JPH0735773A - 電気計測装置のプローブ - Google Patents

電気計測装置のプローブ

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JPH0735773A
JPH0735773A JP5179320A JP17932093A JPH0735773A JP H0735773 A JPH0735773 A JP H0735773A JP 5179320 A JP5179320 A JP 5179320A JP 17932093 A JP17932093 A JP 17932093A JP H0735773 A JPH0735773 A JP H0735773A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光サンプリング計測に適するプローブを提供
する。 【構成】 探針または探針と電気計測装置との間の介挿
物に光学活性物質を用いる。この光学活性物質に光導波
路を介して光が照射されている間だけ探針が電流を導通
させ、それ以外のときは非導通となる。電気通路、光導
波路が一体に構成される。 【効果】 プローブの信頼性が向上し、しかも安価に製
造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体の研究および製造
に利用する。特に、高速集積電子回路の動作状態計測技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクスの分野において
扱われる信号の周波数は250GHzにおよび、これら
の高速電気波形を観測する手段が技術の進歩に追いつか
ないというのが現在の高速電気計測技術の現状である。
さらに、素子の微細化が進み時間分解能のみならず、電
気計測装置の空間分解能も現在の技術の進歩に追いつか
ないのが現状である。
【0003】微小素子の高速動作状態など高速現象を観
測するには、従来からその代表的なものとしてサンプリ
ング・オシロスコープがある。また、近年では光学結晶
の電気光学効果を利用したEOサンプリング法が研究さ
れている(EOサンプリング神谷武志 高橋亮 半導体
レーザを光源とする電気光学サンプリング 応用物理第
61巻第1号p30,1992)。レーザの分野では、
サブピコ秒領域の光パルスが比較的容易に得られるよう
になってきたことから、このレーザパルスを電気信号の
サンプリングに用いようとするのが光サンプリング法で
ある。この方法により、従来の電子計測よりも高速で、
しかも信号を外に引き出すことなく、測定したい点の電
位を被測定回路に非接触で直接測定することが可能であ
る。この方法は、サンプリング・オシロスコープにおけ
るサンプリング用の電気パルスを光パルスに置き換えた
ものといえる。
【0004】さらに、高空間分解能で、測定したい点の
電位を直接測定する他の方法としては電子ビームテスタ
があり(G.Plows "Electron-Beam Probing"Semiconduct
or and Semimetals Vol.28 (Measurement of High-Spee
d Signals in Solid State Devices)Chap.6,p.336,Edit
ed by R.K.Willardson and Albert C.Beer,AcademicPre
ss.1990) 、ICの動作診断、解析技術においても、電
子ビームテスタがIC内部の電気信号を観測する有力な
手段である。
【0005】高精度空間分解能で被測定物の表面形状を
観察する装置としては、走査型トンネル顕微鏡あるいは
走査型原子間力顕微鏡などが最近急速に発展普及してい
る。これらの装置は原子レベルの超高空間分解能で3次
元的な画像を得ることができるため、半導体集積回路等
の表面形状の観察には非常に適している。これらを応用
して被測定物の電位を測定する方法としてBloom等
によって最近提案された走査型原子間力顕微鏡(AF
M)を用いた方法がある(A.F.Hou,F.Ho and D.M.Bloom
"Picosecond Electrical Sanpling using a Scanning F
orce Microscope"Electronics Letters Vol.28 No.25,
p.2302.1992)。この方法では、通常のAFMの被測定物
として高速電子回路を用いる。この場合に被測定点の電
位に応じてAFMのカンチレバーと被測定物の間に斥力
あるいは引力が生じ、その力がカンチレバーの位置の微
小な変位を引き起こす。この微小な変位を検出すること
によって被測定点の電位の時間変化を測定しようとする
のがBloom等の方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、サンプリング
・オシロスコープの時間分解能は、サンプリングのため
の電気パルスの幅や測定系の持つ電気抵抗および静電容
量で決まる時定数によって計測可能なスピードに限界が
ある。また、被測定信号をケーブルまたは導波路によっ
て測定点から外に取り出すため、被測定信号を乱してし
まいその信頼性にも問題がある。
【0007】EOサンプリング法は信号の絶対値を測定
することが困難であり、さらにプローブの位置を高い空
間分解でモニタし、制御する方法などに関して実用上問
題がある。
【0008】電子ビームテスタは時間分解能が低く、高
速なトランジスタを用いたICの評価には適用すること
ができず、また測定環境として高真空が要求される不便
さがある。
【0009】走査型トンネル顕微鏡あるいは走査型原子
間力顕微鏡は時間分解能については機械系であるカンチ
レバーの応答速度によって限界が決定されるため、高速
電気波形の測定に用いるのは難しい。
【0010】したがって高速電子回路、特に高密度に集
積された電子回路の電気波形の正確な評価のためには新
しい計測手段が求められている。
【0011】本発明は、このような背景に行われたもの
であり、高速電気波形を高速時間分解能、高精度空間分
解能で集積回路の内部等をも含む任意の測定点で計測す
る要求に応えるもので、より高速のより微細な被測定物
にも適用でき、より信頼性の高い高速な電気計測装置の
プローブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、被測定電子デ
バイスに近接させる探針を備え、前記探針が近接する点
の電位を電気計測装置に伝達する針状プローブである。
【0013】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記探針から前記電気計測装置に至る電気通路に光学活性
物質が介挿され、その光学活性物質に光を導入する光導
波路が設けられたところにある。前記探針が光学活性物
質により形成される構成とすることもできる。
【0014】光学活性物質としては、測定環境で非導通
性であり、光を照射することにより導通性を呈する物質
を選ぶ。通常の測定環境ですでに導通状態となる場合は
暗室で測定を行う。
【0015】前記探針を機械的に保持するアームと、そ
のアームに沿って設けられた光導波路と、その光導波路
の先端から放出される光を前記探針に導く反射鏡とを備
える構成とすることもできる。前記光導波路は光ファイ
バであり、その光ファイバには金属コーティングが施さ
れ、その金属コーティングが前記電気通路の一部をなす
構成とすることもできる。
【0016】前記探針は導電性物質により形成され、そ
の探針を機械的に保持するアームに取付ける取付構造に
光学活性物質を含む構成とすることもできる。前記アー
ムに沿って光導波路が設けられることが望ましい。
【0017】
【作用】被測定物の有する電界の時間的変化を超高速で
超高空間分解能で計測するために、被測定物とその近傍
に配置した尖塔形状を有し、電流を計測する手段と光学
活性物質を介して接続される端子のこの光学活性物質
に、短パルス状の光を照射することにより、被測定物と
尖塔形状を有する端子との間の電圧に依存して光が照射
されている間だけ生じ流れる電流を測定する。これによ
り、被測定物の電位をサンプリング計測することができ
る。この端子は、それ自体を光学活性物質としてもよ
い。
【0018】すなわち、きわめて被測定物に近接させた
尖塔形状を有する端子は、そのままでは電気的に非導通
であり測定系の持つ電気抵抗および静電容量などの被測
定物に対する電気的影響も皆無である。ここで、この端
子が接続された光学活性物質に光パルスを照射すると、
端子は導体となり被測定物との間に電流が流れて被測定
物の電位が測定できる。
【0019】尖塔形状を有する端子と被測定物との間
は、原子程度の距離だけ離しても接触させてもどちらで
もかまわない。離れている場合には、トンネル効果また
は電界放出によって電流が流れる。接触している場合に
はその界面にバリアが形成されていればトンネル効果に
よって電流が流れ、電気抵抗分の存在する接触が実現さ
れていれば、通常の電流が流れる。接触している場合に
も端子の電流経路の抵抗が充分大きく、光学活性領域の
非導通時の電気容量が充分小さければ被測定物への影響
は充分小さくすることができる。この場合は、検出され
る電流の大きさは、この抵抗値で規定され被測定物の電
位に比例する。
【0020】このように構成された高速電気計測装置の
プローブは、従来不可能であった高速電気波形の計測を
可能とし、高精度空間分解能での端子位置のモニタ、制
御、測定点の特定等を可能とし、安価で信頼性の高い計
測を実現することができる。
【0021】
【実施例】本発明第一実施例の構成を図1を参照して説
明する。図1は本発明第一実施例を示す斜視図である。
【0022】本発明は、被測定電子デバイスに近接させ
る金属製の探針1を備え、探針1が近接する点の電位を
電気計測装置10に伝達する針状プローブである。
【0023】ここで、本発明の特徴とするところは、探
針1から電気計測装置10に至る電気通路2に光学活性
物質3が介挿され、その光学活性物質3に光を導入する
光導波路4が設けられたところにある。
【0024】次に、本発明第一実施例の動作を説明す
る。光学活性物質3は、IV族半導体、III −V族系半導
体、II−VI族系半導体により形成され、光が照射されて
いる間は電流が導通となり、それ以外のときは非導通と
なる。図1に示すように、光が照射されないときはハッ
チングで示した光学活性物質3が非導通であるため、探
針1は電気通路2とは絶縁されている。光が照射された
ときは、光学活性物質3が導通となり電気計測装置10
によるサンプリング計測が行える。本発明第一実施例に
おいて電気通路2は金属を用いたが、半導体や絶縁性の
物質の表面に金属膜を設けたものでもよい。
【0025】次に、図2を参照して本発明第二実施例を
説明する。図2は本発明第二実施例を示す斜視図であ
る。本発明第二実施例では、金属に代えて光学活性物質
を用いて形成された探針1′を用いる。光導波路4の終
端部に反射面5を設けて探針1′に光パルスを照射する
構成である。本発明第二実施例は、本発明第一実施例に
比較して構成部品数を削減することができる。
【0026】次に、図3および図4を参照して本発明第
三および第四実施例を説明する。図3は本発明第三実施
例の構成図である。図4は本発明第四実施例の構成図で
ある。図3に示すように本発明第三実施例は、光ファイ
バ6のコアを光導波路4としてその先端に光学活性物質
で形成される探針1′を設け、光ファイバ6の周囲を金
属でコーティングし、これを電気通路2としたものであ
る。本発明第一および第二実施例よりもさらに部品点数
を削減することができる。
【0027】図4に示すように本発明第四実施例は、金
属製の探針1と光導波路4との間に光学活性物質3を介
挿した構成である。全体的な構成は本発明第三実施例と
同様であるが、探針1が金属製の方が適当である被測定
物に用いる。
【0028】次に、図5を参照して本発明第五実施例を
説明する。図5は本発明第五実施例を示す斜視図であ
る。金属製の探針1に光学活性物質3が途中に介挿され
た電気通路2が接続される。さらに、図5に示すよう
に、光導波路4が電気通路2と並行して設けられてい
る。本発明第五実施例では、光学活性物質3の形状は立
方体などの加工が簡単な形でよく、また、設置位置もさ
まざまに設定できるのでプローブ設計上の自由度が高い
利点がある。
【0029】次に、図6を参照して本発明第六実施例を
説明する。図6は本発明第六実施例の構成図である。光
学活性物質の探針1′が周囲に金属コーティングされた
光ファイバ6に接続されている。これは、すでに説明し
た本発明第三実施例と同様である。光導波路4としての
光ファイバ6は、接合面14で着脱自在となっている。
また、光ファイバ6の周囲に金属コーティングされた電
気通路2は導電性ファイバホルダ20に接触しており、
この導電性ファイバホルダ20は電気計測装置10に接
続されている。この導電性ファイバホルダ20は、四フ
ッ化エチレン樹脂製の絶縁体12により支持されてい
る。この絶縁体12はチューブ形ピエゾ11に連結され
ている。これにより、探針1′および金属コーティング
された光ファイバ6が一体成形されて交換部品となり、
消耗時にここだけを交換したり、また、さまざまな形状
の探針1′を用意して被測定物に応じて交換することが
できる。
【0030】次に、図7を参照してプローブへの光パル
ス導入例を説明する。図7はプローブへの光パルス導入
を示す図である。図7に示すようにプローブ固定用ガイ
ド8によりプローブ9は支持されている。光ファイバ6
から光導波路4へのカップリング効率は比較的小さくて
も支障はないが、光ファイバ6の先端を研磨して尖らせ
効率を高めることにより性能の向上が得られる。また、
レンズを用いても同様である。
【0031】〔参考実験例〕発明者は、上記作用を説明
するために次の実験を行った。図8および図9は実験配
置を示す図である。図10は測定原理を示す図である。
図11〜図16は実験結果を示す図である。図11〜図
16は横軸に時間をとり、縦軸に電圧をとる。実験は図
8および図9に示すように2種類の実験配置により大気
中で行った。この実験では、光学活性物質で被測定物2
1を形成し、探針1に白金イリジウム(以下、PtIr
という)を用いており、探針1の先端近傍に光を照射す
ることにより光学活性物質を活性化して電位を測定して
いる。
【0032】被測定物21は半絶縁型の砒化ガリウム
(以下、GaAsという)およびインジウムリン(以
下、InPという)ウェハである。ウェハ表面に金(A
u)をスパッタ蒸着して電極とし、銀ペーストでリード
線を接着した。また、被測定物21の表面の酸化および
または汚染を防ぐため、測定直前に劈開し、その劈開面
を被測定物21として使用した。光源としては波長65
0nmのアルミニウム砒素ガリウム(以下、AlGaA
sという)−LEDからのパルス光を用いた。LED2
3は50Ωになるようにインピーダンスマッチングをと
っており、入力電圧に対する応答速度は45nsであっ
た。
【0033】まず、図8に示す実験例から説明する。半
導体ウェハ(GaAsまたはInP)の被測定物21と
探針1とは大気中で微小距離だけ隔てて設置されてい
る。一方、LED23はパルス発生器24によって駆動
され、被測定物21上の探針1の先端近傍に光を照射す
るよう構成されている。被測定物21には直流バイアス
電圧が電源部25により印加されるようになっている。
【0034】一方、探針1は、ピエゾ駆動素子26によ
って駆動され、探針1および被測定物21の間に流れる
トンネル電流をプリアンプ27およびオペアンプ28、
29から成るフィードバック回路が検出して微小位置制
御するようになっている。これは走査型トンネル顕微鏡
と同様な制御系を構成している。
【0035】このときフィードバック回路全体の時定数
はパルス発生器24からのパルス信号の時定数よりも大
きく設計されている。ただし、プリアンプ27はその出
力に接続されたオシロスコープ30により、上記パルス
信号が充分観測できる程度の高速なものである。
【0036】次に、図9に示す実験例を説明する。図9
に示す実験例は、図8において被測定物21に直流電圧
を印加する代わりに交番電場を印加することにより実験
したときの実験配置を示している。
【0037】図9において被測定物21と探針1とは図
8と同様に大気中で微小距離だけ隔てて設定されてい
る。LED23はパルス発生器24によって駆動され、
被測定物21上の探針1の先端近傍に光照射されるよう
に構成されている。
【0038】被測定物21は、オシレータ35により駆
動され、このときのパルス発生器24およびオシレータ
35の繰り返し周波数およびこれらの差周波数Δfは周
波数カウンタ31で観測できる。
【0039】探針1は、ピエゾ駆動素子26によって駆
動され、探針1および被測定物21の間に流れるトンネ
ル電流をプリアンプ27およびオペアンプ28、29か
ら成るフィードバック回路が検出して微小位置制御する
ようになっている。この時の制御系の時定数は図8に示
す実験例と同じとする。
【0040】また、プリアンプ27の出力信号は低域濾
波器32を介してディジタルオシロスコープ33によっ
て観測できるようになっている。また、オシレータ35
は直流電圧がオフセットとして印加できるようになって
いる。
【0041】この実験配置において、被測定物21と接
触させるかまたは原子程度の微小距離(5〜10Å)隔
てて設けた探針1とから成る計測装置の被測定物21と
探針1が対向する部分の近傍に短パルス状の光を照射す
ることにより、被測定物21と探針1との間に生じて流
れる電流を計測して被測定物21の電位をサンプリング
計測することによって被測定物21の動作状態または被
測定物21の電界分布等を計測できるものである。
【0042】図10を参照して測定原理を説明する。図
10(a)に示すように試料DUTの電位VDと尖塔形
状を有する端子tipの電位VtがVD=Vtのとき、
尖塔形状を有する端子tipのバンドギャップの中心と
試料DUTのフェルミ準位が一致していたとする。この
ようなとき、通常はキャリアが少ないのでトンネル電流
は流れない。また、電界放出も起こらない。この状態で
尖塔形状を有する端子tipに光を照射すると、光が当
たっている間だけキャリアが生成されトンネル電流が流
れる。また、トンネルバリアの形状等によっては電界放
出による電流も流れる。この電流の大きさは、図10
(b)および(c)に示すように被測定物DUTと尖塔
形状を有する端子tipとの間電位差すなわちVD−V
tに依存する。したがってVtを適当に設定し、そのと
きの電流を観測することにより試料DUTの電位を知る
ことができる。
【0043】この現象を利用して、照射する光の短パル
スレーザ光とその繰り返し周波数を被測定物1の電気信
号の周波数からわずかにずれた周波数に設定し、このと
き流れる電流を測定することにより、サンプリング動作
をさせることができる。この場合の被測定物21の電気
信号は、上記光パルスの繰り返し周波数と電気信号との
周波数の差の周波数の信号すなわちビート成分としてデ
ィジタルオシロスコープ33のような通常の測定装置で
容易に測定することができる。
【0044】この端子tipの位置を保持するために
は、走査型トンネル顕微鏡(STM)の場合と同様な手
段によって平均電流が一定になるようにフィードバック
をかけることが有効であるが、このフィードバック制御
系の周波数帯域を充分狭くし、被測定物1の電気信号の
周波数および光パルスの繰り返し周波数およびそれらの
ビート周波数がこのフィードバック制御系の周波数帯域
よりも充分高くなるように設定することによって尖塔形
状を有する端子tipの位置を保持しながら被測定物1
の電気信号を測定することができる。
【0045】走査型原子間力顕微鏡(AFM)におい
て、一般に用いられている手法と同様に、被測定物21
とこの端子tipとの間に作用する原子間力を上記端子
の位置のずれとして検出し、それが一定となるようにフ
ィードバックをかけることも有効である。
【0046】また、上記尖塔形状を有する端子tipと
して、被測定物21およびまたは端子tipにそれぞれ
バイアス電圧を印加し、それぞれのバイアス電流を調整
することにより、被測定物21の電位を高精度に計測す
るように構成することも可能である。このとき、上記半
導体で構成した尖塔形状を有する端子tipとしてシリ
コン等IV族半導体、砒素ガリウム等III −V族系半導
体、セレン化亜鉛等II−VI族系半導体等を用いることが
できる。
【0047】図8に戻り、この実験配置により光パルス
に対する系の応答の確認を行った。この実験方法および
結果を説明する。図8において、被測定物21に電源部
25により直流バイアスをかけた状態で、パルス発生器
24によりLED23から矩形のパルス光を出力し、被
測定物21の劈開面に照射してプリアンプ27の出力を
オシロスコープ30を用いて測定し、被測定物21およ
び探針1の間に生ずるトンネル電流のパルス光に対する
応答を観測した。探針1の電位は0Vである。この時平
均トンネル電流は1nAになるように上記フィードバッ
ク回路により制御している。
【0048】このプリアンプ27は1nAのトンネル電
流を10mVの電圧に変換するが周波数帯域は400K
Hz程度である。これに対して走査型トンネル顕微鏡制
御系の周波数帯域は積分回路の時定数で決定され、本実
験例では300Hzに設定した。したがって、これらの
間の周波数領域約1KHz〜400KHzの範囲にある
信号は、フィードバック制御系の動作を乱すことなく印
加され、また検出することができる。
【0049】次に、各種の実験結果を示す。被測定物2
1として半絶縁型InPを用いたときの結果(周波数1
0KHz)を図11に示す。また、半絶縁型GaAsを
用いたときの結果(周波数1KHz)を図12に示す。
図11および図12で、矩形波41および43はLED
23の駆動電圧であり、なまっている波形42および4
4はトンネル電流である。トンネル電流の波形42およ
び44が完全な矩形波でなく、なまっているのは、プリ
アンプ27の有する通過帯域幅が狭いためで、その時定
数が約10μsであることによるもので、この値はこれ
らの波形から得られる時定数とよく対応している。
【0050】トンネル電流の符号は反転しているので、
下向きの部分が電流の流れている時に対応している。電
流の原点は、プリアンプ7に余分なオフセットがあるた
め下にずれてみえるが、平均トンネル電流1nAを中心
に0nAと2nAとの間で変化しており、もっともらし
い振る舞いである。
【0051】ここに示した結果は、電源部25によるバ
イアス電圧が直流で+2Vの場合である。バイアス電圧
は−5Vから+5Vの間で変化させたが、いずれの場合
も光が当たっている間だけ電流が流れるという同様の結
果を得た。さらにこのようなトンネル電流の光に対する
応答は、バイアス電圧が被測定物21のバンドギャップ
よりも充分小さく、ほとんど0Vの場合でも同様に観測
された。
【0052】次に、図9の実験配置において、光パルス
と交流バイアスのビートの検出について実験方法および
結果を記述する。図9において、パルス発生器24によ
り駆動されたLED23からの光パルスの繰り返し周波
数を400KHzとし、オシレータ35によるバイアス
電圧の交流成分の周波数を400KHz+Δfとして、
トンネル電流にビート周波数Δfの成分が見られるか否
かを試した。図13にLED3の駆動パルス(400K
Hz)の波形45を示した。また、図14にバイアス電
圧の交流成分(400KHz)の波形46を示す。これ
にオフセットとして+2Vの直流成分を重ね合わせて結
局+1Vから+3Vの間で変化する正弦波として被測定
物21に印加した。この時平均トンネル電流は1nAに
なるようにフィードバック制御を行っている。
【0053】この状態でトンネル電流に対応するプリア
ンプ27からの出力をディジタルオシロスコープ33を
用いてシングルショットで測定した。ビート成分Δfだ
けを検出するために基本周波数である400KHz付近
の成分は低域濾波器32で除去した。光パルスと交流バ
イアス電圧の周波数は周波数カウンタ31で測定した。
【0054】次に、図15に被測定物1として半絶縁型
InPを用いた場合の結果を示す。図16に半絶縁型G
aAsを用いた場合の結果を示す。図15は上述のΔf
として9.54KHz、13.96KHz、17.27
KHz、20.05KHzの場合の出力波形47〜50
をそれぞれ図15(a)〜(d)に示す。また、図16
に20KHzの場合の出力波形51を示す。いずれの場
合もビートに対応する凹凸がはっきりと確認できる。凹
凸の数はそれぞれのΔfに対応しており、Δfの増大と
ともに凹凸の数が増大するのが分かる。また、振幅も1
nA程度の大きさであり、設定した平均トンネル電流1
nAとよく対応している。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば高
速電気波形を高速時間分解能、高精度空間分解能で集積
回路の内部等をも含む任意の測定点で計測する要求に応
え、より高速のより微細な被測定物にも適用でき、より
信頼性の高い高速な電気計測装置のプローブが安価に実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例を示す斜視図。
【図2】本発明第二実施例を示す斜視図。
【図3】本発明第三実施例の構成図。
【図4】本発明第四実施例の構成図。
【図5】本発明第五実施例を示す斜視図。
【図6】本発明第六実施例の構成図。
【図7】プローブへの光パルス導入を示す図。
【図8】実験配置を示す図。
【図9】実験配置を示す図。
【図10】測定原理を示す図。
【図11】実験結果を示す図。
【図12】実験結果を示す図。
【図13】実験結果を示す図。
【図14】実験結果を示す図。
【図15】実験結果を示す図。
【図16】実験結果を示す図。
【符号の説明】
1、1′ 探針 2 電気通路 3 光学活性物質 4 光導波路 5 反射面 6 光ファイバ 7 支持材 8 プローブ固定用ガイド 9 プローブ 10 電気計測装置 11 チューブ形ピエゾ 12 絶縁体 20 導電性ファイバホルダ 21 被測定物 22 同期回路 23 LED 24 パルス発生器 25 電源部 26 ピエゾ駆動素子 27 プリアンプ 28、29 オペアンプ 30 オシロスコープ 31 周波数カウンタ 32 低域濾波器 33 ディジタルオシロスコープ 35 オシレータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定電子デバイスに近接させる探針を
    備え、前記探針が近接する点の電位を電気計測装置に伝
    達する針状プローブにおいて、 前記探針から前記電気計測装置に至る電気通路に光学活
    性物質が介挿され、その光学活性物質に光を導入する光
    導波路が設けられたことを特徴とする電気計測装置のプ
    ローブ。
  2. 【請求項2】 前記探針が光学活性物質により形成され
    た請求項1記載の電気計測装置のプローブ。
  3. 【請求項3】 前記探針を機械的に保持するアームと、
    そのアームに沿って設けられた光導波路と、その光導波
    路の先端から放出される光を前記探針に導く反射鏡とを
    備えた請求項2記載の電気計測装置のプローブ。
  4. 【請求項4】 前記光導波路は光ファイバであり、その
    光ファイバには金属コーティングが施され、その金属コ
    ーティングが前記電気通路の一部をなす請求項2記載の
    電気計測装置のプローブ。
  5. 【請求項5】 前記探針は導電性物質により形成され、
    その探針を機械的に保持するアームに取付ける取付構造
    に光学活性物質を含む請求項1記載の電気計測装置のプ
    ローブ。
  6. 【請求項6】 前記アームに沿って光導波路が設けられ
    た請求項5記載の電気計測装置のプローブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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