JPH0734720Y2 - 装飾用絵画 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、壁等に飾る切紙絵模
様の絵画に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】透光性の板、例えば、ガラ
ス板に、絵の具（塗料）でもって種々の模様を描いた、
いわゆるステンドグラスがあり、このステンドグラスは
教会の窓などに使用されてそれなりの趣きを醸し出して
いる。

【０００３】一方、絵画は、通常不透光性の材料、例え
ば布、紙等に絵の具で種々の模様（形状）を描いたもの
であるが、切紙細工の一つとしての切紙絵も含まれる。
この切紙絵は、一枚の紙において、切欠部により絵の輪
郭を形成したものであり、その切欠部の存在により、上
記ステンドグラス的な使用が可能である。

【０００４】しかしながら、一枚の切紙絵を単にガラス
板に貼ったのでは、通常、切紙絵は一色であるため、従
来のステンドグラスに比べて見劣り、その商品価値がな
い。

【０００５】そこで、この考案は、切紙絵による絵画の
商品価値を高めることを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この考案にあっては、まず、透光性の表板の表面に
切紙絵模様が形成されているとともに、裏面にはその切
紙絵模様の全てを被う大きさの不透光性の裏板が設けら
れ、この裏板表面は和紙からなって、その和紙には前記
切紙絵模様の切欠部に対応する着色が施されてなる構成
としたのである。

【０００７】また、透光性の板の一面に、白色プラスチ
ックシート及び和紙模様の透光性プラスチックシートが
順々に積層され、その透光性プラスチックシートの表面
に切紙絵模様が形成されており、かつ前記両プラスチッ
クシート間には前記切紙絵模様の切欠部に対応する着色
のシートが介在されてなる構成とすることもできる。こ
こで、透光性とは、光を透過し得る性質をいう。

【０００８】

【作用】このように構成するこの考案に係る装飾用絵画
は、切紙絵模様の切欠部を通して、その裏面の和紙及び
着色の色感が滲み出る。このため、今までになかった切
紙絵の絵画となる。

【０００９】

【実施例】この実施例は、図１に示すように奈良の二月
堂近傍の風景のシルエット切紙絵模様Ａを無色透明なア
クリル板１の表面に形成したものである。切紙絵模様Ａ
としては、日本三景、有名寺院等の風景、仏像などの種
々のものとすることができる。アクリル板１の表面には
すりガラスと同様のつや消し加工が施されて、アクリル
板１は全体として不透明な透光性板となっている。アク
リル板１に代えて、ガラス、他の合成樹脂板を使用でき
る。

【００１０】図２、図３に示す実施例１の切紙絵模様Ａ
は、まず黒色の画用紙を切り抜いて原画を作成し、周知
のごとく、その模様を電算器に記憶させて、その記憶に
基づき、アクリル板１の表面に黒色塗料でもって自動機
により印刷する。このとき、アクリル板１表面はつや消
し加工がなされているため、塗料ののりはよい。

【００１１】アクリル板１の裏面には、図２、図３に示
すように和紙２を介在して色紙３が設けられている。こ
の和紙２、色紙３は縁紙４の貼着等によりアクリル板１
にずれることなくしっかりと一体となっており、その大
きさは切紙絵Ａの大きさ（図１の黒わく）と同一であ
る。この大きさは、切紙絵模様Ａの全てを被えばよく、
それより大きくてもよい。色紙３に代えて、木板等の種
々の不透光性の板を使用し得る。

【００１２】上記和紙２は吉野紙を使用し、この紙は少
し薄く、独特な趣きを醸し出す。その和紙２には、図３
に示すように、切紙絵模様Ａの切欠部ａに対応する位置
に種々の着色ｂを施す。図では、鹿に対応する部分に着
色ｂを施したが、他の切欠部ａ例えば石垣など適宜な対
応位置に適宜な着色ｂを施す。この着色ｂは和紙２の表
裏面どちらでもよい。

【００１３】図４、図５に示す実施例２は、アクリル板
１の一面に、白色の塩化ビニルシート５、和紙模様の白
色透光性塩化ビニルシート６を順々に貼布して積層し、
そのシート６の表面に切紙絵模様Ａが自動器で裁断され
た塩化ビニルシート７が貼布され、前記シート５、６間
には前記切紙絵模様Ａの切欠部ａに対応する着色のシー
ト８を介在したものである。

【００１４】切絵模様Ａのシート７は黒色のもので、そ
の表面に黒色の塗料を吹き付けてある。このシート７か
らなる切紙絵模様Ａは前記実施例１のごとくシート６に
印刷したものに代えてもよい。シート６の和紙模様は周
知のものを採用する。また、着色シート６は、前記の着
色ｂをなすものであり、切欠部ａの全ての部分を覆う必
要もなく、所要個所に応じて適宜な色を採用する。

【００１５】この実施例１、２は以上の構成であり、切
紙絵模様Ａの切欠部ａを通して、和紙２（シート６）及
び着色ｂの色感が滲みでる。

【００１６】なお、実施例の絵画Ｐは図６に示すように
脚９を設け、机上等に置く場合は実線のごとく、壁など
に掛ける場合には鎖線のごとく、脚９を起伏させる。

【００１７】

【考案の効果】この考案は以上のように構成したので、
切紙絵、ステンドグラスのみによっては醸し出し得ない
独特の趣きを持つ絵画とすることができる。このため、
商品価値が高まる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の正面図

【図２】一実施例の要部断面図

【図３】同実施例の裏面からみた説明図

【図４】他の実施例の要部断面図

【図５】同実施例の説明図

【図６】実施例の裏側斜視図

【符号の説明】

１ アクリル板 ２ 和紙 ３ 色紙 ５ 白色塩化ビニルシート ６ 白色透光性塩化ビニルシート ７ 着色シート ８ 切紙絵模様シート ９ 脚 Ａ 切紙絵模様 Ｐ 装飾用絵画 ａ 切欠部 ｂ 着色

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透光性の表板の表面に切紙絵模様が形成
   されているとともに、裏面にはその切紙絵模様の全てを
   被う大きさの不透光性の裏板が設けられ、この裏板表面
   は和紙からなって、その和紙には前記切紙絵模様の切欠
   部に対応する着色が施されてなる装飾用絵画。
2. 【請求項２】 透光性の板の一面に、白色プラスチック
   シート及び和紙模様の透光性プラスチックシートが順々
   に積層され、その透光性プラスチックシートの表面に切
   紙絵模様が形成されており、かつ前記両プラスチックシ
   ート間には前記切紙絵模様の切欠部に対応する着色のシ
   ートが介在されてなる装飾用絵画。