JPH0736516U - スイッチギヤの状態・故障表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スイッチギヤの運転状況及び故障発生を１個
の表示灯により集約的に表示し、設計，製造の作業効率
の向上等を図るとともに表示の標準化を図り、しかも、
運転状況及び故障の内容等の詳細な情報も得られるよう
にする。 【構成】 スイッチギヤ１〜５の前面に設けられ，２色
のランプ１３ｂ，１３ｃの選択的な点灯，点滅によりス
イッチギヤ１〜５の運転の入，切及び故障発生を集約的
に表示する１個の状態・故障表示灯１３と、スイッチギ
ヤ１〜５に有線又は無線結合され，スイッチギヤ１〜５
内部の制御，計測の情報を読取って分析し，運転状況，
故障の内容及び復旧措置を画面表示する読取表示器１
５，２１とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スイッチギヤの運転状態及び故障を報知するスイッチギヤの状態・ 故障表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電力設備のスイッチギヤはその内部の遮断器，開閉器等の各機器の運転 ，故障を表示して報知するため、前面の扉等に多数の表示灯等が取付けられる。 そして、遮断器，開閉器等の入（オン），切（オフ）は、それぞれの赤色の入 表示灯と緑色の切表示灯とを択一的に点灯して表示される。

【０００３】 また、各機器の故障表示は、それぞれの該当する故障項目の故障表示灯を点灯 して行われる。 さらに、各機器の運転状況を示す電流，電圧等の計測値は、数字表示器あるい は計器等により形成されたそれぞれの計測値表示部に表示される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のように多数の表示灯等を設けてスイッチギヤの運転状態及び故障発 生を表示する場合、表示内容に応じて表示灯等の種類や大きさ等が異なるため、 設計，製造が煩雑化して製造上の作業効率が悪く、製造上の作業ミス等を生じ易 い問題点がある。 また、スイッチギヤの改造，内部機器の増設等に伴って表示 内容の変更，追加等が生じたときには、その都度表示灯の増設等が必要になる問 題点もある。

【０００５】 そして、この種スイッチギヤは用途等に応じて内部機器及び外形状が異なり、 それに伴って表示灯等の個数，種類及び取付位置等も異なるため、多数のスイッ チギヤにより構築される電力設備の場合、その設計，製造が容易でないという問 題点があり、また故障発生時にはその確認は行えるが運転状況と密接に関係する 処置方法は表示されないので、復旧等が容易に行えないという問題点もある。 本考案は、スイッチギヤの運転状況及び故障発生を１個の表示灯により集約的 に表示し、設計，製造の作業効率の向上等を図るとともに表示の標準化を図り、 しかも、運転状況及び故障の内容等の詳細な情報が得られるようにすることを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために、本考案のスイッチギヤの状態・故障表示装置に おいては、スイッチギヤの前面に設けられ，２色のランプの選択的な点灯，点滅 によりスイッチギヤの運転の入，切及び故障発生を集約的に表示する１個の状態 ・故障表示灯と、スイッチギヤに有線又は無線結合され，スイッチギヤ内部の制 御，計測の情報を読取って分析し，運転状況，故障の内容及び復旧措置を画面表 示する読取表示器とを備える。

【０００７】

【作用】

前記のように構成された本考案の状態・故障表示装置の場合、スイッチギヤの 前面に設けられた１個の状態・故障表示灯の２色のランプの選択的な点灯，点滅 により、運転の入，切及び故障発生が集約的に表示される。 さらに、運転状況や故障の内容，復旧措置は、スイッチギヤと別体の読取表示 器により、スイッチギヤ内部の情報を読取って画面表示される。

【０００８】 そして、スイッチギヤに１個の状態・故障表示灯を設けるのみでよいため、ス イッチギヤの設計，製造の作業効率が向上するとともに作業ミスが低減され、し かも、スイッチギヤの改造，内部機器の変更等が生じたときの表示灯の増設等も 不要になり、さらに、故障発生時の確認，復旧及び保守等の作業も容易に行える 。 また、スイッチギヤによらず、１個の状態・故障表示灯を設ければよいため、 スイッチギヤの表示が統一化されるとともに、その表示灯の標準化が図れる。

【０００９】

【実施例】

実施例について、図１ないし図３を参照して説明する。 （１実施例） まず、１実施例について、図１及び図２を参照して説明する。 図１は多数のスイッチギヤを群（グループ）化して配置する電力設備に適用し 、読取表示器を着脱自在に有線結合する場合の構成を示し、１〜５は１群のスイ ッチギヤであり、用途等に応じて内部構成及び外形状が異なる。

【００１０】 ６〜１０はスイッチギヤ１〜５の前面扉等の前面パネル、１１は前面パネル６ 〜１０の左側に取付けられた取手、１２は前面パネル６〜８の上端に取付けられ た名板である。

【００１１】 １３は前面パネル６〜１０の上部中央に設けられたスイッチギヤ毎に１個の状 態・故障表示灯、１４は前面パネル６の下部中央に設けられた読取表示用のスイ ッチギヤ側コネクタ、１５は読取表示器であり、キーボード構成の操作部１６及 び液晶表示パネル構成の表示部１７を有する。１８は読取表示器１５の接続ケー ブルであり、先端にコネクタ１４に着脱自在に接続される読取表示側コネクタ１ ９を有する。 そして、各表示灯１３は図２に示すように標準化された統一規格のケース体１ ３ａに、２色のランプとして、例えば赤色（Ｒ）のランプ１３ｂと緑色（Ｇ）の ランプ１３ｃを収容して形成される。

【００１２】 なお、ランプ１３ｂ，１３ｃはケース体正面の表示パネル１３ａ’の輝度を均 一化するため、この実施例ではそれぞれ１対（２個）が対角に配置される。 また、図２の１３ｄはケース体１３ａの裏面に突出して設けられた複数の接続 端子である。

【００１３】 そして、スイッチギヤ１〜５は内部に例えばマイクロコンピュータ構成の制御 部を有し、この制御部の運転制御，管理手段により、遮断器，開閉器等の内部機 器の入，切等の各種制御を行うとともに、各種制御の指令，応答及び電流，電圧 等の計測値を収集，管理し、自己の運転状況及び故障発生を監視検出する。

【００１４】 さらに、この監視検出に基づく制御部の表示制御手段の制御により、通常は、 運転の入，切に応じてランプ１３ｂ，１３ｃを択一的に点灯し、運転状況を表示 し、故障発生時はランプ１３ｂ，１３ｃを選択的に点滅（フリッカ）し、故障発 生を表示する。

【００１５】 このとき、故障の重，軽を区別して表示する必要がある場合は，たとえば遮断 器の開放が必要になる重故障の発生であればランプ１３ｂのみを高速点滅し、遮 断器の開放を要しない軽故障の発生であればランプ１３ｂ，１３ｃを交互に低速 点滅するなどとすることができる。

【００１６】 したがって、スイッチギヤ１〜５は従来の多数の表示灯等を設ける代わりに、 それぞれ形状，寸法等が標準化された１個の表示灯１３のみを設けて形成され、 この表示灯１３により運転状況と故障発生とを集約的に表示する。

【００１７】 この場合、表示に関するスイッチギヤの設計条件及び取付け，配線等の製造作 業が簡素化するとともに統一化され、設計，製造が容易になって作業効率が著し く向上し、しかも、配線ミス等が防止されて信頼性も向上する。 また、部品の統一化等により低価格化等も図れる。

【００１８】 さらに、スイッチギヤ内部の構成変更，増設等が生じても、表示に関する設計 ，製造の変更等がなく、容易かつ安価に対処できる。

【００１９】 つぎに、読取表示器１５は例えば携帯形のパソコンにより形成され、その接続 ケーブル１８の先端のコネクタ１９を群毎の所定のスイッチギヤ，例えばスイッ チギヤ１に設けられたコネクタ１４に接続し、操作部１６により情報の読取りを 指令すると、当該群のスイッチギヤ１〜５の制御部に収集，管理されているそれ ぞれの内部の制御，計測の情報をスイッチギヤ１〜５間のデータバス，コネクタ １４，１９を介して読取る。

【００２０】 さらに、この読取りにより得られた各種の情報を分析し、この分析の結果に基 づき、文字，図形を用いて従来の多数の表示灯、表示器等を用いた表示より詳細 かつ明りょうに運転状況，故障の内容を表示部１７に画面表示するとともに、故 障に対する復旧措置も表示部１７に画面表示する。

【００２１】 したがって、故障発生時にはいわゆるエキスパートでなくても、表示部１７の 画面表示から必要な措置を把握し、適切に対処することができ、また、通常の保 守点検に際しても極めて便利である。

【００２２】 また、１台の読取表示器１５により１群のスイッチギヤ１〜５の表示が行われ るため、極めて経済的である。 さらに、読取表示器１５がコネクタ接続された１群のスイッチギヤ１〜５に着 脱自在に接続されるため、複数群構成であっても、読取表示器１５を１台だけ備 えて形成することも可能であり、この場合は一層経済的になる。

【００２３】 また、スイッチギヤの内部構成の変更，増設等が行われた場合には読取表示器 １５内のソフトウエアを変更することにより容易に対処できる利点もある。 なお、読取表示器１５と例えばスイッチギヤ１との接続とは着脱自在でなくて もよく、この場合も、読取表示器１５は例えば設備全体で１台或いは群毎に１台 設ければよい。

【００２４】 （他の実施例） つぎに、他の実施例について、図３を参照して説明する。 図３において、図１と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、図１と異 なる点はつぎの（ｉ），（ii）の点である。 （ｉ）図１のコネクタ１４の代わりにスイッチギヤ側無線送受信機２０をスイ ッチギヤ１に取付けた点。 （ii）図１の読取表示器１５の代わりにこの読取表示器１５に無線送受信機能 を付加した読取表示器２１を備えた点。

【００２５】 そして、受信機２０と読取表示器２１との双方向の無線通信により、読取表示 器２１を１群のスイッチギヤ１〜５に無線結合して当該群のスイッチギヤ１〜５ の運転状況，故障の内容及び復旧措置を表示部１７に画面表示する。

【００２６】 したがって、この実施例の場合は読取表示器２１がいわゆるコードレスになり 、その設置場所等の自由度が大きくなり、しかも、スイッチギヤ１〜５の塵埃の 侵入が減少する。 ところで、前記両実施例の表示灯１３の２色のランプ１３ｂ，１３ｃは発光ダ イオード，白熱球等の種々の点灯素子により形成することができ、また、その個 数，点灯色等は実施例に限定されるものではない。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているため、以下に記載する効果を奏 する。 スイッチギヤ１〜５の前面に設けられた１個の状態・故障表示灯１３の２色の ランプ１３ａ，１３ｂの選択的な点灯，点滅により、それぞれの運転の入，切及 び故障発生が集約的に表示され、さらに、運転状況や故障の内容，復旧措置はス イッチギヤ１〜５に有線又は無線結合する別体の読取表示器１５，２１により、 スイッチギヤ内部の情報を読取って画面表示される。

【００２８】 そして、スイッチギヤ１〜５に１個の表示灯１３を設けるのみでよいため、ス イッチギヤ１〜５の設計，製造の作業効率が向上するとともに作業ミスが低減さ れ、しかも、スイッチギヤ１〜５の改造，内部機器の変更等が生じたときの表示 灯の増設等も不要になり、さらに、故障発生時の確認，復旧及び保守等の作業も 容易に行える。 さらに、スイッチギヤ１〜５によらず、１個の表示灯１３を設ければよいため 、スイッチギヤ１〜５の表示を統一化してその標準化を図ることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のスイッチギヤの状態・故障表示装置の
１実施例の斜視図である。

【図２】図１の状態・故障表示灯の斜視図である。

【図３】本考案の他の実施例の斜視図である。

【符号の説明】

１〜５ スイッチギヤ １３ 状態・故障表示灯 １３ｂ，１３ｃ ２色のランプ １５，２１ 読取表示器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スイッチギヤの前面に設けられ，２色の
   ランプの選択的な点灯，点滅により前記スイッチギヤの
   運転の入，切及び故障発生を集約的に表示する１個の状
   態・故障表示灯と、 前記スイッチギヤに有線又は無線結合され，前記スイッ
   チギヤ内部の制御，計測の情報を読取って分析し，運転
   状況，故障の内容及び復旧措置を画面表示する読取表示
   器とを備えたスイッチギヤの状態・故障表示装置。