JPH073285A - 金属の冷間加工用潤滑組成物及び潤滑処理方法 - Google Patents

金属の冷間加工用潤滑組成物及び潤滑処理方法

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JPH073285A
JPH073285A JP16968591A JP16968591A JPH073285A JP H073285 A JPH073285 A JP H073285A JP 16968591 A JP16968591 A JP 16968591A JP 16968591 A JP16968591 A JP 16968591A JP H073285 A JPH073285 A JP H073285A
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JP
Japan
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component
water
soluble
film
lubricating
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JP16968591A
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English (en)
Inventor
Ee Kurongousukii Pooru
エー,クロンゴウスキイ ポール
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属の冷間加工における前記金属の表面の潤
滑皮膜から周囲環境への粉塵飛散を減少させる潤滑剤及
び潤滑方法を提供する。 【構成】 リン酸塩化成皮膜の上に金属の冷間加工のた
めに、慣用のステアリン酸セッケン潤滑を使用する際
の、周囲環境への粉塵の飛散は、慣用のアルカリ金属セ
ッケン潤滑液に有効量、例えば、1−6g/リットルの
水に可溶な薄膜形成重合体を添加することによって著し
く減少できる。このような重合体の添加によって、被覆
された該金属の耐腐食に及ぼされる有害な影響は腐食抑
制剤の添加によって克服できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属に引抜やその他の
冷間塑性加工を行うに先立ち、該金属の表面を潤滑処理
するための潤滑剤組成及び潤滑方法に関するものであ
る。通常は、本発明の潤滑剤を使用する前に、潤滑化し
ようとする金属表面にリン酸塩化成皮膜を施す。
【0002】
【従来の技術】長年にわたって、セッケン又は類似の処
理剤で潤滑化することによって、金属を冷間加工するた
めの前処理を行うことが知られている。一般的には、セ
ッケンによる被覆に先立ち、亜鉛イオン、及びときとし
てカルシウム、ニッケル、マンガン、銅、及び/又はそ
の他の2価金属イオンを含む溶液を用いて、該金属表面
にリン酸塩化成被覆を施す。アルカリ金属セッケンの水
溶液は、リン酸亜鉛と反応して「反応潤滑剤」と呼ばれ
る極めて有利な態様のステアリン酸亜鉛を生成すること
ができ、広く潤滑化工程に好まれている。
【0003】この種の潤滑剤で処理された金属体の外側
表面は薄くて脆いセッケンの層を有し、その工程のため
に潤滑化した引抜工程を含むどんな取扱に際しても、該
金属体の物理的取扱によってセッケン潤滑剤皮膜粉塵が
周囲大気に飛散される。作業者の粉塵吸引に起因する慢
性疾患の可能性に関する近年の一般的意識の増大が動機
となって、冷間加工前に使用するセッケン型の潤滑剤を
変更又は改良して、処理された金属体からの粉塵の発生
を減少させようとする試みが起こっている。本発明の一
つの目的はここにある。公開された欧州特許出願第03
01120号は、その英文要約によると、(A1)ポリ
ビニルアルコール0.2−1.8重量%、(A2)ポリ
ビニルアルコールを酸化剤と処理して生成させ、−OH
基類のほか、ケト基類、カルボキシル及び/又はカルボ
ン酸塩のイオン基類及び随意的にアルデヒド基類及び/
又はケト基類と共役なオレフィン基類を含有するポリビ
ニルアルコールの誘導体0.2−3重量%、(B1)少
なくとも65%が最低16炭素原子の鎖長をもつ、水に
可溶な脂肪酸塩類1−45重量%、(B2)水に可溶な
アルカリ金属セッケン0−1.5重量%、及び/又は
(C1)ガラス形成用ホウ酸塩1−6重量%、及び/又
は(C2)ポリビニルアルコール類(A1)及び/又は
(A2)のホウ酸エステル類1−6重量%、及び(D)
界面活性剤0−1重量%から構成される金属加工用潤滑
剤組成を開示している。
【0004】公開された東独特許出願第257359号
の英文要約は、アルカリ土類金属セッケン1−45%、
ポリビニルアルコール0.2−1.8%、アルカリ金属
ホウ酸塩4−6%、及び水から構成される冷間加工用の
潤滑剤を開示している。
【0005】公開された東独特許出願第256804号
は、水に分散される不溶性セッケン、ガラス形成用無機
添加物類、ポリビニルアルコール、及び随意的に界面活
性剤から構成され、溶液の0.2−3重量%が、酸化剤
で構造を変えられたポリビニルアルコールの誘導体であ
り、該誘導体が少なくともケト及びカルボキシル又はカ
ルボン酸塩の基類を含んで構成される、金属の冷間加工
用の潤滑剤を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の東独及び欧州特
許の要約のうち開示された組成物の使用による粉塵抑制
効果を教示するものは存在しない。日本の特開昭57−
40200号は、エチレンと酢酸ビニルの共重合体の乳
濁液2−5%を、生石灰、金属セッケン、ステアリン酸
アルミニウム、及び水を含む石灰セッケン潤滑液に加え
るか、或いは、ホウ砂と水からなる溶液に加えると、冷
間引抜時の潤滑層の剥離が実質的に減少することを開示
している。該発明による溶液中における生石灰(即ち、
酸化カルシウム又は水酸化カルシウム)の存在が反応潤
滑剤を剥脱させるのであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本明細書においては、実
施例又は特に断る場合を除き、材料又は反応条件或いは
使用方法を記述する全ての数値は、概略値を示すもので
あることを理解して、本発明の特許請求の範囲を認定す
べきである。一般的には、規定される数値の範囲内で実
施するのが好ましい。
【0008】潤滑化被覆を行うために慣用的に使用され
る水性溶液に、水に可溶な薄膜形成重合体を加えてpH
を11以下にすると、他の慣用のセッケン潤滑剤皮膜の
粉塵発生傾向を、実質的な潤滑効果を損なわないで、減
少できることが分かった。(薄膜形成重合体に関して用
いられる用語「水に可溶な」とは、他の慣用の成分と共
にリン酸塩処理後に使用される水性の慣用の潤滑液に溶
かして使用されるとき、粉塵化傾向の顕著な減少をもた
らすに充分な量の溶解度を有することを意味する。用語
「薄膜形成」とは、前記重合体のみの水溶液の厚さ2m
m以下の層が85℃又はそれ以上の温度で乾燥して連続
的な薄膜を生成することを意味する。該連続的な薄膜
が、72℃以下、60℃以下、44℃以下、31℃以
下、又は20℃以下の乾燥温度条件で形成される順に一
層好ましい。)
【0009】水に可溶な薄膜形成重合体の量は、潤滑液
中に使用される8乃至22炭素原子をもつ脂肪酸類の水
に可溶な塩類の量に対して、好ましくは2乃至20重量
%、更に好ましくは5乃至15重量%、なお一層好まし
くは6乃至8重量%である。
【0010】本発明に使用される水に可溶な薄膜形成重
合体は、好ましくはポリビニルアルコール(以下「PV
A」)、ポリ2−エチル−2−オキサゾレン(以下「P
EOX」)、ポリエチレンオキサイド(以下「PE
O」)、ポリビニルピロリドン(以下「PVP」)、及
び酢酸ビニルとエチレンとの共重合体(以下「EV
A」)からなるグループから選ばれる。このグループの
うち、EVAはあまり好ましくなく、PVAは最も好ま
しい。またPVAの種類のうちでは、ポリ酢酸ビニルの
加水分解によって生成されて残留酢酸基類11−13%
を含むものが最も好ましい。
【0011】本発明によるセッケン液として、慣用の組
成物に水に可溶な薄膜形成重合体のみを新たな成分とし
て加えた場合、被覆された金属腐食の増大が観察された
ことがある。この腐食は上記混合液に抑制剤を添加すれ
ば避けられる。従って、このような抑制剤の使用が好ま
しい。使用される抑制剤の量は、潤滑液に使用される8
乃至22炭素原子をもつ脂肪酸類の水に可溶な塩類の量
に対して、好ましくは0.9乃至8.6、更に好ましく
は1乃至7重量%、更に一層好ましくは2乃至5重量%
である。腐食抑制剤としては、アルカリ金属亜硝酸塩
類、有機アミン類、ホウ酸アミン、有機カルボン酸類、
芳香族スルフォン酸類及びそれらの水に可溶な塩類、ホ
ウ酸の水に可溶な塩類、アルカノールアミド類、及びイ
ミダゾリンからなるグループから選ばれるものが好まし
い。最も好ましい腐食抑制剤は亜硝酸ナトリウムであ
る。
【0012】なお、本発明によるセッケン液に関して最
上の結果が認められたのは、該セッケン液のバブコック
数が、本発明による新たな成分を加えてない同種の溶液
よりもやや高くなるように組成されたときである。本発
明による水性セッケン液のバブコック数は、好ましくは
0.5乃至5、更に好ましくは2乃至3.5である。
【0013】本発明に使用される水に可溶なセッケン
(反応セッケンとも呼ばれる)は、当技術で知られるこ
の種の用途の任意の材料であってよく、一般的には水に
可溶な8−22炭素原子をもつ脂肪酸の塩類から選ばれ
る。典型的な反応セッケンは、C18セッケン40乃至9
0%を含む工業用ステアリン酸ナトリウムであるが、更
に高い割合、例えば少なくとも95重量%、のステアリ
ン酸ナトリウムを含む工業用セッケンが一般に更に好ま
しい。本発明による溶液中の反応セッケンの濃度は5乃
至150g/リットルの範囲内にあるのが好ましく、濃
度を増すほど一層好ましくなる。反応セッケンの量は最
低10又は16g/リットルである。
【0014】本発明の潤滑液は、脂肪酸類のアルカリ土
類金属及び他の多価金属のイオン塩類のような不溶性セ
ッケン類が実質的に無いものでなければならない。組成
物中におけるこのような不溶性セッケン類の量は、1重
量%以下が好ましく、重量%が0.8以下、0.5以
下、0.1以下になるに伴い一層好ましい。
【0015】本発明の潤滑液は、Nuss等の1980
年4月22日の米国特許第4,199,381号に一般
的に開示されるように、重金属に対する錯化剤を含んで
よい。錯化剤は当技術で知られている任意の材料でよ
く、エチレンジアミン四酢酸(以下「EDTA」)及び
その塩類、ニトリロ三酢酸(以下「NTA」)及びその
塩類、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸
(以下「NEDTA」)及びその塩類、ジエチレントリ
アミン五酢酸及びその塩類、及びジエタノールグリシン
が含まれる。
【0016】アルカリ性の潤滑液は一般に下地処理のリ
ン酸塩化成被覆層の剥離を増し、最終潤滑皮膜が粉塵を
発生する傾向を増大する。従って、本発明の潤滑液のp
Hはそれぞれ10.6、10.0、9.6を越えないと
きその順に一層好ましい。最も好ましくは、本発明の水
性潤滑液は0.3乃至0.6ポンイトの遊離酸度をも
つ。
【0017】本発明の別の実施態様は、水と混合するこ
とによって本発明の潤滑液組成が調製できる固体又は液
体の濃縮組成物である。一般に、出荷時の経済性から、
殆ど水を含まない固体濃縮物が好ましい。該濃縮物から
好ましい量の反応セッケンを可溶性化して、本発明の潤
滑液を形成するために固体濃縮物と混合される水は通常
約85℃又はそれ以上の温度に昇温される必要がある。
【0018】本発明の実施方法は、一般的に上述した本
発明の潤滑液に適当なリン酸塩処理された表面を触れさ
せることによって達成される。
【0019】理想的な潤滑処理は常に高い被覆重量の反
応潤滑層を保持し、リン酸塩皮膜の成分と潤滑液の成分
との間の所望の反応を妨げる副次的生成物が潤滑液の中
に導入されるのを防ぎ、かつ金属表面のリン酸塩の消耗
を最小量にすることである。このような理想的な潤滑を
達成できる実際的潤滑は存在しないが、好ましい従来の
実用的バスは、非反応潤滑被覆重量に対する反応潤滑被
覆重量を最適化しようとして、化成皮膜損失に対する反
応潤滑被覆重量の比を最大化する傾向があった。本発明
においては、従来技術より低い反応潤滑被覆量対非反応
潤滑被覆量の比によって充分に低い引抜力と引抜用の適
当な潤滑が得られるから、反応潤滑被覆の量は従来技術
の潤滑液におけるほど重要ではない。しかし、生成され
た潤滑面に対して必要な引抜力が望ましくないほど高く
なることを防ぐために、本発明の過程は充分な時間にわ
たって継続して少なくとも6g/m2 の潤滑被覆総重量
を生成すれば一層好ましい。
【0020】本発明における潤滑液の温度及び潤滑液と
リン酸塩皮膜との接触時間は、一般的には、従来の反応
潤滑技術の条件範囲内にある。例えば、温度は通常好ま
しくは70℃乃至90℃の間、更に好ましくは76℃乃
至87℃、また接触時間は好ましくは1乃至10分、更
に好ましくは3乃至7分である。
【0021】他の調査した変数が結果に及ぼす影響は比
較的小さなものに過ぎない。10乃至15分の最終乾燥
の温度が室温と121℃の場合では粉塵化傾向に相違は
認められなかった。また、リン酸塩化成皮膜重量を1
0.8g/m2 から21.6g/m2 まで変えても粉塵
化傾向には明確な相違はなかった。リン酸塩被覆を6.
5g/m2 まで減らすと僅かながら粉塵化傾向の増加が
認められた。従って、リン酸塩被覆はこの値を越えるこ
とが好ましい。
【0022】
【実施例】本発明の効果は次の本発明の実施例及び対照
例によって、更に良く理解できる。しかし、例示する本
発明の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。全ての実施例及び対照例に対する一般条件 潤滑液の温度は79℃に保ち、リン酸塩処理された金属
試料は潤滑液に5分間接触させた後、88乃至99℃に
調節されたオーブンで15分間乾燥する。試料はアルカ
リ洗浄された1010型冷間圧延鋼とし、該試料を硫酸
に漬け、更に米国ミシガン州マジソンハイツ所在のヘン
ケル社Parker+Amchem部から商標名Bon
deriteで販売される商用のリン酸亜鉛溶液を使用
してリン酸塩処理した。2つの異なるタイプのBond
eriteを、全酸度35ポイントに保った溶液で使用
したが、次に述べるように結果には顕著な相違は認めら
れなかった。(本明細書においては、全酸度とはリン酸
塩処理液の試料5mlをフェノールフタレインの滴定終
点まで滴定するに要する0.1規定のNaOH水溶液の
ml数(ポイント)と定義する。)平均リン酸塩被覆重
量は、全ての試験板表面について、12g/m2 とし
た。
【0023】潤滑液の遊離酸成分は次の手順によって測
定した。遊離酸 イソプロピルアルコールにフェノールフタレイン0.2
重量%を溶かした溶液200mlを400mlビーカー
に注ぎ、次に熱い潤滑液の試料10mlを三角メスフラ
スコ又はピペットで測り取って、加える。ビーカー中の
混合液を沸騰するまで熱し、少なくとも1分間沸騰させ
る。加熱を止め、溶液が未だ熱いうちに直ちに、溶液が
桃色でなく透明であれば、0.1規定NaOH水溶液を
薄い桃色がいつでも消えなくなるまで滴下する。滴下し
たNaOH水溶液の所要ml数が遊離酸度のポイントで
ある。沸騰後の溶液が既に桃色であれば、0.1規定硫
酸を桃色が現れなくなるまで滴下する。硫酸の所要ml
数が遊離アルカリ度のポイントである。
【0024】潤滑液のバブコック数は次の方法で測定し
た。2−プロパノールにフェノールフタレイン0.2重
量%を溶かした溶液10mlを50mlビーカーに注
ぐ。次に測定しようとする潤滑液の熱い試料10mlを
正確に測り取って加え、よく混合して、混合液を沸騰す
るまで熱する。ワットマン541のような高速(fas
t)濾紙で、目盛り首付きのバブコック試験瓶に濾し取
る。2−プロパノールにフェノールフタレイン0.2重
量%を溶かした別の溶液10mlを使用直前に沸騰さ
せ、該溶液でビーカー及び濾紙を洗浄する。濾紙を捨て
る。バブコック瓶を少なくとも30分間沸騰している水
浴に配置して、添加した2−プロパノールを全て追い出
す。バブコック瓶に50重量%の硫酸20mlを加え
る。内容物を混合するために該瓶を振盪させ、水浴内の
瓶及び内容物を、瓶内の液体の上部に明瞭な油質層が形
成されるまで熱する。必要なら熱湯をバブコック瓶に加
えて、頂上油質層の頂部及び底部を前記瓶の目盛りが刻
まれた首部に移動させる。頂上油質層の上端と下端の目
盛値の差が試料のバブコック数である。(使用した型の
バブコック瓶の1目盛りは0.2mlであるから、バブ
コック数は潤滑液の試料20mlを酸性化して生成され
る油性物の容量%に対応する。)瓶が未だ沸騰している
水浴中に浸っている間に、油質層の上端及び下端の位置
を読み取らなければならない。瓶を水浴から取り出す
と、急速に冷えて読み取り誤差の原因となる。
【0025】試料の被覆重量及び他の関連特性は次のよ
うに定義及び/又は決定した。 W1=試験板及びリン酸塩皮膜の重量(グラム単位)。 W2=試験板、リン酸塩皮膜、及び潤滑液に曝した後の
潤滑皮膜の重量(グラム単位)。 W3=リン酸塩処理液、及び潤滑液に曝した後、ウォー
ター・ストリップ処理した試験板の重量(グラム単
位)。 ウォーター・ストリップ:試験板表面1cm2 当たり少
なくとも約4.3mlとなる充分な容量の脱イオン水を
用意し、沸騰させ、該沸騰している脱イオン水の中に3
分間試験板を漬ける。試験板を取り出し、同量の沸騰脱
イオン水に漬けて3分間洗浄する。洗浄した試験板を取
り出して、オーブンで乾燥して、計量する。 W4=リン酸塩処理液、及び潤滑液に曝した後、上述の
ウォーター・ストリップ処理の後、更に溶剤ストリップ
処理した試験板の重量(グラム単位)。 溶剤ストリップ:蒸留された新鮮な溶剤を容器の規定レ
ベルまで溜めるソクスレー抽出器又は類似の抽出器の抽
出部に、試験板を配置する。次に蒸留貯溜した溶剤を排
出させる。このサイクルを繰り返す。ドレインゲージの
レベル直下まで溶剤を満たしたとき、装入した全ての試
験板が完全に漬かっていることを確かめる。イソプロピ
ルアルコール55重量%、n−ヘプタン32重量%及び
2−エトキシエタノールの混合液を活発に逆流させて凝
縮させ、少なくとも30分間抽出する。試験板を取り出
して、オープンで乾燥して、周囲温度まで冷やして、計
量する。 W5=リン酸塩処理液、及び潤滑液に曝した後、上述の
ように規定したウォーター・ストリップ及び溶剤ストリ
ップ処理を行った後、更にクロム酸ストリップ処理した
試験板の重量(グラム単位)。 クロム酸ストリップ:4リットルの水にCrO3 800
gを溶解してクロム酸水溶液を作る。水溶液を82℃に
熱し、攪拌しながら温度調節してその温度を保つ。試験
板を5分間浸す。熱い水溶液から試験板を取り出して、
素早く洗浄し、清浄な圧縮空気で乾燥して、計量する。
表面積は平方メートル単位で測定した。
【0026】 A)化成被覆損失=(W1−W4)/表面積 B)非反応潤滑皮膜=(W2−W3)/表面積 C)反応潤滑皮膜=(W3−W4)/表面積 D)残留化成皮膜=(W4−W5)/表面積 E)全潤滑皮膜重量=非反応潤滑皮膜+反応潤滑皮膜
【0027】潤滑被覆試料の腐食率(suscepti
bility)は米国材料試験協会標準手順(AST
M)D2247−87に従って測定した。結果は、試料
の赤さび及び/白さび量の目視観察に基づき、次の尺度
によって示してある。等級記号 腐食した試料面積の百分率 R10 0 R9.5 <10 R9 10−<20 R8 20−<30 R7 30−<60 R6 60−<80 R5 80−100
【0028】粉塵化傾向は次の手順で測定した。各辺が
6.5cmの方形暗色ベロア材を、試験板の乾燥した潤
滑被覆に接触させて配置する。試験板は15cm長であ
って、方形ベロアを先ず試験板の先端中央に置く。質量
1kgで直径約5cmの円柱状の錘りを方形ベロアの中
央に置き、錘りを置いたまま、ベロアを板の残りの長手
方向に引く。この試験板上の横断移動の後、もし剥離が
起きたら、潤滑被覆の粉塵の明色が暗色に映えて容易に
発見できる。このような粉塵の存在する量を、1を目視
できる粉塵無し、10を試験板上の横断移動の間に錘り
が載っていた円形内のベロア全領域に対応させて、1か
ら10の階級に区分した。
【0029】引抜の容易性を、米国ミシガン州デトロイ
ト所在デトロイト試験機社(Detroit Test
ing Com.)制作の「LUB」型引抜試験機で測
定した。6.3mm×6.3mmの大きさのボタンダイ
を用いて100ポンド(=45kg重)刻み、900−
1400ポンド(=405−630kg重)のクランプ
力でくわえた。引抜に必要な力は試験機付属の測定具か
ら直接読み取った。
【0030】詳細試験 適切な水に可溶な薄膜形成重合体の決定 重量比(「PBW」)で50%水酸化ナトリウム水溶液
154PBWと追加の水359PBWを混合して先ず基
本潤滑液濃縮物を調製し、該溶液を約75℃に熱した。
この溶液に、攪拌しながら、C18脂肪酸(類)95重量
%以上、C16脂肪酸(類)3重量%以下、C15及びC17
複合型脂肪酸(類)1重量%以下を含有してなる高品質
工業用ステアリン酸526PBWを溶融槽から注ぐ。混
合物を攪拌しながら、溶融脂肪酸類を加えている間に、
別の容器からパイン油5PBWを同時に加える。混合物
を約75℃に保ったまま約45PBWの水が蒸発して無
くなるまで攪拌し続ける。次に混合物が冷えるまで待つ
と、脆い固体の生成物が形成される。
【0031】次に述べるような基本潤滑液を調製するた
めに、次に示すバブコック数になるように、上述のよう
にして調整した濃縮物の量を選んで、通常74乃至94
℃の温度の熱湯に溶かす。表1では、基本液のバブコッ
ク数は2であって、既に述べた一般的過程で水性潤滑液
として使用するに先立ち、表1に示してある重合体を以
下に示す特定量だけ上記基本液に加えた。表1の水に可
溶な重合体のうち、星印(*)のないものに関しては、
重合体の特定量は、潤滑液を作るために使用された濃縮
物中の脂肪酸ナトリウム塩類の量の10重量%に相当す
る。表1で星印1つを付して示してある重合体に関して
は、重合体の特定量は、潤滑液を作るために使用された
濃縮物中の脂肪酸のナトリウム塩類の量の20重量%に
相当する。得られた粉塵化傾向の等級は表1に示してあ
る。
【0032】本発明による水に可溶な薄膜形成重合体の
添加が所要引抜力に及ぼした軽微な影響が表2に示して
ある。この表2の基準液は表1の基本液と同一である。
ポリビニルアルコール(PVA)はAirvolTM54
0であった。バブコック数及び上記のような基本濃縮物
で調製された溶液に添加された重合体の量によって変化
する粉塵化傾向を表3に示した。重合体はAirvol
TM540であった。
【0033】本発明の水に可溶な薄膜形成重合体の被覆
試料の腐食率に及ぼす影響は、腐食抑制材の有無に分け
て、表4に示してある。基準液は表1及び2の場合と同
一である。PVAはAirvolTM540であった。
【0034】本発明による濃縮物(以下「ConIn
v」と記述する)は、表1から4に示した特性を有する
溶液を調製するために使用された濃縮物を941PB
W、固体亜硝酸ナトリウムを18PBW、及びポリビニ
ルアルコールAirvolTM540を41PVWから構
成される混合物の乾燥混合によって調製された。このC
onInvから調製された溶液で潤滑処理された試料の
粉塵化傾向を表5に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1の注 星印(*)の意味については、明細書本文の記述を参照
のこと。PEOX 50は、製造元(Dow Chem
ical USA)の報告によると、分子量は約50,
000、化学要約サービス記録番号(Chemical
Abstract Service Registra
tion Number)25805178である。表
に挙げたAirvolTM剤は固体であり、製造元(Ai
r Productand Chemicals,In
c.)はポリ酢酸ビニルの加水分解によって生成され、
次の特性を有すると、報告している。 4%水溶液の粘度 AirvolTM番号 加水分解百分率 (センチポアズ) 165 99.3+ 55−65 350 98.0−98.8 55−65 205 87.0−89.0 5−6 523 87.0−98.8 22−26 540 87.0−89.0 40−50 AirflexTM300は、製造元(Air Prod
ucts and Chemicals Inc.)
は、「ラテックスは約55重量%の固体成分をもち、T
g値18℃の酢酸ビニルとアセチレンの共重合体からな
り、引張破壊前の伸び率は650%である。」と報告し
ている。表に示したPolyoxTM剤は固体であって、
製造元(Union Carbide Corp.)の
報告によると、次のような分子量をもつ。N10は10
0,000、N3000は400,000、であり30
1は4,000,000である。
【0037】
【表2】 表2 クランプ力による引抜力の変化 潤滑液 クランプ力,kg 引抜力,kg 基準液 405 60 基準液+1g/リットルPVA 405 59 基準液+6g/リットルPVA 405 63 基準液 450 62 基準液+1g/リットルPVA 450 63 基準液+6g/リットルPVA 450 65 基準液 495 75 基準液+1g/リットルPVA 495 77 基準液+6g/リットルPVA 495 77 基準液 540 81 基準液+1g/リットルPVA 540 81 基準液+6g/リットルPVA 540 81 基準液 585 90 基準液+1g/リットルPVA 585 86 基準液+6g/リットルPVA 585 92 基準液 630 99 基準液+1g/リットルPVA 630 測定せず 基準液+6g/リットルPVA 630 102
【0038】
【表3】 表3 バブコック数及び好ましい水に可溶な重合体の量に伴う 粉塵化傾向の変化 バブコック数 重合体の量,g/リットル 粉塵化率 2 0 10 3 0 7 4 0 6 2 1 4 2 2 3.5 2 3 3 2 6 1
【0039】
【表4】 表4 添加剤による腐食率の変化 水性潤滑液の組成 腐食率 基準液 R9.5 基準液+6.7g/リットルPVA R6.0 基準液+6.7g/リットルPVA+3.0g/リットル NaNO2 R9.0 基準液+6.7g/リットルAirflexTM300 R8.0 基準液+6.7g/リットルPolyoxTM301 R6.0 表4の注 g/リットル=水性潤滑液1リットル当たりのグラム数
【0040】
【表5】 表5 バブコック数による粉塵化傾向の変化 バブコック数 粉塵化率 1 3 2 2 3 1.5 4 1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 143:18 125:20) C10N 40:24 50:02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の冷間加工用水溶性潤滑組成物であ
    って、(A)C8 〜C22の脂肪酸の水溶性塩類から選ば
    れる化合物の5〜150g/リットルと、(B)被覆乾
    燥後、皮膜の粉塵化を減少させるのに有効な水溶性皮膜
    形成重合体の、1〜30g/リットルと、任意成分とし
    て(C)腐食制御成分と、(D)重金属イオンの錯化剤
    から選ばれる成分とを含有し、pH11を超えない水溶
    液からなることを特徴とする金属の冷間加工用潤滑組成
    物。
  2. 【請求項2】 成分(C)の重量が成分(A)の0.9
    から8.6%である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 成分(A)の少なくとも40%がC18
    肪酸の水溶性塩類から選ばれ、成分(B)がポリビニル
    アルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロ
    リドン、酢酸ビニルとエチレンの共重合体、から選ばれ
    る1種又は2種類以上の皮膜形成重合体である請求項1
    記載の潤滑組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の組成物であって、成分
    (A)の90%以上がステアリン酸ナトリウムであり、
    成分(B)がポリビニルアルコールからなり、且つ成分
    (B)が成分(A)の2から20%存在し、(C)成分
    として亜硝酸ナトリウムが成分(A)の0.9から8.
    6%存在する組成物。
  5. 【請求項5】 成分(A)の少なくとも90%がステア
    リン酸ナトリウムであり、成分(B)が11から13%
    の残留酢酸基類を含有するポリビニルアルコールであ
    り、成分(C)として亜硝酸ナトリウムを含有し、該組
    成物の遊離酸度が0.3から0.6ポイントである請求
    項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 金属の冷間加工において生ずる摩擦抵抗
    を減少させるのに有効な皮膜を形成させるために、前記
    金属表面を充分な温度で水と、(A)C8 〜C22の脂肪
    酸の水溶性塩類から選ばれる化合物の5から150g/
    リットルと、(B)被覆乾燥後、皮膜の粉塵化を減少さ
    せるのに有効な水溶性皮膜形成重合体の1〜30g/リ
    ットルと、任意成分として、(C)腐食抑制成分と、
    (D)重金属イオンの錯化剤から選ばれる成分とを含有
    する水溶性潤滑組成物と接触させることを特徴とする潤
    滑処理方法。
JP16968591A 1990-07-12 1991-07-10 金属の冷間加工用潤滑組成物及び潤滑処理方法 Pending JPH073285A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010139070A1 (en) 2009-06-04 2010-12-09 Retec F3 Technologies, Sec Fast film forming water based barrier coating
EP2438116A1 (en) * 2009-06-04 2012-04-11 Retec F3 Technologies, Sec. Fast film forming water based barrier coating
EP2438116A4 (en) * 2009-06-04 2013-09-04 Retec F3 Technologies Sec QUICK-FILM WATER-BASED WASTE COATING

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