JPH07311071A - 気体式体積計 - Google Patents
気体式体積計Info
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- JPH07311071A JPH07311071A JP12810294A JP12810294A JPH07311071A JP H07311071 A JPH07311071 A JP H07311071A JP 12810294 A JP12810294 A JP 12810294A JP 12810294 A JP12810294 A JP 12810294A JP H07311071 A JPH07311071 A JP H07311071A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 容器の容積や物体の体積等のある基準値から
の偏差を比較的精度の低いマイクロホンを用いて測定で
きるようにした、気体の圧力変化を利用する体積計を提
供する。 【構成】 本発明の一形態は、被測定容器とほぼ同容積
の基準容器が結合された第1容器と、被測定容器が結合
された第2容器と、これらの容器に交番的体積変化を差
動的に与えるスピ−カと、これらの容器を連通する連通
管と、連通管内部の圧力変化がほぼ0となる位置におけ
る圧力変化を検出するマイクロホンとからなり、この検
出された圧力変化により基準容器と被測定容器との容積
の差を求める。 【効果】 連通管内部の圧力変化を検出するマイクロホ
ンの出力の大きさは、基準容器の容積と被測定容器の容
積との差にほぼ比例して変化し、精度の低いマイクロホ
ンを用いても容易に容積差を測ることができる。また、
基準容器の容積を別途に精密に測っておけば、容積差か
ら被測定容器の容積を精密に求めることができる。
の偏差を比較的精度の低いマイクロホンを用いて測定で
きるようにした、気体の圧力変化を利用する体積計を提
供する。 【構成】 本発明の一形態は、被測定容器とほぼ同容積
の基準容器が結合された第1容器と、被測定容器が結合
された第2容器と、これらの容器に交番的体積変化を差
動的に与えるスピ−カと、これらの容器を連通する連通
管と、連通管内部の圧力変化がほぼ0となる位置におけ
る圧力変化を検出するマイクロホンとからなり、この検
出された圧力変化により基準容器と被測定容器との容積
の差を求める。 【効果】 連通管内部の圧力変化を検出するマイクロホ
ンの出力の大きさは、基準容器の容積と被測定容器の容
積との差にほぼ比例して変化し、精度の低いマイクロホ
ンを用いても容易に容積差を測ることができる。また、
基準容器の容積を別途に精密に測っておけば、容積差か
ら被測定容器の容積を精密に求めることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複雑な形状の容器の容積
あるいは複雑な形状の物体の体積を測定する体積計、特
に容器内の気体の圧力変化を利用する方式の体積計にか
かわる。
あるいは複雑な形状の物体の体積を測定する体積計、特
に容器内の気体の圧力変化を利用する方式の体積計にか
かわる。
【0002】
【従来の技術】複雑な形状の容器の容積を測定する一つ
の方法として、スピーカなどの音源によって容器内部の
空間に交番的な体積変化を与えて内部の気体を断熱的に
圧縮膨張せしめ、そのときの圧力変化から容器の容積を
求めるという方法がある。
の方法として、スピーカなどの音源によって容器内部の
空間に交番的な体積変化を与えて内部の気体を断熱的に
圧縮膨張せしめ、そのときの圧力変化から容器の容積を
求めるという方法がある。
【0003】この種の測定方法の一つとして、出願人ら
は特公平2-33084 号および特開平5-223616号(以下これ
ら二つを前願発明と称する)において、基準容器と被測
定容器の双方に交番的体積変化を差動的に与え、そのと
きに生ずるこれらの容器内の気体の圧力変化の大きさの
比、すなわち音圧の大きさの比から、交番的体積変化の
大きさには無関係に、かつ、容器内の気体の静圧力にも
影響されないで容積を測定する気体式体積計を示した。
は特公平2-33084 号および特開平5-223616号(以下これ
ら二つを前願発明と称する)において、基準容器と被測
定容器の双方に交番的体積変化を差動的に与え、そのと
きに生ずるこれらの容器内の気体の圧力変化の大きさの
比、すなわち音圧の大きさの比から、交番的体積変化の
大きさには無関係に、かつ、容器内の気体の静圧力にも
影響されないで容積を測定する気体式体積計を示した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】工業的に大量生産され
る容器では、同種の容器相互の間の1〜2cc程度の容積
差が問題となる場合が多い。前願発明の装置は容積0を
原点として容器の絶対的な容積を測定するので、たとえ
ば1リットルほどの容器の1〜2cc程度の容積のバラツ
キを測定するには、容器内部の圧力変化を検出するマイ
クロホンやその増幅器に0.1パーセントよりずっと良
い感度の安定性が要求され、これが装置の製造コストを
増大させる要因となる。
る容器では、同種の容器相互の間の1〜2cc程度の容積
差が問題となる場合が多い。前願発明の装置は容積0を
原点として容器の絶対的な容積を測定するので、たとえ
ば1リットルほどの容器の1〜2cc程度の容積のバラツ
キを測定するには、容器内部の圧力変化を検出するマイ
クロホンやその増幅器に0.1パーセントよりずっと良
い感度の安定性が要求され、これが装置の製造コストを
増大させる要因となる。
【0005】本発明の目的は、容器の容積や物体の体積
等のある基準値からの偏差を比較的精度の低いマイクロ
ホンや増幅器等を用いて測定できるようにした気体式体
積計を提供することである。
等のある基準値からの偏差を比較的精度の低いマイクロ
ホンや増幅器等を用いて測定できるようにした気体式体
積計を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の体積計の一形態
は、被測定容器とほぼ同容積の基準容器が連通して結合
された第1の容器と、被測定容器が連通して結合された
第2の容器と、第1および第2容器に交番的体積変化を
差動的に与える手段と、第1および第2容器を連通する
連通管と、連通管内部の圧力変化がほぼ0となる位置に
おける圧力変化を検出するマイクロホンとからなり、こ
の検出された連通管内部の圧力変化により基準容器の容
積と被測定容器の容積との差を求めるようになってい
る。
は、被測定容器とほぼ同容積の基準容器が連通して結合
された第1の容器と、被測定容器が連通して結合された
第2の容器と、第1および第2容器に交番的体積変化を
差動的に与える手段と、第1および第2容器を連通する
連通管と、連通管内部の圧力変化がほぼ0となる位置に
おける圧力変化を検出するマイクロホンとからなり、こ
の検出された連通管内部の圧力変化により基準容器の容
積と被測定容器の容積との差を求めるようになってい
る。
【0007】
【作用と効果】このようにすると、連通管内部の圧力変
化を検出するマイクロホンの出力信号の大きさは、基準
容器の容積と被測定容器の容積との差にほぼ比例して変
化し、したがって比較的精度の低いマイクロホンや増幅
器を用いても基準容器の容積と被測定容器の容積との差
を精密に測ることができる。また、基準容器の容積を、
中に水を入れて重量を測るなどの方法によって、あらか
じめ求めておけば、被測定容器の容積も知ることができ
る。
化を検出するマイクロホンの出力信号の大きさは、基準
容器の容積と被測定容器の容積との差にほぼ比例して変
化し、したがって比較的精度の低いマイクロホンや増幅
器を用いても基準容器の容積と被測定容器の容積との差
を精密に測ることができる。また、基準容器の容積を、
中に水を入れて重量を測るなどの方法によって、あらか
じめ求めておけば、被測定容器の容積も知ることができ
る。
【0008】
【第1実施例】図1において、1は容積V1 の第1の容
器、3は容積V3 の基準容器でその内部は連通孔13を
通して容器1の内部につながっている。したがって容器
1の内容積は全体として(V1 +V3 )になっている。
2は容積V2 の第2の容器、4は容積V4 の被測定容器
でその内部は連通孔14を通して容器2の内部につなが
っている。したがって容器2の内容積は全体として(V
2 +V4 )になっている。
器、3は容積V3 の基準容器でその内部は連通孔13を
通して容器1の内部につながっている。したがって容器
1の内容積は全体として(V1 +V3 )になっている。
2は容積V2 の第2の容器、4は容積V4 の被測定容器
でその内部は連通孔14を通して容器2の内部につなが
っている。したがって容器2の内容積は全体として(V
2 +V4 )になっている。
【0009】容器1と2は隔壁18を介して接している
が、この隔壁には、これらの容器に交番的体積変化を与
える手段としてスピーカ6がつけられており、信号発生
器16から端子8、9を通して正弦波などの交番的駆動
信号が与えられるとスピーカ6の振動板7が振動し、容
器1と2に差動的に体積変化が与えられる。隔壁18に
はまた、容器1と2の内部を連通する連通管5がつけら
れており、5の長さ方向の途中に、その内部の圧力変化
を検出する手段としてマイクロホン10がつけられてい
る。10の出力e0 は端子12を経て信号処理装置15
へ送られる。同様に、容器1内部の圧力変化を検出する
手段としてマイクロホン11が容器1につけられてお
り、その出力e1 も信号処理装置15へ送られる。な
お、19は油粘土などの充填材で、容器2の容積を調整
するものである。
が、この隔壁には、これらの容器に交番的体積変化を与
える手段としてスピーカ6がつけられており、信号発生
器16から端子8、9を通して正弦波などの交番的駆動
信号が与えられるとスピーカ6の振動板7が振動し、容
器1と2に差動的に体積変化が与えられる。隔壁18に
はまた、容器1と2の内部を連通する連通管5がつけら
れており、5の長さ方向の途中に、その内部の圧力変化
を検出する手段としてマイクロホン10がつけられてい
る。10の出力e0 は端子12を経て信号処理装置15
へ送られる。同様に、容器1内部の圧力変化を検出する
手段としてマイクロホン11が容器1につけられてお
り、その出力e1 も信号処理装置15へ送られる。な
お、19は油粘土などの充填材で、容器2の容積を調整
するものである。
【0010】いま、信号発生器16からの信号によって
スピーカ6が駆動され、その結果振動板7が変位し、容
器1の内容積(V1 +V3 )がΔVS なる体積だけ膨張
したとすると、容器2の内容積(V2 +V4 )はΔVS
だけ圧縮される。すなわち容器1と2にはΔVS なる体
積変化が差動的に与えられる。また、連通管5を通して
ΔVP なる体積の気体が容器2に流入すると、容器1か
ら同じくΔVP なる体積の気体が5を通して流出する。
このとき容器1および2の内部に生ずる圧力変化をそれ
ぞれ−ΔP1 、ΔP2 とし、また
スピーカ6が駆動され、その結果振動板7が変位し、容
器1の内容積(V1 +V3 )がΔVS なる体積だけ膨張
したとすると、容器2の内容積(V2 +V4 )はΔVS
だけ圧縮される。すなわち容器1と2にはΔVS なる体
積変化が差動的に与えられる。また、連通管5を通して
ΔVP なる体積の気体が容器2に流入すると、容器1か
ら同じくΔVP なる体積の気体が5を通して流出する。
このとき容器1および2の内部に生ずる圧力変化をそれ
ぞれ−ΔP1 、ΔP2 とし、また
【0011】
【数1】
【0012】とすると、気体の断熱変化の関係式より
【0013】
【数2】
【0014】
【数3】
【0015】となる。ここでPは容器1および2内部の
気体の平均的な静圧力であり、γは気体の比熱比であ
る。上記二つの式より
気体の平均的な静圧力であり、γは気体の比熱比であ
る。上記二つの式より
【0016】
【数4】
【0017】となる。すなわち、圧力変化の比は体積変
化ΔV、静圧力P、比熱比γにはよらず、容積比によっ
てのみ定まる。
化ΔV、静圧力P、比熱比γにはよらず、容積比によっ
てのみ定まる。
【0018】連通管5の容器2の方の端での圧力変化は
ΔP2 で、容器1の方の端での圧力変化は−ΔP1 であ
り、管内の圧力変化の分布はΔP2 から−ΔP1 まで管
端からの距離に応じて連続的に変化している。したがっ
てその途中に管内の圧力変化がほぼ0になる点があり、
マイクロホン10はその点の近傍の圧力変化を検出す
る。被測定容器4の容積V4 が変わると容積比(V2 +
V4 )/(V1 +V3 )が変わり、(数4)の関係にし
たがって圧力変化の比ΔP1 /ΔP2 が変わるから、マ
イクロホン10で検出される圧力変化の大きさも変わ
る。
ΔP2 で、容器1の方の端での圧力変化は−ΔP1 であ
り、管内の圧力変化の分布はΔP2 から−ΔP1 まで管
端からの距離に応じて連続的に変化している。したがっ
てその途中に管内の圧力変化がほぼ0になる点があり、
マイクロホン10はその点の近傍の圧力変化を検出す
る。被測定容器4の容積V4 が変わると容積比(V2 +
V4 )/(V1 +V3 )が変わり、(数4)の関係にし
たがって圧力変化の比ΔP1 /ΔP2 が変わるから、マ
イクロホン10で検出される圧力変化の大きさも変わ
る。
【0019】以上に説明したことは、マイクロホン10
の出力e0 の大きさとしてその振幅E0 をとり、容器1
内部の圧力変化−ΔP1 を検出するマイクロホン11の
出力e1 の振幅をE1 とすると、近似的につぎのように
表わされる。
の出力e0 の大きさとしてその振幅E0 をとり、容器1
内部の圧力変化−ΔP1 を検出するマイクロホン11の
出力e1 の振幅をE1 とすると、近似的につぎのように
表わされる。
【0020】
【数5】
【0021】上式でAはマイクロホンの感度などによっ
て定まる定数であり、Bはバイアス定数で、E0 =0の
時の容積差(V4 −V3 )を表わす。またE0 はe0 と
e1 との位相が互いに同相のときには正の値を、逆相の
ときには負の値をとるものとする。
て定まる定数であり、Bはバイアス定数で、E0 =0の
時の容積差(V4 −V3 )を表わす。またE0 はe0 と
e1 との位相が互いに同相のときには正の値を、逆相の
ときには負の値をとるものとする。
【0022】バイアス定数Bは容器1の容積V1 、容器
2の容積V2 、基準容器の容積V3および連通管5内部
の圧力変化を検出する点の位置によって定まり、マイク
ロホン感度にはよらない。また、このBの値は充填材1
9の量を加減して非常に小さくなるように調整すること
もできる。結局、容積差(V4 −V3 )の値は、マイク
ロホン11の出力e1 の振幅E1 が一定であれば、マイ
クロホン10の出力の振幅E0 の値から(数5)の関係
によって直接的に求められる。なお(A/E1)とBの
値は、基準容器に対する容積差が既知の容器をもう一つ
用意し、その容積差に対応するE0 の値を測定し、つぎ
にこれら二つの容器を交換して容積差の符号を変えそれ
に対応するE0 の値を測定し、これら二つのE0 の値を
(数5)に代入することなどにより容易に決定される。
2の容積V2 、基準容器の容積V3および連通管5内部
の圧力変化を検出する点の位置によって定まり、マイク
ロホン感度にはよらない。また、このBの値は充填材1
9の量を加減して非常に小さくなるように調整すること
もできる。結局、容積差(V4 −V3 )の値は、マイク
ロホン11の出力e1 の振幅E1 が一定であれば、マイ
クロホン10の出力の振幅E0 の値から(数5)の関係
によって直接的に求められる。なお(A/E1)とBの
値は、基準容器に対する容積差が既知の容器をもう一つ
用意し、その容積差に対応するE0 の値を測定し、つぎ
にこれら二つの容器を交換して容積差の符号を変えそれ
に対応するE0 の値を測定し、これら二つのE0 の値を
(数5)に代入することなどにより容易に決定される。
【0023】図2は信号処理装置15の内部構造の一例
である。マイクロホン10の出力e0 は増幅器151で
増幅されたのち同期整流器153で同期整流される。マ
イクロホン11の出力e1 は増幅器152で増幅された
のち同期信号として153に与えられる。同期整流器1
53では、信号e0 のうちe1 とコヒーレントな成分の
大きさが検知され、その出力信号は、加算器156にお
いてバイアス定数Bに相当する分が差し引かれたのち、
表示器155に与えられて容積差(V4 −V3)の値が
表示される。増幅器152の出力はまた整流器154に
よって整流されて信号e1 の振幅E1 に比例した大きさ
の直流信号となり、導線17を通じて信号発生器16に
与えられ、E1 が一定となるように、すなわち容器1の
内部の圧力変化−ΔP1 の振幅が一定となるように、1
6からスピーカ6に与える駆動信号の大きさを制御す
る。しかし、基準容器3をつけたままで被測定容器4を
つぎつぎに替えて測定をくり返していく場合に、それら
の被測定容器がほぼ同容積の場合には、スピーカ6に一
定の大きさの駆動信号を与えれば−ΔP1 の振幅もほぼ
一定となるから、上記の制御は必須というわけではな
い。また、同期整流器153へ与えられる同期信号は信
号発生器16の出力の駆動信号をもって代えることがで
きるから、マイクロホン11も必須ではない。なお、上
記の−ΔP1 の振幅がほぼ一定ということは、(数4)
の関係から明らかなように、容器2の内部の圧力変化Δ
P2 の振幅がほぼ一定ということに等価である。
である。マイクロホン10の出力e0 は増幅器151で
増幅されたのち同期整流器153で同期整流される。マ
イクロホン11の出力e1 は増幅器152で増幅された
のち同期信号として153に与えられる。同期整流器1
53では、信号e0 のうちe1 とコヒーレントな成分の
大きさが検知され、その出力信号は、加算器156にお
いてバイアス定数Bに相当する分が差し引かれたのち、
表示器155に与えられて容積差(V4 −V3)の値が
表示される。増幅器152の出力はまた整流器154に
よって整流されて信号e1 の振幅E1 に比例した大きさ
の直流信号となり、導線17を通じて信号発生器16に
与えられ、E1 が一定となるように、すなわち容器1の
内部の圧力変化−ΔP1 の振幅が一定となるように、1
6からスピーカ6に与える駆動信号の大きさを制御す
る。しかし、基準容器3をつけたままで被測定容器4を
つぎつぎに替えて測定をくり返していく場合に、それら
の被測定容器がほぼ同容積の場合には、スピーカ6に一
定の大きさの駆動信号を与えれば−ΔP1 の振幅もほぼ
一定となるから、上記の制御は必須というわけではな
い。また、同期整流器153へ与えられる同期信号は信
号発生器16の出力の駆動信号をもって代えることがで
きるから、マイクロホン11も必須ではない。なお、上
記の−ΔP1 の振幅がほぼ一定ということは、(数4)
の関係から明らかなように、容器2の内部の圧力変化Δ
P2 の振幅がほぼ一定ということに等価である。
【0024】信号処理装置15としては、図2に示した
アナログ方式のものだけでなく、ディジタル計算機など
も使用可能である。この場合には信号e0 、e1 はアナ
ログディジタル変換器によって計算機にとりこまれ、計
算機内部で上記の同期整流等に相当する計算が行なわ
れ、(数5)の関係にしたがって容積差(V4 −V3 )
が算出される。(数5)の関係式は容積差(V4 −V
3 )が小さいときの線形な近似式で、(V4 −V3 )が
大きくなると線形範囲を逸脱してくる。その場合に(数
5)の右辺にE0 の2乗の補正項をつけ加えて容積差を
算出するようにすると測定範囲が拡大されるが、このよ
うな計算もディジタル計算機によれば容易である。また
(数5)を書き替えて
アナログ方式のものだけでなく、ディジタル計算機など
も使用可能である。この場合には信号e0 、e1 はアナ
ログディジタル変換器によって計算機にとりこまれ、計
算機内部で上記の同期整流等に相当する計算が行なわ
れ、(数5)の関係にしたがって容積差(V4 −V3 )
が算出される。(数5)の関係式は容積差(V4 −V
3 )が小さいときの線形な近似式で、(V4 −V3 )が
大きくなると線形範囲を逸脱してくる。その場合に(数
5)の右辺にE0 の2乗の補正項をつけ加えて容積差を
算出するようにすると測定範囲が拡大されるが、このよ
うな計算もディジタル計算機によれば容易である。また
(数5)を書き替えて
【0025】
【数6】
【0026】とし、この関係式を用いて容積差(V4 −
V3 )を振幅比(E0 /E1 )から算出することもでき
るが、振幅比を用いることは前記したフィードバック制
御によってE1 を一定に保ちつつ測定を行なうことに等
価であり、E1 を一定に保つことは必要でなくなる。そ
して上式のような除算を含む計算もディジタル計算機に
よれば容易である。
V3 )を振幅比(E0 /E1 )から算出することもでき
るが、振幅比を用いることは前記したフィードバック制
御によってE1 を一定に保ちつつ測定を行なうことに等
価であり、E1 を一定に保つことは必要でなくなる。そ
して上式のような除算を含む計算もディジタル計算機に
よれば容易である。
【0027】
【第2実施例】図3はほぼ同体積の多数の同種物体の体
積測定を主たる目的とする実施例装置である。容器1の
中には網棚28があり、その上の孔は重し蓋21で閉じ
られ、全体として容積V1 の第1の容器を形成してい
る。28の上部の空間には体積VR の基準物体23が入
れられる。同様に、容器2の中には網棚29があり、そ
の上の孔は重し蓋22で閉じられ、全体として容積V2
の第2の容器を形成している。29の上部の空間には体
積VX の被測定物体24が入れられる。容器1と2に交
番的体積変化を差動的に与えるスピーカ6および容器1
と2を連通する連通管5とその内部の圧力変化を検出す
るマイクロホン10は図1の装置と同じである。スピー
カ6には信号発生器26から端子8、9を通して一定の
大きさの交番的駆動信号が与えられるが、その結果、容
器1および2の内部にはほぼ一定の大きさの圧力変化を
生ずる。また、連通管5の両端には連通管先端部20、
20’がネジ結合されており、これらの先端部を回して
連通管の長さを変えてマイクロホン10で検出される管
内の圧力変化がほぼ0となるように調整する。
積測定を主たる目的とする実施例装置である。容器1の
中には網棚28があり、その上の孔は重し蓋21で閉じ
られ、全体として容積V1 の第1の容器を形成してい
る。28の上部の空間には体積VR の基準物体23が入
れられる。同様に、容器2の中には網棚29があり、そ
の上の孔は重し蓋22で閉じられ、全体として容積V2
の第2の容器を形成している。29の上部の空間には体
積VX の被測定物体24が入れられる。容器1と2に交
番的体積変化を差動的に与えるスピーカ6および容器1
と2を連通する連通管5とその内部の圧力変化を検出す
るマイクロホン10は図1の装置と同じである。スピー
カ6には信号発生器26から端子8、9を通して一定の
大きさの交番的駆動信号が与えられるが、その結果、容
器1および2の内部にはほぼ一定の大きさの圧力変化を
生ずる。また、連通管5の両端には連通管先端部20、
20’がネジ結合されており、これらの先端部を回して
連通管の長さを変えてマイクロホン10で検出される管
内の圧力変化がほぼ0となるように調整する。
【0028】以上のようにすると、容器1の内部空間の
容積は(V1 −VR )に、容器2の内部空間の容積は
(V2 −VX )になっているが、これは、図1の装置で
−VRなる容積を有する基準容器と−VX なる容積を有
する被測定容器をつけたことに等価であり、図3のマイ
クロホン10には体積差(VX −VR )にほぼ比例した
大きさの出力e0 を生ずる。e0 は端子12を経て信号
処理装置25への入力となり、図2に示したものと同様
の回路によって処理されて体積差(VX −VR )が表示
される。ただし、図3の装置ではe0 の同期整流に用い
られる同期信号として、信号発生器26からスピーカ6
に与えられる駆動信号が導線27を通して信号処理装置
25に与えられるようになっている。
容積は(V1 −VR )に、容器2の内部空間の容積は
(V2 −VX )になっているが、これは、図1の装置で
−VRなる容積を有する基準容器と−VX なる容積を有
する被測定容器をつけたことに等価であり、図3のマイ
クロホン10には体積差(VX −VR )にほぼ比例した
大きさの出力e0 を生ずる。e0 は端子12を経て信号
処理装置25への入力となり、図2に示したものと同様
の回路によって処理されて体積差(VX −VR )が表示
される。ただし、図3の装置ではe0 の同期整流に用い
られる同期信号として、信号発生器26からスピーカ6
に与えられる駆動信号が導線27を通して信号処理装置
25に与えられるようになっている。
【0029】基準物体23の体積VR を水中浮力法など
によってあらかじめ求めておけば、えられた体積差(V
X −VR )から被測定物体24の体積VX を知ることが
できる。一般に、このような気体の圧力変化を利用する
体積計の測定値は、被測定物体の表面積や形状等の影響
を受けて誤差を生ずるが、図3の装置において、基準物
体として被測定物体とほぼ同体積で、かつ、ほぼ同形の
物体を使用すると上記の誤差が相殺され、より精度の高
い体積測定値がえられる。この事情は、図1の装置にお
いて、基準容器として被測定容器とほぼ同容積で、か
つ、ほぼ同形の容器を使用したときも同じである。
によってあらかじめ求めておけば、えられた体積差(V
X −VR )から被測定物体24の体積VX を知ることが
できる。一般に、このような気体の圧力変化を利用する
体積計の測定値は、被測定物体の表面積や形状等の影響
を受けて誤差を生ずるが、図3の装置において、基準物
体として被測定物体とほぼ同体積で、かつ、ほぼ同形の
物体を使用すると上記の誤差が相殺され、より精度の高
い体積測定値がえられる。この事情は、図1の装置にお
いて、基準容器として被測定容器とほぼ同容積で、か
つ、ほぼ同形の容器を使用したときも同じである。
【0030】
【第3実施例】図4は測定装置の上に基準容器か被測定
容器のいずれか一つを載せる方式の実施例である。容積
V1 の第1の容器1と容積V2 の第2の容器2が隔壁1
8を介して接しており、これら二つの容器に交番的体積
変化を差動的に与えるスピーカ6と、これら二つの容器
を連通する連通管5と、その内部の圧力変化を検出する
マイクロホン10があることは、前記二つの実施例と同
様である。連通管5の一端には連通管先端部20がネジ
結合されており、この先端部を回すことによってマイク
ロホン10で検出される管内の圧力変化がほぼ0となる
ように調整する。また、信号発生器26から一定の大き
さの交番的駆動信号がスピーカ6に与えられること、マ
イクロホン10の出力e0 が信号処理装置35の入力と
なることは図3の装置の場合と同じである。信号処理装
置35はディジタル計算機で、導線27を通して供給さ
れるスピーカ駆動信号を同期信号としてe0 と共にアナ
ログディジタル変換してとりこみ、e0 を同期整流して
その振幅E0 を算出する。
容器のいずれか一つを載せる方式の実施例である。容積
V1 の第1の容器1と容積V2 の第2の容器2が隔壁1
8を介して接しており、これら二つの容器に交番的体積
変化を差動的に与えるスピーカ6と、これら二つの容器
を連通する連通管5と、その内部の圧力変化を検出する
マイクロホン10があることは、前記二つの実施例と同
様である。連通管5の一端には連通管先端部20がネジ
結合されており、この先端部を回すことによってマイク
ロホン10で検出される管内の圧力変化がほぼ0となる
ように調整する。また、信号発生器26から一定の大き
さの交番的駆動信号がスピーカ6に与えられること、マ
イクロホン10の出力e0 が信号処理装置35の入力と
なることは図3の装置の場合と同じである。信号処理装
置35はディジタル計算機で、導線27を通して供給さ
れるスピーカ駆動信号を同期信号としてe0 と共にアナ
ログディジタル変換してとりこみ、e0 を同期整流して
その振幅E0 を算出する。
【0031】図4の装置による容積測定の手順は、まず
被測定容器4の替わりに、それとほぼ同じ容積V3 を有
する基準容器を載せて、そのときの信号e0 の振幅E
0(V3)を算出してその値を信号処理装置35の内部に記
憶する。つぎに容積V4 の被測定容器4を載せて、その
ときの信号e0 の振幅E0(V4)を算出する。そして容積
差(V4 −V3 )をつぎの近似式によって算出表示す
る。
被測定容器4の替わりに、それとほぼ同じ容積V3 を有
する基準容器を載せて、そのときの信号e0 の振幅E
0(V3)を算出してその値を信号処理装置35の内部に記
憶する。つぎに容積V4 の被測定容器4を載せて、その
ときの信号e0 の振幅E0(V4)を算出する。そして容積
差(V4 −V3 )をつぎの近似式によって算出表示す
る。
【0032】
【数7】
【0033】ここでCは容器1内部の圧力変化の大きさ
やマイクロホンの感度などによって定まる定数であり、
基準容器に対する容積差が既知の容器を被測定容器とし
てその容積差の測定を行なうなどにより容易に決定され
る。なお、ほぼ同容積の多数の容器を測定する場合、基
準容器を載せて振幅E0(V3)を算出する操作は測定に先
立って1回だけ行なえばよく、その値を信号処理装置3
5の内部に記憶し、その後被測定容器をつぎつぎに載せ
替えて測定すれば、その基準容器に対する容積差がつぎ
つぎに求められる。
やマイクロホンの感度などによって定まる定数であり、
基準容器に対する容積差が既知の容器を被測定容器とし
てその容積差の測定を行なうなどにより容易に決定され
る。なお、ほぼ同容積の多数の容器を測定する場合、基
準容器を載せて振幅E0(V3)を算出する操作は測定に先
立って1回だけ行なえばよく、その値を信号処理装置3
5の内部に記憶し、その後被測定容器をつぎつぎに載せ
替えて測定すれば、その基準容器に対する容積差がつぎ
つぎに求められる。
【図1】本発明の第1実施例の容積計である。
【図2】信号処理装置の内部構造の一例である。
【図3】本発明の第2実施例の体積計である。
【図4】本発明の第3実施例の容積計である。
1 容積V1 の第1の容器 2 容積V2 の第2の容器 3 容積V3 の基準容器 4 容積V4 の被測定容器 5 連通管 6 スピーカ 7 スピーカの振動板 8、9 端子 10、11 マイクロホン 12 端子 13、14 連通孔 15 信号処理装置 16 信号発生器 17 導線 18 隔壁 19 充填材 20、20’ 連通管先端部 21、22 重し蓋 23 体積VR の基準物体 24 体積VX の被測定物体 25 信号処理装置 26 信号発生器 27 導線 28、29 網棚 34 連通孔 35 信号処理装置 151、152 増幅器 153 同期整流器 154 整流器 155 表示器 156 加算器
Claims (3)
- 【請求項1】 被測定容器とほぼ同容積の基準容器が連
通して結合された第1の容器と、被測定容器が連通して
結合された第2の容器と、上記第1および第2の容器に
交番的体積変化を差動的に与える手段と、上記第1およ
び第2の容器を連通する連通管と、上記連通管の内部の
圧力変化がほぼ零となる位置における上記圧力変化を検
出する手段とからなり、この検出された連通管内部の圧
力変化により基準容器の容積と被測定容器の容積との差
を求めることを特徴とする気体式体積計。 - 【請求項2】 被測定物体とほぼ同体積の基準物体を入
れた第1の容器と、被測定物体を入れた第2の容器と、
上記第1および第2の容器に交番的体積変化を差動的に
与える手段と、上記第1および第2の容器を連通する連
通管と、上記連通管の内部の圧力変化がほぼ零となる位
置における上記圧力変化を検出する手段とからなり、こ
の検出された連通管内部の圧力変化により基準物体の体
積と被測定物体の体積との差を求めることを特徴とする
気体式体積計。 - 【請求項3】 第1の容器と、被測定容器が連通して結
合された第2の容器と、上記第1および第2の容器に交
番的体積変化を差動的に与える手段と、上記第1および
第2の容器を連通する連通管と、上記連通管の内部の圧
力変化がほぼ零となる位置における上記圧力変化を検出
する手段とからなり、上記被測定容器をほぼ同容積の基
準容器に替えたときに検出される上記圧力変化の大きさ
と被測定容器をつけたときに検出される上記圧力変化の
大きさとにより基準容器の容積と被測定容器の容積との
差を求めることを特徴とする気体式体積計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12810294A JPH07311071A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 気体式体積計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12810294A JPH07311071A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 気体式体積計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07311071A true JPH07311071A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=14976447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12810294A Pending JPH07311071A (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | 気体式体積計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07311071A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010286255A (ja) * | 2009-06-09 | 2010-12-24 | Kumamoto Univ | 音響式測定装置及び音響式測定方法 |
-
1994
- 1994-05-19 JP JP12810294A patent/JPH07311071A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010286255A (ja) * | 2009-06-09 | 2010-12-24 | Kumamoto Univ | 音響式測定装置及び音響式測定方法 |
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