JPH0732502Y2 - 切出し装置付コンベヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、コンベア経路上で搬送されてきた多数個の被
搬送物を、このコンベヤ経路の終端から１個づつ切出す
のに使用される切出し装置付きコンベヤに関するもので
ある。

従来の技術 従来、この種のコンベヤとしては、コンベヤ経路の終端
に、コンベヤ経路に対して出退自在な切出し用ストッパ
を設け、この切出し用ストッパよりも上流側の複数箇所
に、被搬送物の側面に当接自在な順送り用ストッパを設
け、これら順送り用ストッパは、それぞれ切換弁を有す
るシリンダ装置により当接離間動すべく構成したものが
提供されている。

この従来形式によると、たとえば２個の順送り用ストッ
パを２個目と３個目の被搬送物に作用させた状態で、１
個目（先頭）の被搬送物に作用している切出し用ストッ
パを退入動させることにより、１個目の被搬送物の切出
しを行える。そして切出し用ストッパを突出動させたの
ち、下手側の順送り用ストッパを非作用にすることで、
２個目の被搬送物を順送りして切出し用ストッパに受止
めらせ得る。次いで上手側の順送り用ストッパを非作用
にすることで、３個目以降の被搬送物を２個目の被搬送
物に当接するまで順送りし得、その後に両順送り用スト
ッパを作用させることで、次の切出しに移れる。

考案が解決しようとする課題 上記従来構成において、順送りストッパは常に一定の当
接圧で作用するため、被搬送物が同一形状でかつ一定材
質の場合には問題は生じないが、被搬送物の容器に、例
えばダンボール製容器とプラスチック製容器とが使用さ
れ、しかも容器の幅や高さなど形状が異なる場合には、
順送りストッパを作用させた時に停止位置がずれたり、
また容器のへこみや破損が生じたり、また容器のへこみ
や破損が生じたり、容器が浮上ったりして良好な切出し
が行えないことがあった。

本考案の目的とするところは、被搬送物の種類や寸法、
形状に応じて良好な切出しが行える切出し装置付コンベ
ヤを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案は、コンベヤ経路の
終端に、コンベヤ経路に対して出退自在な切出し用スト
ッパを設け、この切出し用ストッパよりも上流側の複数
箇所に、被搬送物の側面に当接自在でかつ当接圧を切換
え自在な順送りストッパを設け、コンベヤの両側部に互
いに対向して配設された一対の側面ガイドのうち、少な
くとも一方を被搬送物の幅に対応して接近離間自在に構
成し、コンベヤ上方に作用位置と非作用位置との間で移
動自在な押えガイドを設けたものである。

作用 上記構成において、切出し用ストッパを突出させて先頭
の被搬送物を係止するとともに、順送りストッパを被搬
送物の側面に当接して、先頭より上流側の被搬送物を側
面ガイドとの間で挾持する。そして、切出しストッパを
後退させることにより、先頭の被搬送物を切出し、再度
切出しストッパを突出した後、上流側の被搬送物を順送
りストッパから解放して切出しストッパに係止させ、そ
して順送りストッパで後続の被搬送物を挾持する。この
ような動作を繰り返すことにより、被搬送物を１個ずつ
切出すことができる。しかも、側面ガイドを被搬送物の
幅に応じて接近離間させることにより、幅の異なる被搬
送物をスムーズに搬送でき、順送りストッパの当接圧を
切換えることにより、材質の異なる被搬送物を適正に挾
持して傷付けることもなく、さらに押えガイドを作用位
置にすることにより、順送りストッパの当接による浮上
りを防止できる。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図〜第３図において、１はコンベヤで、脚枠２を有
するフレーム３と、このフレーム３の前後端にそれぞれ
遊転自在に取付けたエンドプーリ４と、脚枠２に取付け
たドライブプーリ５と、フレーム３に取付けたテンショ
ンプーリ６およびリターンローラ７と、これら各プーリ
4,5,6およびリターンローラ７間に張設されたベルト８
と、ドライブプーリ５に連動連結された駆動装置９と、
エンドプーリ４間のフレーム３に遊転自在に取付けられ
てコンベヤ経路20のベルト８の下面を支持する多数本の
キャリヤローラ10とで構成される。

このコンベヤ１には、切出し用ストッパ11および第1,第
２の順送りストッパ12A,12B,13A,13Bと、搬送される容
器15,16を案内する一対の側面ガイド17,18と、押えガイ
ド19とが配設される。

前記側面ガイド17,18は、フレーム３の一方の側部上面
でコンベヤ経路20に沿って固定された固定側面ガイド17
と、フレーム３の他方側部上面で固定側面ガイド17に対
向して配置されて固定側面ガイド17に対して接近離間自
在な可動側面ガイド18とで構成される。この可動側面ガ
イド18は垂直板18aと水平リブ18bとでＬ字形断面に形成
され、水平リブ18bとフレーム３とが前部、中間部、後
部でリンクアーム21によってそれぞれ揺動自在に連結さ
れて平行リンク機構が構成される。そして、シリンダ本
体22aが連結材23を介してフレーム３に揺動自在に支持
されたガイド出退用シリンダ22がロッド22bを中間部の
リンクアーム21の可動側面ガイド18側にピン連結され、
ガイド出退用シリンダ22の伸展時に可動側面ガイド18を
後退させて幅の広いプラスチック製容器15を案内し、ま
たガイド出退シリンダ22の収縮時に可動側面ガイド18を
突出させて幅の狭いダンボール製容器16を案内するよう
に構成される。なお、この可動側面ガイド18などの各部
材21,22,23は、フレーム３に取付けられてコンベヤ経路
20側が開口するガイドカバー24に覆われている。

前記押えガイド19は、コンベヤ経路20の終端部でガイド
カバー24の上部に、コンベヤ経路20に沿う水平ピンを介
して回動自在な揺動アーム25が取付けられ、この揺動ア
ーム25の遊端部にコンベヤ経路20に沿う上面ガイド板26
が取付けられて構成される。そして、プラスチック製容
器15の切出し時には第３図に示すように作用位置まで手
動で揺動させ、上面ガイド板26をプラスチック製容器15
上方に所定隙間をあけて位置させ、第１個〜第３個目ま
でのプラスチック製容器15の浮上りを防止する。なお、
ダンボール製容器16の切出し時には揺動アーム25を回動
させて、仮想線で示すように非作用位置に待機させる。
これはダンボール製容器16が形状や順送りストッパ13A,
13Bの押圧力の関係で浮上りにくいためである。なお、
ダンボール製容器16用にも押えガイドを設けてもよい。

前記切出し用ストッパ11は、コンベヤ経路20の終端で下
方からストッパロール31aを切出し用シリンダ31により
出退自在に構成され、ストッパロール31aを容器15,16の
前面に当接させて切出しを規制することができる。32は
切出し用ストッパ11の両側に配設された乗移り用ローラ
である。第２図において、容器15,16は１個目（先頭）
が15A,16A、２個目が15B,16B、３個目が15C,16Cで示さ
れている。前記第1,第２の順送りストッパ12A,12B,13A,
13Bのうち、下手側の順送りストッパ12A,13Aが２個目の
容器15B,16Bを、上手側の順送りストッパ12B,13Bが３個
目の容器15C,16Cをそれぞれ係止可能に構成される。す
なわち、可動側面ガイド18の水平リブ18b上面には合計
４個の第1,第２の順送りストッパシリンダ33A,33B,34A,
34Bがそれぞれ配設され、それぞれのロッド先端の圧接
部35,36を垂直板18aの切欠凹部18Cを介してコンベヤ経
路20に対して直交状に固定側ガイド17に向って突出可能
である。そして第１の順送りストッパシリンダ33A,33B
は、それぞれ可動側面ガイド18の後退位置で２個面、３
側目のプラスチック容器15B,15Cに対向する位置に配置
され、また第２順送りストッパシリンダ34A,34Bは、そ
れぞれ可動側面ガイド18の突出位置で２個目、３個目の
ダンボール容器16B,16Cに対向する位置に配置される。
さらに、コンベヤ１により切出される容器15,16に応じ
て第１と第２の順送りストッパシリンダ33A,33Bと34A,3
4Bが切換えられる。これら順送りストッパシリンダ33A,
33B,34A,34Bの切換えは、可動側面ガイド18のガイド出
退用シリンダ22に連動連結させてもよいし、また逆にガ
イド出退用シリンダ22の切換え操作に順送りストッパシ
リンダ33A,33B,34A,33Bの切換えを連動連結させてもよ
い。さらにまた、これら第１、第２順送りストッパシリ
ンダ33A,33B,34A,34Bの圧接部35,36の圧接力は容器15,1
6の材質に対応して容器15,16を損傷することがないよう
に設定される。すなわち、プラスチック容器15に圧接す
る第１順送りストッパシリンダ33A,33Bは圧接力を大き
く設定し、またダンボール容器16に圧接する第２順送り
ストッパシリンダ34A,34Bは圧接力を小さく設定してい
る。これは、たとえば第２の順送りストッパシリンダ34
A,34Bに圧油を供給する油圧管（図示せず）に減圧弁を
介在させてよいし、また第１の順送りシリンダ34A,34B
のシリンダ出力（ピストン径）を第２の順送りシリンダ
34A,34Bより大きくしてもよい。

前記ガイドカバー34内と固定側面ガイド17の下手側外側
部の検出器カバー41内には、切出し用ストッパ11の下手
側に切出し検出用の第１の検出装置42が配設されるとと
もに切出し用ストッパ11、各順送りストッパ12A,12B,13
A,13Bにそれぞれ対応して第２、第３、第４、第５、第
６の検出装置43,44,45、46,47が配設され、それぞれの
光軸がコンベヤ経路20を横切って、搬送される容器15,1
6を検出できる。

次に上記実施例における容器15,16の切出し作業を説明
する。

まず、プラスチック製容器15の場合は、第１図に示すよ
うに可動側面ガイド18を後退位置とし、第１の順送りス
トッパ33A,33Bを駆動するように切換えておく。そし
て、押えガイド19をコンベヤ経路20の上方の作用位置に
揺動させておく。このような状態でコンベヤ１の駆動装
置９が入力されてベルト８が駆動され、プラスチック製
容器15がコンベヤ経路20上を両側面ガイド17,18に案内
されて搬送される。１個目のプラスチック製容器15Aは
前面が切出し用ストッパ11のストッパローラ31aに当接
して停止され、以降は前後面が当接することでストレー
ジされる。そして、２個目と３個目のプラスチック製容
器15B,15Cは、第１の順送りストッパシリンダ33A,33Bが
伸展されて圧接部35を一側面に当接させ、他側面が固定
側面ガイド17に当接させて左右両側面を挾持する。この
状態からまず、切出し用シリンダ31を収縮してストッパ
ロール31aを後退させることにより、１個目のプラスチ
ック製容器15Aを切出す。このプラスチック製容器15Aの
切出しが完了したことを第１検出装置42が検出すると、
切出し用シリンダ31を伸展させてストッパロール31aを
突出するとともに、下手側の第１の順送りストッパシリ
ンダ33Aを収縮して２番目のプラスチック容器15Bを解放
し、ベルト８の搬送力によりストッパロール31aに当接
するまで搬送してストレージする。このプラスチック製
容器15Bを第２の検出装置43が検出すると、上手側の第
１の順送りストッパシリンダ33Bを収縮して３番目のプ
ラスチック製容器15Cを解放し、２番目のプラスチック
製容器15Bの後面に当接するまで搬送する。このプラス
チック製容器15Cが第３の検出装置44に検出されると、
下手側の第１の順送りストッパシリンダ33Aが伸展され
てこのプラスチック製容器15Cを挾持し、さらに後続の
プラスチック製容器15が第４検出装置34に検出される
と、上手側の第１の順送りストッパシリンダ33Bが伸展
されてこのプラスチック製容器15が挾持される。この動
作時の繰り返しにより順次切出しが行われる。この動作
時の第１の順送りストッパシリンダ33A,33Bは、圧接部3
5の押圧力が大きく設定されるので、プラスチック製容
器15を強固に挾持して確実にストレージすることがで
き、またプラスチック製容器15の形状に関係してあるい
はストレージされることによりプラスチック製容器15が
上方に浮き上がることがあっても、押えガイド19により
規制することができる。

ダンボール製容器16の場合は、第４図に示すように、可
動側面ガイド18を突出位置とし、第２の順送りストッパ
13A,13Bを駆動するように切換えておく。そして押えガ
イド19をコンベヤ経路20外側の非作用位置に揺動させて
おく。このような状態でダンボール製容器16が搬送され
てプラスチック製容器15と同様に切出されるこのダンボ
ール製容器16の場合には、第１の順送りストッパ12A,12
Bに換えて第２の順送りストッパ13A,13Bが駆動され、ま
た第３、第４の検出装置44,45に換えて第５、第６の検
出装置46,47が使用されて行われる。第２の順送りスト
ッパシリンダ34A,34Bは圧接部36の圧力が第１の順送り
ストッパシリンダ33A,33Bより小さく設定されて、ダン
ボール製容器16を損傷させることもなく、また各ストッ
パ11,13A,13Bでストレージされることにより浮上ること
もほとんどない。

考案の効果 以上に述べたごとく本考案によれば、被搬送物の大きさ
に応じて側面ガイド間の幅を調節するとともに、被搬送
物の材質に応じて順送りストッパの当接圧を調節してお
き、さらに作用位置に押えガイドを配置するとにより、
幅や高さ、材質の異なる被搬送物を損傷を与えたり浮上
がらせることなく、確実に１個づつ切出すことができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はコンベヤの平
面断面図、第２図は第１図に示すＩ−Ｉ矢視図、第３図
はコンベヤの側面図、第４図は可動側面ガイド突出状態
の平面断面図である。 １……コンベヤ、11……切出し用ストッパ、12A……第
１の順送りストッパ、12B……第１の順送りストッパ、1
3A……第２の順送りストッパ、13B……第２の順送りス
トッパ、15……プラスチック容器、16……ダンボール容
器、17……固定側面ガイド、18……可動側面ガイド、19
……押えガイド、20……コンベヤ経路、22……ガイド出
退用シリンダ、25……揺動アーム、35……圧接部、36…
…圧接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンベヤ経路の終端に、コンベヤ経路に対
   して出退自在な切出し用ストッパを設け、この切出し用
   ストッパよりも上流側の複数箇所に、被搬送物の側面に
   当接自在でかつ当接圧を切換え自在な順送りストッパを
   設け、コンベヤの両側部に互いに対向して配設された一
   対の側面ガイドのうち、少なくとも一方を被搬送物の幅
   に対応して接近離間自在に構成し、コンベヤ上方に作用
   位置と非作用位置との間で移動自在な押えガイドを設け
   たことを特徴とする切出し装置付コンベヤ。