JPH07331649A - シートパイルの打設方法及び打設に用いるセクション閉塞材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 砂地盤においても容易にシートパイルを打設
する。 【構成】 両端にセクションを形成したシートパイル１
ａ，１ｂの一方のセクションに長手方向に閉塞材５を装
着すると共に、当該セクションの一端部にはセクション
キャップ６を装着し、となり合うシートパイルのセクシ
ョンと閉塞材５及びセクションキャップ６を装着しない
側のセクション１ａとを互いに連結しながら順次打設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、仮設工事に用いるシー
トパイルの打設方法及び打設の際に用いるセクションの
閉塞材に係わるものである。

【０００２】

【従来の技術】周知のように土木、建設現場においては
土留などのために多数のシートパイルが打設されてい
る。このシートパイルは長尺状で両フランジの先端には
外向きにセクションが形成され、隣り合うシートパイル
のセクションを互いに連結しながら、油圧を利用した無
振動、無騒音のパイラーを用いて圧入打設している。と
ころで前記シートパイルの打設において、打設現場の地
盤が砂地の場合セクションの溝に砂が侵入し、シートパ
イルの打ち込みに時間がかかったり、打ち込み時にセク
ションの連結が外れたり、最悪の場合にはシートパイル
が曲がったりすることがある。このためセクション先端
を鉄板で塞いだり、キャップを装着したりして溝部に砂
の侵入を防ぐようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記のよ
うにセクションを鉄板で塞いだり、キャップを装着する
ことは、下方向からの砂の侵入を防ぐことは出来ても、
横方向、上方向からの侵入には対応することが出来ず、
結局のところ砂地盤の現場においては効果を発揮するこ
とが出来なかった。

【０００４】本発明は前記従来形の難点を排除するため
になされたもので、その目的とするところは砂地盤にお
いても容易にシートパイルを打設することができる打設
方法と、この打設に用いるセクション閉塞材を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明のシートパイル打設方法は、両端にセクション
を形成したシートパイルの一方のセクションに閉塞材を
装着すると共に、当該セクションの一端部には弾性体製
のセクションキャップを装着し、となり合うシートパイ
ルのセクションと閉塞材及びセクションキャップを装着
しない側のセクションとを互いに連結しながら順次打設
していくものである。また、セクションの閉塞材は、長
尺状でシートパイルのセクション溝と係合してセクショ
ンの溝を閉塞するもので、発泡スチロール、段ボールシ
ートをＵ字形に折り曲げたものなどが最適である。一方
セクションキャップはセクション端面と当接する顎部が
形成された少なくともセクション端面の一部を覆う基体
部と、セクションの溝端部と弾力的に係合する脚部とか
らなり、弾性体で一体に形成されている。

【０００６】

【実施例】以下図示の実施例に基づき本発明を具体的に
説明する。図１は本発明の一実施例を示す斜視図で符号
１は地中に打設されたシートパイル群である。各シート
パイル１ａは図２及び図３に示すように両フランジ２の
先端側に外側に向けてセクション３が延設されこのセク
ション３とフランジ２によってセクション溝４が形成さ
れており、このセクション３及びセクション溝４を用い
て隣り合うシートパイル１ａ同士を連結する。さて本発
明による打設方法について図１ですでに打ちこまれたシ
ートパイル１ａにシートパイル１ｂを連結打設する例を
用いて説明する。シートパイル１ａの開放端側のセクシ
ョン溝４には打設にあたり閉塞材５が取付けられてい
る。この閉塞材５は発泡スチロール製の柱状体で本実施
例では高さ３０ミリ、幅２５ミリ、長さ９００ミリとし
ており、この複数本を用いて図２、図３に示すようにセ
クション溝４を塞ぐように長手方向に取付けられてい
る。一方セクション溝４の下端部にはセクションキャッ
プ６が取付けられている。セクションキャップ６は硬度
７０〜８０度程度の弾力性を有する合成ゴムで形成され
ており、図４に示すように変形の載頭円錐形をした基体
部７と、この基体部７の上面に軸８を介して一体に連設
形成した脚部９とから構成されている。基体部７はシー
トパイルのセクション端面を覆う大きさで、上面にセク
ション端面に当接する顎部１０を有し、セクションキャ
ップ６をシートパイルに装着したとき、基体部７がセク
ション溝に入り込まないようになっている。一方セクシ
ョンキャップ６の脚部９はセクション溝に弾力的に係合
するもので、前記基体部７の上面に軸８を介して一体に
連設されており、頂部はセクション溝に挿入しうる径を
有し、この頂部から薄肉状に形成させた外周壁１１が基
体部７の外周縁に向けてスカート状にのびている。この
セクションキャップ６は図５に示すように脚部９の外周
壁１１がセクション溝４の壁に密着し、基体部７の顎部
１０がセクション溝４の端面に接する状態で装着されて
いる。

【０００７】一方前記シートパイル１ａに連結打設する
シートパイル１ｂのシートパイル１ａと連結しない側の
セクション溝４には、前もって前記シートパイル１ａ同
様に閉塞材５及びセクションキャップ６を装着してお
く。そして定法に従って、シートパイラー（図示せず）
でシートパイル１ｂを吊り上げ、シートパイル１ａの閉
塞材５及びセクションキャップ６を装着したセクション
３と、シートパイル１ｂの閉塞材５及びセクションキャ
ップ６を装着していない側のセクション３とを連結させ
ながら地中に打設していくもので、シートパイル１ｂの
閉塞材５、キャップ６を装着していない側のセクション
３の端部は、シートパイル１ａのセクション溝４に装着
した閉塞材５を破壊しながら、一方他方のセクション３
は閉塞材５、キャップ６を装着したままで地中に打設さ
れる。打設にあたってはセクション３に装着した閉塞材
５が横方向及び上方向からの、セクションキャップ６が
下方向からセクション溝４に入り込もうとする砂を排除
するので、セクション溝４の砂詰まりが防止され、スム
ースな打設作業が可能となる。

【０００８】出願人が本実施例の打設方法と従来の打設
方法とを長さ２１．５メートルのシートパイルを打設す
る場合について比較してみたところ、従来方法で５〜６
本／日であったものが１２〜１３本／日と約２倍の効果
をあげることができた。

【０００９】なお前記実施例ではセクション溝４を閉塞
する閉塞材として発泡スチロール製の柱状体を使用した
が、この閉塞材は打設時にセクション溝に砂の侵入を防
止し、かつ連結時に隣合うシートパイルのセクションに
よって破壊される程度の強度があればよく、例えば幅１
０センチ程度の段ボールシートを二つ折りにしてＵ字形
としセクション溝を閉塞する状態に装着してもよい。

【００１０】

【発明の効果】本発明はシートパイルの打設時に予めセ
クション溝を閉塞材、セクションキャップを用いて閉塞
し、砂の侵入を防ぐようにしたので砂地盤におけるシー
トパイルの打設を効率よく行うことができる。また閉塞
材は構造、及び取付けが簡単でその材料となる発泡スチ
ロール、段ボールは安価であるばかりか、包装材、緩衝
材として使用されたものを再利用することも可能でコス
トを押さえることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す一部省略した斜視図で
ある。

【図２】シートパイルの連結状態を示す平面図である。

【図３】シートパイルを示す斜視図である。

【図４】セクションキャップを示す一部破断した斜視図
である。

【図５】閉塞材及びセクションキャップの取付け状態を
示す一部省略した斜視図である。

【符号の説明】

１ シートパイル群 １ａ、１ｂ シートパイル ２ フランジ ３ セクション ４ セクション溝 ５ 閉塞材 ６ セクションキャップ ７ 基体部 ８ 軸 ９ 脚部 １０ 顎部 １１ 外周壁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳沢 武夫 宮城県仙台市青葉区二日町12−30 丸藤シ ートパイル株式会社東北支店内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端にセクションを形成したシートパイ
   ルの一方のセクションに長手方向に閉塞材を装着すると
   共に、当該セクションの一端部にはセクションキャップ
   を装着し、となり合うシートパイルのセクションと閉塞
   材及びセクションキャップを装着しない側のセクション
   とを互いに連結しながら順次打設していくシートパイル
   の打設方法。
2. 【請求項２】 長尺状でシートパイルのセクション溝と
   係合するシートパイルセクション閉塞材。
3. 【請求項３】 発泡スチロール製の柱状体でシートパイ
   ルのセクション溝と係合するシートパイルセクション閉
   塞材。
4. 【請求項４】 セクション端面と当接する顎部が形成さ
   れた少なくともセクション端面の一部を覆う基体部と、
   セクションの溝端部と弾力的に係合する脚部とからな
   り、弾性体で一体に形成されているセクションキャッ
   プ。