JPH07335298A - 電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 摺動嵌合する１対のハウジング部材間を電気
的に相互接続する際に特に好適である簡単且つ安価な電
気コネクタを提供すること。 【構成】 電気コネクタ10は絶縁ハウジング20及び複数
のコンタクト30により構成される。絶縁ハウジング20
は、その垂直及び水平嵌合部21、22間に延びる複数の略
Ｌ字状コンタクト受容空洞25を有する。各コンタクト30
は製造中にキャリアストリップとして機能する板状部材
33で連結された直交する垂直及び水平コンタクト部31、
32を有し、夫々絶縁ハウジング20の垂直及び水平嵌合部
21、22内に収められる。この電気コネクタ10は摺動嵌合
する１対のハウジング40、50の嵌合面に配置され、ハウ
ジングの嵌合部に配置されたコネクタ又はコンタクトを
電気的に相互接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電気コネクタ、特に摺動
係合（又は嵌合）する回路モジュールを電気的に相互接
続する電気コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】種々の型式の電気コネクタ
が提案され、広い分野で実用されている。これら電気コ
ネクタはワイヤ間接続用コネクタ、基板間接続用コネク
タ、ワイヤ対基板接続用コネクタ及びＩＣ（集積回路）
等の電子デバイスを基板板（又はサブストレート）に接
続するソケットに分類可能である。

【０００３】電気回路はモジュール化し、用途に応じて
種々異なる組合せにして使用すると便利である。例え
ば、基本回路を第１又は基本ハウジング（又はボック
ス）に収めて基本動作を行なわしめる。１以上の付加回
路モジュールを、この基本ハウジングに電気的に接続し
てその性能又は機能を向上させる。斯る付加回路モジュ
ールは、例えば１個以上のマイクロプロセッサ（ＭＰ
Ｕ）及び関連回路を含むＣＰＵ（中央演算ユニット）で
あってもよい。

【０００４】斯る回路モジュールは好ましくは密閉した
ハウジング（又はボックス）内に収められ且つ用途に応
じて基本ハウジングに摺動的に接続される。残念乍ら、
斯る特定用途に適する電気コネクタは提案されていな
い。

【０００５】従って、本発明の目的は斯る用途に特に好
適な電気コネクタを提供することである。即ち、構成が
簡単であり、ハウジングを嵌合又は抜去する際にコンタ
クトを破損することなく、簡単な摺動動作により確実に
電気的接続が可能な電気コネクタを提供することであ
る。

【０００６】

【課題解決のための手段】上述の目的を達成する為に、
本発明による電気コネクタは複数の略Ｌ字状コンタクト
受容空洞を有するハウジングと、これらコンタクト受容
空洞内に挿入保持される複数のコンタクトとを具える。
各コンタクトは相互接続用板状部材の両端に１対の直交
（即ち水平及び垂直）コンタクト部を有する。

【０００７】この電気コネクタは好ましくはハウジング
内に取付けられ、基本ハウジングに摺動取付け又は嵌合
一体化される。コンタクトの水平コンタクト部は複数の
平行コンタクトを有する基本ハウジングに向けて延び、
両ハウジングが嵌合するとき水平コンタクト部と平行コ
ンタクトとが電気的に接続される。上述した付加回路モ
ジュールは、このハウジング内に収められ、電気コネク
タの垂直コンタクト部に電気的に接続される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の電気コネクタの好適実施例を
添付図を参照して詳述する。

【０００９】図１は本発明の電気コネクタ10の好適実施
例の斜視図である。電気コネクタ10は絶縁ハウジング20
と複数のコンタクト30を具える。

【００１０】絶縁ハウジング20は相互に直交する嵌合
部、即ち垂直嵌合部21及び水平嵌合部22、相互接続部23
及び薄い取付部24を含んでいる。垂直嵌合部21は略矩形
であり、水平嵌合部22には多数のスリット26を有する。

【００１１】図１の電気コネクタ10の底面図である図２
（Ａ）に最もよく示す如く、絶縁ハウジング20は両嵌合
部21、22間に延びる複数の略Ｌ字状コンタクト受容空洞
25を有する。図２（Ｂ）は図２（Ａ）の左側面から見た
電気コネクタ10の部分側面図である。図２（Ｂ）に最も
よく示す如く、各コンタクト受容空洞25には保持（又は
係止）肩27が設けられ、コンタクト受容空洞25内に挿入
されるコンタクト30を保持する。この構成及び作用の詳
細は後述する。

【００１２】図３は、図１の電気コネクタ10に使用され
るコンタクト30の斜視図である。コンタクト30は相互に
直交関係の１対のコンタクト部31、32を有することを特
徴とし、両コンタクト部31、32は板状部材33を介して相
互に連結されている。これら垂直コンタクト部31と水平
コンタクト部32は夫々絶縁ハウジング20の垂直及び水平
嵌合部21、22に位置合せして上述した略Ｌ字状コンタク
ト受容空洞25内に挿入される。この特定実施例にあって
は、両コンタクト部31、32はリセプタクル（雌）型であ
り、夫々略箱（ボックス）状部31a 、32a と１対の接触
アーム31b 、32b とより構成される。

【００１３】図４に最もよく示す如く、コンタクト30は
従来の打抜き折曲げ加工により、１枚の銅合金板から製
造される。即ち、垂直及び水平コンタクト部31、32はキ
ャリアストリップとして作用する相互結合部材33を有す
る１枚の金属板から製造される。このことは、垂直及び
水平コンタクト部31、32が所定ピッチ（間隔）で交互に
形成され、キャリアストリップ33を破線Ａ及びＢで示す
位置で切断して１組のコンタクト30a を別の組のコンタ
クト30b と切離すことを意味する。この方法により、コ
ンタクト30は連続状に形成でき、めっき処理その他の後
処理及び取扱を簡単にする。

【００１４】図２（Ｂ）に最もよく示す如く、各コンタ
クト30は図１の電気コネクタ10の底面から、略Ｌ字状コ
ンタクト受容空洞25内に挿入される。コンタクト30がコ
ンタクト受容空洞25内に挿入されると、キャリアストリ
ップ即ち板状部材33は最初に突起のテーパ面27a に当接
し、板状部材33をその弾性により曲げて摺動し、テーパ
面27a を超すと弾性復帰して係止肩27にラッチされる。
板状部材33は大きな弾性を有するので、上述の如くテー
パ面27a に当接しても撓むので、容易にコンタクト受容
空洞25内に挿入可能である。しかし、コンタクト30がコ
ンタクト受容空洞25内に挿入されると、両リセプタクル
コンタクト部31、32を相互結合する板状部材33は係止肩
27に係合し、これによりコンタクト30を略Ｌ字状コンタ
クト受容空洞25内の所定位置に保持することができる。
尚、板状部材33の弾性により、両端のリセプタクルコン
タクト部31、32は相互に一定範囲で移動可能であり、両
リセプタクルコンタクト部31、32と相手コンタクト間の
アライメントに大きな自由度を有することが理解できよ
う。

【００１５】同様に、図２（Ｂ）に最もよく示す如く、
絶縁ハウジング20の水平嵌合部22はテーパ面28を有し、
水平コンタクト部32と嵌合するブレード（刃状）又は板
状導体又はコンタクト（図示せず）を案内する。斯るブ
レード状導体はコンタクトアーム32b の接点間に摺動挿
入される。

【００１６】図５は本発明による電気コネクタの典型的
な応用例の簡略斜視図を示す。電気コネクタ10は主ハウ
ジング（又は本体）40に摺動的に取付け又は一体化され
る付加又は補助ハウジング50に簡単に取付けられる。こ
の取付構造は周知の構成であるので、ここで詳細説明は
省略するが、例えば図１に示す電気コネクタ10のハウジ
ング20の薄い板状取付部24を挟持するフック状部を付加
ハウジング50の底壁51に形成してもよい。主ハウジング
40は例えば多数のブレード状ヒューズや自動車の各回路
間の配線を相互接続する多数の電気コネクタを含む中央
配電盤（ジャンクションボックス）である。典型的に
は、これら電気コネクタやヒューズのコンタクトを相互
接続する１枚以上のプリント基板（ＰＣＢ）が、この主
ハウジング40内に配置されている。この主ハウジング又
は中央配線盤40は略矩形であって、ハウジング40の両側
面の前端部に案内レール41が設けられ、且つ前端面（付
加ハウジング50との嵌合面）43には複数の並列導体又は
コンタクト42が露出形成されている。

【００１７】付加ハウジング50は底壁51、後壁52及び両
側壁53、54を有するので、前面及び上面は実質的に開放
状態である。係合アーム55、56が両側壁53、54から前方
に延出し、主ハウジング40の両側面に形成された案内レ
ール41に沿って摺動嵌合される。電気コネクタ10は水平
嵌合部22が主ハウジング40の嵌合面43に対向し、垂直嵌
合部21が上向きとなるように付加ハウジング50の底壁51
内面に取付けられる。尚、主ハウジング40と付加ハウジ
ング50間には完全嵌合時に両ハウジング40、50間の嵌合
を固定する従来のラッチ機構（図示せず）が設けられる
のが好ましい。

【００１８】付加ハウジング50は、主ハウジング又は中
央配電盤40と摺動嵌合され、一体ハウジング又はハウジ
ング組立体を構成する。このハウジング組立体は上方に
開口する凹部57を有し、例えばＣＰＵ（中央演算装置）
モジュール60の如き回路モジュールを受けるよう構成さ
れている。図５には図示せずも、回路モジュール60は略
直方体の箱状エンクロージャ内にＭＰＵ及び関連回路を
含んでいる。同様に、このＣＰＵモジュール60の底面に
は、電気コネクタ10の垂直嵌合部21と対応する部分に相
互接続用コネクタが配置され、電気コネクタ10を介して
ＣＰＵモジュール60と中央配電盤40間の電気的接続を行
う。即ち、電気コネクタ10の水平リセプタクルコンタク
ト部32は主ハウジング又は中央配電盤40と付加ハウジン
グ50とが摺動嵌合すると、中央配電盤40のブレード状平
行コンタクト42と接触する。他方、電気コネクタ10の垂
直コンタクト部31は、ＣＰＵモジュール60が付加ハウジ
ング50又はハウジング組立体の凹部57に挿入されたと
き、ＣＰＵモジュール60の上述したコネクタと接続され
る。

【００１９】図５には図示しないが、付加ハウジング50
の両側壁53、54とＣＰＵモジュール62、63の側面62、63
間には例えば弾性金属板等を用いた従来のラッチ機構が
形成され、ＣＰＵモジュール60を取付け又は取外し可能
にする。これにより、ＣＰＵモジュール60は用途に応じ
て中央配電盤40に選択的に接続可能となる。中央配電盤
40は例えば低価格の普及型自動車には、単独でそのまま
使用される。しかし、高級乗用車には付加ハウジング50
を結合してハウジング組立体とし、凹部57にＣＰＵモジ
ュール60を挿入し、エンジン制御、ドアミラーや窓の制
御、各種センサ、インジケータ及び安全装置等の監視制
御を行うことができる。このように、電気コネクタ10を
一体化ハウジング及び／又は回路モジュールと組合せ使
用することにより、コスト上昇を生じることなく、用途
に応じて機能付加を行うことが可能になる。

【００２０】以上、本発明の電気コネクタ及びその有用
な典型応用例を添付図を参照して詳述した。しかし、本
発明は斯る実施例のみに限定されるべきではなく、本発
明の要旨を逸脱することなく特定用途に適合するよう種
々の変形変更が可能であることが当業者には理解できよ
う。例えば、リセプタクルコンタクト部31は箱状部31a
内に単一の片持ち梁状アームを有する従来構造のコンタ
クトであってもよい。或はリセプタクルコンタクト部31
は丸形ピンコンタクトを受ける円筒状であってもよい。
更に、リセプタクルコンタクト部32は図示した実施例の
如き箱状でなく、比較的薄形の又は板状の音叉状コンタ
クトであってもよく、また少なくとも一方のコンタクト
部はリセプタクル型でなくタブ（雄）型コンタクト部で
あってもよい。

【００２１】

【発明の効果】上述した説明から理解される如く、本発
明の電気コネクタは、キャリアストリップで連続的に垂
直及び水平コンタクト部を１枚の金属板から打抜き折曲
げ加工により形成できるので、構成が簡単であり、安価
に製造可能である。また、垂直及び水平コンタクト部は
弾性を有する板状部で連結されているので、絶縁ハウジ
ングの略Ｌ字状コンタクト受容空洞内に容易に押込み保
持できるので、組立作業性に優れており、且つ両コンタ
クト部は相互に移動可能であるので、アライメントの自
由度が大きい。

【００２２】更にまた、本発明の電気コネクタは付加ハ
ウジングに簡単に取付けられ、主ハウジングと摺動嵌合
する比較的大きいハウジング組立体間の電気的接続を簡
単且つ確実に行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による電気コネクタの好適実施例の斜視
図。

【図２】図１の電気コネクタの別の図であり、（Ａ）は
底面図、（Ｂ）は部分側面図。

【図３】図１の電気コネクタに使用される１個のコンタ
クトの実施例の斜視図。

【図４】図３のコンタクトの製造工程を説明する図。

【図５】図１の電気コネクタを使用する電気回路モジュ
ールの簡略斜視図。

【符号の説明】

10 電気コネクタ 20 絶縁ハウジング 25 コンタクト受容空洞 30 コンタクト 31 、32 直交コンタクト部 33 板状部材 40 、50 ハウジング部材 42 平行コンタクト 43 嵌合面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の略Ｌ字状コンタクト受容空洞を有
   する絶縁ハウジングと、 該ハウジングの前記コンタクト受容空洞内に収入される
   複数のコンタクトとを具え、 該各コンタクトは板状部材により連結した直交する１対
   のコンタクト部を有することを特徴とする電気コネク
   タ。
2. 【請求項２】 相互に摺動係合する１対のハウジング部
   材間に配置される電気コネクタにおいて、 該電気コネクタは複数の略Ｌ字状コンタクト受容空洞及
   び該コンタクト受容空洞内に配置され板状部材により相
   互接続された１対の相互に直交するコンタクト部を有す
   る複数のコンタクトを具え、 前記ハウジング部材の一方には前記コンタクトの前記一
   方のコンタクト部に接続される複数の平行コンタクトが
   設けられていることを特徴とする電気コネクタ。