JPH07311038A - 傾斜測定装置 - Google Patents

傾斜測定装置

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JPH07311038A
JPH07311038A JP906795A JP906795A JPH07311038A JP H07311038 A JPH07311038 A JP H07311038A JP 906795 A JP906795 A JP 906795A JP 906795 A JP906795 A JP 906795A JP H07311038 A JPH07311038 A JP H07311038A
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博司 永井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄塔脚材の据付時の傾斜角を、取付角度とし
て予め所定の傾斜角を与えて使用角度範囲を限定するこ
とによって正確に測定できるようにする。 【構成】 傾斜測定装置は、2つの傾斜センサ3、4を
ケース2内に収納し、取付フレーム1の磁気ベース6で
脚材Aに着脱自在としている。センサ3、4は、その垂
直軸を含む傾斜角測定面が互いに直角に組合せている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄塔脚材などの傾斜
した鉄塔構造物の傾斜角度を測定する傾斜測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】送電線鉄塔や無線鉄塔は地上部の構造体
を容易且つ正確に組立するために基礎部の脚材はmm単位
で正確に据付けられる。図16に鉄塔構造物を地中基礎
部脚材に据付した一例を示す。図示のように脚材は一般
に外周を鉄筋で囲みさらにその外側をセメントで固定し
て地中に掘削された立穴内に埋設される。このような脚
材を据付けする場合、一般に脚材は傾斜しており、この
脚材の傾斜を手軽に素早く測定する必要がある。脚材の
傾斜を測定する従来の方法を図17に示す。脚材の据付
を行う場合は、対角斜距離、対辺斜距離、対角寸法など
の距離、各脚材の高低差(レベル)および脚材の傾斜度
(転び)、垂直度(立ち)、回転(マイマイ)などを測
定する(図18)。
【0003】これらの測定の中で、転びと立ちの測定方
法として、脚材の頂部から水糸で重錘を吊り上げ、図1
7の(a)に示すように転びはコンベックスなどの尺で
脚材と水糸の水平距離を測定する。また、マイマイと立
ちは図17の(b)に示すように水糸を鉄塔中心方向か
ら視準して、脚材に印されているけがき線と比較してチ
ェックする。
【0004】上記脚材など構造物の傾斜角度を測定する
装置としては水準器や傾斜角センサでそれぞれの角度を
図る方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記脚材など構造物の
傾斜角度を傾斜角センサで測定する場合、被測定対象の
鉄塔脚材は一般にかなりの傾斜角を有しており、従って
傾斜角センサを単に取り付けるだけでなくこの鉄塔脚材
の平均的な傾斜角を見越して予め所定角度傾けた状態で
取り付ければ、基準角度からの振れが小さくなり測定精
度が向上するはずである。
【0006】従って、一般には大略の傾斜角を測定する
のであればこのように立ち、転びのいずれか大きい角度
に合せて傾斜角センサを所定角度に取り付ければ十分な
精度で測定できる。
【0007】しかし、このようにしたとしても鉄塔脚材
を据付ける際にはmm(ミリ)単位での据付誤差内で据付
けることが要求され、傾斜角センサとしては極めて高精
度のものが必要となる。
【0008】角度を測定するセンサには、差動トランス
式のもの、磁気抵抗素子を用いたもの、あるいは差動ト
ランス式にサーボ検出機構を組込んだものなど種々のも
のが知られているが、上記サーボ式のもののように角度
測定精度の高いものは極めてコストが高く、又取扱いが
デリケートで鉄塔建設現場などで手早く角度測定するの
には操作性が十分でない。
【0009】さらに、従来の鉄塔脚材の据付寸法測定方
法、特に転びと立ちの測定にはつぎのような問題点もあ
る。
【0010】通常の測定時に水糸を完全に静止させる
ことは難しく、また尺を水平に保持することも難しいた
め測定精度が保証できない 転びの測定は鉄筋組立後の検査でも行う必要がある
が、図19のように鉄筋と水糸が干渉するため鉄筋を一
旦解体して測定する必要があり、時間と労力が非常に無
駄である。
【0011】狭い鉄筋と鉄筋の間から測定するので、
測定が難しく測定精度が保証できない。
【0012】この発明は、上述した従来の傾斜測定方法
の種々の問題点に留意して、構造物の転び測定に水糸を
使うことなく、対象物に簡単に取り付けるだけで傾斜角
が大きくなっても十分な測定精度で転び及び立ちが正確
に測定できる傾斜測定装置を提供することを課題とす
る。
【0013】この発明のもう1つの課題は、鉄塔脚材据
付のように極めて高精度の測定を必要とする場合に対応
できかつ建設現場で迅速な測定が可能で、しかもコスト
的に安価に得られる傾斜測定装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
としてこの発明は、角度に比例した信号を出力する傾斜
角センサを2組を備え、両センサをその垂直軸を含む傾
斜角測定面が互いに直角となるように設け、かつ両セン
サを収納するケースを脚材取付面に取り付ける角度が転
び角に対して予め所定の傾斜角度を持つように構成して
成る傾斜測定装置としたのである。
【0015】上記測定装置の1つの態様として、前記傾
斜角センサが2つの磁気抵抗素子とこれに組合される磁
石とから成り、正逆両方向に移動自在に設けた磁石が角
度に比例して移動するとその移動量に対応した信号を出
力するように構成するのが好ましい。
【0016】又、第二の課題を解決するために、第三の
発明では上記第二の発明の測定装置において、前記所定
の傾斜角度を9°に設定し、前記傾斜角センサが、その
出力値を電子制御回路により補正する出力補正回路を備
え、出力補正回路はゼロ傾斜角調整時の零点を基準温度
から測定温度での値に補正し、かつ測定温度での出力値
の温度により誤差を予め測定したデータにより補正する
温度補正部と直線性の誤差を予め測定したデータにより
補正する直線性補正部から成るものとすることができ
る。
【0017】上記いずれかの発明による傾斜測定装置に
おいて、傾斜角センサを容易にかつ正確に取付けること
ができるようにするために、前記2つの傾斜角センサを
収納したケースを固定する固定座と、この固定座を一体
に固定されかつ測定対象物の最大径に略亘る長さを有す
るセンサ取付台とから成るセンサ取付器を備え、固定座
の上面とセンサ取付台下面との成す角度が前記転び角に
対する所定の傾斜角度となるように固定座を形成したも
のを用いるのが好ましい。
【0018】
【作用】上記の構成とした第一の発明の傾斜測定装置
は、一方のセンサが脚材の転び角、他方が立ち角を測定
する。一般に構造物の傾斜角は、転び角の方が立ち角よ
り大きく、又種々の角度のものがある。従って、一方の
傾斜センサの傾斜角測定面が予め所定の傾斜角度を転び
角の方向に与えた取付状態を基準として測定するように
すれば、傾斜センサが一般に測定傾斜角の増大に伴って
誤差が大きくなる性質のものであっても、予め所定角度
を与付され、その角度を中心として測定することによっ
て測定誤差を所定範囲内にカバーすることができ、正確
な傾斜角の測定が実現できる。
【0019】第二の発明では、第一の発明の傾斜角セン
サとして、磁気抵抗素子と磁性体の組合せから成るセン
サを採用している。このセンサは、磁気抵抗素子に対し
て磁石が正逆両方向に移動すると基準位置からの角度移
動量に比例して電気信号を発生する。この信号の電流又
は電圧変化を角度に対比して測定することにより角度測
定を行なう。
【0020】第三の発明では、第二の発明の所定角度を
9°に設定すると共に、磁気抵抗素子を用いた傾斜角セ
ンサの温度と角度の変化による測定誤差の発生を最小限
にするようにセンサの出力信号を補正する回路を設けて
いる。
【0021】構造物のうち、鉄塔用の脚材はその構造と
形状の特徴から平均的に転び角が9°前後傾いているも
のが多く、そこで角度の変化による測定誤差を極力小さ
くするため基準角度を9°に設定したのである。
【0022】又、このように設定したとしても温度と角
度の変化による測定誤差をゼロにすることはできず、特
に鉄塔用の脚材を据付けする際は鉄塔の地上側構造物と
地中に埋設される脚材との接続はミリ単位での精度が必
要である。
【0023】このため、角度の変化によるセンサの基点
の誤差と、磁気抵抗素子の抵抗温度係数が大きいために
生じる温度変化による出力電圧の誤差を、予め測定した
それぞれのセンサの固有の誤差を極力小さくするように
補正回路を設けて誤差を許容範囲内としている。
【0024】上記補正回路では、予め傾斜角をゼロに調
整した時の零点を基準温度から測定温度に補正し、測定
温度でのセンサ出力値を予め測定したデータにより補正
する。又、基点の直線性についても予め測定したデータ
により補正し、角度と温度の両方の誤差を補正すること
によって正確な測定信号を得る。
【0025】第4の発明では、脚材フランジ頂部に据付
けて傾斜角を測定するように形成したセンサ取付器を備
えている。このセンサ取付器の取付台を脚材フランジ頂
部に簡単な取付具を介して取付けると、予め傾斜角セン
サは所定傾斜角度に設定される。
【0026】
【実施例】以下この発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は傾斜測定装置の側面図、図2は正面
図である。この測定装置は、鉄塔脚材Aに取り付けるた
めの取付フレーム1にケース2が転び角方向に対して傾
斜角度9°でもって固定され、このケース2内には2つ
の傾斜角センサ3、4が収納されている。5はケース2
の外側に設けた取手、6は磁気ベースである。磁気ベー
ス6はノブを回転させると磁気による吸着力がON、O
FFされ、測定装置を脚材Aに着脱自在としている。
【0027】傾斜角センサ3、4はコンパクトにするた
め上下に設けられているが、同レベルに並行に設けても
よい。又、傾斜角センサ3、4はその垂直軸を含む傾斜
角測定面が互いに直角方向になるように設けられてお
り、例えばセンサ3を転び角測定用、センサ4を立ち角
測定用とする。
【0028】図3に上記傾斜角センサ3、4の機能図を
示す。この実施例のセンサ3、4は同一構造のものが使
用され、図示のように磁石Mと2つの磁気抵抗素子
1 、R2 を組合せたものから成る。V1 は入力、V2
は出力電圧(V3 は温度変化を示す出力電圧)である。
【0029】磁石Mは傾斜角が0°のとき磁気抵抗素子
1 、R2 の抵抗が等しく、磁石Mが傾斜角の変化に伴
なって左右いずれかの方向に移動すると、傾斜角の変化
に対応して磁気抵抗素子R1 、R2 の抵抗値が変化し、
従って出力電圧V2 が変化する。予めこの出力電圧V2
の変化を角度変化に対応して変化する割合を測定してお
けば出力電圧の変化を測定することによってそのときの
傾斜角が測定できることとなる。
【0030】ところで、前述のようにころび角と立ち角
の測定をする上記2つのセンサ3、4は同一構造のセン
サを使用するのであるが、実際に使用するセンサに対し
ては次のことを考慮しておく必要がある。
【0031】第一に、転び角と立ち角が実際の脚材では
異なり、又一般に転び角が脚材ごとに大きく異なり、立
ち角の変化は小さい。過去に設計されている鉄塔構造物
の脚材の転び角を設計データとして統計的に調査した結
果として、転び角は一般に9°を中心として±5°の範
囲内であるのに対して、立ち角は原則として0°である
(立ち角は設計上0°として設計される)。従って、転
び角に対してケース2の傾斜角度を予め9°傾けて取付
けるものとしているのである。
【0032】第二に、上記センサはコストは比較的安価
であるが、実際には各個々のセンサ毎の温度による誤差
や製作誤差等による測定誤差が大きく、上記使用範囲を
限定したとしてもそのままで使用できない。図4に測定
したセンサの代表的な誤差裸特性曲線を示す。いずれの
角度を測るにせよ、使用範囲内の許容誤差が、最大0.
3mm程度以下の精度を要求されるのに対して、例えば+
5°では−1.5mmである。
【0033】そこで、実際には次のような処理を行なっ
ている。図4に示すように、転び角の使用範囲は±5
°、立ち角の使用範囲は±2°である。この使用範囲内
で誤差特性曲線が許容誤差内となるように補正を行な
う。この補正を行なう場合、次の事項を考慮する。即
ち、誤差を生ずる要因として、温度の変化、ばね定数、
センサ内部に封入されているオイルの粘性変化、センサ
自体の寸法誤差等が挙げられる。従って、予め個々のセ
ンサ毎の裸誤差を測定しておき、上記誤差要因を考慮し
て個々のセンサ毎の特性曲線が許容誤差内となるような
補正プログラムをコンピュータ内に準備する。
【0034】図5に傾斜測定装置内の測定回路の概略ブ
ロック図を示す。測定回路内にはコンピュータ14aが
組込まれ、その中に上記補正プログラムが設けられてい
る。
【0035】上記転び角(X軸中心)及び立ち角(Y軸
中心)を測定する傾斜角センサ3、4は、前述のように
それぞれ2つの磁気抵抗素子から成るが、磁気抵抗素子
は抵抗温度係数が大きく、従ってこの実施例では抵抗温
度特性を用いて出力特性、出力電圧比温度特性などの温
度特性誤差及び基点直線性誤差を補正できるようにセン
サ出力が処理される。
【0036】傾斜角センサ3、4の出力信号は、出力増
幅部3X1 、3Y1 で増幅されると共に抵抗値の変化か
ら得られる温度信号を温度増幅部3X2 、3Y2 で増幅
してセレクタ11へ送り、バッファ12を経由してA/
D変換部13でアナログからディジタル信号に変換して
コンピュータ14へ送られる。
【0037】コンピュータ14に送られた測定データ
は、I/Oポート14aからデータバス14bを介して
一時記憶部14d(RAM:ランダムアクセスメモリ)
へ送られ、固定記憶部14e(ROM:リードオンメモ
リ)のプログラムを介して中央演算部(CPU)14c
で種々の演算が行われる。演算の結果は、表示駆動部1
4fを介して表示部15に表示されると共に、出力部1
4gから外部へ出力される。出力データは、例えば後で
説明する応用例でのパーソナルコンピュータへ送られ
る。16は電源である。
【0038】図6に、上記ROM14eのプログラムに
含まれる温度データの補正演算を行なうためのプログラ
ム部分のみを表示している。勿論、ROM14e内のプ
ログラムにはこれだけでなく、マイクロコンピュータの
制御のためのプログラムも内蔵されているがこれについ
ては省略する。
【0039】上記補正プログラムには、図示のように、
温度データ演算部141、センサ出力補正部142、セ
ンサ出力演算部143、直線補正部144、傾斜角算出
部145が含まれている。
【0040】上記センサ出力特性演算部143には図8
の出力特性データ、直線補正部144には図9の直線補
正データ、センサ出力補正部142には図10の出力温
度特性誤差データ、温度データ演算部141には図11
の抵抗温度特性データがそれぞれ記憶されている。これ
らの特性データは、傾斜角センサ3、4のそれぞれの個
々のものについて製作誤差を含んでばらつきがあり、こ
のため個々のセンサ毎に予め測定して記憶されている。
【0041】上記測定データは、例えば温度特性データ
に関しては、温度測定を5℃ステップで−25°〜+8
5°(23点)、センサ出力を傾斜角−5°、0°、+
5°の3点、センサ抵抗は上記各点につき1点、合計9
2点、直線性データに関しては、センサ抵抗1点、セン
サ出力を傾斜角−6°〜+6°を1°ステップで13
点、合計14点というように測定する。
【0042】以上の構成とした傾斜角センサでは次のよ
うに測定データが補正されて傾斜角度が測定される。
【0043】まずステップS1 で計測時の温度が測定さ
れる。この温度測定は傾斜角センサ3、4の抵抗値を測
定し、温度増幅部を3X2 、3Y2 で増幅した信号から
ステップS2 で図11の抵抗温度特性データを照合して
測定温度TaC°が読取られる。
【0044】次にステップS3 でセンサ出力補正部14
2により傾斜角ゼロに調整時の出力値が読取られ、ステ
ップS4 でそのセンサ出力値の測定時温度への換算が行
われる。傾斜角ゼロでのセンサ出力値については予め種
々の温度でゼロ調整をした時の温度とその温度での出力
値が基準温度(25℃)での出力値に対する誤差値とし
て測定され、センサ出力補正部142に図10のグラフ
に示すような誤差データとして記憶されている。
【0045】従って、実際の測定温度Ta℃におけるゼ
ロ調整時のセンサ出力値は上記グラフの測定温度Ta℃
に対応する出力誤差値を読取り、次式に従って求められ
る。
【0046】ZLV=ZERO−ADJ ここで、ZEROは基準温度でのゼロ調整に対応するセ
ンサ出力値、ADJは実際の測定温度Ta℃でのゼロ調
整誤差、ZLVはTa℃での誤差調整後のゼロ調整出力
値である。
【0047】次に、ステップS5 でTa℃でのセンサ出
力値が図8の出力特性データからセンサ出力演算部14
3により読み出される。このセンサ出力値をADVとす
る。さらに、ステップS6 で上記センサ出力値ADVを
(ADV−ZLV)の式に従ってゼロ補正する。
【0048】そして、ステップS7 では上記ゼロ補正さ
れたセンサ出力値を用いて次式に従って傾斜角度を算出
する。
【0049】θ={(ADV−ZLV)/(P5D−M
5D)}×10° 上記計算する際には、ステップS4 にてゼロ調整時のセ
ンサ出力値をTa℃に換算するのと同時に、予め傾斜角
が−5°、+5°でのセンサ出力値のデータを基準温度
からTa℃に換算しておくものとする。
【0050】さらに、ステップS8 で上記温度補正され
た傾斜角θに対するセンサ出力値を図8の出力特性グラ
フから読取り、かつTa℃で測定された補正前のセンサ
出力値と比較してその出力値の誤差を求める。この出力
値の誤差は、予め種々の傾斜角に対して図9のようなデ
ータとして得られており、上記比較により得た誤差が補
正データと一致している場合は補正の必要はないが、こ
の誤差が一致しないときはその誤差のずれに対応した出
力値に応じて傾斜角θを補正する(ステップS10)。ス
テップS10でこれを表示する。
【0051】こうして傾斜角θを温度、ゼロ点、直線性
に対して補正した値は極めて正確であり、この実施例で
は傾斜角±6°の範囲内で0.01°以下の傾斜角感度
のものが得られた。
【0052】上記実施例の傾斜測定装置は次のように応
用される。図12に示したその応用例について簡単に説
明する。
【0053】21は光波測距儀であり、所定波長の光波
を発生して所定距離にある被測定物に設置した反射ミラ
ーから送り返される光波を受光し、その光波の位相差に
より受光するまでの時間を求め、これにより被測定物ま
での距離を測定する装置であり、一般に土木、建築、測
量に使用される。
【0054】光波測距儀21からの距離を表わす信号
は、前述した傾斜測定装置27の傾斜角センサ3、4か
らの信号と共にパーソナルコンピュータ28へ送られ
る。パーソナルコンピュータ28にはキーボード、中央
演算処理部、記憶部、表示器、プリンタなどが設けられ
ている。
【0055】図12に示すように、上記光波測距儀21
を鉄塔構造物の4つの脚材に対し任意の位置に設置し、
傾斜測定装置27を各脚材23に順次取り付けて、各脚
材毎の対角寸法、対角斜距離、対辺斜距離、高低差など
が測定されると共に、各脚材の転び角、立ち角に関する
傾斜角が測定される。22は反射ミラー、24は据付調
整架台、25はサポート、26は切削穴、29は通信線
である。
【0056】図示の脚材23は山や谷の傾斜地において
予め大略の位置に掘削された掘削穴26内に設置位置、
傾斜角度についてもおおよその位置、角度に設置してお
き、その据付状態を光波測距儀21と傾斜測定装置27
により正確に測定してmm単位で据付状態が確認され、据
付位置の誤差をコンピュータ内で算出して誤差データを
表示し、そのデータに基づいて脚材23が正確な位置に
据付調整される。
【0057】上記脚材の据付調整において、光波測距儀
21による測定だけで計算により求めた傾斜角の測定値
は誤差が大きくなるため、位置調整に傾斜測定装置によ
り直接測定した傾斜角の値が用いられる。
【0058】なお、上記実施例では傾斜測定装置に用い
られている傾斜センサは磁気抵抗素子(MR素子)と磁
石を組合せた形式のものを採用しているが、他の形式の
ものであっても傾斜角を測定し得る同一機能を有するも
のであれば採用し得ることは勿論である。
【0059】図13は傾斜角センサを他の手段で着脱自
在に固定する方法を示す。第一実施例では磁気ベースを
用いて傾斜角センサを脚材頂部付近のポスト外周面に取
付けるようにしていたが、この実施例では脚材Aの頂部
フランジ上に安定して取付けすることができるようにセ
ンサ取付台1を用いて着脱自在に固定する。
【0060】図15に示すように、センサ取付台1では
台板1aに対して固定座1cが固定され、その上面が9
°の傾斜面を有する。さらに、その上にねじ2bで着脱
自在に取付けされるベース板2aに固定したケース2内
に傾斜角センサ3、4が並べて設けられている。センサ
取付台1は、図示のように、十字状の台板1aと1bか
ら成り、1aは被測定対象の脚材Aのポストフランジと
して予想される最大径に合せて長さが決められる(例え
ば最大径800φ、最小径300φである)。台板16
は横方向の安定用である。
【0061】傾斜角センサ3、4の測定信号は、ケース
2に固定されている端子7aにコネクタ7bを介して接
続されるコード8により前述のコンピュータ14に送ら
れる。傾斜角センサ3、4はセンサ取付台1に対して9
°傾けて取り付けられるから、センサ取付台1を9°傾
斜したポストフランジ頂部に取付けた状態で傾斜角セン
サ3、4の中心線が垂直状となる。
【0062】図13に示すように、センサ取付台1はポ
ストフランジ頂部に対してその両端を取付具9を介して
取り付けられる。取付具9は、図示のように、万力のよ
うな形状のものからなり、コ字状の挾持部材9aをつま
み9bで長さを調整し締め付けて取付台1は固定する。
【0063】以上のように構成した傾斜角センサの固定
手段により傾斜角センサは固定され傾斜角が測定され
る。測定しようとする脚材Aのポストフランジ頂部に前
述のセンサ取付台1を置き、取付具9により固定する。
センサ取付台1を設置する前に、傾斜センサ3、4は予
め水平な場所で較正試験が行なわれる。
【0064】この較正試験は、傾斜センサ3、4を取付
けるためのケース2が固定されたベース板2aを含んで
水平垂直度が確保されているかを見るためのテストであ
り、このためベース板2aを試験として取付ける基準台
には水準器が取り付けられ、これによりセンサの基準状
態を厳格に調整する(較正試験装置については図示省
略)。
【0065】較正試験を終えた傾斜センサ3、4をセン
サ取付台1を脚材Aの頂部に取付具9で取付けるだけで
正確な傾斜角度の測定ができる。傾斜角度の測定方法に
ついては、第一実施例の場合と全く同様である。
【0066】
【効果】以上詳細に説明したように、本願の第1の発明
による傾斜測定装置は2つの傾斜角センサをその垂直軸
を含む測定面は互いに直角に配置して組合せ、かつ転び
角に対して予め所定角度の傾斜角度に傾けて取付られる
ようにしたから、傾斜角センサの精度が傾斜角が大きく
なるにつれて低下する性質のものであっても十分正確な
傾斜角を測定できるという利点が得られる。
【0067】第二の発明は、傾斜角センサを磁気抵抗素
子と磁石の組合せにより構成したから、傾斜測定装置の
構成が極めてシンプルとなり、取扱いが容易であるため
建築現場などで迅速に角度測定をした場合に対応できか
つ正確な角度測定が可能である。
【0068】第三の発明では、基準となる転び角の所定
角度を9°に設定すると共に、磁気抵抗素子の温度係数
が大きく、角度と温度の変化による誤差の発生を補正回
路により補正するようにしたから、測定装置による測定
精度を極めて高く維持しかつ構成がシンプルであるため
取扱いが容易で、しかも経済的なコストで得られるとい
う多くの利点が得られる。
【0069】第四の発明では、傾斜角センサを所定の転
び角度に一致するように取付し得るセンサ取付器を介し
て脚材頂部フランジ上に取付けるようにしたから、この
センサ取付器をフランジ上に置き簡単な取付具で固定す
るだけで正確な角度測定ができる。鉄塔据付現場の厳し
い環境条件に極めて好適な手段であり、測定作業の効率
化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】傾斜測定装置の概略側面図
【図2】同上の正面図
【図3】傾斜センサの機能図
【図4】傾斜センサの使用範囲の説明図
【図5】傾斜測定装置の概略ブロック図
【図6】図5の部分ブロック図
【図7】作用を説明するフローチャート
【図8】出口電圧特性の図表
【図9】基点直線性の図表
【図10】出力の温度特性の図表
【図11】磁気抵抗素子の抵抗温度特性の図表
【図12】鉄塔脚材据付への応用方法の説明図
【図13】傾斜角センサ取付手段の他の実施例の全体概
略図
【図14】同上の平面図
【図15】同上の拡大斜視図
【図16】従来の鉄塔脚材据付状態の説明図
【図17】従来の鉄塔脚材据付方法の説明図
【図18】鉄塔脚材据付寸法の説明図
【図19】鉄塔脚材据付時の問題点の説明図
【符号の説明】
1 取付部材 2 ケース 3、4 傾斜センサ 5 取手 6 磁気ベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 志郎 大阪市北区本庄東2丁目3番41号 株式会 社きんでん内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角度に比例した信号を出力する傾斜角セ
    ンサを2組を備え、両センサをその垂直軸を含む傾斜角
    測定面が互いに直角となるように設け、かつ両センサを
    収納するケースを取付面に取り付ける角度が転び角に対
    して予め所定の傾斜角度を持つように構成して成る傾斜
    測定装置。
  2. 【請求項2】 前記傾斜角センサが2つの磁気抵抗素子
    とこれに組合される磁石とから成り、正逆両方向に移動
    自在に設けた磁石が角度に比例して移動するとその移動
    量に対応した信号を出力するように構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の傾斜測定装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の傾斜角度を9°に設定し、前
    記傾斜角センサが、その出力値を電子制御回路により補
    正する出力補正回路を備え、出力補正回路はゼロ傾斜角
    調整時の零点を基準温度から測定温度での値に補正し、
    かつ測定温度での出力値の温度により誤差を予め測定し
    たデータにより補正する温度補正部と直線性の誤差を予
    め測定したデータにより補正する直線性補正部から成る
    ことを特徴とする請求項2に記載の傾斜測定装置。
  4. 【請求項4】 前記2つの傾斜角センサを収納したケー
    スを固定する固定座と、この固定座を一体に固定されか
    つ測定対象物の最大径に略亘る長さを有するセンサ取付
    台とから成るセンサ取付器を備え、固定座の上面とセン
    サ取付台下面との成す角度が前記転び角に対する所定の
    傾斜角度となるように固定座を形成したことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の傾斜測定装置。
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