JPH0735858B2

JPH0735858B2 - 高圧流体封止装置

Info

Publication number: JPH0735858B2
Application number: JP63026534A
Authority: JP
Inventors: 幸明永田; 茂石倉
Original assignee: Sugino Machine Ltd
Current assignee: Sugino Machine Ltd
Priority date: 1988-02-09
Filing date: 1988-02-09
Publication date: 1995-04-19
Anticipated expiration: 2010-04-19
Also published as: JPH01203764A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は例えば増圧機やバルブ、スイベルジョイントの
ような装置において、高圧の流体をシールするのに好適
な装置に関するものである。

［従来の技術］従来、一般的によく使用されてきた流体シール用パッキ
ンには、大別してセルフシール形パッキンと圧縮型パッ
キンとがある。

本出願人は、適用圧力が数千kg・f/cm²以上の高圧流体
封止装置を既に提案（特公昭61−8311号）した。

第３図は前記従来の超高圧パッキンの側断面図である。
図において、１はピストンなどの内側部材、２はシリン
ダなどの外側部材、３は内側部材１と外側部材２の間に
形成された環状間隙の一部に設置されたパッキン箱であ
り、パッキン箱３内には高圧室４側から低圧側へ向って
順次、剛性のトップアダプタリング５、弾性リング（Ｏ
−リング）６、パッキンリング７、バックアップリング
８、剛性のボトムアダブタリング９を配し、これらをグ
ランドナット（図示せず）によって外側部材２に固定し
ている。

パッキンリング７には、前記トップアダブタリング５と
パッキン箱３内面との間で断面三角型状の環状空間10を
形成すべく外周面の所定長さにわたって先端へ向って縮
径するテーパ面71が形成されており、グランドナットの
固定により、図示の好適な例では前記テーパ面71は、弾
性リング６の圧縮力を内側部材１方向の力に変換して内
側部材１方向に縮小すべく作用し、初期シールを完了す
る。逆に弾性リング６は合成ゴム、天然ゴム等の復元力
を有する部材よりなる断面五角形状のリングで形成し、
グランドナットの固定により、図示の好適な例ではパッ
キンリング７との当接面は弾性リング６の圧縮力をパッ
キン箱３内面方向の力に変換して、パッキン箱３内面方
向に縮小すべく作用し、初期シールを完了する。またト
ップアダプタリング側の端面は軸心と直交する平らな端
面に形成されている。

更に、第３図において高圧室４の流体圧が上昇すると、
圧力により、環状空間10内の弾性リング６を左の方向へ
押圧する。そして、パッキンリング７は弾性リング６に
より内側部材１方向に更に強く押圧され、初期シールよ
り更に強固なシールを成すものとなる。

［発明が解決しようとする課題］ところがパッキンリング７は、その摩擦や応力による破
損等の要因を考慮して、その縮径端部72をある程度の厚
み（径方向）を持って形成されており、弾性リング６の
圧縮力をパッキンリング７の内側部材１へ向う圧縮力に
変換した時、内側部材１とパッキンリング７との間の面
圧が初期シールを安定に維持するまでに達しないという
問題があった。

そこで、初期シール時にグランドナットを強く締めて、
弾性リング６とパッキンリング７への圧縮力を大きくす
ることが行われていたが、圧縮のため寿命が短くなった
り、調整がうまくいかず初期シールに問題があった。

そこで本発明は、弾性リングがパッキング内側に有効的
に力を与え、安定した初期シールをし、しかもシール性
が高く、弾性リングおよびパッキンリングの寿命の長い
高圧流体封止装置を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］本発明に係る高圧流体封止装置では、相対移動する外側
部材と内側部材からなる二部材間に形成された環状間隙
を封止して高圧部と低圧部とを仕切るために前記環状間
隙内に設けられ、前記外側部材の内周と前記内側部材の外周との間の間隙
で前記高圧部と低圧部との間に前記相対移動方向に対面
する壁部を形成するために設けられた対向環部（５）
と、該対向環境部（５）の低圧部側に当接する弾性リン
グ（6a,b）と、該弾性リング（6a,b）を低圧部側から押圧するパッキン
リング（７）と、該パッキンング（７）を低圧部材から
押圧し、該パッキングリング（７）より高い降伏強度を
有したバックアップリング（８）とを備えた超高圧封止
装置において、前記パッキンリング（７）が、前記外側
部材の内壁面と前記対向環部（５）の低圧部側の端面と
の間で台形断面形状の環状空間を形成すべく前記対向環
部（５）の前記の端面へ向って縮径する外周テーパ面
（71）と該テーパ面（71）の縮径側先端に連なる縮径平
行筒状端部（73）を有し、前記弾性リング（6a,b）が、前記台形断面形状の環状空
間内にて、前記外側部材の内壁面と、パッキンリング
（７）の前記テーバ面（71）及び前記縮径平行筒状端部
（73）の外周面と、前記対向環部（５）の前記端面とに
よって圧縮されているものである。

［作用］本発明においては、パッキンリングが外側部材の内壁面
と前記対向環部の端面との間で台形断面形状の環状空間
を形成すべく対向環部側の端面へ向って縮径する外周テ
ーパ面と該テーパ面の縮径側先端に連なる縮径平行筒状
端部を有し、弾性リングが、前記台形断面形状の環状空
間内にて、前記外側部材内壁面と、前記パッキンリング
のテーパ面及び前記縮径平行筒状端部外周面と、前記対
向環部の端面とによって圧縮されているため、前記弾性
リングが前記パッキンリングと前記対向環部の端面間に
咬み込まれ難いと共に、前記対向環部の縮径平行筒状端
部が容易に内側へ押圧されて面圧が確保されるのでシー
ル性が高くなる。

［実施例］第１図は本発明の一実施例の構成を示す断面図である。
図において、従来例と同一の符号は同一部を示してお
り、その部分の説明は省略する。6aは台形断面形状の環
状空間10aに配置された断面略五角形状の弾性リング、7
aは外周テーパ面71の縮径側先端に内側部材の内周面と
平行な縮径筒状端部73を一体に有するパッキンリングで
ある。

パッキンリング7aは、前記トップアダプタリング（対向
環部）５とパッキン箱３内面との間で台形断面形状の環
状空間10aを形成すべく外周所定長さにわたって先端方
向にテーパ面71を有すると共に、その縮径側先端に連な
って縮径平行筒状端部73を一体に有しており、逆に弾性
リング6aは合成ゴム、天然ゴム等の復元力を有する部材
よりなる断面五角形状のリングで形成され、しかもパッ
キンリング7aの縮径平行筒状端部73の外周面に接する面
の寸法は、縮径平行筒状端部73の長さと同値か、より短
く構成されている。

弾性リング6aを嵌合したとき、該環状空間10aを形成す
るパッキン箱３の各内面及びパッキンリング7aのテーパ
面71と縮径平行筒状端部73の外周面にそれぞれ密着状に
面接触する３つの当接面がそれぞれ全周に互って確実に
かつ充分確保されることが重要であり、図示の好適な例
では、弾性リング6aのパッキンリング7aとの当接面は、
パッキンリング7aのテーパ面71と対応する形状の斜面部
及びパッキンリング7aの縮径平行筒状端部73の外周面と
対応する形状の円筒内面部で形成され、また高圧側端面
の外周縁部は鋭角断面に形成されている。

勿論弾性リング6aの形状は上記断面五角形状のものに限
定されず、第２図の6bに示されるような断面略円形状の
もの又は断面略三角形状に近いもの等種々変形可能であ
り、その時、パッキンリング7aの縮径平行筒状端部73の
外周面に接する面の寸法が、縮径平行筒状端部73の長さ
と同値か、より短く構成されていればよい。

このような構成において、初期シール時には、パッキン
箱３、トップアダブタリング５およびパッキンリング7a
によって形成された台形断面形状の環状空間10a内に嵌
装された弾性リング6aは圧縮された状態にある。その結
果、弾性リング6aの復元力は全周に作用し、各当接面は
パッキンリング7aにより全周で密着状態とされる。

パッキン箱３およびトップアダプタリング５は剛性の材
料で形成されているためそれ以上変形することがなく、
従って弾性リング6aの復元力はパッキンリング7aを変形
せしめるように作用する。

ところが、パッキンリング7aは外周をパッキン箱３内
面、一方の端部をバックアップリング８によって拘束さ
れており、しかも形状的にも弾性リング6aの復元力がパ
ッキンリング7aの特に縮径平行筒状端部73を内側部材１
に押圧するように変形させるものである。

かくしてパッキンリング7aは、テーパ面71および縮径平
行筒状端部73での押圧により、内側部材１との間に接面
圧力を生じ、またパッキンリング7aは弾性リング6aに密
着してシールすると共に、弾性リング6aはパッキン箱３
内面に密着することによて初期シールが達成される。

さらに、第１図において高圧室４の流体圧が上昇する
と、圧力により環状空間10a内の弾性リング6aを左の方
へ押圧する。パッキン7aはテーパ面を持つため、弾性リ
ング6aは以前よりもさらにパッキンリング7aのテーパ面
71および縮径平行筒状端部73で内側部材１に押し付け、
これらの間で接面圧力として作用することとなり、弾性
リング6aはパッキン箱３内面に更に強く押し付けられた
シールを成すこの結果、本発明のシールを用いることで、所期シール
の問題をなくすと共に、シール寿命時間を２〜５倍に成
し得た。

［発明の効果］本発明は以上説明したとおり、パッキンリングのテーパ
面でのシールに加えて縮径平行筒状端部でのシールが存
在するため、シール性が高く、初期シールでの弾性リン
グとトップアダプタリングに加える圧縮力が小さくなる
ため弾性リングおよびパッキンリングの寿命が長いとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構成を示す断面図、第２図
は別の実施例の構成を示す断面図、第３図は従来のパッ
キン部の構成を示す断面図、第４図は高圧側に圧力が加
わった時の封止部の断面図である。図において、５はトップアダプタリング、6a・6bは弾性
リング、7aはパッキンリング、71はテーパ面、73は縮径
平行筒状端部、10aは環状空間である。なお、図において同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】相対移動する外側部材と内側部材とからな
る二部材間に形成された環状間隙を封止して高圧部と低
圧部とを仕切るために前記環状間隙内に設けられ、前記外側部材の内周と前記内側部材の外周との間の間隙
で前記高圧部と低圧部との間に前記相対移動方向に対面
する壁部を形成するに設けられた対向環部（５）と、該対向環部（５）の低圧部側に当接する弾性リング（6
a,b）と、該弾性リング（6a,b）を低圧部側から押圧するパッキン
リング（７）と、該パッキンリング（７）を低圧部側から押圧し、該パッ
キングリング（７）より高い降伏強度を有したバックア
ップリング（８）とを備えた超高圧封止装置において、前記パッキンリング（７）が、前記外側部材の内壁面と
前記対向環部（５）の低圧部側の端面との間で台形断面
形状の環状空間を形成すべく前記対向環部（５）の前記
の端面へ向って縮径する外周テーパ面（71）と該テーパ
面（71）の縮径側先端に連なる縮径平行筒状端部（73）
を有し、前記弾性リング（6a,b）が、前記台形断面形状の環状空
間内にて、前記外側部材の内壁面と、パッキンリング
（７）の前記テーバ面（71）及び前記縮径平行筒状端部
（73）の外周面と、前記対向環部（５）の前記端面とに
よって圧縮されていることを特徴とする高圧流体封止装
置。