JPH07335624A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JPH07335624A
JPH07335624A JP12859494A JP12859494A JPH07335624A JP H07335624 A JPH07335624 A JP H07335624A JP 12859494 A JP12859494 A JP 12859494A JP 12859494 A JP12859494 A JP 12859494A JP H07335624 A JPH07335624 A JP H07335624A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高融点金属ポリサイドゲートのエッチングに
おいて、サイドエッチングを防止し、かつレジストマス
クやゲート絶縁膜との選択比を向上し、低ダメージでク
リーンなプロセスを提供する。 【構成】 高融点金属ポリサイド層5を、ヨウ素系ガス
を用いてエッチングする。またフッ素系ガスとの混合ガ
スを用い、混合比をかえて2段階エッチングする。この
とき形成される側壁保護膜7は、CIx やSiIx 等の
ヨウ素系反応生成物を含むものであり、高いドライエッ
チング耐性を有する。 【効果】 異方性加工に必要なイオンエネルギを低減で
き、選択比が向上し、下地ゲート絶縁膜スパッタやパタ
ーンシフトが生じない。イオウの堆積を側壁保護膜に併
用すれば、一層の低ダメージ化、低汚染化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はドライエッチング方法に
関し、さらに詳しくは高融点金属ポリサイド層をエッチ
ングして高融点金属ポリサイドゲート電極・配線を形成
する際に必要な入射イオンエネルギを低減することによ
り、対下地および対レジストマスクとの選択比を向上さ
せ、かつパーティクル汚染を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI等の半導体装置のゲート電極・配
線材料としては、従来より多結晶シリコンが汎用されて
きた。近年、デザインルールがハーフミクロンからクォ
ータミクロンのレベルへと微細化されつつあり、かつ高
集積メモリ装置等、デバイスの高速化への要求が高まる
につれ、多結晶シリコンより約1桁低い抵抗値を持つ高
融点金属シリサイドが用いられるようになりつつある。
高融点金属シリサイドを用いてゲート電極を形成する場
合には、デバイス特性や信頼性に影響を与え易いゲート
絶縁膜との界面特性を考慮して、まずゲート絶縁膜上に
従来より実績のある不純物含有多結晶シリコン(DOP
OS)層を形成し、この上部に高融点金属シリサイド層
を積層することが行われる。かかる積層構造はポリサイ
ドと総称される。高融点金属シリサイドとしてはタング
ステンシリサイド(WSix )が一般的であり、このW
Six を有するポリサイドを特にタングステンポリサイ
ド(Wポリサイド)と称する。
【0003】ところでポリサイド層は、異なる2種類の
材料層に対し連続的に異方性エッチングを行わなければ
ならないことから、ドライエッチングプロセスに新たな
困難をもたらした。すなわち、エッチング反応生成物で
あるハロゲン化物の蒸気圧の差に起因して下層の多結晶
シリコン層の方がエッチングレートが大きいこと、およ
び多結晶シリコン層と高融点金属シリサイド層との界面
に新たな反応層が形成されること等の理由により、形成
したパターンにアンダカットやサイドエッチ等が発生し
やすいことである。これら形状異常は、チャンネル領域
幅のシフトや、ソース・ドレイン領域を形成するための
イオン注入時に不純物の注入されないオフセット領域を
発生させたり、LDD構造実現のためのサイドウォール
形成時の寸法精度を低下させる。また配線断面積の減少
による配線抵抗の増加の問題もあり、いずれもディープ
・サブミクロンルールのデバイスには許容されがたいも
のである。
【0004】従来より、ポリサイドのエッチングガスと
して汎用されてきたガスは、例えば月刊セミコンダクタ
ーワールド誌(プレスジャーナル社刊)1989年10
月号126〜130ページに報告されているように、フ
ロン113(C2 Cl3 3)に代表されるクロロフル
オロカーボン(CFC)ガスである。これは、分子中に
F原子とCl原子が共存するため、ラジカルモードの反
応とイオンアシストモードの反応が共に進行し、しかも
炭素系プラズマポリマが堆積して側壁保護膜を形成する
ので、高速の異方性エッチングが可能である。
【0005】しかしながら、CFCガスは周知のように
地球のオゾン層破壊の一因となることが指摘されてお
り、ドライエッチングの分野においても環境保全の見地
からはCFCガスの代替となりうるエッチングガスおよ
びその使用技術、すなわち脱フロンプロセスの確立が急
務となっている。
【0006】このようなデザインルールの微細化要求、
および脱フロンの観点から、近年Br系化合物を主エッ
チング種として利用する試みがある。たとえば、J.Vac.
Sci.Technol.,A8(3), May/Jun 1990, p1696 や、Digest
of Papers 1989 2nd MicroProcess Conference, p19
0、あるいは特開平02−89310号公報にはHBr
やBr2 を用いるn+ 型多結晶シリコンゲート電極エッ
チングが報告されている。Brはイオン半径が大きく、
シリコン系材料層の結晶格子や結晶粒界には容易に侵入
しない。したがって、フッ素ラジカル(以下、F* と記
す。他のラジカル種についても同様に表記する。)のよ
うにシリコン系材料層を制御性なく等方的にエッチング
する懸念は少なく、イオンアシスト機構により異方性エ
ッチングを進行させることができる。またSi−O結合
の原子間結合エネルギがSi−Br間のそれより遙かに
大きいことからも明らかなように、SiO2 からなるゲ
ート絶縁膜との高い選択比を達成しうる。さらに、レジ
ストマスクの表面を蒸気圧の低いCBrx 系ポリマで被
覆することができるので、レジストとの選択比を向上で
きる点もBr系エッチングガスの特長である。
【0007】また、他の脱フロン対策として、CFC1
13に替えてCl2 /CH2 2 混合ガス系によるWポ
リサイド層のエッチングが、例えば第52回応用物理学
会学術講演会(1991年秋期年会)講演予稿集p50
8、講演番号9a−ZF−6に報告がある。このガス系
の混合比を最適化すれば、CH2 2 に由来する炭素系
ポリマを側壁保護膜に利用し異方性エッチングが行え
る。
【0008】さらに、ポリマ生成物の堆積による側壁保
護膜にり高異方性を図るのではなく、被エッチング基板
を低温冷却してこれを達成しようという試みも提案され
ている。いわゆる低温エッチングと呼ばれるこのプロセ
スは、被エッチング基板を0℃以下に制御することによ
り、レジストパターン下部におけるラジカル反応を凍結
あるいは抑制してアンダーカット等の形状異常を防止す
る方法である。例えば、第35回応用物理学関係連合講
演会(1988年春期年会)講演予稿集p495、講演
番号28a−G−2には、ウェハを−130℃に冷却
し、SF6 ガスを用いてシリコン基板のトレンチエッチ
ングおよびn+ 型多結晶シリコン層のエッチングをおこ
なった例が報告されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来から
脱CFCを念頭においたプロセスが提案されているもの
の、上述の各ドライエッチング方法は、それぞれ未だ解
決すべき課題が残されている。まず、HBrガスを用い
るプロセスをWポリサイド層のエッチングに適用する
と、上層のWSix のエッチング中に大量のWBrx
スパッタリングされ、これは蒸気圧が小さいのでエッチ
ングチャンバ壁面に付着し、パーティクルレベルを悪化
させる。また、基本的に反応性の小さいBr系化学種を
エッチャントとすることから、エッチングレートが低下
する問題がある。
【0010】他方、Cl2 /CH2 2 混合ガス系にエ
ッチングでは、炭素系ポリマの堆積が過大になり易いと
いう問題がある。すなわち、CH2 2 は、C4 8
2Cl2 4 (CFC114)あるいはCCl4 等の
ガスに比較して反応生成物が多く、このため入射イオン
によるエッチング速度が低いことが、例えば1988年
ドライプロセスシンポジウム抄録集p74、II−8に報
告がある。したがって、CH2 2 ガスの使用はパーテ
ィクル汚染やエッチングレートの問題を残す虞れが大き
い。
【0011】上記2つの方法に対し、低温エッチングは
脱CFCプロセスの有力な手段の一つと考えられる。し
かし、高異方性の達成をラジカル反応の凍結ないし抑制
のみに依存しようとすると、液体窒素による冷却を要す
る極低温レベルの温度制御が必要となる。このため、冷
却装置のメンテナンスや真空シール部の信頼性等、装置
面での問題が別に発生する。また被エッチング基板の冷
却およびその後の昇温工程に長時間を要する等、スルー
プットの低下も見逃せない。
【0012】そこで本発明の課題は、実用的なエッチン
グレートを確保しつつ、対レジストマスク選択比、対下
地材料層選択比、高異方性および低汚染といった、並立
の困難な諸特性を高いレベルで満たし、これを現実的な
温度域で実施しうる、高融点金属ポリサイド層の脱フロ
ン・ドライエッチング方法を提供することである。
【0013】また本発明の別の課題は、ポリサイドゲー
ト電極のアンダカットやサイドエッチングを防止し、チ
ャンネル領域幅のシフトや、ソース・ドレイン領域を形
成するためのイオン注入時に不純物の注入されないオフ
セット領域を発生させたり、LDD構造実現のためのサ
イドウォール形成時の寸法精度を低下させたり、また配
線断面積の減少による配線抵抗の増加等の問題のない、
制御性のよい半導体装置を形成できるドライエッチング
方法を提供することである。本発明の上記以外の課題
は、本願明細書および添付図面の説明により明らかにさ
れる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のドライエッチン
グ方法は、上述の課題を解決するために提案するもので
あり、基板上に形成されたポリサイド層を、ヨウ素系ガ
スを含むエッチングガスを用いてエッチングするもので
ある。ヨウ素系ガスとしては、IF5 、IF6、I
7 、ICl、ICl3 、IBr、IBr3 等のインタ
ーハロゲン化合物、CIF3 CI2 2 、CI3 F、
CI4 等の炭化物、SiI4 等のケイ化物、CH3 I、
CH3 OI等のアルキル化合物やアルコキシ化合物、H
I、そしてI 2 等、室温領域で気体あるいは気化しやす
い化合物等を例示できる。
【0015】これらヨウ素系ガスに、放電電離条件下で
プラズマ中に遊離のイオウを放出しうるイオウ系化合物
を添加してもよい。イオウ系化合物としては、X/S比
が6未満のSX系ガス(Xはハロゲン元素または水素を
表す)、例えばS2 2 、SF2 、SF4 、S2 10
のSF6 以外のフッ化イオウガス、S2 Cl2 、S3
2 、SCl2 等の塩化イオウガス、S2 Br2 、S3
Br2 、SBr2 等の臭化イオウガス、そしてH2 Sを
例示することができる。フッ化イオウ化合物としてよく
知られているSF6 ガスは、F/S比が6であり、放電
電離条件下でプラズマ中に遊離のイオウを放出すること
はなく、本発明の趣旨には適合しない。
【0016】また本発明のドライエッチング方法は、ヨ
ウ素系ガスと、フッ素系ガスを含む混合ガスを用いて、
高融点金属シリサイド層をエッチングする第1のエッチ
ング工程と、この混合ガス中のヨウ素系ガスの混合比を
高めた混合ガスを用いて、多結晶シリコン層をエッチン
グする第2のエッチング工程を有するものである。
【0017】ここで用いるフッ素系ガスとしては、SF
6 、NF3 、CF4 、XeF2 等の汎用ガスの他、先に
挙げたS2 2 、SF2 、SF4 、S2 10等、放電電
離条件下でプラズマ中に遊離のイオウを放出しうるフッ
化イオウ系化合物を例示できる。
【0018】
【作用】本発明のポイントは、エッチングガス中の構成
元素として含まれるヨウ素と、レジストマスクの分解物
や被エッチング材料との反応生成物である、CIx やS
iIx を側壁保護膜に用いる点にある。CIx やSiI
x は、蒸気圧が小さいので被エッチング基板上に堆積
し、このうちイオンの垂直入射が原理的に起こらないパ
ターン側面に残留して、ラジカルの攻撃からパターン側
面を保護することにより、サイドエッチングを防止す
る。またこの強固な側壁保護膜の効果として、異方性加
工に必要なイオンの入射エネルギを低減できるので、対
レジストパターン選択比はもとより、下地であるゲート
絶縁膜との選択比を向上することが可能となる。
【0019】またヨウ素は、従来のポリサイドエッチン
グに用いられているフッ素はもちろん、塩素や臭素等の
ハロゲン元素に比べてイオン半径が大きい。このため、
被エッチング層であるSi系材料層の結晶格子内や結晶
粒界内に容易には侵入せず、自発的なエッチング反応を
起こすことが殆どないことも、サイドエッチングの防止
に寄与する。
【0020】さらに表1に示すように、Si−Oの原子
間結合エネルギが、Si−Iの原子間結合エネルギより
遙かに大きい。このことから自明なように、従来のよう
に被エッチング基板を極端に低温冷却してラジカル反応
を抑制しなくても、実用的な温度領域であっても、Si
2 からなるゲート酸化膜と多結晶シリコンとの高選択
エッチングが達成され、実用的なエッチングレートが得
られる。
【0021】
【表1】
【0022】本発明の2番目のポイントは、上記の作用
に加え、一層の高異方性、高選択比を達成するため、放
電電離条件下でプラズマ中に遊離のイオウ(S)を放出
しうるイオウ系化合物を添加し、被エッチング基板上に
イオウを堆積させながらエッチングすることである。こ
の場合、エッチング反応生成物であるCIx やSiI x
に加え、イオウの堆積をも側壁保護膜として利用できる
ようになる。したがって、入射イオンエネルギをさらに
一層低減することが可能となり、高選択比と低プラズマ
ダメージを徹底できるほか、下地スパッタによる側壁へ
の再付着や、下地材料層のプラズマダメージも少なくな
る。また、CIx やSiIx の堆積量を相対的に減らす
ことができ、パーティクル汚染をそれだけ減少すること
ができる。イオウは、被エッチング基板温度を室温以
下、たとえば90℃未満、好ましくは25℃以下に制御
すればその表面に堆積することが可能である。しかも堆
積したイオウは、エッチング終了後、被エッチング基板
をおよそ90℃以上に加熱すれば容易に昇華除去できる
ので、被エッチング基板上に残留することがなく、イオ
ウ自体がパーティクル汚染源になることはない。
【0023】本発明は以上のような技術的思想を基本原
理としているが、さらに一層の異方性加工、低パーティ
クル汚染化と高選択比を目指す方法をも提案する。それ
は、高融点金属シリサイド層のエッチングと多結晶シリ
コン層のエッチング時とでエッチングガス組成を切り替
え、2段階エッチングを施すものである。
【0024】この2段階プロセスは、とくに上層の高融
点金属シリサイド層のエッチングにおいて、蒸気圧の極
めて低い、例えばWIx 等の高融点金属ヨウ化物を生成
し、これがエッチング残渣やパーティクルレベルを増加
する可能性をも考慮したプロセスである。すなわち、高
融点金属シリサイド層を加工する第1のエッチング工程
においては、フッ素系化合物を主体とした混合ガス系で
* を主として供給することによりWIx の生成量を低
減するとともに、この層のエッチングレートを高め、プ
ロセス全体のスループットを高めるのである。
【0025】引き続く第2のエッチング工程において
は、ヨウ素系ガスを主体とした混合ガス系に切り替え、
反応系からF* を低減し、CIx やSiIx の強固な側
壁保護膜を利用しつつ多結晶シリコン層のサイドエッチ
ングを防止し、高選択比エッチングを達成するのであ
る。
【0026】ヨウ素系ガスとフッ素系ガスの混合比を制
御する2段階エッチングにおいても、フッ素系ガスとし
てプラズマ中に遊離のイオウを放出しうるSF系ガスを
用いれば、イオウの側壁保護膜を併用し、さらなる高異
方性、高選択比、低パーティクルのプロセスを達成しう
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき添付図面
を参照しつつ説明する。
【0028】実施例1 本実施例は、本発明をゲート電極・配線加工に適用し、
Wポリサイド層をIF 7 /Cl2 混合ガスを用いてエッ
チングした例である。このプロセスを図1を参照して説
明する。
【0029】まず、図1(a)に示すように、例えば5
インチ径のシリコン等からなる半導体基板1上にSiO
2 からなるゲート絶縁膜2を10nm形成後、この上に
高融点金属ポリサイド層5、さらにこの上部に所定の形
状にパターニングしたレジストマスク6を形成し、これ
を被エッチング基板とする。上記高融点金属ポリサイド
層5は、n型不純物をドープした厚さ100nmの多結
晶シリコン層3と、厚さ100nmのWSix からなる
高融点金属シリサイド層4を順次被着積層したものであ
る。また上記レジストマスク6は、一例としてネガ型3
成分系の化学増幅型フォトレジスト(シプレー社製、商
品名SAL−601)を塗布し、KrFエキシマレーザ
露光を施すことにより0.35μmのパターン幅に形成
した。なお、シリコン基板1中に作り込んだ不純物拡散
層等の能動層は図示を省略している。
【0030】つぎに、この被エッチング基板を例えば高
周波バイアス印加型ECRプラズマエッチング装置の基
板ステージ上にセットし、レジストパターン6をマスク
として高融点金属ポリサイド層5を連続してエッチング
する。このときのエッチング条件は、例えば下記のとお
りとした。 IF7 流量 25 sccm Cl2 流量 25 sccm ガス圧力 0.67 Pa マイクロ波パワー 850 W(2.45GHz) RFバイアスパワー 150 W(13.56MH
z) 基板温度 常温 なお、IF7 の融点は5.5℃と室温では液体であるの
で、IF7 容器をヒータ等で加熱し、気化させてエッチ
ングチャンバに導入する。この際、導入配管系はリボン
ヒータ等で加熱し、配管内部でのIF7 の凝縮による結
露を防止した。
【0031】このエッチング過程では、ECR放電によ
りIF7 から解離生成するF* を主エッチング種とする
ラジカル反応が、Cl+ 、 I+ 等のイオンにアシスト
される機構で反応が進行し、レジストマスク6から露出
した高融点金属ポリサイド層5はWFx 、SiFx 、S
iClx となり選択的に除去さる。またこれと同時に、
レジストマスク6の分解生成物に由来するCIx 系ポリ
マが生成されるが、レジストマスク6自身もCIx 系ポ
リマで被覆されるので、その生成量はそれ程多くない。
このCIx 系ポリマは、パターン側壁に付着し、図1
(b)に示すように側壁保護膜7を形成する。側壁保護
膜7は、堆積量こそ少ないものの、高いエッチング耐性
を示し、異方性加工に寄与する。この側壁保護膜7は、
WSix 層4のエッチング時の反応生成物WClx 、W
x も少量含有している。
【0032】このエッチングの結果、レジストマスク6
の直下に良好な異方性形状を示す高融点金属ポリサイド
5のパターンが形成された。さらに、エッチング反応系
にヨウ素系化学種を含んでいることから、下地のゲート
絶縁膜2に対しても高選択比が得られ、ゲート絶縁膜2
のダメージやスパッタが防止される。
【0033】エッチング終了後、被エッチング基板を上
記エッチング装置に付属のプラズマアッシング装置に搬
送し、O2 プラズマアッシングにより、レジストマスク
6と側壁保護膜7を除去する。最終的には純水によるス
プレー式スピン洗浄等をおこないアッシング残渣を除去
し、乾燥する。アッシング残渣除去には、メガソニック
洗浄や、ブラシ・スクラビングも有効である。この結
果、図1(c)に示すように0.35μm幅の良好な形
状を有する高融点金属ポリサイド5パターンからなるゲ
ート電極・配線が得られた。
【0034】本実施例によれば、ヨウ素系ガスを含むエ
ッチングガスによる1ステップエッチングにより、サイ
ドエッチングがなく、対ゲート絶縁膜2選択比、対レジ
ストマスク6選択比の高いポリサイドゲート加工が達成
される。
【0035】実施例2 本実施例は、ICl/S2 2 混合ガスを用いてWポリ
サイド層をエッチングした例である。このプロセスを同
じく図1を参照して説明する。
【0036】本実施例で用いた被エッチング基板は実施
例1で用いた図1(a)に示すものと同一である。この
被エッチング基板を、例えば高周波バイアス印加型EC
Rプラズマエッチング装置の基板ステージ上ににセット
し、レジストパターン6をマスクとして高融点金属ポリ
サイド層5をエッチングする。このときのエッチング条
件は、例えば下記のとおりとした。 ICl流量 25 sccm S2 2 流量 25 sccm ガス圧力 0.67 Pa マイクロ波パワー 850 W(2.45GHz) RFバイアスパワー 100 W(13.56MH
z) 基板温度 0 ℃ なお、IClの融点は13.9℃と室温では液体である
場合が多いので、ICl容器をヒータ等で加熱し、気化
させてエッチングチャンバに導入する。この際、導入配
管系はリボンヒータ等で加熱し、配管内部でのIClの
凝縮による結露を防止した。
【0037】このエッチング過程では、図1(b)に示
すようにレジストマスク6とヨウ素との反応生成物CI
x の他に、S2 2 の解離生成するイオウも側壁保護膜
7の形成に寄与する。しかも基板温度を0℃に冷却して
いることもあり、パターン側面におけるラジカル反応が
抑制されている。これらの相乗効果により、実施例1よ
り入射イオンエネルギを下げたエッチング条件であるに
もかかわらず、良好な異方性形状が達成される。しかも
対レジストマスク選択比、対ゲート絶縁膜選択比も一層
向上する。またイオウの側壁保護効果を期待できる分だ
けCIx 系ポリマの堆積を低減できるので、パーティク
ル汚染も減少する。
【0038】エッチング終了後、O2 プラズマアッシン
グしたところ、図1(c)に示すようにレジストマスク
6と側壁保護膜7は残渣無く除去された。側壁保護膜7
中のイオウはプラズマの輻射熱や反応熱により昇華除去
される他、O* による燃焼反応によってもSO2 となっ
て除去され、被エッチング基板上に何ら汚染を残すこと
は無い。
【0039】本実施例によれば、イオウの堆積をも側壁
保護膜の形成に併用することにより、実施例1に比べて
一層の高選択比と高異方性エッチングが達成できる。
【0040】実施例3 本実施例は、同じ高融点金属ポリサイド層のエッチング
を2段階化し、第1のエッチング工程ではまずIBr/
SF6 混合ガスで上層側のWSix をエッチングした
後、同じ混合ガス中のIBr流量を高めた条件の第2の
エッチング工程により、下層側の多結晶シリコン層をエ
ッチングするものである。このプロセスを図2を参照し
て説明する。同図では図1と同一の部分には同じ符号を
付す。
【0041】本実施例の被エッチング基板を図2(a)
に示す。これは図1(a)と同一であるので説明を省略
する。この被エッチング基板を高周波バイアス印加型E
CRプラズマエッチング装置にセットし、一例として下
記条件でWSix からなる高融点金属シリサイド層4を
エッチングする。 IBr流量 10 sccm SF6 流量 40 sccm ガス圧力 0.67 Pa マイクロ波パワー 850 W(2.45GHz) RFバイアスパワー 150 W(13.56MH
z) 被エッチング基板温度 常温 この混合ガス組成は、IBr流量が少なくSF6 流量が
大であるのは、ヨウ素や臭素の添加量を対レジストマス
ク選択比および異方性確保のための最低限の必要量に止
め、F* を多くしてエッチングレートを優先するためで
ある。
【0042】このエッチング過程では、ECR放電によ
りSF6 から解離生成するF* をメインエッチャントと
するラジカル反応が、Br+ 、I+ 等のイオンにアシス
トされる機構でエッチングが高速に進行する。レジスト
マスク6から露出するWSi x は、WFx 、SiFx
よびSiBrx 等を形成して選択的に除去される。側壁
保護膜7の形成機構は、実施例1で前述した機構に準ず
るものであり、レジストマスク6とエッチングガスの反
応生成物であるCIx とCBrx を主な構成成分として
おり、エッチングは異方的に進行する。この第1のエッ
チング工程は図1(b)に示すように多結晶シリコン層
3が露出した時点で終了したが、レジストマスク6から
露出した多結晶シリコン層3上には高融点金属シリサイ
ド層4の残余部4aが散見される場合もある。
【0043】つぎに、高融点金属シリサイド層の残余部
4aと多結晶シリコン層3を、一例として下記エッチン
グ条件に切り替えてエッチングする。 IBr流量 35 sccm SF6 流量 15 sccm ガス圧力 0.67 Pa マイクロ波パワー 850 W(2.45GHz) RFバイアスパワー 150 W(13.56MH
z) 被エッチング基板温度 常温 この混合ガス組成は、第1のエッチング工程に比較する
とIBr流量が増え、SF6 流量が減少している。すな
わちエッチング反応系に寄与するF* の割合が減少し、
* やBr* を主体とするラジカル反応がイオン入射に
アシストされる形でエッチングが進行する。側壁保護膜
7の成分は第1のエッチング工程におけるものと同じで
ある。
【0044】この結果、図2(c)に示すようにポリサ
イドゲート電極がサイドエッチングを生じることなく良
好な異方性形状をもって形成される。また下地のゲート
絶縁膜2に対しても高い選択比が確保され、ダメージを
与えることはなかった。この後、通常のO2 プラズマア
ッシングを行ってレジストマスク6と側壁保護膜7を除
去し、図2(d)に示すポリサイドゲート電極を完成し
た。
【0045】本実施例によれば、エッチング時間の短縮
によるスループットの向上と、高異方性、高選択比、低
ダメージ、低パーティクルの諸特性をいずれも満足する
ゲート電極加工が可能となる。なお、本実施例で用いた
SF6 にかえて、S2 2 を採用し、さらに基板温度を
室温以下に制御すれば、イオウの堆積をも併用したエッ
チングプロセスが可能である。このプロセスでは、側壁
保護膜の強化により、上記効果の一層の徹底が図れる。
【0046】以上、本発明を3種の実施例により説明し
たが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものでは
ない。
【0047】例えば、ヨウ素系ガスとしてIF7 、IC
l、IBrの3例を採り上げたが、課題を解決するため
の手段の項で先述したように、単体I2 やIを含むイン
ターハロゲン化合物、各種ヨウ素系化合物を用いてもよ
い。
【0048】フッ素系ガスとしては実施例で例示したS
6 の他にNF3 、ClF3 、XeF2 等F原子を有す
る汎用F系化合物を使用できる。
【0049】その他、添加ガスとしてHe、Ar等希ガ
スを用いればスパッタリング、冷却、希釈および放電の
安定性等の各効果を期待できる。
【0050】特に、添加ガスとしてN2 を導入すれば、
放電解離条件下でプラズマ中に遊離のイオウを放出しう
るイオウ系化合物やフッ化イオウ系化合物から放出され
るS原子と反応し、ポリチアジル(SN)n なる無機ポ
リマを始めとする窒化イオウ系化合物の堆積を側壁保護
膜として利用できる。このエッチング方法も高選択比、
高異方性ならびに低ダメージ性の実現に優れた方法であ
る。ポリチアジルは、これもイオウとほぼ同様に、被エ
ッチング基板を室温以下に冷却すれば堆積し、また逆に
約150℃以上に加熱すれば昇華し、パーティクル汚染
源となることはない。
【0051】高融点金属シリサイド層は、上述のWSi
x の他にMoSix 、TaSix 、TiSix 等各種シ
リサイド層であってよい。
【0052】高融点金属ポリサイド層の下層としては多
結晶シリコンを用いるのが通常であるが、本出願人が先
に出願した特開昭63−163号公報で開示したよう
に、非晶質シリコンを用いてもよい。非晶質シリコンの
エッチング特性は多結晶シリコンとほぼ同一である。こ
の非晶質シリコンも、MOSFETのゲート電極・配線
として最終的に機能する段階では、注入不純物の活性化
熱処理工程により多結晶シリコンに変化するので、ポリ
サイド構造となる。
【0053】さらに、使用するエッチング装置として基
板バイアス印加型のECRプラズマエッチング装置を採
り上げたが、平行平板型RIE装置、ヘリコン波プラズ
マエッチング装置、ICP(Inductively Coupled Plasm
a)エッチング装置、TCP(Transformer Coupled Plas
ma) エッチング装置等、各種エッチング装置を使用可能
であることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は高融点金属ポリサイド層のエッチングにおいて、ヨウ
素系ガスを採用することにより、CIx やSiIx 等蒸
気圧の小さい強固な反応生成物を側壁保護膜として利用
することが可能となる。このため、ラジカルのサイドア
タックからパターン側面を保護し、サイドエッチングが
防止される他、異方性エッチングに必要な入射イオンエ
ネルギの低減が可能となる。これにより、下地ゲート絶
縁膜との選択比が向上し、ゲート絶縁膜のダメージを低
減できるばかりか、下地スパッタによる再付着の問題も
解決できる。勿論レジストマスクとの選択比も向上する
のでレジストパターン後退等による寸法変換差の低減に
有利である。
【0055】イオウないしポリチアジルの堆積を併用す
ると、側壁保護膜はより強固なものとなり、その分だけ
CIx やSiIx 由来の側壁保護膜の堆積を低減できる
ので、上記効果を確保した上で基板上やエッチングチャ
ンバ内のパーティクル汚染の低減も図ることができる。
【0056】また、ヨウ素系ガスとフッ素系ガスの混合
ガスにより、2段階エッチングを施せば、上記効果を確
保した上でエッチング時間の短縮と、WIx 系反応生成
物によるパーティクルレベルを低減でき、クリーンなプ
ロセスを実現できる。
【0057】またCFC系ガスを一切使用しないので、
脱フロンプロセスが可能となり、環境のクリーン化にも
貢献しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例1および2を、その工
程順に説明する概略断面図であり、(a)は下地ゲート
絶縁膜上に多結晶シリコン層と高融点金属シリサイド層
からなる高融点金属ポリサイド層を形成し、さらにレジ
ストマスクを形成した状態であり、(b)高融点金属ポ
リサイド層をエッチングして高融点金属ポリサイドパタ
ーンを形成した状態、(c)はレジストマスクと側壁保
護膜を除去して高融点金属ポリサイドパターンが完成し
た状態である。
【図2】本発明を適用した実施例3を、その工程順に説
明するための概略断面図であり、(a)は下地ゲート絶
縁膜上に多結晶シリコン層と高融点金属シリサイド層か
らなる高融点金属ポリサイド層を形成し、さらにレジス
トマスクを形成した状態であり、(b)は高融点金属シ
リサイド層をエッチングして多結晶シリコン層が露出し
た状態、(c)は多結晶シリコン層をエッチングして高
融点金属ポリサイドパターンを形成した状態、(d)は
レジストマスクと側壁保護膜を除去して高融点金属ポリ
サイドパターンが完成した状態である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 ゲート絶縁膜 3 多結晶シリコン層 4 高融点金属シリサイド層 4a 高融点金属シリサイド層の残余部 5 高融点金属ポリサイド層 6 レジストマスク 7 側壁保護膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に多結晶シリコン層と高融点金属
    シリサイド層をこの順に積層して形成した高融点金属ポ
    リサイド層のドライエッチング方法において、 ヨウ素系ガスを含むエッチングガスを用いてエッチング
    することを特徴とする、ドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 放電電離条件下でプラズマ中に遊離のイ
    オウを放出しうるイオウ系化合物をエッチングガス中に
    さらに含み、被エッチング基板上にイオウを堆積させな
    がらエッチングすることを特徴とする、請求項1記載の
    ドライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 基板上に多結晶シリコン層と高融点金属
    シリサイド層をこの順に積層して形成した高融点金属ポ
    リサイド層のドライエッチング方法において、 ヨウ素系ガスと、フッ素系ガスを含む混合ガスを用い
    て、前記高融点金属シリサイド層をエッチングする第1
    のエッチング工程と、 該ヨウ素系ガスの混合比を高めた前記混合ガスを用い
    て、前記多結晶シリコン層をエッチングする第2のエッ
    チング工程を有することを特徴とする、ドライエッチン
    グ方法。
  4. 【請求項4】 フッ素系ガスは、放電電離条件下でプラ
    ズマ中に遊離のイオウを放出しうるフッ化イオウ系化合
    物であることを特徴とする、請求項3記載のドライエッ
    チング方法。
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