JPH0734347Y2 - 光ファイバーによる信号出力変換機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、アセチレン、水素、
エタン、エチレン等の液体又は気体からなる流体の流量
計において、防爆安全のためから光ファイバーを用いる
ことで電気的変換部を遠隔地におくことを可能にした光
ファイバーによる信号出力変換機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、流体の流量計には、流量を積算す
るために、図３に示すように、電動モーター１３にて回
転する円盤１４の周縁部に一つの透孔１５を穿設し、そ
の透孔１５をＡ部位の発信機１６で発光している直線光
が通過してフォトトランジスタ１７が検出したときを指
示又は積算機構の開始信号として電気的に変換し、さら
に、円盤１４が回転してその透孔１５が移動し、他のＢ
部位の発信機１８で発光している直線光が透孔１５を通
過してフォトトランジスタ１９が検出したときに指示又
は積算機構の終止信号とするように電気的に変換する信
号出力変換機構を有する。

【０００３】しかし、電動モーター１３を信号出力変換
部に直接用いることは、流体が可燃性であるときは、電
気的短絡や機械的摩擦熱に因り、流体が爆発する危険が
ある。そこで、爆発の危険性がある流体の場合には、万
一の爆発にも耐えられるように流量計自体を防爆構造と
している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、流量計
自体を防爆構造とすることは、構造的に複雑となり、ま
た、コストが上昇するから不経済である。

【０００５】そこで、この考案は流量計に電気的信号出
力変換部を設けて防爆構造にすることなく、可燃性の流
体であれ非可燃性の流体であれ、区別なくいずれにも使
用できる流量計を得べく、光ファイバーを用いた信号出
力変換機構を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案にかかる光ファ
イバーによる信号出力変換機構は、複数の光ファイバー
を円環状に束ねてなる定速回転パルス発信部とこれに相
対する固定ファイバー及び移動ファイバーを設けてな
り、定速回転パルス発信部の各ファイバーに遠隔地にて
光を順次送ることにより時計機構の役割をさせ、固定フ
ァイバーにて受光して所定機構の動作を開始又は終止さ
せ、かつ、移動ファイバーにて受光して所定機構の終止
又は開始をするようにしたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】定速回転パルス発信部は遠隔地にて一定の光を
各ファイバーに順次発信することにより、時計機構の役
割をさせ、移動ファイバーは他の発信機構からの信号や
機構を介して適時移動し、指示積算機構等の終止信号Ｏ
ＦＦ（又はＯＮ）用として用い、また、固定ファイバー
は指示積算機構等の開始信号ＯＮ（又はＯＦＦ）用とし
て使用する。

【０００８】

【実施例】

以下この考案の実施例を図に基づき説明する。図示のよ
うに、一定径の光ファイバー１の多数本を内バンド１１
と外バンド１２等にて円環状に束ねて端末を同一平面上
に配置した定速回転パルス発信部２を形成し、その定速
回転パルス発信部２の中心に下部に永久磁石を有する軸
３を回転可能に収納した回転部４を配置し、その軸３の
上部に定速回転パルス発信部２の半径を有する指針５を
回転可能に設け、その指針５に移動ファイバー６を載設
する。そして、定速回転パルス発信部２の所定位置上部
に固定ファイバー７を固定する。

【０００９】定速回転パルス発信部２は遠隔地に設定し
た発信機構８にて一定の光を各ファイバー１に順次発信
することにより、時計機構の役割をもつ。移動ファイバ
ー６は他の発信機構９からの信号や機構を介して電磁的
に軸３を回転させることにより適時移動し、指示又は積
算機構１０の終止信号ＯＦＦ（又はＯＮ）用として用い
る。また、固定ファイバー７は指示又は積算機構１０の
開始信号ＯＮ（又はＯＦＦ）用として使用する。

【００１０】さらに、移動ファイバー６と固定ファイバ
ー７にはそれぞれ自己保持機構を持たせるのがよい。す
なわち、自己保持機構とは、流量が設定値に達し光を遮
った時に警報信号を発し、リセットボタンを押すまでそ
のままの状態を保つ機能をいう。なお、指示機構１０と
は普通毎分当たり何リットルの瞬間流量を指標する機構
をいう。積算機構１０とは流れた結果量を測定する機構
をいう。

【００１１】そこで、上記信号出力変換機構の動作を説
明すると、遠隔地８にて一定の光を各ファイバー１に順
次発信すると、定速回転パルス発信部２にはその円周方
向へ光が順次移動して一定速度の光の回転ができる。そ
こで、固定ファイバー７がその光を受光して指示又は積
算機構１０の開始信号がＯＮとなると、他の発信機構９
からの信号や機構を介し回転部４が作動して軸３が回転
し、指針５が回転するから、移動ファイバー６が定速回
転パルス発信部２の円周上を回転移動する。

【００１２】そして、移動ファイバー６が所定の部位に
て停止すると、そこで移動して来た光を受光するから、
これを指示積算機構１０の終止信号ＯＦＦとして用い、
指示又は積算機構１０の作動を終止させる。

【００１３】なお、上記実施例では可燃性流体の積算又
は瞬間の流量を測定するための手段として説明したが、
非可燃性流体の場合にも適用できることはいうまでもな
い。その場合、回転部４に電動モーターを使用しても差
し支えはない。

【００１４】

【考案の効果】以上説明したこの考案によれば、光ファ
イバーを円環状に束ねてなる定速回転パルス発信部とこ
れに相対する固定ファイバー及び移動ファイバーを設け
てなる信号出力変換機構であるから、電気的短絡や機械
的摩擦熱を発生する余地が一切なく、したがって、可燃
性流体の流量計に最適の信号出力変換機構である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す斜視説明図。

【図２】図１の平面図。

【図３】従来例の斜視説明図。

【符号の説明】

１…光ファイバー ２…定速回転パルス発信部 ３…軸 ５…指針 ６…移動ファイバー ７…固定ファイバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の光ファイバーを円環状に束ねてな
   る定速回転パルス発信部とこれに相対する固定ファイバ
   ー及び移動ファイバーを設けてなり、定速回転パルス発
   信部の各ファイバーに遠隔地にて光を順次送ることによ
   り時計機構の役割をさせ、固定ファイバーにて受光して
   所定機構の動作を開始又は終止させ、かつ、移動ファイ
   バーにて受光して所定機構の終止又は開始をするように
   したことを特徴とする光ファイバーによる信号出力変換
   機構。