JPH0736267Y2 - 清浄装置付き油サンプリング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は内燃機関のシリンダライナとピストンリング
（以下、ライナ、リングと称する）の、摺動状況の監視
に適用される油サンプリング装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来のサンプリング装置を第３図に示す。即ちライナ01
の壁面に開口したサンプリング穴012に取付けた導管010
を針弁031で開閉する電磁弁030の吸入孔035に接続し、
前記吸入口に続く油溜034より導管037を経て油分離器04
6に接続する。又前記ライナに開口したサンプリング穴0
12の下部に通路09を開口し鋼球07、押えバネ08、通路06
からなる逆止弁05を取付け、通路06から導管011を経て
注油器065の取出し金具055に接続している。

前記注油器のケーシング051内には偏心カム052が設けら
れ、該カムにより支持軸060にて支えられた揺腕059を上
下させる。揺腕059は上下ストローク調整棒061と調整ネ
ジ062により該ストロークが調整される。揺腕059にはプ
ランジャ054が接続されており、上下運動によってシリ
ンダ油063をフィルタ058、吸入管056、のぞき窓057をへ
て吸いあげて取り出し、金具055をへて送り出す構造と
なっている。又電磁弁030は本体、針弁031、誘導コイル
032、押付用ばね033、針弁作動用誘導電流制御装置036
より形成されている。シリンダ油をサンプリングする場
合は、任意の時間に電磁弁030を作動させサンプルを油
分離器046に採取する。採取時間は油分析に必要な量を
採取できる時間とする。第４図の作動状況図に示すよう
に、（ａ）のエンジントップはピストンがトップに来た
時の信号、（ｂ）は注油器吐出時期の信号、（ｃ）はシ
リンダ油をサンプリングする場合の電磁弁の作動信号を
示すもので、第４図（ｃ）では電磁弁をｍ回開弁した後
電磁弁を停止し、油サンプリングを完了することを示し
ている。

［考案が解決しようとする課題］ リング、ライナの、摺動状況及び摩耗の監視は10000Hr
〜20000Hrの長期にわたって行うが、第３図によるサン
プリングは１日〜２日間隔で行い、サンプリング期間は
10分〜60分で殆んどの期間本装置は停止している状態で
あり、この期間に前回のサンプリング時に導管010内に
残ったシリンダ油（燃焼残査を含む）が固化し導管010
が詰まる欠点があった。

本考案の目的は前記従来装置の課題を解消しライナと電
磁弁間の導管の詰りを解消し、リングとライナの摺動状
況及び摩耗状況を長期間安定して監視できる清浄装置付
き油サンプリング装置を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は前記の課題を解決するために、シリンダライナ
壁面よりシリンダ油を抽出し、サンプリングを行う装置
において、シリンダライナ壁面に設けたサンプリング孔
と、サンプリング抽出用電磁弁とを結合する導管から分
岐した導管に逆止弁とシリンダ油の注入器を直列に結合
したことを特徴としている。

［作用］ サンプリング直後は、燃焼残査を含んだシリンダ油が導
管壁に付着しているので固化する前に新しいシリンダ油
を流し残留分を除去出来る。

［実施例］ 以下第１〜２図を参照し、本考案の実施例について説明
する。第１図は実施例のブロック図、第２図はその作用
説明図である。

先ず電磁弁030と注油器065について説明する。電磁弁03
0は本体に針弁031が挿入され、該針弁はばね033により
シートに押し付けられている。針弁031は誘導コイル032
により取りまかれ、このコイル032には誘導電流が流れ
るようになっており、この電流は制御装置036により制
御される。

次に注油器は、同ケーシング051内の偏心カム052によ
り、支持軸060にて支えられた揺腕059を上下させる。揺
腕059は上下ストローク調整棒061と調整ネジ062により
該ストロークが調整される。又前記揺腕059にはプラン
ジャ054が接続されており、上下運動によってシリンダ
油063をフィルタ58、吸入管056、のぞき窓057をへて吸
いあげて取り出し、金具055をへて送り出す構造となっ
ている。

次に実施例の全体構造について説明する。

ライナ01の壁面に開口されたサンプリング穴012と電磁
弁吸入口035を導管010で結合し、電磁弁入口で前記導管
を分岐して逆止弁05の出口09に連結し、更に逆止弁05の
入口と注油器065の取出し金具055は導管011で直列に結
合されている。

又電磁弁030の油溜034と連結した導管037は電動機044で
作動する切換弁043に結合され、さらに導管042を経て分
離器046に連結されている。第２図は本装置の作動状況
図であって、ライナ内にピストンが往復運動する場合ピ
ストンがトップにきた時の信号を図の（ａ）エンジント
ップに示す、注油器065はエンジンの回転３回に対し１
回の割合で回転するようにした。

（エンジンの種類により異なるがここでは３回に１回の
注油とした）。従って、（ｂ）注油器吐出時期の図のよ
うに（ａ）と（ｂ）との割合いは3:1で注油される。次
に油サンプリングを行う場合は第１図の注油器の注油量
調整装置050を作動させ注油量を零にする。

次に電磁弁030の後に取付けた切換弁043を電動機044に
よりＡの方向に回転し電磁弁の制御装置036を第２図の
（ｃ）電磁弁に示すように、ｎ回作動させて新しいシリ
ンダー油を外部に排出した後、切換弁043の電動機044を
作動させＢ方向に回転し、図の（ｃ）に示すようにｍ回
電磁弁を作動させサンプリングを行いサンプリング瓶03
8内に油分041を採取し、ガスはガス排出口040から排出
させる。その場合の切換弁043の向きは第２図（ｄ）切
換弁の図に示す通りである。瓶038は導管042とガス排出
口040を挿入した蓋039を有しガスを分離し瓶外に排出す
る。電磁弁030の作動を終え、サンプリングを完了する
と注油器流量調整装置050を作動させ正規の注油を開始
する。このとき導管010に残留している燃焼残査を含む
シリンダー油はライナ01内に新しいシリンダ油と共に注
油されるので導管010内は清浄化される。

［考案の効果］ 本考案は上記のように構成したのでシリンダライナと電
磁弁間の導管の詰まりを解消し、リング、ライナの摺動
状況及び摩耗状況を長期間安定して監視することが出来
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は本考案に係わるもので第１図は実施例の側
断面図、第２図は同作用状況図、第３図は従来の油サン
プリング装置の側断面図、第４図は従来装置の作用状況
図である。 01:ライナ、02:リング、03:ピストン、04:コメクチング
ロッド、05:逆止弁、06:通路、07:鋼球、08:押えバネ、
09:通路、010:導管、011:導管、012:サンプリング穴、0
30:電磁弁、031:針弁、032:誘導コイル、033:押付用バ
ネ、034:油溜、035:吸入口、036:誘導電流制御装置、03
7:導管、038:瓶、039:蓋、040:ガス逃がし弁、041:油
分、042:導管、043:切換弁、044:電動機、045:出口、04
6:油分離器、050:注油量調整装置、051:ケーシング、05
2:偏心カム、053:ローラ、054:プランジャ、055:取出し
金具、056:吸入管、057:のぞき窓、058:フィルタ、059:
揺腕、060:支持腕、061:調節棒、062:調整ネジ、063:シ
リンダ油、064:カバー、065:注油器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関のピストンリングとシリンダライ
   ナ間の、摺動状況及び摩耗状況を監視するためにシリン
   ダライナ壁面よりシリンダ油を抽出してサンプリングを
   行う装置において、シリンダライナ壁面に設けたサンプ
   リング孔とサンプリング抽出用電磁弁とを結合する導管
   の途中より分岐して逆止弁とシリンダ油注入器を直列に
   結合したことを特徴とする清浄装置付き油サンプリング
   装置。