JPH07333657A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH07333657A
JPH07333657A JP12871294A JP12871294A JPH07333657A JP H07333657 A JPH07333657 A JP H07333657A JP 12871294 A JP12871294 A JP 12871294A JP 12871294 A JP12871294 A JP 12871294A JP H07333657 A JPH07333657 A JP H07333657A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
substrate
display element
parallel
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP12871294A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Mochizuki
昭宏 望月
Masashi Watanabe
真史 渡邉
Tetsuya Makino
哲也 牧野
Hironori Shirato
博紀 白戸
Shigeo Kasahara
滋雄 笠原
Toshiaki Narisawa
俊明 成澤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペーパーホワイトの表示背景を有し、低消費
電力、広視野角、高輝度、かつ大容量表示可能な液晶表
示素子を提供する。 【構成】 所定の間隔で平行配置され、少なくとも一方
の透明基板と他方の基板から構成される一対の平行基板
と、前記一対の平行基板の間に充填されたスメクティッ
ク相の層構造が周期的に捩じれたツイストグレインバウ
ンダリ構造を有する液晶部材とを含む。前記液晶部材
は、動作温度において、ツイストグレインバウンダリ相
を有する液晶部材でもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関する。
液晶表示素子(以下、LCDという)は、薄型、軽量、
低電圧駆動、低消費電力等の優れた特徴を持つため、情
報表示装置、特に携帯型情報表示装置として広く用いら
れている。
【0002】
【従来の技術】近年の技術改良によって、LCDは表示
容量の大容量化、高精細化が進みパソコン、ワープロ等
の表示装置として広く用いられるようになった。LCD
の適用分野の拡大につれて、より高精細化、高コントラ
スト化、広視野角化、表示背景のペーパーホワイト化、
高輝度化、低価格化等が求められるようになった。
【0003】また、携帯型情報表示装置への適用が進む
なかで、LCDには、ますます低消費電力化が要求され
ている。携帯型情報表示装置では、電池駆動が前提とな
るため、消費電力が大きいバックライトを必要とする透
過型LCDの採用は困難である。このため、携帯型情報
表示装置には、バックライトを必要としない反射型LC
Dを用いることが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】反射型LCDとして、
液晶の複屈折効果を利用したものが実用化されている。
しかし、複屈折効果を利用したLCDでは、偏光フィル
ムを用いる必要があるため、ペーパーホワイトの背景を
得ることは不可能である。さらに、偏光フィルムのため
に視野角にも制限が加えられる。また、偏光フィルムが
入射光の50%以上を吸収してしまうため、高輝度表示
は望めない。
【0005】本発明の目的は、ペーパーホワイトの表示
背景を有し、低消費電力、広視野角、高輝度、かつ大容
量表示可能な液晶表示素子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、所定の間隔で平行配置され、少なくとも一方の透明
基板と他方の基板から構成される一対の平行基板と、前
記一対の平行基板の間に充填されたスメクティック相の
層構造が周期的に捩じれたツイストグレインバウンダリ
構造を有する液晶部材とを含む。
【0007】前記液晶部材は、動作温度において、ツイ
ストグレインバウンダリ相を有する液晶部材でもよい。
【0008】
【作用】ツイストグレインバウンダリ構造を有する液晶
は、液晶分子が基板面に対して平行に配列していると
き、可視光の波長程度の長さ毎に屈折率が連続的に変化
するため、可視光を散乱する。また、液晶分子が基板面
に対して垂直に配列しているときは、屈折率の変化が小
さいため可視光は散乱されず透過する。この2つの状態
を電気的に制御することにより、ツイストグレインバウ
ンダリ構造を有する液晶をLCDに適用することができ
る。
【0009】ツイストグレインバウンダリ構造を有する
液晶を使用したLCDは散乱型であるため、偏光フィル
ムを必要としない。このため、広い視野角、ペーパホワ
イトの背景表示を実現することが可能になる。
【0010】ツイストグレインバウンダリ構造を有する
液晶は潜在的に自発分極を有するため、電界との結合が
強い。このため、電気光学応答時間が短いという特徴を
有する。応答時間が短いため、単純マトリクス構造のL
CDに適用した場合の1ラインあたりの走査時間を短縮
することができる。これにより、大容量表示が可能とな
る。また、単純マトリクス構造は、アクティブマトリク
ス構造に比べて開口率を大きくできるため、高輝度の画
面を得ることが可能となる。
【0011】
【実施例】LCDの消費電力を抑えるためには、バック
ライトを必要としない反射型LCDとする必要がある。
また、ペーパーホワイトの背景表示、広視野角、高輝度
表示を可能とするためには、偏光フィルムを使用しない
散乱型の表示とする必要がある。
【0012】これらの条件を満足する表示方式として
は、薄膜トランジスタ(TFT)を使用したアクティブ
マトリクスによる散乱型表示が考えられる。しかし、ア
クティブマトリクスの場合は、TFT形成のための領域
が必要となるため、開口率が低くなり、反射型LCDで
高輝度表示することが困難になる。また、TFTを形成
するため、現状の製造技術では歩留りが低く、製造コス
トが高くなるという問題もある。
【0013】そこで、高い開口率を確保するために単純
マトリクス構成とし、偏光フィルムを使用する必要のな
い光散乱型表示とすることを前提として大容量表示が可
能な表示方式について検討した。単純マトリクス構成で
光散乱表示することができる可能性のある表示方式とし
て、動的散乱表示(DSM)、ポリマ分散型表示(PD
LC)、相転移型表示(NCPT)、ツイストグレイン
バウンダリ(TGB)相液晶を利用した表示が考えられ
る。
【0014】動的散乱表示は、単純マトリクスパネルで
の多重駆動特性が悪く、1000ラインの走査線数を駆
動することは不可能である。ポリマ分散型表示は、多重
駆動特性がさらに悪く現状では10ライン程度しか駆動
できない。
【0015】相転移型表示は、走査線毎に書き込みを行
い、走査が終わるまで液晶の記憶効果で表示状態を持続
させる方法であるため、原理的に走査線数に制限はな
い。しかし、相転移型液晶は累積応答をせず、単発の電
圧パルス波に応答するため、1本の走査線を選択してか
ら液晶が応答するまで次の走査線の処理に移れない。す
なわち、1本の走査線の書き込み時間を液晶の応答時間
以上にする必要がある。このため、1画面を走査する時
間は、走査線の本数に比例して長くなる。
【0016】通常の相転移型液晶では、一走査線の書き
込み時間に約2msを必要とするため、走査線数が10
00本になると一画面の走査時間は約2秒となる。この
ため、リアルタイム対応で1000ライン程度の大容量
表示を行うことは現実的ではない。
【0017】単純マトリクス構成で光散乱表示できる可
能性がある表示方式として、TGB相液晶を利用した方
式のみが残る。TGB相液晶をLCDに応用した例は未
だ報告されていない。以下に、TGB相液晶の散乱型L
CDへの応用の可能性の有無について検討する。
【0018】まず、TGB相液晶について簡単に説明す
る。TGB相液晶は、液晶の相分類としてはスメクティ
ックA相に属するものであるが、通常のスメクティック
A相とは異なり、液晶層がコレステリック相に類似した
連続的な捩じれを持つ点に特徴がある。
【0019】図1(A)、(B)は、それぞれTGB相
液晶及び通常のスメクティックA相液晶の概念図を示
す。図1(B)に示すように、通常のスメクティックA
相液晶では、棒状の液晶分子1が層をなしている。層の
面内では分子の位置に規則性はないが、層面に垂直な方
向では規則性を持っている。また、液晶分子の軸方向
は、巨視的に眺めて層面に対して垂直である。
【0020】これに対し、TGB相液晶では、図1
(A)に示すように液晶層に平行なある方向(図1
(A)では図の左右方向)にらせん回位間距離Lb 毎に
グレインバウンダリ2が存在する。グレインバウンダリ
2を境に液晶分子の長軸の配位方向は互いに少し一定方
向にずれている。図1(A)では、角度2παだけずれ
ている場合を示している。このように、図の左右方向を
らせん軸としてコレステリック相に類似したらせん構造
を形成している。
【0021】このような構造を有するTGB相液晶を散
乱型LCDに適用するためには、バルク状態での液晶の
配向方向に光を散乱する機構がなければならない。TG
B相液晶のらせん構造のピッチ(図1(A)の場合はL
b /α)は液晶の分子構造に依存するが、通常の液晶分
子の場合、このピッチは1μm〜2μm程度である。こ
れは、可視光の波長とほぼ同程度以上である。このた
め、らせん構造のTGB相液晶内では、可視光の波長と
ほぼ同程度の周期で屈折率が変化する。このため、TG
B相液晶に入射した光は散乱を生ずる。
【0022】次に、TGB相液晶をLCDに適用する場
合の初期分子配向について説明する。一般的には、基板
界面近傍の液晶分子がLCDの両基板面に対し平行に配
列している水平配向、基板界面近傍の液晶分子が基板面
に対し垂直に配列している垂直配向、及び液晶分子が一
方の基板面に対し垂直、他方の基板面に対し同一方向で
平行に配列しているハイブリッド配向が用いられる。
【0023】TGB相液晶をLCDに適用したときの液
晶分子の配列は、基板面間の距離(以下、セルギャップ
という)が、TGB相液晶のラセンピッチとほぼ同等
か、やや大きいか、またはより大きいかによって異な
る。また、液晶に電界を加えたときの電気光学応答は、
誘電率異方性が正か負かによって異なる。
【0024】初期分子配向、セルギャップ、誘電率異方
性の各組み合わせについて期待される電気光学応答につ
いて検討した。以下に、検討結果について図2〜図4を
参照して説明する。
【0025】図2は、セルギャップがらせんピッチとほ
ぼ同等の場合の初期分子配向及び光の透過率の変化を示
す。なお、セルギャップがらせんピッチの2倍程度以下
であれば同様の特性を示すと考えられる。図2(A)、
(C)、(E)、(G)は、初期分子配向状態における
LCDの概略断面図、図2(B)、(D)、(F)、
(H)は、印加電圧に対する光の透過率の変化を示す。
図2(A)〜(D)は、初期分子配向が垂直配向、図2
(E)〜(H)は、水平配向の場合を示す。また、図2
(A)、(B)、(E)、(F)は、誘電率異方性Δε
が正、図2(C)、(D)、(G)、(H)は、誘電率
異方性Δεが負の場合を示す。
【0026】図2(A)、(C)、(E)、(G)に示
すように、らせんピッチに比べて基板10a、10b間
のギャップが小さいときは、垂直配向、水平配向のいず
れの場合でも液晶分子層が基板10a、10bに対して
垂直になるように、すなわち、各液晶分子11bが基板
面に平行になるように配列する。これは、基板界面の配
向規制力によって、液晶が自然な状態で示すTGB状態
が変化を受けると考えられるためである。
【0027】図中点線12は、仮想的な液晶層の境界面
を表す。なお、基板10a、10bの極近傍では、各液
晶分子は配向処理の影響を強く受けるため、垂直配向処
理を施した図2(A)、(C)の場合には、基板の極近
傍では液晶分子11aは基板面に対して垂直に配列す
る。また、平行配向処理を施した図2(E)、(G)の
場合には、液晶分子11aは基板面に対して水平に配列
する。
【0028】このように、セルギャップがらせんピッチ
とほぼ同程度の場合には、各液晶分子は基板面に対して
水平に配列し、かつ自由エネルギを最小にするように基
板面に平行な方向に可視光の波長程度の大きさのドメイ
ンが生ずる。このドメインの境界(ドメインバウンダ
リ)で屈折率が不連続に変化するため、入射光が散乱さ
れる。このため、電圧を印加しない状態では、図2
(B)、(D)、(F)、(H)に示すように光の透過
率は低くなる。
【0029】液晶の誘電率異方性が正である場合には、
基板10a、10b間に電圧を印加すると各液晶分子は
基板面に垂直になる方向のトルクを受ける。各液晶分子
が基板面に垂直に配列すると、ドメインバウンダリでの
屈折率の不連続の大きさが小さくなるため、光の散乱効
果が減少する。このため、図2(B)、(F)に示すよ
うに電圧が所定の値を超えると光の透過率が増加する。
【0030】図2(A)、(E)に示すような構造で
は、液晶分子の動きは液晶分子層内で発生するため、分
子配向変化のトルクを阻害する要因が少ない。このた
め、サブミリ秒程度の速い応答が期待できる。
【0031】なお、垂直配向処理を施した場合には水平
配向処理を施した場合に比べて、液晶分子は、より基板
面に垂直に配列しやすい。このため、電圧変化に対する
光の透過率の変化は、図2(B)に示す垂直配向の場合
の方が図2(F)に示す水平配向の場合よりも立ち上が
りが急峻になると考えられる。
【0032】誘電率異方性が負である場合には、垂直配
向、水平配向のいずれの場合も分子配向変化のトルクが
ほとんど働かない。このため、図2(D)、(H)に示
すように電圧を印加しても光の透過率はほとんど変化せ
ず、実用的なLCDの実現は困難であると思われる。
【0033】図3は、セルギャップがらせんピッチに比
べてやや大きい場合の初期分子配向及び光の透過率の変
化を示す。なお、セルギャップがらせんピッチの2〜5
倍程度の範囲であれば同様の特性を示すと考えられる。
図2の場合と同様に、図3(A)〜(D)は、初期分子
配向が垂直配向、図3(E)〜(H)は、水平配向の場
合を示す。また、図3(A)、(B)、(E)、(F)
は、誘電率異方性Δεが正、図3(C)、(D)、
(G)、(H)は、誘電率異方性Δεが負の場合を示
す。図中の符号は、図2の対応する構成部分と同様の符
号を付している。
【0034】図3(A)、(C)に示すように、垂直配
向の場合には、各液晶分子は基板面の影響を受けて基板
面に対して垂直に配列する。すなわち、液晶分子層は基
板面に対して平行となる。従って、誘電率異方性が正の
場合には分子配向変化のトルクはほとんど働かず、図3
(B)に示すように有効な電気光学応答は得られない。
【0035】誘電率異方性が負の場合には、電圧を印加
すると分子配向変化のトルクが働くため、図3(D)に
示すように電気光学応答が得られる。液晶分子層が基板
に平行である場合には、ドメインバウンダリでの屈折率
の不連続変化が極めて小さいため、透過率は高い。
【0036】電圧を印加すると、個々の液晶分子が基板
に平行になるようなトルクを受けてドメインバウンダリ
が歪められる。このため、屈折率の不連続変化が大きく
なり散乱状態となる。このとき、液晶分子の配向変化が
液晶分子層内で起こるため、一般にサブミリ秒程度の応
答速度が期待できる。
【0037】図3(E)、(G)に示すように、水平配
向の場合には、各液晶分子は基板面の影響を受けて基板
面に対して水平に配列する。この場合には、誘電率異方
性が正の場合のみ電気光学応答が得られる。
【0038】図3に示すLCD構造の場合は、セルギャ
ップがらせんピッチよりもやや大きいため、図2に示す
場合に比べて光路長が長くなる。光路長が長くなった分
だけ散乱強度が強くなるため、コントラストが増加す
る。反面、セルギャップが小さい場合と同じ強度の電界
を発生するためには、高い電圧を印加する必要がある。
【0039】また、水平配向の場合、全ての液晶分子が
一方向に向く必要はないため、スーパーツイストネマテ
ィック(STN)方式の場合に必要となるラビング等の
一軸性配向処理は必要ない。
【0040】図4は、セルギャップがらせんピッチに比
べてより大きい場合の初期分子配向及び光の透過率の変
化を示す。なお、セルギャップがらせんピッチよりも5
倍以上大きい場合に同様の特性を示すと考えられる。図
2の場合と同様に、図4(A)〜(D)は、初期分子配
向が垂直配向、図4(E)〜(H)は、水平配向の場合
を示す。また、図4(A)、(B)、(E)、(F)
は、誘電率異方性Δεが正、図4(C)、(D)、
(G)、(H)は、誘電率異方性Δεが負の場合を示
す。図中の符号は、図2の対応する構成部分と同様の符
号を付している。
【0041】図4(A)、(C)、(E)、(G)に示
すように、垂直配向、水平配向にかかわらず、基板10
a、10b間の内部では基板面の配向処理の影響を受け
にくくなるため、TGB相液晶の分子層構造はランダム
になる。なお、各図とも、液晶分子11b一層のみから
なるドメインがランダムに配列しているように記載して
いるが、実際には各ドメインは数百層の液晶層からな
り、その大きさは可視光の波長と同程度である。
【0042】どの場合も、初期配向時にはドメインバウ
ンダリでの屈折率の不連続の大きさが極めて大きくなる
ため、図4(B)、(D)、(F)、(H)に示すよう
に強い散乱を示す。印加電圧の上昇に伴い液晶分子が一
方向に揃い、ドメインバウンダリが歪められ、屈折率の
不連続の大きさが小さくなるため、透過光強度は増加す
る。この現象は、誘電率異方性の正負にかかわりなく発
生する。ただし、電圧を印加したときの透過率は、誘電
率異方性が正の場合の方が大きい。これは、液晶分子が
基板面に対して垂直に配列した場合の方が水平に配列し
た場合よりもドメインバウンダリでの屈折率の不連続の
大きさがより小さくなるなるためである。
【0043】図4に示すLCD構造の場合には、液晶が
バルク状態に近い状態で存在する。バルク状態では、液
晶が自然な形であるドメインバウンダリ構造をとるた
め、外部電界によって液晶の分子配向を変化させようと
した時、各ドメイン間のあつれきが発生する。このあつ
れきが抵抗として機能するため、図2、図3に比べて応
答速度は低下する。
【0044】なお、図4では、基板面の配向処理が共に
垂直配向あるいは共に水平配向の場合を示したが、セル
ギャップがらせんピッチに比べて5倍以上大きい場合に
は、上述のとおり、液晶自体の動作は基板面の配向処理
の影響をほとんど受けない。従って、ガラス基板の一方
を水平配向処理、他方を垂直配向処理としても同様の効
果が期待できる。
【0045】図2〜図4を参照して説明したとおり、T
GB相液晶を使用し、誘電率異方性に対応してセルギャ
ップの大きさ、初期分子配向を適当に選択することによ
り、有効な電気光学応答を得られる可能性があることが
わかる。
【0046】次に、TGB相液晶の電気光学応答の応答
速度について説明する。TGB相液晶は、基本的に常誘
電相のスメクティックA相であるため、印加電圧に対す
る応答は誘電率異方性に基づく。しかし、TGB相液晶
のツイストグレインバウンダリはカイラリティを有する
カイラルスメクティックC相と類似の構造であり、常誘
電相のTGB相においても強誘電相のカイラルスメクテ
ィックC相の特徴である自発分極の潜在的効果を有する
ことが報告されている。
【0047】例えば、J.S.Patelらは、電界印
加時のみ分極を発生するエレクトロクリニック効果(電
傾効果)を示す液晶において、その層構造がツイストグ
レインバウンダリ構造を示し、TGB相であることを報
告している(Liquid Crystals, 13, No.2, pp.313-317,
1993 )。
【0048】すなわち、TGB相は、本来スメクティッ
クA相でありながら潜在的には強誘電相を持つため、外
部印加電界に対する自発分極の応答が可能である。自発
分極と電界との作用は、誘電率異方性と電界との作用に
比べて極めて強いため、一般にサブミリ秒程度の速い応
答が期待できる。
【0049】また、電傾効果による自発分極と電界との
作用により、液晶分子が配向方向を変えると、図2、図
3の有意な電気光学応答が得られない場合にも透過−散
乱状態を実現できる可能性がある。
【0050】図2〜図4を通じて、電気光学応答におけ
る立ち上がりの急峻性(以下、γ特性という)は、一般
に垂直配向の場合が良好となる。特に、図2(A)、
(B)、図4(A)、(B)の場合に急峻なγ特性が得
られる。これは、電界印加によって発生する分子配向変
化が基板面の垂直配向に助けられるためと考えられる。
【0051】次に、TGB相液晶を使用したLCDの構
成例について説明する。図5は、LCDの基本的な構成
例を示す。ガラス基板20a、20bの表面にそれぞれ
ストライプ状の透明電極21a、21bが形成され、透
明電極21a、21bを覆うように全面にそれぞれ配向
膜22a、22bが形成されている。このように準備さ
れた2枚のガラス基板20a、20bが、透明電極形成
面が向かい合い、透明電極21aと21bが互いに直交
するように所定の間隔で対向配置されている。
【0052】ガラス基板20aと20bとの間隙部に
は、TGB相液晶24が充填され、その周囲は接着層2
5で密封されている。ガラス基板20bの背面には、反
射板23が取り付けられている。ストライプ状の透明電
極22aと22bとの交差点が一つの画素を構成する。
透明電極22a、22bに選択的に電圧を印加すること
により、所望の画素に電界を発生することができる。
【0053】TGB相液晶24の透過率が高くなってい
る画素では、ガラス基板20a側から入射した光は、T
GB相液晶24を通って反射板23で反射され、再びT
GB相液晶24を通って外部に出射する。このため、外
部からは反射板23の色が見えることになる。一方、T
GB相液晶24の透過率が低くなっている画素では、光
が透過せず散乱されるため、白濁する。
【0054】図6は、図5の構成例を変形した他の構成
例によるLCDを示す。図5に示すLCDの反射板23
側の透明電極21bの代わりに形状が同一の反射電極2
1cを形成し、反射板23を不要とした。その他の構成
は図5の構成例と同様である。
【0055】図5の構成例により、300dpiを超え
るような高精細LCDを構成すると、視差の問題が大き
くなる。すなわち、ガラス基板20a、20bは図では
小さな厚さを有するかのように示しているが、実際には
液晶層よりもはるかに厚い。従って、ガラス基板20a
に斜め方向から光が入射すると、入射光と反射光は異な
る画素を通過し画素ずれを起こす。図6のように、一方
のストライプ状の電極を反射電極とし電極自体で入射光
を反射することにより画素ずれを発生しにくくすること
ができる。
【0056】図7は、他の構成例によるLCDを示す。
図7のLCDは、図5または図6のTGB相液晶24の
中に黒色系染料を混合したものである。図7は、TGB
相液晶の誘電率異方性が正、セルギャップがらせんピッ
チとほぼ同程度であり、垂直配向処理を施した図2
(A)の場合を示しているが、その他の場合に適用して
もよい。
【0057】図7に示すように、基板面近傍では液晶分
子26aは基板面に対して垂直に配列しており、液晶内
部では、液晶分子26bは基板面に対して平行に配列し
ている。すなわち、液晶分子層は基板面に対して垂直に
なっている。
【0058】液晶分子26bの間に染料分子27がラン
ダムに配置されている。染料分子27の長軸方向は液晶
分子26bの長軸方向に沿っている。液晶分子26bの
配向方向が変化すると、それに伴って染料分子27の長
軸方向も変化する。染料分子27として、長軸方向に光
吸収をもつ二色性染料を用いると、液晶層の透過率が大
きくなった画素がより黒くなるため、白黒のコントラス
トを増加することができる。
【0059】図5〜図7においては、TGB相液晶を反
射型LCDに適用した場合について説明したが、透過型
LCDに適用してもよい。図8は、TGB相液晶を投写
型ディスプレイに透過型LCDとして適用した例を示
す。図8のLCDは、TGB相液晶の誘電率異方性が
正、セルギャップがらせんピッチとほぼ同程度であり、
水平配向処理を施した図2(E)の構成のLCDであ
る。このLCDが、投写型ディスプレイ28に配置され
ている。図2(F)に示すように電界が印加されている
画素では光が透過し、電界が印加されていない画素では
光が散乱される。
【0060】TGB相液晶を用いた場合には、単純マト
リクス構成とすることができるため、開口率が高く、ま
た偏光フィルムを使用する必要がないため、高い透過率
を得ることができる。このため、投写型ディスプレイに
求められる「明るいスクリーン」を実現することができ
る。
【0061】なお、TGB相液晶を使用したLCDは、
偏光器を用いずに形成できるが、偏光器を用いてもよ
い。図9は、TGB相液晶と偏光フィルムを組み合わせ
たLCDの構成例を示す。
【0062】液晶層を挟んで対向配置されたガラス基板
20a、20bの相互に対向する面には、ラビング等に
より一軸性の配向処理が施されている。液晶分子26
a、26bは全て配向処理が行われた一方向に配向す
る。ガラス基板20a、20bの外表面には、それぞれ
偏光フィルム29a、29bが配置されている。例え
ば、TGB相液晶の誘電率異方性は正、セルギャップは
らせんピッチとほぼ同程度であり、図2(E)の構成と
されている。
【0063】セル中の液晶は、上下基板の界面近傍では
ラビング方向に並ぶが、セル中央部では、液晶が自然に
有するドメインバウンダリ構造のため、界面から内部に
行くにつれて図1に示すように液晶の長軸方向の平均の
位置がずれた構造となる。最も光のON/OFF比を高
くするためには、上基板のラビング方向と、上基板に貼
布する偏光フィルムの吸収軸を一致させ、下基板のラビ
ング方向は上基板のラビング方向から45°ずらし、下
基板に貼布する偏光フィルムは、上基板の偏光フィルム
の吸収軸と直交するようにする。
【0064】図5〜図9では、TGB相液晶を単純マト
リクス構造のLCDに適用した場合について説明した
が、TFT等の非線型能動素子で駆動することも可能で
ある。図10は、TFTを使用したアクティブマトリク
ス構造のLCDの概略部分斜視図を示す。2枚のガラス
基板30aと30bが所定の間隔で対向配置されてい
る。ガラス基板30aの対向面には図には示さない透明
電極がほぼ全面に形成されている。ガラス基板30bの
対向面には、走査用配線32が図の横方向に延在してス
トライプ状に形成され、書込用配線33が走査用配線3
2に直交するようにストライプ状に形成されている。
【0065】走査用配線32と書込用配線33との各交
差点近傍には、それぞれTFT34が形成されている。
TFT34のゲート電極は走査用配線32に、ソース電
極34は書込用配線33に接続されている。各TFT3
4のドレイン電極には、ガラス基板30b上にTFT毎
に形成された画素電極31が接続されている。このよう
に、一つのTFT34と一つの画素電極31により、一
つの画素が形成されている。ガラス基板30aと30b
との間には、TGB相液晶35が充填されている。
【0066】走査用配線32の任意の1本を選択して所
定の電圧を印加することにより、選択された走査用配線
32に接続されているTFT34がオン状態になる。書
込用配線33に、画像に対応した所定の電圧を印加する
ことにより、選択された走査用配線に対応する画素電極
31とガラス基板30aに形成された透明電極との間に
電界が発生する。このようにして、所望の画素に選択的
に電界を発生することができる。
【0067】特に、TFTを使用したアクティブマトリ
クス構造にすれば、エレクトロクリニック現象を利用し
て数マイクロ秒〜サブマイクロ秒程度の超高速応答が期
待できる。また、電圧変化に対する透過率変化の緩慢な
特性を利用してアナログ階調表示をすることも可能にな
る。
【0068】次に、図2〜図4に示す構成例のうち電気
光学効果が期待できる構成について実際にLCDを作製
し、電気光学応答特性を測定した結果について説明す
る。以下、図2(G)に示す構成例に関する実施例につ
いて説明する。LCDの構造は、図5に示すLCDから
反射板23を除いたものと同様のものである。
【0069】厚さ0.7mm、大きさ50×60mm2
のソーダライムガラス基板の一方の表面に1mmピッ
チ、36ラインのストライプ状にパターニングされた透
明導電膜を形成する。このガラス基板を、弱アルカリ性
洗浄剤で超音波洗浄し、純水でリンス洗浄した後、ポリ
イミド配向膜を厚さ約70nm形成しラビングする。
【0070】このように透明導電膜及び配向膜を形成し
たガラス基板を2枚準備し、一方のガラス基板の配向膜
形成面上に平均粒径2.6μmのシリカボールをスペー
サとして分散した後、もう一方のガラス基板を配向膜形
成面同士が向き合うように合わせる。ガラス基板周囲を
エポキシ系接着剤で封止し、空パネルを作成する。この
とき、ストライプ状の透明導電膜は2枚の基板で互いに
直交しラビング方向は互いに反平行になるようにする。
この空パネルに、分子構造が、
【0071】
【化3】
【0072】のTGB相液晶を封入する。ここで、nは
10〜16の整数を表す。このTGB相液晶のらせんピ
ッチは約2μm、誘電率異方性は負である。TGB相を
示す液晶は、温度によりTGB相、スメクティックA
相、カイラルスメクティックC相を示す。例えば、上記
TGB相液晶は約90℃近傍でTGB相を示す。
【0073】図11は、このように作製したLCDを9
0℃に保ち、TGB相とし、1kHz矩形波電圧を印加
して測定した電圧に対する透過率特性を示す。横軸は、
基板間の電圧を単位Vで表し、縦軸は透過状態の透過率
を100%としたときの透過率を単位%で表す。
【0074】誘電率異方性のみを考慮した場合は、図2
(G)に示すように、ほとんど電気光学応答を示さな
い。しかし、図11に示す場合には、電傾効果による自
発分極により液晶分子が配向方向を変えるため、透過−
散乱状態が実現される。
【0075】電圧が12V以下では透過率は低く、電圧
を上昇すると約13Vで急激に立ち上がる。このグラフ
からγ特性を算出したところ、約700本の走査線の走
査が可能であることがわかった。ここで、γ特性は透過
状態の透過率を100%とし、透過率が10%、90%
となるときの電圧をそれぞれV10、V90としたとき、V
90/(V90−V10)で表される。0Vから15Vのステ
ップ電圧を印加した時の、透過率の10%から90%ま
での立ち上がり時間は約280μsであった。また、使
用したガラス基板を2枚重ねた場合の透過率を100%
としたときの透明状態の透過率は約78%であった。電
圧−透過率曲線のヒステリシス現象はなかった。
【0076】図12は、図3(C)に示す構成例に関す
る実施例による透過率特性を示す。図11の実施例と同
様のガラス基板に、長鎖アルキル基を有するシランカッ
プリング剤で垂直配向処理を施した。スペーサとして
は、平均粒径4.5μmのシリカボールを使用した。そ
の他の構成は、図11の実施例と同様である。
【0077】透過率は、約20Vで急激に立ち上がる。
このグラフからγ特性を算出したところ、約800本の
走査線の走査が可能であることがわかった。0Vから2
5Vのステップ電圧を印加した時の、透過率の立ち上が
り時間は約350μsであった。また、使用したガラス
基板を2枚重ねた場合の透過率を100%としたときの
透明状態の透過率は約80%であった。電圧−透過率曲
線のヒステリシス現象はなかった。
【0078】図13は、図4(C)に示す構成例に関す
る実施例による透過率特性を示す。図12の実施例と同
様にガラス基板に垂直配向処理を施した。スペーサとし
ては、平均直径15μmのグラスファイバを粉砕したも
のを使用した。その他の構成は、図11の実施例と同様
である。
【0079】透過率は、約27Vで急激に立ち上がる。
このグラフからγ特性を算出したところ、約600本の
走査線の走査が可能であることがわかった。0Vから4
0Vのステップ電圧を印加した時の、透過率の立ち上が
り時間は約550μsであった。また、使用したガラス
基板を2枚重ねた場合の透過率を100%としたときの
透明状態の透過率は約75%であった。電圧−透過率曲
線のヒステリシス現象はなかった。
【0080】図11〜図13の実施例による電気光学応
答特性を従来のLCDと比較するために、NCPT液晶
を使用した場合の電気光学応答特性を測定した。図14
は、NCPT液晶を使用した場合の透過率特性を示す。
図12の実施例と同様にガラス基板に垂直配向処理を施
した。スペーサとしては、平均粒径6.5μmのシリカ
ボールを使用した。液晶材料としては、ロッシュ社のネ
マティック混合液晶Nr.2801を85wt%、メル
ク社(Merck Ltd.)のカイラルネマティック
液晶CB−15を15wt%混合した相転移型液晶を使
用した。
【0081】作製したLCDを25℃に保ち、その他は
図11〜図13と同様の条件で透過率を測定した。図1
4の電圧透過率曲線からγ特性を算出したところ、約1
50本の走査線の走査が可能であることがわかった。0
Vから40Vのステップ電圧を印加した時の、透過率の
立ち上がり時間は約12.5msであった。また、使用
したガラス基板を2枚重ねた場合の透過率を100%と
したときの透明状態の透過率は約70%であった。
【0082】図11〜図14の測定結果から、TGB相
液晶を使用することにより、良好なγ特性が得られ、単
純マトリクス構成でも大容量表示が可能になることがわ
かる。散乱状態から透明状態への応答時間も著しく短縮
されることがわかる。また、透明状態での透過率も従来
のNCPT液晶と同等かそれ以上の透過率を得ることが
可能になる。
【0083】また、液晶材料として、分子構造が、
【0084】
【化4】
【0085】の液晶材料を使用してもよい。ここで、X
は水素原子またはフッ素原子、nは10〜18の整数を
表す。上記実施例では、TGB相液晶を使用した場合に
ついて説明したが、ツイストグレインバウンダリ構造を
示すものであれば、他のスメクティック相液晶を使用し
ても同様の効果が期待できる。
【0086】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
散乱型LCDにおいて、単純マトリクス構成の大容量表
示が可能になる。このため、ペーパーホワイトの表示背
景を有し、広視野角、高輝度の液晶表示素子を提供する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TGB相液晶とスメクティックA相液晶の概略
斜視図である。
【図2】TGB相液晶を使用し、セルギャップがらせん
ピッチよりも小さい場合のLCDの概略断面図と、電圧
に対する透過率の変化を示すグラフである。
【図3】TGB相液晶を使用し、セルギャップがらせん
ピッチよりもやや大きい場合のLCDの概略断面図と、
電圧に対する透過率の変化を示すグラフである。
【図4】TGB相液晶を使用し、セルギャップがらせん
ピッチよりも大きい場合のLCDの概略断面図と、電圧
に対する透過率の変化を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例の基本的構成例によるLCDの
断面図である。
【図6】本発明の実施例の他の構成例によるLCDの断
面図である。
【図7】本発明の実施例の他の構成例によるLCDの断
面図である。
【図8】本発明の実施例のLCDを投写型ディスプレイ
に適用した場合の投写型ディスプレイ装置の断面図であ
る。
【図9】本発明の実施例の偏光フィルムを用いた構成例
によるLCDの断面図である。
【図10】アクティブマトリクスLCDの概略斜視図で
ある。
【図11】本発明の実施例による、セルギャップがらせ
んピッチよりも小さい場合のLCDの電圧に対する透過
率の変化を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例による、セルギャップがらせ
んピッチよりもやや大きい場合のLCDの電圧に対する
透過率の変化を示すグラフである。
【図13】本発明の実施例による、セルギャップがらせ
んピッチよりも大きい場合のLCDの電圧に対する透過
率の変化を示すグラフである。
【図14】従来のNCPT液晶を使用したLCDの電圧
に対する透過率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 液晶分子 2 グレインバウンダリ 10a、10b ガラス基板 11a、11b 液晶分子 12 液晶層の境界面 20a、20b ガラス基板 21a、21b 透明電極 21c 反射電極 22a、22b 配向膜 23 反射板 24 TGB相液晶 25 接着層 26a、26b 液晶分子 27 染料分子 28 投写型ディスプレイ 29a、29b 偏光フィルム 30a、30b ガラス基板 31 画素電極 32 走査用配線 33 書込用配線 34 TFT 35 TGB相液晶
フロントページの続き (72)発明者 白戸 博紀 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 笠原 滋雄 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 成澤 俊明 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔で平行配置され、一方の透明
    基板と他方の基板から構成される一対の平行基板と、 前記一対の平行基板の間に充填されたスメクティック相
    の層構造が周期的に捩じれたツイストグレインバウンダ
    リ構造を有する液晶部材とを含む液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記液晶部材は、動作温度において、ツ
    イストグレインバウンダリ相である請求項1記載の液晶
    表示素子。
  3. 【請求項3】 前記所定の間隔は、前記液晶部材のツイ
    ストグレインバウンダリ相のバルク状態でのらせんピッ
    チとほぼ等しいかそれ以上、かつ該らせんピッチの2倍
    以下である請求項2記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記液晶部材の誘電率異方性は正であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面には、液晶分
    子が該基板面に対して垂直に配向するように配向処理が
    施されている請求項3記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶部材の誘電率異方性は正であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面には、液晶分
    子が該基板面に対して平行に配向するように配向処理が
    施されている請求項3記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記所定の間隔は、前記液晶部材のツイ
    ストグレインバウンダリ相のバルク状態でのらせんピッ
    チの2倍以上5倍未満である請求項2記載の液晶表示素
    子。
  7. 【請求項7】 前記液晶部材の誘電率異方性は正であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面には、液晶分
    子が該基板面に対して平行に配向するように配向処理が
    施されている請求項6記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 前記液晶部材の誘電率異方性は負であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面には、液晶分
    子が該基板面に対して垂直に配向するように配向処理が
    施されている請求項6記載の液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 前記所定の間隔は、前記液晶部材のツイ
    ストグレインバウンダリ相のバルク状態でのらせんピッ
    チの5倍以上である請求項2記載の液晶表示素子。
  10. 【請求項10】 前記液晶部材の誘電率異方性は正であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面には、液晶分
    子が該基板面に対して垂直に配向するように配向処理が
    施されている請求項9記載の液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 前記液晶部材の誘電率異方性は正であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面には、液晶分
    子が該基板面に対して平行に配向するように配向処理が
    施されている請求項9記載の液晶表示素子。
  12. 【請求項12】 前記液晶部材の誘電率異方性は正であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面の一方には、
    液晶分子が該基板面に対して平行に配向するように配向
    処理が施されており、他方には液晶分子が該基板面に対
    して垂直に配向するように配向処理が施されている請求
    項9記載の液晶表示素子。
  13. 【請求項13】 前記液晶部材の誘電率異方性は負であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面には、液晶分
    子が該基板面に対して垂直に配向するように配向処理が
    施されている請求項9記載の液晶表示素子。
  14. 【請求項14】 前記液晶部材の誘電率異方性は負であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面には、液晶分
    子が該基板面に対して平行に配向するように配向処理が
    施されている請求項9記載の液晶表示素子。
  15. 【請求項15】 前記液晶部材の誘電率異方性は負であ
    り、前記平行基板の相互に対向する基板面の一方には、
    液晶分子が該基板面に対して平行に配向するように配向
    処理が施されており、他方には液晶分子が該基板面に対
    して垂直に配向するように配向処理が施されている請求
    項9記載の液晶表示素子。
  16. 【請求項16】 前記平行基板のうち前記他方の基板の
    前記透明基板に対向する基板面には、可視光を反射する
    ストライプ状の電極が形成されている請求項1〜15の
    いずれかに記載の液晶表示素子。
  17. 【請求項17】 前記液晶部材の中に二色性染料分子が
    混入されている請求項1〜16のいずれかに記載の液晶
    表示素子。
  18. 【請求項18】 前記平行基板のうち前記他方の基板の
    前記透明基板に対向する基板面には、多数の薄膜トラン
    ジスタが形成されている請求項1〜15のいずれかに記
    載の液晶表示素子。
  19. 【請求項19】 前記平行基板のうち前記他方の基板は
    透明である請求項1〜15のいずれかに記載の液晶表示
    素子。
  20. 【請求項20】 さらに、前記平行基板の外側の基板面
    にそれぞれ設けられた可視光を偏光するための偏光部材
    を含む請求項19記載の液晶表示素子。
  21. 【請求項21】 前記液晶部材は、動作温度でスメクテ
    ィックA相、カイラルスメクティックC相、及びカイラ
    ルスメクティックA相からなる群のうちの一つの相を有
    する請求項1記載の液晶表示素子。
  22. 【請求項22】 前記液晶部材の分子構造は、nを10
    〜16の整数としたとき、 【化1】 で表される請求項1〜21のいずれかに記載の液晶表示
    素子。
  23. 【請求項23】 前記液晶部材の分子構造は、水素原子
    またはフッ素原子をXで表し、nを10〜18の整数と
    したとき、 【化2】 で表される請求項1〜21のいずれかに記載の液晶表示
    素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105567256A (zh) * 2016-02-03 2016-05-11 京东方科技集团股份有限公司 一种液晶组合物、聚合物分散液晶、显示面板及制备方法
WO2016194764A1 (ja) * 2015-06-03 2016-12-08 Dic株式会社 異方性散乱フィルム

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