JPH07334652A - 個体認証装置 - Google Patents

個体認証装置

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JPH07334652A
JPH07334652A JP6130316A JP13031694A JPH07334652A JP H07334652 A JPH07334652 A JP H07334652A JP 6130316 A JP6130316 A JP 6130316A JP 13031694 A JP13031694 A JP 13031694A JP H07334652 A JPH07334652 A JP H07334652A
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electrodes
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Kazuhiro Henmi
和弘 逸見
Masayuki Shiratori
昌之 白鳥
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Abstract

(57)【要約】 【目的】信号処理全体に費やす時間を低減できる個体認
証装置を提供すること。 【構成】皮膚の接触により生じる抵抗変化に対応した一
次元の電圧信号分布を形成する認証パターン入力部と、
この認証パターン入力部の出力信号から個体認証を行な
う個体認証部とを備え、上記認証パターン入力部は、線
状接触子電極2からなる皮膚が接触するところの表面形
状センサ4と、この表面形状センサ4に設けられ、アナ
ログスイッチの切り換えにより、各隣接する二つの線状
接触子電極2をその配列方向に沿って順次電気的に接続
するアナログスイッチ回路5と、アナログスイッチの切
り換えの際に生じたスイッチングノイズが実質的にアナ
ログスイッチ回路5の出力に重畳しなくなった時点で、
アナログスイッチ回路5の出力を検出するサンプルホー
ルド回路6とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人や動物等の皮膚の表
面の凹凸パターンを利用して個体認証を行なう個体認証
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報化社会がますます高度化するに伴
い、取り扱う情報量は増加の一途をたどっている。これ
ら情報の多くは対外的に秘密保持をするべきものであ
る。このため、近年、重要な施設の入退室管理等を目的
とした個人認証装置への関心が高まっている。その中で
も個人認証に指紋を利用したものが多く利用されてい
る。
【0003】従来より種々のタイプの指紋を利用した個
人認証装置が提案されているが、最も多いのが個人認証
装置の指紋入力部として、光学的に指紋を二次元の画像
信号として検出するタイプのものである。これ以外に
も、指紋の凹凸に応じた押圧力を二次元の画像信号とし
て検出するタイプのものがいくつか提案されている。
【0004】これに対して、指全体の画像信号から指の
長手方向への一次元の多値射影信号(指紋情報)を構成
し、この一次元の多値射影信号を指の特徴量として取り
出し、これを個人認証用の信号として用いる方法が提案
されている(「指の特徴を用いた個人認証方式」竹田、
内田、平松、松浪、電子情報通信学会技術研究報告:PR
U89-50)。
【0005】この方法によれば、一次元の多値射影信号
を用いているため、二次元の指紋画像信号を用いた場合
に比べて、データ量を削減でき、且つ処理アルゴリズム
を簡素化できる。
【0006】このため、信号処理速度が向上し、認証照
合に必要な時間を短縮できる。また、この方法では、指
紋凸部、すなわち、指隆線の途切れ等の影響も少ないと
いわれている。
【0007】しかしながら、この方法を用いた指紋入力
部の場合でも、指紋入力は前述の光学式あるいは圧力ア
レイセンサ等により指全体の二次元画像信号をいったん
検出し、この二次元画像信号から一次元の多値射影信号
を求めることになる。
【0008】この場合、指全体の画像信号を形成するた
めに多くの情報を必要とし、また、多値射影信号を形成
するための信号処理にも複雑なアルゴリズムを必要とす
るため、信号処理全体に費やす時間が多くなるという問
題があった。
【0009】更に、画像入力装置として光学式のものを
用いた場合には、指全体を一度の動作で画像信号として
入力するため、高価で装置全体が大きくなるという問題
があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、指全体の
画像信号から指の長手方向への一次元の多値射影信号を
構成し、この多値射影信号を指の特徴量として取り出
し、個人認証用の信号として用いる方式の指紋入力部に
あっては、指全体の指紋画像信号を得るために多くの情
報が必要となったり、指紋画像信号から多値射影信号を
求めるための信号処理に複雑なアルゴリズムが必要とな
るため、信号処理全体に費やす時間が多くなるという問
題があった。本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、信号処理全体に費やす
時間を低減できる個体認証装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の個体認証装置(請求項1)は、皮膚の接
触により生じる電気特性の変化に対応して、一次元の電
気信号分布を形成する認証パターン入力部と、この認証
パターン入力部の出力信号から個体認証を行なう個体認
証部とを備え、前記認証パターン入力部が、複数の線状
電極がその長手方向と垂直な方向に一次元的に配列され
てなり、皮膚が接触するところの表面形状センサと、こ
の表面形状センサに設けられ、アナログスイッチの切り
換えにより、各隣接する二つの線状電極を前記線状電極
の配列方向に沿って順次電気的に接続するアナログスイ
ッチ手段と、前記アナログスイッチの切り換えの際に生
じたスイッチングノイズが実質的に前記アナログスイッ
チ手段の出力に重畳しなくなった時点で、前記アナログ
スイッチ手段の出力を検出する検出手段とからなること
を特徴とする。
【0012】また、本発明の他の個体認証装置(請求項
2)は、皮膚の接触により生じる電気特性の変化に対応
して、一次元の電気信号分布を形成する認証パターン入
力部と、この認証パターン入力部の出力信号から個体認
証を行なう個体認証部とを備え、前記認証パターン入力
部が、複数の電極が2次元的に配列されてなり、皮膚が
接触するところの表面形状センサからなることを特徴と
する。
【0013】また、本発明の他の個体認証装置(請求項
3)は、皮膚の接触により生じる電気特性の変化に対応
して、一次元の電気信号分布を形成する認証パターン入
力部と、この認証パターン入力部の出力信号から個体認
証を行なう個体認証部とを備え、前記認証パターン入力
部が、複数の電極が2次元的に配列されてなり、皮膚が
接触するところの表面形状センサと、この表面形状セン
サに設けられ、アナログスイッチの切り換えにより、隣
接する二つの電極を順次電気的に接続するアナログスイ
ッチ手段と、前記アナログスイッチの切り換えの際に生
じたスイッチングノイズが実質的に前記アナログスイッ
チ手段の出力に重畳しなくなった時点で、前記アナログ
スイッチ手段の出力を検出する検出手段とからなること
を特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の個体認証装置(請求項1〜請求項3)
によれば、人や動物等の皮膚の接触によって生じる一次
元の電気信号分布から表面の形状を検出しているので、
従来のように二次元の画像信号から一次元の表面形状情
報を得る場合に比べて、少ない情報量、簡単なアルゴリ
ズムで表面形状情報を生成できる。したがって、信号処
理全体に費やす時間の短縮や装置の小型化が図れる。
【0015】更に、本発明の個体認証装置(請求項1)
によれば、アナログスイッチ手段の出力を単に検出する
のではなく、アナログスイッチの切り換えの際に生じた
スイッチングノイズが実質的にアナログスイッチ手段の
出力に重畳しなくなった時点で、アナログスイッチ手段
の出力を検出しているので、スイッチングノイズに起因
する照合精度の低下を防止できるようになる。
【0016】更に、本発明の個体認証装置(請求項2)
によれば、表面形状センサの電極を二次元的に配列して
いるので、一次元的に配列した場合に比べて、情報量の
多い指紋情報が得られ、より精度の高い照合を行なえる
ようになる。
【0017】更に、本発明の個体認証装置(請求項3)
によれば、アナログスイッチの切り換えの際に生じたス
イッチングノイズが実質的にアナログスイッチ手段の出
力に重畳しなくなった時点で、アナログスイッチ手段の
出力を検出しているので、表面形状センサの電極を二次
元的に配列することにより電極数が多くなっても、この
電極数の増加に伴うスイッチングノイズの増加を効果的
に防止でき、これにより、スイッチングノイズに起因す
る照合精度の低下を防止でき、もって電極を二次元的に
配列することによる効果を十分に発揮できるようにな
る。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1は、本発明の第1の実施例に係る個体認証装置
の構成を示すブロック図である。
【0019】本実施例の個体認証装置は、大きく分け
て、指紋を入力するための指紋入力部31(認証パター
ン入力部)と、この指紋入力部31の出力に基づいて射
影抽出(指紋情報)を求める指紋情報計算部32と、こ
の指紋情報計算部の出力に基づいてフィルタリング処理
や照合計算などを行なう信号処理部33と、この信号処
理部の出力に基づいてシステム制御や特徴登録を行なう
ホスト計算機とで構成されている。ここでは、指紋情報
計算部32、信号処理部33およびホスト計算機34が
個体認証部となる。
【0020】図2は、指紋情報入力部の具体的な構成を
示す模式図である。また、図3は、図2の指紋情報入力
部の等価回路図である。この指紋情報入力部は、表面形
状センサ4と、アナログスイッチ回路5と、サンプルホ
ールド回路6と、バンドパスフィルタ7とから構成され
ている。
【0021】表面形状センサ4は、大きく分けて、基板
3と、この基板3の表面に一次元のアレイ状に設けられ
た複数の線状接触子電極2(線状電極)とからなる。こ
れら線状接触子電極2はアナログスイッチ回路5に接続
され、これにより、隣合う線状接触子電極2の間の指標
面の抵抗を指1の長手方向に順次検出できるようになっ
ている。
【0022】基板3の材料としては、例えば、ガラエポ
等のプリント基板材料、セラミック板、あるいは絶縁被
覆した金属薄板などを用いる。また、線状接触子電極2
の材料としては、例えば、Cu薄膜、Au薄膜、Niメ
ッキ薄膜、Pt薄膜,あるいはPd薄膜等、人体や動物
の皮膚から出る汗等の体液に侵されない導電性材料であ
ることが望ましい。
【0023】線状接触子電極2の間隔は1/10mm程
度とする。また、線状接触子電極2の数、つまり、電極
アレイの長手方向の長さは、通常、指1の先端から第2
関節を完全に含むようにすることが好ましい。
【0024】このように構成された表面形状センサによ
れば、複数の線状接触子電極2からなる電極アレイに、
指紋検出するべき指1が押し付けられると、隣接する線
状接触子電極2で接触する指紋の凸部の量に応じて線状
接触子電極2間の抵抗9が変化する。
【0025】隣接する二つの線状接触子電極2の間に、
図3に示す如く、基準抵抗12と定電圧源11とをアナ
ログスイッチ回路5を介して接続すると、隣接する2つ
の線状接触子電極2の電位差Vi は次式で与えられる。
【0026】Vi =Rref ・Vo /(Rref +Ri ) ここで、Rref は基準抵抗12の抵抗値、Vo は定電圧
源11の電圧値を示している。
【0027】アナログスイッチ回路5のアナログスイッ
チ10をクロックパルスに従って順次切り替えて、この
電位差Vi を指の長手方向に順次読み取り、この電位差
iから算出された抵抗値を時系列にプロットすること
により、指の長手方向への多値射影信号と等価な抵抗値
で表現された指紋情報を得ることができる。
【0028】このように本実施例では、電極アレイに指
を押し付けたときの隣合う線状接触子電極2間の指紋面
の抵抗9を指の長さ方向に順次読取り合成して指紋情報
を得ている。
【0029】すなわち、従来のように、指全体の二次元
の画像信号を形成し、その信号処理により指の長手方向
への一次元の指紋情報(多値射影信号)を構成するので
なく、一次元の抵抗値信号から一次元の指紋情報を構成
している。
【0030】このため、指全体の画像信号を形成する必
要がなくなるので、少ない情報量、簡単なアルゴリズム
で指紋情報を生成でき、信号処理全体に費やす時間の短
縮化が図れる。また、構造や周辺回路を簡素化できるた
め、装置の小型化や軽量化や低コスト化装置の小型化が
図れる。更に、小型で薄型にも実装可能であるため、I
Cカードへの応用も可能である。
【0031】更に、本実施例では、アナログスイッチ回
路5の出力を直接指紋情報計算部32に入力するのでは
なく、サンプルホールド回路6、バンドパスフィルタ7
を介して指紋情報計算部32に入力しているので、ノイ
ズによる照合精度の低下を防止できるようになる。以
下、これについてより詳細に説明する。
【0032】一般に、アナログスイッチ回路の場合、そ
れに接続される回路のCR成分によって、スイッチング
の際にノイズが発生する。特に、個体認証装置の場合、
CR成分のR成分が皮膚抵抗によるものであるので、R
成分は通常の回路に比べて大きいものとなる。したがっ
て、スイッチングの際に発生するCR成分に起因するノ
イズは大きく、このノイズが照合精度に与える悪影響は
無視できないものとなる。
【0033】そこで、本実施例では、スイッチングノイ
ズが発生する瞬間の電位差Vi 、つまり、スイッチング
ノイズの重畳した電位差Vi を検出するのを避けるよう
にしている。換言すれば、スイッチングノイズの悪影響
を無視できる時点の電位差Vi を検出するようにしてい
る。
【0034】例えば、電極アレイに指表面を押し付けら
れた状態において、図4に示すように、クロックパルス
の立ち下がる時刻T1で、隣接する二つの線状接触子電
極間に電流が流れるようにスイッチを閉じると、その瞬
間にスイッチングノイズが発生する。この時点では、上
記2つの線状接触子電極間の電位差Vi は検出しない。
【0035】そして、クロックパルスの立ち上がる時刻
T2で、上記2つの線状接触子電極間の電位差Vi を検
出する。このようなタイミングで2つの線状接触子電極
間の電位差Vi を検出すれば、スイッチングノイズが重
畳した電位差Vi を検出してしまうことを防止できる。
【0036】なお、クロックパルスの周波数は、指表面
の抵抗等を考慮し、T2−T1(ΔT)がスイッチング
ノイズが十分に小さくなるまでの時間よりも小さくなら
いように選ぶ。
【0037】以上述べたことを実現するために、本実施
例では、アナログスイッチ回路5の出力を上記の如きに
クロックパルスと同期したサンプルホールド回路6に入
力している。このようなサンプルホールド回路6を用い
れば、図4の時刻T2におけるスイッチングノイズが重
畳していない電位差Vi をサンプル(検出)できるよう
になる。
【0038】サンプルホールド回路6の具体的な構成と
しては、例えば、図3に示すようなものがある。このサ
ンプルホールド回路6は入力バッファ13と出力バッフ
ァ15とからなるフィードバックタイプのものであり、
サンプリングはサンプルスイッチ18がクロックパルス
に従って所定のタイミングで閉じられることにより行な
われ、そして、ホールドは入力バッファ13の出力がキ
ャパシタ17に電位差Vi に対応した電荷が蓄積される
ことにより行なわれる。なお、参照符号14、17は時
定数等を調整するための抵抗である。
【0039】サンプルホールド回路6の出力はバンドパ
スフィルタ7を介して指紋情報計算部32に入力され
る。このバンドパスフィルタ7は指の太さの違いに起因
する低周波ノイズや余分な高周波成分を除去するための
ものである。
【0040】以上述べたように本実施例によれば、皮膚
の接触により生じる線状接触子電極間の抵抗変化に対応
した一次元の電圧信号分布から表面の形状を検出してい
るので、従来のように二次元の画像信号から一次元の表
面形状情報を得る場合に比べて、少ない情報量、簡単な
アルゴリズムで表面形状情報を生成できる。したがっ
て、信号処理全体に費やす時間の短縮や装置の小型化が
図れる。
【0041】更に、本実施例によれば、アナログスイッ
チ回路5の出力を単に検出するのではなく、アナログス
イッチの切り換えの際に生じたスイッチングノイズが実
質的にアナログスイッチ手段の出力に重畳しなくなった
時点で、アナログスイッチ回路の出力を検出しているの
で、スイッチングノイズに起因する照合精度の低下を防
止できるようになる。
【0042】図5は、本発明の第2の実施例に係る個体
認証装置の表面形状センサの斜視図である。また、図6
は、同表面形状センサに指を接触したときの状態を示す
模式図である。図6(a)は、指の正面(爪)から見た
模式図であり、図6(b)は、指の側面から見た模式図
である。
【0043】図中、23は基板を示しており、この基板
23の表面には複数の微小電極22が等間隔で二次元
(マトリクス状)に配列されている。これら微小電極2
2の両側には2層構造のボンディングパッド24が設け
られている。微小電極22とボンディングパッド24と
は引出し配線(不図示)によって接続されている。
【0044】引出し配線25uは、図7に示すように、
微小電極22間に等間隔に11本形成されている。これ
ら引出し線25uの下部には、図8に示すように、絶縁
層26を介して同様な同パターンの引出し線25dが形
成されている。上層の11本の引出し配線25uはそれ
ぞれ左から1〜11番目の微小電極22に接続され、下
層の10本の引出し配線25dはそれぞれ左から12〜
21番目の微小電極22に接続されている。このような
2層構造の配線パターンは右側にも形成されている。こ
のような構造を採用することにより、微小電極22間の
距離が大きくなることによる精度の低下を防止できるよ
うになる。
【0045】次に本実施例の表面形状センサの形成方法
について図8を参照しながら説明する。基板23として
シリコン基板を用い、この基板23の表面に、第1の絶
縁層としての厚さ約1μmのSiO2 膜27をスパッタ
法により形成する。次にSiO2 膜27上に下層の引出
し配線25dとなる厚さ約100nmのAu膜をスパッ
タ法により形成した後、上記Au膜上にフォトレジスト
を塗布する。
【0046】次にガラスマスクを用いて上記フォトレジ
ストを露光してマスクパターンを形成した後、このマス
クパターンをマスクとして上記Au膜をウエットエッチ
ングすることにより、幅約20μm、配線間距離約20
μmのパターンの下層の引出し配線25dを形成する。
【0047】次に全面に第2の絶縁層としての厚さ約1
μmのSiO2 膜26をスパッタ法により形成した後、
下層の引出し配線25dと同様な方法により上層の引出
し配線25uを形成する。このような方法により、11
本の電極引出し線を上下に各々形成し、左右合わせて合
計44個の微小電極の引出し線を形成する。
【0048】次に全面に第3の絶縁層としての厚さ約1
μmのSiO2 膜28を形成した後、フォトリソグラフ
ィにより微小電極となる領域のSiO2 膜26,28を
エッチング除去する。
【0049】なお、第1の絶縁層であるSiO2 膜27
がエッチングされ、基板表面が露出するのを防止するに
は、第1の絶縁層としてはSiO2 膜を使わず、SiO
2 よりもエッチングされ難い物質からなる絶縁膜を用い
ると良い。
【0050】次に全面に微小電極22となるAu膜をス
パッタ法により形成した後、Au膜の全面をエッチング
することにより、上記SiO2 膜26,28の除去部に
Au膜を選択的に残置して微小電極22を形成する。こ
こで、微小電極22のサイズは100μm×100μm
とし、また、微小電極22間の距離は約420μmと
し、指紋間隔より狭い間隔に形成する。また、複数の微
小電極22からなる電極アレイの幅、長さはそれぞれ約
21mm、約60mmとした。
【0051】なお、基板としては各種セラミック基板を
用いても良く、また、絶縁層としては他の絶縁性を有す
る酸化物を用いても良く、また、電極材料としては白金
等の他の貴金属や、貴金属以外の金属を用いても良い。
【0052】本実施例によれば、以下のようにして指紋
情報が得られる。図9は、電極アレイに指が接触したと
きの状態を示す模式図である。図9において、X−Y座
標のX軸を指の長さ方向、Y軸を指の幅方向に取ってお
り、各微小電極をX−Y座標を用いてE(x,y)で表
記する。また、各微小電極22間の電圧をV(x,y・
y+1)で表記する。例えば、V(1,1・2)は、E
(1,1)とE(1,2)との間の電圧を表している。
【0053】各微小電極22間に一定電圧を印加した状
態で電極アレイに指が接触すると、皮膚の抵抗により各
微小電極22間に抵抗変化が生じる。このとき、まず、
V(1,1・2)、V(1,2・3)、…、V(1,n
−1・n)の電圧を順次検出する。すなわち、第1列
(最も左側の列)の各微小電極22間の電圧をY軸方向
に順次検出し、その結果を第1列の指紋データとする。
この後、同様にして第2列、第3列、…、第m列(最終
列)の指紋データを順次採集し、第1列〜第m列の指紋
データを指紋情報とする。この場合、指紋情報は指の幅
方向についてのものとなる。
【0054】図10に、このようして得られた指紋デー
タからなる指紋情報を示す。指紋の違いにより各微小電
極間の抵抗値が異なるので、微小電極間の電圧のパター
ンを指紋情報として用いることができる。
【0055】なお、第1行の各微小電極間の電圧をX軸
方向に順次検出し、第1行〜第n行(最終行)の指紋デ
ータを指紋情報としても良い。この場合、指紋情報は指
の長さ方向のものとなる。
【0056】また、照合に必要な指紋情報としては、指
の幅方向の指紋情報または指の長さ方向の指紋情報の一
方だけでも良いが、精度向上の観点からは上記2種類の
指紋情報を用いることが望ましい。また、指紋データの
採取方向はX軸、Y軸方向に限定されるものではなく、
対角線方向に指紋データを採取しても良い。
【0057】本実施例によれば、二次元的に配列された
微小電極からなる電極アレイを用いているので、先の実
施例のように一次元的に電極を配列した場合に比べて、
情報量の多い指紋情報が得られ、より精度の高い照合を
行なえるようになる。
【0058】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、第1の記実施例と第2の実施
例とを組合わせても良い。この場合、アナログスイッチ
の切り換えの際に生じたスイッチングノイズが実質的に
アナログスイッチ手段の出力に重畳しなくなった時点
で、アナログスイッチ手段の出力を検出しているので、
表面形状センサの電極を二次元的に配列することにより
電極数が多くなっても、この電極数の増加に伴うスイッ
チングノイズの増加を効果的に防止できる。
【0059】したがって、スイッチングノイズに起因す
る照合精度の低下を防止でき、もって電極を二次元的に
配列することによる効果を十分に発揮できるようにな
る。すなわち、更に精度の高い照合が可能となる。その
他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実
施できる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように本発明(請求項1〜
請求項3)によれば、皮膚の接触によって生じる一次元
の電気信号分布から表面の形状を検出しているので、信
号処理全体に費やす時間の短縮や装置の小型化が図れ
る。
【0061】更に、本発明(請求項1)によれば、アナ
ログスイッチの切り換えの際に生じたスイッチングノイ
ズを悪影響を無くすことができるので、スイッチングノ
イズに起因する照合精度の低下を防止できるようにな
る。
【0062】更に、本発明(請求項2)によれば、表面
形状センサの電極を二次元的に配列しているので、情報
量の多い指紋情報が得られ、精度の高い照合を行なえる
ようになる。
【0063】更に、本発明(請求項3)によれば、アナ
ログスイッチの切り換えの際に生じたスイッチングノイ
ズを悪影響を無くすことができるので、表面形状センサ
の電極を二次元的に配列することによる電極数の増加に
伴うスイッチングノイズの増加を防止でき、もって電極
を二次元的に配列することによる効果を十分に発揮でき
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る個体認証装置の構
成を示すブロック図
【図2】図1の個体認証装置の指紋情報入力部の具体的
な構成を示す模式図
【図3】図2の指紋情報入力部の等価回路図
【図4】スイッチングノイズの除去方法を説明するため
の図
【図5】本発明の第2の実施例に係る個体認証装置の表
面形状センサの斜視図
【図6】図5の表面形状センサに指表面を接触したとき
の状態を示す模式図
【図7】表面形状センサのパターンを示す平面図
【図8】図7の表面形状センサのA−A´断面図
【図9】微小電極アレイに指が接触した状態を示す模式
【図10】指紋情報を示す図
【符号の説明】
1…指、2…線状接触子電極(線状電極)、3…基板、
4…表面形状センサ、5…アナログスイッチ回路(アナ
ログスイッチング手段)、6…サンプルホールド回路
(検出手段)、7…バンドパスフィルタ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/62 460

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮膚の接触により生じる電気特性の変化に
    対応して、一次元の電気信号分布を形成する認証パター
    ン入力部と、 この認証パターン入力部の出力信号から個体認証を行な
    う個体認証部とを具備してなる個体認証装置において、 前記認証パターン入力部は、複数の線状電極がその長手
    方向と垂直な方向に一次元的に配列されてなり、皮膚が
    接触するところの表面形状センサと、この表面形状セン
    サに設けられ、アナログスイッチの切り換えにより、各
    隣接する二つの線状電極を前記線状電極の配列方向に沿
    って順次電気的に接続するアナログスイッチ手段と、前
    記アナログスイッチの切り換えの際に生じたスイッチン
    グノイズが実質的に前記アナログスイッチ手段の出力に
    重畳しなくなった時点で、前記アナログスイッチ手段の
    出力を検出する検出手段とからなることを特徴とする個
    体認証装置。
  2. 【請求項2】皮膚の接触により生じる電気特性の変化に
    対応して、一次元の電気信号分布を形成する認証パター
    ン入力部と、 この認証パターン入力部の出力信号から個体認証を行な
    う個体認証部とを具備してなる個体認証装置において、 前記認証パターン入力部は、複数の電極が2次元的に配
    列されてなり、皮膚が接触するところの表面形状センサ
    からなることを特徴とする個体認証装置。
  3. 【請求項3】皮膚の接触により生じる電気特性の変化に
    対応して、一次元の電気信号分布を形成する認証パター
    ン入力部と、 この認証パターン入力部の出力信号から個体認証を行な
    う個体認証部とを具備してなる個体認証装置において、 前記認証パターン入力部は、複数の電極が2次元的に配
    列されてなり、皮膚が接触するところの表面形状センサ
    と、この表面形状センサに設けられ、アナログスイッチ
    の切り換えにより、隣接する二つの電極を順次電気的に
    接続するアナログスイッチ手段と、前記アナログスイッ
    チの切り換えの際に生じたスイッチングノイズが実質的
    に前記アナログスイッチ手段の出力に重畳しなくなった
    時点で、前記アナログスイッチ手段の出力を検出する検
    出手段とからなることを特徴とする個体認証装置。
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