JPH0733289B2 - 高靭性窒化珪素焼結体 - Google Patents

高靭性窒化珪素焼結体

Info

Publication number
JPH0733289B2
JPH0733289B2 JP61267286A JP26728686A JPH0733289B2 JP H0733289 B2 JPH0733289 B2 JP H0733289B2 JP 61267286 A JP61267286 A JP 61267286A JP 26728686 A JP26728686 A JP 26728686A JP H0733289 B2 JPH0733289 B2 JP H0733289B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon nitride
zirconia
sintered body
nitride sintered
surface layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61267286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63123869A (ja
Inventor
誠司 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP61267286A priority Critical patent/JPH0733289B2/ja
Publication of JPS63123869A publication Critical patent/JPS63123869A/ja
Publication of JPH0733289B2 publication Critical patent/JPH0733289B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高靱性で高温強度に優れた窒化珪素焼結体に
関する。
本発明の焼結体は、タービンホィールのような内燃機関
の部品として利用できる。
[従来の技術] セラミック材料の強度は、室温でも金属材料に匹敵する
ものが得られているが、靱性が低くもろく割れやすいこ
とが使用上問題となっている。靱性向上化法として、セ
ラミック粒子、セラミック繊維ウイスカー等をマトリッ
クスに分散した複合材料が提案されている。また「セラ
ミックス」21巻7号813〜819頁(1986年)には、高強
度、高靱性のAl2O3−ZrO2(Y2O3)複合セラミックスが
開示されている。これは、高温安定相である正方晶ジル
コニアを室温で準安定保持した部分安定化ジルコニアを
マトリックスに分散させて高靱性を得るものである。
[発明が解決しようとする問題点] 窒化珪素焼結体は、高温強度は高いが靱性が悪いため外
部応力により表面に一定長さ以上の亀裂が出来ると一気
に破壊にいたるという欠点を有している。タービンホィ
ールのように、排ガス中の異物により亀裂が入る恐れの
ある部品に窒化珪素焼結体を用いる場合には、靱性の向
上を計る必要がある。本発明は容易な手段により高靱性
の窒化珪素焼結体を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明に係る窒化珪素焼結体は、少なくとも一部の表層
部に部分安定化ジルコニアが分散した窒化珪素焼結体か
らなる強化表層部をもち、該強化表層部を除く他の部分
は部分安定化ジルコニアが分散していない窒化珪素焼結
体からなることを特徴とする。
該強化表層部は、5〜20wt%の部分安定化ジルコニアと
80〜95wt%の窒化珪素とからなる。該部分安定化ジルコ
ニアは、窒化珪素の焼成温度によりジルコニアが立方晶
ジルコニアとなり、再加熱により形成される準安定な正
方晶ジルコニアを含有する。この際ジルコニア特に正方
晶の安定化剤でありかつ窒化珪素の焼結助剤となるY
2O3、CaO、MgO、La2O3、CeO2を少なくとも1種添加し、
室温下での正方晶ジルコニアを安定状態で保持する。該
安定剤の添加量は、窒化珪素を焼成する温度の1500〜18
00℃でジルコニアが立方晶相となり、再加熱(1100〜15
00℃)により準安定な正方晶が析出するに必要な量(ジ
ルコニアに対し15モル%以下)使用する。すなわち第1
図に示す相平衡状態図にもとづいて(助剤ごとに)使用
量を決める。部分安定化ジルコニアの量は、第2図のグ
ラフにもとづき5wt%以上で20wt%以下であることが適
当である。
部分安定化ジルコニア中に含まれる正方晶ジルコニアの
量は、第3図のグラフにもとづき体積比0.2以上好まし
くは0.4〜0.8である。
該表層部の厚みは第4図に示すグラフにより50〜500μ
mが適当である。
該内層部を形成する窒化珪素は、窒化珪素を主成分とし
上記の焼結助剤を添加して使用する。
該窒化珪素焼結体を製造するには、泥漿法により必要組
成の泥漿を用い鋳型に500μm以下の厚さに着肉させた
後、排泥し、ついで内層部を形成する窒化珪素の泥漿を
注入して成形体を形成させ、本発明の強化表層構造の窒
化珪素の成形体を得る。該成形体を所定温度で焼成した
のち、再加熱することにより表層部に正方晶ジルコニア
を含有する部分安定化ジルコニアを有する窒化珪素焼結
体が得られる。
[作用] 窒化珪素焼結体においては、表面に発生する一定長さ以
上の亀裂は一気に内部まで進行して破壊にいたる。本発
明の強化表層構造の窒化珪素焼結体では、表層に存在す
る正方晶ジルコニアが破壊エネルギ−を吸収して、低温
安定相の単斜晶相にマルテンサイト型の相転を起し破壊
応力を吸収緩和するため、一定長さ以上の亀裂の成長が
阻止され焼結体の靭性が一段と向上する。
[実施例] (実施例1) 試験片による評価 窒化珪素90wt%に10wt%のジルコニアと酸化マグネシウ
ムは第1図に示す相平衡状態図に基づきZrO2:MgO=90:1
0(mol%)の配合比で混合した原料を表層部(I)と
し、窒化珪素92wt%に4wt%酸化イットリウム(Y2O3
と4wt%のアルミナ(Al2O3)を混合した原料を内層部
(II)とした。第5図に示す試験片に於いて、曲げ強さ
試験において引張り応力が働く面が表層部(I)になる
ようにして金型でプレス成形を行った。この成形体を17
50℃で9気圧の窒素加圧雰囲気で5時間焼成し窒化珪素
を焼結させるとともにジルコニアを安定な立方晶ジルコ
ニアとした。次に、この焼結体を1500℃で3気圧の窒素
加圧雰囲気下で5時間再加熱し表層粒界に正方晶ジルコ
ニアが存在する部分安定化ジルコニアを析出させた。
この方法によりジルコニアの含有する層の厚さが異なる
試験片をJIS−R1601に準じて作成した。第2図、第4図
に4点曲げ強度(室温および800℃)と破壊靱性値(Ki
c)とジルコニア含有層および強化表層の厚さとの関係
のグラフを示す。第2図は、強化表層部中の部分安定化
ジルコニアの添加量と、曲げ強度と破壊靱性値の関係の
グラフが示してあり、ジルコニアの添加量が増加するに
したがい特に800℃の強度が25%より低下する。破壊靱
性値は低下しないため部分安定化ジルコニアの量は5〜
20wt%が好ましい。第4図のグラフで示す如く表層部の
厚さが増すにつれて曲げ強度が低下する傾向を示し特に
800℃での高温強度は、ジルコニア含有層が1mmになると
著しく低下するため含有層の厚みは500μm以下である
ことが必要である。一方破壊靱性値(Kic)はジルコニ
ア含有量が50μm以上から著しく向上し500μmになる
と8MPam1/2に達した。よって、ジルコニア含有層の厚み
は50〜500μmの範囲にあることが必要である。ここで
ジルコニア含有層の厚みは、X線マイクロアナライザー
(EPMA)の元素分析により調べた。第3図は、部分安定
化ジルコニア中の正方晶ジルコニアの体積比と曲げ強度
および破壊靱性値との関係のグラフが示してあり、正方
晶の体積比が0.2以上で靱性値が向上し0.4〜0.8が靱性
値曲げ強度とも良い値を示すため0.4〜0.8の範囲が望ま
しい。正方晶ジルコニアは透過型電顕、X線回折により
確認した。
実施例2 実施例1と同じ組成の原料を用い、第6図に示す鋳型を
用いてスリップキャスト法によりタービンホィールを成
形した。先ずジルコニアを含有する原料(I)100重量
部と解膠剤1重量部とバインダー1重量部に水70重量部
を加えて混合調整した泥漿を用い排泥法により鋳型に30
0μmの厚さに着肉させて表層部を形成させた。次にジ
ルコニアを含有しない原料(II)100重量部、解膠剤1
重量部、バインダー1重量部および水70重量部とからな
る泥漿を調整し前記の表層部を形成した鋳型に注入して
通常のスリップキャスト法により成形した。成形体を離
型、乾燥後1750℃の温度で9気圧の窒素加圧下の雰囲気
で5時間焼成し、冷却した後、1500℃の温度で3気圧の
窒素加圧下の雰囲気で5時間再加熱し正方晶ジルコニア
の形成を行った。得られた窒化珪素焼結体は、表層部の
粒界に正方晶ジルコニアを含有する部分安定化ジルコニ
アが存在しており、回転試験の結果、翼欠け、破損等の
破壊は認められなかった。
[効果] 本発明の窒化珪素焼結体は、表層部(50〜500μm)の
粒界中に正方晶ジルコニアが存在するため外部応力によ
り表面に発生する亀裂の進行を正方晶ジルコニアが単斜
晶相へのマルテンサイト変態の相転を起して破壊エネル
ギーを吸収する。その結果、一定長さ以上の亀裂の成長
が阻止されて靱性が向上する。従って内部全体での補強
法、例えばウイスカー、粒子等による複合化に比べて亀
裂の発生部位に補強部が存在し発生部位で亀裂の進行を
阻止するため少量の効果が発揮できる。よって表層部に
正方晶ジルコニアの含有層を設けたことにより靱性向上
が格段に向上しさらに高温強度の低下しない窒化珪素焼
結体となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はジルコニアと酸化マグネシウムの相平衡状態図
であり、第2図は表層部のジルコニア添加量と破壊強度
および4点曲げ強度との関係を示すグラフであり、第3
図は表層部の添加ジルコニア中の正方晶の体積比と破壊
強度および4点曲げ強度との関係を示すグラフであり、
第4図はジルコニア層の厚さと破壊強度および4点曲げ
強度との関係を示すグラフであり、第5図は実施例1の
テストピースの断面図であり、第6図は実施例2で使用
する鋳型の断面模式図である。 1……強化表層、2……窒化珪素内層部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部の表層部に部分安定化ジル
    コニアが分散した窒化珪素焼結体からなる強化表層部を
    もち、該強化表層部を除く他の部分は部分安定化ジルコ
    ニアが分散していない窒化珪素焼結体からなることを特
    徴とする高靱性窒化珪素焼結体。
  2. 【請求項2】強化表層部は部分安定化ジルコニア5〜20
    wt%と窒化珪素80〜95wt%とからなる特許請求の範囲第
    1項記載の高靱性窒化珪素焼結体。
  3. 【請求項3】部分安定化ジルコニアに含まれる正方晶ジ
    ルコニアは体積比で0.2以上である特許請求の範囲第1
    項記載の高靱性窒化珪素焼結体。
  4. 【請求項4】部分安定化ジルコニアに含まれる正方晶ジ
    ルコニアは体積比で0.4〜0.8である特許請求の範囲第1
    項記載の高靱性窒化珪素焼結体。
  5. 【請求項5】部分安定化ジルコニアを含有する強化表層
    部の厚みは50〜500μmである特許請求の範囲第1項記
    載の高靱性窒化珪素焼結体。
JP61267286A 1986-11-10 1986-11-10 高靭性窒化珪素焼結体 Expired - Lifetime JPH0733289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61267286A JPH0733289B2 (ja) 1986-11-10 1986-11-10 高靭性窒化珪素焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61267286A JPH0733289B2 (ja) 1986-11-10 1986-11-10 高靭性窒化珪素焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63123869A JPS63123869A (ja) 1988-05-27
JPH0733289B2 true JPH0733289B2 (ja) 1995-04-12

Family

ID=17442718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61267286A Expired - Lifetime JPH0733289B2 (ja) 1986-11-10 1986-11-10 高靭性窒化珪素焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0733289B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6077174A (ja) * 1983-10-01 1985-05-01 株式会社クボタ 窒化けい素焼結体の製造法
JPH066512B2 (ja) * 1985-07-31 1994-01-26 株式会社ノリタケカンパニ−リミテド 高靭性窒化ケイ素焼結体及びその製造方法
JPS62108771A (ja) * 1985-11-08 1987-05-20 住友金属工業株式会社 高靭性Si↓3N↓4焼結体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63123869A (ja) 1988-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Claussen Strengthening strategies for ZrO2-toughened ceramics at high temperatures
Butler Transformation-toughened zirconia ceramics
Petrovic et al. Partially stabilized ZrO 2 particle-MoSi 2 matrix composites
Tsukuma et al. Mechanical property and microstructure of TZP and TZP/Al2O3 composites
JP2730245B2 (ja) 炭化珪素・窒化珪素質複合焼結体の製造方法
Billy et al. High temperature oxidation of silicon–based structural ceramics
Hou et al. Mechanical properties and microstructure of Ca2SiO4–CaZrO3 composites
Wadsworth et al. Zirconia toughened cordierite
Šajgalík et al. Layered Si 3 N 4 composites with enhanced room temperature properties
US6054402A (en) Mullite-zirconia engine part
Falk et al. Microstructure and Short‐Term Oxidation of Hot‐Pressed Si3N4/ZrO2 (+ Y2O3) Ceramics
JPH0733289B2 (ja) 高靭性窒化珪素焼結体
Cho Microstructure and fracture toughness of in-situ toughened SiC-TiC composites
Huang et al. Microstructure and mechanical properties of aluminum nitride-aluminum composite
JPH0624726A (ja) ジルコニア−二ケイ化モリブデン組成物およびその製造法
Holmström et al. Reaction-sintered ZrO2-mullite composites
Matsunaga et al. Enhancement of strength of SiC by heat-treatment in air
JPH0788251B2 (ja) ジルコニア焼結体
JP2000247748A (ja) 高靭性窒化珪素質焼結体
WO1988009314A1 (en) Ceramic material
JPH1121175A (ja) 窒化珪素質焼結体
JP3148559B2 (ja) セラミックス繊維強化タービン翼及びその製造方法
JPH10279360A (ja) 窒化珪素質構造部品およびその製造方法
JPH066512B2 (ja) 高靭性窒化ケイ素焼結体及びその製造方法
Inoue et al. Mechanical properties and fracture behaviour of SiTiCO fibre/SiAlON composite