがECC回路17に供給され、
エラー訂正符号を用いたエラー訂正とエラー修整とが行
われる。ECC回路17の出力信号がフレーム分解回路
18に供給される。
【0080】フレーム分解回路18によって、ブロック
符号化データの各成分がそれぞれ分離されるとともに、
記録系のクロックから画素系のクロックへの乗り換えが
なされる。フレーム分解回路18で分離された各データ
がブロック複号回路19に供給され、各ブロック単位に
原データと対応する復元データが複号され、複号データ
が分配回路20に供給される。この分配回路20で複号
データが輝度信号と色差信号に分離される。輝度信号及
び色差信号がブロック分解回路21,22にそれぞれ供
給される。ブロック分解回路21,22は、送信側のブ
ロック化回路5,6とは逆に、ブロックの順序の複号デ
ータをラスター走査の順に変換する。
【0081】ブロック分解回路21からの複号輝度信号
が補間フィルタ23に供給される。補間フィルタ23で
は、輝度信号のサンプリングレートが3fsから4fs
(4fs=13.5MHz)に変換される。補間フィル
タ23からのディジタル輝度信号Yは出力端子26Yに
取り出される。
【0082】一方、ブロック分解回路22からのディジ
タル色差信号が分配回路24に供給され、線順次化され
たディジタル色差信号U,Vがディジタル色差信号U及
びVにそれぞれ分離される。分配回路24からのディジ
タル色差信号U,Vが補間回路25に供給され、それぞ
れ補間される。補間回路25は、復元された画素データ
を用いて間引かれたライン及び画素のデータを補間する
もので、補間回路25からはサンプリングレートが2f
sのディジタル色差信号U及びVが得られ、出力端子2
6U,26Vにそれぞれ取り出される。
【0083】b.ブロック符号化 図2におけるブロック符号化回路8としては、ADRC
(AdaptiveDynamic Range Co
ding)エンコーダが用いられる。このADRCエン
コーダは、各ブロックに含まれる複数の画素データの最
大値MAXと最小値MINを検出し、これら最大値MA
X及び最小値MINからブロックのダイナミックレンジ
DRを検出し、このダイナミックレンジDRに適応した
符号化を行い、原画素データのビット数よりも少ないビ
ット数により、再量子化を行うものである。ブロック符
号化回路8の他の例としては、各ブロックの画素データ
をDCT(Discrete Cosine Tran
sform)した後、このDCTで得られた係数データ
を量子化し、量子化データをランレングス・ハフマン符
号化して圧縮符号化する構成を用いてもよい。
【0084】ここでは、ADRCエンコーダを用い、さ
らにマルチダビングした時にも画質劣化が生じないエン
コーダの例を図6を参照しながら説明する。図6におい
て、入力端子27に例えば1サンプルが8ビットに量子
化されたディジタルビデオ信号(或いはディジタル色差
信号)が図2の合成回路7より入力される。入力端子2
7からのブロック化データが最大値,最小値検出回路2
9及び遅延回路30に供給される。最大値,最小値検出
回路29は、ブロック毎に最小値MIN、最大値MAX
を検出する。遅延回路30からは、最大値及び最小値が
検出されるのに要する時間、入力データを遅延させる。
遅延回路30からの画素データが比較回路31及び比較
回路32に供給される。
【0085】最大値,最小値検出回路29からの最大値
MAXが減算回路33に供給され、最小値MINが加算
回路34に供給される。これらの減算回路33及び加算
回路34には、ビットシフト回路35から4ビット固定
長でノンエッジマッチング量子化した場合の1量子化ス
テップ幅の値(△=1/16DR)が供給される。ビッ
トシフト回路35は、(1/16)の割算を行うよう
に、ダイナミックレンジDRを4ビットシフトする構成
とされている。
【0086】減算回路33からは(MAX−△)のしき
い値が得られ、加算回路34からは(MIN+△)のし
きい値が得られる。これらの減算回路33及び加算回路
34からのしきい値が比較回路31,32にそれぞれ供
給される。なお、このしきい値を規定する値△は、量子
化ステップ幅に限らず、ノイズレベルに相当する固定値
としてもよい。
【0087】比較回路31の出力信号がANDゲート3
6に供給され、比較回路32の出力信号がANDゲート
37に供給される。ANDゲート36及びANDゲート
37には、遅延回路30からの入力データが供給され
る。比較回路31の出力信号は、入力データがしきい値
より大きい時にハイレベルとなり、したがってANDゲ
ート36の出力端子には、(MAX〜MAX−△)の最
大レベル範囲に含まれる入力データの画素データが抽出
される。一方、比較回路32の出力信号は、入力データ
がしきい値より小さい時にハイレベルとなり、したがっ
てANDゲート37の出力端子には、(MIN〜MIN
+△)の最小レベル範囲に含まれる入力データの画素デ
ータが抽出される。
【0088】ANDゲート36の出力信号が平均化回路
38に供給され、ANDゲート37の出力信号が平均化
回路39に供給される。これらの平均化回路38,39
は、ブロック毎に平均値を算出するもので、端子40か
らブロック周期のリセット信号が平均化回路38,39
に供給されている。平均化回路38からは、(MAX〜
MAX−△)の最大レベル範囲に属する画素データの平
均値MAX´が得られ、平均化回路39からは(MIN
〜MIN+△)の最小レベル範囲に属する画素データの
平均値MIN´が得られる。平均値MAX´から平均値
MIN´が減算回路41で減算され、この減算回路41
からダイナミックレンジDR´が得られる。
【0089】また、平均値MIN´が減算回路42に供
給され、遅延回路43を介された入力データから平均値
MIN´が減算回路42において減算され、最小値除去
後のデータPDIが形成される。このデータPDI及び
修整されたダイナミックレンジDR´が量子化回路44
に供給される。この実施例では、量子化に割り当てられ
るビット数nが0ビット(コード信号を転送しない)、
1ビット、2ビット、3ビット、4ビットの何れかとさ
れる可変長のADRCであって、エッジマッチング量子
化がなされる。割り当てビット数nは、ブロック毎にビ
ット数決定回路45において決定され、ビット数nのデ
ータが量子化回路44に供給される。
【0090】可変長ADRCは、ダイナミックレンジD
R´が小さいブロックでは、割り当てビット数nを少な
くし、ダイナミックレンジDR´が大きいブロックで
は、割り当てビット数nを多くすることで、効率の良い
符号化を行うことができる。すなわち、ビット数nを決
定する際のしきい値をT1〜T4(T1<T2<T3<
T4)とすると、(DR´<T1)のブロックは、コー
ド信号が転送されず、ダイナミックレンジDR´の情報
のみが転送され、(T1≦DR´<T2)のブロック
は、(n=1)とされ、(T2≦DR´<T3)のブロ
ックは、(n=2)とされ、(T3≦DR´<T4)の
ブロックは、(n=3)とされ、(DR´≧T4)のブ
ロックは、(n=4)とされる。
【0091】かかる可変長ADRCではしきい値T1〜
T4を変えることで、発生情報量を制御すること(いわ
ゆるバッファリング)ができる。したがって、1フィー
ルド或いは、1フレーム当たりの発生情報量を所定値に
することが要求されるこの発明のディジタルビデオテー
プレコーダのような伝送路に対しても可変長ADRCを
適用できる。
【0092】発生情報量を所定値にするためのしきい値
T1〜T4を決定するバッファリング回路46では、し
きい値の組(T1、T2、T3、T4)が複数例えば3
2組用意されており、これらのしきい値の組がパラメー
タコードPi(i=0、1、2・・・・31)により区
別される。パラメータコードPiの番号iが大きくなる
に従って、発生情報量が単調に減少するように設定され
ている。ただし、発生情報量が減少するに従って、復元
画像の画質が劣化する。
【0093】バッファリング回路46からのしきい値T
1〜T4が比較回路47に供給され、遅延回路48を介
されたダイナミックレンジDR´が比較回路47に供給
される。遅延回路48は、バッファリング回路46でし
きい値の組が決定されるのに要する時間、DR´を遅延
させる。比較回路47では、ブロックのダイナミックレ
ンジDR´と各しきい値とがそれぞれ比較され、比較出
力がビット数決定回路45に供給され、そのブロックの
割り当てビット数nが決定される。
【0094】量子化回路44では、ダイナミックレンジ
DR´と割り当てビット数nとを用いて遅延回路49を
介された最小値除去後のデータPDIがエッジマッチン
グの量子化により、コード信号DTに変換される。量子
化回路44は、例えばROMで構成されている。
【0095】遅延回路48、50をそれぞれ介して修整
されたダイナミックレンジDR´、平均値MIN´が出
力され、さらにコード信号DTとしきい値の組を示すパ
ラメータコードPiが出力される。この例では、一旦ノ
ンエッジマッチ量子化された信号が新たにダイナミック
レンジ情報に基づいて、エッジマッチ量子化されている
ためにダビングした時の画像劣化は少ないものとされ
る。
【0096】c.チャンネルエンコーダ及びチャンネル
デコーダ 次に、図2のチャンネルエンコーダ11及びチャンネル
デコーダ15について説明する。
【0097】チャンネルエンコーダ11においては、図
7に示すように、パリティ発生回路10の出力が供給さ
れる適応型スクランブル回路で、複数のM系列のスクラ
ンブル回路51が用意され、その中で入力信号に対し最
も高周波成分及び直流成分の少ない出力が得られるよう
なM系列が選択されるように構成されている。パーシャ
ルレスポンス・クラス4検出方式のためのプリコーダ5
2で、1/1−D2 (Dは単位遅延用回路)の演算処理
がなされる。このプリコーダ52の出力を記録アンプ1
2A,13Aを介して磁気ヘッド13A,13Bによ
り、記録再生し、再生出力を再生アンプ14A,14B
によって増幅するようになされている。
【0098】一方、チャンネルデコーダ15において
は、図8に示すように、パーシャルレスポンス・クラス
4の再生側の演算処理回路53は、1+Dの演算が再生
アンプ14A,14Bの出力に対して行われる。また、
いわゆるビタビ複号回路54においては、演算処理回路
53の出力に対してデータの相関性や確からしさ等を用
いた演算により、ノイズに強いデータの複号が行われ
る。
【0099】このビタビ複号回路54の出力がディスク
ランブル回路55に供給され、記録側のスクランブル処
理によって並び変えられたデータが元の系列に戻されて
原データが復元される。この実施例において用いられる
ビタビ複号回路54によって、ビット毎の複号を行う場
合よりも、再生C/N換算が3dBで改良が得られる。
【0100】d.走行系 磁気ヘッド13A及び磁気ヘッド13Bは、図9に示す
ように、一体構造とされた形でドラム76に取付けられ
る。ドラム76の周面には、180°よりやや大きい
か、あるいはやや小さい巻き付け角で磁気テープ(図示
せず。)が斜めに巻き付けられており、磁気ヘッド13
A及び磁気ヘッド13Bが同時に磁気テープを走査する
ように構成される。
【0101】また、前記磁気ヘッド13A及び磁気ヘッ
ド13Bのギャップの向きは、互いに反対側に傾くよう
に(例えば磁気ヘッド13Aはトラック幅方向に対して
+20°、磁気ヘッド13Bは−20°傾斜するよう
に)設定されており、再生時にいわゆるアジマス損失に
よって隣接トラック間のクロストーク量を低減するよう
になされている。
【0102】図10及び図11は、磁気ヘッド13A,
13Bを一体構造(いわゆるダブルアジマスヘッド)と
した場合のより具体的な構成を示すもので、例えば高速
で回転される上ドラム76に一体構造の磁気ヘッド13
A,13Bが取り付けられ、下ドラム77が固定とされ
ている。ここで、磁気テープ78の巻き付け角θは16
6°、ドラム径φは16.5mmである。
【0103】したがって、磁気テープ78には、1フィ
ールドのデータが5本のトラックに分割して記録され
る。このセグメント方式により、トラックの長さを短く
することができ、トラックの直線性に起因するエラーを
小さくすることができる。
【0104】上述のように、ダブルアジマスヘッドで同
時記録を行うようにすることで、180°の対向角度で
一対の磁気ヘッドが配置されたものと比較して直線性に
起因するエラー量を小さくすることができ、またヘッド
間距離が小さいのでペアリング調整をより正確に行うこ
とができる。したがって、このような走行系により、幅
狭のトラックで記録・再生を行うことができる。
【0105】なお、本発明の磁気記録媒体は、上述した
実施例に限定されるものではなく、材料、製造条件等、
種々の変形変更が可能である。例えば、本実施例におい
ては、バックコート層を形成し乾燥させた後、上記硬化
剤及び潤滑剤を含む混合液を塗布したが、この塗布の時
期はバックコート層の乾燥工程が終了した後でも、乾燥
工程を行なう前でもよい。
【0106】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、バッ
クコート層表面にイソシアネート基を主成分とする硬化
剤及び潤滑剤を含む混合液を塗布することにより、バッ
クコートの耐久性を向上させることができる。また、高
温多湿環境下のような苛酷な環境でも保存特性、走行耐
久性に優れた高密度磁気記録に最適な磁気記録媒体を提
供することができる。また、テープの機械強度の劣化を
小さく抑えながらテープの薄型化が可能となり記録再生
装置の小型化または長時間化に寄与することとなる。
【0107】さらに、上述のような磁気記録媒体は、ド
ロップアウトやエラーレートを低く抑えられるので、デ
ィジタル画像信号の記録に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蒸着装置の一構成例を示す模式図である。
【図2】ディジタル画像信号を再生歪みが少ないような
形で圧縮して記録するディジタルVTRの信号処理部の
記録側の構成を示すブロック図である。
【図3】信号処理部の再生側の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】ブロック符号化のためのブロックの一例を示す
略線図である。
【図5】サブサンプリング及びサブラインの説明のため
の略線図である。
【図6】ブロック符号化回路の一例を示すブロック図で
ある。
【図7】チャンネルエンコーダの一例の概略を示すブロ
ック図である。
【図8】チャンネルデコーダの一例の概略を示すブロッ
ク図である。
【図9】磁気ヘッドの配置の一例を模式的に示す平面図
である。
【図10】回転ドラムの構成例及び磁気テープの巻き付
け状態を示す平面図である。
【図11】回転ドラムの構成例及び磁気テープの巻き付
け状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1Y,1U,1V・・・コンポーネント信号の入力端子 5,6・・・・ブロック化回路 8・・・・・ブロック符号化回路 11・・・・チャンネルエンコーダ 13A,13B・・・・磁気ヘッド 15・・・・チャンネルデコーダ 19・・・・ブロック復号回路 21,22・・・・ブロック分解回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上の一主面に金属磁性薄膜
    よりなる磁性層が形成され、前記磁性層が形成されてい
    る面とは反対側の主面にバックコート層が形成されてな
    る磁気記録媒体において、 上記バックコート層表面にはイソシアネート基を有する
    硬化剤が保持されていることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 イソシアネート基を有する硬化剤及び潤
    滑剤を含有する混合液がバックコート層表面に塗布され
    てなることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 入力ディジタル画像信号を複数の画素デ
    ータからなるブロック単位のデータに変換してブロック
    化し、該ブロック化されたデータをブロック単位に圧縮
    符号化し、該圧縮符号化されたデータをチャンネル符号
    化し、該チャンネル符号化されたデータを回転ドラムに
    装着された磁気ヘッドにより記録されるものであり、 且つ、磁性層の残留磁束密度、厚さ及び抗磁力の積であ
    るエネルギー積が75Gauss ・cm・Oe以上であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
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