JP2000171282A - 体積差を測定する音響式体積計 - Google Patents

体積差を測定する音響式体積計

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JP2000171282A JP10358393A JP35839398A JP2000171282A JP 2000171282 A JP2000171282 A JP 2000171282A JP 10358393 A JP10358393 A JP 10358393A JP 35839398 A JP35839398 A JP 35839398A JP 2000171282 A JP2000171282 A JP 2000171282A
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泰 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に大量生産された同種同形の物体にお
いて、その中の一つを標準物体とし、それ以外の物体と
この標準物体との体積差を乾燥状態のままで精度よく測
定する音響式体積計を提供する。 【解決手段】 測定容器と、基準容器と、これら2つの
容器に差動的に交番的体積変化を与える音源のスピーカ
と、これら2つの容器を連通する検出チャンネルと、検
出チャンネル内部の音圧を検出する第1マイクロホン
と、基準容器の内部の音圧を検出する第2マイクロホン
等からなり、第2マイクロホンの出力で第1マイクロホ
ンの出力を同期整流し、基準物体を測定容器に入れたと
きの同期整流信号の大きさと、被測定物体を入れたとき
の同期整流信号の大きさにより、上記2つの物体の体積
差を測定する。基準物体の体積が知れていれば、その値
を測定された体積差に加えることにより、被測定物体の
体積もわかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複雑な形状の物体の体積
を測定する体積計にして、特に容器内の気体の圧力変化
を利用する方式の体積計にかかわる。
【0002】
【従来の技術】複雑な形状の物体の体積を測定する一つ
の方法として、スピーカなどの音源によって閉じた容器
の内部空間に交番的な体積変化を与えて内部の気体を断
熱的に圧縮膨張せしめ、そのときの圧力変化、すなわち
音圧、からその容器に入れた被測定物体の体積を求める
という方法がある。
【0003】この種の測定方法の一つとして、出願人は
特開平 4-98122号の第1図(以下、これを第1の前願発
明と称する)において、基準容器と測定容器の双方に差
動的に交番的体積変化を与え、これら2つの容器を連通
する検出チャンネル内の音圧の大きさにより測定容器に
入れた被測定物体の体積を測定する音響式体積計を提示
した。出願人はまた、特開平7-311071号の図3(以下、
これを第2の前願発明と称する)において、測定容器に
被測定物体を入れ、基準容器に基準物体を入れて、これ
ら2つの容器を連通する検出チャンネル内の音圧の大き
さにより被測定物体と基準物体との体積の差を測定する
音響式体積計を提示した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第1の前願発明は、基
準容器の内部容積を容積可変機構で変えて、体積測定の
原点を被測定物体の大きさに合わせて都合のよいところ
に移動することにより体積測定の安定性を図ったもので
あるが、検出チャンネル内の音圧の大きさと被測定物体
の体積との関係を表わす測定式が非線形で、測定式の係
数を定めるためには複数の体積既知の物体を用いたキャ
リブレーションが必要である。そして、温度変化などに
より上記の測定式係数に誤差を生じた場合には、この面
倒なキャリブレーションの手順を繰り返さなくてはなら
ない。また、基準容器の容積可変機構も製造コストを高
くする原因になる。第2の前願発明は、第1の前願発明
のように物体の体積を直接に測定するものではなく、被
測定物体と基準物体との体積差を測定するもので、これ
ら2つの物体を入れるために、ほぼ同様の形をした測定
容器と基準容器を備えている。しかし、これら2つの容
器を、内部表面積なども含めてほぼ同様の構造と形状に
することは装置の製造コストを高める。さらにまた、第
1および第2の前願発明では、検出チャンネル内の気体
の運動によって生ずる動圧が、検出すべき音圧に重畳し
て信号対雑音比を悪化させるという現象が生じ、これが
体積測定の精度を低下させる原因になる。
【0005】工業的に大量生産された同種同形の多数の
物体の体積を測定する場合、その中の一つを標準物体と
し、その体積がアルキメデスの原理による水中重量法な
どにより精密に求められれば、あとの物体はこの標準物
体との体積差を測定するだけでその体積を知ることがで
きる。この方法によれば、体積差の測定が低精度であっ
ても、物体の体積は高精度で求められる。また、物体の
体積まで知る必要はなく、単に標準物体との体積差だけ
が知れれば、製品の検査にはそれで十分という場合も多
い。
【0006】本発明の目的は、上記のような用途に使用
するため、キャリブレーションなどの測定手順が簡単
で、製造コストの安い体積差を測定する音響式体積計を
提供することにある。また、気体の運動による動圧を小
さくするような形態の検出チャンネルを提供することに
より、一般に、検出チャンネルを用いた音響式体積計の
測定精度を向上させることも目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の体積計の一形態
は、測定容器と、基準容器と、これら2つの容器に差動
的に交番的体積変化を与える音源のスピーカと、これら
2つの容器を連通する検出チャンネルと、検出チャンネ
ル内部の音圧を検出する第1の圧力検出器としてのマイ
クロホンと、基準容器または測定容器の内部の音圧を検
出する第2の圧力検出器としてのマイクロホン等からな
り、第2の圧力検出器の出力信号で第1の圧力検出器の
出力信号を同期整流し、基準物体を測定容器に入れたと
きの上記の同期整流した信号の大きさと、被測定物体を
測定容器に入れたときの上記の同期整流した信号の大き
さとにより、被測定物体と基準物体との体積差を測定す
るようになっている。
【0008】
【効果】このようにすると、測定される量は、被測定物
体の体積そのものに比べてずっと小さい体積差であるか
ら、同期整流した信号と体積差との関係を表わす測定式
はほとんど線形になり、その勾配などを定めるキャリブ
レーションは簡単になる。温度変化等によりこの測定式
に誤差を生じた場合にも、基準物体を測定容器に入れて
そのときの同期整流した信号の大きさを設定し直すだけ
でよく、測定式の勾配まで設定するキャリブレーション
をやり直す必要はほとんどない。また、本発明では、第
2の前願発明のように被測定物体と基準物体とをそれぞ
れ測定容器と基準容器の別々の容器に入れるのではな
く、被測定物体と同じく、基準物体を測定容器に入れて
体積差を測定するのであるから、これら2つの物体は同
じ容器条件の下に置かれることになり、体積差測定の精
度が向上する。さらに、基準容器の中に物体を入れる必
要がないから、その構造や形状の自由度が増し、製作コ
ストも低減する。
【0009】検出チャンネルの形態については、内部の
音圧を検出すべき場所のチャンネルの断面積を他の部分
より大きくすることにより、その場所の気体の流速を小
さくする。このようにすると、動圧は流速の2乗に比例
して小さくなる。以下、実施例により本発明の構造、作
用などを詳述する。
【0010】
【第1実施例】図1において、1は容積V1 の基準容
器、2は容積V0 の測定容器で、その中に体積V3 の物
体3が入れられるが、この物体3は基準物体または被測
定物体である。基準容器1の下部には蓋4がつけられて
おり、この蓋を測定容器2の上に載せて測定容器を閉じ
るようになっている。6は音源のスピーカで、信号発生
器16から1対の導線13および1対の気密端子12を
通じて交流駆動信号が供給されると、スピーカ6の振動
板7が振動し、測定容器2と基準容器1の内部空間に
は、絶対値が等しく符号が互いに反対の交番的体積変化
が与えられる。
【0011】図2は測定容器と基準容器の内部を連通す
る検出チャンネルの連通管5を表わす。この連通管は、
測定室50の上下に長さL1 のパイプ51と長さL2
パイプ52を取付けた構造で、全体として検出チャンネ
ル5を構成する。そして、検出チャンネルの内部の音圧
を検出するマイクロホン10をこの測定室50の内部に
入れ、キャップ53で蓋をするようになっている。マイ
クロホン10の出力信号はキャップ53を貫通する導線
15で外部に導き出される。
【0012】スピーカ6が交流駆動信号で駆動される
と、基準容器1と測定容器2の内部には符号が互いに反
対の音圧が生ずるが、これによって検出チャンネル5の
内部には作動気体の往復運動が生じ、その際、往復運動
の流速uによってρu2 /2なる動圧が発生する。第1
および第2の前願発明のように、ストレートのパイプの
検出チャンネルを用い、その側壁に孔を開けてマイクロ
ホンを取付けて内部の音圧を検出すると、検出すべき音
圧に上記の動圧が重畳されて信号対雑音比が低下する。
本発明のように、測定室50を設けると、その部分の内
部断面積はパイプ51および52の内部断面積にくらべ
て大きいから、測定室50内部での流速はパイプ51お
よび52の内部での流速に比べて小さくなり、したがっ
て測定室50の内部での動圧は、流速の2乗に比例し
て、非常に小さくなる。
【0013】8はダミー物体で、必須のものではない
が、基準物体または被測定物体の物体3を測定容器2の
中に入れたときにマイクロホン10の出力信号がほぼ0
となるように測定容器2の容積V0 を調整する。この調
整は、検出チャンネル5の上下の長さの比L1 /L2
変えることなどによっても行なうことができる。
【0014】いま、測定容器2の中に物体3がなくて空
の状態であるとし、スピーカ6が駆動され、その振動板
7が押し出されて測定容器2内部の気体がΔVなる体積
だけ圧縮された瞬間を考えると、基準容器1内部の気体
はΔVなる体積だけ膨張する。その際、検出チャンネル
5を通して作動気体が流れるが、5から流出する気体の
体積と、そのとき同時に5に流入する気体の体積は等し
いから、この流出、流入する気体の体積を上記のΔVに
含めて考えれば、結局、測定容器2と基準容器1の内部
空間に絶対値が等しく符号が互いに反対の体積変化が差
動的に与えられるということになる。その結果、基準容
器1の中に生ずる圧力変化を−ΔP1 、測定容器2の内
部に生ずる圧力変化をΔP2 とすると、気体の断熱変化
の関係式より
【数1】ΔP1 /P0 =γΔV/V1
【数2】ΔP2 /P0 =γΔV/V0
【0015】となる。ここでP0 は容器1および2内部
の作動気体の平均的な静圧力であり、γは作動気体の比
熱比である。上記2つの式より
【数3】ΔP1 /ΔP2 =V0 /V1
【0016】となる。すなわち、圧力変化の大きさの比
は体積変化ΔV、静圧力P0 、比熱比γにはよらず、容
積比V0 /V1 によって定まる。
【0017】スピーカ6の交流駆動信号の周波数をfと
し、tで時間を表わすと、基準容器内の圧力変化−ΔP
1 および測定容器内の圧力変化ΔP2 は、それぞれ次式
で示すような、互いに180度位相の異なる周波数fの
音圧になる。
【数4】−ΔP1 =−P1 sin2πft
【数5】ΔP2 =P2 sin2πft
【0018】ここで、P1 、P2 は音圧振幅で、それら
の比は
【数6】P1 /P2 =V0 /V1
【0019】である。
【0020】検出チャンネル5の測定容器2の方の端で
の音圧はΔP2 で、基準容器1の方の端での音圧は−Δ
1 であり、マイクロホン10で検出される測定室50
の内部の音圧は、上記2つの音圧をパイプ51の音響イ
ンピーダンスZ1 とパイプ52の音響インピーダンスZ
2 とで比例按分したものになる。したがって
【数7】Z1 /Z2 =P1 /P2 =V0 /V1
【0021】の場合には、マイクロホン10で検出され
る検出チャンネル5の内部の音圧の大きさは0になる。
【0022】図3は信号処理装置17の内部構造の一例
である。マイクロホン10の出力信号e0 は気密端子1
4を経て導線15により信号処理装置17に至り、増幅
器170で増幅され同期整流器177の入力となる。一
方、基準容器1の中に設けられたマイクロホン11は基
準容器1の内部の音圧を検出するが、その出力信号e1
は気密端子14’を経て導線15’により信号処理装置
17に至り、増幅器171で増幅され、基準信号として
同期整流器177のもう一つの入力となる。信号e1
基準容器1の内部の音圧−ΔP1 を表わすが、同期整流
器177では、マイクロホン10の出力信号e0 の波形
の内で信号e1 と同相の成分が検出され、その成分の大
きさを表わす出力信号Qは指示計器178によって表示
される。信号e1 はまた、整流器175によって整流さ
れ、その出力信号は導線18によって信号発生器16に
至り、基準容器1内部の音圧の大きさがほぼ一定となる
ようにスピーカ6に与えられる駆動信号の振幅を制御す
る。この制御は必須のものではないが、体積差の測定精
度を向上させる効果がある。179は加算器で、同期整
流器177の出力信号Qに−QS なるバイアスを与える
ものであるが、その作用については後述する。
【0023】同期整流の位相基準である信号e1 は、マ
イクロホン11を測定容器2の内部につけ替えて、測定
容器2の内部の音圧ΔP2 を検出して得るようにしても
よい。ただし、測定容器2の内部の音圧は基準容器1の
内部の音圧に対して180度の位相差を持っているの
で、同期整流器177の出力信号の極性は逆になる。そ
れに伴って、後述する体積差の測定式の符号も反転す
る。同期整流の位相基準となる信号としてスピーカ6を
駆動する信号発生器16の出力信号を使い、マイクロホ
ン11を廃することも考えられるが、スピーカ6の入力
端子電圧とマイクロホン10で検出される検出チャンネ
ル5の内部の音圧との位相差は必ずしも一定ではなく、
基準容器1や測定容器2の容積など、スピーカ6の音響
的負荷によって変化する。本発明におけるように、基準
容器1の内部の音圧−ΔP1 または測定容器2の内部の
音圧ΔP2 をマイクロホン11で検出して、その出力信
号e1でマイクロホン10の出力信号e0 を同期整流す
るようにすると、マイクロホン10で検出される検出チ
ャンネル5の内部の音圧は、上記の音圧−ΔP1 とΔP
2 を比例按分したものであるから、信号e0 とe1 との
位相差は0度または180度であり、この関係は上記の
音響的負荷などによっても変化しないので、安定した同
期整流を行なうことができる。
【0024】体積差の測定に先立って、マイクロホン1
0の出力信号がほぼ0となるようにダミー物体8の体積
を調整する。前述したように、この調整は検出チャンネ
ル5の上下の長さの長さL1 、L2 やそれらの太さを変
えることによっても行なうことができる。また、基準容
器1の内壁に油粘土などの充填材を付けてその容積V1
を減少させると、これは負の体積のダミー物体を測定容
器2に入れることと同じ効果を生ずる。通常、被測定物
体または基準物体である物体3の体積V3 は、測定容器
2の容積V0 のたかだか1/3程度であるから、上記の
調整は測定容器2の中に物体3がある状態で行なって
も、ない状態で行なってもよい。上記のマイクロホン1
0の出力信号がほぼ0となるという意味は、その程度の
ものである。また、このような調整を行なわなくても、
最初から(数7)の関係がほぼ成り立っていて、マイク
ロホン10の出力信号がほぼ0になっていれば、以上の
調整手順は省略できる。
【0025】図4は、同期整流器177の出力信号Qと
測定容器2の中に入れた物体3の体積V3 の関係を表わ
すグラフである。まず、測定容器2の中に物体3として
体積VS の標準物体を入れ、そのときのQの値としてQ
S を得る。これはグラフのS点に対応する。つぎに、標
準物体に加えて、既知体積VA の小物体を測定容器2に
追加して入れて、そのときのQの値としてQA を得る。
これはグラフのA点に対応する。A点とS点を結んだ直
線が体積差の測定式を表わす。測定容器2に体積VX
被測定物体を物体3として入れたときのQの値をQX
すると、それはグラフのX点に対応し、体積差VD は上
記の直線に対応する
【数8】VD =VX −VS =K(QS −QX
【0026】なる測定式によって表わされる。ここで、
係数Kは次式で表わされる。
【数9】K=VA /(QS −QA
【0027】キャリブレーションにより上記の測定式を
作るときに、予め知っておかなければならないのは、追
加して入れる小物体の体積VA だけであって、標準物体
の体積VS の値は未知であっても、体積差VD =VX
S の測定にはなんら差し支えがない。しかし、被測定
物体の体積VX の値そのものを知ることが求められるな
らば、後日でもよいから、何らかの方法で標準物体の体
積VS を求め、その値を測定されて記録されている体積
差VD に加えてVX の値を求める。なお、図4において
は、S、A、Xの点はすべてQの正の範囲にあったが、
これらの点の一部または全部がQの負の範囲にあっても
よい。また、Z点はQが0となるV3 の値を示すが、V
3 とQの関係は実際には非線形でそのグラフは曲線であ
り、A点とS点を通る直線で体積差VD が小さい範囲を
1次近似した測定式の直線グラフが、正確に上記のZ点
を通るとは限らない。
【0028】図4の装置を使った実際の測定手順は、ま
ず、測定容器2に標準物体を入れ、指示計器178の指
針が中央の0を指すように、加算器179において同期
整流器177の出力信号Qに加えるバイアス信号−QS
を加減する。つぎに、既知体積VA の小物体を追加して
測定容器2に入れ、そのときの指示計器178の指針の
振れから測定式の係数Kの値を定める。あとは、標準物
体や上記の小物体を測定容器2から取り出し、被測定物
体を測定容器2の中に入れて、そのときの指示計器17
8の指針の左右の振れから、正負の符号も含めた体積差
D の値を知る。
【0029】
【第2実施例】図5はディジタル計算機を使用した信号
処理装置17の1例で、それ以外の部分は、信号発生器
16を制御するための導線18がないことを除いては、
第1実施例と同じである。マイクロホンの出力信号e0
とe1 は、それぞれ増幅器170と171で増幅された
のち、アナログディジタル変換器182と181によっ
て、それらの信号の同じ時間帯の波形がディジタル計算
機180にとりこまれる。182と181の変換動作は
ディジタル計算機から導線184、183によって供給
される制御信号によって制御される。
【0030】計算機180の内部では、上記のとりこま
れたe0 およびe1 の信号波形についてフーリエ変換を
行ない、e0 の振幅E0 と位相θ0 およびe1 の振幅E
1 と位相θ1 を算出する。そして
【数10】Q=E0 cos(θ0 −θ1)
【0031】を算出するが、このQは信号e0 の中の信
号e1 と同相の成分の振幅であり、図3の同期整流器1
77の出力信号Qと同じである。したがって、上記(数
10)のQを用い、標準物体や体積既知の小物体を使っ
て、第1実施例の場合と同様の操作でキャリブレーショ
ンを行なって(数8)、(数9)の測定式を計算機の中
に作って記憶し、その計算式を用いて、測定容器に被測
定物体を入れて、体積差VD の値を求める。
【0032】図5の信号処理装置17では、信号発生器
16を制御して基準容器1の内部の音圧の大きさを一定
に保つための信号は発生しない。しかし、同期整流され
た信号Qを信号e1 の大きさを表わす振幅E1 で除した
量R、すなわち
【数11】 R=Q/E1 =(E0/E1)cos(θ0 −θ1)
【0033】なる量を計算機180で算出し、このRを
(数8)、(数9)におけるQに代入した測定式を用い
ると、これは第1実施例と同じく、基準容器1の内部の
音圧を一定に保ちつつ体積差を測定することに等価であ
る。また、マイクロホン11を測定容器2の内部の音圧
を検出するようにつけ替えてもよいが、この場合、Rを
用いて測定すると、今度は測定容器2の内部の音圧を一
定に保ちつつ体積差を測定することに等価となる。ただ
し、測定容器2の内部の音圧は基準容器1の内部の音圧
に対して180度の位相差を持っているので、この場
合、(数8)、(数9)の測定式におけるQの符号が反
転する。また、Qの代わりに代入するRの符号も反転す
る。体積差の測定においてQの代わりにRを用いること
は必須の条件ではないが、測定精度を向上させる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の体積差を測定する装置。
【図2】検出チャンネルの構造の一例。
【図3】本発明の第1実施例における信号処理装置。
【図4】同期整流器の出力信号Qと物体3の体積V3
関係。
【図5】本発明の第2実施例におけるディジタル計算機
を用いた信号処理装置。
【符号の説明】
1 容積V1 の第1の基準容器 2 容積V0 の第2の測定容器 3 体積V3 の物体 4 蓋 5 検出チャンネル 6 スピーカ 7 スピーカの振動板 8 ダミー物体 10、11 マイクロホン 12 一対の気密端子 13 一対の導線 14、14’ 気密端子 15、15’、18 導線 16 信号発生器 17 信号処理装置 50 測定室 51、52 パイプ 53 キャップ 170、171 増幅器 175 整流器 177 同期整流器 178 指示計器 179 加算器 180 ディジタル計算機 181、182 アナログディジタル変換器 183、184 導線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定容器と、基準容器と、測定容器と基
    準容器に交番的体積変化を差動的に与える音源と、音源
    を駆動する信号発生器と、測定容器と基準容器を連通す
    る検出チャンネルと、検出チャンネル内部の音圧がほぼ
    零となる場所における上記の音圧を検出する第1の圧力
    検出器と、基準容器または測定容器の内部の音圧を検出
    する第2の圧力検出器と、上記の2つの圧力検出器の出
    力信号を処理する信号処理装置とからなり、第2の圧力
    検出器の出力信号で第1の圧力検出器の出力信号を同期
    整流するようにし、被測定物体とほぼ同体積の基準物体
    を測定容器の中に入れたときの上記の同期整流によって
    得られた信号の大きさと、被測定物体を測定容器に入れ
    たときの上記の同期整流して得られた信号の大きさとに
    より、被測定物体と基準物体との体積の差を測定する音
    響式体積計。
  2. 【請求項2】 上記の同期整流によって得られた信号に
    替えて、上記の同期整流によって得られた信号を上記の
    第2の圧力変換器の出力の大きさで除した信号を用い
    る、請求項1に記載の音響式体積計。
  3. 【請求項3】 音響式体積計の容器を連通する検出チャ
    ンネルで、その内部の音圧を圧力検出器で検出する場所
    の内部断面積を他の部分の内部断面積より大きくして作
    動気体のその場所での動圧を小さくしたことを特徴とす
    るもの。
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Cited By (3)

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FR2902876A1 (fr) * 2006-06-21 2007-12-28 A 2E Sa Procede et dispositif de mesure volumetrique du taux de remplissage volumetrique
JP2010286255A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Kumamoto Univ 音響式測定装置及び音響式測定方法
KR101575891B1 (ko) * 2015-08-10 2015-12-11 한국지질자원연구원 볼 밀 시스템의 음향 모니터링 장치 및 방법

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