JPH07316166A - 環状ポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

環状ポリシロキサンの製造方法

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JPH07316166A
JPH07316166A JP6134944A JP13494494A JPH07316166A JP H07316166 A JPH07316166 A JP H07316166A JP 6134944 A JP6134944 A JP 6134944A JP 13494494 A JP13494494 A JP 13494494A JP H07316166 A JPH07316166 A JP H07316166A
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cyclic polysiloxane
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reaction
multiple bond
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JP6134944A
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Hideyuki Aizawa
秀行 相沢
Tetsuya Watanabe
哲也 渡辺
Yoshiyuki Nagai
喜行 永井
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Toray Industries Inc
DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脂肪族基含有環状ポリシロキサンを効率良
く、工業的に安定的に、かつ、収率良く製造する方法を
提供すること。 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは同種又は異種の脂肪族多重結合を含まない
一価の炭化水素基、mは正の整数、nは0又は正の整
数、m+nは4〜8の数を示す)で表されるSi−H基
含有環状ポリシロキサンと脂肪族多重結合含有化合物と
のヒドロシリル化反応によって脂肪族多重結合含有化合
物を付加した環状ポリシロキサンを製造するにあたり、
予め前記Si−H基含有環状ポリシロキサン中に含まれ
る低沸点不純物の含有量を1重量%以下にせしめ、しか
る後、白金触媒存在下に前記脂肪族多重結合含有化合物
をヒドロシリル化反応させることを特徴とする、脂肪族
多重結合含有化合物を付加した環状ポリシロキサンの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si−H基含有環状ポ
リシロキサンと脂肪族多重結合含有化合物とのヒドロシ
リル化反応によって脂肪族多重結合含有化合物が付加し
た環状ポリシロキサンを製造する方法に関する。この環
状ポリシロキサンは、アルキル変性オルガノポリシロキ
サンの原料として有用であり、このアルキル変性オルガ
ノポリシロキサンは各種潤滑剤やシリコーンシーラント
の原料としての用途を有する。
【0002】
【従来の技術】分子中にSi−H基を含有する有機ケイ
素化合物を脂肪族系の多重結合を有する化合物に付加反
応させてSi−C結合を形成するヒドロシリル化反応
は、現在のシリコーン工業において重要な地位を占める
反応である。
【0003】この反応は触媒の存在が必須であり、過酸
化ジアセチル、過酸化ジベンゾイル等の過酸化物や、ル
イス酸あるいは白金系触媒等が用いられ、特に白金系触
媒が高い活性を保持することは公知である(たとえば熊
田、大河原共著「有機ケイ素化学」槙書店(195
9))。
【0004】そして、白金触媒の形態を種々変えて目的
とする反応を制御することもよく行われている。例え
ば、塩化白金酸とアミノポリシロキサンとで白金アミノ
シリコーン錯体とし、温度と活性の関係を制御した特公
昭63−19218号公報の例がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】白金触媒を用いてヒド
ロシリル化反応を実施する際、正常であれば直ちに発熱
を伴って反応が生起するが、時には一向に反応が生起し
ない場合がある。そして、しばらく攪拌を継続するうち
に徐々に発熱を伴って反応が生起するいわゆる「誘導時
間」現象がある。この現象の故に、白金触媒を用いてヒ
ドロシリル化反応により脂肪族基含有環状ポリシロキサ
ンを製造する従来の方法は、効率が悪く、工業的に安定
した生産が困難で、また、誘導時間中に環状ポリシロキ
サンが熱劣化(高分子化)するため収率も悪かった。
【0006】従って、本発明の目的は、脂肪族基含有環
状ポリシロキサンを効率良く、工業的に安定的に、か
つ、収率良く製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、原料であるSi−H基含有環状ポリシロキサ
ン中に含まれる低沸点不純物の含有量が1重量%以下の
場合に、上記誘導現象を防止することができ、反応が直
ちに生起し、収率も上がることを見出し本発明を完成し
た。
【0008】すなわち、本発明は、一般式(I)
【化1】 (式中、Rは同種又は異種の脂肪族多重結合を含まない
一価の炭化水素基、mは正の整数、nは0又は正の整
数、m+nは4〜8の数を示す)で表されるSi−H基
含有環状ポリシロキサンと脂肪族多重結合含有化合物と
のヒドロシリル化反応によって脂肪族多重結合含有化合
物を付加した環状ポリシロキサンを製造するにあたり、
予め前記Si−H基含有環状ポリシロキサン中に含まれ
る低沸点不純物の含有量を1重量%以下にせしめ、しか
る後、白金触媒存在下に前記脂肪族多重結合含有化合物
をヒドロシリル化反応させることを特徴とする、脂肪族
多重結合含有化合物を付加した環状ポリシロキサンの製
造方法を提供する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の方法において出発原料として用い
られるSi−H基含有環状ポリシロキサンは前記式
(I)で表される。式(I)中、Rは脂肪族多重結合を
含まない一価の炭化水素基であり、各Rは同一でも異な
っていてもよい。Rの例として、アルキル基、シクロア
ルキル基及びアリール基等の比較的熱や酸に対して安定
な基が挙げられる。特に好ましいものとして、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、ヘキシルのようなC1 〜C8 アルキル基;シクロヘ
キシル基のようなC2 〜C8 シクロアルキル基;フェニ
ル基のような単環式アリール基(上記のC1 〜C8 アル
キル基又はC3 〜C8 シクロアルキル基で置換されてい
てもよい)を挙げることができる。また、上記の各基は
ハロゲンで置換されていてもよく、このような例として
クロロプロピル、トリフルオロプロピル等を挙げること
ができる。Rがメチル基のものが入手しやすく、よく用
いられる。また、前記式(I)中、mは正の整数であ
り、1〜8の数である。nは0〜7の整数であり、m+
nは4〜8の数である。
【0011】前記Si−H基含有環状ポリシロキサンの
具体例として、ヘプタメチルシクロテトラシロキサン、
ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシ
クロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロ
キサン、ノナメチルシクロペンタシロキサン、オクタメ
チルシクロペンタシロキサン、ヘプタメチルシクロペン
タシロキサン、ヘキサメチルシクロペンタシロキサン、
ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ウンデカメチル
シクロヘキサシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロ
キサン、ノナメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメ
チルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルシクロヘキ
サシロキサン、ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、
同様にヘプタメチルシクロヘプタシロキサンに代表され
る環状7量体、及びオクタメチルシクロオクタシロキサ
ンに代表される環状8量体、1,3,5,7−テトラエ
チルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラ
メチル−5,7−エチルシクロテトラシロキサン、1,
5−ジフェニル−3,7−ジメチルシクロテトラシロキ
サン、1,3−ジメチル−5,7−ジプロピルシクロテ
トラシロキサン等が例示される。
【0012】これらのSi−H基含有環状ポリシロキサ
ンは公知の方法、すなわち、RHSiX2 (Rは前記と
同様、Xは加水分解性基を表す)の加水分解、又は前記
R基及びSi−H基を内部に含有する直鎖状ポリシロキ
サンの熱分解あるいは酸触媒を用いた環化反応により得
ることができる。
【0013】本発明の方法において用いられる脂肪族多
重結合含有化合物とは、分子内に脂肪族多重結合、すな
わち、炭素原子間の二重結合又は三重結合を有する化合
物であればよく、特に限定されるものではない。鎖状、
環状のいずれであってもよいし、脂肪族多重結合含有ケ
イ素化合物であってもよい。すなわち、Si−H基によ
り付加される脂肪族多重結合を有するものであればいず
れも使用可能である。中でも、C2 〜C8 アルケン、C
3 〜C8 シクロアルケン、C2 〜C8 アルキン及びC8
〜C12シクロアルキンが好ましく、これらはハロゲン、
シアノ基、フェニル基等種々の置換基で置換されていて
もよい。ごく一部であるが具体例を示せば、エチレン、
アセチレン、プロピレン、塩化アリル、1−ブテン、1
−ヘキセン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、スチ
レン等が例示される。
【0014】本発明における特徴は、前記Si−H基含
有環状ポリシロキサンと前記脂肪族多重結合含有化合物
とのヒドロシリル化反応を実施するに際し、予め前記S
i−H基含有環状ポリシロキサン中に含まれる低沸点不
純物の含有量を1重量%以下にまで下げておくことにあ
る。
【0015】ここで、低沸点不純物とは、Siの数が
(m+n−1)個以下の有機化合物を言う。これらの低
沸点不純物として、下記のものを例示することができ
る。 (CH3)2HSiOSiH(CH3)2 、(CH3)3SiOSiH(CH3)2、(CH3)3Si
OSi(CH3)3 下記式(II)で表される化合物、
【化2】 (式中、Rは前記と同様)下記式(III)で表される化合
物、
【化3】 (式中、Rは前記と同様)下記式(IV)で表される化合
【化4】 (式中、Rは前記と同様)。
【0016】これらの低沸点不純物は、前記RHSiX
2 の加水分解時に副生したり、また、前記R基、Si−
H基を内部に含有する直鎖状ポリシロキサンの熱分解あ
るいは酸を用いた環化反応時に副生する。
【0017】本願発明者らは、前記Si−H基含有環状
ポリシロキサンと前記脂肪族多重結合含有化合物との反
応をガスクロマトグラフィー(以下GCと略記)で時間
の経過とともに分析することにより、前記低沸点不純物
含有量が1重量%を境にしてそれを超えている間の反応
は極めて遅く、前記Si−H基含有環状ポリシロキサン
の熱劣化(高分子化)が進行し、1重量%以下となるこ
ろから反応速度が速くなる現象を見出した。従って、ヒ
ドロシリル化反応を実施する前に予め前記低沸点不純物
の含有量を1重量%以下にする必要がある。
【0018】ここで、前記低沸点不純物を1重量%以下
にする方法としては通常の精製方法、例えば蒸留、抽
出、吸着等の方法を用いることができる。
【0019】また、本発明の方法においては、これらの
精製方法の他に、前記Si−H基含有環状ポリシロキサ
ンの損失を極力抑制し、かつ製造工程を増やすことなく
精製する方法として、前記低沸点不純物が混在する前記
式(I)のSi−H基含有環状ポリシロキサンを白金触
媒存在下に加熱し、前記低沸点不純物の含有量を1重量
%以下にせしめる方法が前記Si−H基含有環状ポリシ
ロキサンの損失を抑制しつつ精製する効率の良い方法で
あることを見出した。以下、この分解反応の条件等につ
いてさらに説明する。
【0020】用いられる白金触媒は、白金金属又は白金
含有組成物から選ぶことができる。例えば、塩化白金酸
イソプロピルアルコール溶液、白金ブラック、また、一
般に触媒担体として広く用いられているアルミナ、シリ
カ、ケイソウ土、活性炭、ゼオライト、イオン交換樹脂
等に保持された白金触媒、あるいは有機化合物との錯体
の形で用いられる。中でも塩化白金酸イソプロピルアル
コール溶液が最も容易に入手でき、好ましく用いられ
る。塩化白金酸は結晶水を含んでいてもいなくてもよ
い。
【0021】白金触媒の使用量は特に限定されないが使
用量が多いほど反応速度を高める効果があるものの、白
金触媒の価格が高価なことと、触媒活性が高いことから
Si−H基含有環状ポリシロキサンに対し、白金金属基
準で0.1〜100ppm、好ましくは0.5〜50p
pm用いられる。
【0022】前記Si−H基含有環状ポリシロキサン中
に含まれる前記低沸点不純物を前記白金触媒の存在下、
加熱処理するに際し、系内の雰囲気については特に限定
するものではないが、系内への導入ガスは分解、除去を
促進する効果もあり、窒素ガス、アルゴン、ヘリウム等
反応に不活性なガス、あるいはそれら不活性ガスに安全
上問題がない程度に含まれた酸素ガスとの混合ガス等の
雰囲気下に実施することが好ましい。
【0023】また、温度についても特に限定するもので
はなく、広い範囲から選ぶことができるが、前記低沸点
不純物の白金触媒による加熱処理の効果を考慮すると3
0℃〜100℃が好ましい温度範囲である。
【0024】前記低沸点不純物の白金触媒による加熱処
理に要する時間についても前記低沸点不純物含有量、温
度、白金触媒添加量により変化し、特に限定されない
が、通常10時間以内であり、多くは5時間以内で終了
する。攪拌についても特に限定されない。
【0025】溶媒については存在あるいは非存在下に実
施することができるが、用いる場合はSi−H基と非反
応性の溶媒から選択することが好ましい。
【0026】このようにして、前記Si−H基含有環状
ポリシロキサン中に含まれる前記低沸点不純物を含有量
1重量%以下に精製し、しかる後、ヒドロシリル化反応
を実施する。
【0027】ヒドロシリル化反応の反応方法については
特に限定するものではない。すなわち、前記Si−H基
含有環状ポリシロキサン中に前記脂肪族多重結合含有化
合物を添加してもよいし、その逆でもよい。また、白金
触媒はどちらに添加しておいても反応に何ら支障はな
い。ただし、前記Si−H基含有環状ポリシロキサンと
前記脂肪族多重結合含有化合物の両者を混合後、白金触
媒を添加することは急激な反応のために発熱が大きい場
合があり、危険を伴い好ましくない。
【0028】ヒドロシリル化反応に用いる白金触媒とし
ては上記の白金触媒を用いることができる。白金触媒の
使用量は、特に限定されるものではなく、上記の不純物
の加熱処理時における使用量と同程度でもよいし、これ
より多くてもよい。また、反応温度、反応圧力、反応時
間等も反応物質の性状、反応性等を考慮して適宜選択す
ることができる。通常、反応温度は30〜150℃程度
であり、反応圧力は常圧ないし5気圧程度であり、反応
時間は2〜15時間程度であるがこれらに限定されるも
のではない。
【0029】前記低沸点不純物を白金触媒存在下に処理
し、除去する方法を実施した場合は、前記低沸点不純物
を除去後、引き続き前記脂肪族多重結合含有化合物を添
加し、ヒドロシリル化反応を実施すればよいし、さらに
白金触媒を追加して実施してもよい。
【0030】本発明において、ヒドロシリル化反応の原
料及び生成物について、そのうちの一部を例示すると、
例えば原料1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサンにエチレンガスを反応させて得られる1,
3,5,7−テトラメチル−1−エチルシクロテトラシ
ロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3−ジ
エチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テト
ラメチル−1,3,5−トリエチルシクロテトラシロキ
サン及び1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,
7−テトラエチルシクロテトラシロキサン;原料1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンにプ
ロピレンを反応させて得られる1,3,5,7−テトラ
メチル−1,5−ジプロピルシクロテトラシロキサン;
並びに原料1,3,5,7−テトラメチル−1,3−ジ
エチルシクロテトラシロキサンにシクロヘキセンを反応
させて得られる1,3,5,7−テトラメチル−1,3
−ジエチル−5,7−シクロヘキシルシクロテトラシロ
キサン等が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
【0032】実施例1 GC分析純度98.0重量%の1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサン100gを200ml四
つ口丸底フラスコに仕込んだ。純度98.0重量%の残
りの2.0重量%は、低沸点不純物として6種類がGC
検出され、それらの中の主な不純物は前記式(III)で示
される化合物に包含される1,1,3,5−テトラメチ
ルシクロトリシロキサン(0.6重量%)、前記式(I
V)で示される化合物に包含される1,1,3,3,5
−ペンタメチルシクロトリシロキサン(0.4重量
%)、前記式(II)で示される化合物に包含される1,
3,5−トリメチルシクロトリシロキサン(0.6重量
%)であった。
【0033】200ml丸底四つ口フラスコに攪拌機、
温度計、ガス供給用ボールフィルターをセットした。こ
のフラスコに白金触媒として、2重量%塩化白金酸6水
塩(H2 PtCl6 ・6H2 O)のイソプロピルアルコ
ール溶媒を白金(Pt)基準で5ppm相当量を添加し
た。
【0034】ガス供給用ボールフィルターから窒素ガス
を200ml/分で供給し、200rpmで攪拌しつ
つ、50℃まで昇温した。1時間ごとにサンプリング
し、GC分析した結果、5時間後に低沸点不純物のう
ち、1,1,3,5−テトラメチルシクロトリシロキサ
ンに相当するピークは消滅し、1,1,3,3,5−ペ
ンタメチルシクロトリシロキサンが0.1重量重量%、
式(II)の1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサ
ンが0.2重量重量%にまでそれぞれ減少し、前記低沸
点不純物合計の含有量は0.6重量重量%であった。
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
の劣化によるGC不検出分(ポリマー)の生成は2重量
%であった。
【0035】次いで、80℃に昇温し、窒素ガスからエ
チレンガスに切換えて500ml/分の速度で供給を開
始したところ、発熱を伴ってエチレン付加反応が生起
し、GC分析の結果、1,3,5,7−テトラメチル、
1,3,5,7−テトラエチルテトラシロキサンの生成
が認められた。
【0036】実施例2 実施例1と同じ純度98.0重量%の1,3,5,7−
テトラメチルシクロテトラシロキサン100gと、2重
量%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液をPt金属
基準で2ppm相当量を実施例1と同様の反応装置に仕
込んだ。
【0037】窒素ガス95重量%、酸素ガス5重量%の
混合ガスを200ml/分で供給しつつ、200rpm
で攪拌し、50℃まで昇温した。1時間ごとにサンプリ
ングし、GC分析した結果、2時間で1,1,3,5−
テトラメチルシクロトリシロキサンに相当するピークは
消滅し、他の2成分も実施例1とほぼ同等にまで減少し
ていた。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサンの劣化によるGC不検出分(ポリマー)の生成
は3重量%であった。次いで、窒素ガスに切り換え、1
分間置換後、80℃に昇温し、エチレンガス500ml
/分に切り換えたところ、実施例1と同様に発熱を伴っ
てヒドロシリル化反応が生起した。
【0038】実施例3 GC純度98.3重量%の1,3,5,7−テトラメチ
ル−1,3−ジエチルシクロテトラシロキサン100g
を実施例1と同様の反応装置に仕込んだ。純度98.3
重量%の残りの1.7重量%のうち、1.3重量%は前
記式(III)の1,1,3,5−テトラメチルシクロトリ
シロキサン(0.6重量%)、前記式(IV) の1,1,
3,3,5−ペンタメチルシクロトリシロキサン(0.
4重量%)、前記式(II) の1,3,5−トリメチルシ
クロトリシロキサン(0.3重量%)を含んでいた。
【0039】実施例1と同様に窒素ガス雰囲気下、50
℃、白金触媒で前処理後、80℃においてエチレンガス
を300ml/分で導入したところ、直ちに発熱を伴っ
てヒドロシリル化反応が生起した。
【0040】比較例1 実施例1と同じ98重量%の1,3,5,7−テトラメ
チルシクロテトラシロキサン100gを200ml丸底
フラスコに仕込み、80℃に昇温後、2重量%塩化白金
酸イソプロピルアルコール溶液をPt金属基準で5pp
m添加し、エチレンガスを500ml/分で供給したと
ころ、全く反応は進行しなかった。原料の1,3,5,
7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの純度は3時
間で73重量%まで低下した。
【0041】比較例2 実施例1と同じ98重量%の1,3,5,7−テトラメ
チルシクロテトラシロキサン100gを200ml丸底
フラスコに仕込み、白金触媒非存在下に窒素ガス200
ml/分で供給しつつ、50℃、5時間攪拌した。GC
分析の結果、低沸点不純物はほとんど減少せず残存して
いた。
【0042】実施例4 200ml四つ口丸底フラスコに1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサン40重量%、1,3,
5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン30
重量%、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシク
ロヘキサシロキサン15重量%、1,3,5,7,9,
11,13−ヘプタメチルシクロヘプタシロキサン9重
量%、1,3,5,7,9,11,13,15−オクタ
メチルシクロオクタシロキサン4重量%の混合物と、2
重量%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液をPt金
属基準で5ppm相当量を仕込んだ。
【0043】窒素ガスを50ml/分で供給し、200
rpmで攪拌しつつ80℃に昇温した。0.5時間ごと
にサンプリング、GC分析し、低沸点不純物の挙動を観
察した。前記式(III)の1,1,3,5−テトラメチル
シクロトリシロキサンに相当するピークと、式(IV)の
1,1,3,3,5−ペンタメチルシクロトリシロキサ
ン、式(II)の1,3,5−トリメチルシクロトリシロ
キサンに相当するピークを主とする低沸点不純物が2時
間30分で合計0.7重量重量%まで減少した。
【0044】エチレンガス500ml/分に切り換えた
ところ、直ちに発熱が認められ、反応が生起したことが
わかった。
【0045】実施例5 実施例1で用いた純度98.0重量%の1,3,5,7
−テトラメチルシクロテトラシロキサンをウイッドマー
精留塔にて精留し、1,3,5,7−テトラメチルシロ
キサンを15重量重量%(対精留仕込量)損失したもの
の、前記低沸点不純物の合計は0.3重量重量%にまで
精製されていた。
【0046】これを実施例1と同様の装置、触媒を用
い、エチレンを500ml/分で供給したところ、発熱
に伴って、ヒドロシリル化反応が生起した。
【0047】実施例6 200ml四つ口丸底フラスコに実施例1と同様の純度
98.0重量%の1,3,5,7−テトラメチルシクロ
テトラシロキサン100gと2重量%塩化白金酸イソプ
ロピルアルコール溶液をPt金属基準で10ppm相当
量を仕込んだ。窒素ガスを200ml/分で供給し、攪
拌(200rpm)しつつ、70℃まで昇温した。
【0048】低沸点不純物は、3時間で含有量0.5重
量重量%になり、次いで、アセチレンガス500ml/
分を供給したところ、発熱を伴ってヒドロシリル化反応
が生起した。GC分析の結果、ビニル体の生成が認めら
れた。
【0049】実施例7 実施例1と同様の反応装置に、前記式(I)中のRがメ
チル基で、n=2、m=2であるヘキサメチルシクロテ
トラシロキサン100gを仕込み、これに式(II)、式
(III)、式(IV)で表される化合物を主とする前記低沸
点不純物の濃縮液を、ヘキサメチルシクロテトラシロキ
サン中の前記低沸点不純物の含有量が3重量重量%とな
るように混合した。これに2重量%塩化白金酸イソプロ
ピルアルコール溶液をPt基準で10ppm添加し、窒
素ガス200ml/分で流し、70℃まで昇温した。同
温度で3.5時間攪拌処理後、前記低沸点不純物の含有
量は0.4重量重量%となった。
【0050】この反応器の中へ、滴下ロートからシクロ
ヘキセン10gを滴下したところ、発熱を伴って反応が
生起し、GC分析の結果、シクロヘキシル付加物の生成
が認められた。
【0051】比較例3 実施例7と同様に、原料と低沸点不純物及び2重量%塩
化白金酸イソプロピルアルコール溶液を反応装置に仕込
み、70℃まで昇温した。昇温後、直ちに滴下ロートか
らシクロヘキセン10gを滴下したところ、2時間経過
しても反応は生起しなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、Si−H基含有環状ポ
リシロキサンと脂肪族多重結合含有化合物とのヒドロシ
リル化反応を高収率で効率よく実施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 哲也 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 永井 喜行 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは同種又は異種の脂肪族多重結合を含まない
    一価の炭化水素基、mは正の整数、nは0又は正の整
    数、m+nは4〜8の数を示す)で表されるSi−H基
    含有環状ポリシロキサンと脂肪族多重結合含有化合物と
    のヒドロシリル化反応によって脂肪族多重結合含有化合
    物を付加した環状ポリシロキサンを製造するにあたり、
    予め前記Si−H基含有環状ポリシロキサン中に含まれ
    る低沸点不純物の含有量を1重量%以下にせしめ、しか
    る後、白金触媒存在下に前記脂肪族多重結合含有化合物
    をヒドロシリル化反応させることを特徴とする、脂肪族
    多重結合含有化合物を付加した環状ポリシロキサンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 低沸点不純物が混在する前記Si−H基
    含有環状ポリシロキサンを白金触媒存在下に加熱し、前
    記低沸点不純物の含有量を1重量%以下にせしめ、しか
    る後、前記脂肪族多重結合含有化合物とヒドロシリル化
    反応させる請求項1記載の環状ポリシロキサンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記白金触媒の量が前記Si−H基含有
    環状ポリシロキサンに対し、白金金属基準で0.1〜1
    00ppmである請求項2記載の環状ポリシロキサンの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱温度が、30℃〜100℃の温
    度範囲である請求項2又は3記載の環状ポリシロキサン
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記脂肪族多重結合含有化合物がエチレ
    ンである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の環状
    ポリシロキサンの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005139123A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Kaneka Corp SiH基を有する環状シロキサン骨格含有化合物の製造法
JP2017520647A (ja) * 2014-06-11 2017-07-27 ダウ コーニング コーポレーションDow Corning Corporation 気体及び液体を反応させる膜接触器を使用して有機ケイ素生成物を生成する方法

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JP2005139123A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Kaneka Corp SiH基を有する環状シロキサン骨格含有化合物の製造法
JP4631270B2 (ja) * 2003-11-07 2011-02-16 株式会社カネカ SiH基を有する環状シロキサン骨格含有化合物の製造法
JP2017520647A (ja) * 2014-06-11 2017-07-27 ダウ コーニング コーポレーションDow Corning Corporation 気体及び液体を反応させる膜接触器を使用して有機ケイ素生成物を生成する方法

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