JPH0734151Y2 - ブラインド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はブラインドに関し、詳しくはスラットを回転操
作するダイヤルをヘッドボックスに設けたブラインドに
関するものである。

（従来の技術） ブラインドは、ヘッドボックスの長尺方向に離間した２
ケ所以上の位置から垂下したラダーコードにより多数の
スラットを上下に間隔を開けて吊持すると共に、このよ
うに吊持したスラット群を、前記ラダーコードの上端を
巻きつけたヘッドボックス内の回転ドラムを回転させる
ことで任意の角度に傾けて、外からの光の遮光状態を調
整出来るように設けられているものであり、そしてこの
回転ドラムを回転させる機構としては、前記ヘッドボッ
クスに内蔵したギアボックス内のギアを介し、該ヘッド
ボックスの前面部に設けた切欠き部を通して回転ドラム
に間接的に連結する操作棒を、外部に導出させて下方に
垂れ下がらせ、外部から人為的に操作できるように設け
ているのが普通である。

しかし、窓と障子の間に配置されるように特殊な用いら
れ方で使用されるブラインドについては、前記のような
ヘッドボックスの前面から操作棒が外部に導出される形
式では、窓と障子の間の隙間をその分必要以上に大きく
開けなければならない等の離点を招く。

またヘッドボックス内に設けたギアボックスから該ヘッ
ドボックス前面部の切欠き部を通して外部に操作棒を導
出させることは、機構が複雑化し、ヘッドボックスに穴
開け加工を必要とするなど、組み立て作業上の不具合も
多い。

そこで、前記の如く窓と障子の間に配置されるように特
殊な用いられ方で使用されるブラインドにおいて、ヘッ
ドボックス自体に、スラット回転用の操作ツマミを設け
てしまうといった提案も既にされている。

（考案が解決しようとする課題） しかし、前記のような窓と障子の間に配置されるように
特殊な用いられ方で使用されるブラインドについては、
その需要量も一般的なブラインドに比べて限られたもの
であり、その一方において、特殊な用途であるが故に、
様々な個々のケースに応じた要望も多い。

このため、単純に個々の仕様に対応する定型的な仕様の
ブラインドを夫々提供するようにすると、部品の共通性
がないために製品の一層の高価格化や、時間的に需要に
迅速に対応できない等々の不具合を招くことが多くな
る。

そこで本考案においては、代表的に、窓と障子の間に配
置されるように特殊な用いられ方で使用されるブライン
ドにつき、多くの異なる要望に対しても共通の部品を使
用することで概ね対応が可能であり、したがって共通部
品の仕様による製品コストの低廉価、需要に対する迅速
な対応を実現することができる構成をもったブラインド
を提供することを目的とする。

また、本考案の別の目的は、ブラインドを構成する各部
品の寸法公差を考慮し、通常以上の部品精度管理を要求
することなく、前記目的を実現できる構成のブラインド
を提供するところにある。

（課題を解決するための手段） 前記目的を実現する本考案の窓と障子の間に配置される
ブラインドの特徴は、ラダーコード回転用のドラムを内
蔵したヘッドボックスと、ヘッドボックスの長尺方向と
平行な回転中心軸をもつ回転操作ダイヤルと、この回転
操作ダイヤルを収納する第１の収納空所、及びこの回転
操作ダイヤルと前記ドラムを連結する軸を収納する第２
の収納空所を有し、かつ前記ヘッドボックスの長尺方向
端部に嵌挿組み付けできるように設けられた収納ケース
とを備え、前記収納ケースの第１の収納空所は、ヘッド
ボックス前面及び後面の何れからも前記回転操作ダイヤ
ルの操作が可能に該前面及び後面に開いた開口を有する
よう設けられていることにある。

前記において連結する軸は、径方向のたわみ変形が可能
な軸部材から構成することが好ましい。

また、ヘッドボックスの左端、或は右端に組み付けられ
る収納ケースが、いずれの位置への組付けでも同様の状
態を成るようにするためには、収納ケースは、前面及び
後面の開口が対称形状をなすことが好ましい。また外部
からの操作性を考慮して、回転操作ダイヤルは、収納ケ
ースの前面及び後面の開口から夫々外部に突出している
ことが好ましい。

さらに前記ラダーコード回転用のドラムと、回転操作ダ
イヤルを連結する軸は、ねじりに対しては高い剛性を有
し、たわみに対しては或る程度柔軟性を有する部材、例
えばフレキシブルワイヤを用いることが適当である場合
が多い。

（作用） 本考案のブラインドは前記の構成をなすことによって、
窓と障子の間に配置されるブラインドの構成をコンパク
トに提供できる。

またかかるブラインドについての複数の異なる設計的な
要求に対して共通の部品を用いて対応できる。

（実施例） 以下本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。

第２図及び第３図は、本考案を適用したブラインドの構
成概要を示したものであり、これらの図において、１は
ヘッドボックス、２はこのヘッドボックス１の２か所か
ら垂下されたラダーコードであり、その下端はボトムレ
ール３に連結されていると共に、上端はヘッドボックス
１内のラダーコード回転用のドラム４（第１図に図示）
に連結されている。そして図示しない昇降コードにより
ボトムレール３が最下方に下ろされた状態で、多数のス
ラット７がラダーコード２により第２図に図示の如く上
下方向に所定間隔をもつて離間して支持されることにな
る。なお第２図における符号６は、スラット群を畳み上
げるためにヘッドボックスから外部から導出された昇降
用操作コードである。

以上のブラインドにおけるヘッドボックスの特徴を説明
すると、この例のブラインドではサッシと障子の間に組
込まれるものであり、例えばサッシの上部に、前記ヘッ
ドボックス１の本体が組み付けられる。このヘッドボッ
クスの本体は通常のものと略同様であり、内部にスラッ
ト昇降用のコードが通されて前記昇降用操作コード６と
スラット群下端のボトムレール３が接続され、またスラ
ット回転用のドラムが複数個配置されていてこれにラダ
ーコード２の上端が組み付けられ、またこれらドラム４
は回転軸５により一体回転するように軸着されている。

そしてこのヘッドボックス１の端部に、前記ドラムの回
転軸５を回転させるための回転操作ダイヤル11を備えた
収納ケース10を嵌挿固定できるようになっている。

収納ケース10は、第１図に示している如くケース本体部
12と、蓋体13とからなっていて、ケース本体部12には、
回転操作ダイヤル11を収納するための第１の収納空所14
とこの回転操作ダイヤル11と回転軸５を連結する軸とし
てのフレキシブルワイヤ16（例えばねじり剛性の高いプ
ラスチック製の軸部材）を収納する第２の収納空所15と
を備えている、蓋体を外した状態ではこれらの収納空所
に回転操作ダイヤル11、フレキシブルワイヤ16を横方向
から出し入れできるように設けられている。

第１図において、20は蓋体13に設けられたケース本体部
12への組みつけ用突起であり、ケース本体部12に形成し
た穴部21に嵌合するように形成されている。また22はケ
ース本体部12に設けられた位置決め用の凹部であり、蓋
体13に設けた（図示せず）突起が嵌合するようになって
いる。そして本例のケース本体部12と蓋体13はこれらを
組み付けた状態では前面と後面が同一形状をなすように
なっている。

23は、フレキシブルワイヤ16の端部に設けられたカップ
リング部材であり、六角形状をなす回転軸５の端部が嵌
合する六角穴をもつナットとしてフレキシブルワイヤ16
と回転軸５を軸着する。

以上のような構成のヘッドボックスをもつブラインド
は、第２図に示すようにヘッドボックスの端部に回転操
作ダイヤルを有するので、障子を開けて容易にスラツト
群の傾動を行なわせて遮光状態を調節することができ
る。またヘッドボックス本体に組み付ける収納ケースが
前面と後面の形状を同じとしているので、該本体の右側
端部あるいは左側端部のいずれに組み付けることもで
き、ブラインドの操作位置が左右のどちら側であっても
部品の共用ができる利点がある。

更に又、回転操作ダイヤルとドラムの回転軸を連結する
軸に、径方向に若干のたわみができるフレキシブルワイ
ヤを用いているので、厳密な寸法精度を要求するような
部品管理が不要であり、製作上の負担が軽減されて製品
コストを削減できるという利点もある。

（考案の効果） 本考案のブラインドによれば、窓と障子の間に配置され
るブラインドにおいて、複数の異なる設計的な要望に対
し、共通の部品を使用して概ね対応が可能であるという
効果がある。したがって共通部品の仕様による製造コス
トの低廉化、需要に対する迅速な対応を実現することが
できる。

また、ブラインドを構成する各部品の寸法公差に関し
て、通常のブラインドにおける部品管理精度以上のもの
を要求することなく、実際の実用に併せられるブライン
ドの構成を実現でき、従って従来において特殊な部品に
ついては高価であったという経済面での難点を解消でき
るという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案よりなるブラインドのヘッドボックスの
一部部品展開図、第２図はブラインドの正面図、第３図
は側面図である。 １……ヘッドボックス、２……ラダーコード、３……ボ
トムレール、４……ドラム、５……回転軸、６……昇降
コード、７……スラット、10……収納ケース、11……回
転操作ダイヤル、12……ケース本体部、13……蓋体、14
……第１の収納空所、15……第２の収納空所、16……フ
レキシブルワイヤ、20……組み付け用突起、21……穴
部、22……位置決め用の凹部、23……カップリング部
材。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ラダーコード回転用のドラムを内蔵したヘ
   ッドボックスと、ヘッドボックスの長尺方向と平行な回
   転中心軸をもつ回転操作ダイヤルと、この回転操作ダイ
   ヤルを収納する第１の収納空所、及びこの回転操作ダイ
   ヤルと前記ドラムを連結する軸を収納する第２の収納空
   所を有し、かつ前記ヘッドボックスの長尺方向端部に嵌
   挿組み付けできるように設けられた収納ケースとを備
   え、前記収納ケースの第１の収納空所を、ヘッドボック
   ス前面及び後面の何れからも前記回転操作ダイヤルの操
   作が可能に該前面及び後面に開いた開口を有するよう設
   けたことを特徴とする窓と障子の間に配置されるブライ
   ンド。
2. 【請求項２】請求項（１）において、前記連結する軸
   は、径方向のたわみ変形が可能な軸部材から構成されて
   いることを特徴とする窓と障子の間に配置されるブライ
   ンド。
3. 【請求項３】請求項（１）又は（２）において、収納ケ
   ースは、第１の収納空所及び第２の収納空所を有する本
   体部と、蓋体とからなっていて、蓋体を外した状態で回
   転操作ダイヤルと連結する軸を外部から第１の収納空所
   及び第２の収納空所に出し入れできることを特徴とする
   窓と障子の間に配置されるブラインド。
4. 【請求項４】請求項（１）乃至（３）のいずれかにおい
   て、収納ケースは、前面及び後面の開口が対称形状をな
   すことを特徴とする窓と障子の間に配置されるブライン
   ド。
5. 【請求項５】請求項（１）乃至（４）のいずれかにおい
   て、連結軸は、たわみ変形可能なフレキシブルワイヤで
   あることを特徴とするブラインド。