JPH07322351A - ランダムアクセス制御無線通信方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基地局と多数の移動局とがランダムにアクセ
スを行う通信において、移動局の送信待ち時間および送
信信号の衝突率を低減させる。 【構成】 基地局は、特定の移動局との通信中は他の移
動局に対して発信禁止信号を送信するが、この発信禁止
信号を間欠的に送信する。発信禁止信号が送信されない
タイミングでは、他の移動局が割り込んで基地局にアク
セスすることができる。 【効果】 効率のよい通信を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は無線通信に利用する。本
発明は通信衛星を介して基地局と多数の移動局との間に
行われる通信に利用するに適する。本発明は移動局が基
地局に信号を送信するランダムアクセス制御に利用す
る。特に、本発明は移動局からの送信信号衝突率および
送信待ち時間の低減技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】移動無線通信において、基地局が移動局
からのランダムアクセスを制御（送信許可または禁止）
する方式の代表的なものにＢＴＭＡ(Busy Tone Multipl
e Access) がある。図４は、このアクセス方式を用いた
移動局と基地局との間の送受信シーケンスを示す図であ
る。図４において、１はビジートーンチャネル、２はメ
ッセージチャネル、３は移動局から送信されるメッセー
ジ、４は移動局のメッセージ送信中に他の移動局のラン
ダムアクセスを禁止するビジートーン（発信禁止信
号）、５は移動局がビジートーンチャネルの状態（ラン
ダムアクセス禁止または許可）を検出してからメッセー
ジを送信し始めるまでの遅延時間、６は基地局がメッセ
ージを受信し始めてからビジートーンを送信し始めるま
での遅延時間、７ａから７ｃは移動局の送信チャネルで
あり、移動局（Ａ）、（Ｂ）および（Ｃ）毎にタイミン
グを示している。８は移動局のランダム遅延時間、９は
移動局がメッセージを送信し始めるタイミング（ミニス
ロットタイミング）、１０ａおよび１０ｂは移動局
（Ｂ）および移動局（Ｃ）のランダムアクセス開始時
刻、１１は移動局がメッセージを送信してから基地局か
らビジートーンを受信するまでの時間長τである。

【０００３】ＢＴＭＡでは、移動局から基地局にメッセ
ージ３が送られてくると、基地局はキャリアを検知して
ビジートーン４を送り返し、他の移動局からメッセージ
を送信しないように移動局に発信禁止を通知する。この
ビジートーンが送信される時間は、移動局から送信され
るメッセージ長に依存し、ある移動局から送信されるメ
ッセージ長が長いと、他の移動局がランダムアクセスで
きないため、ビジートーン終了直後にその間送信を待っ
ている他の移動局からのランダムアクセス信号の衝突が
増加する。そこで、従来方式では、ビジートーン４が終
了した直後から複数スロットに渡り、移動局のランダム
アクセス開始時刻を１０ａおよび１０ｂに示すようにラ
ンダム遅延させている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような方式では、
ある移動局が長いメッセージを送信すると、基地局から
連続してビジートーンが送信され、他の移動局はその間
全く信号を送信できなくなる。また、ビジートーンの送
信時間が長くなるにしたがい、ビジートーン終了直後の
送信信号衝突率を低減させる点から移動局のランダム遅
延時間を増加させる必要があり、移動局がメッセージを
送信し始めるまでの待ち時間が増加する。

【０００５】本発明は、このような背景に行われたもの
であり、移動局の送信待ち時間を低減し、信号衝突率を
低減させることができるランダムアクセス制御無線通信
方式を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、基地局による
移動局の発信禁止が解除された直後に移動局のランダム
アクセスタイミングを遅延させず、基地局から送信する
発信禁止信号の途中に移動局がランダムアクセスできる
時間を設け、発信禁止信号を長時間連続させないことを
最大の特徴とする。

【０００７】すなわち、本発明はランダムアクセス制御
無線通信方式であり、その特徴とするところは、基地局
と多数の移動局とが上りチャネルおよび下りチャネルが
異なる双方向無線回線により接続され、前記基地局の送
信バーストは一定時間長ｔで繰り返される周期を起点と
してその長さが前記時間長ｔ以下に制限され、前記移動
局の送信バーストは前記基地局が送信するバーストにし
たがって前記時間長ｔで繰り返される周期を起点として
その長さが前記時間長ｔ以下に制限され、前記基地局
は、一つの移動局からの送信信号を受信しその移動局が
送信メッセージを持っていることを認識したときにその
移動局に送信許可を与えるとともに他の移動局の送信を
禁止する発信禁止信号を前記時間長ｔ毎に送信する手段
と、前記一つの移動局からの送信が前記時間長ｔの複数
にわたるときには間欠的にその発信禁止信号の送信を禁
止する手段とを備えるところにある。

【０００８】前記上りチャネルおよび前記下りチャネル
は一つの通信衛星により中継されることが望ましい。

【０００９】前記基地局の送信バーストは、前記周期を
起点とする同期語と、その同期に続くアクセス制御信号
と、そのアクセス制御信号に続くメッセージ信号を含む
ことが望ましい。

【００１０】前記移動局の送信バーストは、前記周期を
起点とする同期語と、その同期語に続きメッセージが次
の周期にわたるか否かを表示する後続表示と、その後続
表示につづくメッセージとを含むことが望ましい。先頭
の送信バーストは、前記メッセージに代えてその移動局
の識別子が送信されることが望ましい。

【００１１】

【作用】基地局と多数の移動局とが上りチャネルおよび
下りチャネルが異なる双方向無線回線により接続されて
いる。前記基地局の送信バーストは一定時間長ｔで繰り
返される周期を起点としてその長さが前記時間長ｔ以下
に制限され、前記移動局の送信バーストは前記基地局が
送信するバーストにしたがって前記時間長ｔで繰り返さ
れる周期を起点としてその長さが前記時間長ｔ以下に制
限され、前記基地局は、一つの移動局からの送信信号を
受信しその移動局が送信メッセージを持っていることを
認識したときにその移動局に送信許可を与えるとともに
他の移動局の送信を禁止する発信禁止信号を前記時間長
ｔ毎に送信する手段と、前記一つの移動局からの送信が
前記時間長ｔの複数にわたるときには間欠的にその発信
禁止信号の送信を禁止する。

【００１２】前記上りチャネルおよび前記下りチャネル
は、例えば一つの通信衛星により中継されることがよ
い。

【００１３】前記基地局の送信バーストは、例えば前記
周期を起点とする同期語と、その同期に続くアクセス制
御信号と、そのアクセス制御信号に続くメッセージ信号
を含むことがよい。

【００１４】また、前記移動局の送信バーストは、例え
ば前記周期を起点とする同期語と、その同期語に続きメ
ッセージが次の周期にわたるか否かを表示する後続表示
と、その後続表示につづくメッセージとを含むことがよ
い。さらに、先頭の送信バーストは、前記メッセージに
代えてその移動局の識別子が送信されることがよい。

【００１５】基地局は、特定の移動局からの送信信号を
受信すると、他の移動局からの送信を禁止させる発信禁
止信号を送信する。本発明では、この発信禁止信号を間
欠的に送信する。

【００１６】移動局では、基地局に送信すべきメッセー
ジ信号をあらかじめ定められた一定時間長ｔに分割す
る。これにより、メッセージ信号の長短にかかわらず、
移動局が一回の送信タイミングに送信する信号長は一定
長を越えることはない。これを受信した基地局では、分
割されたメッセージ信号を合成して復元する。

【００１７】間欠的に送信される発信禁止信号には、送
信を許可された移動局の識別子が付加されている。この
識別子の該当移動局は、発信禁止信号に付加された識別
子を受信する毎に分割されたメッセージ信号を含む送信
信号を一つずつ送信する。

【００１８】発信禁止信号により送信を禁止されている
他の移動局は、間欠的に送信される発信禁止信号の合間
の発信許可信号を受信して、基地局にアクセスを行うこ
とができる。この合間の発信許可信号を受信して基地局
にアクセスを行った移動局は、基地局から送信許可とし
ての識別子を受け取ると、前述した移動局と同様に送信
信号を送信することができる。

【００１９】このように、発信禁止信号を間欠的に送信
することにより、送信を禁止されている移動局にもアク
セスの割込みタイミングを残しておくことができる。こ
れにより、移動局の送信待ち時間を低減することができ
る。送信待ち時間が低減されることにより、移動局に蓄
積される情報量も低減できるので、移動局の送信信号間
の衝突率も低減させることができる。

【００２０】

【実施例】本発明実施例の構成を図１を参照して説明す
る。図１は本発明実施例の全体構成図である。

【００２１】本発明はランダムアクセス制御無線通信方
式であり、その特徴とするところは、基地局Ｂと多数の
移動局Ｍ₁ 〜Ｍ_n とが移動局上りチャネル２８および移
動局下りチャネル２７が異なる通信衛星１２により中継
された双方向無線回線により接続され、基地局Ｂの送信
バーストは一定時間長ｔで繰り返される周期を起点とし
てその長さが前記時間長ｔ以下に制限され、移動局Ｍ₁
〜Ｍ_n の送信バーストは基地局Ｂが送信するバーストに
したがって前記時間長ｔで繰り返される周期を起点とし
てその長さが前記時間長ｔ以下に制限され、基地局Ｂ
は、一つの移動局Ｍ₁ からの送信信号を受信しその移動
局Ｍ₁ が送信メッセージを持っていることを認識したと
きにその移動局Ｍ₁ に送信許可を与えるとともに他の移
動局Ｍ₂ 〜Ｍ_n の送信を禁止する発信禁止信号を前記時
間長ｔ毎に送信する手段と、移動局Ｍ₁ からの送信が前
記時間長ｔの複数にわたるときには間欠的にその発信禁
止信号の送信を禁止する手段とを発信禁止／許可信号発
生部２５に備えるところにある。

【００２２】基地局Ｂの送信バーストは、前記周期を起
点とする同期語と、その同期に続くアクセス制御信号
と、そのアクセス制御信号に続くメッセージ信号を含む
構成である。移動局Ｍ₁ 〜Ｍ_n の送信バーストは、前記
周期を起点とする同期語と、その同期語に続きメッセー
ジが次の周期にわたるか否かを表示する後続表示と、そ
の後続表示につづくメッセージとを含む構成である。ま
た、先頭の送信バーストは、前記メッセージに代えてそ
の移動局の識別子が送信される構成である。

【００２３】次に、本発明実施例の動作を図２および図
３を参照して説明する。図２は移動局と基地局との間の
送受信シーケンスを示す図である。図３は基地局および
移動局の信号構成を示す図である。移動局は基地局から
送られてくる図３（ａ）に示す同期語４６に同期を取
り、周期時間長発生部３３からのタイミングにしたがい
バースト信号を送信することができる。また、図２に示
すように、基地局は、発信禁止を通知する二つのアクセ
ス制御情報４７ａと発信許可を通知する一つのアクセス
制御情報４７ｂとを周期的に送信し、移動局は、図２
（ｃ）に示すようにメッセージを三つのブロック４９ａ
から４９ｃに分割し、先頭バースト３６と併せて四つの
バーストによりメッセージ２３を送信するものとする。

【００２４】まず、移動局にメッセージ送信要求が発生
すると、移動局は、バースト生成部３５において、図３
（ｂ）に示す同期語３７、後続表示３８ａおよび移動局
識別子３９からなる先頭バースト３６と同期語３７、後
続表示３８ｂおよびメッセージ２３から成る後続バース
ト４９を生成し、基地局から送られてくるアクセス制御
信号４７を監視する。アクセス制御信号４７は、移動局
の受信機３１で受信される度に信号分離部３２から送信
機３４へ伝えられる。送信機３４は、アクセス制御信号
４７の中に発信許可信号５１を検出すると、周期時間長
発生部３３から送られてくるタイミングで先頭バースト
３６を送信する。移動局が送信するバースト（先頭バー
スト３６または後続バースト４９）には、バースト総数
とバースト番号から成る後続表示３８が多重されてお
り、基地局がバーストを受信すると、メッセージ先頭検
出部２１において、受信されたバーストが先頭バースト
３６か後続バースト４９かを識別できる。

【００２５】一方、基地局では、発信禁止／許可信号発
生部２５が周期時間長発生部２６からのタイミングにし
たがい、二つの発信禁止信号と一つの発信許可信号とを
周期的に発生しており、基地局は、受信されたバースト
が先頭バースト３６であることを知ると、バースト中の
移動局識別子３９をバッファ２４に（バースト総数−
１）回入力し、発信禁止／許可信号発生部２５が発信禁
止信号５０を発生するタイミングになると、発信禁止信
号５０にバッファ中の移動局識別子を多重し、移動局へ
移動局識別子３９を送り返す。

【００２６】移動局は、自局の移動局識別子３９を受信
すると、周期時間長発生部３３からのタイミングにした
がい、続くスロットで保留している第二バースト４９
ａ、第三バースト４９ｂおよび第四バースト４９ｃを順
番に送信する。これらのバースト４９ａから４９ｃが基
地局で受信されると、基地局はメッセージ組立部２２に
おいて、移動局から分割されて送られてきたメッセージ
２３ａから２３ｃを合成し、一つにまとめて出力する。

【００２７】本発明実施例では、先頭バースト３６でメ
ッセージ２３を送信しない構成として説明したが、バー
スト長に余裕がある場合には、先頭バースト３６でもメ
ッセージ２３を送信するようにしてもよい。移動局下り
チャネル４４で伝送される発信禁止信号５０と発信許可
信号５１との比率は、移動局から送信されるメッセージ
２３の長さに基づき、メッセージ長が長い場合には発信
禁止を多くし、メッセージ長が短い場合には発信禁止を
少なくすることが望ましい。

【００２８】また、発信禁止信号５０と発信許可信号５
１とを移動局下りチャネル４４に固定的に割り当てる
と、発信禁止期間中に移動局が後続バースト４９を送信
しないにもかかわらず、ランダムアクセス可能なスロッ
トが減少し、移動局上りチャネル４１のスループットが
低下する。したがって、基地局が先頭バースト３６を受
信しないときは、発信禁止信号５０を周期的に送信して
いた周期時間長ｔで発信許可信号５１を送信し、移動局
がランダムアクセスできるスロットを減少させないよう
にしている。

【００２９】本発明実施例では、説明をわかりやすくす
るために、一つの移動局Ｍ₁ のみに送信許可が与えられ
ているとして説明したが、複数の移動局に送信許可が同
時に与えられているとしても、その内の一つの移動局に
ついては同様に説明することができる。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
移動局の送信待ち時間を低減し、信号衝突率を低減させ
ることができる。これにより、効率のよい通信を行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の全体構成図。

【図２】移動局と基地局との間の送受信シーケンスを示
す図。

【図３】基地局および移動局の信号構成を示す図。

【図４】ＢＴＭＡを用いた移動局と基地局との間の送受
信シーケンスを示す図。

【符号の説明】

１ ビジートーンチャネル ２ メッセージチャネル ３ メッセージ ４ ビジートーン ５、６ 遅延時間 ７ａ〜７ｃ 移動局の送信チャネル ８ ランダム遅延時間 ９ ミニスロットタイミング １０ａ、１０ｂ ランダムアクセス開始時刻 １１ 時間長τ １２ 通信衛星 １３、２３、２３ａ〜２３ｃ メッセージ １４ 信号多重部 １５ 同期語多重部 １６、３４ 送信機 １７、３０ アンテナ共用器 １８、２９ アンテナ １９、３１ 受信機 ２０ 移動局識別子発生部 ２１ メッセージ先頭検出部 ２２ メッセージ組立部 ２４ バッファ ２５ 発信禁止／許可信号発生部 ２６、３３ 周期時間長発生部 ２７、４４ 移動局下りチャネル ２８、４１ 移動局上りチャネル ３２ 信号分離部 ３５ バースト生成部 ３６ 先頭バースト ３７、４６ 同期語 ３８、３８ａ、３８ｂ 後続表示 ３９ 移動局識別子 ４０ スロットタイミング ４２ 伝搬遅延時間 ４３ 基地局受信チャネル ４５ 周期時間長ｔ ４７、４７ａ、４７ｂ アクセス制御信号 ４８ 移動局受信チャネル ４９ 後続バースト ５０ 発信禁止信号 ５１ 発信許可信号 ５２ ダミー信号 Ｂ 基地局 Ｍ₁ 〜Ｍ_n 移動局 ｔ 時間長

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基地局と多数の移動局とが上りチャネル
   および下りチャネルが異なる双方向無線回線により接続
   され、 前記基地局の送信バーストは一定時間長ｔで繰り返され
   る周期を起点としてその長さが前記時間長ｔ以下に制限
   され、前記移動局の送信バーストは前記基地局が送信す
   るバーストにしたがって前記時間長ｔで繰り返される周
   期を起点としてその長さが前記時間長ｔ以下に制限さ
   れ、 前記基地局は、一つの移動局からの送信信号を受信しそ
   の移動局が送信メッセージを持っていることを認識した
   ときにその移動局に送信許可を与えるとともに他の移動
   局の送信を禁止する発信禁止信号を前記時間長ｔ毎に送
   信する手段と、前記一つの移動局からの送信が前記時間
   長ｔの複数にわたるときには間欠的にその発信禁止信号
   の送信を禁止する手段とを備えたことを特徴とするラン
   ダムアクセス制御無線通信方式。
2. 【請求項２】 前記上りチャネルおよび前記下りチャネ
   ルは一つの通信衛星により中継される請求項１記載のラ
   ンダムアクセス制御無線通信方式。
3. 【請求項３】 前記基地局の送信バーストは、前記周期
   を起点とする同期語と、その同期に続くアクセス制御信
   号と、そのアクセス制御信号に続くメッセージ信号を含
   む請求項１記載のランダムアクセス制御無線通信方式。
4. 【請求項４】 前記移動局の送信バーストは、前記周期
   を起点とする同期語と、その同期語に続きメッセージが
   次の周期にわたるか否かを表示する後続表示と、その後
   続表示につづくメッセージとを含む請求項１記載のラン
   ダムアクセス制御無線通信方式。
5. 【請求項５】 先頭の送信バーストは、前記メッセージ
   に代えてその移動局の識別子が送信される請求項４記載
   のランダムアクセス制御無線通信方式。