JPH07316157A - ヒポキサンチン誘導体及び炎症性疾患の抑制剤 - Google Patents

ヒポキサンチン誘導体及び炎症性疾患の抑制剤

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JPH07316157A
JPH07316157A JP7465195A JP7465195A JPH07316157A JP H07316157 A JPH07316157 A JP H07316157A JP 7465195 A JP7465195 A JP 7465195A JP 7465195 A JP7465195 A JP 7465195A JP H07316157 A JPH07316157 A JP H07316157A
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product
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hypoxanthine
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JP7465195A
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Yoshiaki Isobe
義明 磯部
Shinsuke Chiba
伸介 知場
Yuzo Goto
祐三 後藤
Hideharu Sato
英晴 佐藤
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Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の一般式〔I〕 【化1】 (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜10の直鎖アルキ
ル基、分枝を有する炭素数3〜10のアルキル基、一つ
のカルボキシル基を置換してなる炭素数1〜10のカル
ボキシル基置換アルキル基、4−カルボキシルベンジル
基、及びフェネチル基からなる群より選択される置換基
を表す)で表される化合物、又は該化合物の薬理的に許
容される塩であるヒポキサンチン誘導体。前記のヒポキ
サンチン誘導体を有効成分とする炎症性疾患の抑制剤。 【効果】 上記ヒポキサンチン誘導体は、炎症の初期に
おける活性酸素やTXA2などのメディエ−タ−による組織
障害を軽減し、引き続く活性化した白血球の患部細胞へ
の接着に伴う炎症反応の増悪化を防止でき、白血球に起
因する炎症性疾患のどの段階においても炎症を抑制する
薬剤として有効性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なヒポキサンチン
誘導体及びそれを含んでなる薬剤に関する。本発明のヒ
ポキサンチン誘導体を含んでなる薬剤は、炎症性疾患の
抑制剤として有用であり、特には、喘息や皮膚炎等のア
レルギ−性疾患、成人呼吸切迫症(ARDS)等の肺疾
患、腎炎やリウマチ等の自己免疫疾患であり、且つその
患部における白血球に因る炎症に起因する炎症性疾患の
抑制剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】生体に何らかの侵襲が加わる際、その外
因性刺激により生じる一連の生体防御反応が炎症反応で
ある。前記一連の生体防御反応において、その中心的な
反応は、血管透過性の亢進及び白血球を主とする炎症細
胞の浸潤である。アレルギ−物質や細菌などに起因する
外因性刺激に伴う免疫反応に加えて、内因性刺激に伴う
免疫反応である自己免疫も炎症反応を引き起こす。これ
ら免疫反応に伴い引き起こされる炎症反応は、複雑な過
程を経て炎症性疾患を発症させることが報告されてい
る。例えば、喘息、気管支炎などの呼吸器炎症性疾患
は、発症は2つの段階を経て起こるとされている(Medi
cal Immunology, 15, 61-71 (1988)を参照)。即ち、外
因性刺激に伴い、第1段階として、刺激により活性化し
た肥満細胞からヒスタミン、TXA2 などの化学伝達物
質が放出され、該化学伝達物質により気管支筋の収縮、
浮腫などが起こる。この第1段階は、通常抗原(外因性
刺激)吸入後30分間以内に起こり、即時型喘息と呼ば
れる。次に、第2段階として、好酸球(白血球)が患部
の気管支へ浸潤し、この好酸球が産出する活性酸素など
により患部の気管粘膜が障害を受け、炎症が起こる。こ
の第2段階は、抗原吸入後8〜16時間経過して起こ
り、遅発型喘息と呼ばれる。この白血球に因る炎症反応
が、喘息を難治化するとされている。
【0003】従来、上記の喘息などの治療薬として、前
記の第1段階において肥満細胞から放出されるヒスタミ
ン、TXA2 などの化学伝達物質、この化学伝達物質個
々に対し特異的拮抗作用を有する薬剤が種々実用化され
ている。これら薬剤は、前記の第1段階の症状を軽減す
るには効果を示すが、第2段階の炎症発症を抑制する効
果に関しては充分に満足できるものでない。その原因
は、前記の第1段階においても、種々の化学伝達物質が
相互に関連しており、その内の主要な特定の因子(化学
伝達物質)を抑制するのみでは、第2段階への進行を充
分に阻害できないことによる。更には、第2段階の主に
白血球に因る炎症反応を抑制する効果に劣ることも要因
となる。従って、第1段階に関与する化学伝達物質に対
し拮抗作用を有すると共に、第2段階の主に白血球に因
る炎症反応をも抑える薬剤が望まれている。
【0004】また、その他の炎症性疾患においても、刺
激により活性化した白血球が炎症反応の主な要因となる
ことが報告されている。肺疾患、例えば、成人呼吸切迫
症(ARDS)では、細菌の分泌するエンドトキシンに
より活性化した白血球(好中球)が炎症反応の主因であ
る。この活性化した好中球が肺毛細血管に接着し、好中
球が放出する活性酸素やプロテア−ゼなどが毛細血管を
損傷することで炎症が起こる(別冊医学のあゆみ、呼吸
器疾患、437 (1991)医歯薬出版社を参照)。更には、好
中球が産出するTXA2 などのアラキドン酸代謝産物、
PAF、leukotriene B4などのLT類も、好中球による
血管細胞の組織障害を促進し、炎症反応を増幅させると
されている。内因性刺激に伴う免疫学的機序による自己
免疫疾患、例えば、腎炎でも、活性化した白血球(好中
球)が炎症反応の主因である。腎の基底膜に対する自己
抗体と抗原とからなる免疫複合体を、好中球が標的とし
て攻撃する際に、活性化した好中球の放出する活性酸素
やTXA2 などのメディエ−タ−による組織障害が腎炎
を引き起こすとされている。
【0005】上記するその患部における白血球に因る炎
症反応に起因する種々の炎症性疾患は、多くの患者がお
り、炎症性疾患の抑制に有用な薬理効果を示す新規化合
物、及び該新規化合物を含んでなる炎症性疾患の抑制剤
が望まれている。特に、白血球に因る炎症反応に優れた
抑制効果を有する薬剤であり、且つ白血球の患部細胞へ
の接着をも阻害する効果を有する薬剤が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決することを目的としたものである。すなわち、本発
明の目的は、炎症性疾患の抑制に有用な薬理効果を示す
新規化合物、及び該新規化合物を含んでなる炎症性疾患
の抑制剤を提供することである。特には、炎症性疾患の
抑制に有用な薬理効果を示す新規なヒポキサンチン誘導
体、及び該新規なヒポキサンチン誘導体を有効成分とし
て含んでなる炎症性疾患の抑制剤を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するべ
く、本発明者らは炎症性疾患の抑制に有効な新規化合物
を鋭意開発を進め、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明者らは下記する一般式〔I〕で示されるヒポキサ
ンチン誘導体の群を形成する新規な化合物を創製し、こ
れらの各化合物の有する生物活性を評価したところ、下
記の試験例に例示する炎症性疾患の抑制に有効な生物活
性を有することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】本発明のヒポキサンチン誘導体は、次の一
般式〔I〕
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜10
の直鎖アルキル基、分枝を有する炭素数3〜10のアル
キル基、一つのカルボキシル基を置換してなる炭素数1
〜10のカルボキシル基置換アルキル基、4−カルボキ
シルベンジル基、及びフェネチル基からなる群より選択
される何れか一つの基を表す)で表される化合物、又は
該化合物の薬理的に許容される塩である新規なヒポキサ
ンチン誘導体である。
【0011】また、本発明の炎症性疾患の抑制剤は、上
記の一般式〔I〕で表される新規なヒポキサンチン誘導
体を有効成分として含んでなる薬剤である。本発明の炎
症性疾患の抑制剤は、特には、該炎症性疾患が白血球に
因る炎症に起因し、且つ気管支収縮を伴う喘息、成人呼
吸切迫症、腎炎、及び自己免疫疾患からなる群の何れか
の疾患に対する抑制剤として用いる薬剤である。
【0012】なお、本発明において、該化合物の薬理的
に許容される塩の好適な例として、薬理的に許容される
酸との塩である、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、臭化水素
塩、リン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩など、及び薬理的に許容され
るカチオンを含む塩である、ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩などを例示できる。また、該ヒポキサ
ンチン誘導体の薬理的に許容される塩は、該ヒポキサン
チン誘導体と、対応する酸、或は対応するカチオンを含
む塩基とを混合し、再結晶等の手段により調製すること
ができる。
【0013】また、本発明のヒポキサンチン誘導体とし
て、一般式〔I〕において、Rがアルキル基である、2
−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−メチル−ヒポキサンチン、2−(3、5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−
1−n−プロピル−ヒポキサンチン、1−n−ブチル−
2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−ヒポキサンチン、2−(3、5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−n−ヘ
キシル−ヒポキサンチン、1−n−オクチル−2−
(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−ヒポキサンチン、Rが一つのカルボキシル基を
置換してなるカルボキシル基置換アルキル基である、1
−カルボキシプロピル−2−(3、5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチン、
1−カルボキシペンチル−2−(3、5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチ
ン、1−カルボキシヘプチル−2−(3、5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサン
チン、並びに2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−1−フェネチル−ヒポキサン
チン、1−カルボキシベンジル−2−(3、5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサ
ンチン、2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−ヒポキサンチン等を具体的に例示
できる。下記する試験例により活性酸素の除去作用或は
脂質過酸化防止効果に付いて高い評価を受ける、これら
例示する化合物の内、一般式〔I〕においてRがアルキ
ル基である上記5種類の化合物及びRがフェネチル基で
ある化合物は、好ましい化合物であり、特に、Rがn−
プロピル基及びn−ブチル基である2種類の化合物はよ
り好ましい化合物である。更には、例示する一般式
〔I〕においてRがアルキル基である上記5種類の化合
物のみでなく、Rがエチル基、ペンチル基、及びヘプチ
ル基の3種類の化合物も、極めて類似する生物活性を示
し、好ましい化合物である。
【0014】本発明のヒポキサンチン誘導体は、下記の
第1工程〜第5工程に記す方法により、予め式〔VII 〕
に示す中間生成物を調製し、次に第6工程〜第8工程に
記す方法により、ヒポキサンチン骨格の1位に所定の置
換基Rを導入することで調製することができる。第1工
程〜第8工程の各工程の概要を下記する。
【0015】第1工程 反応(1)
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】上記の式〔II〕に示す原料4−アミノ−5
−イミダゾ−ル−カルボキシアミドとベンズアルデヒド
とを、無溶媒或は両化合物が可溶な溶媒中において、好
ましくは塩基存在下に0〜100℃の温度で反応させる
ことで、式〔III 〕に示す生成物(1)を得ることがで
きる。塩基として、活性水素を有さない窒素化合物であ
る、トリエチルアミン、ピリジン等を好適に用いること
ができ、原料4−アミノ−5−イミダゾ−ル−カルボキ
シアミドに対して、該生成物(1)を定量的に得ること
ができる。
【0018】第2工程 反応(2)
【化5】
【0019】第1工程で得られる生成物(1)と塩化ベ
ンジルとを、無溶媒或は両化合物が可溶な溶媒中におい
て、好ましくは塩基存在下に0〜100℃の温度で反応
させることで、式〔IV〕に示す生成物(2)を得ること
ができる。塩基として、活性水素を有さない窒素化合物
である、トリエチルアミン、ピリジン等を好適に用いる
ことができ、原料の生成物(1)に対して、該生成物
(2)を定量的に得ることができる。
【0020】第3工程 反応(3)
【化6】
【0021】第2工程で得られる生成物(2)を酸処理
することにより、式〔V〕に示す生成物(3)を得るこ
とができる。酸として、水素酸である、塩酸、硫酸等を
好適に用いることができ、原料の生成物(2)に対し
て、該生成物(3)を定量的に得ることができる。
【0022】第4工程 反応(4)
【化7】
【0023】第3工程で得られる生成物(3)と3、5
−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルオキシ−
ベンゾイルクロリドとを、無溶媒或は両化合物が可溶な
溶媒中において、好ましくは塩基存在下に0〜100℃
の温度で反応させることで、式〔VI〕に示す生成物
(4)を得ることができる。塩基として、活性水素を有
さない窒素化合物である、トリエチルアミン、ピリジン
等を好適に用いることができる。
【0024】第5工程 反応(5)
【化8】
【0025】第4工程で得られる生成物(4)を、塩基
を用い、当該塩基を溶解できる溶媒中で、0〜100℃
の温度で処理することにより、式〔VII 〕に示す生成物
(5)を得ることができる。塩基として、アルカリ金属
の水酸化物である、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム
等を好適に用いることができる。
【0026】第6工程 反応(6)
【化9】
【0027】上記する第1工程〜第5工程の方法で得ら
れる式〔VII 〕で示す中間生成物(5)と、目的とする
一般式〔I〕で表されるヒポキサンチン誘導体におい
て、Rがアルキル基である時には、p−トルエンスルホ
ン酸の該アルキルエステルとを、Rが一つのカルボキシ
ル基を置換してなるカルボキシル基置換アルキル基であ
る時には、対応する一ハロゲン原子を置換してなるアル
カン酸(該カルボキシル基置換アルキルの一ハロゲン化
物)のエステルとを、Rが4−カルボキシルベンジル基
である時には、4−ハロメチル安息香酸のエステルと
を、或はRがフェネチル基である時には、p−トルエン
スルホン酸フェネチルとを、無溶媒或は両化合物が可溶
な溶媒中において、好ましくは塩基存在下に0〜100
℃の温度で反応させることで、式〔VIII〕に示す生成物
(6)を得ることができる。該塩基として、活性水素を
有さない窒素化合物である、トリエチルアミン、ピリジ
ン等、或はアルカリ金属の炭酸塩である、炭酸カリウム
等を好適に用いることができる。また、式〔VIII〕で表
される生成物(6)は、必要に応じて、カラムクロマト
グラフィ−法等により精製した後、次の工程に供するの
が好ましい。
【0028】なお、Rが一つのカルボキシル基を置換し
てなるカルボキシル基置換アルキル基である時には、対
応する一ハロゲン原子を置換してなるアルカン酸(該カ
ルボキシル基置換アルキルの一ハロゲン化物)のエステ
ル、或はRが4−カルボキシルベンジル基である時に
は、4−ハロメチル安息香酸のエステルとの反応で得ら
れる生成物では、前記の反応により導入される置換基の
該カルボキシル基はエステルとなっており、更にアルカ
リ金属の水酸化物である、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム等の強塩基によりエステルの加水分解を行い、目
的とする一つのカルボキシル基を置換してなるカルボキ
シル基置換アルキル基或は4−カルボキシルベンジル基
にすることができる。
【0029】第7工程 反応(7)
【化10】
【0030】第6工程で得られる目的とする置換基Rを
導入した式〔VIII〕で表される生成物(6)を酸処理す
ることにより、メトキシメチル基の脱離した式〔IX〕で
表される生成物(7)を得ることができる。酸として、
一水素酸である、トリフルオロ酢酸、塩酸等を好適に用
いることができる。なお、生成物(7)は、必要に応じ
て、カラムクロマトグラフィ−法等により精製した後、
次の工程に供するのが好ましい。
【0031】第8工程 反応(8) 第7工程で得られる式〔IX〕で表される生成物(7)を
還元することにより、ベンジル基の脱離した一般式
〔I〕で表されるヒポキサンチン誘導体を得ることがで
きる。なお、前記の還元反応は、触媒量のパラジウム炭
素(Pd−C)存在下、水素(H2)或はギ酸を用いるこ
とにより行うことが好ましい。なお、最終生成物の一般
式〔I〕で表されるヒポキサンチン誘導体は、必要に応
じて、カラムクロマトグラフィ−法等により精製するこ
とが好ましい。
【0032】なお、一般式〔I〕においてRが水素原子
であるヒポキサンチン誘導体、2−(3、5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサン
チンは、上記の中間生成物(5)を用いて、第6工程を
省き、第7工程及び第8工程を施すことにより、得るこ
とができる。
【0033】本発明のヒポキサンチン誘導体又はその薬
理的に許容される塩は、経口、非経口または外用に適す
る慣用の有機或は無機の担体もしくは賦形剤と混合して
固体状、半固体状、または液体状等の剤型にすることが
できる。前記の慣用される剤型の医薬製剤とし、経口
剤、非経口剤あるいは外用剤として使用される。例え
ば、錠剤、ペレット、カプセル、パッチ、溶液、エマル
ジョン、懸濁液、及びその他の使用に適する形態、例え
ば、吸入用スプレ−剤、坐剤など、の慣用される剤型と
して使用することができる。また、使用される担体もし
くは賦形剤は、従来公知の担体もしくは賦形剤より、剤
型及び使用する方法に応じて適宜選択するものである
が、例えば、水、ブドウ糖、乳糖、アラビアゴム、ゼラ
チンなどを例示することができる。更には、当該ヒポキ
サンチン誘導体と化学反応を起こさず、且つ薬理学的に
許容される担体もしくは賦形剤である限り、特に使用を
限定するものでない。
【0034】また、本発明のヒポキサンチン誘導体又は
その薬理的に許容される塩の投与量又は有効量は、個々
の患者の年齢、体重、症状、用法等に応じて定まるが、
一般には、該有効成分を約0.1〜100mg/kgを
1日当りの投与量として患者の治療のために投与され
る。更に、前記投与量は、剤型及び使用する方法に応じ
て、1日1回〜数回に分けて投与することができる。
【0035】なお、上記の方法で医薬製剤とされる、本
発明のヒポキサンチン誘導体又はその薬理的に許容され
る塩を含んでなる薬剤は、その患部における白血球に因
る炎症に起因する炎症性疾患に対し、その炎症反応を抑
制する効果を有する薬剤として利用でき、対応する炎症
性疾患として、具体的には、喘息や皮膚炎等のアレルギ
−性疾患、成人呼吸切迫症(ARDS)等の肺疾患、腎
炎やリウマチ等の自己免疫疾患を挙げることができる。
更には、前記の成人呼吸切迫症候群(ARDS)を引き
起こすエンドトキシンショック、エンドトキシン血症な
どの症状を抑制緩和する効果を有する薬剤として利用で
きる。
【0036】
【作用】本発明のヒポキサンチン誘導体又はその薬理的
に許容される塩は、高い活性酸素除去作用を有し、更に
は脂質過酸化防止効果、TXA2 合成防止作用、好中球
接着防止作用、PAF拮抗作用、エンドトキシン誘発致
死に対する作用、及び馬杉腎炎に対する効果等の生物活
性にも優れるので、活性化した白血球(好中球など)の
放出する活性酸素やTXA2 などのメディエ−タ−によ
る組織障害に起因する炎症反応を抑える薬剤として有効
である。更には、白血球の炎症患部の細胞への接着防止
作用を有するため、活性化した白血球(好中球など)に
よる炎症反応の増幅をも抑制することができる。即ち、
炎症の初期における活性酸素やTXA2 などのメディエ
−タ−による組織障害を軽減し、引き続く活性化した白
血球の患部細胞への接着に伴う炎症反応の増悪化を防止
でき、白血球に起因する炎症性疾患のどの段階において
も炎症を抑制する薬剤として有効性を示すものとなる。
【0037】
【実施例】上記する本発明のヒポキサンチン誘導体の
内、炎症性疾患の抑制剤に用いて特に好適なヒポキサン
チン誘導体として、具体的に例示する化合物及びその合
成方法の一例を以下に説明する。更に、該例示する化合
物の有する薬理的活性、効果を評価する試験例を示し、
本発明のヒポキサンチン誘導体の有する炎症性疾患を抑
制する作用に関して説明する。
【0038】(実施例1) 2−(3、5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−
ヒポキサンチン 先ず、下記の工程1.1 〜1.5 に従い、式〔VII〕に示す
中間生成物(5)を調製した。
【0039】〔工程1.1〕式〔II〕に示す原料4−ア
ミノ−5−イミダゾ−ル−カルボキシアミドの1塩酸塩
16.3 g ( 0.1 mol)をエタノ−ル 200mlに加え懸濁し、
該懸濁液にトリエチルアミン 27.8ml(0.2 mol)を加えて
溶解した。得られる液に、ベンズアルデヒド10.2ml(0.1
mol) を加えて、該液を 120℃で8時間還流加熱した。
次に、該液を氷点(0℃)に冷却し、水 400mlを加え
て、0℃で1時間撹拌した。その後、液中に生じた析出
物として分離する生成物を濾取し、更に濾取した生成物
を水及びエタノ−ルを用い順次洗浄した。得られた式
〔III 〕に示す生成物 (1)の乾燥後重量は、 20.8 g で
あり、原料4−アミノ−5−イミダゾ−ル−カルボキシ
アミドに対する収率は、 97 %であった。
【0040】〔工程1.2〕工程1.1で得られる生成
物(1)12.8 g(60 mmol) をDMF240ml と水30mlの混
合溶媒中に加え懸濁し、該懸濁液に炭酸カリウム 16.6
g ( 120 mmol) を加えた。この液を80℃に加熱撹拌し
つつ、塩化ベンジル 13.8ml を該液に45分間かけ滴下
した。引き続き、得られる液を80℃で1時間撹拌し
た。その後、該液に含まれる溶媒を減圧留去し、生成物
を含む残渣を得た。該残渣より、生成物をクロロホルム
で抽出し、抽出液の液性が中性を示すまで、水を用い洗
浄した。この抽出液より溶媒クロロホルムを減圧留去
し、更にエタノ−ルを用いて分別再結晶することによ
り、式〔IV〕に示す生成物(2)を結晶として回収し
た。回収した生成物(2)の結晶重量は、14.4 gであ
り、原料の生成物(1)に対する収率は、79%であっ
た。
【0041】〔工程1.3〕工程 1.2で得られる生成物
(2)9.12 g(30 mmol) を1.2 N塩酸のTHF溶液150m
l中に加え、室温で2時間撹拌した。該液中に沈殿物と
して分離する生成物を濾取し、更にTHFを用い洗浄し
た。この沈殿物は、式〔V〕に示す生成物(3)の塩酸
塩であり、回収された重量は 7.26 g であった。この得
られた沈殿物をメタノ−ル 100mlと水 80ml を混合した
液に溶解した。更に、4N NaOH水溶液 7.5mlを加
えて得られた溶液を、室温で1時間撹拌した。その後、
該溶液よりメタノ−ルを減圧留去し、式〔V〕に示す生
成物(3)を沈殿物として得た。濾取した生成物(3)
の沈殿を、水及びエタノ−ルを用い順次洗浄した。得ら
れた生成物(3)の乾燥後重量は、5.85 gであり、原料
の生成物(2)に対する収率は、 90 %であった。
【0042】〔工程1.4〕工程 1.3で得られる生成物
(3)15.2 g(70 mmol) をピリジン 300mlに加え懸濁
し、該懸濁液に予め3、5−ジ−tert−ブチル−4
−メトキシメチルオキシ−安息香酸より調製した3、5
−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルオキシ−
ベンゾイルクロリドのベンゼン溶液50ml(84 mmol) を加
えた。得られる液を、室温で6時間撹拌した。その後、
該液に含まれるピリジンを減圧留去し、生成物を含む残
渣を得た。該残渣より、生成物をクロロホルムで抽出
し、該抽出液を水を用い洗浄した。この抽出液より溶媒
クロロホルムを減圧留去し乾固した。乾固した残渣より
エタノ−ルを用いて再結晶することにより、式〔VI〕に
示す生成物(4)を結晶として回収した。回収した生成
物(4)の結晶重量は、 28.5 g であり、原料の生成物
(3)に対する収率は、 83 %であった。
【0043】なお、回収した結晶を溶媒に溶かし、 1
- NMRスペクトルを測定したところ、 1H−NMR
(DMSO-d6,δppm) : 1.43 (18H,s) , 3.57 (3H,s)
, 4.89(2H,s) , 5.52 (2H,s) , 7.17-7.35 (7H,m) ,
7.90 (2H,s) , 7.95 (1H,s) , 10.25 (1H,s)の各シグナ
ルが見出され、式〔VI〕に示す生成物(4)の構造より
予測されるシグナルと対応した。
【0044】〔工程1.5〕工程1.4で得られる生成
物(4)14.8g(30 mmol)を0.1 N KOHのエタノ−ル
溶液 750ml中に加え懸濁し、該懸濁液を80℃で16時
間還流加熱した。次に、該液を氷点(0℃)に冷却し
て、酢酸 5 mlを加え酸性とし、式〔VII 〕に示す生成
物(5)の結晶を析出させた。この結晶を濾取し、エタ
ノ−ルを用い洗浄した。回収した生成物(5)の結晶重
量は、13.2 gであり、原料の生成物(4)に対する収率
は、 93 %であった。
【0045】なお、回収した結晶を溶媒に溶かし、 1
- NMRスペクトルを測定したところ、 1H−NMR
(DMSO-d6,δ ppm): 1.46 (18H,s), 3.58 (3H,s),
4.91 (2H,s),5.60 (2H,s), 7.29-7.39 (5H,m), 8.00 (2
H,s), 8.42 (1H,s), 12.60 (1H,s) の各シグナルが見出
され、式〔VII 〕に示す生成物(5)の構造より予測さ
れるシグナルと対応した。
【0046】次に、式〔VII 〕に示す中間生成物(5)
を原料として、下記の工程1.6 〜1.8 に従い、一般式
〔I〕においてRがメチル基であるヒポキサンチン誘導
体、2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−1−メチル−ヒポキサンチンを調製し
た。
【0047】〔工程1.6〕原料の生成物(5)2.37g
(5.0 mmol) をDMF 40ml に加え懸濁し、該懸濁液に
炭酸カリウム 1.38 g ( 10 mmol)を加えて10分間撹拌
した。この液に、p−トルエンスルホン酸メチルを 1.8
6 g(10 mmol)を加えて、室温で24時間撹拌した。その
後、該液に含まれるDMFを減圧留去し、生成物を含む
残渣を得た。該残渣より、生成物をクロロホルムで抽出
し、該抽出液を水を用い洗浄した。この抽出液より溶媒
クロロホルムを減圧留去し、再び生成物を含む残渣を得
た。この残渣を溶離液クロロホルム:メタノ−ル=10
0容:1容の混合液を用いてシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−法により精製し、式〔VIII〕においてRがメ
チル基である生成物、9−ベンジル−2−(3、5−ジ
−tert−ブチル−4−メトキシメチルオキシフェニ
ル)−1−メチル−ヒポキサンチンを回収した。回収し
た生成物の重量は、 951 mg であり、原料の生成物
(5)に対する収率は、39 % であった。
【0048】〔工程1.7〕工程1.6で得られた生成
物 950 mg(1.94 mmol)に20容量%トリフルオロ酢酸−
ジクロロメタン混合液 40 m を加えて、室温で2時間撹
拌した。その後、該液に含まれるジクロロメタンを減圧
留去し、生成物を含む残渣を得た。該残渣より、生成物
をクロロホルムで抽出し、該抽出液を炭酸水素ナトリウ
ム飽和水溶液及び水を用いて順次洗浄した。この抽出液
より溶媒クロロホルムを減圧留去し、生成物を含む残渣
を得た。この残渣を溶離液クロロホルム:メタノ−ル=
100容:1容の混合液を用いてシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−法により精製し、式〔IX〕においてRが
メチル基である生成物、9−ベンジル−2−(3、5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1
−メチル−ヒポキサンチンを回収した。回収した生成物
の重量は、 792 mg であり、原料の式〔XIII〕において
Rがメチル基である生成物に対する収率は、 92 %であ
った。
【0049】〔工程1.8〕工程1.7で得られる生成
物 667 mg(1.5 mmol) をDMF 10ml に溶解し、10重
量%Pd−C 450 mg を加えた。撹拌しつつ、該溶液に
ギ酸 2mlを加えて、室温で2時間撹拌した。その後、ス
−パ−セル 1 gを加えて10分間撹拌した後、該溶液中
の固形物を濾過し、濾液を回収した。この濾液よりDM
Fを減圧留去し、生成物を含む残渣を得た。該残渣よ
り、生成物をクロロホルムで抽出し、該抽出液を炭酸水
素ナトリウム飽和水溶液及び水を用いて順次洗浄した。
この抽出液より溶媒クロロホルムを減圧留去し、生成物
を含む残渣を得た。この残渣を溶離液 クロロホルム:
メタノ−ル=50容:1容の混合液を用いてシリカゲル
カラムクロマトグラフィ−法により精製し、更にエタノ
−ル−水混合液から再結晶し、一般式〔I〕においてR
がメチル基である化合物、2−(3、5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−ヒ
ポキサンチンの結晶を回収した。回収した生成物結晶の
重量は、 508 mg であり、原料の式〔IX〕においてRが
メチル基である化合物に対する収率は、 96 %であっ
た。
【0050】得られた結晶を用い融点を測定したとこ
ろ、融点は 158-161℃と測定された。なお、回収した結
晶を溶媒に溶かし、 1H- NMRスペクトルを測定した
ところ、 1H−NMR(DMSO-d6,δ ppm): 1.47 (1
8H,s) , 4.18 (3H,s) , 8.27 (1H,s), 8.30 (2H,s) , 1
3.34 (1H,s) の各シグナルが見出され、一般式〔I〕に
おいてRがメチル基である当該化合物の構造より予測さ
れるシグナルと対応した。更に、結晶を用い元素分析を
行ったところ、当該化合物1分子当りに水( H2O) 1
分子が付加した組成、C20264 2 ・H2 O、に対
し予測される元素重量比(計算値): C; 64.49 % ,
H; 7.58 % ,N; 15.04 %と、実測された元素重量比
:C; 64.61 % ,H; 7.72 % ,N; 14.96 %とが良い
一致を示した。
【0051】(実施例2) 2−(3、5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−n−プロ
ピル−ヒポキサンチン 〔工程2.1〕式〔VII 〕に示す中間生成物(5)を原
料として、上記実施例1の工程1.6に記す操作に準じ
て、原料の中間生成物(5)とp−トルエンスルホン酸
n−プロピルとを、塩基の炭酸カリウム存在下に溶媒D
MF中において反応させ、次いで精製し、式〔VIII〕に
おいてRがn−プロピル基である化合物、9−ベンジル
−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ
メチルオキシフェニル)−1−n−プロピル−ヒポキサ
ンチンを回収した。
【0052】〔工程2.2〕工程 2.1に従い調製した式
〔VIII〕においてRがn−プロピル基である生成物を、
上記実施例1の工程 1.7に記す操作に準じてトリフルオ
ロ酢酸で酸処理することで、メトキシメチル基の脱離し
た式〔IX〕においてRがn−プロピル基である化合物を
得た。次に、得られた式〔IX〕においてRがプロピル基
である化合物を、上記実施例1の工程 1.8に記す操作に
準じて還元することで、最終生成物として、ベンジルの
脱離した一般式〔I〕においてRがn−プロピル基であ
る化合物、2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)−1−n−プロピル−ヒポキサン
チンの結晶を得た。前記の工程 2.1及び本工程2.2 の各
収率より、原料の中間生成物(5)に対する該最終生成
物の収率は、73%と見積もれた。
【0053】得られた該最終生成物の結晶を用い融点を
測定したところ、融点は 141-143℃と測定された。な
お、回収した結晶を溶媒に溶かし、 1H- NMRスペク
トルを測定したところ、 1H−NMR(DMSO-d6
ppm): 1.04(3H,t) 1.46 (18H,s), 1.91 (2H,m) , 4.61
(2H,t) , 7.34 (1H,s) , 8.26 (1H,s) , 8.28 (2H,s),
13.34 (1H,s)の各シグナルが見出され、一般式〔I〕
においてRがn−プロピル基である当該化合物の構造よ
り予測されるシグナルと対応した。更に、結晶を用い元
素分析を行ったところ、当該化合物1分子当りに水 (H2
O) 1/4 分子が付加した組成、C22304 2 ・1/4
2 O、に対し予測される元素重量比(計算値): C;
68.28 % ,H; 7.94% ,N; 14.48 %と、実測された元
素重量比 :C; 68.43 % ,H; 8.06% ,N; 14.38 %と
が良い一致を示した。
【0054】(実施例3) 1−n−ブチル−2−
(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−ヒポキサンチン 〔工程3.1〕中間生成物(5)を原料として、上記実
施例1の工程 1.6に記す操作に準じて、原料の中間生成
物(5)とp−トルエンスルホン酸n−ブチルとを、塩
基の炭酸カリウム存在下に溶媒DMF中において反応さ
せ、次いで精製し、式〔VIII〕においてRがn−ブチル
基である化合物、9−ベンジル−1−n−ブチル−2−
(3、5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチル
オキシフェニル)−ヒポキサンチンを回収した。
【0055】〔工程3.2〕工程 3.1に従い調製した式
〔VII 〕においてRがn−ブチル基である生成物を、上
記実施例1の工程 1.7に記す操作に準じてトリフルオロ
酢酸で酸処理することで、メトキシメチル基の脱離した
式〔IX〕においてRがn−ブチル基である化合物を得
た。次に、得られた式〔IX〕においてRがn−ブチル基
である化合物を、上記実施例1の工程 1.8に記す操作に
準じて還元することで、最終生成物として、ベンジルの
脱離した一般式〔I〕においてRがn−ブチル基である
化合物、1−n−ブチル−2−(3、5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチン
の結晶を得た。前記の工程 3.1及び本工程 3.2の各収率
より、原料の中間生成物(5)に対する該最終生成物の
収率は、73%と見積もれた。
【0056】得られた該最終生成物の結晶を用い融点を
測定したところ、融点は 129-134℃と測定された。な
お、回収した結晶を溶媒に溶かし、 1H- NMRスペク
トルを測定したところ、 1H−NMR (DMSO-d6
ppm) : 0.98 (3H,t), 1.46 (18H,s), 1.50 (2H,m), 1.
86 (2H,m), 4.66 (2H,t), 7.34 (1H,s), 8.25 (1H,s),
8.28(2H,s), 13.31 (1H,s)の各シグナルが見出され、一
般式〔I〕においてRがn−ブチル基である当該化合物
の構造より予測されるシグナルと対応した。更に、結晶
を用い元素分析を行ったところ、当該化合物の組成、C
23324 2 、に対し予測される元素重量比(計算
値): C; 69.67 % ,H; 8.13% ,N; 14.13 %と、実
測された元素重量比 :C; 69.65 % ,H; 8.24 % ,
N; 14.12 %とが良い一致を示した。
【0057】(実施例4) 2−(3、5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−n−ヘキ
シル−ヒポキサンチン 〔工程4.1〕中間生成物(5)を原料として、上記実
施例1の工程 1.6に記す操作に準じて、原料の中間生成
物(5)とp−トルエンスルホン酸n−ヘキシルとを、
塩基の炭酸カリウム存在下に溶媒DMF中において反応
させ、次いで精製し、式〔VIII〕においてRがn−ヘキ
シル基である化合物、9−ベンジル−2−(3、5−ジ
−tert−ブチル−4−メトキシメチルオキシフェニ
ル)−1−n−ヘキシル−ヒポキサンチンを回収した。
【0058】〔工程4.2〕工程 4.1に従い調製した式
〔VIII〕においてRがn−ヘキシル基である生成物を、
上記実施例1の工程 1.7に記す操作に準じてトリフルオ
ロ酢酸で酸処理することで、メトキシメチル基の脱離し
た式〔IX〕においてRがn−ヘキシル基である化合物を
得た。次に、得られた式〔IX〕においてRがn−ヘキシ
ル基である化合物を、上記実施例1の工程 1.8に記す操
作に準じて還元することで、最終生成物として、ベンジ
ルの脱離した一般式〔I〕においてRがn−ヘキシル基
である化合物、2−(3、5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−1−n−ヘキシル−ヒポキ
サンチンの結晶を得た。前記の工程 4.1及び本工程 4.2
の各収率より、原料の中間生成物(5)に対する該最終
生成物の収率は、40%と見積もれた。
【0059】得られた該最終生成物の結晶を用い融点を
測定したところ、融点は 185-185.5℃と測定された。な
お、回収した結晶を溶媒に溶かし、 1H- NMRスペク
トルを測定したところ、 1H−NMR (DMSO-d6
ppm ) : 0.87 (3H,t) , 1.30-1.60 (6H,m), 1.46 (18
H,s), 1.88 (2H,m), 4.65 (2H,t), 7.34 (1H,s), 8.25
(1H,s), 8.28 (2H,s), 13.31 (1H,s) の各シグナルが見
出され、一般式〔I〕においてRがn−ヘキシル基であ
る当該化合物の構造より予測されるシグナルと対応し
た。更に、結晶を用い元素分析を行ったところ、当該化
合物の組成、C25364 2 、に対し予測される元素
重量比(計算値): C; 70.72 %, H; 8.55%, N; 1
3.20 %と、実測された元素重量比 :C; 70.64 %, H;
8.58%, N; 13.15 %とが良い一致を示した。
【0060】(実施例5) 1−n−オクチル−2−
(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−ヒポキサンチン 〔工程5.1〕中間生成物(5)を原料として、上記実
施例1の工程 1.6に記す操作に準じて、原料の中間生成
物(5)とp−トルエンスルホン酸n−オクチルとを、
塩基の炭酸カリウム存在下に溶媒DMF中において反応
させ、次いで精製し、式〔VIII〕においてRがn−オク
チル基である化合物、9−ベンジル−1−n−オクチル
−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ
メチルオキシフェニル)−ヒポキサンチンを回収した。
【0061】〔工程5.2〕工程 5.1に従い調製した式
〔VIII〕においてRがn−オクチル基である生成物を、
上記実施例1の工程 1.7に記す操作に準じてトリフルオ
ロ酢酸で酸処理することで、メトキシメチル基の脱離し
た式〔IX〕においてRがn−オクチル基である化合物を
得た。次に、得られた式〔IX〕においてRがn−オクチ
ル基である化合物を、上記実施例1の工程 1.8に記す操
作に準じて還元することで、最終生成物として、ベンジ
ルの脱離した一般式〔I〕においてRがn−オクチル基
である化合物、1−n−オクチル−2−(3、5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキ
サンチンの結晶を得た。前記の工程 5.1及び本工程 5.2
の各収率より、原料の中間生成物(5)に対する該最終
生成物の収率は、38%と見積もれた。
【0062】得られた該最終生成物の結晶を用い融点を
測定したところ、融点は 155.5℃と測定された。なお、
回収した結晶を溶媒に溶かし、 1H- NMRスペクトル
を測定したところ、 1H−NMR (DMSO-d6,δ pp
m) : 0.84 (3H,t), 1.20-1.60(10H,m), 1.46 (18H,s),
1.87 (2H,m), 4.65 (2H,t), 7.35 (1H,s), 8.25 (1H,
s), 8.28 (2H,s), 13.31 (1H,s) の各シグナルが見出さ
れ、一般式〔I〕においてRがn−オクチル基である当
該化合物の構造より予測されるシグナルと対応した。更
に、結晶を用い元素分析を行ったところ、当該化合物の
組成、C27404 2 、に対し予測される元素重量比
(計算値): C; 71.64 % ,H; 8.91% ,N; 12.38 %
と、実測された元素重量比 :C; 71.63 % ,H; 9.00%
,N; 12.33 %とが良い一致を示した。
【0063】(実施例6) 2−(3、5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェネチ
ル−ヒポキサンチン 〔工程6.1〕中間生成物(5)を原料として、上記実
施例1の工程1.6に記す操作に準じて、原料の中間生
成物(5)とp−トルエンスルホン酸フェネチルとを、
塩基の炭酸カリウム存在下に溶媒DMF中において反応
させ、次いで精製し、式[VIII]においてRがフェネチル
基である化合物、9−ベンジル−2−(3、5−ジ−t
ert−ブチル−4−メトキシメチルオキシフェニル)
−1−フェネチル−ヒポキサンチンを回収した。
【0064】〔工程6.2〕工程6.1に従い調製した
式[VIII]においてRがフェネチルである生成物を、上記
実施例1の工程1.7に記す操作に準じてトリフルオロ
酢酸で酸処理することで、メトキシメチル基の脱離した
式[IX]においてRがフェネチル基である化合物を得た。
次に、得られた式[IX]においてRがフェネチル基である
化合物を、上記実施例1の工程1.8に記す操作に準じ
て還元することで、最終生成物として、ベンジルの脱離
した一般式[I] においてRがフェネチル基である化合
物、2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェネチル−ヒポキサンチンの結
晶を得た。前記の工程6.1及び本工程6.2の各収率
より、原料の中間生成物(5)に対する該最終生成物の
収率は、39%と見積もれた。
【0065】得られた該最終生成物の結晶を用い融点を
測定したところ、融点は 155.5℃と測定された。なお、
回収した結晶を溶媒に溶かし、 1H−NMRスペクトル
を測定したところ、 1H−NMR (DMSO-d6,δpp
m):1.46(18H,s), 3.20(2H,m),4.88(2H,t), 7.36(1H,
s), 7.24-7.38(5H,m), 8.25(1H,s), 8.28(2H,s), 13.33
(1H,s) の各シグナルが見出され、一般式[I] において
Rがフェネチル基である当該化合物の構造より予測され
るシグナルと対応した。更に、結晶を用い元素分析を行
ったところ、当該化合物1分子当りに水 (H2 O) 1/4
分子が付加した組成、C27324 2 ・1/4 H2 O、
に対し予測される元素重量比(計算値): C; 72.21
%, H; 7.30%, N; 12.48 %と、実測された元素重量
比: C; 72.22%, H; 7.33%, N; 12.51 %とが良い
一致を示した。
【0066】(実施例7) 2−(3、5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチ
ン 〔工程7〕上記実施例6の工程6.2において、中間生
成物として得られる、式[IX]においてRがフェネチル基
である化合物、9−ベンジル−2−(3、5−ジ−te
rt−ブチル−4−メトキシメチルオキシフェニル)−
1−フェネチル−ヒポキサンチン、 4.28 g (8 mmol)を
DMF 50ml に溶解し、10重量%Pd-C 1gを加えた。
撹拌しつつ、該溶液にギ酸 5mlを加えて、60℃で6時
間撹拌した。その後、ス−パ−セル 2 gを加えて10分
間撹拌した後、該溶液中の固形物を濾過し、濾液を回収
した。この濾液よりDMFを減圧留去し、生成物を含む
残渣を得た。該残渣より、生成物をクロロホルムで抽出
し、該抽出液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液及び水を
用いて順次洗浄した。この抽出液より溶媒クロロホルム
を減圧留去し、生成物を含む残渣を得た。この残渣を溶
離液 クロロホルム:メタノ−ル=50容:1容の混合
液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィ−法によ
り精製し、更にエタノ−ル−水混合液から再結晶し、一
般式[I] においてRが水素原子である化合物、2−
(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−ヒポキサンチンの結晶を回収した。回収した生
成物結晶の重量は、2.44 gであり、原料の式[IX]におい
てRがフェネチル基である化合物に対する収率は、71%
であった。
【0067】得られた該最終生成物の結晶を用い融点を
測定したところ、融点は> 300℃と測定された。なお、
回収した結晶を溶媒に溶かし、 1H−NMRスペクトル
を測定したところ、 1H−NMR (DMSO-d6,δpp
m): 1.44(18H,s), 7.48 & 7.54(1H,s), 7.82(2H,s),
7.99 & 8.21(1H,s), 12.36& 12.43(1H,s), 13.16 &
13.38(1H,s)の各シグナルが見出され、一般式[I] にお
いてRが水素原子である当該化合物の構造より予測され
るシグナルと対応する。なお、当該化合物は、溶液中に
おいて、一般式[I] においてRが水素原子である9位N
H体とそれと共役関係にある7位NH体とが共存してお
り、 1H−NMRスペクトルに両者のスペクトルが重暈
されて観測されている。更に、結晶を用い元素分析を行
ったところ、当該化合物1分子当りに水 (H2 O) 2/3
分子が付加した組成、C19244 2 ・2/3 H2 O、
に対し予測される元素重量比(計算値): C; 64.75
%, H;7.25%, N; 15.90 %と、実測された元素重量
比: C; 64.89 %, H; 7.24%,N; 15.83 %とが良い
一致を示した。
【0068】(実施例8) 1−(3−カルボキシ−n
−プロピル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチン 式[VII] に示す中間生成物(5)を原料として、下記の
工程8.1〜8.3に従い、一般式[I] においてRが3
−カルボキシ−n−プロピル基であるヒポキサンチン誘
導体、1−(3−カルボキシ−n−プロピル)−2−
(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−ヒポキサンチンを調製した。
【0069】〔工程8.1〕原料の中間生成物(5)
5.70g (12mmol) をDMF 72 mlに加え懸濁し、該懸濁
液に炭酸カリウム 3.30g (24mmol) を加えて10分間撹
拌した。この液に、4−ブロモ酪酸エチル(4−ブロモ
−n−ブタン酸エチル)を 4.68g (24mmol) を加えて、
室温で20時間撹拌した。その後、該液に含まれるDM
Fを減圧留去し、生成物を含む残渣を得た。該残渣よ
り、生成物をクロロホルムで抽出し、該抽出液を水を用
い洗浄した。この抽出液より溶媒クロロホルムを減圧留
去し、再び生成物を含む乾燥した残渣を得た。この残渣
にメタノ−ル 25 ml及びジオキサン20 mlを加えて溶解
し、撹拌しつつ10N水酸化ナトリウム水溶液 5mlを加
え、引き続きその溶液を室温で6時間撹拌した。その
後、該溶液に6N塩酸 8mlを加え酸性にし、更に水 50m
l を加えることにより、生成物を析出させた。この析出
物を濾取し、乾燥した。得られた生成物は、式[VIII]に
おいてRが3−カルボキシ−n−プロピル基である化合
物、9−ベンジル−1−(3−カルボキシ−n−プロピ
ル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−メト
キシメチルオキシフェニル)−ヒポキサンチンである。
【0070】〔工程8.2〕工程8.1で得られる生成
物に20容量%トリフルオロ酢酸−ジクロロメタン混合
液 100mlを加えて、室温で2時間撹拌した。その後、該
液に含まれるジクロロメタンを減圧留去し、生成物を含
む残渣を得た。該残渣より、生成物をクロロホルムで抽
出し、該抽出液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液及び水
を用いて順次洗浄した。この抽出液より溶媒クロロホル
ムを減圧留去し、生成物を含む残渣を得た。この残渣を
溶媒エタノ−ル中で懸濁分散し、固形物として存在する
生成物を濾取し、乾燥した。得られた生成物は、式[IX]
においてRが3−カルボキシ−n−プロピル基である化
合物、9−ベンジル−1−(3−カルボキシ−n−プロ
ピル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−ヒポキサンチンであり、その回収
された重量は、3.92g であり、原料の中間生成物(5)
に対する収率は、 63 %であった。
【0071】〔工程8.3〕工程8.2で得られる生成
物 3.87g (7.5mmol)をDMF 35ml に溶解し、10重量
%Pd−C 1.0g を加えた。撹拌しつつ、該溶液にギ酸
3.5mlを加えて、室温で24時間撹拌した。その後、ス
−パ−セル 2g を加えて10分間撹拌した後、該溶液中
の固形物を濾過し、濾液を回収した。この濾液よりDM
Fを減圧留去し、生成物を含む残渣を得た。該残渣よ
り、生成物をクロロホルムで抽出し、該抽出液を炭酸水
素ナトリウム飽和水溶液及び水を用いて順次洗浄した。
この抽出液より溶媒クロロホルムを減圧留去し、生成物
を含む残渣を得た。この残渣を溶媒エタノ−ル中で懸濁
分散し、固形物として存在する生成物を濾取した。更
に、エタノ−ル−水混合液から再結晶し、一般式[I] に
おいてRが(3−カルボキシ−n−プロピル)基である
化合物、1−(3−カルボキシ−n−プロピル)−2−
(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−ヒポキサンチンの結晶を回収した。回収した生
成物結晶の重量は、 2.69 g であり、原料の式[IX]にお
いてRが3−カルボキシ−n−プロピル基である化合物
に対する収率は、84%であった。
【0072】得られた結晶を用い融点を測定したとこ
ろ、融点は 247-247.5℃と測定された。なお、回収した
結晶を溶媒に溶かし、 1H−NMRスペクトルを測定し
たところ、 1H−NMR (DMSO-d6,δppm): 1.46
(18H,s), 2.12(2H,m), 2.45(2H,t), 4.66(1H,s), 8.27
(3H,s), 12.18(1H,s), 13.33(1H,s)の各シグナルが見出
され、一般式[I] においてRが3−カルボキシ−n−プ
ロピル基である当該化合物の構造より予測されるシグナ
ルと対応する。更に、結晶を用い元素分析を行ったとこ
ろ、当該化合物の組成、C23304 4 、に対し予測
される元素重量比(計算値): C; 64.77 %, H; 7.09
%, N; 13.14 %と、実測された元素重量比: C; 64.7
8 %, H; 7.13%, N; 13.18 %とが良い一致を示し
た。
【0073】(実施例9) 1−(5−カルボキシ−n
−ペンチル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチン 〔工程9.1〕中間生成物(5)を原料として、上記実
施例8の工程8.1に記す操作に準じて、原料の中間生
成物(5)と6−ブロモ−n−ヘキサン酸エチルとを、
塩基の炭酸カリウム存在下に溶媒DMF中において反応
させ、次いで水酸化ナトリウムを用いてエステルを加水
分解し、式[VIII]においてRが5−カルボキシ−n−ペ
ンチル基である化合物、9−ベンジル−1−(5−カル
ボキシ−n−ペンチル)−2−(3、5−ジ−tert
−ブチル−4−メトキシメチルオキシフェニル)−ヒポ
キサンチンを回収した。
【0074】〔工程9.2〕工程9.2に従い調製した
式[VIII]においてRが5−カルボキシ−n−ペンチル基
である生成物を、上記実施例8の工程8.2に記す操作
に準じてトリフルオロ酢酸で酸処理することで、メトキ
シメチル基の脱離した式[IX]においてRが5−カルボキ
シ−n−ペンチル基である化合物を得た。次に、得られ
た式[IX]においてRが5−カルボキシ−n−ペンチル基
である化合物を、上記実施例8の工程8.3に記す操作
に準じて還元することで、最終生成物として、ベンジル
の脱離した一般式[I] においてRが5−カルボキシ−n
−ペンチル基である化合物、1−(5−カルボキシ−n
−ペンチル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチンの結晶を得
た。前記の工程9.1及び本工程9.2の各収率より、
原料の中間生成物(5)に対する該最終生成物の収率
は、 62 %と見積もれた。
【0075】得られた該最終生成物の結晶を用い融点を
測定したところ、融点は 231-232℃と測定された。な
お、回収した結晶を溶媒に溶かし、 1H−NMRスペク
トルを測定したところ、 1H−NMR (DMSO-d6
ppm) :1.46(18H,s) , 1.40-1.70(4H,m), 1.89(2H,m),
2.25(2H,t), 4.65(2H,t), 7.34(1H, s), 8.26(1H,s),
8.28(2H,s), 12.01(1H,s), 13.31(1H,s)の各シグナルが
見出され、一般式[I] においてRが5−カルボキシ−n
−ペンチル基である当該化合物の構造より予測されるシ
グナルと対応する。更に、結晶を用い元素分析を行った
ところ、当該化合物の組成、C25344 4 、に対し
予測される元素重量比(計算値): C; 66.05 %, H;
7.54%, N; 12.33 %と、実測された元素重量比 :C;
66.16 %, H; 7.58%, N; 12.25 %とが良い一致を示
した。
【0076】(実施例10) 1−(7−カルボキシ−
n−ヘプチル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチン 〔工程10.1〕中間生成物(5)を原料として、上記
実施例8の工程8.1に記す操作に準じて、原料の中間
生成物(5)と8−ブロモ−n−オクタン酸エチルと
を、塩基の炭酸カリウム存在下に溶媒DMF中において
反応させ、次いで水酸化ナトリウムを用いてエステルを
加水分解し、式[VIII]においてRが7−カルボキシ−n
−ヘプチル基である化合物、9−ベンジル−1−(7−
カルボキシ−n−ヘプチル)−2−(3、5−ジ−te
rt−ブチル−4−メトキシメチルオキシフェニル)−
ヒポキサンチンを回収した。
【0077】〔工程10.2〕工程10.2に従い調製
した式[VIII]においてRが7−カルボキシ−n−ヘプチ
ル基である生成物を、上記実施例8の工程8.2に記す
操作に準じてトリフルオロ酢酸で酸処理することで、メ
トキシメチル基の脱離した式[IX]においてRが7−カル
ボキシ−n−ヘプチル基である化合物を得た。次に、得
られた式[IX]においてRが7−カルボキシ−n−ヘプチ
ル基である化合物を、上記実施例8の工程8.3に記す
操作に準じて還元することで、最終生成物として、ベン
ジルの脱離した一般式[I] においてRが7−カルボキシ
−n−ヘプチル基である化合物、1−(7−カルボキシ
−n−ヘプチル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチンの結晶
を得た。前記の工程10.1及び本工程10.2の各収
率より、原料の中間生成物(5)に対する該最終生成物
の収率は、 59 %と見積もれた。
【0078】得られた該最終生成物の結晶を用い融点を
測定したところ、融点は 216-217℃と測定された。な
お、回収した結晶を溶媒に溶かし、 1H−NMRスペク
トルを測定したところ、 1H−NMR (DMSO-d6
ppm) : 1.46(18H,s), 1.20-1.60 (8H,m), 1.88(2H,m),
2.19(2H,t), 4.65(2H,t), 7.33(1H,s), 8.25(1H,s), 8.
28(2H,s), 11.97(1H,s), 13.31(1H,s)の各シグナルが見
出され、一般式[I] においてRが7−カルボキシ−n−
ヘプチル基である当該化合物の構造より予測されるシグ
ナルと対応する。更に、結晶を用い元素分析を行ったと
ころ、当該化合物1分子当りに水 (H2 O) 1/5 分子が
付加した組成、C27384 4 ・1/5 H2 O、に対し
予測される元素重量比(計算値): C; 66.69 %, H;
7.96%, N; 11.53 %と、実測された元素重量比 :C;
66.85 %, H; 7.94%, N; 11.40%とが良い一致を示
した。
【0079】(実施例11) 1−(4−カルボキシベ
ンジル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチン 式[VII] 示す中間生成物(5)を原料として、下記の工
程11.1〜11.3に従い、一般式[I] においてRが
4−カルボキシベンジル基であるヒポキサンチン誘導
体、1−(4−カルボキシベンジル)−2−(3、5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−ヒ
ポキサンチンを調製した。
【0080】〔工程11.1〕原料の中間生成物(5)
1.42g(3mmol)をDMF 18ml に加え懸濁し、該懸濁液に
炭酸カリウム 829mg(6mmol) を加えて10分間撹拌し
た。この液に、4−ブロモメチル安息香酸メチルを 1.3
7g(6mmol) を加えて、室温で20時間撹拌した。その
後、該液に含まれるDMFを減圧留去し、生成物を含む
残渣を得た。該残渣より、生成物をクロロホルムで抽出
し、該抽出液を水を用い洗浄した。この抽出液より溶媒
クロロホルムを減圧留去し、再び生成物を含む乾燥した
残渣を得た。この残渣にメタノ−ル 15ml 及びジオキサ
ン 12ml を加えて溶解し、撹拌しつつ10N水酸化ナト
リウム水溶液 3mlを加え、引き続きその溶液を室温で6
時間撹拌した。その後、該溶液に6N塩酸 5mlを加え酸
性にした。この溶液より溶媒のメタノ−ル及びジオキサ
ンを減圧留去し、得られた残渣より生成物をクロロホル
ムで抽出し、該抽出液を水を用い洗浄した。更に、該抽
出液水溶媒クロロホルムを減圧留去し、残渣を得た。残
渣として回収された生成物は、式[VIII]においてRが4
−カルボキシベンジル基である化合物、9−ベンジル−
1−(4−カルボキシベンジル)−2−(3、5−ジ−
tert−ブチル−4−メトキシメチルオキシフェニ
ル)−ヒポキサンチンである。
【0081】〔工程11.2〕工程11.1で残渣とし
て回収される生成物に20容量%トリフルオロ酢酸−ジ
クロロメタン混合液 50ml を加えて、室温で2時間撹拌
した。その後、該液に含まれるジクロロメタンを減圧留
去し、生成物を含む残渣を得た。該残渣より、生成物を
クロロホルムで抽出し、該抽出液を炭酸水素ナトリウム
飽和水溶液及び水を用いて順次洗浄した。この抽出液よ
り溶媒クロロホルムを減圧留去し、生成物を含む残渣を
得た。この残渣を溶媒エタノ−ル中で懸濁分散し、固形
物として存在する生成物を濾取し、乾燥した。得られた
生成物は、式[IX]においてRが4−カルボキシベンジル
基である化合物、9−ベンジル−1−(4−カルボキシ
ベンジル)−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−ヒポキサンチンであり、その
回収された重量は、825mg であり、原料の中間生成物
(5)に対する収率は、49%であった。
【0082】〔工程11.3〕工程11.2で得られる
生成物 564mg(1.0mmol) をDMF 6mlに溶解し、10重
量%Pd−C 300mgを加えた。撹拌しつつ、該溶液にギ
酸 0.6mlを加えて、室温で36時間撹拌した。その後、
ス−パ−セル 1g を加えて10分間撹拌した後、該溶液
中の固形物を濾過し、濾液を回収した。この濾液よりD
MFを減圧留去し、生成物を含む残渣を得た。該残渣よ
り、生成物をクロロホルムで抽出し、該抽出液を炭酸水
素ナトリウム飽和水溶液及び水を用いて順次洗浄した。
この抽出液より溶媒クロロホルムを減圧留去し、生成物
を含む残渣を得た。この残渣を溶離液ジクロロメタン:
メタノ−ル=50容:1容の混合液を用いてシリカゲル
カラムクロマトグラフィ−法により精製し、更に再結晶
し、一般式[I] においてRが(4−カルボキシベンジ
ル)基である化合物、1−(4−カルボキシベンジル)
−2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−ヒポキサンチンの結晶を回収した。回収
した生成物結晶の重量は、 65mg であり、原料の式[IX]
においてRが4−カルボキシベンジル基である化合物に
対する収率は、14%であった。
【0083】得られた結晶を用い融点を測定したとこ
ろ、融点は 297-298℃と測定された。なお、回収した結
晶を溶媒に溶かし、 1H−NMRスペクトルを測定した
ところ、 1H−NMR (DMSO-d6,δppm) : 1.44(1
8H,s), 5.82(2H, s), 7.33(1H,s), 7.66(2H,d), 7.96(2
H,d), 8.22(2H,s), 8.34(1H,s), 12.96(1H,s) , 13.40
(1H,s) の各シグナルが見出され、一般式[I] において
Rが4−カルボキシベンジル基である当該化合物の構造
より予測されるシグナルと対応した。更に、結晶を用い
元素分析を行ったところ、当該化合物1分子当りに水
(H2 O) 1分子が付加した組成、C27304 4
2 O、に対し予測される元素重量比(計算値): C;
65.83 %, H; 6.55%, N; 11.38 %と、実測された元
素重量比 :C;65.97 %, H; 6.23%, N; 11.33 %と
が良い一致を示した。
【0084】本発明のヒポキサンチン誘導体の有する生
物活性を検証するため、脂質過酸化防止効果、TXA2
合成防止作用、好中球接着防止作用、エンドトキシン誘
発致死に対する作用、及び馬杉腎炎に対する効果を評価
した。上記の実施例に記載する化合物に対する試験例を
以下に述べる。
【0085】(試験例1)(活性酸素除去作用) 本発明のヒポキサンチン誘導体が、活性酸素除去作用を
有することを検証するため、下記の方法により脂質過酸
化防止効果を評価した。Kharaschらの方法(J. Biol. Ch
em. 260., 10645 (1985)を参照) に準じて、フェントン
反応により生成するヒドロキシラジカル(・OH) に起因す
る、リノレイン酸から共役ジエンに酸化される反応を阻
害する効果を測定した。測定の手順は、先ず、リノレイ
ン酸、NaCl、H2O2、ルブロ−ル、及び当該被験化合物の
それぞれ所定量を水とDMSOとの混合溶媒に予め溶解した
溶液に、所定量のFeCl2 を予め溶解した溶液を添加混合
し、反応を開始する。なお、該反応液中において、リノ
レイン酸が 1.0 mM 、NaClが 30 mM、H2O2が 100μM 、
FeCl2 が80μM 、ルブロ−ルが0.08%、及びDMSOが1容
積%の初期濃度をそれぞれ示すべく、反応液を調製す
る。その後、該反応液中で生成する共役ジエンに因る 2
34 nm の吸光度の経時的変化を測定する。反応液中に被
験化合物を溶解してない場合に測定される反応速度と、
所定量の被験化合物を溶解している場合に測定される反
応速度との差より、阻害率を算出する。なお、前記反応
速度の差が零の場合、阻害率0%とし、反応速度が零の
場合、阻害率100%と阻害率を定義する。
【0086】前記する該被験化合物の濃度を種々に選
び、阻害率を求め、阻害率 50%が得られる該被験化
合物の初期濃度(IC50)を回帰により求める。IC50
値を用いて、脂質過酸化防止効果を評価した。実施例1
〜実施例11に記した化合物のIC50値を表1に示す。
また、対比の化合物として、プロブコ−ルのIC50値を
測定した結果も併せて表1に示す。
【0087】
【表1】 ──────────────────────────── 被験化合物 IC50 (M) ──────────────────────────── 実施例1の化合物 3.5×10-6 実施例2の化合物 3.4×10-6 実施例3の化合物 3.5×10-6 実施例4の化合物 3.7×10-6 実施例5の化合物 5.4×10-6 実施例6の化合物 3.5×10-6 実施例7の化合物 3.4×10-6 実施例8の化合物 4.0×10-6 実施例9の化合物 3.6×10-6 実施例10の化合物 3.7×10-6 実施例11の化合物 3.9×10-6 プロブコ−ル(対比の化合物) 2.5×10-6 ────────────────────────────
【0088】なお、上記の評価法では、主に該被験化合
物と活性酸素種であるヒドロキシラジカルとが反応し、
反応液中のヒドロキシラジカル濃度を低下する結果、リ
ノレイン酸の酸化反応が阻害を受ける効果を評価すると
考えられている。加えて、例えば下記の反応(a)〜
(d)の反応で生成するその他の活性酸素種 (HOCl (ピ
ポクロライド) 、OO- (ス−パ−オキサイドラジカル)
、O2* (102 一重項酸素)等) も、該被験化合物と反
応し失活すると考えられる。
【0089】反応(a) Cl- + ・ OH → Cl ・ + -OH Cl・ + Cl・ → Cl2 Cl2 + - OH→ Cl- HOCl 反応(b) Fe3+ + H2O2 → Fe3+ -OOH + H+ Fe3+-OOH → Fe2+ + OOH OOH → OO- + H+ 反応(c) 2OO - + H + -OOH + O2* 反応(d) HOCl + -OOH → H2O + Cl- + O2*
【0090】表1に示す結果より、本発明のヒポキサン
チン誘導体である実施例1〜実施例11に記した化合物
は、脂質過酸化防止効果を有することが判る。また、活
性酸素除去作用を有することが検証される。更には、実
施例1〜実施例11に記した化合物の活性酸素除去作用
は、対比の化合物、プロブコ−ルと比較し得るほど高い
ことが判る。
【0091】(試験例2)(TXA2 合成防止作用) 本発明のヒポキサンチン誘導体が、アラキドン酸の代謝
物として生成するTXA2 の合成防止作用を有すること
を検証するため、下記の方法によりTXA2 生成阻害効
果を評価した。
【0092】TXA2 (トロンボキサンA2 )は、アラ
キドン酸カスケ−ドにおいて、シクロオキシゲナ−ゼ酵
素系で生成する環状ペルオキシド(PGH2 )を経て、
TXA2 合成酵素により合成されると報告されている。
本例の方法では、粗TXA2合成酵素源を次の方法で調
製した。健常人より採血した血液を200Gで15分間
遠心分離する。得られる上澄のみを、更に2000Gで
10分間遠心分離する。分離する沈殿物を採取し、それ
に0.01Mリン酸緩衝液を加えてホモジナイズする。
次に1000Gで10分間遠心分離し、上澄のみを採取
する。該上澄液を、以後の操作ではそのまま粗TXA2
合成酵素源として用いる。所定の酵素活性量を示す粗T
XA2 合成酵素源に、標識したアラキドン酸及び当該被
験化合物のそれぞれ所定量を加え、反応液とする。該反
応液を、37℃で10分間インキュベ−ションした後、
反応液中に生成するTXA2 の量を市販の測定キット
(アマシャム社製 RIAキット)を用い、RIA法で
測定する。なお、反応液中に被験化合物を溶解してない
場合に測定されるTXA2 生成量と、所定量の被験化合
物を溶解している場合に測定されるTXA2 生成量との
差より、阻害率を算出する。前記TXA2 生成量の差が
零の場合、阻害率0%とし、TXA2 生成量が粗TXA
2 合成酵素を含まない (ブランク群) と同じ場合、阻害
率100%と阻害率を定義する。
【0093】前記する該被験化合物の初期濃度を種々に
選び、阻害率を求め、阻害率50%が得られる該被験化
合物の初期濃度(IC50)を回帰により求める。このI
50値を用いて、TXA2 生成阻害効果を評価した。表
2に、実施例1〜11に記した化合物の内、特に高い脂
質過酸化防止効果を有する化合物のIC50値を例示す
る。また、対比の化合物として、塩酸オザグレルのIC
50値を測定した結果も併せて表2に示す。なお、塩酸オ
ザグレルは、文献 J. Med. Chem. 24., 1139〜1149 (19
81) に記載された化合物であり、TXA2 生成阻害効果
の極めて高いことが報告されている。
【0094】
【表2】 ──────────────────────────── 被験化合物 IC50 (M) ──────────────────────────── 実施例1の化合物 8.63×10-7 実施例2の化合物 1.57×10-7 実施例3の化合物 1.74×10-7 実施例4の化合物 9.42×10-7 実施例6の化合物 6.81×10-7 塩酸オザグレル (対比の化合物) 0.17×10-7 ─────────────────────────────
【0095】本発明のヒポキサンチン誘導体である実施
例1〜実施例11に記した化合物は、何れもTXA2
成阻害効果を有するが、特に表2に結果を示すとおり、
特に高い脂質過酸化防止効果を有する化合物の内でも、
実施例2及び3に記した化合物が際立つTXA2 生成阻
害効果を有することが評価される。なお、本発明のヒポ
キサンチン誘導体が示すTXA2 生成阻害効果は、上記
のアラキドン酸カスケ−ドにおいて、シクロオキシゲナ
−ゼ酵素系による環状ペルオキシド(PGH2)の生成
過程、或いは環状ペルオキシド(PGH2 )からTXA
2 合成酵素によりTXA2 が合成される過程を阻害する
ことに因ると予想される。
【0096】(試験例3)(好中球接着防止作用) 本発明のヒポキサンチン誘導体が、好中球と内皮細胞と
の接着を阻害することを検証するため、下記の方法によ
り血管内皮細胞に対する好中球接着防止の効果を評価し
た。
【0097】本評価法では、好中球としてラット腹腔好
中球を用い、血管内皮細胞としてヒト臍帯静脈血管内皮
細胞を用いる。なお、本評価法は、生物薬科学実験講
座、第12巻、「炎症とアレルキ−2」 第7章 好中
球 廣川書店 に記載される方法に準じている。該ラッ
ト好中球は、分離精製し、予め199培地中で培養す
る。次に51Crで標識し、好中球浮遊液は、0.1%
(w/v)BSA−199培地中に所定の密度(3×1
6 個/500μl)となるべく調製する。ヒト臍帯静脈
血管内皮細胞は、産婦人科より入手したヒト臍帯の臍帯
静脈内より分離回収する。得られる内皮細胞のペレット
を20%FBS−199培地中で培養する。
【0098】上記の血管内皮細胞をコンフルエントに達
するまで培養し、コンフルエントとなった内皮細胞
(1.5×105 個/ウエル)に、予め調製した当該被
験化合物及び好中球接着の惹起剤トロンビンを含む0.
1%(w/v)BSA−199培地500μl を添加
し、直ちに好中球浮遊液500μl を加えてよく分散さ
せる。なお、前記の試験液中、トロンビンの終濃度は、
1U/mlに選び、該被験化合物はDMSO溶液を用
い、試験液中のDMSO濃度は0.1%(v/v)とし
た。該試験液を、5%CO2 インキュベ−タ−を用い、
37℃で20分間静置培養する。培養終了後、直ちに未
接着の好中球を浮遊し、ピペットを用い吸引除去する。
その後、0.25%トリプシン−0.01%EDTA液
400μl を加えて37℃で10分間静置処理し、残る
接着している好中球を、内皮細胞より分離する。該試験
液を氷冷し、0.1% calf serum 含有199培地10
0μl を添加しトリプシンの反応を停止する。次いで、
0.1%NaOH溶液400μl を加えて、分離した好
中球を放射能測定用試験管に移し取り、51Crで標識し
た好中球による全放射能量を測定する。この測定値の当
初好中球浮遊液500μl より測定される全放射能量に
対する割合より、接着の指標を算出する。なお、反応液
中に被験化合物を溶解してない場合に測定される接着の
指標と、所定量の被験化合物を溶解している場合に測定
される接着の指標との差より、抑制率を算出する。前記
接着の指標差が零の場合、抑制率0%とし、接着の指標
が惹起剤トロンビンを添加しない(ブランク群)と等し
い場合、抑制率100%と抑制率を定義する。
【0099】前記する該被験化合物の最終濃度を種々に
選び、最終濃度と抑制率との間の相関を調べ、血管内皮
細胞に対する好中球接着防止の効果を評価した。表3
に、最終濃度を10μMに選んだ結果を例示する。
【0100】
【表3】 ────────────────────────────── 被験化合物 最終濃度(μM) 抑制率(%) ────────────────────────────── 実施例1の化合物 10 48 実施例2の化合物 10 57 実施例3の化合物 10 51 実施例4の化合物 10 49 実施例5の化合物 10 7 実施例6の化合物 10 41 実施例7の化合物 10 26 実施例8の化合物 10 31 実施例9の化合物 10 28 実施例10の化合物 10 28 ──────────────────────────────
【0101】血管内皮細胞は、上記のトロンビン或はヒ
スタミンなどの刺激により好中球の接着を増強すること
が報告されている。また、PAF拮抗作用を有する薬剤
は、トロンビン或はヒスタミンなどの刺激による好中球
の血管内皮細胞への接着を、阻害する作用を示すことが
報告されている。即ち、当該ヒポキサンチン誘導体は、
下記の試験例4に示すように、PAF拮抗作用を有する
ので、PAF 依存性の好中球- 内皮細胞接着の過程を抑制
したとも考えられる。
【0102】(試験例4) (PAF拮抗作用) 本発明のヒポキサンチン誘導体が、PAF拮抗作用を有
することを検証するため、PAF誘発の血小板凝集を阻
害する作用を評価した。
【0103】本評価法では、血小板を含む血漿として、
ウサギより採血した血液に、血液9容に対して3.8%
クエン酸ナトリウム溶液1容を添加混合し、2000 r
pmで3分間遠心分離して得られる多血小板血漿(PR
P)を用いる。該PRP200μl 及び当該被験化合物
の所定量を含む溶液25μl を血小板凝集測定装置の専
用キュベットに入れ混合し、この混合液を2分間インキ
ュベ−トする。その後、該混合液にPAFの所定量を含
む溶液25μl を加え、得られる試験液中にPAF誘発
の血小板凝集を起こす。なお、PAFは該試験液中にお
ける濃度が10nMとなる量を用いた。PAF誘発の血
小板凝集に対する阻害率は、試験液中に起こる血小板凝
集に伴う透過度変化より算定する。当該被験化合物を試
験液中に加えていない場合(ブランク群)と等しい透過
度変化が測定されるとき、阻害率0%とし、透過度変化
が測定されないとき、阻害率100%と阻害率を定義す
る。
【0104】前記する該被験化合物の試験液中の濃度を
種々に選び、濃度と阻害率との間の相関を調べ、PAF
誘発の血小板凝集を阻害する作用を評価した。表4に、
濃度を30μMに選んだ結果を例示する。また、対比の
化合物として、 CV-3988 (rac-3-(N-n-octadecylcarbam
oyl)-2-methoxypropyl-2-thiazolioethylphosphate)の
阻害率を測定した結果も併せて表4に示す。なお、CV-3
988 は、血小板活性化因子 (PAF) の acetyl glycer
yl ether phosphorylcholine 類縁体であり、高いPA
F拮抗作用を示すことが報告されている(Life Science
s, vol.32, 1975 〜1982 (1983) を参照) 。
【0105】
【表4】 ──────────────────────────────── 被験化合物 濃度(μM) 抑制率(%) ──────────────────────────────── 実施例1の化合物 30 46 実施例2の化合物 30 57 実施例3の化合物 30 78 実施例4の化合物 30 61 実施例5の化合物 30 15 実施例6の化合物 30 35 実施例7の化合物 30 5 実施例8の化合物 30 5 実施例9の化合物 30 2 実施例10の化合物 30 4 実施例11の化合物 30 53 CV-3988 ( 対比の化合物) 30 78 ────────────────────────────────
【0106】本発明のヒポキサンチン誘導体である実施
例1〜実施例11に記した化合物の内、表4に結果を示
すとおり、実施例1〜4及び11に記した化合物が際立
つ阻害効果を有することが評価される。なお、本発明の
ヒポキサンチン誘導体が示すPAF誘発の血小板凝集に
対する阻害作用は、対比の化合物 CV-3988と同じく、高
いPAF拮抗作用に因ると予想される。
【0107】(試験例5)(エンドトキシン誘発致死に
対する作用) 本発明のヒポキサンチン誘導体が、エンドトキシン誘発
の内皮細胞障害を抑制する作用を有することを検証する
ため、下記の方法によりエンドトキシン誘発致死に対す
る抑制効果を評価した。
【0108】本評価法では、エンドトキシン誘発の内皮
細胞障害を、エンドトキシンとしてLPS( E. coli 0
55 : B5 )を用い、ICR系雄性マウスの腹腔内に投与
することで惹起する。被検体マウスの体重を予め秤り、
体重当りのLPS投与量は15mg/kgとなるべく定
める。該LPS投与後、4日間にエンドトキシン誘発致
死した検体数と検体総数との差を、検体総数で除して生
存率と定義する。当該被験化合物は、体重当りの投与量
を所定の値に採り、惹起(LPS投与)の30分間前、
及び惹起後8時間経過した2時点に、各所定の投与量を
通合2回経口投与する。なお、該被験化合物を、0.5
%CMC−Na水溶液に懸濁したものを投与する。
【0109】前記する該被験化合物の体重当り投与量を
種々に選び、投与量と生存率との間の相関を調べ、エン
ドトキシン誘発致死に対する抑制効果を評価した。表5
に、実施例2の化合物に対する結果を例示する。なお、
該被験化合物の体重当り投与量が零(0.5%CMC−
Na水溶液のみを投与)の場合を、参照群として併せて
表5に示す。投与量の増加に従い、生存率の上昇が明確
に見出される。即ち、エンドトキシン誘発致死に対する
抑制効果があると評価される。
【0110】
【表5】 ────────────────────────────── 群 投与量(mg/kg) 生存率(%) ────────────────────────────── (参照群) (0) 50 実施例2 100 68 の化合物 300 75 ──────────────────────────────
【0111】なお、エンドトキシンに起因する内皮細胞
障害は、先ずエンドトキシンによる補体活性化が起こ
り、その結果生じる、例えばC5a などが、好中球、マ
クロファ−ジを活性化し、これらの食細胞より生成され
た活性酸素、PAFなどが内皮細胞障害を引き起こすと
されている。更には、活性化したマクロファ−ジよりの
腫瘍壊死因子(TNF)は、好中球よりの活性酸素産生
を惹起するため、細胞障害を増悪させるとされている。
一方、活性酸素そのものが細胞接着分子の発現を誘導す
ること、又、活性酸素より生成するH2O2は、内皮細胞の
PAF合成を誘導し、PAF依存性の好中球- 内皮細胞
接着を惹起させるとも報告させている。加えて、好中球
- 内皮細胞接着により、好中球よりの活性酸素生産能が
増加するとの報告もあり、又、活性酸素より生成するH2
O2自体も、補体活性化を起こし、その結果C5a が生じ
るとの報告もある。このように、エンドトキシンに起因
する内皮細胞障害では、上記の各機構が互いに関連して
炎症反応を増幅すると考えられる。本発明のヒポキサン
チン誘導体は、その活性酸素除去作用により、活性酸素
を低減させ、且つ好中球接着防止作用により、細胞障害
の初期過程をも抑制するため、エンドトキシンに起因す
る内皮細胞障害の軽減効果或は増悪の防止効果を生ずる
と考えられる。本例で示すエンドトキシン誘発致死に対
する作用の評価結果は、上記の防止効果を反映してい
る。
【0112】(試験例6)(馬杉腎炎に対する効果) 本発明のヒポキサンチン誘導体が、馬杉腎炎を抑制する
効果を有することを検証するため、下記の方法により馬
杉腎炎に対する抑制効果を評価した。
【0113】本評価法では、9週令SD系雄性ラット
に、抗GBM(基底膜)血清を投与することにより馬杉
腎炎を惹起した。なお、用いた抗GBM血清は、「腎と
透析」31巻、臨時増刊号、p202-206 (1991)に記載の
方法に従って調製した。抗GBM血清の投与は、惹起用
量 0.15ml/300g を静脈内投与した。当該被験化合物
は、体重当りの投与量を所定の値に採り、0.5%CM
C−Na水溶液に懸濁し、惹起(抗GBM血清投与)の
前日より、7日間に亘って1 日1回経口投与した。一
方、対照群には、同じ用量の媒体0.5%CMC−Na
水溶液のみを投与した。前記の被験化合物投与期間中、
24時間毎に蓄尿を採取し、尿中の蛋白量を測定した。
投与終了後、惹起後7日目に採血し、常法に従って血清
を調製して、BUN、総コレステロール、及び中性脂肪
を測定した。
【0114】前記する該被験化合物の体重当り投与量を
種々に選び、投与量と尿中の蛋白量との間の相関を調
べ、馬杉腎炎に対する抑制効果を評価した。表6に、実
施例2の化合物に対する結果を例示する。該被験化合物
の体重当り投与量が零(0.5%CMC−Na水溶液の
みを投与)の参照群と比較すると、投与量の増加に従
い、尿蛋白量の上昇が明確に抑制されている。馬杉腎炎
に対して、用量依存的な抑制効果を持つことが明らかに
なった。また、表7に例示する、惹起後7日目の血清
中、BUN、総コレステロール、及び中性脂肪の各濃度
を見ると、対照群と比較して、それぞれの濃度は、用量
依存的に低い値となっている。これら血清中パラメ−タ
−に対する増加抑制効果も、馬杉腎炎に対して、用量依
存的な抑制効果を持つことを反映している。
【0115】
【表6】 ────────────────────────────────── 投与量 尿蛋白量 ──────────────────── 群 (mg/kg) 惹起前日 惹起3日目 惹起5日目 ────────────────────────────────── (対照群) (0) 12.2±1.1 74.1±25.6 72.1±25.7 実施例2 30 10.5±0.8 49.0±16.7 52.8±16.7 の化合物 100 12.2±2.5 14.5±1.7 * 14.3±1.0 * ────────────────────────────────── 数値は平均値±標準誤差を表わし、単位は mg/日を意味
する。 * ; p<0.05
【0116】
【表7】 ───────────────────────────────── 血清中パラメ−タ− ───────────────────── 投与量 BUN 総コレステ 中性脂肪 群 (mg/kg) ロ−ル ───────────────────────────────── (対照群) (0) 27.6 ±0.9 75±3 161 ±25 実施例2 30 26.9 ±0.7 72±6 125 ±20 の化合物 100 23.6 ±1.6 * 66±2 * 60 ±4 ** ───────────────────────────────── 数値は平均値±標準誤差を表わし、単位は mg/dlを意味
する * ; p<0.05, ** ; p<0.01
【0117】本試験例の馬杉腎炎においては、抗GBM
血清の投与に伴い、免疫学的機序による腎臓組織、特に
糸球体組織障害が惹起される。また、免疫複合体の沈
着、又は結合による補体活性化、その結果生じる白血球
細胞の活性化、更には、糸球体内皮細胞、メサンギウム
細胞や白血球細胞より産生される活性酸素種による組織
障害の増悪など、各機構が互いに関連して炎症反応を増
幅すると考えられる。上述した馬杉腎炎を有効に抑制す
る効果は、本発明のヒポキサンチン誘導体の有する作
用、すなわち脂質過酸化防止効果、TXA2 合成防止作
用、好中球接着防止作用、PAF拮抗作用による効果を
反映している。
【0118】上記の試験例に例示するように、本発明の
ヒポキサンチン誘導体は、脂質過酸化防止効果、TXA
2 合成防止作用、好中球接着防止作用、PAF拮抗作
用、及びエンドトキシン誘発致死に対する作用、及び馬
杉腎炎に対する効果を有することが検証される。
【0119】前記の本発明のヒポキサンチン誘導体が有
する生物活性から、下記の作用をも持つと予測できる。
活性化した白血球(好中球など)の産出するプロテア−
ゼ(エラスタ−ゼなど)を阻害する蛋白質(プロテア−
ゼインヒビタ−)が組織や血液中に存在しているが、こ
の蛋白質の一つであるα1 アンチトリプシンの活性中心
であるメチオニンは、好中球のアズ−ル顆粒内にある m
yeloperoxidase ( MPO)の存在下に H2O2 とCl- とから
生成される HOCl により酸化障害され、結果的にプロテ
ア−ゼ(エラスタ−ゼなど)による組織障害が増幅する
とされている。本発明のヒポキサンチン誘導体は、活性
酸素除去作用を有するので、前記するα1 アンチトリプ
シン等の蛋白質(プロテア−ゼインヒビタ−)が酸化障
害される過程を阻害するため、プロテア−ゼによる組織
障害の惹起ならびに増幅を抑制する効果が予測される。
更には、これらの白血球(好中球など)の産出するプロ
テア−ゼ活性を阻害(または拮抗)する効果に付随し
て、白血球がプロテア−ゼにより細胞外基質を溶かし、
血管外に浸出し組織に到達する過程、或いは白血球のエ
ラスタ−ゼが血管内皮細胞の細胞内Ca濃度を上昇さ
せ、細胞収縮反応を起こし、形態変化をもたらし、その
結果、血管透過性が昂進する過程をも抑制する効果が予
測される。
【0120】以上述べたように、本発明のヒポキサンチ
ン誘導体は、組織障害の惹起に直接関与する活性酸素を
除去作用を有することが判る。更には、血管透過性の昂
進と白血球など炎症細胞の組織へ浸潤を抑制する効果を
有すると予測される。同時に、組織障害の端所となる白
血球の内皮細胞への接着を抑制する効果に優れ、更に炎
症反応を未然に防止する或いはその増幅を防止する効果
に優れている。
【0121】(製剤例)本発明のヒポキサンチン誘導体
を有効成分とする経口錠剤の製剤例を示す。一例とし
て、実施例2の化合物の粉体、並びに薬理的に許容され
る添加剤粉体などを用い、常法により下記する表8の組
成からなる錠剤を調製した。
【0122】
【表8】 ────────────────────────── 一錠当りの含有量 ────────────────────────── 実施例2の化合物 100mg ラクトース 100mg 馬鈴薯デンプン 30mg ヒドロキシプロピルセルロース 5mg ステアリン酸マグネシウム 5mg ──────────────────────────
【0123】
【発明の効果】本発明のヒポキサンチン誘導体は上記の
生物活性を示すので、本発明のプリン誘導体又はその薬
理的に許容される塩を含んでなる薬剤は、活性化した白
血球(好中球など)の放出する活性酸素やTXA2 など
のメディエ−タ−による組織障害に起因する炎症反応を
抑える効果を示し、また白血球(好中球や好酸球など)
が内皮細胞に接着することにより起こる、活性化した白
血球(好中球)による炎症反応の増幅をも抑制する効果
を示す。即ち、炎症の初期における活性酸素やTXA2
などのメディエ−タ−による組織障害を軽減し、引き続
く活性化した白血球の患部細胞への接着に伴う炎症反応
の増悪化を防止でき、白血球に起因する炎症性疾患のど
の段階においても炎症を抑制する薬剤として有効性を示
す利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/52 ACV ADA (72)発明者 佐藤 英晴 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 株式 会社ジャパンエナジー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式〔I〕 【化1】 (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜10の直鎖アルキ
    ル基、分枝を有する炭素数3〜10のアルキル基、一つ
    のカルボキシル基を置換してなる炭素数1〜10のカル
    ボキシル基置換アルキル基、4−カルボキシルベンジル
    基、及びフェネチル基からなる群より選択される何れか
    一つの基を表す)で表される化合物、又は該化合物の薬
    理的に許容される塩であるヒポキサンチン誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のヒポキサンチン誘導体
    を有効成分として含んでなる炎症性疾患の抑制剤。
  3. 【請求項3】 ヒポキサンチン誘導体が2−(3、5−
    ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1
    −n−プロピル−ヒポキサンチン又は1−n−ブチル−
    2−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
    フェニル)−ヒポキサンチン、或いは前記2種のヒポキ
    サンチン誘導体の薬理的に許容される塩からなる群より
    選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴と
    する請求項2に記載の炎症性疾患の抑制剤。
JP7465195A 1994-03-28 1995-03-07 ヒポキサンチン誘導体及び炎症性疾患の抑制剤 Pending JPH07316157A (ja)

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EP95301978A EP0675124A3 (en) 1994-03-28 1995-03-24 Purine derivatives and agents for suppressing inflammatory diseases.
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6310070B1 (en) 1997-07-15 2001-10-30 Japan Energy Corporation Purine derivatives and medicinal use thereof

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