JPH0734608Y2 - キャスター付き引出しを有するキャビネット、ワゴン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、引出しに書類等の物品を収容した状態で筐体
と引出しを分離運搬可能なキャスター付き引出しを有す
るキャビネット、ワゴンに関する。

〔従来の技術〕

従来のキャビネット又はワゴンに、引き出し可能且つ着
脱可能に引出しを設けたものは公知であり、またキャビ
ネット又はワゴンの筐体の底板にキャスターを設けたも
のも公知である。

しかし、筐体の底板にキャスターを設けたキャビネット
等においても、同じ階のフロアーであれば引出しに書類
等の物品が収容された状態で移動させることは比較的容
易に行うことができるが、異なる階のフロアー、更には
他のオフィスビルに引っ越す場合には、引出しに物品が
収容された状態では殆ど不可能である。

そこで、従来は引出しの収容部内の物品をダンボール箱
等に移替えて梱包し、それらを別々に搬送していた。

ところが、搬送中に引出し収容部内の物品が、どのキャ
ビネット等に収容されていたのか特定できなくなる場合
もあり、更に特定できても再度引出しに収容する作業を
必要として、キャビネット等の場所替え及び引っ越しが
面倒であった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとするところ
は、引出しを有するキャビネット、ワゴンにおいて、引
出しに書類等の物品が収容されたままで、筐体と引出し
を分離するだけで、梱包を必要とせず場所替え及び引っ
越しを容易に行えるようになしたキャスター付き引出し
を有するキャビネット、ワゴンを提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前述の問題解決の為、筐体に対して引き出し
可能且つ着脱自在な引出しを有するキャビネット、ワゴ
ンにおいて、引出しの前板を上方に向けて立起させた状
態で床面に接地する位置に複数のキャスターを設けると
ともに、引出しの物品収容部の開口面を閉止し得る開閉
自在な扉を設けてなるキャスター付き引出しを有するキ
ャビネット、ワゴンを構成した。

また、筐体の底板に複数のキャスターを設けるととも
に、上板に把手を設ければより好ましいのである。

〔作用〕

以上の如き内容からなる本考案のキャビネット付き引出
しを有するキャビネット、ワゴンは、引出しの収容部に
書類等の物品が収容されたまま、該引出しを筐体から分
離し、その収容部の開口面を開閉自在な扉で閉止し、そ
して引出しの前板を上方に向けて立起させて床面に複数
のキャスターを接地した状態で、前板に設けられている
把手を持って移動させるものである。

また、底板に複数のキャスターを設けた筐体の引出しを
分離した空間内に他の物品、例えば分解した椅子等を収
容し、上板に設けた把手を持って移動させるものであ
る。

〔実施例〕

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考案の詳細
を説明する。

本実施例ではキャビネットについてのみ述べるが、ワゴ
ンでも同じである。また、キャビネットやワゴンに類似
するその他の家具若しくは什器についても同様に適用で
きる。

第１図は、キャビネット１を折り畳み可能な机２の足入
れ空間内に配した例を示している。

キャビネット１は、前面開口した筐体３の側板4,4の内
面にレール5,5を対向させて平行に設け、それらの対を
所望数上下に配したものであり、該レール5,5には引出
し６を前後引き出し可能且つ着脱自在に装着したもので
ある。そして、筐体３の底板７には複数のキャスター8,
…を設けるとともに、上板９の中央部には把手10を設け
ている。該把手10は、不使用時には上板９と面一とな
り、使用時には上方に突出可能な構造がより望ましい。

また、前記引出し６は、前板11に把手12を有するととも
に、側板と後板及び底板で囲まれ、上方開放した書類等
の物品収容部13を有することは通常の引出しと同様であ
るが、前記前板11を上方に向けて立起状態において、床
面に接地する位置に、本実施例では後板14に複数のキャ
スター15,…を設けるとともに、前記収容部13の開口面
を閉止すべき開閉自在な扉16を設けたものである。前記
扉16は、本実施例ではシャッター扉を採用し、前記後板
14と収容部13間を仕切板等を設けてシャッター扉16の格
納部17を形成するとともに、該格納部17から引き出した
シャッター扉16を収容部13の開口面に案内するガイドレ
ール18を側板19の上縁部内面に設けている。また、シャ
ッター扉16を閉止状態でその遊端を前板11の背面に係脱
自在に係着するようになしている。尚、扉16としてはシ
ャッター扉が最も好ましいが、両側板19,19の内面若し
くは後板14と前板11の内面に沿って上方へ引き出し、90
°回転閉止可能な観音開き扉を採用することもでき、更
に底板の下面に着脱自在に設けた扉を外し、収容部13の
開口面に装着するものでも可能である。また、前記把手
12は、通常の引出しの把手でもよいが、前述の把手10と
同様に前板11から突出可能な構造のものが更に好まし
い。

しかして、引出し６をその収容部13内に書籍等の物品を
収容したままで、第２図に示す如く筐体３から外し、そ
してシャッター扉16を閉止した状態で、第３図に示す如
く前板11を上方へ向けて立起させ、後板14に設けたキャ
スター15,…を床面に接地した状態で、前板11に設けた
把手12を持って移動させるものである。

また、第４図及び第５図に示す如く、椅子20を分解した
部品を、前記引出し６を取り去った筐体３の内部に収容
し、該筐体３の上板９から引き出した把手10を持って移
動するのである。

一方、前記机２は、本実施例では第６図〜第８図に示す
如く、天板21の後縁に幅の狭い補助天板22を設け、該天
板21を補助天板22に対して下方へ直角に折り畳み可能と
なして蝶番等で枢着し、補助天板22の後端下面に固定さ
れた幕板23の両側には脚板24,24を内方へ直角に折り畳
み可能となして蝶番等で枢着し、該脚板24を引き出した
際には、その上端で前記天板21を水平に支持するととも
に、折り畳んだ状態では、天板21と幕板23間に収容され
るようになしたものであり、更に前記脚板24の下端の両
端部にはキャスター25,25を設けたものである。そし
て、前記補助天板22の上面中央部には前記把手10と同様
な把手26が設けられている。こうして、第８図に示す如
く折り畳んだ状態の机２は脚板24に設けたキャスター2
5,…が床面に接地しているので、把手26を持って容易に
移動させることができるのである。

〔考案の効果〕

以上にしてなる本考案のキャスター付き引出しを有する
キャビネット、ワゴンによれば、筐体に対して引き出し
可能且つ着脱自在な引出しを有するキャビネット、ワゴ
ンにおいて、引出しの前板を上方に向けて立起させた状
態で床面に接地する位置に複数のキャスターを設けると
ともに、引出しの物品収容部の開口面を閉止し得る開閉
自在な扉を設けてなるので、引出しの収容部に書類等の
物品が収容されたまま、該引出しを筐体から分離し、そ
の収容部の開口面を開閉自在な扉で閉止し、そして引出
しの前板を上方に向けて立起させて床面に複数のキャス
ターを接地した状態で、前板に設けられている把手を持
って容易に移動させることができるので、場所替え及び
引っ越しの際に、引出しから物品を取り出して梱包する
ことなく、その作業が極めて簡単である。

また、筐体の底板に複数のキャスターを設けるととも
に、上板に把手を設けた場合には、筐体の引出しを分離
した空間内に他の物品、例えば分解した椅子等を収容
し、上板に設けた把手を持って前記同様に容易に移動さ
せることかできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はキャビネットと机を組合せた使用状態を示す全
体斜視図、第２図はキャビネットの筐体から引出しを分
離した状態の斜視図、第３図は引出しを移動させる状態
を示した斜視図、第４図は椅子を分解した状態の斜視
図、第５図は筐体に分解した椅子を収容して移動させる
状態を示した斜視図、第６図及び第７図は机を折り畳む
状態を順次示した斜視図、第８図は折り畳んだ机を移動
させる状態を示した斜視図である。 1:キャビネット、2:机、3:筐体、4:側板、5:レール、6:
引出し、7:底板、8:キャスター、9:上板、10:把手、11:
前板、12:把手、13:収容部、14:後板、15:キャスター、
16:扉、17:格納部、18:ガイドレール、19:側板、20:椅
子、21:天板、22:補助天板、23:幕板、24:脚板、25:キ
ャスター、26:把手。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筐体に対して引き出し可能且つ着脱自在な
   引出しを有するキャビネット、ワゴンにおいて、引出し
   の前板を上方に向けて立起させた状態で床面に接地する
   位置に複数のキャスターを設けるとともに、引出しの物
   品収容部の開口面を閉止し得る開閉自在な扉を設けたこ
   とを特徴とするキャスター付き引出しを有するキャビネ
   ット、ワゴン。
2. 【請求項２】筐体の底板に複数のキャスターを設けると
   ともに、上板に把手を設けてなる請求項１記載のキャス
   ター付き引出しを有するキャビネット、ワゴン。