JPH07312453A - マイクロ波励起ガスレーザ装置 - Google Patents

マイクロ波励起ガスレーザ装置

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JPH07312453A
JPH07312453A JP2941595A JP2941595A JPH07312453A JP H07312453 A JPH07312453 A JP H07312453A JP 2941595 A JP2941595 A JP 2941595A JP 2941595 A JP2941595 A JP 2941595A JP H07312453 A JPH07312453 A JP H07312453A
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真 加藤
Koichi Saito
幸一 斉藤
Koichi Sato
公一 佐藤
Minoru Kimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロ波励起ガスレーザ装置に関し、本質
的に、放電励起用のマイクロ波の強度分布を均一化でき
る構成を有するマイクロ波励起ガスレーザ装置を実現
し、結果的に、均一な媒質の励起が可能で、高効率にレ
ーザ発振をすることができるマイクロ波励起ガスレーザ
装置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、マイクロ波発振器11、12から
発振されるマイクロ波により被励起ガス媒質29を高エ
ネルギー状態に励起させてレーザ発振を行うマイクロ波
励起ガスレーザ装置であって、前記被励起ガス媒質を、
電界の振動方向が互いに異なる複数のマイクロ波26、
27により励起するマイクロ波励起ガスレーザ装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスレーザ装置に関
し、特に、マイクロ波励起ガスレーザ装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、マイクロ波により、レーザ媒
質ガスの分子を高エネルギー状態に放電励起してレーザ
発振を行なう、いわゆるマイクロ波励起ガスレーザ装置
は、種々提案されてきている。
【0003】このようなマイクロ波励起ガスレーザ装置
においては、マイクロ波によるレーザ媒質ガスの空間的
に均一な励起が、その発振効率上、とりわけ要求され
る。
【0004】というのは、励起の不均一性が、励起に適
さないストリーマ放電を誘発したり、部分的なガスの異
常加熱を生じたり、又はレーザ増幅率の空間的不均一性
を発生したりして、それらが、結果的に、レーザ発振効
率の低下や、最大出力の低下の原因となるからである。
【0005】ところが、マイクロ波による放電励起で
は、マイクロ波の波長が十数センチメートルと短いた
め、広い空間範囲で、均一な電界強度分布が得られず、
励起が空間的に不均一にってしまい、放電の空間的均一
化が、特に困難である。
【0006】この対策として、例えば、特開平2−13
0975号公報の図1又は図2によれば、マイクロ波の
導波管の内部に絶縁物を挿入し、マイクロ波の電界の空
間的均一性を改善することを提案している。
【0007】しかし、この構成では、電界の強度分布の
均一性が、比較的良好な部分を限定して使用するという
ものであるに過ぎず、本質的に均一なマイクロ波の電界
強度分布を生み出すものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】つまり、従来のマイク
ロ波励起ガスレーザ装置の構成では、マイクロ波の波長
が短いがために困難である空間的な電界強度分布の均一
化を本質的に実現する試みが、何等成されていなかっ
た。
【0009】本発明は、本質的に、放電励起用のマイク
ロ波の強度分布を均一化できる構成を有するマイクロ波
励起ガスレーザ装置を実現し、結果的に、均一な媒質の
励起が可能で、高効率にレーザ発振をすることができる
マイクロ波励起ガスレーザ装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、マイクロ波発振器からが発振されるマイ
クロ波により被励起ガス媒質を高エネルギー状態に励起
させてレーザ発振を行うマイクロ波励起ガスレーザ装置
であって、前記被励起ガス媒質を、電界の振動方向が互
いに異なる複数のマイクロ波により励起するマイクロ波
励起ガスレーザ装置である。
【0011】更に、マイクロ波を定在波とするための定
在波形成手段を有し、被励起ガス媒質を、電界の振動方
向が互いに異なる複数の定在波のマイクロ波の各々の腹
の部分で前記被励起ガス媒質を励起するマイクロ波励起
ガスレーザ装置であってもよい。
【0012】そして、マイクロ波励起ガスレーザ装置か
らの光出力の強度変動が±5%以内の連続光出力となる
ような複数のパルスマイクロ波で被励起ガス媒質を励起
することが好適である。
【0013】この場合、複数のマイクロ波が、各々パル
スマイクロ波であり、パルスの繰返し周波数は20kH
z以上であることが好適である。
【0014】一方で、複数のパルスマイクロ波が各々パ
ルス群であり、レ−ザ出力光がパルス光であってもよ
い。
【0015】そして、以上の複数のパルスマイクロ波
が、時間的に重なるように被励起ガス媒質を励起するこ
とが好適である。
【0016】そして、複数のパルスマイクロ波の、デュ
ーティ比が0.1〜0.3以内に制御されていることが
好適である。
【0017】更に、 複数のパルスマイクロ波のデュー
ティ比が各々異なる場合には発振開始のタイミングを合
わせることが望ましい。
【0018】そして、複数のマイクロ波の電界振動方向
が互いに直交していてもよい。そして、被励起ガス媒質
はレーザ管内に封じられ、複数のマイクロ波の電界振動
方向の内少なくとも1つの電界振動方向が前記レーザ管
の光軸と交差していてもよい。
【0019】更に、前述の定在波形成手段は空胴共振器
であり、前記空洞共振器は、互いに交差する部分を有す
る導波管を含み、前記交差する部分で、被励起ガス媒質
は、電界の振動方向が互いに異なる複数のマイクロ波に
より励起されてもよい。
【0020】この導波管が、互いに直交する2つの導波
管であることが好適である。この場合、2つの導波管の
各々が、マイクロ波発振器を有することも可能である。
【0021】そして、この2つの導波管の各々が、整合
器を有していてもよい。一方、被励起ガス媒質が、単一
のマイクロ波発振器が発振したマイクロ波により励起さ
れる構成でもよい。
【0022】又は、定在波形成手段は空胴共振器であ
り、前記空洞共振器は、互いに交差する部分を有する導
波管を含み、前記交差する部分で、被励起ガス媒質は、
電界の振動方向が互いに異なる複数のマイクロ波により
励起されてもよい。
【0023】この場合、複数のマイクロ波が、単一のマ
イクロ波発振器が発振したマイクロ波を分岐することに
より得られてもよい。
【0024】そして、マイクロ波発振器から発振された
マイクロ波は、単一な導波管を伝播し、マイクロ波分配
器で複数のマイクロ波に分岐され、複数の導波管により
導波管の交差部に位置する被励起ガス媒質に導かれてい
てもよい。
【0025】この導波管が整合器を有し、前記導波管
は、その位置がマイクロ波発振器とマイクロ波分配器と
の間、又は前記マイクロ波分配器と導波管の交差部との
間に存在してもよい。
【0026】一方で、複数のマイクロ波が、単一のマイ
クロ波発振器が発振したマイクロ波を還状に伝播させ、
被励起ガス媒質を複数回通過させることにより得られる
構成でもよい。
【0027】この導波管が整合器を有し、前記導波管
は、その位置がマイクロ波発振器と前記マイクロ波分配
器との間に存在していてもよい。
【0028】又、定在波形成手段は空洞共振器であり、
前記空胴共振器が、直方体型空胴共振器であってもよ
い。
【0029】この直方体型空胴共振器が、直方体の一辺
を共有する2つの面において、各々マイクロ波発振器を
有していてもよい。
【0030】そして、この直方体型空胴共振器が、一辺
を共有する2つの面に各々整合器を有していてもよい。
【0031】一方、定在波形成手段は空洞共振器であ
り、前記空胴共振器が、円筒体型空胴共振器であっても
よい。
【0032】この円筒体型空胴共振器は、2つのマイク
ロ波発振器を有していてもよい。そして、この円筒体型
空胴共振器が、更に整合器を有していてもよい。
【0033】又、被励起ガス媒質はレーザ管内に封じら
れ、2つのマイクロ波発振器は、マイクロ波を発振する
ためのアンテナ部を有し、前記アンテナ部は、前記レー
ザ管の光軸方向に投影した場合に、互いに直交する方向
に延在していてもよい。
【0034】又、複数のマイクロ波の周波数が、0.1
GHz以内で互いに異なっていてもよい。
【0035】又、複数のマイクロ波は、2つのマイクロ
波であり、各周波数が等しく、かつ互いのマイクロ波の
時間位相差が90度±4.5度以内で異なっていてもよ
い。
【0036】この時間位相差は、2つのマイクロ波のマ
イクロ波発振器から被励起ガス媒質までの伝播の距離差
が、互いに等しい複数のマイクロ波の波長の(1/4+
N/2)倍である(Nは0以上の整数)ように設定する
ことにより得られる。
【0037】そして、この2つのマイクロ波のマイクロ
波発振器から被励起ガス媒質までの伝播の距離差は、誤
差±5%以内の範囲内にある。
【0038】一方で、時間位相差は、2つのマイクロ波
の伝播経路中の少なくともいずれか一方に位相シフター
を挿入して得られてもよい。
【0039】又、更にマイクロ波の定在波の状態を調整
する定在波調整手段を有してもよい。 この定在波調整
手段は、具体的には多孔を有するショートプランジャが
好適である。
【0040】又、マイクロ波の周波数は、2.45GH
z±0.05GHzが好適である。
【0041】
【作用】以上の構成により、励起が2次元的に一様化・
均一化して、空間的に励起の均一化がなされる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明をする。
【0043】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例
について、図面を参照しながら詳細に説明をする。 本
実施例は、2つの交わる導波管により構成される空胴共
振器を有するマイクロ波励起ガスレーザ装置に関するも
のである。
【0044】図1は、本発明の第1の実施例を示す構成
図である。又、図2は、図1におけるマイクロ波パルス
がONの時のx軸とy軸を含む平面で切った断面図であ
る。
【0045】図1、図2において、10は空胴共振器、
11,12はマイクロ波発振器、13,14は導波管、
15はレーザ管、16は出力鏡、17は全反射鏡、18
から21はプランジャ、22,23は整合器で3つのス
タブチューナを有する構成である。
【0046】更に、24,25はマイクロ波発振器1
1,12のアンテナ、26はマイクロ波発振器11が発
生するy方向のマイクロ波の電界強度分布、27はマイ
クロ波発振器12が発生するx方向のマイクロ波の電界
強度分布、29はレーザ媒質ガスである。
【0047】次に、図3(a)から(c)は、図2のレ
ーザ管15の内部の放電状態を示す拡大断面図である。
【0048】図3(a)は、y方向電界のみを印加した
場合の放電状態、図3(b)および(c)は、y方向電
界及びx方向電界の同時印加の放電状態であり、図3
(b)は、y方向に電界が向いた瞬間を示し、図3
(c)は、x方向に電界が向いた瞬間を示す。
【0049】図3において、30,31はy方向電束
線、32はx方向電束線、33,34は放電状態にある
放電領域である。
【0050】以上のように構成されたマイクロ波励起ガ
スレーザ装置において、特に、大出力が要求されるCO
2レーザ装置を想定して以下の動作の説明をおこなう
が、レーザ媒質ガスを変えれば他の種類のガスレーザと
しても機能することはいうまでもない。
【0051】例えば、COガスレーザ、N2ガスレー
ザ、金属蒸気レーザ、希ガスレーザ、He−Neレー
ザ、イオンレーザ等にも適用可能である。
【0052】まず、図1及び図2に示すように、マイク
ロ波発振器11,12から発生したマイクロ波(発振周
波数は各々2.45GHz±0.05GHz)は、導波
管13,14を伝播し、整合器22、23で整合を取ら
れる。
【0053】ここで、導波管13,14は、互いにレー
ザ管15の位置において交差するが、特に本実施例の場
合には直交している。
【0054】そして、本実施例の場合には、レーザ管1
5の位置においてマイクロ波発振器11とマイクロ波発
振器12からのマイクロ波は電界方向が直交している。
【0055】よって、2つのマイクロ波発振器11,1
2から発振されたマイクロ波は、進行方向が互いに直交
しており、かつそれらの電界の振動方向(電界ベクトル
の方向)も互いに直交している。
【0056】このように直交する2つのマイクロ波電界
により、レーザ管15の中のレーザ媒質ガス29(比率
1:9:40のCO2,N2,Heの混合ガスで圧力は6
0Torr程度)を放電励起させ、全反射鏡17と出力
鏡16より構成される光共振器から、レーザ光がz軸方
向に出力される。
【0057】ここで、マイクロ波については、図2のy
方向電界分布26とx方向電界分布27で示すように、
レーザ管15部分が定在波の腹の位置になるようにプラ
ンジャ18,19,20,21を移動させて調整する。
【0058】というのは、放電開始に必要とされる電界
強度は約1kV/cmとされているが、1kWのマイク
ロ波の進行波の場合、電界強度は最大でも約500V/
cm程度なので、放電開始には不充分である。
【0059】そこで、マイクロ波を定在波とし、さらに
電界強度の最も強い腹の位置がレーザ管15部分に一致
するように調整し、放電開始を行いやすくする。
【0060】そして、整合器22,23により、マイク
ロ波発振器11,12と放電負荷とが最適マッチング状
態になるように調整されている。
【0061】又、図1では明示していないが、必要によ
り、レーザ媒質ガス29は、レーザ管15から配管で引
き出され、冷却後に再度ポンプで注入されるガス冷却循
環機構を設備することができる。
【0062】以下、更に、本実施例におけるマイクロ波
の放電状態について、詳細に説明する。
【0063】図3(a)は、y方向電界のみを印加した
場合の放電状態で、一方向の電界の印加状態を示す。
【0064】すなわち、図2において、マイクロ波発振
器11のみを発振させ、レーザ管15にはy方向の電界
のみが印加されている状態である。
【0065】このy方向の電界分布26は、マイクロ波
の波長に対応してレーザ管15の中央部分が強く、その
左右の端は弱い。
【0066】このため、放電33は、図3(a)に示す
ように、中央部分に縦長に細く放電し、レーザ媒質ガス
の均一励起が達成できない。
【0067】しかし、この場合も、縦長の図中上下方向
(y方向)については、放電状態は均一である。
【0068】この理由は、電束線30がy方向に連続で
あるため、y方向の電界強度の変化が少なくなっている
と考えられるためである。
【0069】これに対して、図中左右方向(x方向)に
おいては、電束線の密度がx方向では大きく変化してい
るため、電界強度の変化が激しくなっている。
【0070】次に、図3(b)及び(c)は、y方向電
界およびx方向電界同時印加時の合成電界が、それぞれ
y方向、x方向を向いた瞬間の放電状態である。
【0071】すなわち、図2において、マイクロ波発振
器11及び12が同時に発振し、レーザ管15にはx方
向の電界およびy方向の電界が同時に印加されている状
態を示している。
【0072】マイクロ波発振器11と12は、別個のマ
イクロ波発振器であるため、2.45GHzで発振して
も正確には同一周波数では発振せず、数MHz以上の発
振周波数の差がある。
【0073】このように、2つの電界の振動周波数が異
なる場合、位相差δは経時的に変化する。
【0074】この時、合成ベクトルの描く軌跡はδの変
化に伴い、円−楕円−直線−楕円−円を繰り返す。
【0075】この繰り返しの周波数が、2つの異なる発
振周波数の差周波数に相当する。具体的には、合成電界
は、該当するマイクロ波の周波数(本実施例では2.4
GHzから2.5GHzまで)で回転振動し、そして、
この回転が、異なる2つの周波数の差周波数(本実施例
では最大で0.1GHz)で、状態変化していくのであ
る。
【0076】よって、合成電界がy方向を向いた瞬間は
図3(b)の状態となり、合成電界がx方向を向いた瞬
間は図3(c)の状態となる。
【0077】そして、合成電界がy方向を向いた瞬間
は、前述の説明のようにy方向に放電が均一化され、合
成電界がx方向を向いた瞬間はx方向に放電が均一化さ
れる。
【0078】更に、実際は、発振周波数の差周波数に対
応して、合成電界の方向は、2次元空間の全ての方向を
向くため、放電領域は全体として2次元的に広がり、図
3(b)及び(c)のように実質的に断面が円形状の均
一な放電領域が実現することになる。
【0079】さて、本実施例においては、マイクロ波発
振器11,12から発振されるマイクロ波は、各々他の
形態を有するものももちろん使用可能であるが、パルス
マイクロ波を用いた。
【0080】これらの2つのパルスマイクロ波は、レー
ザ管15の位置において実質的に同時に印加される。
【0081】図4に、レーザ管位置で観測した場合の2
つのパルスマイクロ波の模式図を示す。
【0082】ここで重要な点は、2つのパルスのON・
OFFのタイミングが、一致していることにある。
【0083】つまり、上述の均一な放電を実現するため
には、レーザ出力光が連続光、パルス光であるにかかわ
らず、2つのパルスマイクロ波は、時間的に重なり合う
必要がある。
【0084】というのは、互いのタイミングがずれた場
合、例えばマイクロ波発振器12が先にOFFした場
合、瞬間的に放電状態は図3(a)の状態となってしま
い、本実施例の2つの異なる電界交差による効果が達成
できないからである。
【0085】又、レーザ発振に寄与するCO2 分子の励
起状態は約200μsでほぼ完全に失われるとされてい
るから、レーザ光出力を連続した状態で取り出すには、
最低でも、(1/200μs)Hz、すなわち5kHz
程度の繰り返し周波数が必要となる。
【0086】しかし、5kHzそのままでは出力は強度
変動率が100%となってしまうので、レーザ光が連続
していると見なせる±5%以内の強度変動を実現するに
は、20kHz程度の繰り返し周波数が最低でも必要だ
と考えられることになる。
【0087】以上まとめると、本実施例においては、上
述のようなx方向電界及びy方向電界の同時印加状態を
創出することにより励起が極めて均一化になされる。
【0088】具体的には、図3(a)に示される一方向
電界印加状態の放電では、レーザ管15の断面積の30
%以下しか放電領域が存在せず、レーザ出力も70W程
度であったが、本実施例の図3(b)及び(c)に示さ
れる構成では、レーザ管15の断面積の80%以上の放
電領域を実現し、レーザ出力も180W以上を達成して
いる。
【0089】なお、本実施例では、マイクロ波発振器及
び導波管の数を2つの場合に代表させて説明したが、必
要に応じ、3つ以上設けることも可能である。
【0090】又、マイクロ波の電界振動方向について
は、レーザ管の光軸と最低限交差していれば必ずしも完
全に直交していなくてもよく、互いの振動の相対方向
も、最低限交差していれば必ずしも完全に直交していな
くてもよい。
【0091】又、本実施例では、プランジャをx方向ま
たはy方向に動かすことにより、マイクロ波の定在波の
腹位置の調整を行うことが可能である。
【0092】そして、プランジャは平板状が代表的であ
るが、さらにマイクロ波が外部にもれない程度の複数個
の孔を設け、内部が観察できるようにしてもよい。
【0093】このプランジャに関しては、以下に述べる
実施例2及び実施例3においても同様である。
【0094】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0095】本実施例は、第1の実施例と同じくマイク
ロ波励起ガスレーザに関するが、マイクロ波発振器を2
本使用せず1本のマイクロ波発振器を用い、結果的に、
電界が直交するマイクロ波の2方向からの印加を達成し
ている構成例を示す。
【0096】図5は、本発明の第2の実施例を示す断面
図であり、第1の実施例の図2に対応する。
【0097】図5において、図2と対応する部分は同一
の番号を付したが、105は空胴共振器、41は1つの
マイクロ波発振器、42,43,44は導波管であり、
導波管43,44はレーザ管15の位置で互いに直交し
ている。
【0098】ここで、整合器22,23は、各々導波管
43,44に付されているが、導波管42が整合器を有
しても構わない。
【0099】又、46はマイクロ波分配器であり、導波
管42を伝播するマイクロ波は、マイクロ波分配器46
にて2つに分配され、各々のマイクロ波はそれぞれ導波
管43と導波管44を伝播する。
【0100】以上のように構成された本実施例の装置
は、第1の実施例の装置とは、マイクロ波発振器41か
ら導波管43と44の整合器22と23の直前までの構
成が異なるだけで、レーザ管15の付近の構成は全く同
一である。
【0101】マイクロ波分配器46で分配された2つの
マイクロ波は、レーザ管15の位置で互いに交わり、レ
ーザ管15に対して空間的に電界の振動方向が直交する
2方向のマイクロ波電界として印加される。
【0102】しかしながら、第1の実施例と異なり2方
向のマイクロ波の周波数は全く同一であるため差周波が
生ぜず、一般的には、レーザ管15部分での電界方向
は、x軸方向、y軸方向を含む360度の空間の全ての
方向に対して、均一には向かはない。
【0103】具体的は、2方向のマイクロ波の時間的位
相差が0度又は180度の場合には、x軸やy軸から斜
め45度の空間方向に向く直線偏波状態になるだけであ
る。
【0104】又、2方向のマイクロ波の時間的位相が9
0度異なるときは、円偏波状態となり、x軸方向、y軸
方向を含む360度の空間の全ての方向を、瞬間的には
向かう。
【0105】又、位相差が上記以外の中途半端な角度で
ある場合には、楕円偏波状態となり、全ての方向を均等
には向かず、特定の方向が強くなって放電状態が均一化
されない。
【0106】そこで、本実施例では、実際に2方向のマ
イクロ波の時間的位相が90度異なる状態を実現するた
めに、図5に示すように、分岐点Sよりレーザ管15の
中心点Cまでの導波管43を通る距離距離la と、導波
管44を通る距離lb の差(lb −la )を、マイクロ
波の導波管内波長の1/4波長に設定した。
【0107】なお、この距離の差は一般的に、(1/4
+N/2)波長(Nは0以上の整数)と表現できる。
【0108】又、距離la (導波管43を通る距離)と
距離lb (導波管44を通る距離)とが同一の場合で
も、導波管43,44のうち少なくともどちらか一方に
レーザ管15での時間的位相差が90度となるような位
相シフターを挿入しておけば、上記の距離差で時間的位
相差を作るものと同じ効果が得られる。
【0109】なお、この位相シフターとしては、通常の
導波管中物質とは異なる誘電率を有する材料から形成す
ることができる。
【0110】以上の構成により、レーザ管15でのマイ
クロ波電界の方向は、空間の全ての方向を瞬間的には向
かうことになる。
【0111】又、実施例1では完全な円偏波状態のみを
実現するのは不可能であり、楕円偏波や直線偏波状態を
含まざるを得なかったが、本実施例では、ほぼ完全な円
偏波状態のみの実現が可能である。
【0112】2つのマイクロ波電界の時間的位相はちょ
うど90度(完全な円偏波状態)であることが理想的に
は望ましいが、ある程度の楕円偏波は許容できる。その
許容範囲としては、±4.5度と評価した。
【0113】又、この±4.5度は、百分率表示で±5
%に相当するため、上記距離の差(lb −la )の誤差
許容範囲は±5%となる。
【0114】よって、本実施例では、1つのマイクロ波
発振器で、実施例1と同様な、あるいは実施例1以上の
励起状態の均一化を達成できることになる。
【0115】なお、本実施例では、導波管の分岐の数を
2つの場合に代表させて説明したが、必要に応じ、3つ
以上分岐することも可能である。
【0116】又、マイクロ波の電界振動方向について
は、レーザ管の光軸と最低限交差していれば必ずしも完
全に直交していなくてもよい。
【0117】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0118】本発明の実施例は、第1の実施例と同じく
マイクロ波励起ガスレーザに関し、第2の実施例と同様
に、マイクロ波発振器を2つ使用せず、1つのマイクロ
波発振器を用いて、空間的に電界が直交する2方向のマ
イクロ波の電界の印加を実現する実施例である。
【0119】図6は、本発明の第3の実施例を示す断面
図であり、第1の実施例の図2に対応する。
【0120】図6において、図2と対応する部分は同一
の番号を付しが、106は空胴共振器、61はマイクロ
波発振器、62は整合器、63は導波管、64,65は
プランジャである。
【0121】導波管63は、1本の導波管を折り曲げ
て、重なり合う部分を作り、その重なり合った部分にレ
ーザ管15が位置するよう構成されており、折れ曲がっ
た導波管63は、レーザ管15の位置で互いに直交して
いる。
【0122】整合器62は、導波管63のマイクロ波発
振器61とレーザ管15との間に付しているが、導波管
63のその他の部分に整合器が存在しても構わない。
【0123】以上のように構成された第3の実施例の装
置は、1本のマイクロ波発振器を使用してる点で、第2
の実施例と共通するが、本実施例ではマイクロ波分配器
を必要としない点が異なる。
【0124】本実施例においては、マイクロ波発振器6
1から発振されたマイクロ波は、折れ曲がった導波管6
3の重なり合った部分、すなわちレーザ管15の位置で
互いに交わり、レーザ管15に対しては空間的に電界が
直交する2方向のマイクロ波電界として印加される。
【0125】本実施例においても、第2の実施例と同様
に、2方向のマイクロ波の周波数は全く同一であるた
め、一般的に、レーザ管15部分での電界方向が、x軸
方向、y軸方向を含む360度の空間の全ての方向に向
かうことにはならない。
【0126】そこで、図6に示すように、レーザ管15
の中心点Cから導波管63を廻って再度中心点Cまで戻
る距離lc をマイクロ波の導波管内波長の1/4波長に
し、2方向のマイクロ波の時間的位相が90度異なる状
態を実現する達成できる。
【0127】なお、距離lc は、一般的に(1/4+N
/2)波長(Nは0以上の整数)と表現できる。
【0128】更に、距離lc が(1/4+N/2)波長
に等しくない場合であっても、レーザ管15での時間的
位相差が90度となるような所定の位相シフターをその
途中に挿入しておけば、同様な効果が得られることにな
る。
【0129】又、導波管63を廻る回数は、2回に限ら
ず、上記条件を満足すれば何回でも可能である。
【0130】以上の構成により、本実施例においては、
レーザ管15でのマイクロ波の電界の方向が、空間の全
ての方向を瞬間的には向かうので、実施例1、2と同様
に、励起の均一化を達成できる。
【0131】そして、本実施例では、1つのマイクロ波
発振器で構成可能であることに加え、整合器も1つで済
む簡便な構成が実現できる。
【0132】なお、本実施例では、導波管の交差部を2
回交差の場合に代表させて説明したが、必要に応じ、3
回以上交差することも可能である。
【0133】又、マイクロ波の電界振動方向について
は、レーザ管の光軸と最低限交差していれば必ずしも完
全に直交していなくてもよい。
【0134】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0135】図7は、本発明の第4の実施例を示す2態
様の断面図であり、各々第1の実施例の図2に対応す
る。
【0136】図7(a)は、直方体からなる直方体型空
胴共振器により構成されるマイクロ波励起ガスレーザ装
置、図7(b)は、円筒体からなる円筒体型空胴共振器
である。
【0137】図7において、図2と対応する部分は同一
の番号を付したが、107は直方体型空胴共振器、10
8は円筒型空胴共振器、71,72,81,82はマイ
クロ波発振器、73,74,83,84はマイクロ波発
振器のアンテナ、75,76,85,86は整合器であ
る。
【0138】これらの態様において、2つの異なるマイ
クロ波の電界の振動方向が互いに直交するためには、マ
イクロ波発振器のアンテナ73と74、又は83と84
とが、両アンテナをレーザ光軸方向(図面の紙面に垂直
な方向)に投影した場合に、互いに直交するように延在
している必要がある。
【0139】以上のように構成された第4の実施例の図
7(a)に示される構成は、第1の実施例の構成の導波
管部分を短く切り詰めた形態をしており、又図7(b)
に示される構成は、図7(a)の空洞共振器を円筒状に
したものであるから、マイクロ波発振器を2つ使用する
こと、これら2つのマイクロ波発振器が発振するマイク
ロ波の発振周波数が互いに異なること、整合器を2つ使
用することなどの点において同様である。
【0140】よって、動作原理は第1の実施例に等し
く、2つのマイクロ波の差周波数で電界方向を360度
の空間すべての方向に向かせることで均一な放電を実現
することになる。
【0141】前述の第1の実施例の装置と比較すると、
図2でx軸方向及びy軸方向に伸びていた導波管部分が
本実施例ではなくなり、空胴共振器の小型化を達成して
いる。また、第1の実施例では合計4つ存在したプラン
ジャが本実施例1つもなくなり、付属装置の簡略化を達
成している。
【0142】定在波の波形及び腹位置の調整は、直方体
型空胴共振器を構成する図7(a)の紙面によって可能
である。
【0143】また、図7(b)の円筒体型空胴共振器の
場合も、同様に調整が可能である。つまり、本実施例に
おいては、実施例1から3の構成を一層進め、空胴共振
器の小型化、付属装置の簡略化を実現したものである。
【0144】なお、本実施例では、マイクロ波発振器の
数を2つの場合に代表させて説明したが、必要に応じ、
3つ以上設けることも可能である。
【0145】又、マイクロ波の電界振動方向について
は、レーザ管の光軸と最低限交差していれば必ずしも完
全に直交していなくてもよく、互いの振動の相対方向
も、最低限交差していれば必ずしも完全に直交していな
くてもよい。
【0146】(実施例5)以下、本発明の第5の実施例
について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0147】装置は第1の実施例と同様の構成のものを
用いた。さて、本実施例においては、マイクロ波発振器
11,12から発振されるマイクロ波は、各々他の形態
を有するものももちろん使用可能であるが、パルスマイ
クロ波を用いた。
【0148】これらの2つのパルスマイクロ波は、レー
ザ管15の位置において実質的に同時に印加される。
【0149】図4に、レーザ管位置で観測した場合の2
つのパルスマイクロ波の模式図を示す。
【0150】ここで重要な点が2つある。1点目は、レ
ーザ管15内を流れているレーザ媒質ガス29の流速に
応じたパルスマイクロ波のデューティを最適化すること
である。
【0151】というのは、レーザ媒質ガス29の流速に
対してデューティが大き過ぎると、レーザ媒質ガス29
の異常加熱を生じ安定な放電が得られなくなり、レーザ
出力の低下を招くからである。
【0152】2点目は、第1の実施例でも説明したよう
に2つのパルスのタイミングが、一致していることであ
る。
【0153】つまり、上述の均一な放電を実現するため
には、レーザ出力光が連続光、パルス光であるにかかわ
らず、2つのパルスマイクロ波は、時間的に重なり合う
必要がある。
【0154】というのは、互いのタイミングがずれた場
合、例えばマイクロ波発振器12が先にOFFした場
合、瞬間的に放電状態は図3(a)の状態となってしま
い、本実施例の2つの異なる電界交差による効果が達成
できないからである。
【0155】そこで、本実施例においてはマイクロ発生
源であるマイクロ波発振器11,12の電源として図8
に示すものを用いた。
【0156】図8において、91はパルス発生回路、9
2はパルスディレイ回路、93はマイクロ発振器11を
駆動するための高圧電源部(y)、94はマイクロ発振
器12を駆動するための高圧電源部(x)である。
【0157】図8において、パルス発生回路91で任意
の周波数に設定されたパルス信号は、パルスディレイ回
路92によって複数のパルス信号に分岐される。このパ
ルディレイ回路92によって分岐されたパルス信号につ
いては、デューティ比及び相互の遅延が任意に設定可能
である。
【0158】分岐されたパルス信号は、高電圧電源部
(y)93,高電圧電源部(x)94を介してマイクロ
波発振器11,12に印加され、パルスマイクロ波が発
生される。
【0159】図8のパルス発生回路91とパルスディレ
イ回路92によって、マイクロ波発振器11,12から
発振されるパルスマイクロ波のデューティを可変させた
時のレーザ発振の実施例を示す。
【0160】ここで、デューティの定義は、マイクロ波
発振器11,12に印加する平均電力とピーク電流の比
とした。
【0161】図9に示すようにデューティを上げていく
と発振効率も徐々に上昇していき、デューティが0.2
付近において最大発振効率18.1%を得ることがわか
り、更に、デューティを上げていくと発振効率は徐々に
低下していく傾向にあることがわかった。
【0162】実用上、支障なく使用可能なマイクロ波励
起ガスレーザの発振効率は、最大発振効率の±2%の範
囲であると考えられるため、実用上0.1から0.3程
度のデューティの範囲内であれば、デューティがずれて
も充分な実用に供せられる。
【0163】次に、マイクロ波発振器11と12にそれ
ぞれ異なったデューティのパルス信号を印加し、更に、
y方向のパルスマイクロ波を基準にx方向のパルスマイ
クロ波のタイミングをずらしてレーザ発振させた。
【0164】パルス発生回路91からのパルス周波数を
25kHzとし、パルスディレイ回路92によってy方
向に印加するパルス信号のデューティ比を20.0%
(パルス幅8μs)に、x方向に印加するパルス信号の
デューティ比を15.0%(パルス幅6μs)に設定
し、y方向のパルスマイクロ波を基準にx方向のパルス
マイクロ波のタイミングを、±5μsの範囲内で1μs
ずつずらしてレーザ発振させた。なお、マイクロ波入力
電力は956Wである。例えば、図10に示すように、
y方向に対して、x方向のタイミングをt=5μs進め
た場合には、レーザ出力は131W(発振効率13.7
%)となり、y方向,x方向相互のタイミングずれがな
いときには、レーザ最高出力156W(発振効率16.
3%)が得られた。又、y方向に対して、x方向のタイ
ミングをt=5μs遅らせた場合には、レーザ出力は1
20W(発振効率12.5%)であった。
【0165】このようにして、y方向に対して、x方向
のタイミングのずれ時間を1μsずつずらした結果を図
10に示す。
【0166】図10に示すように、ずれ時間と共にレー
ザ出力は徐々に低下し、5μs以上のずれになるとレー
ザ出力は極端に低下する。
【0167】更に、ずれ時間が2μs程度になるとプラ
ズマの形態が変化し、均一な励起が望めなくなるため、
最低でも±1μs以内のズレの範囲内にあわせる必要が
ある。
【0168】以上のように、相互のデューティがずれて
いる場合には発振開始のタイミングを±1μs以内の範
囲内あわせることにより均一な励起が可能となり、高出
力が得られる。
【0169】なお、以上の全ての実施例において、導波
管は、矩形導波管であっても円筒導波管であってもいず
れでも可能である。
【0170】そして、矩形導波管内を伝播するマイクロ
波は、TEm0モードであり、円筒導波管内を伝播するマ
イクロ波は、TE11モードである。
【0171】又、以上の全実施例において、整合器は2
スタブチューナ、3スタブチューナ、EHチューナのい
ずれかの形態を取り得る。
【0172】又、以上の全実施例において、空胴共振器
は、金属導体を母材とすると好適である。
【0173】又、以上の全実施例において、レーザ管
が、マイクロ波を透過する誘電体を母材とすると好適で
ある。
【0174】そして、この誘電体には、石英ガラス、耐
熱強化ガラス等が使用し得る。又、以上の全実施例にお
いて、マイクロ波発振器として、マグネトロンを好適に
使用し得る。
【0175】又、以上の全実施例において、被励起媒質
は、COガス、CO2ガス、N2ガス、金属蒸気、希ガ
ス、ハロゲンガスのうち少なくとも1つを含んでいるこ
とが可能である。
【0176】又、以上の全実施例において、被励起媒質
がレーザ管、ガス循環ポンプ、熱交換器、ガス配管によ
り構成されるガス循環器系により循環せしめられること
も可能である。
【0177】
【発明の効果】以上のように本発明は、被励起媒質の同
一部分に、同時に空間的に電界の振動方向が直交する2
方向のマイクロ波電界を印加する構成により、励起が2
次元的に一様化・均一化して、空間的に励起の均一化が
実現できる。
【0178】この結果、均一な媒質の励起が可能である
マイクロ波励起ガスレーザ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の斜視図
【図2】同第1の実施例の断面図
【図3】同第1の実施例の放電管の内部の放電状態を示
す拡大断面図
【図4】同第1の実施例のマイクロ波の電界強度を示す
【図5】同第2の実施例の断面図
【図6】同第3の実施例の断面図
【図7】同第4の実施例の断面図
【図8】同第5の実施例のマイクロ波発振器を駆動する
ための制御回路ブロック図
【図9】同第5の実施例のデューティ比を可変させたと
きのレーザ発振特性を示す説明図
【図10】同第5の実施例のy,x方向に印加するパル
スマイクロ波のデューティが異なる場合のタイミングを
可変させたときのレーザ発振特性を示す説明図
【符号の説明】
10 空胴共振器 11 マイクロ波発振器 12 マイクロ波発振器 13 導波管 14 導波管 15 レーザ管 16 出力鏡 17 全反射鏡 18 プランジャ 19 プランジャ 20 プランジャ 21 プランジャ 22 整合器 23 整合器 24 アンテナ 25 アンテナ 26 y方向電界分布 27 x方向電界分布 29 レーザ媒質ガス 30 y方向電束線 31 y方向電束線 32 x方向電束線 33 放電 34 放電 42 導波管 43 導波管 44 導波管 45 プランジャ 46 マイクロ波分配器 61 マイクロ波発振器 62 整合器 63 導波管 64 プランジャ 65 プランジャ 71 マイクロ波発振器 72 マイクロ波発振器 73 アンテナ 74 アンテナ 75 整合器 76 整合器 81 マイクロ波発振器 82 マイクロ波発振器 83 アンテナ 84 アンテナ 85 整合器 86 整合器 91 パルス発生回路 92 パルスディレイ回路 93 高圧電源部(y) 94 高圧電源部(x) 105 空胴共振器 106 空胴共振器 107 空胴共振器 108 空胴共振器
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 公一 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 木村 実 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波発振器からが発振されるマイ
    クロ波により被励起ガス媒質を高エネルギー状態に励起
    させてレーザ発振を行うマイクロ波励起ガスレーザ装置
    であって、前記被励起ガス媒質を、電界の振動方向が互
    いに異なる複数のマイクロ波により励起するマイクロ波
    励起ガスレーザ装置。
  2. 【請求項2】 更に、マイクロ波を定在波とするための
    定在波形成手段を有し、被励起ガス媒質を、電界の振動
    方向が互いに異なる複数の定在波のマイクロ波の各々の
    腹の部分で前記被励起ガス媒質を励起する請求項1記載
    のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  3. 【請求項3】 マイクロ波励起ガスレーザ装置からの光
    出力の強度変動が±5%以内の連続光出力となるような
    複数のパルスマイクロ波で励起する請求項2記載のマイ
    クロ波励起ガスレーザ装置。
  4. 【請求項4】 複数のマイクロ波が、各々パルスマイク
    ロ波であり、パルスの繰返し周波数は20kHz以上で
    ある請求項3記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  5. 【請求項5】 複数のパルスマイクロ波が各々パルス群
    であり、レ−ザ出力光がパルス光である請求項2記載の
    マイクロ波励起ガスレ−ザ装置。
  6. 【請求項6】 複数のパルスマイクロ波が、時間的に重
    なるように被励起ガス媒質を励起する請求項3から5の
    いずれか記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  7. 【請求項7】 複数のパルスマイクロ波の、デューティ
    比が0.1〜0.3以内に制御されていることを特徴す
    る請求項3から6のいずれか記載のマイクロ波励起ガス
    レーザ装置。
  8. 【請求項8】 複数のパルスマイクロ波のデューティ比
    が各々異なる場合には発振開始のタイミングを合わせる
    ことを特徴する請求項3から7のいずれか記載のマイク
    ロ波励起ガスレーザ装置。
  9. 【請求項9】 複数のマイクロ波の電界振動方向が互い
    に直交する請求項1から8のいずれか記載のマイクロ波
    励起ガスレーザ装置。
  10. 【請求項10】 被励起ガス媒質はレーザ管内に封じら
    れ、複数のマイクロ波の電界振動方向の内少なくとも1
    つの電界振動方向が前記レーザ管の光軸と交差する請求
    項9記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  11. 【請求項11】 定在波形成手段は空胴共振器であり、
    前記空洞共振器は、互いに交差する部分を有する導波管
    を含み、前記交差する部分で、被励起ガス媒質は、電界
    の振動方向が互いに異なる複数のマイクロ波により励起
    される請求項1から10のいずれかに記載のマイクロ波
    励起ガスレーザ装置。
  12. 【請求項12】 導波管が、互いに直交する2つの導波
    管である請求項11記載のマイクロ波励起ガスレーザ装
    置。
  13. 【請求項13】 2つの導波管の各々が、マイクロ波発
    振器を有する請求項12記載のマイクロ波励起ガスレー
    ザ装置。
  14. 【請求項14】 2つの導波管の各々が、整合器を有す
    る請求項13記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  15. 【請求項15】 被励起ガス媒質が、単一のマイクロ波
    発振器が発振したマイクロ波により励起される請求項1
    から10のいずれかに記載のマイクロ波励起ガスレーザ
    装置。
  16. 【請求項16】 定在波形成手段は空胴共振器であり、
    前記空洞共振器は、互いに交差する部分を有する導波管
    を含み、前記交差する部分で、被励起ガス媒質は、電界
    の振動方向が互いに異なる複数のマイクロ波により励起
    される請求項15記載のマイクロ波励起ガスレーザ装
    置。
  17. 【請求項17】 複数のマイクロ波が、単一のマイクロ
    波発振器が発振したマイクロ波を分岐することにより得
    られる請求項16記載のマイクロ波励起ガスレーザ装
    置。
  18. 【請求項18】 マイクロ波発振器から発振されたマイ
    クロ波は、単一な導波管を伝播し、マイクロ波分配器で
    複数のマイクロ波に分岐され、複数の導波管により導波
    管の交差部に位置する被励起ガス媒質に導かれる請求項
    17記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  19. 【請求項19】 導波管が整合器を有し、前記導波管
    は、その位置がマイクロ波発振器とマイクロ波分配器と
    の間、及び/又は前記マイクロ波分配器と導波管の交差
    部との間に存在する請求項18記載のマイクロ波励起ガ
    スレーザ装置。
  20. 【請求項20】 複数のマイクロ波が、単一のマイクロ
    波発振器が発振したマイクロ波を還状に伝播させ、被励
    起ガス媒質中を複数回通過させることにより得られる請
    求項16記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  21. 【請求項21】 導波管が整合器を有し、前記導波管
    は、その位置がマイクロ波発振器と導波管交差部分との
    間に存在する請求項20記載のマイクロ波励起ガスレー
    ザ装置。
  22. 【請求項22】 定在波形成手段は空洞共振器であり、
    前記空胴共振器が、直方体型空胴共振器である請求項1
    から10のいずれかに記載のマイクロ波励起ガスレーザ
    装置。
  23. 【請求項23】 直方体型空胴共振器が、直方体の一辺
    を共有する2つの面において、各々マイクロ波発振器を
    有する請求項22記載のマイクロ波励起ガスレーザ装
    置。
  24. 【請求項24】 直方体型空胴共振器が、一辺を共有す
    る2つの面に各々整合器を有する請求項23記載のマイ
    クロ波励起ガスレーザ装置。
  25. 【請求項25】 定在波形成手段は空洞共振器であり、
    前記空胴共振器が、円筒体型空胴共振器である請求項1
    から10のいずれかに記載のマイクロ波励起ガスレーザ
    装置。
  26. 【請求項26】 円筒体型空胴共振器が2つのマイクロ
    波発振器を有している請求項25記載のマイクロ波励起
    ガスレーザ装置。
  27. 【請求項27】 円筒体型空胴共振器が、更に整合器を
    有する請求項26記載のマイクロ波励起ガスレーザ装
    置。
  28. 【請求項28】 被励起ガス媒質はレーザ管内に封じら
    れ、2つのマイクロ波発振器は、マイクロ波を発振する
    ためのアンテナ部を有し、前記アンテナ部は、前記レー
    ザ管の光軸方向に投影した場合に、互いに直交する方向
    に延在している請求項23、24、26、27のいずれ
    か記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  29. 【請求項29】 複数のマイクロ波の周波数が、互いに
    異なる請求項1から14、又は22から28のいずれか
    記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  30. 【請求項30】 複数のマイクロ波の周波数の差が、
    0.1GHz以内である請求項29記載のマイクロ波励
    起ガスレーザ装置。
  31. 【請求項31】 複数のマイクロ波は、2つのマイクロ
    波であり、各周波数が等しく、かつ互いのマイクロ波の
    時間位相差が90度±4.5度以内で異なっている請求
    項15から21のいずれか記載のマイクロ波励起ガスレ
    ーザ装置。
  32. 【請求項32】 時間位相差は、2つのマイクロ波のマ
    イクロ波発振器から被励起ガス媒質までの伝播の距離差
    が、互いに等しい複数のマイクロ波の波長の(1/4+
    N/2)倍である(Nは0以上の整数)ように設定する
    ことにより得られる請求項31記載のマイクロ波励起ガ
    スレーザ装置。
  33. 【請求項33】 2つのマイクロ波のマイクロ波発振器
    から被励起ガス媒質までの伝播の距離差が、距離差±5
    %以内の範囲内にある請求項32記載のマイクロ波励起
    ガスレーザ装置。
  34. 【請求項34】 時間位相差は、2つのマイクロ波の伝
    播経路中の少なくともいずれか一方に位相シフターを挿
    入して得られる請求項31記載のマイクロ波励起ガスレ
    ーザ装置。
  35. 【請求項35】 更に、マイクロ波の定在波の状態を調
    整する定在波調整手段を有する請求項1から34のいず
    れか記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
  36. 【請求項36】 定在波調整手段が、多孔を有するショ
    ートプランジャである請求項35記載のマイクロ波励起
    ガスレーザ装置。
  37. 【請求項37】 マイクロ波の周波数が、2.45GH
    z±0.05GHzである請求項1から36のいずれか
    記載のマイクロ波励起ガスレーザ装置。
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