JPH0735270B2 - ガラスのイオン交換処理方法 - Google Patents

ガラスのイオン交換処理方法

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JPH0735270B2
JPH0735270B2 JP62070031A JP7003187A JPH0735270B2 JP H0735270 B2 JPH0735270 B2 JP H0735270B2 JP 62070031 A JP62070031 A JP 62070031A JP 7003187 A JP7003187 A JP 7003187A JP H0735270 B2 JPH0735270 B2 JP H0735270B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C21/00Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface
    • C03C21/001Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般にイオン濃度分布を有するガラス体を製
造する技術に関し、特に大口径の屈折率分布型レンズを
製造する場合に有用なイオン交換処理方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に、外部からガラス体内部に特定のイオンを拡散侵
入させてこのイオン分布によってガラス体の性質改変を
行なう技術は、屈折率分布型レンズ、光導波路、化学強
化ガラス等の製造に用いられている。
上記のようにガラス体内部にイオンを拡散侵入させる方
法としては、一価陽イオンを含む溶融塩等の媒質をガラ
ス表面に接触させて、ガラス中の一価陽イオンと上記媒
質中の陽イオンとを交換させるイオン交換処理法が最も
簡単である。
例えば、Tl,Cs,Li等のイオン交換可能な陽イオンを含む
比較的高屈折率のガラスで円柱状のレンズ母材を製作
し、このレンズ母材ガラスをNa,Kなどガラスの屈折率減
少に寄与するイオンを含む溶融塩に浸漬し、溶融塩中の
上記イオンとガラス中のイオンとを交換させることによ
って、断面内で屈折率が中心から外周に向けて漸減する
分布をもった屈折率分布型レンズを製造することができ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述のようなイオン交換処理においては、ガラス中での
一価陽イオンの拡散が律速となっており、通常これらの
イオンの拡散速度は非常に遅く、例えば1mm程度のイオ
ン交換層を得るのに10日前後と長時間の処理が必要であ
り、この方法の最大の欠点となっている。
一方、イオンの拡散速度は温度とともに指数関数的に上
昇するので、イオン交換処理温度を高めてやれば短時間
でガラス体表面から深い位置までイオン交換することが
可能となる。
しかしながら、処理温度が高くなるとガラスの粘性が低
下し変形を招くことになるため、従来方法では1010〜10
11ポアズよりも低粘性になる温度以上ではイオン交換処
理を行なうことができなかった。
このため、イオン交換法により製造されている屈折率分
布型レンズは最大でも3mm程度の小径のものであり、従
来方法では大口径の屈折率分布型レンズを安価に量産す
ることが極めて困難であるという問題があった。
〔問題点を解決するための手段〕
イオン交換処理すべきガラス体の要部表面を、粘土分を
3重量%以上含む無機質流動体を乾燥・焼成して形成し
た多孔質層で被覆し、上記多孔層を介してイオン交換を
行なわせるようにした。
上記の流動体としては、粘土に必要に応じてシルト、細
砂、無機質微粉体及び無機質繊維材のうち一種又は二種
以上を混合し、これに適量の水を加えて混練したスラリ
ーないしはペーストを好適に使用することができる。
ここで「粘土」とは、粒子の大きさが約2μm以下で、
適量の水とともに混合したとき可塑性を示し、加熱した
とき又は水で湿したものを乾かすとき固まる性質を呈す
るものをいう。
また「シルト」及び「細砂」は、粒子の大きさがそれぞ
れ2〜20μmと20〜200μmの鉱物粒子をいい、「無機
質微粉体」は人工的に加工、または合成されたSiO,Al
,Al(OH),TiOやタルク(滑石)などの無機
化合物の微粉体をいう。
本発明方法で、多孔質層により被処理ガラス体表面を被
覆する方法としては、スラリー又はペースト状態にある
被覆材を被処理ガラス材表面にスプレー吹き付け、コテ
塗り、液中浸漬等で塗布した後、乾燥・焼成する方法、
あるいは被処理ガラス体を強度の大な多孔質材(例えば
高アルミナ質の電解隔膜)で成形した容器中に収容し、
両者間の空隙部に被覆材スラリーを充填した後乾燥・焼
成する方法が好適である。
また、被覆材スラリーを石膏型などに流し込み、乾燥・
焼成して予め容器をつくり、この容器に設けた被処理ガ
ラス体とほぼ同形寸法の空間部に上記ガラス体を入れる
ようにしてもよい。
本発明方法で多孔質被覆層を形成する際の焼成温度は重
要な要素の1つである。
すなわち、上記焼成温度があまり低いと粘土中に含まれ
る結合水の除去が不完全となって、その後のイオン交換
処理時に該結合水が水蒸気となってガラス体表面に圧力
を加え、その結果、ガラス体表面に凹凸や泡などの欠点
が発生する虞れがある。また焼成温度があまり高いと、
ガラス体と多孔質層とが融着し、充分な徐冷を行なって
もガラス体の表面が剥離したり、あるいはガラス体に多
数の割れが発生する虞れがある。
以上の理由から、上記焼成温度は500〜1000℃の範囲が
望ましく、さらに550〜900℃の範囲がより好ましい。
本発明は方法で焼成により多孔質層を形成する被覆材と
して粘土は必須成分であり、重量%で3%以上、好まし
くは5%以上含有させることにより、スラリーまたはペ
ーストを乾燥させたとき適正な強度を保ち、焼成時には
多孔質体を形成する粒子同士を適度に結合させる。粘土
を含むスラリーあるいはペーストを前述した望ましい焼
成温度範囲で焼成して得られる多孔質層は、充分な保形
強度を有しており、且つガラス体との間に実質的に融着
を生じない。
これは、ガラス体表面がこれに接する多孔質層構成粒子
と融着しても、粒子同士の結合強度がそれほど高くない
ため、ガラス体が冷却される過程、おそらく屈伏点を転
移点に相当する温度範囲で、ガラス体に付着した多孔質
層表面粒子が多孔質層から離脱し、さらにガラス体が冷
却されると膨張係数の差によって上記の付着粒子がガラ
ス体表面から離脱するためと考えられる。上記の現象
は、高温の媒質中でのイオン交換処理時にもガラスと多
孔質層との間に生じていると推測される。作業性を考慮
すると多孔質層の保形強度は大きい方が望ましく、多孔
質層を構成する粒子同士の結合強度を増すことなく且つ
全体の保形強度を高めるには、被覆材のスラリーまたは
ペースト中に無機質の繊維材を混入するのが有効であ
る。
あるいはガラス体表面にスラリーまたはペーストを塗布
した後、その表面に上記繊維材をさらに塗布するように
してもよい。
また、スラリーまたはペーストの粘性を調整するため、
または風乾後の多孔質層の強度を増すために、小麦粉や
カルボキシメチルセルローズ等の有機物、またはアルミ
ナゾルや水ガラスなどの無機物を混合することが可能で
ある。
さらに、ガラス体にスラリー又はペーストを塗布した後
の乾燥、焼成時に、多孔質層中に含まれる水分の除去を
促進するため、減圧あるいは除湿した空気をキャリヤー
ガスとして流す方法も好適である。
〔作 用〕
本発明によれば、多孔質被覆層によって被処理ガラス体
を被覆保持した状態でイオン交換を行なうため、従来方
法ではガラス体に変形を生じてしまうような高温でイオ
ン交換処理を行なってもガラス体に変形を生じることが
なく、しかもガラス体と多孔質層との間に融着を生じ難
い。このため従来に比べてイオン交換処理温度を大幅に
高めることができ、したがってイオン交換処理時間を大
きく短縮でき、従来得られなかった大口径の屈折率分布
型レンズも容易に製造することが可能になる。
通常、溶融性の優れた屈折率分布型レンズ用のガラスの
屈伏点はおよそ520〜540℃程度のものが多く、従来のイ
オン交換法では屈伏点がイオン交換処理温度の上限とさ
れており、事実この温度以上ではガラスに変形を生じ、
実用的なレンズを作ることができない。これに対して本
発明方法によれば、900〜1000℃といった従来法よりも4
00℃も高い温度でのイオン交換も可能となり、これは通
常の一価陽イオンの拡散速度の温度依存性より推定する
と拡散速度はおよそ1000倍も大きくなることを意味す
る。これをイオン交換処理時間に置き換えるとおよそ1/
1000に短縮できることになる。
なおガラス体を保持する多孔質層は、例えば、SiCl
火炎加水分解してSiO微粒子として堆積させたものを
充分な保形強度を示すまで加熱焼結した後孔明けする方
法でも形成することができるが、かかる方法でつくった
多孔質層では粒子の結合強度が非常に大きいため、かな
り高温になると前述したようにガラス体と多孔質層との
間で融着を生じてしまい、イオン交換処理が不可能にな
る。
これに対して本発明方法は上記方法に比べてもさらに30
0℃程度高い温度でイオン交換処理を行なうことが可能
になり、拡散速度は約100倍も大きくでき、イオン交換
処理時間を約1/100に短縮できる。
〔実 施 例〕
以下本発明を図面に示した実施例につき詳細に説明す
る。
第1図において1は被処理ガラス体、例えばガラスロッ
ドであり、まずこのガラス体1の上端面を残して側周お
よび下端面にスラリーないしはペースト状の被覆材2を
一定厚みで塗布する。
この被覆材2は、粘土または粘土にシルト、細砂あるい
は無機質微粉体を加えたもの、これらを適当な割合で混
合したものに適量の水を加えて混練したもの、上記スラ
リーまたはペーストに無機質繊維体を混合したもの、あ
るいは無機質繊維体に上記スラリーを含浸させるか、ペ
ーストを塗布したもの等が使用できる。
次に、ガラスロッド表面に塗布した上記の被覆材2を50
0〜1000℃の温度で焼成して、多孔質被覆層3とする。
次に、一端を残して多孔質層3で表面が被覆された上記
ガラスロッド1を、イオン交換媒質、例えば高温に保持
された溶融塩4中に浸漬してイオン交換処理を行なう。
この処理の過程で、溶融塩4中に含まれる一価の陽イオ
ン5、例えば塩4が硫酸カリウムであればKイオンが、
多孔質層3の連通気孔を通ってガラスロッド1の表面に
接触し、ガラス中に含有される1価陽イオン6との交換
によってガラスロッド1の周表面から内部に拡散侵入す
る。
一定時間の処理後、ガラス中の上記イオンの濃度は中心
で最大で外周に向けて次第に減少する分布となるととも
に、外部から浸入したイオンの濃度分布は表面で最大で
中心に向けて次第に減少する分布となり、これらイオン
の濃度分布によってガラスロッド1の屈折率は、断面内
で中心から外周に向けて次第に減少又は増大する分布と
なる。
上記のイオン交換処理の過程で、多孔質層3の剛性によ
ってガラスロッド1の軟化変形が阻止され、したがって
多孔質層3を設けないでイオン交換処理を行なう場合に
比べて処理温度より高くすることができ、イオンの拡散
速度が速くなるため処理時間を短縮できる。多孔質層3
で被覆したガラスロッド1を溶融塩4中に浸漬する方法
の他の例を第2図に示す。
第2図では、白金メッシュのバスケット7中に多孔質層
被覆ガラスロッド1を多数収容して溶融塩4中に浸漬す
る方法であり、ガラスロッド1が長尺である場合に適し
ている。この場合、ガラスロッド1表面に被覆材を塗布
した後バスケット7に多数本入れ、バスケット7を運搬
具として被覆材の焼成作業及び溶融塩への浸漬作業を行
なうことができる。
第3図に多孔質層形成の別の方法を示す。
本例では、連通気孔をもつ多孔質材料でイオン交換用容
器8を成形し、この容器8中に被覆材2のスラリーを充
填し、このスラリー中にガラスロッド1を容器8の内壁
から間隔をおいて、またロッド間にも間隔をおいて浸漬
配置する。充填の際、ガラスロッド1の全体を覆ってし
まうと、後の焼成工程中に発生するガラスの体積膨張を
吸収する空間がなくなるため、被覆材2に応力がかか
り、変形または割れを発生させるので好ましくない。こ
のためロッド1の上端面が露出する分量とする。
本実施例方法で使用する多孔性容器8は、被処理ガラス
と接触せずガラスとの融着について配慮する必要がない
ので、粒子結合強度の充分に高い機械加工性に優れた多
孔性材料、例えば市販の電解隔膜等を用いることができ
る。
次いで全体を500〜1000℃の温度で加熱し、充填被覆材
2を焼成して多孔質層3とした後、溶融塩4中に浸漬し
てイオン交換処理を行なう。
以下に本発明の具体的数値例を示す。
実施例1 粘土(日豊珪砂工業株式会社川端工場製)500gとタルク
500gをミキサー内に投入し、さらに560gの水を投入し、
これらを均一に混合してペーストをつくった。
このペーストを、第1表に示した組成のガラスで直径2
0.0mm、長さ50mmのガラスロッドの一端を除く全面に約2
mmの厚みで塗布した。
塗布後17時間風乾した後、室温から450℃まで7時間か
けて昇温し、さらに450℃で24時間保持して塗布スラリ
ー中の水分を除去した。
その後、粘土中及びタルク中に含まれる結合水の除去
と、これらの混合物を適度に固化させるために焼成を行
なった。焼成は前述の乾燥に続いて行ない、450℃から9
00℃までの昇温に7時間、900℃での保持に24時間かけ
た。
一方、モル%で表わして、KSO 55%,ZnSO 45
%から成る溶融塩を別途の容器で溶解し、この溶融塩を
上記ガラス試料の入っている容器内に注入し、900℃に
保って7時間イオン交換処理を行なった。
上記処理でガラス体中に含まれるタリウム及びナトリウ
ムと溶融塩中に含まれるカリウムが多孔質層覆層を通し
てイオン交換される。所定時間のイオン交換処理の後、
容器から多孔質被覆層付きガラスロッドを取り出し、水
洗してからロッド表面の多孔質被覆層を取り除き、ガラ
スロッドの表面を観察したところ、剥離や割れなどの欠
点は全く認められなかった。またガラスロッドの直径は
20.0mmであり、乾燥・焼成およびイオン交換の過程で全
長にわたり変形が生じなかったことを確認した。またガ
ラスロッド断面の半径方向の一価陽イオン濃度分布をX
線マイクロアナライザー(XMA)で測定したところ、3.3
9mmのカリウムイオンの侵入が確認できた。
比較例として、SiClを酸水素ガスで火炎加水分解せし
め、SiO微粒子として堆積させたものを1300℃で0.5時
間加熱して石英ガラス質多孔質体とし、これに直径20.0
mmの穴を機械加工により設けて保持容器とし、この穴の
中に、実施例と同じガラスを直径19.8mm、長さ50mmに加
工したロッド試料を入れて実施例と同じ溶融塩を用いて
同一条件でイオン交換処理した。
処理後のガラスを観察したところ、多孔質体との融着を
生じており、ガラス表面は剥離し、さらにガラス全体に
割れが多数入っていた。
また、従来から行なわれているガラスの屈伏点における
イオン交換処理を用いた場合、屈伏点に相当する520℃
で7時間の処理ではカリウムの侵入距離は僅か0.028mm
であった。
実施例2 実施例1と同じ粘土400gと、試薬特級のTiO粉末600g
を均一に混合し、これにアルミナゾルを2重量%含む水
を520g加えてペーストをつくった。このペーストを実施
例1と同じガラスで同一形状のガラスロッドの一端を除
く全てに約2mmの厚みで塗布し、室温から450℃で24時間
乾燥し、続いて450℃から750℃で24時間焼成を行なっ
た。その後、実施例1と同じ溶融塩を用いて750℃で7
時間イオン交換処理した。処理後、ロッド表面の多孔質
被覆層を取り除き、ガラスロッド表面の状態を調べたが
欠陥は認められなかった。
またカリウムの侵入距離をXMAで調べたところ2.29mmで
あった。
実施例3 重量%で表わして、市販のカオリン(白陶土)90g、化
学用の水酸化マグネシウム110gを均一に混合し、これに
水ガラス1重量%、カルボキシメチルセルローズ5重量
%含む水を106g加えてペーストを作った。このペースト
を実施例1と同じガラスで同一形状のロッドの一端を除
く全表面に約2mmの厚みで塗布し、室温から500℃で24時
間乾燥し、さらに500〜800℃で24時間焼成した。その後
実施例1と同じ溶融塩を用いて800℃で7時間イオン交
換処理した。処理後、多孔質被覆を取り除き、ガラスロ
ッド表面を観察したが欠点はなかった。またカリウムの
侵入距離をXMAで調べたところ2.87mmであった。
実施例4 粘土(日豊硅砂工業(株)湯ノ根工場製)400g,シルト1
000g、細砂600gをミキサー内に投入し、さらに1400gの
水を加えて均一に混合してスラリーを作った。
このスラリーを、市販の高アルミナ質電解隔膜容器(日
本化学陶業製)に流し込み、この中に第1表の組成のガ
ラスで直径10mm,長さ50mmのロッドを挿入した。容器を
減圧炉に入れて1×10Paに減圧しながら乾燥、焼成を
行なった。
焼成後溶融塩中に浸漬してイオン交換処理を行なった。
イオン交換処理は実施例1と同じ溶融塩を用いて800℃
で7時間の処理を行なった。処理後ガラスロッドを取り
出して観察したが欠点はなかった。またカリウムの侵入
距離をXMAで調べたところ2.90mmであった。
実施例5 実施例1と同じ粘土100g、試薬一級のアルミナ粉末1900
gに1300gの水を加えてスラリーとした。
これ以外は実施例4と全く同じ条件で処理したガラスロ
ッドも欠点は全くなく、カリウムの侵入距離も2.90mmで
あった。
実施例6 実施例4と同じ粘土200g、市販のカオリン1500g、試薬
一級のアルミナ粉末300gと水1300gをミキサーに投入し
て均一に混合し、得られたスラリーを石膏型に流し込
み、10.0mmφ×50mm長の収納空間を持つ容器に成形し
た。この容器を乾燥させた後、第1表に示すガラスを直
径9.9mm、長さ50mmに加工して上記容器の収納空間に挿
入した。この状態で焼成を行なってから、実施例1と同
じ溶融塩を用いて800℃で7時間のイオン交換処理を行
なった。処理後、ガラスの直径は全長に亘って10.0mmで
あり、表面には全く欠点がなく、XMAでカリウムの侵入
距離を測定したところ2.90mmであった。
実施例7 市販のカオリン5Kgに8Kgの水を加えてスラリーを作っ
た。これを、第1表に示す組成のガラスで直径7mm、長
さ300mmに成形したガラス棒にスプレーガンを用いて約
0.5mmの厚みに吹きつけ塗布した。風乾後、白金製メッ
シュのバスケット内に入れて乾燥、焼成を行ない、実施
例1と同じ溶融塩を用いて700℃で29時間イオン交換処
理した。処理後のガラスには表面剥離や割れなどの欠点
が全く見られず、このロッドを4mmの長さに切断し、両
端面を研磨したところ屈折率分布レンズになっているこ
とが確認された。
これに対して、通常のイオン交換処理方法で上記と同じ
径のレンズを得ようとすると、1100時間(約46日間)強
の処理時間を必要とする。
実施例8 実施例1と同じ粘土800g、試薬特級の水酸化アルミニウ
ム200gの混合物に1200gの水を加えてスラリーを作り、
この中にセラミックファイバシート(商品名:カオウー
ルエースペーパー)を浸漬して前記スラリーを含浸させ
た。このシートを第1表に示す組成のガラスで、50mm×
50mm角で厚味が7mmのガラス板の一端を除く全面に貼付
け、風乾後、白金製メッシュのバスケット内に入れて乾
燥、焼成を行なった。
その後、実施例1と同じ溶融塩を用いて、700℃で29時
間のイオン交換処理を行なった。
処理後のガラス板には剥離や割れなどの欠点はなく、ガ
ラス板の周囲を切断、研磨したところ、屈折率が板厚方
向に中心で最大で両表面に向けて漸減するスラブレンズ
になっていた。
実施例9 粘土(松山珪砂中に含まれる粘土)300g、試薬1級の酸
化アルミニウム粉末690gと繊維径10μm、平均長さ15mm
のシリカファイバ10gをミキサーに投入し、さらに560g
の水を加えてペーストを作った。このペーストを、モル
%で表わしてSiO 60%,ZnO 20%,NaO 10%とTl
O 10%(清澄剤としてSbを0.6重量%含む)
から成る直径20.0mm、長さ50mmのガラスロッドの一端を
除く全ての面にコテを用いて塗布した。
風乾、乾燥、焼成を行なった後、実施例1と同じ溶融塩
を用いて730℃で24時間のイオン交換処理をした。その
後多孔質被覆付きのガラスロッドを徐冷炉に移し徐冷を
行なった。
多孔質被覆を取り除いたガラスロッド表面を観察した
が、剥離や割れなどの欠点はなかった。
またXMAで調べたところカリウムの侵入距離は3.80mmに
達していた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ガラスの粘度が10〜10ポアズとな
る温度よりもさらに高い温度でイオン交換処理を行なっ
ても、多孔質被覆層で保持されているため、被処理ガラ
スに変形を生じることがないと同時に、ガラスと多孔質
被覆層とが実質的に融着することがなく、処理後のガラ
ス体表面が剥離したりあるいはガラスが割れるというこ
とがない。
従ってイオン交換温度を大幅に高めて処理することが可
能となり、イオン交換処理時間を著しく短縮できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を段階的に示す断面図、第2
図はイオン交換媒体中への浸漬方法の他の例を示す断面
図、第3図は本発明の他の実施例を段階的に示す断面図
である。 1……被処理ガラス体 2……スラリー又はペースト状の被覆材 3……多孔質層、4……溶融塩、5,6……イオン 7……メッシュバスケット、8……多孔質容器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス体と一価陽イオンを含む媒質とを接
    触させて、該イオンとガラス体中に含まれる一価陽イオ
    ンとを交換させるイオン交換処理方法において、前記ガ
    ラス体の要部表面を、粘土分を3重量%以上含むスラリ
    ーまたはペーストを乾燥、焼成して形成した無機質多孔
    質層で被覆し、前記多孔質層を通してイオン交換を行な
    わせることを特徴とするガラスのイオン交換処理方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記多孔
    質層は、スラリー又はペースト状態でガラス体表面に塗
    布し、しかる後乾燥・焼成して形成するガラスのイオン
    交換処理方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、前記多孔
    質層は、被処理ガラス体を収容する多孔質性容器と前記
    ガラス体との間の空隙部にスラリー又はペースト状態で
    充填し、しかる後乾燥・焼成して形成するガラスのイオ
    ン交換処理方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項ないし第3項におい
    て、前記焼成温度は500℃〜1000℃であるガラスのイオ
    ン交換処理方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項ないし第4項におい
    て、前記スラリー又はペースト中に粘土以外にシルト、
    細砂、無機質微粉体の少なくとも一種を混合したガラス
    のイオン交換処理方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項ないし第5項におい
    て、前記スラリー又はペースト中に無機質繊維材を混入
    したガラスのイオン交換処理方法。
JP62070031A 1987-03-24 1987-03-24 ガラスのイオン交換処理方法 Expired - Lifetime JPH0735270B2 (ja)

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