JPH07315806A - 二酸化塩素ガスの吸蔵器具 - Google Patents

二酸化塩素ガスの吸蔵器具

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JPH07315806A
JPH07315806A JP6118097A JP11809794A JPH07315806A JP H07315806 A JPH07315806 A JP H07315806A JP 6118097 A JP6118097 A JP 6118097A JP 11809794 A JP11809794 A JP 11809794A JP H07315806 A JPH07315806 A JP H07315806A
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JP
Japan
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chlorine dioxide
dioxide gas
silicone rubber
container
gas
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JP6118097A
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English (en)
Inventor
Masayuki Yoshida
雅之 吉田
Toshiaki Hoshino
俊明 星野
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 気体出入用の1以上の開口部をもち、全体と
して密閉できる容器と、該容器中に入れられたシリコー
ンゴム又は二酸化塩素ガスを吸蔵させたシリコーンゴム
とを有する二酸化塩素ガスの吸蔵用器具。前記吸蔵用器
具に二酸化塩素ガスを吸蔵した二酸化塩素ガスの吸蔵器
具。前記吸蔵器具において、二酸化塩素ガスを吸蔵させ
たシリコーンゴムを有する吸蔵器具の製造方法。前記吸
蔵器具を用いた二酸化塩素ガスによる殺菌又は消臭方
法。 【効果】 吸蔵用器具内のシリコーンゴムがその体積の
50倍を超える量の二酸化塩素ガスを吸蔵するので、二
酸化塩素ガスの保存及び運搬が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二酸化塩素ガスの保存
及び運搬用として有用な二酸化塩素ガスの吸蔵用器具、
二酸化塩素ガスを吸蔵させた吸蔵器具、前記吸蔵器具の
製造方法、更に前記吸蔵器具に吸蔵させた二酸化塩素ガ
スを所望の被殺菌環境において放出させる殺菌又は消臭
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化塩素ガスは、従来より消毒剤や漂
白剤として広く利用されている。しかし、二酸化塩素ガ
スは熱や光に対して非常に不安定で分解し易く、また、
有機物との接触により爆発する性質を有している。この
ため、取扱いが煩雑なボンベに少量が充填保存されてい
るほかは、亜塩素酸塩の酸化等の方法で、使用の都度、
発生させているのが現状である。
【0003】このような二酸化塩素ガスの取扱いについ
ての問題点を改善すべく、本出願人は、先に、簡便な塩
素系ガス発生器具を提案している(特開平5−2373
65号公報参照)。この技術の開発により、二酸化塩素
ガスの取扱いについての不便さは著しく改善されたが、
更に一歩進めて、より簡便な手段で二酸化塩素ガス自体
を保存、運搬できる技術の開発が切望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、簡便な手段で二酸化塩素ガスを保存及び運搬
できる吸蔵用器具を提供することを目的とする。また、
本発明は、前記吸蔵用器具に二酸化塩素ガスを吸蔵した
吸蔵器具を提供することを目的とする。また、本発明
は、前記吸蔵用器具に二酸化塩素ガスを吸蔵させる吸蔵
器具の製造方法を提供することを目的とする。更に、本
発明は、前記吸蔵器具を用いた二酸化塩素ガスによる簡
便な殺菌方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、シリコーンゴム
が、それ自体の体積の数十倍もの二酸化塩素ガスをその
内部に吸蔵できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】本発明は、気体出入用の1以上の開口部を
もち、全体として密閉できる容器と、該容器中に入れら
れたシリコーンゴムとを有することを特徴とする二酸化
塩素ガスの吸蔵用器具に関する。
【0007】また、本発明は、気体出入用の1以上の開
口部をもち、全体として密閉できる容器と、該容器中に
入れられた二酸化塩素ガスを吸蔵したシリコーンゴムと
を有することを特徴とする二酸化塩素ガスの吸蔵器具に
関する。
【0008】更に、本発明は、気体出入用の1以上の開
口部をもち、全体として密閉できる容器中において、二
酸化塩素ガスとシリコーンゴムとを接触させることを特
徴とする二酸化塩素ガスの吸蔵器具の製造方法に関す
る。
【0009】また、本発明は、二酸化塩素ガスとシリコ
ーンゴムとを接触させたのち、気体出入用の1以上の開
口部をもち、全体として密閉できる容器中に入れること
を特徴とする二酸化塩素ガスの吸蔵器具の製造方法に関
する。
【0010】更に、本発明は、前記二酸化塩素ガスを吸
蔵させた吸蔵器具から二酸化塩素ガスを放出させること
を特徴とする殺菌又は消臭方法に関する。また、本発明
は、二酸化塩素ガスを吸蔵したシリコーンゴムに関す
る。
【0011】以下、本発明を説明するが、本発明におけ
る吸蔵器具については、単に吸蔵器具という場合には、
上記のとおり、二酸化塩素ガスを吸蔵させてないもの
と、二酸化塩素ガスを吸蔵させたものの両方を含むもの
である。よって、説明の便宜上、以下においては二酸化
塩素ガスを吸蔵させてない吸蔵器具を単に「吸蔵用器
具」といい、二酸化塩素ガスを吸蔵させた吸蔵器具を
「吸蔵器具」という。
【0012】吸蔵用器具の構成要素の一つである容器
は、気体出入用の1以上の開口部をもち、全体として密
閉できるものである。この容器の大きさ、形状は、二酸
化塩素ガスの吸蔵量や使用対象等に応じて適宜決定され
るものである。また、この容器は複数の部品から形成す
ることもできる。容器の材質は二酸化塩素ガスに対して
耐久性のあることが必要であり、このような材質として
は、例えば、ガラス、フッ素ゴム、フッ素樹脂(テフロ
ン)を挙げることができる。開口部は、気体の出入(気
体の流入及び放出)ができるものであればよく、一つの
開口部を気体の流入口及び放出口とすることもでき、2
つの開口部又は必要に応じて3つ以上の開口部を気体の
流入口及び放出口とすることもできる。この開口部は、
シリコーンゴムを入れるための投入口としても利用する
ことができる。また、開口部は、容器が本来有する開口
部のみならず、他の部品、例えばガラス管、フッ素ゴム
管、フッ素樹脂管により、別途形成することもできる。
更に、この開口部は、容器全体として密閉状態にするた
め、それを閉塞するための適当な手段を有していること
が必要である。この閉塞手段は開口部の形状、材質等に
より異なるが、例えば、容器がガラス製のびんである場
合は、その開口部の閉塞手段としては、ガラス製の蓋、
フッ素ゴム製の栓、フッ素樹脂製の栓等を適用すること
ができ、また、開口部がフッ素ゴム製の管やフッ素樹脂
製の管により形成されている場合には、ピンチコック等
を適用することができる。
【0013】吸蔵用器具のもう一つの構成要素であるシ
リコーンゴムの大きさ、形状は制限されるものではない
が、一定の時間内でシリコーンゴムの単位重量あたり、
より多量の二酸化塩素ガスを吸蔵させるためには、その
表面積がより大きなものであることが好ましい。よっ
て、本発明においては、シリコーンゴムは小片(細片)
であることが好ましく、実用性を考慮すれば、平均で約
0.1〜5.0mm角の立方体であることが更に好まし
く、平均約1〜2mm角の立方体であることが特に好ま
しい。また、単位容量の容器当たりのシリコーンゴムの
充填量は、吸蔵させようとする二酸化塩素ガスの容量を
考慮して適宜決定することができる。
【0014】本発明の吸蔵用器具には、本発明の目的を
損なわない範囲内において、更に適当な補助手段、例え
ば、実用時にシリコーンゴム小片が容器内で移動するこ
とを防止するための押え具等を付加することができる。
【0015】吸蔵用器具の一態様を、図1に基づいて説
明する。この吸蔵器具1は、ガラス製の容器2と、その
開口部4を塞ぐことができる蓋6、更に容器2の内部に
入れられたシリコーンゴム小片8とからなるものであ
る。この場合、容器2と蓋6との接触部分は、螺子合わ
せできるような構造にすることができ、また密閉性を高
めるためワセリン等を塗布することもできる。
【0016】次に、吸蔵用器具又は吸蔵器具の別の態様
を、図2に基づいて説明する。この吸蔵器具10は、ガ
ラス製の容器本体12と、その上部の口の部分に容器本
体12と一体となるように隙間なく嵌め込まれたフッ素
ゴム栓14とから容器が形成され、フッ素ゴム栓14に
隙間なく挿入された二本のガラス管16及び17により
二つの開口部18及び19が形成されている。容器12
の中空部にはシリコーンゴム小片20が入れられてい
る。なお、開口部18及び19の閉塞手段は図示してな
いが、例えば、二つの開口部を別々に閉塞できるフッ素
ゴム栓、二つの開口部を同時に閉塞できるガラス製の蓋
等を適用することができる。
【0017】次に、吸蔵用器具又は吸蔵器具の更に別の
態様を、図3に基づいて説明する。この吸蔵用器具又は
吸蔵器具30は、ガラス製の容器本体32と、その一端
に容器本体32と一体となるように隙間なく嵌め込まれ
たフッ素ゴム栓34とから容器が形成され、フッ素ゴム
栓34にガラス管を介して挿入されたフッ素ゴム管36
により形成された開口部37と、他端側に形成された開
口部38とを有している。開口部38には閉塞手段とし
てコック40が取り付けられており、開口部37は図示
していないピンチコック等の手段により閉塞する。容器
本体32の内部にはシリコーンゴム小片35が入れられ
ている。なお、42はシリコーンゴム小片35を押えて
保持するためのグラスウールである。
【0018】吸蔵器具は、上記した吸蔵用器具の容器中
に入れられたシリコーンゴム(好ましくはシリコーンゴ
ム小片)に二酸化塩素ガスが吸蔵されたものである。ま
た、シリコーンゴムを除く容器の空隙の一部又は全部を
二酸化塩素ガスで満たすことができる。更に、保存安定
性を高めるために、シリコーンゴムを除く容器の空隙の
一部又は全部を、二酸化塩素水溶液、好ましくは飽和二
酸化塩素水溶液で満たすことができる。本発明は、二酸
化塩素ガスを吸蔵したシリコーンゴムを提供するもので
ある。本発明者らは、実施例に示す実験において、二酸
化塩素ガスが一気圧下において占める体積の数十分の一
の体積のシリコーンゴムの中に該ガスを吸蔵し得ること
を見出した。従って、シリコーンゴムは、二酸化塩素ガ
スを貯蔵、運搬するための優れたキャリアーとなること
を見出した。すなわち、本発明では、シリコーンゴムか
らなる二酸化塩素ガスの吸収剤・吸蔵剤を提供するもの
である。また、吸蔵器具は、二酸化塩素ガスを吸蔵した
シリコーンゴム単独でも構成することができる。この場
合、必要に応じて、シリコーンゴム表面を、ガラス、フ
ッ素樹脂等で被覆することもできる。
【0019】次に、吸蔵器具の製造方法について説明す
る。この製造方法においては、吸蔵器用具の容器内で二
酸化塩素ガスとシリコーンゴムとを接触させる方法か又
は容器外で二酸化塩素ガスとシリコーンゴムとを接触さ
せたのち、容器内に入れる方法のいずれかを適用するこ
とができ、必要に応じてこれらの方法を組み合わせて適
用することもできる。
【0020】まず、吸蔵用器具の容器内で接触させる方
法について説明する。塩素酸塩の還元又は亜塩素酸塩の
酸化等の常法により二酸化塩素ガスを発生させ、次に、
発生させた二酸化塩素ガスをガラス管やフッ素ゴム管等
により開口部から容器内部に導入し、内部に入れられた
シリコーンゴムと接触させる。この場合、二酸化塩素ガ
スの吸蔵はシリコーンゴムの変色(赤橙色)により確認
できるが、予めシリコーンゴムが吸蔵できる量程度の二
酸化塩素ガスを導入するように調整することが好まし
い。このようにして二酸化塩素ガスを導入し、吸蔵させ
たのち、吸蔵用器具の開口部を閉じ、器具全体を密閉状
態にし、吸蔵器具を得る。また、前記と同様にして開口
部から容器内部に二酸化塩素ガスを導入したのち又は二
酸化塩素ガスの導入と並行して容器内にシリコーンゴム
を入れることにより、それらを接触させ、二酸化塩素ガ
スをシリコーンゴムに吸蔵させることもできる。
【0021】次に、吸蔵用器具の容器外で接触させる方
法について説明する。適当な密閉容器内で二酸化塩素ガ
スとシリコーンゴムとを接触させたのち、該密閉容器か
ら直接又はガラス管等の適当な密閉搬送手段を経て、好
ましくは二酸化塩素ガスとともに二酸化塩素ガスが吸蔵
されたシリコーンゴムを吸蔵用器具の容器内に入れ、開
口部を閉じ、器具全体を密閉状態とし、吸蔵器具を得
る。
【0022】このようにして得られた吸蔵器具の容器中
には、二酸化塩素水溶液、好ましくは飽和二酸化塩素水
溶液を注入することができる。この注入量は、容器中に
おいてシリコーンゴムにより占有されてない空隙を一部
又は完全に満たす量を適宜決定することができる。
【0023】これらの吸蔵器具の製造方法の一例を図2
に基づいて説明すると次のとおりである。まず、開口部
18又は19の栓、好ましくは開口部19の栓を取り去
り、そこから二酸化塩素ガスを導入する。導入された二
酸化塩素ガスは容器本体12内部に充満し、シリコーン
小片20と接触し、吸蔵される。また、前記のようにし
て二酸化塩素ガスを導入したのち又は導入しつつ、開口
部18から又は別途設けたシリコーンゴム投入口からシ
リコーンゴム小片を入れることもできる。このようにし
て適当量の二酸化塩素の導入後、すべての開口部を閉
じ、吸蔵用器具10全体を密閉状態に保持し、吸蔵器具
を得る。なお、吸蔵された二酸化塩素ガスは徐々に分解
し、二酸化塩素ガス、塩素ガス、酸素ガス、ごく微量の
三酸化塩素ガスの混合気体となるが、塩素ガスはシリコ
ーンゴムと反応して消費されるため、吸蔵器具10の内
部には実質的に二酸化塩素ガスと酸素ガスが存在するこ
とになる。塩素ガスは殺菌力が弱く、その上発癌性を示
すトリハロメタンの原因となるが、本発明において副産
物として少量発生する塩素ガスがシリコーンゴム中に吸
収されて消失することは、本発明の目的、効果のための
優れた特徴である。
【0024】次に、上記吸蔵器具を利用した本発明の殺
菌又は消臭方法について説明する。本発明の殺菌又は消
臭方法は、上記吸蔵器具を被殺菌又は被消臭環境に置
き、吸蔵器具の開口部を開放状態にして二酸化塩素ガス
を自然放出させることによりなされる。この場合、必要
に応じて吸蔵器具に外から圧力を加え、二酸化塩素ガス
を強制的に放出させることもできる。また、容器からシ
リコーンゴムを取り出し、それを被殺菌又は被消臭環境
に置く方法を適用することもできる。
【0025】この殺菌又は消臭方法を、図2に基づいて
説明すると次のとおりである。まず、シリコーンゴム小
片20に二酸化塩素ガスが吸蔵された吸蔵器具10を、
一般家屋等の被殺菌又は被消臭環境に置く。次に、開口
部18及び19を塞ぐ栓を取り去り、器具10内部雰囲
気と外気とが相互に置換可能な状態にする。それによ
り、シリコーンゴム小片20から放出された二酸化塩素
ガスは開口部18を通って外気に流出し、それと同時に
開口部19から空気が器具10内部に流入してくるの
で、二酸化塩素ガスの外気への流出が継続してなされ
る。この場合、開口部19から容器本体12内に強制的
に空気を送り込み、二酸化塩素ガスの外気への流出を促
進させることもできる。このようにして二酸化塩素ガス
を被殺菌又は被消臭環境に充満させることにより、処理
対象の殺菌、防腐、消臭等がなされる。
【0026】
【発明の効果】本発明の吸蔵用器具は、容器とその内部
に入れられたシリコーンゴムとを有する、軽量でかつ製
造が容易なものである。このシリコーンゴムはその50
倍を超える体積の二酸化塩素ガスを吸蔵することができ
る。また、前記シリコーンゴムに二酸化塩素ガスを吸蔵
させた吸蔵器具は製造方法も容易であり、所望の被殺菌
もしくは被消臭環境において又は被殺菌もしくは被消臭
対象に対して、この吸蔵器具から二酸化塩素ガスを容易
に放出することができる。このため、本発明の吸蔵用器
具又は吸蔵器具を用いることにより、従来は困難であっ
た二酸化塩素ガスの保存及び運搬が非常に容易となる。
よって、所望の被殺菌又は被消臭環境への適用も非常に
容易となり、一般家屋、ペット小屋、食品製造及び加工
工場、畜産場、レストラン、医療機関等の各種施設に適
用でき、これらの施設内における室内、食品、飲料水、
貯蔵用水、洗浄用水及び機器等の防腐、殺菌、消臭等に
好適である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0028】実施例1 (吸蔵用器具)図3に示すような構造の吸蔵用器具を製
造した。まず、シリコーンゴムシート(1×10×10
0mm,1.25g;商品名,信越シリコーン,信越化学
社製)を複数枚細切し、約1mm角の立方体(計53.
3g)の小片とした。これらの小片をエタノールで2回
洗浄後、エタノールに浮遊させた状態で、一端にグラス
ウールが詰められたガラス製クロマト管(容積72.3
cm3)に流し込んだ。次に、他端開口部にもグラスウー
ルを詰め、更にフッ素ゴム管(商品名バイトン,デュポ
ン社製)を挿入したフッ素ゴム栓を嵌め込んだ。その
後、フッ素ゴム管からエタノールを流し出し、10時間
減圧・通気して、エタノールを完全に除去し、吸蔵器具
を得た。なお、空隙率(シリコーンゴムにより占有され
ていない空間の割合)は約41%であった。
【0029】実施例2 (吸蔵器具)容量200mlの反応容器中に飽和亜塩素酸
ナトリウム水溶液10mlと20%硫酸10mlとを入れ、
二酸化塩素ガスを発生させた。次に、発生した二酸化塩
素ガスを実施例1のガラス製クロマト管(図3)のフッ
素ゴム管から導入した。導入を継続した結果、シリコー
ンゴム小片の端から約10cmまでの部分が赤橙色に変色
した。
【0030】試験例1 (二酸化塩素ガスの吸蔵量の測定)実施例2において二
酸化塩素ガスを吸蔵させたガラス製クロマト管の両端開
口部を開放し、その一端側からコンプレッサーで空気を
送り、他端側から流れ出してくる二酸化塩素ガスを蒸留
水440mlを満たした第1吸収管と蒸留水2000mlを
満たした第2吸収管により補集した。なお、第1吸収管
は途中で一度交換した。通気は、圧力48g/cm2 で約
18ml/min で行い、約2時間後に赤橙色であったシリ
コーンゴム小片の色が元の色に戻った時点で終了した。
このようにして補集した二酸化塩素ガス量をヨウ素滴定
法により測定した結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果及び0.1Nチオ硫酸ナトリウ
ム1mlに相当する二酸化塩素量の計算値(1.35mg)
から求めた二酸化塩素の吸蔵量は、1115.1mgであ
った。
【0033】試験例2 (二酸化塩素ガスの最大吸蔵量の測定)飽和亜塩素酸ナ
トリウム溶液90mlと20%硫酸40mlを用い、実施例
2と同様にして二酸化塩素ガスを発生させ、更にガラス
製クロマト管に入れたシリコーンゴム小片53gに吸蔵
させた。ただし、シリコーンゴム小片は1.25g/cm
3(総体積42.4cm3)のものであり、クロマト管内の
空隙率は41%で、これは二酸化塩素ガス量約29mlに
相当する。また、吸蔵は、二酸化塩素ガスの流入圧を1
0g/cm2 として、3時間行った。その結果、シリコー
ンゴム小片は、全部が赤橙色に変色した。このガラス製
クロマト管に吸蔵された二酸化塩素ガスを試験例1と同
様にして吸収管により補集した。ただし、吸収管は蒸留
水440mlが満たされたものを一つとし、計6回取り替
えた。その後、試験例1と同様にしてヨウ素滴定法によ
り測定した。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果から、二酸化塩素ガスの吸蔵量
は6717.546mg(約2.229リットルに相当)
であった。以上の結果から、総体積42.4cm3 のシリ
コーンゴムに何倍量の二酸化塩素ガスが吸蔵されていた
かを次式;(2.229−0.029)×1000/4
2.4により算出したところ、51.9倍であった。ま
た、これはクロマト管の容積(72.3cm3)の約30
倍であった。
【0036】実施例3 (殺菌方法)実施例2において二酸化塩素ガスを吸蔵さ
せたガラス製クロマト管を、両端の開口部を開放した状
態で容量360リットルの密閉容器内に放置した。その
結果、約2〜3週間かけて徐々に二酸化塩素ガスが放出
され、容器内を十分な殺菌性環境にすることができた。
その間、シリコーンゴムの色は、橙色から山吹色を経
て、薄いレモンイエローに変化し、二酸化塩素ガスの放
出が目視によっても確認された。また、同様のガラス製
クロマト管の一端開口部から強制的に2g/cm2 の圧力
で空気を送り込み、容量360リットルの密閉容器内に
挿入した他端開口部から二酸化塩素ガスを強制的に排出
させた。その結果、約4時間でシリコーンゴムの色は、
薄いレモンイエローに変化した。
【0037】実施例4 (吸蔵器具及び殺菌方法)密閉したガラス容器中に実施
例1と同様のシリコーンゴム小片(約1mm角の立方体計
53.3g)を入れ、容器中に二酸化塩素ガスを吹き込
んだ。シリコーンゴムと二酸化塩素ガスを十分に接触さ
せたのち、シリコーンゴムを直ちに取り出し、これを吸
蔵器具として容量360リットルの容器内に入れ、それ
を密閉して放置した。その結果、実施例3と同様の結果
が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸蔵器具の一態様を示す斜視図である。
【図2】吸蔵器具の別の態様を示す斜視図である。
【図3】吸蔵器具の更に別の態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 吸蔵器具 2 容器 4 開口部 6 蓋 8 シリコーンゴム小片 10 吸蔵器具(又はガス吸蔵器具) 12 容器本体 14 フッ素ゴム栓 18 開口部 19 開口部 20 シリコーンゴム小片 30 吸蔵器具 32 容器本体 34 フッ素ゴム栓 35 シリコーンゴム小片 37 開口部 38 開口部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体出入用の1以上の開口部をもち、全
    体として密閉できる容器と、該容器中に入れられたシリ
    コーンゴムとを有することを特徴とする二酸化塩素ガス
    の吸蔵用器具。
  2. 【請求項2】 気体出入用の1以上の開口部をもち、全
    体として密閉できる容器と、該容器中に入れられた二酸
    化塩素ガスを吸蔵したシリコーンゴムとを有することを
    特徴とする二酸化塩素ガスの吸蔵器具。
  3. 【請求項3】 シリコーンゴムが小片状のものである請
    求項1又は2記載の二酸化塩素ガスの吸蔵器具。
  4. 【請求項4】 二酸化塩素水溶液が注入された請求項2
    記載の二酸化塩素ガスの吸蔵器具。
  5. 【請求項5】 気体出入用の1以上の開口部をもち、全
    体として密閉できる容器中において、二酸化塩素ガスと
    シリコーンゴムとを接触させることを特徴とする二酸化
    塩素ガスの吸蔵器具の製造方法。
  6. 【請求項6】 二酸化塩素ガスとシリコーンゴムとを接
    触させたのち、気体出入用の1以上の開口部をもち、全
    体として密閉できる容器中に入れることを特徴とする二
    酸化塩素ガスの吸蔵器具の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2〜4のいずれか1記載の吸蔵器
    具から二酸化塩素ガスを放出させることを特徴とする殺
    菌又は消臭方法。
  8. 【請求項8】 二酸化塩素ガスを吸蔵したシリコーンゴ
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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