JPH07332872A - 羽口流量調整弁 - Google Patents
羽口流量調整弁Info
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- JPH07332872A JPH07332872A JP12790694A JP12790694A JPH07332872A JP H07332872 A JPH07332872 A JP H07332872A JP 12790694 A JP12790694 A JP 12790694A JP 12790694 A JP12790694 A JP 12790694A JP H07332872 A JPH07332872 A JP H07332872A
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- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炉底に羽口をもった溶解炉や精錬炉におい
て、羽口を流れるガスの流量および圧力を大幅に変更可
能にすることで、操業の各段階において必要なガスの流
量および圧力に調整して操業の効率化を図る羽口流量調
整弁を提供する。 【構成】 羽口配管の羽口と近接した位置において、該
羽口配管の管路を横断し、且つ該羽口配管と連通して設
けられた密閉ボックスと、該密閉ボックスの中に設けら
れて前記羽口配管の管路と略直交する面内を移動自在な
スライド部材とを備えており、該スライド部材には径が
異なる複数の流体通路孔の各々が相互に前記羽口配管の
内径寸法よりも大きい間隔で設けられており、且つ該ス
ライド部材には前記流体通路孔を切り換える駆動装置が
設けられている。
て、羽口を流れるガスの流量および圧力を大幅に変更可
能にすることで、操業の各段階において必要なガスの流
量および圧力に調整して操業の効率化を図る羽口流量調
整弁を提供する。 【構成】 羽口配管の羽口と近接した位置において、該
羽口配管の管路を横断し、且つ該羽口配管と連通して設
けられた密閉ボックスと、該密閉ボックスの中に設けら
れて前記羽口配管の管路と略直交する面内を移動自在な
スライド部材とを備えており、該スライド部材には径が
異なる複数の流体通路孔の各々が相互に前記羽口配管の
内径寸法よりも大きい間隔で設けられており、且つ該ス
ライド部材には前記流体通路孔を切り換える駆動装置が
設けられている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電気炉や転炉、
AOD炉等の溶解炉や精錬炉に設けられた羽口に、目的
とする流量及び圧力のガスを流すための羽口流量調整弁
に関するものである。
AOD炉等の溶解炉や精錬炉に設けられた羽口に、目的
とする流量及び圧力のガスを流すための羽口流量調整弁
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶解炉や精錬炉の操業においては、操業
の各段階において溶融金属に供給するガスの流量及び圧
力を変更することが必要である。例えば、炉底に羽口を
もつ電気炉の操業においては、屑鉄をアーク熱によって
溶解する溶解期初期では、羽口に流すArガスやN2 ガ
ス等の不活性ガスは、羽口への溶鋼の差し込みを防止す
るために必要な程度の低い圧力で少量供給すればよい。
次に、屑鉄が約50%溶解し溶鋼プールが形成された時
点では、溶鋼プール温度を均一化させ、また電極間に生
じるコールドスポット域での未溶解屑の溶解を促進させ
るために、不活性ガスの流量及び圧力を増加して溶鋼を
攪拌することが必要である。次に、屑鉄の溶解がほぼ完
了した時点以降の精錬期では、脱〔S〕用の石灰等の精
錬用フラックスと溶鋼との接触を強化して精錬反応を促
進させるために、不活性ガスの流量及び圧力をさらに増
加して溶鋼を強攪拌することが必要である。
の各段階において溶融金属に供給するガスの流量及び圧
力を変更することが必要である。例えば、炉底に羽口を
もつ電気炉の操業においては、屑鉄をアーク熱によって
溶解する溶解期初期では、羽口に流すArガスやN2 ガ
ス等の不活性ガスは、羽口への溶鋼の差し込みを防止す
るために必要な程度の低い圧力で少量供給すればよい。
次に、屑鉄が約50%溶解し溶鋼プールが形成された時
点では、溶鋼プール温度を均一化させ、また電極間に生
じるコールドスポット域での未溶解屑の溶解を促進させ
るために、不活性ガスの流量及び圧力を増加して溶鋼を
攪拌することが必要である。次に、屑鉄の溶解がほぼ完
了した時点以降の精錬期では、脱〔S〕用の石灰等の精
錬用フラックスと溶鋼との接触を強化して精錬反応を促
進させるために、不活性ガスの流量及び圧力をさらに増
加して溶鋼を強攪拌することが必要である。
【0003】また、転炉やAOD炉の操業においては、
溶鋼中に炭素が多い吹錬初期では、上吹きランスから供
給する多量の酸素によって脱炭反応が素早く進行するた
め、炉底の羽口から供給する酸素やArガスは少量でよ
い。次に、炭素が少なくなった吹錬末期においては、上
吹きランスから多量の酸素を酸素を供給するとスラグが
飛散してスロッピングが発生するために、酸素の流量及
び圧力を減少する。その結果、脱炭反応が遅くなり精錬
時間が長くなる。これに対処するために、吹錬末期では
羽口に供給するガスの流量及び圧力を増して溶鋼を強く
攪拌する必要がある。
溶鋼中に炭素が多い吹錬初期では、上吹きランスから供
給する多量の酸素によって脱炭反応が素早く進行するた
め、炉底の羽口から供給する酸素やArガスは少量でよ
い。次に、炭素が少なくなった吹錬末期においては、上
吹きランスから多量の酸素を酸素を供給するとスラグが
飛散してスロッピングが発生するために、酸素の流量及
び圧力を減少する。その結果、脱炭反応が遅くなり精錬
時間が長くなる。これに対処するために、吹錬末期では
羽口に供給するガスの流量及び圧力を増して溶鋼を強く
攪拌する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は、目的とする流
量及び圧力のガスを供給するための羽口断面積を決定し
て一定とし、羽口を流れるガスの圧力を上昇もしくは下
降させる調整をすることで流量を変化させていた。図1
は、大断面積をもつ羽口A及び小断面積をもつ羽口Bに
おける圧力と流量の関係を示している。
量及び圧力のガスを供給するための羽口断面積を決定し
て一定とし、羽口を流れるガスの圧力を上昇もしくは下
降させる調整をすることで流量を変化させていた。図1
は、大断面積をもつ羽口A及び小断面積をもつ羽口Bに
おける圧力と流量の関係を示している。
【0005】大断面積をもつ羽口Aにおいては、最大圧
力P1 では最大流量Q1 となり、最小圧力P2 では最小
流量Q2 となる。最小圧力P2 以下の限界圧力PC で
は、羽口の出口における線流速はVC となって非常に小
さくなり、線流速がVC では羽口に溶鋼が差し込むため
に操業できない。一方、小断面積をもつ羽口Bにおいて
は、最大圧力P1 では流量q3 となり羽口Aの最大流量
Q1 より小さい流量となるが、最小圧力P2 では最小流
量q4 となり羽口Aの最小流量Q2 よりも少ない流量で
羽口Aと同じ圧力P2 を得ることができる。ここで、実
操業において要求される最大流量がQ1 で、且つ最小流
量がq4 であるとすると、羽口Aを設置した場合は、最
大流量Q1 を流すことはできるが、最小流量q4 を流す
ことはできない。一方、羽口Bを設置した場合は、最小
流量q4 を流すことはできるが、最大流量Q1 を流すこ
とはできない。このように従来の羽口では、流量及び圧
力の変更可能幅が小さいために、要求される流量及び圧
力のガスを供給することができない。
力P1 では最大流量Q1 となり、最小圧力P2 では最小
流量Q2 となる。最小圧力P2 以下の限界圧力PC で
は、羽口の出口における線流速はVC となって非常に小
さくなり、線流速がVC では羽口に溶鋼が差し込むため
に操業できない。一方、小断面積をもつ羽口Bにおいて
は、最大圧力P1 では流量q3 となり羽口Aの最大流量
Q1 より小さい流量となるが、最小圧力P2 では最小流
量q4 となり羽口Aの最小流量Q2 よりも少ない流量で
羽口Aと同じ圧力P2 を得ることができる。ここで、実
操業において要求される最大流量がQ1 で、且つ最小流
量がq4 であるとすると、羽口Aを設置した場合は、最
大流量Q1 を流すことはできるが、最小流量q4 を流す
ことはできない。一方、羽口Bを設置した場合は、最小
流量q4 を流すことはできるが、最大流量Q1 を流すこ
とはできない。このように従来の羽口では、流量及び圧
力の変更可能幅が小さいために、要求される流量及び圧
力のガスを供給することができない。
【0006】本発明は、炉底に羽口をもつ溶解炉や精錬
炉において、羽口への溶鋼の差し込みを生じることなく
羽口を流れるガスの流量及び圧力を大幅に変更すること
を可能にすることで、必要なガス流量及び圧力に対応し
て操業条件を調整して効率化を図り得る羽口流量調整弁
を提供することを目的とする。
炉において、羽口への溶鋼の差し込みを生じることなく
羽口を流れるガスの流量及び圧力を大幅に変更すること
を可能にすることで、必要なガス流量及び圧力に対応し
て操業条件を調整して効率化を図り得る羽口流量調整弁
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の羽口流量調整弁は、羽口配管の羽口と近接した位置
において、該羽口配管の管路を横断し且つ該羽口配管と
連通して設けられた密閉ボックスと、該密閉ボックスの
中に設けられて前記羽口配管の管路と略直交する面内を
移動自在なスライド部材とを備えており、該スライド部
材には径が異なる複数の流体通路孔の各々が相互に前記
羽口配管の内径寸法よりも大きい間隔で設けられ、且つ
該スライド部材には前記流体通路孔を切り換える駆動装
置が設けられていることを特徴とする。
明の羽口流量調整弁は、羽口配管の羽口と近接した位置
において、該羽口配管の管路を横断し且つ該羽口配管と
連通して設けられた密閉ボックスと、該密閉ボックスの
中に設けられて前記羽口配管の管路と略直交する面内を
移動自在なスライド部材とを備えており、該スライド部
材には径が異なる複数の流体通路孔の各々が相互に前記
羽口配管の内径寸法よりも大きい間隔で設けられ、且つ
該スライド部材には前記流体通路孔を切り換える駆動装
置が設けられていることを特徴とする。
【0008】
【作用】羽口に大流量のガスを流すときは、スライド部
材に設けられた径が異なる複数の流体通路孔のうち、大
径流体通路孔を羽口配管の軸芯に位置決めすると、羽口
配管を流れる多量のガスは大径流体通路孔を通過して羽
口に供給される。一方、羽口に小流量のガスを流すとき
は、前記複数の流体通路孔のうち、小径流体通路孔を羽
口配管の軸芯に位置決めすると、羽口配管を流れる少量
のガスは小径流体通路孔を通過することで圧力の低下が
防止されて羽口に供給される。
材に設けられた径が異なる複数の流体通路孔のうち、大
径流体通路孔を羽口配管の軸芯に位置決めすると、羽口
配管を流れる多量のガスは大径流体通路孔を通過して羽
口に供給される。一方、羽口に小流量のガスを流すとき
は、前記複数の流体通路孔のうち、小径流体通路孔を羽
口配管の軸芯に位置決めすると、羽口配管を流れる少量
のガスは小径流体通路孔を通過することで圧力の低下が
防止されて羽口に供給される。
【0009】
【実施例】以下、本発明による羽口流量調整弁の実施例
を図面に基づいて説明する。図2は、本発明を電気炉の
羽口配管に適用した第1の実施例の斜視図を示してお
り、図3(A)、(B)は作動を説明する縦断面図を示
している。羽口配管1の一端(上端)には羽口2が接続
して設けられており、他端には精錬ガスタンク(図示し
ない)が接続して設けられている。羽口配管1の羽口2
に近接した位置には偏平状の密閉ボックス3が羽口配管
1を横断し、且つ羽口2及び羽口配管1と連通して設け
られている。密閉ボックス3の中には板状のスライド部
材4が設けられており、スライド部材4は羽口配管1の
軸方向と略直交する面内を移動自在である。スライド部
材4には小径流体通路孔5および大径流体通路孔7が相
互に羽口配管1の内径寸法よりも間隔を離して設けられ
ている。またスライド部材4には駆動装置8が連結して
設けられており、駆動装置8は小径流体通路孔5および
大径流体通路孔7を結ぶ間を往復駆動される。9は精錬
炉の炉底耐火物を示している。
を図面に基づいて説明する。図2は、本発明を電気炉の
羽口配管に適用した第1の実施例の斜視図を示してお
り、図3(A)、(B)は作動を説明する縦断面図を示
している。羽口配管1の一端(上端)には羽口2が接続
して設けられており、他端には精錬ガスタンク(図示し
ない)が接続して設けられている。羽口配管1の羽口2
に近接した位置には偏平状の密閉ボックス3が羽口配管
1を横断し、且つ羽口2及び羽口配管1と連通して設け
られている。密閉ボックス3の中には板状のスライド部
材4が設けられており、スライド部材4は羽口配管1の
軸方向と略直交する面内を移動自在である。スライド部
材4には小径流体通路孔5および大径流体通路孔7が相
互に羽口配管1の内径寸法よりも間隔を離して設けられ
ている。またスライド部材4には駆動装置8が連結して
設けられており、駆動装置8は小径流体通路孔5および
大径流体通路孔7を結ぶ間を往復駆動される。9は精錬
炉の炉底耐火物を示している。
【0010】屑鉄をアーク熱によって溶解する溶解期初
期では、羽口2に流すArガスやN 2 ガス等の不活性ガ
スは、羽口2への溶鋼の差し込みを防止するために必要
な圧力で少量供給すればよい。そこで、スライド部材4
を駆動装置8によって図2に示すように矢印A方向へ移
動させて図3(B)に示すように小径流体通路孔5を羽
口配管1の軸芯に位置決めすると、羽口配管1を流れる
少量のガスは小径流体通路孔5を通過することで圧力の
低下が防止されて羽口2に供給される。
期では、羽口2に流すArガスやN 2 ガス等の不活性ガ
スは、羽口2への溶鋼の差し込みを防止するために必要
な圧力で少量供給すればよい。そこで、スライド部材4
を駆動装置8によって図2に示すように矢印A方向へ移
動させて図3(B)に示すように小径流体通路孔5を羽
口配管1の軸芯に位置決めすると、羽口配管1を流れる
少量のガスは小径流体通路孔5を通過することで圧力の
低下が防止されて羽口2に供給される。
【0011】次に、屑鉄が約50%溶解し溶鋼プールが
形成された時点では、不活性ガスの流量及び圧力を増加
して溶鋼を攪拌することで溶鋼プール温度を均一化さ
せ、また電極間に生じるコールドスポット域での未溶解
屑の溶解を促進させる必要がある。そこで、図3(A)
に示すように、大径流体通路孔7を羽口配管1の軸芯に
位置決めし、流量調整弁6を調整すると、羽口配管1を
流れる必要量のガスが大径流体通路孔7を通過して羽口
2に供給される。さらに、屑鉄の溶解がほぼ完了した時
点以降の精錬期では、不活性ガスの流量及び圧力をさら
に増加して溶鋼を強攪拌することで、脱〔S〕用の石灰
等の精錬用フラックスと溶鋼との接触を強化して、精錬
反応を促進させることが必要である。そこで、流量調整
弁6を全開にすると、羽口配管1から流れる多量のガス
が大径流体通路孔7を通過して羽口に供給される。
形成された時点では、不活性ガスの流量及び圧力を増加
して溶鋼を攪拌することで溶鋼プール温度を均一化さ
せ、また電極間に生じるコールドスポット域での未溶解
屑の溶解を促進させる必要がある。そこで、図3(A)
に示すように、大径流体通路孔7を羽口配管1の軸芯に
位置決めし、流量調整弁6を調整すると、羽口配管1を
流れる必要量のガスが大径流体通路孔7を通過して羽口
2に供給される。さらに、屑鉄の溶解がほぼ完了した時
点以降の精錬期では、不活性ガスの流量及び圧力をさら
に増加して溶鋼を強攪拌することで、脱〔S〕用の石灰
等の精錬用フラックスと溶鋼との接触を強化して、精錬
反応を促進させることが必要である。そこで、流量調整
弁6を全開にすると、羽口配管1から流れる多量のガス
が大径流体通路孔7を通過して羽口に供給される。
【0012】図4は、本発明を転炉の羽口配管に適用し
た第2の実施例の斜視図を示しており、羽口配管1の一
端(上端)には羽口2が接続して設けられており、他端
には精錬ガスタンク(図示しない)が接続して設けられ
ている。羽口配管1の羽口2に近接した位置には偏平状
(扇状)の密閉ボックス13が羽口配管1を横断し、且
つ羽口2及び羽口配管1と連通して設けられている。密
閉ボックス13の中には扇状のスライド部材14が設け
られており、スライド部材14は羽口配管1の軸方向と
略直交する方向を移動自在である。スライド部材14に
は小径流体通路孔15および大径流体通路孔17が羽口
配管1の内径の長さよりも間隔を離して設けられてい
る。またスライド部材14には駆動装置18が連結して
設けられており、駆動装置18はスライド部材14を、
小径流体通路孔15と大径流体通路孔17を結ぶ間を円
弧方向(図4の矢印BまたはC方向)へ往復駆動する。
9は精錬炉の炉底耐火物を示している。
た第2の実施例の斜視図を示しており、羽口配管1の一
端(上端)には羽口2が接続して設けられており、他端
には精錬ガスタンク(図示しない)が接続して設けられ
ている。羽口配管1の羽口2に近接した位置には偏平状
(扇状)の密閉ボックス13が羽口配管1を横断し、且
つ羽口2及び羽口配管1と連通して設けられている。密
閉ボックス13の中には扇状のスライド部材14が設け
られており、スライド部材14は羽口配管1の軸方向と
略直交する方向を移動自在である。スライド部材14に
は小径流体通路孔15および大径流体通路孔17が羽口
配管1の内径の長さよりも間隔を離して設けられてい
る。またスライド部材14には駆動装置18が連結して
設けられており、駆動装置18はスライド部材14を、
小径流体通路孔15と大径流体通路孔17を結ぶ間を円
弧方向(図4の矢印BまたはC方向)へ往復駆動する。
9は精錬炉の炉底耐火物を示している。
【0013】溶鋼中に炭素が多い吹錬初期では、上吹き
ランス(図示しない)から供給する多量の酸素によって
脱炭反応が素早く進行するため、羽口2には少量のガス
を流す。そこで、図4に示すスライド部材14を駆動装
置18によって矢印B方向へ円弧移動させて小径流体通
路孔15を羽口配管1の軸芯に位置決めすると、羽口配
管1から羽口2に供給される少量のガスは小径流体通路
孔15を通過することで圧力の低下が防止される。
ランス(図示しない)から供給する多量の酸素によって
脱炭反応が素早く進行するため、羽口2には少量のガス
を流す。そこで、図4に示すスライド部材14を駆動装
置18によって矢印B方向へ円弧移動させて小径流体通
路孔15を羽口配管1の軸芯に位置決めすると、羽口配
管1から羽口2に供給される少量のガスは小径流体通路
孔15を通過することで圧力の低下が防止される。
【0014】次に、炭素が少なくなった吹錬末期におい
て上吹きランスから多量の酸素を供給すると、スラグが
飛散してスロッピングが発生するために、上吹きランス
から供給する酸素の流量及び圧力を減少する。その結
果、脱炭反応が遅くなり精錬時間が長くなる。これに対
処するために、吹錬末期では羽口から供給するガスの流
量及び圧力を増して溶鋼を攪拌する必要がある。そこで
図4に示すように、駆動装置18によりスライド部材1
4を矢印C方向へ円弧移動させて大径流体通路孔17を
羽口配管1の軸芯に位置決めすると、羽口配管1から多
量のガスが大径流体通路孔17を通過して羽口2に供給
される。
て上吹きランスから多量の酸素を供給すると、スラグが
飛散してスロッピングが発生するために、上吹きランス
から供給する酸素の流量及び圧力を減少する。その結
果、脱炭反応が遅くなり精錬時間が長くなる。これに対
処するために、吹錬末期では羽口から供給するガスの流
量及び圧力を増して溶鋼を攪拌する必要がある。そこで
図4に示すように、駆動装置18によりスライド部材1
4を矢印C方向へ円弧移動させて大径流体通路孔17を
羽口配管1の軸芯に位置決めすると、羽口配管1から多
量のガスが大径流体通路孔17を通過して羽口2に供給
される。
【0015】なお、以上の実施例では、羽口としては単
管の例を示したが、外管と内管をもつ多重管あるいはポ
ーラスプラグ等にも適用することができる。また、流体
通路孔は2〜3個設けたが、必要に応じて多数設けても
よい。また、小径流体通路孔を用いたときの圧力低下を
少なくするために、密閉ボックスはできるだけ羽口に近
い位置に設けることが好ましい。また、流体通路孔の位
置を変更するときは、羽口へのガスの供給が一時停止す
るために、羽口に溶鋼が差し込む可能性がある。これを
防止するためには、図2および図4に示すように小径流
体通路孔5と大径流体通路孔7とを連続させるとよい。
管の例を示したが、外管と内管をもつ多重管あるいはポ
ーラスプラグ等にも適用することができる。また、流体
通路孔は2〜3個設けたが、必要に応じて多数設けても
よい。また、小径流体通路孔を用いたときの圧力低下を
少なくするために、密閉ボックスはできるだけ羽口に近
い位置に設けることが好ましい。また、流体通路孔の位
置を変更するときは、羽口へのガスの供給が一時停止す
るために、羽口に溶鋼が差し込む可能性がある。これを
防止するためには、図2および図4に示すように小径流
体通路孔5と大径流体通路孔7とを連続させるとよい。
【0016】次に、炉底に羽口をもつ容量80tonの
電気炉に、図2に示した羽口流量調整弁を設けた本発明
例および流量調整弁を設けない従来例におけるガス流量
および操業結果を表1に示す。本発明例における大径流
体通路孔の断面積は60mm 2 、小径流体通路孔の断面
積は20mm2 である。No.1の本発明例において
は、屑鉄を溶解する溶解期の初期では、小径流体通路孔
を用いて羽口から流量0.8Nm3 /分のArガスやN
2 ガス等の不活性ガスを吹き込んだ。次に屑鉄が約50
%溶解し、溶鋼プールが形成された時点では、流量調整
弁を操作して不活性ガスの流量を1.0Nm3 /分に増
加して溶鋼を攪拌することで溶鋼プール温度を均一化さ
せ、また電極間に生じるコールドスポット域での未溶解
屑の溶解を促進させた。屑鉄の溶解がほぼ完了した時点
以降の精錬期では、大径流体通路孔を用いて不活性ガス
の流量を2.4Nm3 /分に増加して溶鋼を強攪拌する
ことで、脱〔S〕用の石灰等の精錬用フラックスと溶鋼
との接触を強化して、精錬反応の進行を促進させた。
電気炉に、図2に示した羽口流量調整弁を設けた本発明
例および流量調整弁を設けない従来例におけるガス流量
および操業結果を表1に示す。本発明例における大径流
体通路孔の断面積は60mm 2 、小径流体通路孔の断面
積は20mm2 である。No.1の本発明例において
は、屑鉄を溶解する溶解期の初期では、小径流体通路孔
を用いて羽口から流量0.8Nm3 /分のArガスやN
2 ガス等の不活性ガスを吹き込んだ。次に屑鉄が約50
%溶解し、溶鋼プールが形成された時点では、流量調整
弁を操作して不活性ガスの流量を1.0Nm3 /分に増
加して溶鋼を攪拌することで溶鋼プール温度を均一化さ
せ、また電極間に生じるコールドスポット域での未溶解
屑の溶解を促進させた。屑鉄の溶解がほぼ完了した時点
以降の精錬期では、大径流体通路孔を用いて不活性ガス
の流量を2.4Nm3 /分に増加して溶鋼を強攪拌する
ことで、脱〔S〕用の石灰等の精錬用フラックスと溶鋼
との接触を強化して、精錬反応の進行を促進させた。
【0017】これに対して従来例では圧力を調整するこ
とで流量を変化させた。No.2の従来例では、不活性
ガス流量の変更可能幅が0.8〜1.0Nm3 /分と小
さく、かつ最大流量が1.0Nm3 /分と小さいため
に、屑鉄の溶解がほぼ完了した時点以降の精錬期での不
活性ガスの流量を1.0Nm3 /分にしか増加すること
ができなかった。この結果、溶鋼を強攪拌して精錬用フ
ラックスと溶鋼との接触を強化して、精錬反応の促進を
図ることができなかったために、溶製に長時間を要して
生産能率が低下し、また耐火物の寿命も短い結果になっ
た。
とで流量を変化させた。No.2の従来例では、不活性
ガス流量の変更可能幅が0.8〜1.0Nm3 /分と小
さく、かつ最大流量が1.0Nm3 /分と小さいため
に、屑鉄の溶解がほぼ完了した時点以降の精錬期での不
活性ガスの流量を1.0Nm3 /分にしか増加すること
ができなかった。この結果、溶鋼を強攪拌して精錬用フ
ラックスと溶鋼との接触を強化して、精錬反応の促進を
図ることができなかったために、溶製に長時間を要して
生産能率が低下し、また耐火物の寿命も短い結果になっ
た。
【0018】またNo.3の従来例では、不活性ガス流
量の最大流量は2.4Nm3 /分と大きいが、ガス流量
の変更可能幅が2.2〜2.4Nm3 /分と小さいため
に、溶解期の初期におけるガス流量を少なくすることが
できなかった。この結果、不活性ガスを無駄に消費して
ガス消費量が増加した。
量の最大流量は2.4Nm3 /分と大きいが、ガス流量
の変更可能幅が2.2〜2.4Nm3 /分と小さいため
に、溶解期の初期におけるガス流量を少なくすることが
できなかった。この結果、不活性ガスを無駄に消費して
ガス消費量が増加した。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、羽口を流れるガスの流
量及び圧力を大幅に変更できるので、ガスの流量及び圧
力を操業の各段階において必要とする最適の値に調整で
きる。したがって、例えば操業初期においてはガス供給
量を必要最少量に調整することでガス消費量を節減で
き、操業末期においては多量のガスを供給して溶鋼を強
攪拌することで精錬効率を向上させて精錬時間を短縮す
ることができる。
量及び圧力を大幅に変更できるので、ガスの流量及び圧
力を操業の各段階において必要とする最適の値に調整で
きる。したがって、例えば操業初期においてはガス供給
量を必要最少量に調整することでガス消費量を節減で
き、操業末期においては多量のガスを供給して溶鋼を強
攪拌することで精錬効率を向上させて精錬時間を短縮す
ることができる。
【図1】羽口断面積と羽口を流れるガスの流量及び圧力
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す斜視図(透視図)
である。
である。
【図3】図2の作動を説明する縦断面図(透視図)であ
る。
る。
【図4】本発明の第2の実施例を示す斜視図(透視図)
である。
である。
1 羽口配管 2 羽口 3、13 密閉ボックス 4、14 スライド部材 5、15 小径流体通路孔 6 流量調整弁 7、17 大径流体通路孔 8、18 駆動装置 9 炉底の耐火物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 7/00
Claims (1)
- 【請求項1】 羽口配管の羽口と近接した位置におい
て、該羽口配管の管路を横断し且つ該羽口配管と連通し
て設けられた密閉ボックスと、該密閉ボックスの中に設
けられて前記羽口配管の管路と略直交する面内を移動自
在なスライド部材とを備えており、該スライド部材には
径が異なる複数の流体通路孔の各々が相互に前記羽口配
管の内径寸法よりも大きい間隔で設けられ、且つ該スラ
イド部材には前記流体通路孔を切り換える駆動装置が設
けられていることを特徴とする羽口流量調整弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12790694A JPH07332872A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | 羽口流量調整弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12790694A JPH07332872A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | 羽口流量調整弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07332872A true JPH07332872A (ja) | 1995-12-22 |
Family
ID=14971589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12790694A Withdrawn JPH07332872A (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | 羽口流量調整弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07332872A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107388546A (zh) * | 2017-07-25 | 2017-11-24 | 杭州新亚机电工程有限公司 | 智能遥控变流型风口 |
-
1994
- 1994-06-09 JP JP12790694A patent/JPH07332872A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107388546A (zh) * | 2017-07-25 | 2017-11-24 | 杭州新亚机电工程有限公司 | 智能遥控变流型风口 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010904 |