JPH07316162A - 三環式化合物 - Google Patents

三環式化合物

Info

Publication number
JPH07316162A
JPH07316162A JP7068950A JP6895095A JPH07316162A JP H07316162 A JPH07316162 A JP H07316162A JP 7068950 A JP7068950 A JP 7068950A JP 6895095 A JP6895095 A JP 6895095A JP H07316162 A JPH07316162 A JP H07316162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
naphthyridine
nmr
acceptable salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7068950A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Hirota
喬 廣田
Kenji Sasaki
健二 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pfizer Japan Inc
Original Assignee
Lederle Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lederle Japan Ltd filed Critical Lederle Japan Ltd
Priority to JP7068950A priority Critical patent/JPH07316162A/ja
Publication of JPH07316162A publication Critical patent/JPH07316162A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 呼吸器疾患、心疾患あるいは循環器系疾患等
の医療分野で有用な治療薬となることが期待される新規
な構造の三環式化合物及びその薬理学的に許容される塩
の提供。 【構成】 一般式(I): 【化1】 式中、R1 は水素原子または低級アルキル基を表わし、
2 はハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ
基、ヒドラジノ基又は式: −X−(アルキレン)−Y−R3 (式中、XはO、S又はNHであり、アルキレンは直鎖
又は分枝鎖状のC3 までのアルキレン鎖であり、Yは
O、S又はカルボニルオキシ基でかつR3 は水素原子又
は低級アルキル基であるか、あるいはY−R3 としてモ
ノ又はジ低級アルキル置換アミノ基である、)を表し、
A及びBはそれぞれ独立にCH又はN(ただし、A及び
Bが共にNである場合を除く)を表し、ZはS又はOを
表す、で示される三環式化合物又はその薬理学的に許容
される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は三環式化合物に係り、詳
細には、呼吸器疾患、心疾患あるいは循環器系疾患等の
医療分野で有用な治療薬となることが期待される新規な
構造の三環式化合物及びその薬理学的に許容される塩に
関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】現代人の食生活や生活環境
の著しい変化に伴い、問題となる疾患も変化している。
特に喘息発作に代表されるアレルギー性呼吸器系疾患
や、血中脂質の上昇による循環器系障害は、現代人の代
表的な疾患とされ、患者数も増加している。さらに、循
環器系障害に伴って起こる心疾患もまた、重要な問題と
なっている。これまでも、上記各種疾患に対して有効な
化合物を開発する試みがなされ、臨床の場で医薬品とし
て用いられているものも多い。しかしながら、副作用が
発現したり、効果が弱いなどの理由から、未だ特効薬と
なり得るような医薬品は出現しておらず、さらに優れた
医薬を開発する試みが精力的に続けられているのが現状
である。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる実情に鑑み、優れ
た医薬品の開発のため鋭意研究を行った結果、本発明者
らは、上記一般式(I)で示される三環式化合物に気管
支拡張作用、強心作用並びにコレステロール及び血中ト
リグリセリド低下作用等の多様な薬理作用が認められ、
これらの化合物が優れた医薬品となり得ることを見出
し、本発明を完成させた。本発明が提供する三環式化合
物は化合物自体文献未記載の新規化合物であり、したが
ってこれらの化合物群に上記のような薬理活性が認めら
れることは、従来全く知られていなかったものである。
本発明は、次の一般式(I):
【0004】
【化5】
【0005】式中、R1 は水素原子または低級アルキル
基を表わし、R2 はハロゲン原子、水酸基、メルカプト
基、アミノ基、ヒドラジノ基又は式: −X−(アルキレン)−Y−R3 (式中、XはO、S又はNHであり、アルキレンは直鎖
又は分枝鎖状のC3 までのアルキレン鎖であり、Yは
O、S又はカルボニルオキシ基でかつR3 は水素原子又
は低級アルキル基であるか、あるいはY−R3 としてモ
ノ又はジ低級アルキル置換アミノ基である、)を表し、
A及びBはそれぞれ独立にCH又はN(ただし、A及び
Bが共にNである場合を除く)を表し、ZはS又はOを
表す、で示される三環式化合物及びその薬理学的に許容
される塩を提供するものである。また、本発明は、上記
定義の具体的態様として次の各一般式(I−a)、(I
−b)及び(I−c):
【0006】
【化6】
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】式中、R1 、R2 及びZは前記定義のとお
りである、で示される三環式化合物及びその薬理学的に
許容される塩を提供するものである。さらに、本発明は
他の態様において、前記式(I−a)ないし(I−c)
で示される化合物またはその薬理学的に許容される塩を
有効成分として含有する、気管支拡張作用剤(例えば喘
息治療剤)、強心作用剤、並びにコレステロール及び血
中トリグリセリド低下作用剤を提供する。本発明が提供
する三環式化合物は、後記する薬理作用の試験結果から
みて、優れた医薬品として現実の製品化が期待されるも
のである。
【0010】以下に本発明の化合物について更に詳細に
説明するが、本明細書において、「低級」なる語は、こ
の語が付された置換基または化合物における炭素数が1
〜7個、好ましくは1〜4個であることを意味する。し
たがって、上記各一般式中、R1 及びR3 の定義におけ
る「低級アルキル基」としては、炭素原子数1〜7の直
鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味し、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキ
シル、n−ヘプチル、イソヘプチル等が挙げられるが、
好ましくは炭素原子数1〜4のメチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチルが挙げられる。
【0011】また同様に、本明細書において「ハロゲン
原子」とは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等であり、好
ましくは塩素原子である。
【0012】更に、「アルキレン」が意味する直鎖また
は分枝鎖状のC3 までのアルキレン鎖としては、具体的
には、−CH2 −、−CH2 CH2 −、−CH2 CH2
CH2 −、−CH(CH3 )−、−CH2 −CH(CH
3 )−等が挙げられ、中でも直鎖状である−CH2 CH
2 −、−CH2 CH2 CH2 −が好ましい。
【0013】また、置換基Y−R3 で表わされるモノま
たはジ低級アルキル置換アミノ基としては、モノメチル
アミノ、モノエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノ、メチルエチルアミノ、モノプロピルアミノ、ジ
プロピルアミノ、メチル(イソプロピル)アミノ等が挙
げられる。
【0014】したがって、本発明で提供される式(I)
で示される三環式化合物の、上記の各定義に基づく代表
例としては、下記表1ないし表12に記載される化合物
を挙げることができる。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
【表7】
【0022】
【表8】
【0023】
【表9】
【0024】
【表10】
【0025】
【表11】
【0026】
【表12】
【0027】なお、本発明の三環式化合物は、例えば上
記各表で例示された化合物を必要に応じて有機酸又は無
機酸で処理することにより任意の薬理学的に許容される
塩として得ることもできる。式(I)で示される本発明
の三環式化合物は、例えば下記反応式に示す方法により
製造することができる。
【0028】
【化9】
【0029】上記反応式中、Haloはハロゲン原子を
表し、R1 、R3 、A、B、Z、X、Yおよびアルキレ
ンは前記定義のとおりである。上記反応式における各工
程を説明すれば以下のとおりである。
【0030】工程は、式(II)で示されるカルボニ
トリル化合物を分子内転位反応(スマイル型転位反
応)、次いで分子内閉環反応に付して、本発明の目的化
合物の一つである式(I−1)で示される5−アミノ置
換−三環式化合物へ導く工程である。反応は有機溶媒中
強塩基の存在下実施されるが、用いることができる強塩
基としてはアルカリ金属アルコキサイド、例えばナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−
t−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキ
シド、カリウム−t−ブトキシド;アルカリ金属水素化
物、例えば水素かナトリウム等が挙げられ、中でもカリ
ウム−t−ブトキシドが好ましく使用される。反応に使
用する有機溶媒としては、反応に直接の影響を与えない
ものならばどの様な有機溶媒をも使用することができる
が、特にエーテル系有機溶媒が好ましく、エーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、中でもジオキサンが好
結果を与える。
【0031】反応濃度及び反応時間は、使用する化合物
(II)により適宜変更されるため一概に限定し得ない
が、0〜100℃、好ましくは15〜50℃、より好ま
しくは室温下において1〜80時間程度で行うことがで
きる。反応の結果得られる式(I−1)で示される化合
物は、反応混合物中より自体公知の方法(濃縮、抽出、
濾過、液性変換、クロマトグラフィー、再結晶等)を適
宜応用し、多くの場合結晶として単離することができ
る。
【0032】工程は、上記工程で得られた式(I−
1)で示される5−アミノ置換−三環式化合物を酸で処
理することにより5位のアミノ基を水酸基に変換して、
本発明の目的化合物の一つである式(I−2)で示され
る5−ヒドロキシ置換−三環式化合物へ導く工程であ
る。反応は、酸性水溶液中において式(I−1)の化合
物を加熱還流することにより実施される。この様な酸性
水溶液としては、好ましくは塩酸、特に濃塩酸水溶液で
ある。かかる反応により、式(I−1)で示される5−
アミノ置換−三環式化合物はほぼ定量的に式(I−2)
で示される化合物へ変換される。なお、式(I−2)で
示される化合物は、5位がヒドロキシ型及びオキソ型の
化合物の互変異性体の混合物として存在する。
【0033】工程は、上記工程で得られた式(I−
2)で示される5−ヒドロキシ置換−三環式化合物をオ
キシハロゲン化リンで処理することにより、本発明の目
的化合物の一つである式(I−3)で示される三環式化
合物へ導く工程である。オキシハロゲン化リンで処理す
る場合は、この試薬と式(II)で示される化合物との
混合液を、上記例示した溶媒の中から選択される適当な
溶媒中で、1〜10時間、好ましくは1〜5時間程度加
熱還流することにより実施される。ここで用いられるオ
キシハロゲン化リンとしてはオキシ塩化リン、オキシ臭
化リン等が例示され、特にオキシ塩化リンが好ましい。
この処理により式(I−2)の置換基Haloがハロゲ
ン原子である5−ハロ置換−三環式化合物を得ることが
できるが、このハロゲン原子の種類は反応に用いられる
オキシハロゲン化リンにより選択され、例えばオキシ塩
化リンを用いる場合には、5位のハロゲン原子はクロル
原子として導入されることになる。
【0034】上記いずれの場合であっても、目的化合物
である式(I−3)で示される化合物は反応混合物より
自体公知の方法(濃縮、濾過、抽出、再結晶等)によ
り、多くの場合結晶として単離することができる。
【0035】工程は、工程のオキシ塩化リンによる
処理で得られた置換基Haloがハロゲン原子である式
(I−2)で示される化合物を、式(III): HX−(アルキレン)−Y−R3 (III) で示される化合物と反応させることにより、本発明の目
的化合物の一つである式(I−4)で示される三環式化
合物へ導く工程である。反応は、好ましくは有機溶媒中
塩基の存在下に置換基Haloがハロゲン原子である式
(I−3)で示される化合物と式(IV)で示される化
合物とを混合し、この混合液を0.5〜15時間程度加
熱還流することにより実施される。
【0036】反応に存在させる塩基としては、炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム等の塩基、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド等の塩基が挙げられるが、反
応の簡便さからは、炭酸ナトリウムが好ましく使用され
る。この場合の塩基の量は、式(I−2)で示される化
合物に対し等モルないし2〜3倍モル存在させるのが良
い。反応に使用する有機溶媒としては、反応に直接の影
響を与えないものが選択され、例えばメタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコー
ル系溶媒、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等
のベンゼン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジエチルホ
ルムアミド等の溶媒が挙げられ、中でもジオキサンが好
ましい。反応温度は用いる溶媒の沸点付近で加熱還流す
るのが良い。なお、式(I−3)の化合物に反応させる
式(IV)の化合物のモル比は、少なくとも等モル、好
ましくは5〜10倍モル使用するのが良い。
【0037】反応の結果得られる式(I−4)で示され
る化合物は、反応混合物中より自体公知の方法(濃縮、
抽出、濾過、液性変換、クロマトグラフィー、再結晶
等)を適宜応用し、多くの場合結晶として単離すること
ができる。
【0038】上記の方法により得られる化合物(I−
4)の置換基XがS、アルキレンがエチレン、Yがカル
ボニル基で、かつR3 が低級アルキル基である場合に
は、当該化合物に後記実施例12に記載の反応を行うこ
とにより置換基R2 がメルカプト基である本発明の目的
化合物を得ることもできる。
【0039】以上の方法により、本発明の目的化合物で
ある式(I)で示される三環式化合物を得ることができ
る。この式(I)で示される化合物は、所望により薬理
学的に許容される塩としての化合物に誘導されるが、こ
の様な塩の形成は有機酸または無機酸で処理することに
よりおこなわれる。ここで用いられる有機酸としては、
例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ
酢酸、トリクロロ酢酸等の低級脂肪酸;安息香酸、p−
ニトロ安息香酸等の置換または未置換の安息香酸;メタ
ンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の(ハ
ロ)低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p
−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ブロモベンゼンスル
ホン酸、トルエンスルホン酸、2,4,6−トリイソプ
ロピルベンゼンスルホン酸等の置換または未置換のアリ
ールスルホン酸;ジフェニルリン酸等の有機リン酸を挙
げることができ、無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、
臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ホウフッ化水素酸、過塩素
酸、亜硝酸等が挙げられる。
【0040】なお、上記反応式中で出発原料として用い
られる式(II)で示されるカルボニトリル化合物は、
後記製造例に示す方法に準じて、市販の化合物、例えば
2−メルカプトニコチン酸、2−ヒドロキシニコチン
酸、3−ヒドロキシピリジン、3−メルカプトピリジ
ン、2−シアノフェノール等を用いて容易に製造するこ
とができる。
【0041】以上の方法により得られる本発明の式
(I)で示される化合物は、後述する薬理試験の結果か
らも明らかなとおり気管支拡張作用を有しており、特に
喘息発作時に症状を緩和させるために用いることができ
る。また、強心作用並びにコレステロール及び血中の脂
質、特にトリグリセリド濃度を低下させる作用をも有し
ていることが判明した。したがって、本発明の式(I)
で示される化合物は、これらの作用を治療に応用し得る
分野において有用な医薬品となることが期待される。
【0042】本発明の式(I)で示される化合物を、気
管支拡張作用剤、より具体的には喘息治療剤として使用
する場合、あるいは強心作用剤、コレステロール又は血
中トリグリセリド低下作用剤等として使用する場合に
は、通常行われる製剤化技術により種々の剤型、例えば
錠剤、カプセル剤、散剤、トローチ剤、液剤等の経口投
与剤とすることができる。上記製剤化は、それ自体公知
の方法によってなし得る。すなわち、本発明の式(I)
で示される化合物をデンプン、マンニトール、乳糖等の
賦形剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒド
ロキシプロピルセルロース等の結合剤;結晶セルロー
ス、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊
剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;軽
質無水ケイ酸等の流動性向上剤等を適宜組み合わせて処
方することにより錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤また
はトローチ剤を製造することができる。かかる経口投与
剤をヒトに投与する場合、年齢および症状等によっても
異なるがその有効量、例えば、通常1日に10〜100
mgを1〜3回に分けて経口投与するのが好ましい。
【0043】また、本発明の式(I)で示される化合物
を注射剤とすることもできる。この場合は、例えば界面
活性剤や分散剤等により予め生理食塩水等の水性担体に
分散または可溶化しておいても良いし、あるいはまた、
必要時にその都度分散または可溶化し得るよう注射用結
晶製剤または凍結乾燥製剤としても良い。上記水性担体
には前述の成分以外にpH調整剤や安定化剤を任意成分
として加えても良い。かかる注射剤の投与経路は特に限
定されず、症状や患者の特性に合わせて静脈内投与、動
脈内投与、皮下投与、腹腔内投与などから選択すること
ができる。これらの投与は一気にしても良いし点滴等に
より徐々に投与しても良い。
【0044】
【実施例】以下に、本発明の具体的化合物の製造例、実
施例、薬理効果及び毒性試験を示すことにより、本発明
をより詳細に説明する。なお、以下の化合物名に付した
カッコ内の数字は、それぞれの化合物番号を示す。製造例1
【0045】
【化10】
【0046】(a)300mlの2−エトキシエタノー
ル中に15.5g(0.1モル)の2−メルカプトニコ
チン酸、20.7g(0.2モル)の4−ブロモブチロ
ニトリル、および27.6g(0.2モル)の炭酸カリ
ウムを加え、24時間加熱還流する。反応終了後、反応
混合物を濃縮し、約10倍量の氷水を加えた後、酢酸に
てpH4とする。その際生ずる沈殿物を吸引濾取し、水
でよく洗った後、酢酸エチルより再結晶して、19.2
g(86%)の2−(3−シアノプロピルチオ)ピリジ
ン−3−カルボン酸を無色板状晶として得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.88(qui
n,J=7,2H)、2.60(t,J=7,2H)、
3.03(t,J=7,2H)、7.00(dd,J=
7.6,4.7,1H)、8.02(dd,J=7.
6,2.3,1H)、8.32(dd,J=4.7,
2.3,1H) mp130−131℃
【0047】(b)11.1g(0.05モル)の2−
(3−シアノプロピルチオ)ピリジン−3−カルボン酸
と56mlのオキシ塩化リンとの混合物を6時間加熱還
流する。反応終了後、反応混合物を減圧乾固後、5ml
のキシレンを加え更に減圧乾固する。この操作を数回繰
り返すことにより、完全にオキシ塩化リンを除く。その
後、−5℃で30分間かけて55.5mlの液体アンモ
ニアを撹拌しながらゆっくりと滴下する。このものに5
0mlの氷水を加えた後、懸濁液を吸引濾取し、得られ
た沈殿を水洗後、酢酸エチル−エタノールより再結晶し
て、8.3g(86%)の2−(3−シアノプロピルチ
オ)ピリジン−3−カルボン酸アミドを無色針状晶とし
て得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.11(quin,
J=7,2H)、2.53(t,J=7,2H)、3.
37(t,J=7,2H)、6.15(br,2H)、
7.11(dd,J=7.8,4.9,1H)、7.8
8(dd,J=7.8,1.9,1H)、8.53(d
d,J=4.9,1.9,1H) mp125−126℃
【0048】(c)28g(0.19モル)のオキシ塩
化リンに、8.2g(0.04モル)の2−(4−シア
ノプロピルチオ)−3−ピリジンカルボン酸アミドを8
0mlのエタノールフリークロロホルムに懸濁させたも
のを加え、3時間加熱還流する。反応終了後、反応混合
物を減圧乾固後、氷冷下残渣に80mlの氷水を加え、
重曹にて中性とした後、クロロホルムで抽出する。有機
層を水洗乾燥後、溶媒を減圧留去する。得られた残渣を
エタノールより再結晶して、7.5g(100%)の2
−(3−シアノプロピルチオ)ピリジン−3−カルボニ
トリルを無色針状晶として得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.13(quin,
J=7,2H)、2.54(t,J=7,2H)、3.
41(t,J=7,2H)、7.10(dd,J=8,
5,1H)、7.83(dd,J=8,2,1H)、
8.60(dd,J=5,2,1H) mp60−61℃製造例2
【0049】
【化11】
【0050】(a)6−メチル−1,2−ジヒドロ−2
−ピリドン−3−カルボニトリル20gとオキシ塩化リ
ン224gの混合液を80〜90℃で2.5時間加熱す
る。過剰のオキシ塩化リンを除去した後、得られる残渣
に氷水100mlを加える。この水溶液を重曹水でアル
カリ性とした後、ベンゼンで抽出する。得られる有機層
を飽和食塩水で洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥した後、
溶媒を減圧下留去する。得られる残渣をn−ヘキサン−
ベンゼン混合液で再結晶に付して、2−クロロ−6−メ
チルピリジン−3−カルボニトリルを無色板状晶として
21.3g(収率:94%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.64(s,3
H)、7.23(d,J=7.9,1H)、7.88
(d,J=7.9,1H) mp105−107℃
【0051】(b)上記(a)で得られた2−クロロ−
6−メチルピリジン−3−カルボニトリル21gのエタ
ノール250ml溶液にチオ尿素42gを徐々に滴下
し、3時間加熱還流する。反応液の溶媒を減圧下留去し
た後、得られる残渣に水200mlを加える。この水溶
液に10%水酸化ナトリウム水を加えてアルカリ性とし
た後、析出する固体を濾去する。濾液を2規定塩酸でp
H1〜2に調整して析出する黄色結晶を濾取して水洗
し、エタノールから再結晶して、黄色顆粒状の6−メチ
ル−2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カ
ルボニトリルを20g(収率:93%)得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:2.39(s,3
H)、6.73(d,J=8,1H)、8.00(d,
J=8,1H)、14.1(brs,1H) mp278−280℃
【0052】(c)上記(b)で得られた6−メチル−
2−チオキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボ
ニトリル26gのジメチルホルムアミド250ml懸濁
液に炭酸カリウム38g及び4−ブロモブチロニトリル
36gを加えて、80℃で加熱攪拌する。反応液を室温
まで戻した後、氷水2,500mlを加えて、12時間
放置する。析出する結晶を濾取しn−ヘキサン−エタノ
ール混合液から再結晶して、2−(3−シアノプロピル
チオ)−6−メチルピリジン−3−カルボニトリルを無
色針状晶として33g(収率:88%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.12(quin,
J=7,2H)、2.53(t,J=7,2H)、2.
59(s,3H)、3.42(t,J=7,2H)、
6.96(d,J=7.9,1H)、7.70(d,J
=7.9,1H) mp59−60℃製造例3
【0053】
【化12】
【0054】6−メチル−2−ピリドン−3−カルボニ
トリル25gのジメチルホルムアミド280ml懸濁液
に、撹拌しながら、徐々に4−ブロモブチロニトリル5
5g及び炭酸カリウム51gを加える。この混合液を8
0−90℃で2時間加熱撹拌する。反応終了後、氷水
2,800mlを加えて12時間放置する。析出する結
晶を濾取し、シクロヘキサン−ベンゼン混合液から再結
晶して、2−(3−シアノプロピルオキシ)−6−メチ
ルピリジン−3−カルボニトリルを無色板状晶として2
8.5g(収率:76%)得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.19(quin,
J=7,2H)、2.50(s,3H)、2.61
(t,J=7,2H)、4.54(t,J=7,2
H)、6.85(d,J=7.7,1H)、7.76
(d,J=7.7,1H) mp59−60℃実施例1
【0055】
【化13】
【0056】上記製造例1で得られた2−(3−シアノ
プロピルチオ)−3−ピリジンカルボニトリル9.5g
(0.047モル)とドライジオキサン190mlの混
合物を十分に撹拌させながら、13.3gのカリウム−
t−ブトキシドを徐々に加えた後、この懸濁液を室温で
30分間撹拌する。その後この反応混合物を10倍量の
氷水中に注ぎ、60時間放置する。この間に析出した黄
色沈殿物を吸引濾過後、DMSOより再結晶して、7.
8g(収率:82%)の5−アミノ−1,2−ジヒドロ
チエノ[2,3−h][1,6]ナフチリジン(1)を
黄色針状晶として得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:3.44(s,4
H)、7.17(brs,2H)、7.29(dd,J
=8,4,1H)、8.51(dd,J=8,2,1
H)、8.82(dd,J=4,2,1H) mp270−273℃実施例2
【0057】
【化14】
【0058】上記製剤例2で得られた2−(4−シアノ
プロピルチオ)−6−メチル−3−ピリジンカルボニト
リル26.32g(29.1モル)と80mlのドライ
ジオキサンの混合物を十分に撹拌させながら、30分間
かけて8.17g(72.8モル)のカリウム−t−ブ
トキシドを徐々に加える。その後この反応混合物を約1
0倍量の氷水中に注ぎ、6時間放置する。この間に析出
した黄色沈殿物を吸引濾過し、更に濾液を酢酸エチルで
抽出後、有機層を水洗乾燥し溶媒を留去する。得られた
残渣および先に得ている沈殿物を合し、これをエタノー
ルより再結晶して、5.20g(82%)の5−アミノ
−8−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(2)を黄色プリズム晶として
得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:2.56(s,3
H)、3.41(s,4H)、7.04(brs,2
H)、7.17(d,J=8.5,1H)、8.39
(d,J=8.5,1H) mp269−270℃実施例3
【0059】
【化15】
【0060】上記実施例1で得られた5−アミノ−1,
2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフチリ
ジン(1)2.0g(9.9モル)を100mlの濃塩
酸に溶かし、この混合物を94時間加熱還流する。反応
終了後、反応混合物を減圧乾固後、残渣に30mlの氷
水を加え、更に重曹水を加えて塩基性とする。析出した
沈殿物を吸引濾取する。この時の濾液を酢酸エチルで抽
出し、有機層を水洗乾燥後溶媒を留去する。得られた残
渣と先に吸引濾取した沈殿物を合し、エタノールより再
結晶して、1.78g(89%)の5−オキソ−1,
2,4,5−テトラヒドロチエノ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(3)を淡黄色針状晶として得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:3.29及び3.
51(各々t,J=8,2H)、7.31(dd,J=
8,4.5,1H)、8.36(dd,J=8,1.
9,1H)、8.76(dd,J=4.5,1.9,1
H)、12.20(brs,1H) mp285−287℃(分解)実施例4
【0061】
【化16】
【0062】上記実施例2で得られた5−アミノ−8−
メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(2)に上記実施例3と同様の反応を
行い、8−メチル−5−オキソ−1,2,4,5−テト
ラヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフチリジン
(4)を淡黄色針状晶として得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:2.57(s,3
H)、3.32及び3.54(各々t,J=7.4,2
H)、7.22(d,J=8.2,1H)、8.29
(d,J=8.2,1H)、12.15(brs,1
H) mp300℃以上実施例5
【0063】
【化17】
【0064】上記実施例3で得られた5−オキソ−1,
2,4,5−テトラヒドロチエノ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(3)0.92g(4.5モル)と5
ml(45モル)のオキシ塩化リンの混合物を3時間加
熱還流する。反応終了後、反応混合物を減圧乾固し、残
渣に10mlの氷水を加える。析出した沈殿物を吸引濾
取する。この時の濾液をベンゼンで抽出し、有機層を水
洗乾燥後溶媒を留去する。得られた残渣と先に吸引濾取
した沈殿物を合し、ベンゼンより再結晶して、0.77
g(76%)の5−クロロ−1,2−ジヒドロチエノ
[2,3−h][1,6]ナフチリジン(5)を淡黄色
鱗片状晶として得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.61及び3.79
(各々td,J=8,2,2H)、7.43(dd,J
=8,4,1H)、8.51(dd,J=8,2,1
H)、9.02(dd,J=4,2,1H) mp148−151℃実施例6
【0065】
【化18】
【0066】5mlの無水ジオキサン中に上記実施例5
で得られた5−クロロ−1,2−ジヒドロチエノ[2,
3−h][1,6]ナフチリジン(5)0.65g
(2.9モル)、1.1g(15モル)の2−メルカプ
トエタノール、および0.61g(4.4モル)の炭酸
カリウムを加え、2時間加熱還流する。反応終了後、反
応混合物を減圧留去し、放冷後約20mlの氷水を加え
る。析出した沈殿物を吸引濾取し、更に濾液を酢酸エチ
ルで抽出後、有機層を水洗乾燥し溶媒を留去する。得ら
れた残渣および先に得ている沈殿物を合し、これをエタ
ノールより再結晶して、0.60g(78%)の5−
(2−ヒドロキシエチルチオ)−1,2−ジヒドロチエ
ノ[2,3−h][1,6]ナフチリジン(6)を黄色
針状晶として得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:3.40(t,J
=6.3,2H)、3.58−3.64(m,4H)、
3.69(q,J=6.3,2H)、7.51(dd,
J=8.6,4.3,1H)、8.46(dd,J=
8.6,1.7,1H)、9.03(dd,J=4.
3,1.7,1H) mp140〜142℃
【0067】実施例7
【0068】
【化19】
【0069】8mlの無水ジオキサン中に、上記実施例
5で得られた5−クロロ−1,2−ジヒドロチエノ
[2,3−h][1,6]ナフチリジン(5)0.90
g(4.1モル)、3.08g(41モル)の2−アミ
ノエタノール、および1.12g(8.1モル)の炭酸
カリウムを加え、2時間加熱還流する。反応終了後、反
応混合物を減圧留去し、放冷後約20mlの氷水を加え
る。析出した沈殿物を吸引濾取し、更に濾液を酢酸エチ
ルで抽出後、有機層を水洗乾燥し溶媒を留去する。得ら
れた残渣および先に得ている沈殿物を合し、これをベン
ゼン−エタノールより再結晶して、0.92g(92
%)の5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−1,2−
ジヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフチリジン
(7)を黄色柱状晶として得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.56(m,4
H)、3.77(td,J=5,3,2H)、3.92
(t,J=5,2H)、5.84(brt,J=3,1
H)、7.18(dd,J=8.4,4.4,1H)、
8.01(dd,J=8.4,1.6,1H)、8.8
5(dd,J=4.4,1.6,1H) mp149−152℃
【0070】実施例8
【0071】
【化20】
【0072】6mlの無水ジオキサン中に上記実施例5
で得られた5−クロロ−1,2−ジヒドロチエノ[2,
3−h][1,6]ナフチリジン(5)0.65g
(2.9モル)、2.2g(30モル)の3−アミノ−
1−プロパノール、および0.81g(5.9モル)の
炭酸カリウムを加え、4時間加熱還流する。反応終了
後、反応混合物を減圧留去し、放冷後約20mlの氷水
を加える。析出した沈殿物を吸引濾取し、更に濾液をベ
ンゼンで抽出後、有機層を水洗乾燥し溶媒を留去する。
得られた残渣および先に得ている沈殿物を合し、これを
エタノールより再結晶して、0.65g(85%)の5
−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−1,2−ジヒド
ロチエノ[2,3−h][1,6]ナフチリジン(8)
を黄色柱状晶として得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.78(qui
n,J=7,2H)、3.30−3.60(m,8
H)、7.33(dd,J=8.3,4.4,1H)、
7.78(brt,1H)、8.61(dd,J=8.
3,1.5,1H)、8.61(dd,J=4.4,
1.5,1H) mp108−110℃実施例9
【0073】
【化21】
【0074】5mlの無水ジオキサン中に上記実施例5
で得られた5−クロロ−1,2−ジヒドロチエノ[2,
3−h][1,6]ナフチリジン(5)0.33g
(1.5モル)の、1.3g(15モル)の3−メトキ
シ−1−プロピルアミン、および0.51g(3.7モ
ル)の炭酸カリウムを加え、12時間加熱還流する。反
応終了後、反応混合物を減圧留去し、放冷後約20ml
の氷水を加える。得られた混合物をベンゼン−シクロヘ
キサンで抽出後、有機層を水洗乾燥し溶媒を留去する。
得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、ベン
ゼン−酢酸エチル(9:1−8:2、v/v)の溶出部
よりTLCで単一のスポットを与える390mg(97
%)の5−(3−メトキシプロピルアミノ)−1,2−
ジヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフチリジン
(9)を黄色油状物質として得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.97(quin,
J=5.7,2H)、3.42(s,3H)、3.50
−3.62(m,4H)、3.59−3.74(m,4
H)、7.17(dd,J=8.3,4.4,1H)、
7.93(dd,J=8.3,1.7,1H)、8.8
4(dd,J=4.4,1.7,1H)実施例10
【0075】
【化22】
【0076】5mlの無水ジオキサン中に上記実施例5
で得られた5−クロロ−1,2−ジヒドロチエノ[2,
3−h][1,6]ナフチリジン(5)0.36g
(1.6モル)、1.7g(16モル)の3−エトキシ
−1−プロピルアミン、および0.56g(4.1モ
ル)の炭酸カリウムを加え、11時間加熱還流する。反
応終了後、反応混合物を減圧留去し、放冷後約20ml
の氷水を加える。得られた混合物をベンゼン−シクロヘ
キサンで抽出後、有機層を水洗乾燥し溶媒を留去するこ
とによりTLCで単一のスポットを与える430mg
(92%)の5−(3−エトキシプロピルアミノ)−
1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフ
チリジン(10)を黄色油状物質として得た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.29(t,J=
7,3H)、1.98(quin,J=5.8,2
H)、3.43−3.74(m,8H)、3.55
(q,J=7,2H)、7.17(dd,J=8.3,
4.4,1H)、7.95(dd,J=8.3,1.
4,1H)、8.84(dd,J=4.4,1.4,1
H)
【0077】実施例11 上記製造例1〜3及び実施例1〜10に記載の方法に準
じて反応を行い、以下の本発明の化合物を得た。
【0078】5−(3−ヒドロキシプロピルチオ)−
1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフ
チリジン(11)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.00(quin,
J=6,2H)、3.49−3.80(m,8H)、
7.33(dd,J=8.3,4.2,1H)、8.4
5(dd,J=8.3,1.7,1H)、8.98(d
d,J=4.2,1.7) mp103−105℃/黄色プリズム晶
【0079】5−(1,2−ジヒドロチエノ[2,3−
h][1,6]ナフチリジニル)チオ酢酸(12)1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:3.51−3.6
0(m,4H)、4.10(s,2H)、7.51(d
d,J=8.5,4.3,1H)、8.48(dd,J
=8.5,1.7,1H)、9.05(dd,J=4.
3,1.7,1H) mp287℃(分解)/黄色粉末
【0080】5−(エトキシカルボニルメチルチオ)−
1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフ
チリジン(13)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.33(t,J=
7,3H)、3.55及び3.74(各々td,J=
7.4,2.1,2H)、4.09(s,2H)、4.
25(q,J=7,2H)、7.32(dd,J=8.
4,4.3,1H),8.40(dd,J=8.4,
1.6,1H)、8.97(dd,J=4.3,1.
6,1H) mp108〜110℃/黄色針状晶
【0081】5−[2−(エトキシカルボニル)エチル
チオ]−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(14)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.27(t,J=
7.2,3H)、2.84(t,J=6.8,2H)、
3.57及び3.75(各々td,J=7.4,2.
2,2H)、3.60(t,J=6.8,2H)、4.
18(q,J=7.2,2H)、7.27(dd,J=
8.5,4.3,1H),8.39(dd,J=8.
5,1.7,1H)、8.96(dd,J=4.3,
1.7,1H) mp99〜100℃/黄色針状晶
【0082】5−(2−ヒドロキシエチルオキシ)−
1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフ
チリジン(15)1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:3.56(s,4
H)、3.80(t,J=4.8,2H)、4.44
(t,J=4.8,2H)、7.48(dd,J=8.
3,4.3,1H)、8.53(dd,J=8.3,
1.7,1H),8.99(dd,J=4.3,1.
7,1H) mp166〜167℃/黄色板状晶
【0083】5−(3−ヒドロキシプロピルオキシ)−
1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,6]ナフ
チリジン(16)1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.96(qui
n,J=6.3,2H)、3.54(s,4H)、3.
62(t,J=6.3,2H)、4.48(t,J=
6.3,2H)、7.47(dd,J=8.3,4.
3,1H)、8.45(dd,J=8.3,1.9,1
H),8.99(dd,J=4.3,1.9,1H) mp123〜124℃/淡黄色板状晶
【0084】5−クロロ−8−メチル−1,2−ジヒド
ロチエノ[2,3−h][1,6]ナフチリジン(1
7)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.74(s,3
H)、3.57及び3.77(各々td,J=7.7,
2.4,2H)、7.29(d,J=8.6,1H)、
8.35(d,J=8.6,1H) mp184〜185℃/黄色プリズム晶
【0085】5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−8
−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(18)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.67(s,3
H)、3.43−3.66(m,4H)、3.76
(q,J=5,2H)、3.91(t,J=5,2
H)、5.71(brs,1H)、7.07(d,J=
8.5,1H),7.88(d,J=8.5,1H) mp199〜201℃/黄色プリズム晶
【0086】5−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−
8−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(19)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.84(quin,
J=5.7,2H)、2.67(s,3H)、3.43
−3.66(m,4H)、3.68(t,J=5.7,
2H)、3.78(t,J=5.7,2H)、5.72
(brs,1H)、7.06(d,J=8.5,1
H),7.87(d,J=8.5,1H) mp150〜152℃/黄色粉末
【0087】5−(3−メトキシプロピルアミノ)−8
−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(20)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.97(quin,
J=5.3,2H)、2.66(s,3H)、3.42
(s,3H)、3.43−3.72(m,8H)、7.
05(d,J=8.5,1H),7.80(d,J=
8.5,1H) 緑色油状物
【0088】5−(3−エトキシプロピルアミノ)−8
−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(21)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.28(t,J=
6.9,3H)、1.97(quin,J=6.9,2
H)、2.66(s,3H)、3.42−3.72
(m,8H)、3.68(q,J=6.9,2H)、
7.03(d,J=8.5,1H),7.82(d,J
=8.5,1H) 黄色油状物
【0089】5−(2−ヒドロキシエチルチオ)−8−
メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(22)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.71(s,3
H)、3.49−3.78(m,4H)、3.51
(t,J=5.6,2H)、4.01(t,J=5.
6,2H)、7.18(d,J=8.6,1H),8.
30(d,J=8.6,1H) mp149〜153℃/黄色針状晶
【0090】5−(8−メチル−1,2−ジヒドロチエ
ノ[2,3−h][1,6]ナフチリジニル)チオ酢酸
(23)1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:2.66(s,3
H)、3.57(m,4H)、4.08(s,2H)、
7.40(d,J=8.7,1H)、8.33(d,J
=8.7,1H) mp237〜240℃(分解)/黄色針状晶
【0091】5−(エトキシカルボニルメチルチオ)−
8−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(24)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.32(t,J=
7,3H)、2.70(s,3H)、3.46−3.7
6(m,4H)、4.08(s,2H)、4.24
(q,J=7,2H)、7.17(d,J=8.6,1
H),8.62(d,J=8.6,1H) mp132〜134℃/黄色針状晶
【0092】5−(2−エトキシカルボニルエチルチ
オ)−8−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−
h][1,6]ナフチリジン(25)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.27(t,J=
7)、2.70(s,3H)、2.84(t,J=6.
7,2H)、3.47−3.77(m,4H)、3.5
8(t,J=6.7,2H)、4.18(q,J=7,
2H)、7.15(d,J=8.6,1H),8.23
(d,J=8.6,1H) mp91〜93℃/赤褐色板状晶
【0093】5−(2−ヒドロキシエチルオキシ)−8
−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(26)1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:2.64(s,3
H)、3.53(s,4H)、3.79(t,J=
5)、4.41(t,J=5,2H)、7.35(d,
J=8.4,1H),8.34(d,J=8.4,1
H) mp155〜156℃/淡黄色板状晶
【0094】5−(3−ヒドロキシプロピルオキシ)−
8−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(27)1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.95(qui
n,J=6.3,2H)、2.63(s,3H)、3.
53(s,4H)、3.61(t,J=6.3,2
H)、4.46(t,J=6.3,2H)、7.33
(d,J=8.5,1H),8.31(d,J=8.
5,1H) mp130〜131℃/淡黄色針状晶
【0095】5−アミノ−8−メチル−1,2−ジヒド
ロフロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン(28)1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:2.53(s,3
H)、3.24(t,J=8.7,2H)、4.58
(t,J=8.7,2H)、7.01(d,J=8.
5,1H)、7.09(brs,2H),8.36
(d,J=8.5,1H) mp279〜280℃/赤橙色プリズム晶
【0096】8−メチル−5−オキソ−1,2,4,5
−テトラヒドロフロ[2,3−h][1,6]ナフチリ
ジン(29)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.64(s,3
H)、3.39(t,J=8.95,2H)、4.84
(t,J=8.95,2H)、7.02(d,J=8.
3,1H)、8.44(d,J=8.3,1H)、1
1.50(brs,1H) mp256℃(分解)
【0097】5−クロロ−8−メチル−1,2−ジヒド
ロフロ[2,3−h][1,6]ナフチリジン(30)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.74(s,3
H)、3.61(t,J=9,2H)、4.84(t,
J=9,2H)、7.20(d,J=8.74,1
H)、8.35(d,J=8.7,1H) mp128〜130℃
【0098】5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−8
−メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(31)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.70(brs,1
H)、2.65(s,3H)、3.45(t,J=8.
9,2H)、3.77(t,J=5,2H)、3.91
(t,J=5,2H)、4.73(t,J=8.9,2
H)、5.80(brs,1H)、6.95(d,J=
8.5,1H),7.87(d,J=8.5,1H) mp178〜181℃/黄橙色板状晶
【0099】5−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−
8−メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(32)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.64(brs,1
H)、1.86(quin,J=6,2H)、2.66
(s,3H)、3.45(t,J=8.9,2H)、
3.67−3.82(m,4H)、4.72(t,J=
8.9,2H)、6.95(d,J=8.5,1H),
7.84(d,J=8.5,1H) mp159〜161℃/黄色板状晶
【0100】5−(3−メトキシプロピルアミノ)−8
−メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(33)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.97(quin,
J=5.7,2H)、2.66(s,3H)、3.42
(s,3H)、3.46(t,J=8.5,2H)、
3.59−3.73(m,4H)、4.71(t,J=
8.5,2H)、6.94(d,J=8.4,1H),
7.79(d,J=8.4,1H) 黄色油状物
【0101】5−(3−エトキシプロピルアミノ)−8
−メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(34)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.29(t,J=
7,3H)、1.97(quin,J=6,2H)、
2.65(s,3H)、3.44(t,J=8.6,,
2H)、3.64−3.73(m,4H)、3.69
(q,J=7,2H)、、4.71(t,J=8.6,
2H)、6.93(d,J=8.5,1H),7.81
(d,J=8.5,1H) 黄色油状物
【0102】5−(2−ヒドロキシエチルチオ)−8−
メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(35)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.71(s,3
H)、3.39(brs,1H)、3.53(t,J=
5.2,2H)、3.58(t,J=8.9,2H)、
4.00(q,J=5.2,2H)、4.79(t,J
=8.9,2H)、7.10(d,J=8.5,1
H),8.30(d,J=8.5,1H) mp204〜206℃/黄色針状晶
【0103】5−(エトキシカルボニルメチルチオ)−
8−メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(36)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.30(t,J=
7)、2.71(s,3H)、3.58(t,J=8.
9,2H)、4.14(s,2H)、4.24(q,J
=7,2H)、4.78(t,J=8.9,2H)、
7.10(d,J=8.6,1H),8.28(d,J
=8.6,1H) mp140〜141℃/黄色針状晶
【0104】5−(2−エトキシカルボニルエチルチ
オ)−8−メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−
h][1,6]ナフチリジン(37)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.26(t,J=
7.3,3H)、2.85(t,J=6.8,2H)、
3.58(t,J=9,2H)、3.60(t,J=
6.8,2H)、4.17(q,J=7.3,2H)、
4.79(t,J=9,2H)、7.08(d,J=
8.7,1H),8.26(d,J=8.7,1H) mp133〜134℃/黄色板状晶
【0105】5−(2−ヒドロキシエチルオキシ)−8
−メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−h][1,
6]ナフチリジン(38)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.70(s,3
H)、3.53(t,J=8.8,2H)、4.05
(m,2H)、4.66(m,2H)、4.78(t,
J=8.8,2H)、7.07(d,J=8.5,1
H)、8.32(d,J=8.5,1H) mp191〜192℃/淡黄色プリズム晶
【0106】5−(3−ヒドロキシプロピルオキシ)−
8−メチル−1,2−ジヒドロフロ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(39)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.09(quin,
J=6,2H)、2.70(s,3H)、3.53
(t,J=8.9,2H)、3.78(m,2H)、
4.68(t,J=6,2H)、4.78(t,J=
8.9,2H)、7.07(d,J=8.5,1H)、
8.29(d,J=8.5,1H) mp152〜153℃/淡黄色粉末
【0107】5−アミノ−1,2−ジヒドロフロ[3,
2−f][1,7]ナフチリジン(40)1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.3(2H)、4.
7(2H)、5.9(2H)、7.4(1H)、7.7
(1H)、8.5(1H) mp232〜234℃/黄色針状晶
【0108】5−クロロ−1,2−ジヒドロフロ[3,
2−f][1,7]ナフチリジン(41)1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:3.5(2H)、
4.8(2H)、7.5(1H)、8.2(1H)、
8.9(1H) mp196〜198℃/黄褐色粉末
【0109】5−ヒドラジノ−1,2−ジヒドロフロ
[3,2−f][1,7]ナフチリジン(42)1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.3(2H)、4.
0(2H)、4.8(2H)、7.4(1H)、7.7
(1H)、7.9(1H)、8.5(1H) mp165〜168℃/橙色板状晶
【0110】1−アミノ−ジヒドロフロ[2,3−c]
イソキノリン(43)1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.33(2H)、
4.70(2H)、5.24(2H)、7.21(1
H)、7.41(1H)、7.54(1H)、7.71
(1H) mp192〜194℃/褐色プリズム晶実施例12
【0111】
【化23】
【0112】上記実施例11で得られた5−(エトキシ
カルボニルエチルチオ)−1,2−ジヒドロチエノ
[2,3−h][1,6]ナフチリジン(14)400
mgを1%水酸化ナトリウム−メタノール溶液10ml
に加えて、室温下1時間撹拌する。反応終了後、溶媒を
減圧下留去して得られる残渣に水10mlを加えて、1
規定塩酸でpH1〜2に調整した後、重曹水を加えて中
性にする。この溶液を再度酢酸でpH4〜5に調整して
析出する固体を濾取し、メタノールから再結晶すること
によって、1,2,4,5−テトラハイドロチエノ
[2,3−h][1,6]ナフチリジン−5−チオン
(44)を黄色針状晶として200mg(収率:72
%)得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:3.43及び3.
61(各々td,J=9.4,2.2,2H)、7.4
5(dd,J=8.4,4.5,1H)、8.89(d
d,J=8.4,1.9,1H)、8.94(dd,J
=4.5,1.9,1H)、14.05(brs,1
H) mp222〜223℃
【0113】実施例13 上記実施例12と同様の方法に従って、上記実施例11
で得られた5−(2−エトキシカルボニルエチルチオ)
−8−メチル−1,2−ジヒドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン(25)を用いて8−メチル−
1,2,4,5−テトラハイドロチエノ[2,3−h]
[1,6]ナフチリジン−5−チオン(45)を得た。1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:2.58(s,3
H)、3.47(m,4H)、7.27(d,J=8.
4,1H)、8.77(d,J=8.4,1H) mp190℃(分解)/黄色顆粒
【0114】薬理試験1:モルモット気管収縮に対する
本発明化合物の弛緩効果 Hartley系雄性モルモットを頚椎脱臼致死させ、
気管を摘出した。気管を一分節ごとに切り出し、縫合糸
で結んで気管鎖を作製した。1gの負荷をかけ、37℃
のTyrode液10mlの入ったマグヌス管中に懸垂
し、95%酸素ガス、5%炭酸ガスの混合ガスを通気し
ながら実験を行った。張力をトランスデューサーを介
し、増幅器で増幅した後ポリグラフ上に等尺性に記録し
た。カルバミルコリン・クロライド10-6Mで収縮させ
た後、安定したところで各濃度の被験薬10μlを累積
添加し、弛緩反応を記録した。最後にパパベリン10-5
Mを添加し、最大弛緩を惹起させた。パパベリンによる
弛緩を100%として、各濃度における弛緩率を計算し
た。被験薬としては、前記実施例に記載する化合物
(6)〜(10)の5化合物を用いた。上記試験の結果
を表13に示す。
【0115】
【表13】
【0116】上記の試験で化合物(6)が特に良好な弛
緩率を示したので、各気管における化合物(6)の弛緩
率を濃度依存的に求めた。その結果を表14に示す。
【0117】
【表14】
【0118】上記化合物を含め、本発明の化合物の30
%弛緩濃度(IC30)を比較して下記表15に示す。
【0119】
【表15】
【0120】以上の試験結果から、本発明化合物は良好
な気管弛緩作用を有していることが判明した。
【0121】薬理試験2:心筋に対する本発明化合物の
影響 モルモットの心筋に及ぼす本発明の化合物の強心作用を
調べた。強心作用は、被験薬を投与したモルモット右心
室へ電気刺激を与えた際の収縮圧力を測定し、イソプロ
テレノールを投与した場合の収縮圧力の増強との比較で
評価した。イソプロテレノールによる効果の20%に達
する本発明化合物の濃度(IC20)を、下記表16に示
す。
【0122】
【表16】
【0123】以上の結果から、本発明化合物は優れた強
心作用を有していることが判明した。
【0124】薬理試験3:血中コレステロール及び脂質
濃度に対する抑制効果 BALB/cマウス(6週齢、雄)に1%コレステロー
ル及び0.5%コール酸を添加したCE−2飼料(日本
クレア製)を7日間与えた。この高コレステロール食負
荷の5日目から被験薬を1mg/kg静脈内投与、また
は100mg/kg経口投与を1日1回3日間行った。
7日目に一晩絶食し、8日目に血漿及び肝臓を採取し
た。肝臓は、0.25Msucrose中でホモジナイ
ズした。血漿中総コレステロールは、コレステロールE
−テストワコー(和光純薬製)を用いて測定した。肝臓
内総コレステロールはBligh−Dyer法により総
脂質を抽出した後、同キットを用いて測定した。被験薬
としては、化合物(6)、(7)、(8)、(10)、
(15)、(18)、(31)及び(40)を用いた。
また、対照として、ベンザフィブレート200mg/k
gを経口投与した。結果は、薬物非投与群におけるコレ
ステロール及びトリグリセリドの濃度上昇に対する薬物
投与群における抑制率として、下記表17に示す。
【0125】
【表17】
【0126】以上の結果から、本発明化合物は血中又は
肝臓におけるコレステロール及びトリグリセリド濃度を
低下させる作用を有していることが判明した。
【0127】毒性試験 本発明の化合物の急性毒性試験を下記の方法で行った。
ICR系雄性マウスを4週齢で購入し、約10日間の予
備飼育の後実験に供した。被験薬物は、マウス体重10
g当たり0.1mlになるように1%カルボキシメチル
セルロース液に懸濁し金属製胃ゾンデを用いて強制経口
投与した。なお、マウスは実験の前日から16時間絶食
とした。投与後の観察期間を14日間とし、14日後の
生存率からリッチフィールド・ウィルコクソン方によっ
てLD50値を求めた。被験薬物としては、上記各試験で
薬効が確認された実施例化合物を用いた。その結果、本
発明化合物はいずれも1.5g/kg以上であった。
【発明の効果】本発明の式(I)で示される三環式化合
物はこれまでに知られていない新規化合物であり、しか
も気管支拡張作用、強心作用、並びにコレステロール及
び血中トリグリセリドを低下させる作用を有することか
ら、医薬品として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 495/14 D

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 式中、R1 は水素原子または低級アルキル基を表わし、
    2 はハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アミノ
    基、ヒドラジノ基又は式: −X−(アルキレン)−Y−R3 (式中、XはO、S又はNHであり、アルキレンは直鎖
    又は分枝鎖状のC3 までのアルキレン鎖であり、Yは
    O、S又はカルボニルオキシ基でかつR3 は水素原子又
    は低級アルキル基であるか、あるいはY−R3 としてモ
    ノ又はジ低級アルキル置換アミノ基である、)を表し、
    A及びBはそれぞれ独立にCH又はN(ただし、A及び
    Bが共にNである場合を除く)を表し、ZはS又はOを
    表す、で示される三環式化合物又はその薬理学的に許容
    される塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I−a): 【化2】 式中、R1 、R2 及びZは前記定義のとおりである、で
    示される請求項1記載の三環式化合物又はその薬理学的
    に許容される塩。
  3. 【請求項3】 一般式(I−b): 【化3】 式中、R1 、R2 及びZは前記定義のとおりである、で
    示される請求項1記載の三環式化合物又はその薬理学的
    に許容される塩。
  4. 【請求項4】 一般式(I−c): 【化4】 式中、R1 、R2 及びZは前記定義のとおりである、で
    示される請求項1記載の三環式化合物又はその薬理学的
    に許容される塩。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載の化合物又はそ
    の薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気
    管支拡張作用剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4に記載の化合物又はそ
    の薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘
    息治療剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4に記載の化合物又はそ
    の薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する強
    心作用剤。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4に記載の化合物又はそ
    の薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するコ
    レステロール低下作用剤。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし4に記載の化合物又はそ
    の薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する血
    中トリグリセリド低下作用剤。
JP7068950A 1994-03-28 1995-03-03 三環式化合物 Pending JPH07316162A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7068950A JPH07316162A (ja) 1994-03-28 1995-03-03 三環式化合物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7931794 1994-03-28
JP6-79317 1994-03-28
JP7068950A JPH07316162A (ja) 1994-03-28 1995-03-03 三環式化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07316162A true JPH07316162A (ja) 1995-12-05

Family

ID=26410133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7068950A Pending JPH07316162A (ja) 1994-03-28 1995-03-03 三環式化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07316162A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6451805B1 (en) Substituted pyrazole derivatives for the treatment of cardiocirculatory diseases
US4209623A (en) Pyrimidine-5-N-(1H-tetrazol-5-yl)-carboxamides
ES2214646T3 (es) Nuevos derivados de pirazol substituidos para el tratamiento de enfermedades cardiovasculares.
KR100404358B1 (ko) 신규 삼환식 화합물
CN101537006A (zh) 哒嗪酮类化合物在制备抗肿瘤药物中的用途
CS247073B2 (en) Production method of 2-substituted 4-amino-6,7-dimethoxyghinolins
CA2614147A1 (en) Benzoimidazole compound capable of inhibiting prostaglandin d synthetase
KR860001921B1 (ko) 1,4-디하이드로피리딘의 제조방법
JPS6157587A (ja) 縮合複素環誘導体および抗潰瘍剤
CN101195597A (zh) 1-取代-4,4-二取代氨基硫脲类化合物、其制备方法以及其用途
US6077841A (en) 5-heterocyclyl pyrazolo[4,3-d]pyrimidin-7-ones for the treatment of male erectile dysfunction
JP2002020386A (ja) ピラゾロピリジン誘導体
JPS6322082A (ja) 1―(ヒドロキシスチリル)―5h―2,3―ベンゾジアゼピン誘導体およびその製造方法、並びに前記誘導体を含む薬剤
JPS60214778A (ja) Ν置換3,4−ジヒドロピリミジン誘導体ならびにその製造法および用途
KR20100031610A (ko) 아데노신 A3 수용체 리간드로서의 트리아졸로[1,5-a]퀴놀린
JPS6222771A (ja) 5−置換−6−アミノピリミジン誘導体、組成物および使用
US4957920A (en) Benzimidazoles, and pharmaceutical preparations containing these compounds
US4497814A (en) 2-(Pyridinyl)-1,2,4-triazolo[1,5-a]pyrimidines and derivatives useful in increasing cardiac contractility
HU193067B (en) Process for the production of new pyridazinon-derivatives and of their salts
US20020133008A1 (en) Pyrazolopyridopyrimidine inhibitors of cGMP phosphodiesterase
US4808618A (en) Substituted 1,3-dialkylpyrido[4,3-d]pyrimidine-2,4-diones
DK153485B (da) Analogifremgangsmaade til fremstilling af pyridopyrimidinderivater
JPH07316162A (ja) 三環式化合物
US4136186A (en) Thieno[3,2-c]pyridine derivatives
KR920001673B1 (ko) 피리미도이소퀴놀린 유도체의 제조방법