JPH07315805A - 二酸化塩素の加工物及び該加工物の使用方法 - Google Patents

二酸化塩素の加工物及び該加工物の使用方法

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JPH07315805A
JPH07315805A JP10696094A JP10696094A JPH07315805A JP H07315805 A JPH07315805 A JP H07315805A JP 10696094 A JP10696094 A JP 10696094A JP 10696094 A JP10696094 A JP 10696094A JP H07315805 A JPH07315805 A JP H07315805A
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chlorine dioxide
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water
aqueous solution
solution
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JP10696094A
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Yoshinobu Mori
義信 森
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SAKAE MEDICAL KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二酸化塩素の劣化を防止した状態で長期間保
存可能な二酸化塩素の加工物及び二酸化塩素の効果が改
良され得る二酸化塩素の加工物を提供する。 【構成】 リオリンダ社製ジェネレ−タにより作成した
濃度2000ppm の二酸化塩素水溶液を適量の純水に溶解
し、この水溶液のpHを測定しながら希塩酸又はNaO
Hを適量滴下混合し、二酸化塩素濃度300ppm、pH6.0
〜6.8 又は8 以上である二酸化塩素加工物を作成し、又
は酸性イオン水に混合し二酸化塩素濃度300ppmの二酸化
塩素加工物を作成し、遮光びんに各100 ミリリットルい
れ、2℃の冷暗所にて8週間保管した。8週後における
これらの全ての二酸化塩素加工物の二酸化塩素の劣化
は、pH7.0 の場合よりも抑制された。またpHが6.0
より小さい二酸化塩素水溶液はpH7.0 の場合よりも漂
白効果が改良され、エタノ−ルを混合した二酸化塩素加
工物は使用部位の油脂が除去されるので、グリセリンを
混合した加工物は使用部位に二酸化塩素が保持されるの
で各々滅菌効果が改良され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二酸化塩素の加工物及
び該加工物の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二酸化塩素は気体の形態で又は二
酸化塩素を水に溶解した水溶液の形態で、漂白、殺菌等
の目的にて使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二酸化塩素の
気体は爆発性のため保管することは危険であり、使用時
に二酸化塩素の気体を発生させ、発生させた場所にて直
ちに使用する必要があった。そして水溶液とした場合に
おいても二酸化塩素の劣化(減少)が著しいために長期
間保管することはできず、従来、持ち運びでき、一定期
間安全に保管可能とされる二酸化塩素の加工物はなかっ
た。また二酸化塩素の漂白作用又は殺菌作用が改良され
得る二酸化塩素の加工物も従来なかった。そこで本発明
の課題は、従来にない新規な二酸化塩素の加工物及び該
加工物の使用方法を提供することにあり、さらに詳細に
は、一定期間安全に保管可能とされる二酸化塩素の加工
物、二酸化塩素の漂白作用又は殺菌作用が改良され得る
二酸化塩素の加工物及び該加工物の使用方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のために請
求項1においては二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液で
あり、pH6.0以上pH6.8以下であることを特徴
とする二酸化塩素の加工物を創作した。また請求項2に
おいては二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液であり、p
H8.0以上のアルカリ性であることを特徴とする二酸
化塩素の加工物を創作した。請求項3においては二酸化
塩素ガスを酸性イオン水に溶解した溶液であることを特
徴とする二酸化塩素の加工物を創作した。請求項4にお
いては二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液であり、pH
が6.0より小さいことを特徴とする二酸化塩素の加工
物を創作した。請求項5においては二酸化塩素ガスを水
に溶解した溶液にグリセリンが混合されていることを特
徴とする二酸化塩素の加工物を創作した。請求項6にお
いては二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液に消毒用アル
コ−ルが混合されていることを特徴とする二酸化塩素の
加工物を創作した。請求項7においては請求項1ないし
請求項3の内のいずれか一つに記載の二酸化塩素の加工
物にさらにグリセリンが混合されていることを特徴とす
る請求項5に記載の二酸化塩素の加工物を創作した。請
求項8においては請求項1ないし請求項3の内のいずれ
か一つに記載の二酸化塩素の加工物にさらに消毒用アル
コ−ルが混合されていることを特徴とする請求項7に記
載の二酸化塩素加工物を創作した。請求項9においては
請求項2に記載の二酸化塩素の加工物の使用前に、前記
加工物のpHを6.8以下に調整することを特徴とする
二酸化塩素の加工物の使用方法を創作した。
【0005】前記水としては二酸化塩素と反応する不純
物を除去した純水がより望ましく、不純物がより多く除
去されているほどより望ましい。この純水は例えば水を
濾過することにより得ることができる。また前記pH
6.0以上pH6.8以下とする方法又はpH6.0よ
り小さいpHとする方法としては例えば各種の無機酸又
は有機酸、例えば塩酸、硫酸、蟻酸又は酢酸等を添加す
る方法を採ることができる。前記pH8.0以上とする
方法としては例えば各種の無機アルカリ又は有機アルカ
リ、例えば水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸
ナトリウム等を添加する方法を採ることができる。前記
酸性イオン水とは、水道水に0.05〜0.1 重量%ほどの少
量のNaCl又はKClを添加した溶液を電気分解して
得られる陽極側の溶液であり、酸化還元電位900mV 〜12
00mVでありpH3.0 以下好ましくはpH2.3 以下の水を
意味する。前記消毒用アルコ−ルとしては例えばメチル
アルコ−ル、エチルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル、プ
ロピルアルコ−ルが挙げられる。無水アルコ−ルを純水
と共に使用するのがより好ましく、前記加工物の使用時
に消毒用アルコ−ルと混合するのがより好ましい。
【0006】
【作用】請求項1に記載の二酸化塩素の加工物において
は、pH6.0以上pH6.8以下とすることにより水
素イオンが二酸化塩素と水とが反応して生成するHCl
2 と反応してHClO3 を生じると考えられ、この反
応は不過逆的であるため安定し、二酸化塩素の劣化がよ
り良好に防止されると考えられる。請求項2に記載の二
酸化塩素の加工物においては、pH8.0以上とするこ
とにより水酸化イオンが二酸化塩素と反応し、二酸化塩
素イオン、三酸化塩素イオン及び水を生じ、この反応は
不過逆的であるため安定し、二酸化塩素の劣化がより良
好に防止されると考えられる。請求項3に記載の二酸化
塩素の加工物においては酸性イオン水に含まれる塩素イ
オンが二酸化塩素と反応し、二酸化塩素イオン、三酸化
塩素イオン及び水を生じ、この反応は不過逆的であるた
め安定し、二酸化塩素の劣化が良好に防止されると考え
られる。請求項4に記載の二酸化塩素の加工物による
と、pHが6.0より小さいのでこのpHの作用により
二酸化塩素の漂白効果が高められると考えられる。請求
項5に記載の二酸化塩素加工物によるとグリセリンの作
用により二酸化塩素が適用部位に一定時間保持され得
る。従って二酸化塩素の効果の持続が可能とされる。請
求項6に記載の二酸化塩素の加工物においては消毒用ア
ルコ−ルが適用部位の油脂等の付着物を除去し、油脂等
が除去された部位に二酸化塩素が作用するので、二酸化
塩素の滅菌効果が高められると考えられる。請求項7又
は請求項8に記載の二酸化塩素の加工物においては請求
項1ないし請求項3の内のいずれか一つに記載の二酸化
塩素の加工物による上記作用により二酸化塩素の劣化が
良好に防止されると考えられる。また請求項7に記載の
二酸化塩素の加工物においてはグリセリンの作用により
二酸化塩素の滅菌効果が改良されると考えられる。そし
て請求項8に記載の二酸化塩素の加工物においては消毒
用アルコ−ルの作用により二酸化塩素の滅菌効果が改良
されると考えられる。請求項9に記載の二酸化塩素水溶
液においては請求項2に記載の二酸化塩素水溶液による
上記作用により二酸化塩素の劣化が良好に防止され、使
用時にpHを調整することにより、強アルカリ性には不
適なものに対しても使用でき、pHを6.0〜6.8と
する場合には二酸化塩素の濃度が高まると考えられる。
pHを6.0より小さくする場合には漂白作用を増強で
きる。
【0007】
【実施例】
実施例1 リオリンダ社製ジェネレ−タにより二酸化塩素のpH7.
0 の水溶液を作成する。このジェネレ−タは真空状態で
塩素ガスと亜塩素酸ナトリウムとをカラム内で反応させ
ることにより二酸化塩素の気体を作成する。(反応式
2NaCl02+Cl2 →2Cl02 (気体)+2Na
Cl)塩素ガスと亜塩素酸ナトリウムの供給は真空エダ
クタ−を操作する水によってコントロ−ルされる。前記
ジェネレ−タによると塩素ガスと亜塩素酸ナトリウムは
カラム内で即座に反応し、95%以上という非常に高い
変換効率でかつ安全な濃度の純粋な二酸化塩素ガスが製
造される。この二酸化塩素ガスは真空エダクタ−を操作
する水の中に吸引され、溶解される。この水のpHは約
7.0 であった。前記ジェネレ−タにより生成された二酸
化塩素の純度は99%以上になり、検出可能な遊離塩素
は含まず、亜塩素酸や塩素酸のような副生成物は極微量
しか含まれていなかった。
【0008】任意の濃度の任意量の二酸化塩素水溶液を
前記ジェネレ−タにより生成することができ、この二酸
化塩素水溶液の濃度は分光測分析により測定することが
できる。二酸化塩素の最大吸収は360nmであり、11
00〜1450L/mol/cmの間に分布する。
【0009】前記ジェネレ−タにより濃度2000ppm の二
酸化塩素水溶液を得た。この二酸化塩素水溶液を適量の
純水に溶解し、この二酸化塩素水溶液に水溶液のpHを
測定しながら希塩酸を適量滴下混合することにより、二
酸化塩素濃度300ppmであり、各pHが6.0, 6.2, 6.4,
6.6, 6.8, 7.0 及び 7.2である二酸化塩素水溶液を作
成し、各pHの二酸化塩素水溶液を褐色のポリエチレン
製の遮光びんに各100 ミリリットルいれ、30個のサン
プルを作成した。次にこれらこれらの各pHの二酸化塩
素水溶液のサンプルを20℃又は2℃の定温室内におい
て8週間保管し、1週経過ごとに各水溶液中の二酸化塩
素濃度を前記した分光測分析により測定した。この結果
を20℃については表1に2℃においては表2に各々示
す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】表1及び表2中、数値単位はppmであ
る。表1及び表2に示されるように20℃及び2℃の両
場合においてpH6.0 〜pH6.8 の溶液においてはpH
7.0 及びpH7.2 の溶液と比較して二酸化塩素濃度の経
時的劣化が大きく抑制された。8週間後の二酸化塩素濃
度は20℃の場合よりも2℃の方が大きく、また劣化抑
制の程度は20℃においてより顕著であった。
【0013】実施例2 実施例1と同様に製造した濃度2000ppm の二酸化塩素水
溶液を300ppmの濃度の二酸化塩素水溶液を適量の純水に
溶解し、この二酸化塩素水溶液に水溶液のpHを測定し
ながらNaOHを適量滴下混合することにより、二酸化
塩素濃度300ppmであり、各pHが9.8,10.0,10.2,10.4,1
0.6,10.8及び 11.0 の各pHである二酸化塩素水溶液と
し、これらの各pHの二酸化塩素水溶液のサンプルを実
施例1と同様に作成し、20℃又は2℃の定温の室内に
おいて8週間保管し、1週経過ごとに各水溶液中の二酸
化塩素濃度を前記した分光測分析により測定した。この
結果を20℃については表3に2℃においては表4に各
々示す。
【0014】
【表3】
【0015】
【表4】
【0016】表3及び表4中、数値単位はppmであ
る。表1、2中のpH7.0 及びpH7.2 の溶液の結果と
表3及び表4とを比較すると20℃及び2℃の両場合に
おいてpH9.8 〜pH11.0の溶液においてはpH7.0 及
びpH7.2 の溶液と比較して二酸化塩素濃度の経時的劣
化が大きく抑制されることが示された。そして酸性溶液
とした実施例1の場合とは異なり、20℃及び2℃の両
場合において劣化の抑制の程度は同程度であった。
【0017】実施例3 実施例1と同様にリオリンダ社製ジェネレ−タにより濃
度2000ppm の二酸化塩素水溶液を得た。この二酸化塩素
水溶液を酸性イオン水に溶解し300ppmの濃度の二酸化塩
素水溶液を得て、この二酸化塩素水溶液を褐色のポリエ
チレン製の遮光びんに各100 ミリリットルいれ、30個
のサンプルを作成した。これらの二酸化塩素水溶液のサ
ンプルを20℃又は2℃の定温室内において8週間保管
し、1週経過ごとに各水溶液中の二酸化塩素濃度を前記
した分光測分析により測定した。この結果を表5に示
す。なお酸性イオン水としては0.8 重量%NaCl濃度
の水道水を電気分解を行って得られた酸化還元電位1000
mV、pH2.3 のものを使用した。
【0018】
【表5】
【0019】表5中、数値単位はppmである。表1、
2中のpH7.0 及びpH7.2 の溶液の結果と表5とを比
較すると、20℃の場合においては酸性イオン水による
劣化防止効果は認められないが2℃のの場合においては
酸性水による劣化防止効果が認められた。
【0020】実施例4 実施例1と同様に、表6に記載の各種の酸を適量滴下混
合することにより二酸化塩素濃度が300ppmであり、pH
7.0 〜pH2.0 の二酸化塩素水溶液を作成した。対照と
しては二酸化塩素を含まないpH7.0 〜pH2.0 の各水
溶液を使用した。これらの各二酸化塩素水溶液又は各対
照を各100 ミリリットル、ビ−カ−中に入れ、この各二
酸化塩素水溶液又は各対照水溶液内に10cm×10cmの赤い
木綿製布地を投入し、20℃において5分間放置し、各
布地の色落ちの程度を調べた。この結果を表6に示す。
【0021】
【表6】
【0022】表6中、対照は各種の酸を用いて各pHと
した二酸化塩素濃度が300ppmの二酸化塩素水溶液につい
ての結果である。また漂白の程度は0〜7の八段階評価
にて行い、0は変化なし、1は僅かに漂白、2は漂白し
始め、3はさらに漂白される、4は白く漂白される、5
は完全に漂白される、6はさらに白くされる、7は6よ
りもさらに白くされる、を各々表す。表6に示される様
にpHが6.0 より小さい場合、より好ましくはpHが4.
0 より小さい場合はpH7.0 の二酸化塩素水溶液と比較
して、その漂白効果がより増強された。また酸としては
酢酸を使用した場合が他の酸よりも漂白効果がより増強
された。
【0023】実施例5 実施例1と同様にリオリンダ社製ジェネレ−タにより濃
度2000ppm の二酸化塩素水溶液を得た。この二酸化塩素
水溶液(実施例1と同様にpH6.7 に調整)15ミリリッ
トルを純水5ミリリットル及びグリセリン70ミリリット
ルと混合し、二酸化塩素濃度300ppmの二酸化塩素のグリ
セリン溶液を得た。この二酸化塩素水溶液を褐色のポリ
エチレン製の遮光びんに各100 ミリリットルいれ、30
個のサンプルを作成した。これらの二酸化塩素水溶液の
サンプルを20℃又は2℃の定温室内において8週間保
管し、1週経過ごとに各水溶液中の二酸化塩素濃度を前
記の分光測分析により測定した。この結果を表7に示
す。
【0024】
【表7】
【0025】表7中、数値単位はppmである。表1、
2中のpH7.0 及びpH7.2 の溶液の結果と表7とを比
較すると20℃及び2℃の両場合において二酸化塩素の
グリセリン溶液においてはpH7.0 及びpH7.2 の溶液
と比較して二酸化塩素濃度の経時的劣化が大きく抑制さ
れることが示された。これはpH6.7 の二酸化塩素水を
使用したことに起因すると考えられる。また実施例1又
は実施例2の各実施例で得られた各pHの二酸化塩素水
溶液及び実施例3で得られた酸性イオン水に溶解した二
酸化塩素水溶液について同様に二酸化塩素濃度300ppmの
二酸化塩素のグリセリン溶液を作成し、これらの各溶液
について同様に二酸化塩素の経時的劣化について調べた
ところ、各々実施例1ないし実施例3の各実施例で得ら
れた各pHの二酸化塩素水溶液又は酸性イオン水に溶解
した二酸化塩素水溶液についての劣化防止効果と同じ効
果が得られ、すなわち、二酸化塩素水溶液にさらにグリ
セリンが混合されている場合においても、二酸化塩素水
溶液のpHが6.8〜6.0及び8.0以上である場合
の二酸化塩素の劣化防止効果(20℃および2℃の両方
の場合)及び酸性イオン水に溶解した二酸化塩素の劣化
防止効果(2℃の場合)が見られた。
【0026】実施例6 実施例1と同様に製造したpH7.0 、2000ppm の二酸化
塩素水溶液15ミリリットル、純水15ミリリットル及び無
水の各種アルコ−ル70ミリリットルを混合して、二酸化
塩素濃度300 ppm の各二酸化塩素加工物を作成した。こ
の各二酸化塩素加工物を褐色のポリエチレン製の遮光び
んに各100 ミリリットルいれ、30個のサンプルを作成
した。これらの二酸化塩素水溶液のサンプルを20℃又
は2℃の定温室内において8週間保管し、1週経過ごと
に各水溶液中の二酸化塩素濃度を前記した分光測分析に
より測定した。この結果を表8(20℃の場合)及び表
9(2℃の場合)に各々示す。
【0027】
【表8】
【0028】
【表9】
【0029】表8及び表9に示されるように、同濃度で
pH7.0 であり、各種のアルコ−ル無添加である対照の
結果と比較して、20℃の場合には1週間後ないし3週
間後の結果において、及び2℃の場合は1週間後ないし
6週間後の結果において、本実施例の加工物の方が少し
劣化が防止されているが、8週間後の結果は対照と同等
であった。従って、各種のアルコ−ルの添加による二酸
化塩素加工物はpH7.0 の二酸化塩素水と比較して、初
期には少し劣化が防止されるものの、8週間後において
はほぼ同様の劣化を示し、各種のアルコ−ルの添加によ
り、劣化の程度は余り影響を受けないことが分かった。
この傾向は他のpHでも同様にみられ、各pHの二酸化
塩素水に各種アルコ−ルを添加した場合の二酸化塩素の
劣化は、各種のアルコ−ル無添加の各pHの二酸化塩素
水の劣化の程度と各々同様であった。また実施例3で得
られた酸性水に溶解した二酸化塩素水溶液についても、
各種のアルコ−ルの添加は二酸化塩素の劣化の程度に影
響を与えなかった。すなわち、実施例1又は実施例2の
各実施例で得られた各pHの二酸化塩素水溶液又は実施
例3で得られた酸性水に溶解した二酸化塩素水溶液につ
いて、これらの各二酸化塩素水溶液15ミリリットルを純
水1 5 ミリリットル及び100%無水エチルアルコ−ル70ミ
リリットルと混合し、二酸化塩素濃度300ppmの二酸化塩
素のアルコ−ル溶液を得、これらの各溶液について同様
に二酸化塩素の経時的劣化について調べたところ、各々
実施例1ないし実施例3の各実施例で得られた各pHの
二酸化塩素水溶液又は酸性イオン水に溶解した二酸化塩
素水溶液についての劣化防止効果と同じ効果が得られ、
二酸化塩素水溶液にさらにエチルアルコ−ルが混合され
ている場合においても、二酸化塩素水溶液のpHが6.
8〜6.0及び8.0以上である場合の二酸化塩素の劣
化防止効果(20℃および2℃の両方の場合)及び酸性
イオン水に溶解した二酸化塩素の劣化防止効果(2℃の
場合)が見られた。
【0030】試験例 実施例1と同様に製造したpH6.7 、二酸化塩素濃度10
0ppmの二酸化塩素水溶液(検体A)及び実施例1と同様
に製造した二酸化塩素濃度2000ppm 、pH6.7の二酸化
塩素水溶液5ミリリットと純水25ミリリットル及びグリ
セリン又は100%無水エチルアルコ−ル70ミリリット
ルとを混合し、二酸化塩素濃度100ppmのグリセリン溶液
(検体B)又は二酸化塩素濃度100ppmの70%エチルア
ルコ−ル水溶液(検体C)を得た。また比較のために5
×105 ppm のエチルアルコ−ル水溶液(検体D)及び
70%グリセリン水溶液(検体E)の各検体について、
その殺菌効果について以下の試験により調べた。すなわ
ち、各検体50ミリリットルに各種菌(大腸菌、MRSA、枯
草菌)を接種した後20℃で保存し、保存開始時から1
分後、10分後及び30分後の検体中の菌数測定用培地(日
本製薬製、SCDLP 寒天倍地)による寒天平板培養法(35
℃、2日間)により測定した。なお対照としては、菌液
リン酸緩衝液に同量の菌液を接種した。また大腸菌(Es
cheria coli IFO 3301)及びMRSA(メチシリン耐性黄色
ブドウ球菌(京都微生物研究所分離株))の菌液の調整
は、普通寒天斜面倍地で35℃一晩培養した試験菌株の菌
体を滅菌リン酸緩衝液に浮遊させ、1 ミリリットル当た
りの菌数が約107 となるように調製した。そして枯草
菌の菌液の調整は、標準寒天平板倍地で35℃で培養し、
光学顕微鏡下で十分芽胞が形成されていることを確認
し、この芽胞を滅菌リン酸緩衝液に浮遊させ、60℃20分
間加熱処理した後、1 ミリリットル当たりの菌数が約1
7 となるように調製した。上記試験の結果を表10に
示す。
【0031】
【表10】
【0032】表10に示されるように検体A,B,Cは
検体Dに比べ、殺菌効果が大きく、検体E及び対照には
殺菌効果は認められなかった。従って、二酸化塩素の殺
菌効果はエタノ−ル及びグリセリンの添加により影響を
受けず、二酸化塩素の殺菌効果は5×105 ppm のエタ
ノ−ルよりも大きいことが分かる。
【0033】そして検体Bをヒトの傷の消毒または水虫
の治療に使用する場合には、グリセリンにより二酸化塩
素が使用箇所に一定時間保持されるため、二酸化塩素水
よりも消毒効果がより持続すると考えられる。また検体
Cをヒトの傷の消毒に使用する場合には、エタノ−ルに
より皮膚上の油脂が除去されるので、同濃度の二酸化塩
素水をヒトの傷の消毒に使用する場合よりも消毒効果が
大きくなると考えられる。エタノ−ル以外の他の消毒用
アルコ−ルを二酸化塩素水と混合した加工物についても
同様の作用機序により消毒効果が改良されると考えられ
る。
【0034】
【発明の効果】請求項1ないし請求項3、請求項7、請
求項8に記載の二酸化塩素の加工物及び請求項9に記載
の二酸化塩素の加工物の使用方法によると、二酸化塩素
の劣化が防止されるので、プラントから製造された二酸
化塩素をその場で即時に使用する従来の場合とは異な
り、二酸化塩素の加工物を持ち運び及び保存可能であ
り、使用上便利である。また請求項4に記載の加工物に
よると二酸化塩素水の漂白効果を改良でき、請求項5な
いし請求項8に記載の二酸化塩素の加工物によると二酸
化塩素の滅菌効果が改良されるので実用的な二酸化塩素
の加工物が得られる。また請求項9に記載の二酸化塩素
の加工物の使用方法によると、二酸化塩素の劣化が防止
され得る二酸化塩素の加工物をアルカリ性に弱い物に対
しても使用できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液であ
    り、pH6.0以上pH6.8以下であることを特徴と
    する二酸化塩素の加工物。
  2. 【請求項2】 二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液であ
    り、pH8.0以上のアルカリ性であることを特徴とす
    る二酸化塩素の加工物。
  3. 【請求項3】 二酸化塩素ガスを酸性イオン水に溶解し
    た溶液であることを特徴とする二酸化塩素の加工物。
  4. 【請求項4】二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液であ
    り、pHが6.0より小さいことを特徴とする二酸化塩
    素の加工物。
  5. 【請求項5】 二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液にグ
    リセリンが混合されていることを特徴とする二酸化塩素
    の加工物。
  6. 【請求項6】 二酸化塩素ガスを水に溶解した溶液に消
    毒用アルコ−ルが混合されていることを特徴とする二酸
    化塩素の加工物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項3の内のいずれか
    一つに記載の二酸化塩素の加工物にさらにグリセリンが
    混合されていることを特徴とする請求項5に記載の二酸
    化塩素の加工物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項3の内のいずれか
    一つに記載の二酸化塩素の加工物にさらに消毒用アルコ
    −ルが混合されていることを特徴とする請求項7に記載
    の二酸化塩素加工物。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の二酸化塩素の加工物の
    使用前に、前記加工物のpHを6.8以下に調整するこ
    とを特徴とする二酸化塩素の加工物の使用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012046375A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Amatera:Kk 二酸化塩素ガスの発生放出方法
CN105311936A (zh) * 2015-11-26 2016-02-10 东北大学 一种长效空气污染治理剂及其应用

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