JPH07332238A - 冷凍空調用圧縮機 - Google Patents

冷凍空調用圧縮機

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JPH07332238A
JPH07332238A JP6125946A JP12594694A JPH07332238A JP H07332238 A JPH07332238 A JP H07332238A JP 6125946 A JP6125946 A JP 6125946A JP 12594694 A JP12594694 A JP 12594694A JP H07332238 A JPH07332238 A JP H07332238A
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Japan
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compressor
crankshaft
cast iron
air conditioning
refrigeration
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JP6125946A
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Koji Yamamoto
光司 山本
Koichi Inaba
恒一 稲場
Hiromasa Uchida
宏政 内田
Yasuhiro Oshima
靖浩 大嶋
Kazuhiro Suzuki
一浩 鈴木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
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    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
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    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/04Heavy metals
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肉厚増加や材料変更による強度アップをする
ことなく、コストの上昇を抑えつつ圧縮機の小型化と疲
労強度の向上を図り、信頼性の高い冷凍空調用圧縮機を
提供する。 【構成】 冷凍空調用圧縮機において、圧縮機構部の構
造部材にCuを添加したねずみ鋳鉄を用いる。ここでC
uの添加量を0.1〜1.0%の間とする。 【効果】 本発明によれば、材料の切削加工性が向上
し、生産性のよい冷凍空調用圧縮機を提供することがで
きる。また、本発明によれば、フロン規制代替冷媒の使
用を可能とする、安価で信頼性の高い冷凍空調用圧縮機
システムを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、ル−ムエアコ
ン等に用いられる冷凍空調用圧縮機に係り、特に圧縮機
構部の構造部材の強度信頼性を向上した冷凍空調用圧縮
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷凍空調用圧縮機は、圧縮機構部
材としてねずみ鋳鉄(FC)が多く使用されている。一
般に、このねずみ鋳鉄は、炭素Cが多く存在するために
相手部材とのなじみ性が良く、耐摩耗性および耐焼付性
が高く、また安価であるという様々な特長を有し、冷凍
空調用圧縮機のクランク軸やピストンなどの摺動部材の
みならず構造部材一般に広く使われている。しかし、ね
ずみ鋳鉄は片状黒鉛が散在し、これが切欠き効果となっ
て材料強度の低下を招くという欠点があった。
【0003】そこで、切欠き効果を小さくして強度向上
を図るために、ねずみ鋳鉄における片状黒鉛を球状化し
た球状黒鉛鋳鉄を採用することが知られている。例え
ば、特開平5−71488号公報には、Cuを添加する
ことにより球状黒鉛鋳鉄の母材をすべてパーライト化し
て材料強度を向上する方法が示されている。また、機械
工学便覧新版(昭和62年発行) 頁B4−60 表6
2にパーライト型球状黒鉛鋳鉄はSn 0.1%以上,
Cu 2%程度で得られ易いことが述べられている。
【0004】ところで、従来の冷蔵庫では、冷凍サイク
ルの作動物質として冷媒CFC12等が用いられてきた
が、今日では、オゾン層破壊の問題から、塩素Clを含
むCFCやHCFCのフロン使用が規制されつつあり、
オゾン層を破壊する塩素Clを含まない代替フロンHF
C等が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に代替冷媒を使用
する場合、物性の違いから吸込,吐出の差圧の増大や冷
凍能力低下に伴う押除量のアップが必要となり、これら
によりクランク軸やフレ−ムなどの部材に加わる繰返し
荷重が従来の冷媒より増大することになり、疲労強度に
対して配慮する必要が生じてきた。このような負荷荷重
の増加に対応するため、肉厚増加や材料変更による強度
アップを行う方法がある。肉厚アップすると、可動部の
アンバランス質量が大きくなり振動アップを招く他、生
産性の低下やコストアップを招くという問題があった。
【0006】材料変更では、ねずみ鋳鉄における片状黒
鉛を球状化した球状黒鉛鋳鉄とすることにより、切欠き
効果を小さくして強度向上できることが知られている
が、硬度も高くなり加工性の低下が著しく、また黒鉛を
球状化するためセリウム、マグネシウムなどを添加する
など製造工程をきびしく管理する必要がある。なお、特
開平5−71488号公報に示されるように粒界割れを
起こすなどの問題や、改善後もさらに表面処理の選択に
制限がある。また、材料を鋼種に変更する場合は、相手
材とのなじみ性の関係から大幅な構造変更となる場合が
あり、同様に生産性の低下やコストアップを招くという
問題があった。
【0007】特に、上記特開平5−71488号公報記
載のごとく、Cuを添加することにより球状黒鉛鋳鉄の
母材すべてをパーライト化するものでは、耐摩耗性,耐
焼付き性を改善するために表面処理を行うと、処理液が
地金と炭素との間に拡散したり、例えば窒化表面処理な
どを行うと、研磨面に露出している球状黒鉛をオーバー
ハングして覆っている地金部と球状黒鉛との間に窒化物
が浸入して地金部がもろくなり、高温にさらされた場合
は、相手材と摺動するときに地金部が顕著に剥離して数
μmから数十μmの微小な金属粉が、軸と軸受とのクリ
アランス部に挟まり込み、焼付きやロックが発生し、逆
に信頼性を損なうことがあり、球状黒鉛鋳鉄を使用する
上での制限事項となっていた。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、肉厚増加や材料変更による強度アップ
をすることなく、コストの上昇を抑えつつ圧縮機の小型
化と疲労強度の向上を図り、信頼性の高い冷凍空調用圧
縮機を提供することを目的とする。また、本発明の他の
目的は、材料の切削加工性が向上し、生産性のよい冷凍
空調用圧縮機を提供することにある。さらに、本発明の
他の目的は、フロン規制代替冷媒の使用を可能とする、
安価で信頼性の高い冷凍空調用圧縮機システムを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る冷凍空調用圧縮機の構成は、冷凍空調
用圧縮機において、圧縮機構部の構造部材にCuを添加
したねずみ鋳鉄を用いたものである。ここでCuの添加
量を0.1〜1.0%の間としたものである。
【0010】
【作用】ねずみ鋳鉄に銅Cuを添加することにより、鋳
鉄組織のパ−ライト化率がアップし組織が緻密となると
ともに片状黒鉛が低減され、切欠き効果が少なくなる。
よって、材料強度のバラツキが低減し、疲労破壊強度を
大幅に向上させることができる。これにより冷凍空調用
圧縮機の構造部材の強度信頼性を向上することができ
る。
【0011】
【実施例】一般に金属材料は疲労現象が知られており、
1回の負荷に耐える応力よりも、低い繰返し応力で破壊
する。この疲労強度の向上が圧縮機信頼性向上に大きな
影響を及ぼす。本発明はねずみ鋳鉄を使用したクランク
軸他の構造部材にCuを0.1〜1.0%添加すること
により、低コストに疲労強度を向上させることができる
ものである。まず、図6ないし図8を参照して本発明の
冷凍空調用圧縮機の構造部材に採用するねずみ鋳鉄につ
いて説明する。
【0012】図6は、従来のCu無添加のねずみ鋳鉄の
試料断面を示す倍率150の顕微鏡写真を模式図化した
組織図、図7は、本発明のCuを添加したねずみ鋳鉄の
試料断面を示す倍率150の顕微鏡写真を模式図化した
組織図、図8は、Cu無添加ねずみ鋳鉄とCu添加ねず
み鋳鉄とのS−N曲線を比較した線図である。図6に示
すCu無添加の従来のねずみ鋳鉄の組織を見ると、鉄地
28に片状黒鉛29が散在して析出している。このた
め、Cu無添加の従来のねずみ鋳鉄では、析出した片状
黒鉛29先端の切欠き効果による応力集中が大きく、材
料強度が低下していた。
【0013】しかし、図7に示すCuを0.1〜1.0
%添加したねずみ鋳鉄の組織を見ると、鉄地28にα鉄
とセメンタイトFe3Cが交互に並ぶパ−ライト組織3
0が顕著に析出し、片状黒鉛29は減少している。片状
黒鉛が減少することにより切欠き効果を小さくすること
ができるとともに、パ−ライト組織30は緻密な結晶粒
界構造であり、亀裂進展の抑止効果があり、強度向上に
寄与するものである。
【0014】より詳しく説明すれば、図6に示す片状黒
鉛29が析出した、結晶粒界が粗大化したものでは、負
荷による変形に際して結晶格子間で滑りが発生する。一
方、図7に示すパ−ライト組織30が析出したものは、
片状黒鉛29とは別の結晶粒界が存在し隣り合う結晶粒
界の並ぶ方向が違うため、負荷による変形に際してブロ
ックされて滑りが少なくなる。要するに、パーライト化
された皺状の部分で変形単位が小さくなり、パーライト
化されていない部分の変形も小さくなるものである。
【0015】図8は、横軸に荷重繰り返し数、縦軸に負
荷荷重の大きさをとって、従来のCu無添加のねずみ鋳
鉄と、本発明のCuを添加したねずみ鋳鉄との応力−繰
返し疲労強度を示すS−N曲線の1例を示すものであ
る。図8から明らかなように、Cuを添加したねずみ鋳
鉄では疲労強度を約1.3倍向上できることがわかる。
Cu添加量が0.1%未満のときは、図8に示す疲労強
度の向上は実現できず、Cu添加量が1.0%を超える
ときは、図7に示すパ−ライト化が不十分で図8に示す
疲労強度の向上は実現できないことが実験的に確かめら
れた。なお、ねずみ鋳鉄にCuを添加する方法として
は、Feの融点1536℃に対しCuの融点は1083
℃と低く、また添加量の範囲についても0.1〜1.0
%と比較的許容範囲が広いため、鋳型に注湯直前の取瓶
(トリベ)の従来の鋳湯にCu材を鋳湯に見合った量を
加えることにより、容易に実現可能である。
【0016】次に、Cuを0.1〜1.0%添加したね
ずみ鋳鉄を構造部材に採用した冷凍空調用圧縮機の実施
例を説明する。 〔実施例 1〕図1は、本発明の一実施例に係る往復動
式圧縮機の縦断面図、図2は、図1の装置におけるピス
トンに作用する力の変化を示す線図である。図1に示す
冷凍空調用密閉形往復動式圧縮機は、密閉容器1内に電
動機2、圧縮機機部3を収納し、ばね4を介して密閉容
器1に弾性的に支持されている。また、密閉容器1の底
部には潤滑油5を貯溜しており、クランク軸6の回転遠
心力によって、縦穴6cを通ってフレ−ム7の軸受部7
a、クランク軸偏心部6a等に給油する一方、クランク
軸上部空間に噴霧状に吹き上げて、ピストン8の外径等
に潤滑油を供給している。
【0017】電動機部2は、固定子2a、回転子2bか
らなり、固定子2aはフレ−ム7に固定され、回転子2
bはクランク軸6に焼嵌めされている。圧縮機機部3
は、スコッチヨ−クタイプと呼ばれる往復動式のタイプ
であり、クランク軸6、これを支承する軸受部を有する
フレ−ム7、クランク軸6の偏心部6aに嵌合されたス
ライダ9が往復運動する管部を一体に有するピストン
8、ピストン8を往復運動させるシリンダ10、および
シリンダ10の端面に設けられた吸込弁11、弁座板1
2、吐出弁13、吸込と吐出経路を分離するカバ−体1
4が順に設けられ、カバ−体14と密閉容器外とを吐出
パイプ15により接続する構造となっている。
【0018】ピストン8の下降運動に従って、シリンダ
10内が負圧となり吸込弁11が開き、圧縮される流体
は吸込パイプ16により一旦密閉容器1内に充満したの
ち、圧縮室17内に吸込まれる。次にピストン8が下死
点から上昇運動に変わると、吸込弁11が閉じ、圧縮室
17の容積が減少して流体の圧力が上昇する。流体の圧
力が吐出圧力に達すると、吐出弁13が開き、ピストン
8が上死点に達するまで流体をカバ−体の吐出室14a
に吐き出す。吐き出されたガスは吐出パイプ15を通っ
て、密閉容器1外へ導かれる。以上のような吸込,圧
縮,吐出の工程をクランク軸6の回転により繰り返す。
【0019】このとき、圧縮室17内の圧力と密閉容器
1内の吸込圧力の差圧がピストン8に加わり、シリンダ
10の中心方向に集中荷重Fが働くと考えられ、スライ
ダ9を介して、クランク軸偏心部6aに作用し、クラン
ク軸ジャ−ナル部を介してフレ−ム滑り軸受部7aで受
ける。この集中荷重は吸込圧力をほぼ一定と考えると圧
縮室の圧力上昇に比例して大きくなり、クランク軸6の
回転角に対して、図2のように変化し、圧力が吐出圧力
に達したときに最大Fmaxとなる。
【0020】このように圧縮機摺動部材は1回の回転に
より荷重Fがほぼ0からFmaxまで変化する片振り荷
重を受け、2相式の誘導形電動機の場合では1秒間に電
源周波数にほぼ近い回数の繰返し荷重を受けることにな
る。また、圧縮室17の圧力変化に伴い、シリンダ10
や弁座板12などの構造部材も繰返し荷重を受ける。そ
こで、これら構造部材、すなわち前記クランク軸6、ス
ライダ9、ピストン8、シリンダ10等の少なくとも1
つにCuを添加したねずみ鋳鉄を用いた。ここでCuの
添加量を0.1〜1.0%の間とした。
【0021】ねずみ鋳鉄に銅Cuを添加することによ
り、鋳鉄組織のパ−ライト化率がアップし組織が緻密と
なるとともに片状黒鉛が低減され、切欠き効果が少なく
なる。よって、前記冷凍空調用密閉形往復動式圧縮機の
構造材料の強度のバラツキが低減し、疲労破壊強度を大
幅に向上させることができる。これにより冷凍空調用圧
縮機の構造部材の強度信頼性を向上することができる。
【0022】〔実施例 2〕図3は、本発明の他の実施
例に係る冷凍空調用往復動式圧縮機の圧縮機構部の要部
断面図である。図中、図1と同一符号のものは先の実施
例と同様の働きをするものであるから、その説明を省略
する。クランク軸偏心部6aにコネクティングロッド1
8が配置され、コネクティングロッド18のもう一方の
端にはピン19を介して回転自在にピストン8Aが結合
されている。ピストン8Aはシリンダ10内に挿入され
ており、クランク軸6の回転によりピストン8Aは往復
運動し、冷媒を吸込,圧縮,吐出する。よって、図1の
場合と同様にコネクティングロッド18,ピン19など
も繰返し荷重を受けることになる。
【0023】そこで、これら構造部材、すなわちクラン
ク軸6、コネクティングロッド18、ピストン8A、シ
リンダ10等の少なくとも1つにCuを0.1〜1.0
%添加したねずみ鋳鉄を用いた。本実施例によれば、先
の図1の実施例と同様、冷凍空調用圧縮機の構造材料の
強度のバラツキが低減し、構造部材の強度信頼性を向上
することができる。
【0024】〔実施例 3〕図4は、本発明のさらに他
の実施例に係る冷凍空調用ロータリ式圧縮機の圧縮機構
部の要部断面図である。図4に示す圧縮機構部において
は、クランク軸偏心部6aに嵌合されたロ−ラ20が、
クランク軸6の回転中心と内径がほぼ同心に組まれたシ
リンダ10A内に収納され、シリンダ10Aの上下に軸
受21A,21Bが設けられている。圧縮室17は、こ
れらローラ20、シリンダ10A、上下軸受21A,2
1B等と、シリンダ10に設けられた溝内に挿入され、
ばね22によりローラ20に追従して往復運動するベ−
ン23とにより構成される。
【0025】クランク軸6の回転によりローラ20は偏
心回転運動し、圧縮室17に冷媒を吸込み、徐々に圧力
を高めて吐出する。ロータリ式圧縮機の場合、吸込と圧
縮がクランク軸6の1回転にわたって同時に進行する
が、往復動式の場合と同様にクランク軸6、ローラ2
0、シリンダ10A、軸受21A,21B、ベーン22
なども繰返し荷重を受ける。そこで、前記クランク軸
6、ロ−ラ20、ベ−ン22、シリンダ10A、軸受2
1A,21B等の少なくとも1つに、Cuを0.1〜
1.0%添加したねずみ鋳鉄を用いた。
【0026】本実施例によれば、先の図1の実施例と同
様、冷凍空調用ロータリ式圧縮機の構造材料の強度のバ
ラツキが低減し、構造部材の強度信頼性を向上すること
ができる。
【0027】〔実施例 4〕図5は、本発明のさらに他
の実施例に係る冷凍空調用スクロール式圧縮機の圧縮機
構部の要部断面図である。図5に示す圧縮機構部におい
ては、圧縮室17Bは一対のスクロールラップ24a,
25aを持つ固定,旋回スクロ−ル部材24,25を互
いに偏心させ、噛み合わせて構成されている。すなわ
ち、フレーム26によって支持されたクランク軸6Bの
回転をオルダムリング27を介し、一方の旋回スクロ−
ル部材25を公転運動させて冷媒を圧縮するものであ
り、前記スクロ−ル部材24,25、クランク軸6B、
オルダムリング27なども繰返し荷重を受ける。
【0028】そこで、前記固定,旋回スクロ−ル部材2
4,25、クランク軸6B、オルダムリング27等の少
なくとも1つに、Cuを0.1〜1.0%添加したねず
み鋳鉄を用いた。本実施例によれば、先の図1の実施例
と同様、冷凍空調用スクロール式圧縮機の構造材料の強
度のバラツキが低減し、構造部材の強度信頼性を向上す
ることができる。よって、従来と同じ冷媒で同じ能力の
圧縮機の場合、Cuを添加したねずみ鋳鉄を使用するこ
とにより、より小形の圧縮機とすることができ、コスト
の低減、冷凍空調機器への据付性が向上する。
【0029】ところで、フロン規制問題から新冷媒とし
て検討されているHFC134aを使用した場合、吸
込,吐出の差圧の増大による負荷荷重が、従来の冷媒C
FC12に対し約15%増大する。このため、圧縮機の
構造部材は強度アップが必要である。一般に、強度アッ
プする方法としては、摺動部材の肉厚アップや材料の変
更が考えられるが、肉厚アップは圧縮機本体の大形化、
消費電力の増加、さらにはアンバランス質量増加に伴う
振動増加、およびコストの増加が懸念される。また、材
料の材種の変更や材質のグレ−ドアップは、例えば鋼種
材に変更する場合だけでなく、片状黒鉛を球状化して強
度を向上させた球状黒鉛鋳鉄を用いる場合においても、
切削加工性が著しく低下することや、セリウム,マグネ
シウムなどの黒鉛球状化剤の管理など鋳造技術が必要と
なる。すなわち、材料のコストアップのみならず、生産
性が低下するなど、得策とはいえない場合が多かった。
【0030】例えば、従来技術の説明で述べたように、
特開平5−71488号公報には、Cuを添加すること
により球状黒鉛鋳鉄の母材をすべてパーライト化して材
料強度を向上する方法が示されているが、表面処理など
を行うと、球状黒鉛を覆っている地金部が剥離してしま
うという問題があった。これに較べ、ねずみ鋳鉄の場合
は研磨表面に露出した黒鉛に地金が覆いかぶさるような
ことはなく、各種表面処理を選択可能である。そこで、
本発明の如く構造部材に、Cuを0.1〜1.0%添加
したねずみ鋳鉄を使用することにより、クランク軸やピ
ストン等の摺動部の肉厚アップをすることなく、また、
材料変更もすることなく、負荷荷重の増大に耐えうる構
造とすることができ、信頼性を確保することができる。
【0031】図10は、ねずみ鋳鉄にCuを添加したと
きと、無添加のときの硬さを比較した一例を示す比較図
である。Cu添加により材料の硬度は図10に示す如く
多少低下するが、耐摩耗性の低下が問題となるレベルで
はなく、逆に切削加工性が向上し、生産性向上等の利点
がある。これにより、摺動部材のみならずフレ−ムや弁
座板などの圧縮機構造部材一般についてもCu添加のね
ずみ鋳鉄を使用して製造コストの低減を図ることが可能
である。
【0032】前記各実施例の冷凍空調用圧縮機を、冷蔵
庫、ルームエアコン等における最も基本的な冷凍サイク
ルに適用した応用例の模式図を図9に示す。図9は、本
発明の圧縮機を冷凍サイクルに適用した例を示す系統図
である。図9に示すように、冷凍サイクルの配管によ
り、圧縮機31の吐出側は、凝縮器32、膨張機構3
3、蒸発器34と順につながれ、圧縮機31の吸込側に
接続される。圧縮機31はサイクル内に封入された冷媒
ガスを圧縮して圧力,温度を高めて循環させる働きをす
る。冷媒は凝縮器32で周囲に熱を放出して液体とな
り、膨張機構33で圧力を減じられ低圧,低温となり、
蒸発器34で周囲の熱を奪って再びガスとなり、圧縮機
に戻り、以下これを繰り返す。
【0033】このような冷凍空調システムの機器の心臓
部とも言えるものが圧縮機であり、システムの信頼性、
コスト、外法寸法等を決める大きな要素を占める。本発
明の冷凍空調用圧縮機を適用すれば、信頼性が高く、安
価で小形な圧縮機を用いることにより、信頼性の高い冷
凍空調システムを構成できることは論をまたない。
【0034】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、肉厚増加や材料変更による強度アップをすること
なく、コストの上昇を抑えつつ圧縮機の小型化と疲労強
度の向上を図り、信頼性の高い冷凍空調用圧縮機を提供
することができる。また、本発明によれば、材料の切削
加工性が向上し、生産性のよい冷凍空調用圧縮機を提供
することができる。さらに、本発明によれば、フロン規
制代替冷媒の使用を可能とする、安価で信頼性の高い冷
凍空調用圧縮機システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る往復動式圧縮機の縦断
面図である。
【図2】図1の装置におけるピストンに作用する力の変
化を示す線図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る冷凍空調用往復動式
圧縮機の圧縮機構部の要部断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例に係る冷凍空調用ロ
ータリ式圧縮機の圧縮機構部の要部断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例に係る冷凍空調用ス
クロール式圧縮機の圧縮機構部の要部断面図である。
【図6】従来のCu無添加のねずみ鋳鉄の試料断面を示
す倍率150の顕微鏡写真を模式図化した組織図であ
る。
【図7】本発明のCuを添加したねずみ鋳鉄の試料断面
を示す倍率150の顕微鏡写真を模式図化した組織図で
ある。
【図8】Cu無添加ねずみ鋳鉄とCu添加ねずみ鋳鉄と
のS−N曲線を比較した線図である。
【図9】本発明の圧縮機を冷凍サイクルに適用した例を
示す系統図である。
【図10】ねずみ鋳鉄にCuを添加したときと、無添加
のときの硬さを比較した一例を示す比較図である。
【符号の説明】
1…密閉容器、2…電動機、3…圧縮機機部、5…潤滑
油、6,6B…クランク軸、6a…偏心部、7…フレ−
ム、8,8A…ピストン、9…スライダ、10,10A
…シリンダ、18…コネクティングロッド、19…ピ
ン、20…ローラ、21A,21B…軸受、23…ベー
ン、24,25…スクロール部材、27…オルダムリン
グ、29…片状黒鉛、30…パ−ライト組織。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 宏政 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部冷 熱本部内 (72)発明者 大嶋 靖浩 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部冷 熱本部内 (72)発明者 鈴木 一浩 栃木県下都賀郡大平町大字富田709番地の 2 株式会社日立栃木エレクトロニクス内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍空調用圧縮機において、圧縮機構部
    の構造部材にCuを添加したねずみ鋳鉄を用いたことを
    特徴とする冷凍空調用圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷凍空調用圧縮機におい
    て、Cuの添加量を0.1〜1.0%の間としたことを
    特徴とする冷凍空調用圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2記載の冷凍空調
    用圧縮機において、圧縮形式が往復動式であり、クラン
    ク軸偏心部に装着されたスライダと、該スライダと一体
    に形成されたスライド管を有するピストンとを備え、前
    記ピストンがシリンダ内を前記クランク軸の回転により
    往復運動して冷媒を圧縮するものであり、前記クランク
    軸、スライダ、ピストンおよびシリンダの少なくとも1
    つに、Cuを添加したねずみ鋳鉄を用いたことを特徴と
    する冷凍空調用圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1および請求項2記載の冷凍空調
    用圧縮機において、圧縮形式が往復動式であり、クラン
    ク軸偏心部に装着されたコネクティングロッドと、前記
    コネクティングロッドの他端をピンにて回転自在に結合
    されたピストンとを備え、前記ピストンがシリンダ内を
    前記クランク軸の回転により往復運動して冷媒を圧縮す
    るものであり、前記クランク軸、コネクティングロッ
    ド、ピン、ピストンおよびシリンダの少なくとも1つ
    に、Cuを添加したねずみ鋳鉄を用いたことを特徴とす
    る冷凍空調用圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1および請求項2記載の冷凍空調
    用圧縮機において、圧縮形式がロ−タリ式であり、クラ
    ンク軸偏心部に嵌合されたロ−ラと、吸込室と圧縮室と
    を分離するベ−ンと、これらを収納するシリンダと、該
    シリンダの上下の密閉を兼ねる軸受部とからなり、前記
    クランク軸の回転によりロ−ラが回転して冷媒を圧縮す
    るものであり、前記クランク軸、ロ−ラ、ベ−ン、シリ
    ンダおよび軸受の少なくとも1つに、Cuを添加したね
    ずみ鋳鉄を用いたことを特徴とする冷凍空調用圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項1および請求項2記載の冷凍空調
    用圧縮機において、圧縮形式がスクロ−ル式であり、圧
    縮室を構成する一対の渦巻体を持つ固定スクロール部材
    および旋回スクロ−ル部材と、クランク軸の回転により
    オルダムルング機構によって一方のスクロ−ル部材を公
    転させて冷媒を圧縮するものであり、前記スクロ−ル部
    材、クランク軸、オルダムリングの少なくとも1つに、
    Cuを添加したねずみ鋳鉄を用いたことを特徴とする冷
    凍空調用圧縮機。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6記載のいずれか
    の冷凍空調用圧縮機において、圧縮する作動冷媒とし
    て、HFC134aのようなフロン規制対応の冷媒を用
    いたことを特徴とする冷凍空調用圧縮機。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7記載のいずれか
    の圧縮機を用いて構成したことを特徴とする冷凍空調サ
    イクル。
JP6125946A 1994-06-08 1994-06-08 冷凍空調用圧縮機 Pending JPH07332238A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007107537A (ja) * 2007-01-18 2007-04-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 密閉型圧縮機
US20220099091A1 (en) * 2020-09-30 2022-03-31 Trane International Inc. Compressor including laser-hardened bearing surfaces

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