JPH073392B2 - 発色吸光分析方法 - Google Patents

発色吸光分析方法

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JPH073392B2
JPH073392B2 JP61197645A JP19764586A JPH073392B2 JP H073392 B2 JPH073392 B2 JP H073392B2 JP 61197645 A JP61197645 A JP 61197645A JP 19764586 A JP19764586 A JP 19764586A JP H073392 B2 JPH073392 B2 JP H073392B2
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  • Optical Measuring Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば火力発電所におけるボイラー用水の水
質検査に使用されるシリカ計等におけるように、発色反
応を伴うサンプルを対象として吸光分析を行う方法に関
する。
〔従来の技術〕
最近は、上記したような火力発電所におけるシステム管
理もコンピューターによる中央集中管理体制に移行しつ
つあり、その結果、不必要な運転をできるだけ抑えて電
力需要に見合った効率の良いプロセス管理を行うべく、
旧来の年間起動停止といった大まかなプロセス管理手法
に代わって、WSS(週間起動停止)あるいはDSS(日間起
動停止)といったより細かな管理が可能となり、実際に
そのような頻繁な起動停止によるプロセス管理が現在主
流となっている。
従って、そのようなプロセス管理のベースとなる各種計
測器にも、従来にもましてより速い応答性が要求される
ようになってきている。それは、上記したシリカ計等の
ような発色吸光分析方法を利用した計測器においても例
外では無い。
ところで、従来の発色吸光分析方法としては、一般に、
JIS指定法(JIS K−0101またはB−8224)による手分析
方法がある。
即ち、このJIS指定法においては、発色反応槽における
反応環境温度を20℃程度に設定維持した状態で、所定の
各種試薬を所定の時間間隔毎に順次発色反応槽における
試料中に導入して、十分に発色反応を起こさせた後、そ
の発色反応済みのサンプルを吸光量測定セルへ導き、透
過光量検出器によりその透過光量を測定し、その透過光
量検出結果に基いて所定の演算を行うことにより吸光度
を検出する、という手段が用いられる。例えばこのJIS
指定法を用いたシリカ計の場合には、第3図に示すよう
に、発色反応槽における試料中に、先ず試薬としてモ
リブデン酸アンモニウムを所定量導入してケイモリブデ
ンイエロー反応を起こさせ、そのケイモリブデンイエロ
ー反応が確実に進行するに十分な約5分後に、試薬と
して酒石酸を所定量導入して対シリカ障害成分である燐
酸を隠蔽させ、その燐酸隠蔽反応が確実に進行するに十
分な約1分後に、試薬として1アミノ−2ナフトール
−4スルホン酸を所定量導入してモリブデンブルー反応
を起こさせ、そのモリブデンブルー反応が確実に進行す
るに十分な約10分後に、その発色反応済みのサンプルを
吸光量測定セルへ導き、透過光量検出器によりその透過
光量を測定するのである。
つまり、多少の安全率を含めてのことにしても、上記従
来のJIS指定法を用いたシリカ計の場合には、その測定
開始から測定完了までに計16分程度という長時間を要す
るため、前述した最近の要求(速応性)に沿うことがで
きない、という問題が生じている。
そこで、本発明者は、種々の実験的研究を通じて、反応
環境温度を上記JIS指定法の場合よりも高くしても反応
上何ら問題が生じないことを見出し、その結果、反応環
境温度を40℃程度に設定維持した状態で発色反応を生じ
させる改良法(先行技術)を案出するに至った。この先
行技術に係る改良法によれば、例えばシリカ計の場合
で、第4図に示すように、モリブデンブルー反応のため
の時間を約4分に短縮しても十分確実な発色反応が実現
され、従って、その測定開始から測定完了までの時間を
計10分程度に短縮できることが判った。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記した本発明者による先行技術(改良
法)に係る発色吸光分析方法においても、前述した従来
のJIS指定法の場合と同様に、やはり各ステップ毎の反
応時間を固定的に設定する方式を採用しているために、
それら各ステップ毎の固定的反応時間の設定の際には、
良好な測定精度を確保すべく十分かつ確実な発色反応が
保証されるように、夫々にある程度余裕のある安全時間
を含めざるを得ず、従って、この点を考慮すれば、つま
り、発色反応の終点を確実に検知することにより無駄な
安全時間の付加を極力少なくすれば、まだまだ測定時間
短縮化の余地が残されているものと考察し得る。とはい
うものの、発色反応の終点は試料濃度等の条件によって
左右されるため、一元的にその発色反応の終点を予測設
定することは不可能である。
本発明は、かかる従来実情ならびにそれに対する考察結
果に鑑みてなされたものであって、その目的は、発色反
応の終点を確実に検知できる技術を開発することによっ
て、良好な吸光度測定精度を十分に維持しながらも一層
の測定時間短縮化を達成できる発色吸光分析方法を提供
せんとすることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明による発色吸光分析
方法は、所定の複数ステップから成る測定シーケンスに
基いて試料および試薬が導入される発色反応槽として透
過光量検出器に対応する吸光量測定セルを共用すると共
に、前記透過光量検出器による透過光量検出結果に基い
て前記発色反応槽を構成する吸光量測定セルにおける発
色反応の進行状態を経時的にモニターさせ、その発色反
応が設定された基準状態に達したことが検知されたとき
に自動的に現ステップから次のステップへ移行させる、
という手段によることを特徴を有する。
〔作用〕
上記特徴ある手段を用いることにより発揮される作用は
下記の通りである。
即ち、上記本発明による発色吸光分析方法によれば、後
述する具体的実施例の記載からも一層明らかとなるとこ
ろであるが、前述した従来のJIS指定法および先行技術
に係る改良法におけるように各ステップ毎の反応時間を
固定的に設定するのでは無く、透過光量検出器による検
出透過光量変化の経時的モニター結果から発色反応が設
定された基準状態に達したとき(発色反応の終点)を自
動的に判定すると共に、その時点で現ステップから次の
ステップへ移行させるようにしたことにより、各ステッ
プに従来のような無駄な安全時間が含まれることが無
く、発色反応を所望通り十分確実に終結させることがで
きながら、しかも、各ステップを必要最小限の時間に短
縮させることができ、従って、良好な測定精度を十分に
確保できながらも、吸光度測定に要する時間を従来に比
べて大幅に(実験によれば、従来のJIS指定法の約1/5,
前記改良法の約1/3に)短縮できるようになった。
また、本発明方法においては、透過光量検出器に対応す
る吸光量測定セルを発色反応槽として共用するようにし
ているから、吸光度測定において本来的に必要とされる
光源,測定セル,透過光量検出器をそのまま有効利用で
きて、他に付加すべき特別な構成部材数を可及的に少な
くできると共に、各種試薬が確実に導入されたか否かと
いうことやデータの異常の有無等を、前記検出透過光量
の経時的モニターを通じて確認できる、という利点もあ
る。
〔実施例〕
以下、本発明に係る発色吸光分析方法の具体的実施例を
図面(第1図および第2図)に基いて説明する。
第1図は、本発明方法を適用して構成された発色吸光自
動分析計の構造を模式的に示したものであり、ここでは
シリカ計として利用する場合を例に挙げて説明する。
即ち、図示しているように、測定光照射用の光源1,干渉
フィルター2,吸光量測定セル3,透過光量検出器4が、そ
の順に光学的直線関係が成立するように配置され、前記
透過光量検出器4からの検出出力がプリアンプ5を介し
て演算制御回路6へ入力されるように構成されている。
そして、前記吸光量測定セル3は、前記演算制御回路6
により決定される所定の複数ステップから成る測定シー
ケンスに基いて洗浄水,試料および試薬が自動的に導入
される発色反応槽としても共用するように構成され、そ
のために、図示しているように、第1電磁開閉弁7Vを備
えた洗浄水供給流路7および第2電磁開閉弁8Vを備えた
試料供給流路8が夫々導入接続されると共に、第3電磁
開閉弁9Vを備えた排出流路9が導出接続され、かつ、第
1試薬槽10Tおよび第1液送ポンプ10Pを備えた第1試薬
供給流路10,第2試薬槽11Tおよび第2液送ポンプ11Pを
備えた第2試薬供給流路11ならびに第3試薬槽12Tおよ
び第3液送ポンプ12Pを備えた第3試薬供給流路12が夫
々導入接続されている。なお、前記第1電磁開閉弁7V,
第2電磁開閉弁8V,第3電磁開閉弁9V,第1液送ポンプ10
P,第2液送ポンプ11P,第3液送ポンプ12P等は、所定の
測定シーケンスを実現するために、夫々前記演算制御回
路6によってその動作を制御されるように構成されてい
る。更に、前記発色反応槽を兼ねる吸光量測定セル3
は、発色反応温度が常時40℃程度に設定維持されるよう
に、前記演算制御回路6により温度制御される恒温室13
内に配置されている。
また、同第1図中、14は前記演算制御回路6に接続され
た出力装置であり、CRTディスプレイやレコーダーを含
んでいる。
次に、前記演算制御回路6により実現されるところの、
所定の複数ステップから成る1−測定シーケンスについ
て、第2図の模式的タイムヒストリー例を参照しながら
説明する。
前回の1−測定シーケンスが完了した後、先ず前処理ス
テップとして、前記第1および第2電磁開閉弁7V,8Vを
閉じた状態で第3電磁開閉弁9Vを開いて、前回の測定に
供された発色反応済みのサンプルを吸光量測定セル3
(発色反応槽)から排出し、次に、前記第2および第3
電磁開閉弁8V,9Vを閉じた状態で第1電磁開閉弁7Vを開
いて、吸光量測定セル3(発色反応槽)内へ洗浄液を導
入し、しかる後、前記第1および第2電磁開閉弁7V,8V
を閉じた状態で第3電磁開閉弁9Vを開いて、その洗浄液
を吸光量測定セル3(発色反応槽)から排出する。、と
いう洗浄動作を2〜3回繰り返す。以上の前処理ステッ
プに要する時間は通常2〜3分程度である。
前記前処理ステップが終了すると、演算制御回路6は、
測定ステップに入る。
即ち、先ず、その前処理ステップにおいて前記透過光量
検出器4により検出された透過光量変化の全モニターデ
ータに対するパターン認識を行うことによって、その前
処理ステップが正常に行われたか否かを確認してから、
前記第1および第3電磁開閉弁7V,9Vを閉じた状態で第
2電磁開閉弁8Vを開いて、吸光量測定セル3(発色反応
槽)内へ試料を導入する。そして、その際にモニターし
ている透過光量変化データの微分値(変化率)が設定さ
れた所定の値(0または0に近い微少設定値)に落ち着
いてから、そのときの初期透過光量(Io)を測定してデ
ータとして取り込む。この初期透過光量(Io)データの
取り込みステップに要する時間は通常2分程度である。
その後、全ての電磁開閉弁7V,8V,9Vを閉じた状態で、ま
ず第1液送ポンプ10Pのみを所定量動作させることによ
り、第1試薬供給流路10を介して吸光量測定セル3(発
色反応槽)内へ、第1試薬(モリブデン酸アンモニウ
ム)を所定量導入してケイモリブデンイエロー反応を起
こさせる。そして、その際にモニターしている透過光量
変化データの微分値(変化率)が設定された所定の値
(0または0に近い微少設定値)に落ち着いたことを検
知したときに、そのケイモリブデンイエロー反応が十分
確実に進行して終点に達したとして、次のステップへ移
行すべく、第2液送ポンプ11Pのみを所定量動作させる
ことにより、第2試薬供給流路11を介して吸光量測定セ
ル3(発色反応槽)内へ、第2試薬(酒石酸)を所定
量導入して対シリカ障害成分である燐酸を隠蔽させる。
なお、この燐酸隠蔽反応はほぼ瞬間的に行われることが
判明しているので、ここではその約20秒後に、その次の
ステップへ移行すべく、第3液送ポンプ12Pのみを所定
量動作させることにより、第3試薬供給流路12を介して
吸光量測定セル3(発色反応槽)内へ、第3試薬(1
アミノ−2ナフトール−4スルホン酸)を所定量導入し
てモリブデンブルー反応を起こさせ、その際にモニター
している透過光量変化データの微分値(変化率)が設定
された所定の値(0または0に近い微少設定値)に落ち
着いたことを検知したときに、そのモリブデンブルー反
応が十分確実に進行して終点に達したとして、そのとき
の最終透過光量(I)を測定してデータとして取り込
む。
そして最後に、前記演算制御回路6は、上記のようにし
て取り込まれたふたつの透過光量測定データ(Io),
(I)に基いて、下記の式 C=klog{(Io−Id)/(I−Id)} (ただし、kは校正時に求められたモル吸光係数であ
り、また、Idは校正時に求められた光学系ダークであ
る) により、試料の吸光度Cを算出するのである。
なお、前記透過光量検出器4により検出された透過光量
変化のモニターデータは、1−測定シーケンスを通じて
全て前記出力装置14に出力され、また、前記演算制御回
路6に取り込まれたふたつの透過光量測定データ
(Io),(I)および算出された試料の吸光度Cも前記
出力装置14に出力されることは言うまでもない。
ところで、実験によれば、上記の測定ステップにおい
て、試薬の導入から試薬の導入(ケイモリブデンイ
エロー反応の終結)までに要する時間は約1分程度であ
り、また、試薬の導入から最終透過光量(I)の取り
込み(モリブデンブルー反応の終結)までに要する時間
は約1分40秒程度であった。
従って、上記の測定ステップに要した合計時間は、 〔ケイモリブデンイエロー反応に要した約1分〕+〔燐
酸隠蔽反応のために設定した約20秒〕+〔モリブデンブ
ルー反応に要した約1分40秒〕=約3分 ということになり、良好な測定精度を十分に確保できな
がら、従来のJIS指定法の場合の約16分の約1/5,前記改
良法の場合の約10分の約1/3というように、前処理ステ
ップを含めて考えても、吸光度検出時間を大幅に短縮で
きることが判った。
ところで、上記の実施例においては、1−測定シーケン
スにおける現ステップから次のステップへの移行制御
を、透過光量検出器4により検出された透過光量のモニ
ターデータ自体の変化率を利用して行う例を示したが、
その透過光量を吸光度に変換したあとのモニターデータ
の変化率を利用して行ってもよいことは勿論である。
また、前記ステップ移行制御の基準となる変化率の設定
値は、高い測定精度を要求される場合にはできるだけ0
に近い小さな値に設定し、また、それほど高い測定精度
は要求されないが素早い測定を要求されるという場合に
は、比較的大きな値に設定する、というように状況に応
じて任意に決定すればよい。
〔発明の効果〕
以上詳述したところから明らかなように、本発明に係る
発色吸光分析方法によれば、所定の複数ステップから成
る測定シーケンスに基いて試料および試薬が導入される
発色反応槽として透過光量検出器に対応する吸光量測定
セルを共用すると共に、前記透過光量検出器による透過
光量検出結果に基いて前記発色反応槽を構成する吸光量
測定セルにおける発色反応の進行状態を経時的にモニタ
ーさせ、その発色反応が設定された基準状態に達したこ
とが検知されたときに自動的に現ステップから次のステ
ップへ移行させる、という手段を採用したことにより、
前述した従来のJIS指定法および先行技術に係る改良法
におけるように各ステップ毎の反応時間を固定的に設定
するのでは無く、透過光量検出器による検出透過光量変
化(あるいは、それにより算出される吸光度変化)の経
時的モニター結果から発色反応が設定された基準状態に
達したとき(発色反応の終点)を自動的にかつ確実に判
定すると共に、その時点で現ステップから次のステップ
へ自動的に移行させるようにでき、従って、各ステップ
に従来のような無駄な安全時間が含まれることが無く、
発色反応を所望通り十分確実に終結させることができな
がら、しかも、各ステップを必要最小限の時間に短縮さ
せることができ、もって、良好な測定精度を十分に確保
できながらも、吸光度測定に要する時間を従来に比べて
大幅に短縮させ得るようになり、更に、透過光量検出器
に対応する吸光量測定セルを発色反応槽として共用する
ようにしたことにより、吸光度測定において本来的に必
要とされる光源,測定セル,透過光量検出器をそのまま
有効利用できて、他に付加すべき特別な構成部材数を可
及的に少なくできると共に、各種試薬が確実に導入され
たか否かということやデータの異常の有無等を、前記検
出透過光量の経時的モニターを通じて確認できる、とい
う種々の優れた効果が発揮されるに至った。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明に係る発色吸光分析方法
の具体的な一実施例を説明するためのものであって、第
1図は本発明方法を適用して校正された発色吸光自動分
析計の模式的構成図を示し、また、第2図はその1−測
定シーケンスにおける動作例を示す模式的タイムヒスト
リーである。 また、第3図および第4図は、本発明の技術的背景を説
明するためのものであって、第3図は従来のJIS指定法
による場合の測定に要する時間を表した図であり、ま
た、第4図は先行技術(改良法)による場合の測定に要
する時間を表した図である。 3……吸光量測定セル(発色反応槽として共用され
る)、 4……透過光量検出器、 6……演算制御回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の複数ステップから成る測定シーケン
    スに基いて試料および試薬が導入される発色反応槽とし
    て透過光量検出器に対応する吸光量測定セルを共用する
    と共に、前記透過光量検出器による透過光量検出結果に
    基いて前記発色反応槽を構成する吸光量測定セルにおけ
    る発色反応の進行状態を経時的にモニターさせ、その発
    色反応が設定された基準状態に達したことが検知された
    ときに自動的に現ステップから次のステップへ移行させ
    ることを特徴とする発色吸光分析方法。
  2. 【請求項2】前記発色反応槽を構成する吸光量測定セル
    における発色反応温度を40℃または略40℃に設定維持さ
    せる特許請求の範囲第〔1〕項に記載の発色吸光分析方
    法。
JP61197645A 1986-08-23 1986-08-23 発色吸光分析方法 Expired - Lifetime JPH073392B2 (ja)

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