JPH07326295A - マグネトロン - Google Patents

マグネトロン

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JPH07326295A
JPH07326295A JP11844094A JP11844094A JPH07326295A JP H07326295 A JPH07326295 A JP H07326295A JP 11844094 A JP11844094 A JP 11844094A JP 11844094 A JP11844094 A JP 11844094A JP H07326295 A JPH07326295 A JP H07326295A
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JP
Japan
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anode
magnetron
cylinder
vane
anode vane
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Pending
Application number
JP11844094A
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English (en)
Inventor
Masayuki Aiga
正幸 相賀
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】陽極円筒1の中心軸上に配置された陰極7と、
陽極円筒1の内周面に放射状に配設された複数枚の陽極
ベイン2と、陽極円筒1の両開口端部に配置された一対
の磁極片5、6を有し、陽極ベイン2の陰極7に対する
側の管軸方向端部近傍に切り欠き部2a、2bが形成さ
れている。 【効果】陽極ベインの陰極側軸方向端部近傍に切り欠き
部を形成したため、作用空間端部での電子の回転速度の
均一化が図れ、多重発振に起因したラインノイズの発生
や基本波周辺のサイドバンド帯の雑音発生を大幅に改善
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジなどのマイ
クロ波加熱機器やレーダなどに用いられるマグネトロン
に関し、詳しくはマグネトロン動作時の雑音の発生を抑
え、低雑音化を図ったマグネトロンの改良技術に関する
【0002】
【従来の技術】一般に電子レンジなどに用いられるマグ
ネトロンの本体要部断面図を図8に示す。同図におい
て、陽極円筒1はその内周面に、放射状に配列された複
数枚の陽極ベイン2を有し、隣り合う2枚の陽極ベイン
2と陽極円筒1の内周壁とで囲まれる小空洞を偶数個形
成し、その全体でマグネトロンの共振空洞を形成してい
る。マグネトロンは通常πモードで安定発振させるた
め、1つおきの陽極ベインを径小及び径大の均圧環3、
4で同電位になるよう連結し、各小空洞の位相をπラジ
アンずつずらせて発振させている。
【0003】また、陽極円筒1の両開口端部には、一対
の磁極片5、6が配設され、陽極円筒1の中心軸上で、
陽極ベイン2の対向部分に配置された陰極7と陽極ベイ
ン2との間の作用空間8に印加される直流電圧とあわせ
て直交静電磁界を形成すべく図示していない磁石により
磁力を供給している。
【0004】このような構造のマグネトロンにおいて、
陰極7から放射された電子は直交静電磁界によって円周
方向に回転して陽極ベイン2に近づき、電子雲のかたち
になって共振空洞にエネルギー変換される。その結果、
共振空洞にマイクロ波が誘起され、陽極ベイン2の1枚
に電気的に接続されたマイクロ波伝送用のアンテナリー
ドによって電子レンジなどの庫内に放射される。
【0005】前述した従来構造のマグネトロンでは、作
用空間8での磁界強度が陽極ベイン2の軸方向において
不均一となる。すなわち、磁極片5、6間の磁力線は円
弧を描いて一方の磁極片から他方の磁極片に向うため、
磁極片5、6のギャップの中心部では作用空間8から外
の陽極ベイン2側または陰極7側にそれる。そのため、
作用空間8内での磁界の強さを見ると、陽極ベイン2の
軸方向端部側が中央部よりも強い分布となり、それはさ
らに図11に示すごとく陽極ベイン2の軸方向端部側近傍
で急激に変化している。
【0006】一方、直交静電磁界中の電界強度Eと磁界
強度Bとの比E/Bの値により電子の回転速度が決ま
り、Bの不均一分布により電子の回転速度も不均一とな
り、多重発振の原因となっている。この多重発振時の周
波数偏差がマグネトロンの陰極側端子から外部に漏洩す
る雑音となって、ラジオ、テレビなどの受信に妨害を与
えたり、多重発振の周波数そのものが通信に妨害を与え
るという問題がある。図10に従来のマグネトロンの基本
波周辺の周波数特性を示すが、基本波であるメインロ−
ブ(M)の周辺に多重発振を示すサイドロ−ブ(S)が
確認されている。
【0007】この問題に対処すべく従来技術として特開
昭63-110527 号公報や特開平1-274341号公報などに開示
され、図9に示しているように、磁極片5、6の対向面
の平坦部5a、6aを大きくして作用空間での陽極ベイ
ンの軸方向端部の磁界強度差を小さくすることが考えら
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のように
して作用空間内での磁界分布の平均化を行うと、作用空
間内での磁力線の向きが管軸方向に対して斜めになると
いう傾向にあるため、直交静電磁界を形成することがで
きなくなり、電子密度の不均一に起因した異なった周波
数のラインノイズの発生や波形歪みによる高調波の増
大、及び比較的肉厚(例えば 1.6mm)な磁極片の平坦部
を大きくする曲げ加工が困難で、製造コストがアップす
るという問題がある。
【0009】本発明はこのような状況に鑑み、電子レン
ジなどを家庭で使用しても、ラジオやテレビ、また通信
などに妨害を与えないような高品質のマグネトロンを低
コストで提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるマグネトロ
ンは、陽極円筒と、該陽極円筒の中心軸上に配置された
陰極と、前記陽極円筒の内周面に放射状に配設された複
数枚の陽極ベインと、前記陽極円筒の両開口端部に配置
された一対の磁極片を有し、前記陽極ベインの前記陰極
に対する側の管軸方向端部近傍に切り欠き部が形成され
ていることを特徴とし、さらには上記切り欠き部の切り
欠き長さは1.0mm以上1.5mm以下とすること、
また上記陽極ベインの陰極に対する側の切り欠き部を形
成しない中央部は、陽極ベインの管軸方向長Hの60%
以上90%以下であることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、電子の作用空間内において、
磁界が強くかつ急激に変化していることから、E/Bの
不均一に起因した多重発振の発生場所と考えられる陽極
ベインの軸方向端部側近傍で、陽極ベインの先端が凹凸
状になっているため、凹状部の電界分布は凸状部に比べ
陽極と陰極間の距離が広くなり電界分布が弱くなる。そ
の結果、電界Eと磁界Bの比E/Bで決まる電子の回転
速度は、磁界Bが強く電界Eも強い凸状部と、磁界Bが
弱く電界Eも弱い凹状部でのE/Bの値がほぼ一定とな
ることから、多重発振の発生を抑制できる。
【0012】この場合、陽極ベインの軸方向中央部近傍
は従来通りの寸法、形状構成となっており、主発振成分
には殆ど影響を与えることがないため、発振効率などの
基本特性および高調波雑音等の劣化もない。
【0013】
【実施例】図面に基づき本発明について詳細に説明す
る。
【0014】図1は本発明の一実施例である陽極部の断
面図である。図1において、1〜8は図8と同部分を差
し、2a、2bは陽極ベイン2の陰極側端部に形成され
た切り欠き部、Hは陽極ベイン2の軸方向長さ、dは切
り欠き部2a、2bの切り欠き深さ、hは切り欠き部2
a、2bの切り欠き長さである。
【0015】本発明は前述のように、作用空間8の軸方
向端部近傍での磁界Bの分布が急激に強くなることに伴
う電子の回転速度の不均一を是正するため、陽極ベイン
2の両端部に切り欠き部2a、2bを形成して陽極ベイ
ン2の端部近傍での電界Eに強弱を与え管軸方向端部近
傍でのE/Bを一定にして電子速度の不均一に伴うノイ
ズの発生を抑制することにある。
【0016】そのため切り欠き部2a、2bに関係する
寸法を種々変更したマグネトロンで、特に家庭で問題と
なるFM周波数である100MHz帯のラインノイズの
発生状況と、マグネトロンの基本特性である発振効率の
変化を調査した。
【0017】まず、陽極ベイン2の陰極側端部に形成す
る切り欠き部の位置を推定するために、図3に示すよう
に陽極ベイン2の陰極側の管軸方向端部中央部に形成し
た中央切り欠きの長さLを管軸方向上下端部に向かって
徐々に拡大して、磁界Bの分布が急激に強くなることが
電子速度の不均一に影響していることを調査し、図4に
示した。
【0018】図4において、横軸に中央切り欠きの長さ
Lと陽極ベインの高さHの比L/H(%)を、縦軸に1
00MHz帯での雑音レベルと発振効率を、切り欠き深
さdをパラメータとして0.1mm、0.2mm、0.
3mmとした。この結果から、100MHz帯の雑音は
L/Hが60〜90%、dが0.2mmの時に改善傾向
が、また基本特性である発振効率は40%までが大きく
影響を受けそれ以上になると殆ど影響を受けないが、1
00%になると電子が作用空間から逸脱することで再び
影響を受けることが確認された。
【0019】以上の調査結果を基に、陽極ベイン2の陰
極側端部に形成する切り欠き部の位置を、基本特性に影
響を与えない位置として、前述のL/Hが50%への対
応となるよう軸方向端部から各々2.0mmの間で切り
欠き長さhを変化させ、最適点を調査した結果を図5に
示す。また、切り欠き深さdは前述の結果から0.2m
mとした。
【0020】同図において、横軸には切り欠き部の長さ
hを、縦軸に100MHz帯での雑音レベルと発振効率
の変化を示した。同図から、切り欠き長さhは1.0m
mから1.5mmの間が基本特性への影響なく100M
Hz帯の雑音を改善できることが判明した。
【0021】さらに本発明の実施例である前述の寸法で
形成したマグネトロンで0.15〜1000MHzの雑
音と高調波雑音を測定し、従来のマグネトロンと比較し
て図6、図7に示した。図6においてPは本発明のマグ
ネトロン、Qは従来のマグネトロン、Rは従来の磁極片
の平坦部を拡大して雑音低減を図ったマグネトロンであ
る。同図からも明らかなように、従来のマグネトロンお
よび磁極片の平坦部を拡大して雑音低減を図ったマグネ
トロンに比べ、0.15〜1000MHz帯では0.5
MHz周辺と100MHz周辺が、また高調波帯におい
ては第3と第6高調波が改善されている。
【0022】以上説明した実施例例では断面が矩形状の
切り欠き部の例で説明したが、本発明は作用空間の軸方
向端部での電磁界分布の均一化が目的であるため、切り
欠き部の形状は、凹状であれば矩形状にこだわることな
く、図2に示すテ−パ状でもよく、また効果は半減する
ものの片側にのみ形成してもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、陽
極ベインの陰極側軸方向端部近傍に切り欠き部を形成し
たため、作用空間端部での電子の回転速度の均一化が図
れ、多重発振に起因したラインノイズの発生や基本波周
辺のサイドバンド帯の雑音発生を大幅に改善できる。
【0024】さらに、切り欠き部は陽極ベインの端部近
傍にのみ形成し、中央部は従来の設計寸法であるため発
振効率等の基本特性が変化することはなく、また簡単な
構成のため製造コストにも悪影響を与えることはない。
【0025】その結果、電子レンジなどを家庭で使用し
ても、ラジオやテレビなどに雑音が入ることがなく、快
適な生活環境の構築に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるマグネトロン本体部の
断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す図である。
【図3】本発明のための予備調査として行ったマグネト
ロン本体部の要部断面図である。
【図4】本発明のための予備調査として行った陽極ベイ
ンの中央切り欠きの寸法Lを変えたときの100MHz
帯の雑音と発振効率の変化を示す図である。
【図5】本発明による陽極ベイン端部近傍の切り欠き部
の寸法hを変えたときの100MHz帯の雑音と発振効
率の変化を示す図である。
【図6】本発明の一実施例と従来例における雑音の比較
図である。
【図7】本発明の一実施例と従来例における高調波雑音
の比較図である。
【図8】従来のマグネトロンの陽極部の構造を示す断面
説明図である。
【図9】従来のマグネトロンで磁極片の改良により多重
発振を抑制した時の本体部の構造を示す断面説明図であ
る。
【図10】従来のマグネトロンの発振波形を示す図であ
る。
【図11】従来のマグネトロンの作用空間における陽極ベ
イン近傍の軸方向磁場分布を示す図である。
【符号の説明】
1 陽極円筒 2 陽極ベイン 2a、2b 切り欠き部 5、6 磁極片 7 陰極 8 作用空間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極円筒と、該陽極円筒の中心軸上に配
    置された陰極と、前記陽極円筒の内周面に放射状に配設
    された複数枚の陽極ベインと、前記陽極円筒の両開口端
    部に配置された一対の磁極片を有し、前記陽極ベインの
    前記陰極に対する側の管軸方向端部近傍に切り欠き部が
    形成されていることを特徴とするマグネトロン。
  2. 【請求項2】 上記切り欠き部の切り欠き長さは1.0
    mm以上1.5mm以下とすることを特徴とする請求項
    1に記載のマグネトロン。
  3. 【請求項3】 上記陽極ベインの陰極に対する側の切り
    欠き部を形成しない中央部は、陽極ベインの管軸方向長
    Hの60%以上90%以下であることを特徴とする請求
    項1に記載のマグネトロン。
  4. 【請求項4】 上記陽極ベインの陰極に対する側の切り
    欠き部を形成しない中央部は、陽極ベインの管軸方向長
    Hの60%以上90%以下であることを特徴とする請求
    項2に記載のマグネトロン。
JP11844094A 1994-05-31 1994-05-31 マグネトロン Pending JPH07326295A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6222319B1 (en) 1997-04-11 2001-04-24 Matsushita Electronics Corporation Magnetron apparatus having a segmented anode edges and manufacturing method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6222319B1 (en) 1997-04-11 2001-04-24 Matsushita Electronics Corporation Magnetron apparatus having a segmented anode edges and manufacturing method
KR100341661B1 (ko) * 1997-04-11 2002-09-12 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 마그네트론장치및그제조방법

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