JPH07313849A - 流体分離素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スパイラル型流体分離素子中心管の端面の、
Ｏリング挿入部分の加工精度の向上と、最終製品加工時
間の短縮を図る。 【構成】 中心管のまわりに分離膜をスパイラル状に巻
き付けてなるスパイラル型流体分離素子の、中心管部分
の面取り加工された端面に相当する加工面と、ハンドリ
ング用切り捨て部分を有することを特徴とするスパイラ
ル型流体分離素子用中心管。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液状混合物の選択分
離、特に、灌水や海水の脱塩、有価物の回収、廃水の再
利用、超純水用途、及び気体の選択分離に用いるスパイ
ラル型流体分離素子の製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】液状混合物の選択分離、気体の選択分離
に使用されるスパイラル型流体分離素子の中心管は、該
中心管端面部分にＯリング挿入の為の面取り加工が施さ
れているが、面取り加工前の該中心管には、工程でハン
ドリングに使用するための部分があり、従来の技術で
は、このハンドリング部分を製造の最終工程で切断し、
該中心管端面部分のＯリング挿入の為の面取り加工を、
手動もしくは補助工具を使用して行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法ではＯリング挿入角度、精度を満足するものでは
なかった。Ｏリング挿入角度、精度が不良であると、Ｏ
リング切れが発生し、流体の分離が正常に行えない。ま
た、スパイラル型流体分離素子の連結によって、中心管
と平行な圧力を受けるため、面取り精度不良による中心
管端面部分の厚みむらが発生すると該中心管の端面部分
に座屈が発生する。一方、最終製品工程に於いて、該中
心管端面部分のＯリング挿入の為の面取りを、機械加工
しようとしても、加工する該中心管には、スパイラル型
流体分離素子を付けたままであり、製品の汚れの発生、
膜を付けたままによる膜の劣化、損傷が避けられない。
この要因を解決できなかった事から、従来技術では手動
もしくは補助工具を使用しての面取りでしかなかった。
本発明は、これらの面取り精度を均一に向上させ、Ｏリ
ング挿入角度、精度を安定して加工する事を目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、下記の構成を有する。

【０００５】即ち、本発明は中心管のまわりに、分離膜
をスパイラル状に巻き付けてなる、スパイラル型流体分
離素子の中心管の面取り加工された端面に相当する加工
面と、ハンドリング用切り捨て部分を有することを特徴
とする、スパイラル型流体分離素子用中心管である。

【０００６】本発明においてＯリング挿入面取り角度
は、該中心管の面取り角度が中心管中心線に対し、５〜
７０°の範囲であるが、より好ましい面取り角度は１０
〜３５°の範囲である。

【０００７】本発明において、面取りの深さは、径３mm
〜２２mmの場合は、最小０．５mm、径２２mm〜５０mmの
場合は、最小０．７mmであるが、径３mm〜２２mmの場合
には、０．９mm、径２２mm〜５０mmの場合は１．１mmが
より好ましい。

【０００８】最終製品の長さに中心管を切断し、ハンド
リング部分を除く時に、該中心管の事前面取り最深溝加
工の位置が、最終製品の長さと同一であると、切断の誤
差、該中心管の温度変化による伸びから、最終製品中心
管の端面と合致しない場合が発生する。

【０００９】本発明において該中心管の事前面取り最深
溝加工の位置は、該中心管に平行なる長さが、最終製品
中心管の端面＋０．１〜２mmの範囲であるが、好ましく
は最終製品中心管の端面＋０．３〜１mmである。

【００１０】本発明において該中心管の事前加工方法は
切削、成型があり、切削が良いが、精度を良くするため
に成型後の切削加工もこの好ましい。

【００１１】本発明において、該中心管材は金属、プラ
スチックが使用されるが、好ましい金属材として、事前
面取り加工後に錆による寸法変化の無いステンレススチ
ール、また、好ましいプラスチック材として、ＦＲＰ、
ノリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、硬質塩ビを使用し
たスパイラル型流体分離素子の製造方法

【００１２】

【実施例】図５に示す構成の逆浸透膜を用いた径８イン
チ長さ４０インチのスパイラル型流体分離素子用に、中
心管を、図１のように中心管製作時に、該スパイラル型
流体分離素子のＯリング挿入部分端面の面取り部分を事
前加工して、本発明の中心管を得た。この中心管を用い
て、図２に示した本発明のスパイラル型流体分離素子を
えた。得られた流体分離素子のハンドリング性能に何等
問題はなかった。該中心管のハンドリング部分を切断す
ると、図５スパイラル型流体分離素子の最終製品を完成
させることができた。

【００１３】

【発明の効果】本発明は次の効果を有する。

【００１４】（１）従来の技術では出来なかったＯリン
グ挿入部分の面取り加工が事前に行えるため、Ｏリング
挿入角度が定量化出来る。

【００１５】（２）加工精度が良くなる。

【００１６】（３）最終製品加工時間が短縮出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のスパイラル型流体分離素子の中心管
事前加工の１例を示す。

【図２】 本発明のスパイラル型流体分離素子の、最終
製品中心管ハンドリング部分切断前の１例を示す。

【図３】 従来技術による方式で、スパイラル型流体分
離素子中心管製作時の１例を示す。

【図４】 従来技術による方式で、スパイラル型流体分
離素子の中心管面取り前の１例を示す

【図５】 スパイラル型流体分離素子の１例の外観を示
す。

【符号の説明】

１：中心管 ２：スパイラル型流体分離素子 ３：Ｏリング挿入部分 ４：面取り部分 ５：事前面取り長さ ６：最終の中心管切断長さ ７：ハンドリング部分 ８：面取り角度 ９：面取り深さ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中心管のまわりに分離膜をスパイラル状
   に巻き付けてなるスパイラル型流体分離素子の、中心管
   部分の面取り加工された端面に相当する加工面と、ハン
   ドリング用切り捨て部分を有することを特徴とするスパ
   イラル型流体分離素子。
2. 【請求項２】 面取り角度に相当する該中心管加工面の
   角度が中心管中心線に対し５〜７０°であることを特徴
   とする請求項１記載のスパイラル型流体分離素子。
3. 【請求項３】 該中心管径３〜２２mmであり、該中心管
   の加工面の深さが、０．５mm以上であることを特徴とす
   る請求項１乃至２記載のスパイラル型流体分離素子
4. 【請求項４】 該中心管径２２〜５０mmであり、該中心
   管の加工面の深さが、０．７mm以上であることを特徴と
   する請求項１乃至２記載のスパイラル型流体分離素子。
5. 【請求項５】 該中心管の加工面の最深溝加工の位置
   は、中心管に平行なる長さが、最終製品中心管の端面よ
   り０．１〜２mm長いことを特徴とする請求項１乃至４記
   載の中心管を特徴とするスパイラル型流体分離素子。
6. 【請求項６】 該中心管材質が金属、プラスチックより
   なることを特徴とする請求項１乃至５記載のスパイラル
   型流体分離素子。
7. 【請求項７】 切削、成型により中心管が作製されたこ
   とを特徴とする請求項１乃至６記載のスパイラル型流体
   分離素子用中心管の製造方法
8. 【請求項８】 請求項１乃至６記載のスパイラル型流体
   分離素子の製造方法。
9. 【請求項９】 請求項１乃至６記載のスパイラル型流体
   分離素子に用いられている中心管。