JPH07318177A - クラッチレス可変容量型圧縮機を用いた冷凍回路 - Google Patents

クラッチレス可変容量型圧縮機を用いた冷凍回路

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JPH07318177A
JPH07318177A JP6115274A JP11527494A JPH07318177A JP H07318177 A JPH07318177 A JP H07318177A JP 6115274 A JP6115274 A JP 6115274A JP 11527494 A JP11527494 A JP 11527494A JP H07318177 A JPH07318177 A JP H07318177A
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JP
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compressor
valve
pressure
crank chamber
refrigeration circuit
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JP6115274A
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Inventor
Kazuya Kimura
一哉 木村
Takahiro Moroi
隆宏 諸井
Shigeyuki Hidaka
茂之 日高
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】クラッチレス可変容量型圧縮機の耐久性を向上
させる。 【構成】クランク室5の圧力に基づいてピストンストロ
ークを変化させる傾角変移可能な斜板要素を備えたクラ
ッチレス可変容量型圧縮機100を含み、該圧縮機10
0から送出された冷媒を凝縮器101、膨張弁103及
び蒸発器104を経由して循環させる冷凍回路であっ
て、凝縮器101から膨張弁103に至る管路P3から
分岐してクランク室5に接続される絞り付給圧管路P6
を配設するとともに、該給圧管路P6を選択的に開閉す
る弁手段105を設けたことにより、冷房運転不要時に
おける圧縮機の冷却、潤滑が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として車両空調用に
供して好適な冷凍回路に係り、詳しくは駆動軸への動力
伝達用電磁クラッチを省去したクラッチレス可変容量型
圧縮機を用いた冷凍回路に関する。
【0002】
【従来の技術】車両空調用冷凍回路には、従来より往復
式又は回転式の各種冷媒圧縮機が用いられている。通常
これらの冷媒圧縮機は、エンジンの動力が電磁クラッチ
を介して伝達されることにより駆動され、例えば往復式
の冷媒圧縮機では、ボアの容積変化を通じて冷媒ガスの
圧縮仕事が行われる。そして冷媒圧縮機から送出された
高温・高圧の冷媒ガスは凝縮器で液化され、膨張弁で断
熱膨張されることにより低温・低圧の気液二相流とされ
たのち、蒸発器で蒸発し、その際周囲の空気から蒸発熱
を奪うことにより車室内の冷房に寄与し、しかる後再び
冷媒圧縮機に吸入される。
【0003】圧縮機の駆動軸に連結された上記電磁クラ
ッチは、一般に圧縮機のハウジングに支承されてエンジ
ンにより駆動されるロータと、ロータに対向して配置さ
れたアーマチュア及び励磁コイルとを備え、圧縮機の起
動の際には励磁コイルの通電によりロータにアーマチュ
アを吸着させ、ハブを介してエンジンからの動力を駆動
軸に伝達させる。
【0004】しかし、このように普遍的に使用されてい
る電磁クラッチには、次に述べるさまざまな問題があ
る。すなわち、比較的大重量、かつ高価な電磁クラッチ
は、圧縮機総重量の大幅な増加とコスト高をもたらす。
しかも電磁クラッチのオン・オフ時に生じるエンジンの
急激な負荷変動は、単に運転フィーリングを損なうばか
りでなく、これがエンジンストール防止のためのアイド
ルアップ制御をも強要することとなって、当然ながら燃
費の悪化をまぬがれない。また、上記励磁コイルへの通
電に必要な消費電力は意外と大きいため、相応に大型の
オルタネータを搭載せざるを得なくなる場合もある。
【0005】さて、ここに例示する特開平3ー3737
8号公報には、電磁クラッチを省去したクラッチレス可
変容量型圧縮機が示されている。同圧縮機は吸入圧力に
応じて吐出容量を可変しうるものであって、プーリに直
結された駆動軸がクランク室内に延在されており、この
駆動軸にはクランク室内において回転体が固着されてい
る。回転体にはヒンジ機構を介し、かつ駆動軸にはスリ
ーブを介して回転斜板が支持されており、これにより回
転斜板はクランク室内で駆動軸と共に回転し、かつ傾角
変位可能となされている。回転斜板には揺動板及びピス
トンロッドを介して複数の単頭ピストンが連係され、各
単頭ピストンは揺動板の前後揺動に基づいてシリンダブ
ロックに形成された各ボア内を往復動する。また、ハウ
ジングには各ボア内へ冷媒ガスを供給する吸入室と、各
ボア内で圧縮された冷媒ガスが吐出される吐出室とが形
成され、ハウジング及びシリンダブロックにはクランク
室と吐出室とを接続する給気通路、並びにクランク室と
吸入室とを接続する絞り付抽気通路が形成されている。
そしてハウジングに内装された容量制御弁は、吸入圧力
を検知するベローズの変位により吐出室圧力をクランク
室に導入可能となされている。
【0006】なお、同圧縮機の特徴的な構成として、吸
入室に接続される吸入管若しくは吸入室の入口部に、外
部信号により該吸入系通路を開閉する電磁弁が設けられ
ている。したがって、動力源が始動されるとプーリを介
して直接駆動軸に動力が伝達され圧縮機も起動される。
そして圧縮機の稼働中、常に容量制御弁がクランク室圧
力を調整し、回転斜板の最小傾角から最大傾角までの傾
角変位を介して冷媒ガスの各ボアへの取込み容積、ひい
ては吐出容量を変化させる。ここで、圧縮機の稼働中に
冷房運転が不要となった場合には、外部信号により電磁
弁が閉弁されて圧縮機のガス吸入が阻止されるため、吸
入室の圧力は急速に低下し、これに応動する容量制御弁
が吐出室圧力をクランク室に供給してクランク室圧力を
高める結果、回転斜板は最小傾角状態に変位し、圧縮機
は最小容量状態へと移行する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報所
載の圧縮機を含んで構成された冷凍回路では、圧縮機の
稼働中に冷房運転が不要となって電磁弁が閉弁された
際、吸入室圧力の低下と、これに応動する容量制御弁の
作動によって圧縮機は最小容量状態へと移行するが、か
かる状態で圧縮仕事に関与するごとくわずかな冷媒ガス
は、吐出室から給気通路を介してクランク室へ、さらに
はクランク室から絞り付抽気通路を経て吸入室へと流れ
ることになる。しかしながら、この冷媒ガスの流れは正
規の冷凍回路を経由するものとは異なり、あくまでも圧
縮機内を循環するにとどまるものであるため、とくに斜
板、シュ−、軸封装置等摺動部品の温度が上昇して耐久
性を低下させるほか、クランク室内の蓄油量が少ない状
態で回路が閉じられた場合には、併せて潤滑不良の問題
も生じる。
【0008】本発明は、冷房運転不要時であっても、十
分な冷却、潤滑を確保して圧縮機の耐久性向上を図るこ
とを、解決すべき技術課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、シリンダブロックに形成されたボア
内を往復動し、吸入室から吸入した冷媒を圧縮して吐出
するピストンと、クランク室内で駆動軸と共に回転し、
かつ該クランク室の圧力に基づいて上記ピストンのスト
ロークを変化させる傾角変位可能な斜板要素と、該クラ
ンク室と上記吸入室とを連通する絞り付抽気通路とを備
えたクラッチレス可変容量型圧縮機を含み、該圧縮機か
ら送出された冷媒を凝縮器、膨張弁及び蒸発器を経由し
て循環させる冷凍回路であって、上記凝縮器から上記膨
張弁に至る管路から分岐して上記クランク室に接続され
る絞り付給圧管路を配設するとともに、該給圧管路を選
択的に開閉する弁手段を設けたことを特徴としている。
【0010】好適な態様において、上記弁手段は、上記
給圧管路に配置された2ポート切換弁である。好適な態
様において、上記弁手段は、上記2ポート切換弁及び上
記給圧管路の分岐点から膨張弁に至る管路に配置された
2ポート切換弁である。好適な態様において、上記弁手
段は、上記給圧管路の分岐点に配置された3ポート切換
弁である。
【0011】好適な態様において、上記各切換弁は、冷
凍回路のオン、オフ信号に応動する電磁操作弁である。
好適な態様において、上記抽気通路は、上記駆動軸の周
辺近傍に配置されている。そして請求項7記載の発明
は、上記圧縮機に、吸入室圧力を検知することにより常
時クランク室圧力を調整する容量制御弁を内装したこと
を特徴としている。
【0012】なお、上記斜板要素とは、回転斜板と組合
された揺動板がコンロッドを介してピストンと連節され
るワッブル型、並びに回転斜板がシュ−を介して直接ピ
ストンと連係されるスワッシュ型のいずれをも含む斜板
要素である。
【0013】
【作用】本発明の冷凍回路では、弁手段によって給圧管
路が閉鎖されておれば、通常の冷房能力を発揮する。つ
まり、クラッチレス可変容量圧縮機においては、駆動プ
ーリに直結された駆動軸の回転に伴い吸入室から冷媒ガ
スを吸入するとともに圧縮冷媒を吐出室に吐出する。そ
して圧縮機から送出された高温・高圧の冷媒ガスは凝縮
器に送られて液化され、さらに膨張弁で断熱膨張される
ことにより低温・低圧の気液二相流とされたのち、蒸発
器で蒸発し、その際周囲の空気から蒸発熱を奪うことに
より例えば車室内を冷房する。そして、低温・低圧の冷
媒ガスは再び圧縮機に吸入される。
【0014】さて、圧縮機の稼働中、冷房運転が不要と
なって弁手段により給圧管路が開通されると、凝縮器を
経由した高圧の液冷媒が該給圧管路を介して圧縮機のク
ランク室へ供給され、これがクランク室圧力の急速な上
昇をもたらして斜板要素は最小傾角状態に変位し、圧縮
機は最小容量状態へと移行する。そして圧縮機から送出
されるわずかな冷媒ガスは、凝縮器、給圧管路、クラン
ク室、抽気通路、吸入室、ボア、吐出室といった順路で
引続き循環される。
【0015】この場合、循環冷媒は凝縮器を経由するこ
とによって冷却、液化され、さらに給圧管路の絞り作用
により減圧されてクランク室内で気化することとなるた
め、クランク室がさながら蒸発器的な役割を代行して圧
縮機の冷却に寄与し、しかもクランク室に導入される液
冷媒中の混在油粒は、その大半が気化冷媒に帯同するこ
となく蓄留されるので、機内の潤滑にも良好に貢献す
る。なお、このように冷房運転不要時の圧縮機は、わず
かな冷媒ガスを吸入、吐出するのみであり、回転動力の
大部分を摩擦損失にとどめることができるが、そのため
には上記抽気通路を駆動軸の周辺近傍に配置して、液冷
媒が吸入室へ流出しないよう配慮することが望ましい。
【0016】また、上記圧縮機には、吸入室圧力を検知
することにより常時クランク室圧力を調整する容量制御
弁を内装することも可能であり、冷房運転不要時、該容
量制御弁は吸入室圧力を設定圧力に保持すべく動作する
ことになるが、吐出冷媒の少なくとも一部は常に凝縮器
を経由して循環されるので、容量制御弁を内装する型式
であってもなんら遜色のない機能を発揮する。
【0017】
【実施例】以下、本発明に具体化した実施例を図面に基
づいて説明する。図1に示す本実施例の冷凍回路は車両
空調用に供されるものであって、クラッチレス可変容量
型圧縮機(以下、単に圧縮機という)100、凝縮器1
01、受液器102、温度式自動膨張弁(以下、単に膨
張弁という)103、蒸発器104とから構成される通
常の各構成要素は、管路P1〜P5によって接続されて
おり、膨張弁103はキヤピラリチュ−ブ103aを介
して接続された感温筒103bの封入ガス圧力により、
弁開度つまり過熱度が調節される。
【0018】そして本実施例の特徴的構成である給圧管
路P6は、凝縮器101から膨張弁103に至る例えば
管路P3中の分岐点Sと、後述する圧縮機のクランク室
とを接続すべく配設され、該給圧管路P6には絞りFと
ともに電磁操作弁(2ポート常閉切換弁)105が設け
られている。なお、P7はクランク室と吸入室とを連通
する圧縮機内の絞り付抽気通路であるが、図には理解に
便なるよう吸入管路P5に接続する形態で示されてい
る。
【0019】さて、圧縮機100は、図2に示すよう
に、シリンダブロック1の前端側がフロントハウジング
2によって閉塞され、同後端側が弁板4を介してリアハ
ウジング3によって閉塞されるとともに、これらは通し
ボルト21により共締めされている。シリンダブロック
ブ1とフロントハウジング2とによって形成されるクラ
ンク室5内には軸心方向に延在する駆動軸6が収容され
て、ラジアル軸受7a、7bにより回転自在に支持され
ている。そして該駆動軸6の前端には、自動車エンジン
にベルトを介して連結されるプーリ41が固着され、該
プーリ41はラジアル軸受42によってフロントハウジ
ング2に支承されている。また、シリンダブロック1に
は該駆動軸6を囲繞する位置に複数個のボア8が穿設さ
れており、各ボア8にはピストン9がそれぞれ往復動可
能に嵌挿されている。
【0020】クランク室5内において、駆動軸6にはロ
ータ10がフロントハウジング2との間にスラスト軸受
11を介して同期回転可能に結合され、ロータ10の後
方には斜板12が嵌合されている。そして、該斜板12
はロータ10との間に介装された押圧ばね13により常
に後方に向け付勢されている。斜板12には、両端面外
周側に平滑な摺動面12aが形成され、摺動面12aに
は半球状のシュ−14、14が当接されており、これら
シュ−14、14の凸球面はピストン9の凹球面と係合
されている。
【0021】また、斜板12の摺動面12aより内方域
のロータ10側には、一対のブラケット12b、12b
が該斜板12の上死点位置Tを跨いで突設され、各ブラ
ケット12b、12bにはガイドピン12c、12cの
基端が固着されるとともに、各ガイドピン12c、12
cの先端には球体部12d、12dが形成されている。
かくして本圧縮機では、ブラケット12b、12b、ガ
イドピン12c、12c及び球体部12d、12dによ
り、ヒンジ機構Kの一部を構成している。
【0022】斜板12の中心部には駆動軸6上で該斜板
12の傾角変位を許容する屈折状の貫通孔20が貫設さ
れ、また、斜板12の下死点領域におけるロータ10側
には、駆動軸6の軸心から径外方向に延在され、かつロ
ータ10側のシュ−14を回避しつつ摺動面12aを覆
蔽するカウンタウェイト15がリベット16により装着
されている。そして該斜板12は、カウンタウェイト1
5よりも中心寄りの前端面12eがロータ10の後端面
10aと当接することにより最大傾角が規制される一
方、後端面の座繰孔部がサークリップ22と当接するこ
とにより最小傾角が規制されている。
【0023】また、ロータ10の上部には、上記ヒンジ
機構Kの残部を構成する一対の支持アーム17、17が
各ガイドピン12c、12cと整合するよう軸心方向後
方に突出され、各支持アーム17、17の先端部には、
駆動軸6の軸心と斜板12の上死点位置Tとで決定され
る面と平行に、かつ駆動軸6の軸心に対して外方から近
づく向きにガイド孔17a、17aが貫設されている。
これらガイド孔17a、17aの向きは、斜板12の傾
角変位にかかわらずピストン9の上死点位置が不動に保
たれるよう設定されており、各ガイド孔17a、17a
内には、それぞれガイドピン12c、12cの球体部1
2d、12dが摺動可能に挿入されている。
【0024】リアハウジング3内には、吸入室30及び
吐出室31が画設され、弁板4にはボア8に対応して吸
入ポート32及び吐出ポート33が開口されており、弁
板4とピストン9との間に形成される圧縮室が吸入ポー
ト32及び吐出ポート33を介して吸入室30及び吐出
室31に連通されている。各吸入ポート32にはピスト
ン9の往復動に応じて吸入ポート32を開閉する図示し
ない吸入弁が設けられ、各吐出ポート33にはピストン
9の往復動に応じて吐出ポート33をリテーナ34に規
制されつつ開閉する図示しない吐出弁が設けられてい
る。なお、P7は図1にも示すように、クランク室5と
吸入室30とを連通する絞り付抽気通路で、該抽気通路
P7の少なくともクランク室5側の開口は、駆動軸6の
周辺近傍に配置されて、液冷媒が吸入室30に流出しな
いよう配慮されている。
【0025】このように構成された冷凍回路において、
自動車エンジンが始動されると、図示しないベルト及び
プーリ41を介して直接駆動軸6に動力が伝達され圧縮
機100も起動される。そして例えば車室内のスイッチ
操作により電磁操作弁105がオン(閉鎖)されれば、
冷凍回路は、以下のように冷房能力を発揮する。すなわ
ち、圧縮機100は駆動軸6の回転に伴う斜板12の回
転揺動に基づいて各ピストン9がボア8内を往復動す
る。これにより各ボア8内へは、蒸発器104から管路
P5及び吸入室30を経て帰還冷媒が吸入され、各ボア
8内で圧縮された冷媒ガスは吐出室31へ吐出される。
吐出室31から送出された高温、高圧の冷媒ガスは管路
P1を介して凝縮器101に送られ、該凝縮器101で
冷却、液化された冷媒は管路P2、受液器102、管路
P3と巡行し、膨張弁103で断熱膨張されると同時
に、感温筒103bの検知圧力に応じた供給量に調節さ
れて管路P4から蒸発器104へと送り込まれる。この
ように低温、低圧で気液二相流となった冷媒は蒸発器1
04内で蒸発する際、周囲の空気から蒸発熱を奪うこと
により車室内を冷房し、しかるのち管路P5を経て再び
圧縮機100に吸入される。
【0026】さて、圧縮機100の稼働中、冷房運転が
不要となって電磁操作弁105のオフ操作により給圧管
路P6が開通されると、凝縮器101を経由した高圧の
液冷媒が該給圧管路P6から圧縮機100のクランク室
5へ供給され、これがクランク室圧力の上昇をもたらし
て斜板12は最小傾角状態に変位し、圧縮機100は最
小容量状態へと移行する。そして圧縮機100から送出
されるわずかな冷媒ガスは、凝縮器101、給圧管路P
6、クランク室5、抽気通路P7、吸入室30、ボア
8、吐出室31といった順路で引続き循環される。
【0027】この場合、循環冷媒は凝縮器101を経由
することによって冷却、液化され、さらに給圧管路P6
の絞りFの作用により減圧されてクランク室5内で気化
することとなるため、クランク室5がさながら蒸発器的
な役割を代行して圧縮機100の冷却に寄与し、しかも
クランク室5に導入される液冷媒中の混在油粒は、その
大半が気化冷媒に帯同することなく蓄留されるので、機
内の潤滑にも良好に貢献する。また、このように冷房運
転不要期間中の圧縮機100は、わずかな冷媒ガスを吸
入、吐出するのみであり、回転動力の大部分を摩擦損失
にとどめることができるとともに、上記抽気通路P7の
少なくともクランク室5側の開口が駆動軸6の周辺近傍
に配置されて、液冷媒の吸入室30への流出、つまり液
バックは巧みに防止されている。
【0028】図3及び図4は、上記弁手段の変形例を示
すものであって、上記実施例においては、電磁操作弁1
05の操作によって給圧管路P6が開通された際、油粒
を含んだ液冷媒の一部が膨張弁103から管路P4方向
へも流れることとなるため、蒸発器104に油が滞留す
る可能性があり、図3に示す変形例は、上記給圧管路P
6の分岐点Sから膨張弁103に至る管路P3中に更に
電磁操作弁(2ポート常開切換弁)106を追加配置
し、上記電磁操作弁105の開通操作に同期して電磁操
作弁106を閉鎖させるように構成したものである。一
方、図4に示す変形例は、上記電磁操作弁105、10
6に代え、管路P6の分岐点Sに電磁操作弁(3ポート
切換弁)107を配置して、該分岐点Sから膨張弁10
3に向う流れと、給圧管路P6に向う流れとを一挙に反
転しうるよう構成したものである。
【0029】図5は、本発明に用いられる圧縮機100
の他の実施例を示すもので、該圧縮機100には、吸入
室圧力を検知することにより常時クランク室圧力を調整
する容量制御弁50が内装されている。すなわち、リア
ハウジング3内において、吐出室31とクランク室5と
を接続する給気通路51中に配置された容量制御弁50
は、ケ−ス54の内部がダイアフラム55により大気室
58と吸入圧力室59とに区画され、ダイアフラム55
にはそれぞればね56、57が対抗せしめられている。
吸入圧力室59は検知通路52によって吸入室30に連
通されるとともに、該吸入圧力室59側にはダイアフラ
ム55の変位に連動するロッド60が制御室63に向け
延在されている。制御室63の外端部は給気通路51を
介して吐出室31に連通される一方、同内端部の開口弁
座64は一連の給気通路51を介してクランク室5に連
通されている。そして該開口弁座64にはばね62によ
って付勢されるボール弁61が着座可能に配置されてお
り、該ボール弁61には上記ロッド60の先端が当接せ
しめられている。かくしてこの容量制御弁50は、吸入
室圧力が設定圧力を下回ると、ダイアフラム55の変位
によりボール弁61を開弁させて給気通路51を開通
し、クランク室圧力(斜板傾角)を調整することにより
吸入室圧力を常に一定に保持するように制御する。
【0030】上述のように、この圧縮機100には常
時、クランク室圧力、つまりは吸入室圧力を制御する容
量制御弁50が内装されており、上記電磁操作弁105
等によって給圧管路P6が開通されると、高圧の冷媒が
クランク室5へ供給され、これがクランク室圧力の上昇
をもたらして、圧縮機100は吸入室圧力にかかわらず
最小容量状態に移行する。そして圧縮機100が最小容
量状態に移行後は、その本来的な機能により吸入室圧力
を設定圧力に保持すべく動作することになるが、吐出冷
媒の少なくとも一部は常に凝縮器101を経由する順路
で循環されるので、容量制御弁50を内装する型式であ
っても、圧縮機100の冷却、潤滑といった特有の機能
はなんら変ることなく発揮される。
【0031】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明は、特許請
求の範囲に記載の構成を有するものであるから、冷房運
転不要時においても、クラッチレス可変容量型圧縮機の
冷却、潤滑を全うしえて、その耐久性及び信頼性を格段
と向上させうると同時に、動力損失も最小限にとどめる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る冷凍回路を示す回路図。
【図2】本発明に用いられる圧縮機の実施例を示す断面
図。
【図3】冷凍回路中の弁手段の変形例を示す回路図。
【図4】冷凍回路中の弁手段のさらに他の変形例を示す
回路図。
【図5】本発明に用いられる圧縮機の他の実施例を示す
断面図。
【符号の説明】
5はクランク室、30は吸入室、31は吐出室、50は
容量制御弁、100は圧縮機、101は凝縮器、103
は膨張弁、104は蒸発器、105、106、107は
電磁操作弁、P6は絞り付給圧管路、P7は絞り付抽気
通路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダブロックに形成されたボア内を往
    復動し、吸入室から吸入した冷媒を圧縮して吐出するピ
    ストンと、クランク室内で駆動軸と共に回転し、かつ該
    クランク室の圧力に基づいて上記ピストンのストローク
    を変化させる傾角変位可能な斜板要素と、該クランク室
    と上記吸入室とを連通する絞り付抽気通路とを備えたク
    ラッチレス可変容量型圧縮機を含み、該圧縮機から送出
    された冷媒を凝縮器、膨張弁及び蒸発器を経由して循環
    させる冷凍回路であって、上記凝縮器から上記膨張弁に
    至る管路から分岐して上記クランク室に接続される絞り
    付給圧管路を配設するとともに、該給圧管路を選択的に
    開閉する弁手段を設けたことを特徴とするクラッチレス
    可変容量型圧縮機を用いた冷凍回路。
  2. 【請求項2】上記弁手段は、上記給圧管路に配置された
    2ポート切換弁である請求項1記載の冷凍回路。
  3. 【請求項3】上記弁手段は、上記給圧管路の分岐点から
    膨張弁に至る管路に配置された2ポート切換弁を含むも
    のである請求項2記載の冷凍回路。
  4. 【請求項4】上記弁手段は、上記給圧管路の分岐点に配
    置されたる3ポート切換弁である請求項1記載の冷凍回
    路。
  5. 【請求項5】上記各切換弁は、冷凍回路のオン、オフ信
    号に応動する電磁操作弁である請求項2、3又は4記載
    の冷凍回路。
  6. 【請求項6】上記抽気通路は、上記駆動軸の周辺近傍に
    配置されている請求項1、2、3、4又は5記載の冷凍
    回路。
  7. 【請求項7】上記圧縮機に、吸入室圧力を検知すること
    により常時クランク室圧力を調整する容量制御弁を内装
    したことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6
    記載の冷凍回路。
JP6115274A 1994-05-27 1994-05-27 クラッチレス可変容量型圧縮機を用いた冷凍回路 Pending JPH07318177A (ja)

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US08/445,996 US5653119A (en) 1994-05-27 1995-05-23 Refrigerating system incorporating therein a variable capacity refrigerant compressor
KR1019950013406A KR0152698B1 (ko) 1994-05-27 1995-05-26 클러치레스 가변용량형 압축기를 사용한 냉동회로
DE19519441A DE19519441C2 (de) 1994-05-27 1995-05-26 Kühlsystem mit Kältemittelkompressor mit variabler Förderleistung

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019457A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Sanden Corp 冷凍回路
CN111981715A (zh) * 2019-05-21 2020-11-24 开利公司 制冷设备

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