JPH0735039B2 - 印刷紙への切込形成方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、印刷紙にミシン目やファイリング用の穴等
（以下単に切込という）を形成する方法及びその装置に
関する。

＜従来の技術＞ 従来、オフセット輪転印刷装置で印刷された印刷紙に切
込を形成する場合、オフセット輪転印刷装置における乾
燥機の印刷紙排出側にミシン目入れ機を別に取付け、搬
送されてくる印刷紙にミシン目を形成することが行われ
ている。

＜発明が解決しようとする課題＞ 従来の場合、ミシン目入れ機を別に取付ける必要があ
り、このミシン目を入れる分、印刷紙の搬送距離が長く
なり、それにより印刷紙の蛇行やミシン目の見当のバラ
ツキが多くなるという問題点がある。

一方、印刷ユニットは、すべて使用されるとは限らない
ので、１つの印刷ユニットのブランケット胴にカッター
を取付けて、印刷紙にミシン目を形成する方法が考えら
れる。

しかし、この場合、ブランケット胴は固定されているの
で、見当合わせをすることが難しく、十分な精度が得ら
れないという問題点がある。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明は上記課題を下記の方法及び装置により解決す
る。

イ）オフセット輪転印刷装置で印刷する際、その１つの
印刷ユニットの微移動可能な版胴にカッターを装着し、
該版胴とこれと対をなすブランケット胴との間に印刷紙
を通して該印刷紙の所望の位置に切込を形成することを
特徴とする印刷紙への切込形成方法。

ロ）オフセット輪転印刷装置において、カッターを装着
した微移動可能な版胴をその印刷ユニットの１つに具備
し、該版胴とこれと対をなすブランケット胴との間に通
して切込を形成した印刷紙を受けるための受けローラー
を該ブランケット胴近傍に配置したことを特徴とする印
刷紙への切込形成装置。

＜作用＞ 本発明は、色の見当合わせをするために微移動可能とな
っている版胴にカッターを装着し、該版胴とブランケッ
ト胴との間に印刷紙を通して該印刷紙に切込を形成する
ので、版胴を微移動させることにより切込の位置合わせ
が容易かつ確実に行うことができる。

＜実施例＞ 本発明を実施例を用いて詳細に説明する。

オフセット輪転印刷は第１図に示すようにロール状に巻
取られた印刷紙（１）を連続的に繰り出し搬送し、複数
の印刷ユニット（２）（３）（４）（５）（本実施例で
は４つ）に通して該印刷紙（１）に各色のインキを転移
させ、その後乾燥、折りがなされる。

前記印刷ユニット（２）は印刷紙（１）の上下に位置す
る２つのブランケット胴（６）（７）と該ブランケット
胴（６）（７）それぞれに隣接する版胴（８）（９）を
有し、印刷紙（１）の両面に印刷することができるもの
で、他の印刷ユニット（３）（４）（５）も同様の構成
である。

本発明は、これら印刷ユニットの１つ、例えば印刷ユニ
ット（２）における上方（下方でもよい）の版胴（８）
の所望の形状のカッター（10）を装着し、該版胴（８）
とブランケット胴（６）との間に印刷紙（１）を通し、
該印刷紙（１）にミシン目やファイリング用の穴等の切
込を形成するものである。

前記版胴（８）へのカッター（10）の装着について具体
的に説明すると、カッター（10）を鉄板（11）に熔接等
で固着し、該鉄板（11）を版胴（８）にパッキン（8a）
を介して通常のオフセット用版材と同じ要領で巻付けて
装着する。一方、版胴（８）と対をなすブランケット胴
（６）は胴体（6a）にパッキン（6b）を介してゴム製の
ブランケット（6c）を巻付け装着したものである。これ
らのブランケット胴（６）及び版胴（８）は通常それぞ
れ印刷を行うための基準となるベアラ（12）（13）を有
しており、該版胴（８）は、通常、色の見当合わせをす
るために前後左右に2.5mm程度、微移動でき、またねじ
れ方向にも微移動できる。従って、切込の位置合わせ
は、通常版胴が備えている上記微移動性を利用して容易
にしかも確実に行なうことができる。

また、切込形成時は、版胴（８）へのインキの供給は行
われず、ここでは印刷されない。つまり、片面の１色が
印刷されないことになる。

一方、本発明の方法を実施する装置としてはオフセット
輪転印刷装置における印刷ユニットの１つにおいて、上
述したように版胴（８）にカッター（10）を装着し、該
版胴（８）と対をなすブランケット胴（６）の印刷紙排
出側近傍に受けローラー（14）を設けたものが用いられ
る。該受けローラ（14）は前記版胴（８）とブランケッ
ト胴（６）との間を通ることにより切込が形成された印
刷紙（１）を受け、該印刷紙（１）を元の水平軌道に修
正して搬送させるためのものである。これにより、切込
を形成後、印刷紙（１）を従来のオフセット印刷装置の
ままで乾燥、折りをすることができる。

本実施例では、４つの印刷ユニットを有するいわゆる４
色刷のオフセット輪転印刷について説明したが、４色刷
に限るものではない。

また、カッターを装着する版胴は、どの印刷ユニットで
もよく、また上下どちらの版胴でも構わない。

＜発明の効果＞ 本発明によれば、所望の形状の切込形成用カッターが微
移動可能である版胴に装着されているので、印刷紙への
切込の十分な位置合わせができ、その精度が優れてい
る。

また、従来のようにミシン目入れ機を別に設けないの
で、印刷紙の搬送距離の増加による見当位置のバラツキ
を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図はオフセット輪転
印刷を示す概略説明図、第２図は切込形成を示す説明
図、第３図はその断面説明図である。 （１）……印刷紙、（２）（３）（４）（５）……印刷
ユニット （６）（７）……ブランケット用、（８）（９）……版
胴 （10）……カッター、（11）……鉄板 （12）（13）……ベアラ、（14）……受けローラー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−105254（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭56−21533（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】オフセット輪転印刷装置で印刷する際、そ
   の１つの印刷ユニットの微移動可能な版胴にカッターを
   装着し、該版胴とこれと対をなすブランケット胴との間
   に印刷紙を通して該印刷紙の所望の位置に切込を形成す
   ることを特徴とする印刷紙への切込形成方法。
2. 【請求項２】オフセット輪転印刷装置において、カッタ
   ーを装着した微移動可能な版胴をその印刷ユニットの１
   つに具備し、該版胴とこれと対をなすブランケット胴と
   の間に通して切込を形成した印刷紙を受けるための受け
   ローラーを該ブランケット胴近傍に配置したことを特徴
   とする印刷紙への切込形成装置。