JPH07333001A - 非線形補正方法 - Google Patents
非線形補正方法Info
- Publication number
- JPH07333001A JPH07333001A JP6151772A JP15177294A JPH07333001A JP H07333001 A JPH07333001 A JP H07333001A JP 6151772 A JP6151772 A JP 6151772A JP 15177294 A JP15177294 A JP 15177294A JP H07333001 A JPH07333001 A JP H07333001A
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- Japan
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- Indication And Recording Devices For Special Purposes And Tariff Metering Devices (AREA)
- Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)
- Details Of Measuring And Other Instruments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 規則正しく配列した原子もしくは分子によっ
て形成されるモアレパターンを用いて求めたひずみ量に
より圧電素子の非線形性を補正する。 【効果】 特別な基準材料の作製を必要とせず、微小領
域での走査プローブ顕微鏡観察や画像処理、微細加工の
精度を大幅に向上させることが可能となる。
て形成されるモアレパターンを用いて求めたひずみ量に
より圧電素子の非線形性を補正する。 【効果】 特別な基準材料の作製を必要とせず、微小領
域での走査プローブ顕微鏡観察や画像処理、微細加工の
精度を大幅に向上させることが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧電素子の非線形性
補正方法に関するものである。さらに詳しくは、この発
明は、走査トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡等の走査プ
ローブ顕微鏡観察、それによる微細加工、画像処理等に
特に有用なピエゾスキャナ等の圧電素子の非線形性補正
方法に関するものである。
補正方法に関するものである。さらに詳しくは、この発
明は、走査トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡等の走査プ
ローブ顕微鏡観察、それによる微細加工、画像処理等に
特に有用なピエゾスキャナ等の圧電素子の非線形性補正
方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】走査トンネル顕微鏡や原子間力
顕微鏡等の走査プローブ顕微鏡のスキャナとしてピエゾ
素子が用いられている。このピエゾ素子等の圧電素子
は、本質的に電圧に対する変形が非線形であるので、精
度の良い画像を得るためには、個々に補正を必要とす
る。
顕微鏡等の走査プローブ顕微鏡のスキャナとしてピエゾ
素子が用いられている。このピエゾ素子等の圧電素子
は、本質的に電圧に対する変形が非線形であるので、精
度の良い画像を得るためには、個々に補正を必要とす
る。
【0003】このため、従来では、ピエゾスキャナ等の
非線形性を補正するために基準材料が用いられてきた。
主に幅1μmのグレーティングを用いて補正曲線を求
め、微小領域に適応している。しかしながら、50nm
〜500nmの範囲においては、その補正を行うための
基準材料を作製することが現在のところ困難であるとい
う問題がある。このため、この範囲の補正を行うため、
基準材料を用いない全く新しい補正方法の開発が待たれ
ていた。
非線形性を補正するために基準材料が用いられてきた。
主に幅1μmのグレーティングを用いて補正曲線を求
め、微小領域に適応している。しかしながら、50nm
〜500nmの範囲においては、その補正を行うための
基準材料を作製することが現在のところ困難であるとい
う問題がある。このため、この範囲の補正を行うため、
基準材料を用いない全く新しい補正方法の開発が待たれ
ていた。
【0004】この発明は、以上の通りの従来技術の欠点
を解消し、100nm程度の領域の非線形性補正を実現
することが可能なピエゾスキャナ等の圧電素子の非線形
性補正方法を提供することを目的としている。
を解消し、100nm程度の領域の非線形性補正を実現
することが可能なピエゾスキャナ等の圧電素子の非線形
性補正方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、規則正しく配列した原子もしく
は分子によって形成されるモアレパターンのモアレ縞間
隔とデータ取り込み間隔との関係からひずみ量を求め、
非線形性を補正するピエゾスキャナ等の圧電素子の非線
形性補正方法を提供する。
を解決するものとして、規則正しく配列した原子もしく
は分子によって形成されるモアレパターンのモアレ縞間
隔とデータ取り込み間隔との関係からひずみ量を求め、
非線形性を補正するピエゾスキャナ等の圧電素子の非線
形性補正方法を提供する。
【0006】
【作用】すなわち、この発明では、50nm〜1μmの
領域のピエゾスキャナ等の圧電素子の非線形性の補正を
原子、もしくは分子の配列の規則性とデータ取り込み間
隔の規則性によって生じるモアレ現象を利用して精度よ
く行い、走査トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡等のよう
なピエゾスキャナ等を利用して画像を取得する装置の精
度を上げるものである。通常モアレ現象には、2種類の
現象が観察できる。ひとつは、データの取り込み間隔が
分子の間隔より小さい場合、もうひとつは、データの取
り込み間隔が分子の間隔より大きい場合である。前者を
正モアレ、後者を負モアレと呼ぶとすると、モアレ縞間
隔δとデータの取り込み間隔Pcとの関係は、式(1)
および(2)で表される。
領域のピエゾスキャナ等の圧電素子の非線形性の補正を
原子、もしくは分子の配列の規則性とデータ取り込み間
隔の規則性によって生じるモアレ現象を利用して精度よ
く行い、走査トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡等のよう
なピエゾスキャナ等を利用して画像を取得する装置の精
度を上げるものである。通常モアレ現象には、2種類の
現象が観察できる。ひとつは、データの取り込み間隔が
分子の間隔より小さい場合、もうひとつは、データの取
り込み間隔が分子の間隔より大きい場合である。前者を
正モアレ、後者を負モアレと呼ぶとすると、モアレ縞間
隔δとデータの取り込み間隔Pcとの関係は、式(1)
および(2)で表される。
【0007】 正モアレ 1/δ=1/Pc−1/(1+ε)Pf (1) 負モアレ 1/δ=1/(1+ε)Pf−1/Pc (2) ここで、εはひずみ、Pfは分子の間隔である。そこ
で、この発明では、上記の式(1)(2)のいずれかに
よってひずみ量(ε)を求め、これによって、ピエゾ素
子等の圧電素子の非線形性を補正する。
で、この発明では、上記の式(1)(2)のいずれかに
よってひずみ量(ε)を求め、これによって、ピエゾ素
子等の圧電素子の非線形性を補正する。
【0008】このようにして、規則正しく配列している
原子、分子のモアレ現象を用いることによって、従来技
術よりはるかに精度のよい撮像観察と、その画像処理、
さらには微細加工への応用が可能となる。以下、実施例
を示し、さらに詳しくこの発明を説明する。
原子、分子のモアレ現象を用いることによって、従来技
術よりはるかに精度のよい撮像観察と、その画像処理、
さらには微細加工への応用が可能となる。以下、実施例
を示し、さらに詳しくこの発明を説明する。
【0009】
【実施例】試料材料としてマイカ(15×15×0.5
mm)を用いた。試験は、23℃の大気中で、走査範囲
10nmから200nm、走査速度2μm/s、探針の
押しつけ圧2nN、取り込みデータ数256×256点
の条件で行った。まず、マイカの分子像を走査範囲16
nmで観察し、水平方向の分子の間隔が約0.55nm
であることがわかった。モアレ模様は、一般的にデータ
の取り込み間隔が分子の間隔にほぼ等しくなったとき、
すなわち、0.55×256=140.8nm近傍で現
れる。図1は、走査範囲130nmにおけるマイカの表
面のフィルターなしのAFM像である。分子によってで
きたモアレ模様がはっきりと観察される。
mm)を用いた。試験は、23℃の大気中で、走査範囲
10nmから200nm、走査速度2μm/s、探針の
押しつけ圧2nN、取り込みデータ数256×256点
の条件で行った。まず、マイカの分子像を走査範囲16
nmで観察し、水平方向の分子の間隔が約0.55nm
であることがわかった。モアレ模様は、一般的にデータ
の取り込み間隔が分子の間隔にほぼ等しくなったとき、
すなわち、0.55×256=140.8nm近傍で現
れる。図1は、走査範囲130nmにおけるマイカの表
面のフィルターなしのAFM像である。分子によってで
きたモアレ模様がはっきりと観察される。
【0010】図2は、AFM観察によるモアレ縞間隔と
データ取り込み間隔の関係を示したものである。ここ
で、モアレ縞間隔は、中央部のデータ100ビクセルの
平均によってもとめている。この点は、必要な部位につ
いて適宜に選択される。図2中の破線は、式(1)、
(2)で表される理論曲線である。図2から明白なよう
にモアレ縞間隔が理論に従うことがわかる。図1で示し
たモアレ縞の間隔は、もしピエゾアクチュエータが電圧
に対して直線的に変化するなら、等間隔であるはずであ
る。水平方向のモアレ縞間隔の変化はピエゾスキャナの
非線形性によるものである。そこで式(1)を用いてピ
エゾアクチュエータの線形性からのずれを図3に求め
た。従来の方法で求めた補正曲線も同時に示す。この図
3から、4%以上も精度が異なることがわかる。
データ取り込み間隔の関係を示したものである。ここ
で、モアレ縞間隔は、中央部のデータ100ビクセルの
平均によってもとめている。この点は、必要な部位につ
いて適宜に選択される。図2中の破線は、式(1)、
(2)で表される理論曲線である。図2から明白なよう
にモアレ縞間隔が理論に従うことがわかる。図1で示し
たモアレ縞の間隔は、もしピエゾアクチュエータが電圧
に対して直線的に変化するなら、等間隔であるはずであ
る。水平方向のモアレ縞間隔の変化はピエゾスキャナの
非線形性によるものである。そこで式(1)を用いてピ
エゾアクチュエータの線形性からのずれを図3に求め
た。従来の方法で求めた補正曲線も同時に示す。この図
3から、4%以上も精度が異なることがわかる。
【0011】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、特別な基準材料の作製を必要とせず、微小領域で
の走査プローブ顕微鏡観察やそれによる画像処理、さら
にはそれに基づく微細加工の精度を大幅に向上させるこ
とが可能となる。
って、特別な基準材料の作製を必要とせず、微小領域で
の走査プローブ顕微鏡観察やそれによる画像処理、さら
にはそれに基づく微細加工の精度を大幅に向上させるこ
とが可能となる。
【図1】マイカの分子によってモアレ模様が生じたAF
M像である。
M像である。
【図2】モアレ間隔(中央部)とデータ取り込み間隔の
関係を示す関係図である。
関係を示す関係図である。
【図3】ピエゾスキャナの線形性からのずれを示す関係
図である。
図である。
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 非線形補正方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】マイカの分子によってモアレ模様が生じたAF
Mによる図面に代わる顕微鏡写真である。
Mによる図面に代わる顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01B 21/30 Z
Claims (2)
- 【請求項1】 規則正しく配列した原子もしくは分子に
よって形成されるモアレパターンのモアレ縞間隔とデー
タ取り込み間隔との関係からひずみ量を求め、非線形性
を補正することを特徴とする圧電素子の非線形性補正方
法。 - 【請求項2】 データ取り込み間隔Pcが原子もしくは
分子の間隔Pfより小さい場合には、次式(1) 1/δ=1/Pc−1/(1+ε)Pf (1) (δはモアレ縞間隔、εはひずみ量を示す)によって、
また、データ取り込み間隔Pcが原子もしくは分子の間
隔Pfより大きい場合には、次式(2) 1/δ=1/(1+ε)Pf−1/Pc (2) によってひずみ量を求める請求項1の非線形性補正方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6151772A JP2535787B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 非線形補正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6151772A JP2535787B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 非線形補正方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07333001A true JPH07333001A (ja) | 1995-12-22 |
JP2535787B2 JP2535787B2 (ja) | 1996-09-18 |
Family
ID=15525963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6151772A Expired - Lifetime JP2535787B2 (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 非線形補正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2535787B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008302652A (ja) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Seiko Epson Corp | 圧電素子の特性情報付与方法、及び、液体噴射装置 |
CN101819217A (zh) * | 2010-04-27 | 2010-09-01 | 清华大学 | 一种微纳米尺度平面周期性结构的反演方法 |
-
1994
- 1994-06-10 JP JP6151772A patent/JP2535787B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008302652A (ja) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Seiko Epson Corp | 圧電素子の特性情報付与方法、及び、液体噴射装置 |
CN101819217A (zh) * | 2010-04-27 | 2010-09-01 | 清华大学 | 一种微纳米尺度平面周期性结构的反演方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2535787B2 (ja) | 1996-09-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |