JPH07311030A - 塗装面性状測定装置 - Google Patents

塗装面性状測定装置

Info

Publication number
JPH07311030A
JPH07311030A JP6105719A JP10571994A JPH07311030A JP H07311030 A JPH07311030 A JP H07311030A JP 6105719 A JP6105719 A JP 6105719A JP 10571994 A JP10571994 A JP 10571994A JP H07311030 A JPH07311030 A JP H07311030A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stripe
image
curvature
painted surface
contour line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6105719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3106849B2 (ja
Inventor
Teruo Asae
暉雄 浅枝
Yutaka Suzuki
裕 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP06105719A priority Critical patent/JP3106849B2/ja
Priority to KR1019950004775A priority patent/KR0159442B1/ko
Publication of JPH07311030A publication Critical patent/JPH07311030A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3106849B2 publication Critical patent/JP3106849B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B11/00Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
    • G01B11/30Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring roughness or irregularity of surfaces

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】塗装面の鮮映性の三質感を高精度で測定する。 【構成】画像メモリ30に記憶された円形状の画像の輪
郭を輪郭線抽出部32によって抽出し、放物線近似部3
4によって当該画像の輪郭線を再現する。塗装面曲率演
算部36は、放物線近似された輪郭線に基づいて塗装面
の曲率を算出し、この曲率に応じて鮮映性の三質感を測
定する場合の補正値を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のボディー等の
塗装面の鮮映性を定量的に測定する塗装面性状測定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のボディー等の塗装面の性
状の検査は、例えば、天井の蛍光灯を塗装面に反射させ
作業者がその蛍光灯の端線のゆがみ具合を見て、あるい
は作業者がPGD計と呼ばれる測定器を覗きこんで塗装
面の鮮映性(塗膜表面の凹凸の程度)を評価していた。
しかし、この方法では塗装面の鮮映性を定量的に測定す
ることができない。
【0003】そこで、塗装面の鮮映性を定量的に測定す
る方法として、ストライプパターンを塗装面に照射しそ
の反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測定する方
法が考案されている。この測定原理は、例えば図16に
示すように、光源30からの光をストライプ格子4(例
えばストライプパターンが印刷されたガラス板)に通し
てストライプパターンを塗装面1に照射しその反射光を
CCDカメラ31でとらえてストライプ像の乱れを観測
し評価するというものであり、塗装面1の鮮映性が悪い
ほどCCDカメラ31でとらえられる塗装面1上のスト
ライプ像が大きく変形することを利用したものである。
【0004】一般に測定の精度を上げるには感度を上げ
るとよいが、図16に示す光学系の場合、その感度(塗
装面の凹凸に対するストライプ像の偏位の大きさ)を上
げるためには光学的にみてストライプ格子4と塗装面1
との距離aまたは塗装面1とCCDカメラ31との距離
bを長くとらなければならない。実際上は、前者の距離
aをできるだけ長くとるようにして後者の距離bをCC
Dカメラ31が塗装面1に反射したストライプ格子4が
良く見える距離とする。しかし、感度を上げるために距
離aを長くすれば装置自体が大きくなってしまう。
【0005】そこで、最近、装置の小型化を図るため、
図17に示すようにストライプ格子4と塗装面1との間
に凸レンズ5を配置してストライプ格子4を塗装面1か
ら疑似的に遠くに離せる光学系を有する装置が開示され
ている(例えば特開昭63−18210号公報参照)。
このようにストライプ格子4と塗装面1との間に凸レン
ズ5を配置することにより、光学的にみて系の感度およ
び拡大率(塗装面上に拡大されるストライプ像の大きさ
の割合)が向上するので実際にストライプ格子4と塗装
面1との距離を長くとらなくても十分な感度と解像度を
得ることができ、装置を小型化することができる。
【0006】また、このような光学系では、塗装面1に
照射される光にむらがあるとCCDカメラ31でとらえ
る像にむらが生じて鮮映性の解析処理が困難になるの
で、むらのない光源(理想は面発光光源)を作ることが
必要である。このようなむらのない光源を作るための一
方法として、従来は、例えば図18に示すように、光源
30を反射鏡30aの焦点に電球30bを置いて平行光
線を発するようにしたスポット型の光源として構成し、
この光源30とストライプ格子4との間に多くの方向に
入射光を拡散透過させる拡散板32(例えばオパールガ
ラス)を配置していた。
【0007】そして以上のような光学系は、通常、例え
ば図17に示すように光の出入口としての開口33をも
つケーシング34内に収納されている。このような装置
においては、実際の測定は装置を直接塗装面1に接触さ
せた状態で行われる。さらに、例えば図19に示すよう
に開口をもつケーシング35に単なる棒状の足36を取
り付けた構造の測定装置もある。この場合には装置を塗
装面から離した状態で測定することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の塗装面性状測定装置には以下に述べるように
光学系および構造の面でいろいろな問題がある。
【0009】まず光学系の面から見ていく。一般に鮮映
性は三種類の質感、すなわち平滑感(ゆず肌)、肉持感
(ちりちり感)、光沢感(つや感)で構成され、これら
は塗装表面のうねりの大きさに対応している(平滑感は
1mm以上、肉持感は0.2〜1mm、光沢感は0.2mm以
下)。ところが、従来の装置の光学系ではこれら三種類
の質感を同時に測定することができない。というのは、
肉持感や光沢感に対応する小さなうねりを測定するには
うねりの大きさが小さいため受光レンズ31aの焦点を
塗装面1に合わせる必要があり、一方で平滑感に対応す
る大きなうねりを測定するにはストライプ格子4に焦点
を合わせた方が見やすくなるため、これらを同時に測定
するためにはストライプ格子4と塗装面1の両方にピン
ト合わせすることが必要である。しかし、従来の光学系
では被写界深度(焦点を合わせた被写体面の前後で鮮明
な結像が得られる範囲)がそれほど大きくないためスト
ライプ格子4と塗装面1の両方に焦点合わせすることが
できないからである。その結果、従来の装置では、受光
レンズ31aを可動式にしたりまたは可変焦点レンズに
したりしてストライプ格子4と塗装面1に別々に順次焦
点を合わせるようにするか、あるいはあえてストライプ
格子4と塗装面1の中間に焦点を合わせるようにするし
かない。ただ、後者の場合は像がぼけてしまうため測定
精度の点ではかなり問題がある。
【0010】また、従来の装置の光学系では感度の向上
にも一定の限界がある。すなわち、前述のように感度は
ストライプ格子4を塗装面1から遠くに離せば離すほど
良くなるが、従来の光学系では、ストライプ格子4と塗
装面1との間に凸レンズ5を配置してストライプ格子4
を塗装面1から疑似的に遠くに離せるような構成にして
いるものの、前述のように被写界深度があまり大きくな
いためストライプ格子4を疑似的に無限遠より遠くに離
しても鮮明な像は得られず、実際上ストライプ格子4を
疑似的に無限遠以上(ストライプ格子4の像がCCDカ
メラ31の後ろ側に結像されること)に離すことは不可
能である。したがって感度を無限遠以上に上げることは
できない。
【0011】次に構造の面を見てみると、従来の装置は
通常開口33をもつケーシング34内に前記光学系を収
納した構造をしているが、このような構造では、迷光に
よる影響をできるだけ少なくするため開口33から外部
の光が入らないようにする必要があり、そのため実際の
測定は前述のように装置を直接塗装面1に接触させた状
態で行わざるを得ない。したがって、塗装面1が曲面の
ため開口33を十分に塞ぐことができない場合には、外
乱光による影響を受けて塗装面1の性状を測定できない
場合がありうる。また、このように装置を塗装面1から
離して測定できないことは、ロボットによる測定の実現
を困難にしている。
【0012】また、図17に示す従来の構造の装置で
は、開口33から中に塵等が入り装置の性能を劣化させ
る虞があるため、取扱いに注意を要し、雰囲気が悪い場
所での使用が制限される場合がある。これを回避するた
め、図20に示すように開口33に透明ガラス37等を
取り付けて装置それ自体を密閉構造にすることも考えら
れるが、この装置のように直接塗装面1に接触させて測
定するタイプの場合には、ストライプパターンがガラス
表面と塗装面の両方で反射され、これら両反射光がとも
にCCDカメラ31にとらえられるので、像がダブって
測定できなくなってしまう。
【0013】次に、CCDカメラ31によってとらえら
れたストライプパターン画像の画像処理の面では、塗装
面1が平坦面であることを前提としてその画像処理を行
うようになっていたので、自動車の車体のように塗装面
1が曲面であるような場合には、前述した鮮映性の三種
類の質感の演算結果に誤差が生じ、曲率の程度によって
は見過ごせないほどの誤差を生じる恐れを内在してい
る。
【0014】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、塗装面における三種類の質
感を同時に測定することができ、しかも塗装面が曲面で
あっても測定することができる小型軽量の塗装面性状測
定装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明にかかる第1の構成は、予め設定された照射
領域からストライプパターンを塗装面に照射しその反射
光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測定する塗装面性
状測定装置において、当該塗装面に照射されたストライ
プパターン画像を入力するストライプ画像入力手段と、
当該ストライプ画像入力手段によって入力されたストラ
イプパターン画像の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段
と、当該輪郭線抽出手段によって抽出されたストライプ
画像の輪郭線の形状を、前記ストライプパターンが平坦
な塗装面に照射された場合に前記輪郭線抽出手段によっ
て抽出されるであろうストライプ画像の輪郭線の形状と
比較することで当該輪郭線の歪み具合を演算し、前記塗
装面の曲率を算出する塗装面曲率算出手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0016】また、上記の目的を達成するための本発明
にかかる第2の構成は、ストライプパターンを塗装面に
照射しその反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測
定する塗装面性状測定装置において、当該塗装面に照射
されたストライプパターン画像を入力するストライプ画
像入力手段と、当該ストライプ画像入力手段から入力さ
れたストライプパターン画像中のストライプ配置間隔を
演算するストライプ配置間隔演算手段と、当該ストライ
プ配置間隔演算手段によって演算されたストライプ配置
間隔を、前記ストライプパターンが平坦な塗装面に照射
された場合に前記ストライプ配置間隔演算手段によって
演算されるであろうストライプ配置間隔と比較すること
で前記塗装面の曲率を算出する塗装面曲率算出手段とを
有することを特徴とする。
【0017】さらに、上記第1及び第2の構成における
前記塗装面曲率算出手段は、算出された塗装面の曲率に
応じて当該塗装面の性状を正確に評価するための補正量
を出力する機能を有していることを特徴とする。
【0018】
【作用】このように構成された塗装面性状測定装置の作
用は次の通りである。
【0019】まず、第1の構成では、ストライプパター
ン入力手段には、予め設定された照射領域から照射され
たストライプパターンが塗装面を介して反射した像,す
なわち、ストライプパターン画像が入力される。このス
トライプパターン画像は、塗装面が平坦であれば、その
画像の4方向の歪みはないが、塗装面が曲面であるとき
にはその曲率に応じて歪みが生じる。輪郭線抽出手段
は、ストライプパターン画像の輪郭を抽出して輪郭線の
形状を得る。塗装面曲率算出手段は、この輪郭線の形状
をストライプパターンが平坦な塗装面に照射された場合
に前記輪郭線抽出手段によって抽出されるであろうスト
ライプ画像の輪郭線の形状と比較し、この比較に基づく
歪み具合から塗装面の曲率を算出する。
【0020】つぎに、第2の構成では、ストライプパタ
ーン入力手段には第1の構成と同様のストライプパター
ン画像が入力される。ストライプ間隔演算手段は、この
入力されたストライプパターン画像からストライプ配置
間隔を演算する。塗装面曲率算出手段は、この演算され
たストライプ配置間隔をストライプパターンが平坦な塗
装面に照射された場合に演算されるであろうストライプ
配置間隔と比較し、この配置間隔の相違に基づいて塗装
面の曲率を算出する。
【0021】そして、以上の構成における塗装面曲率算
出手段は、算出した曲率に基づいて塗装面の性状,すな
わち、鮮映性の三種類の質感の評価を行うための補正量
を出力する。この補正量を取り入れてストライプパター
ン画像を処理すれば、測定塗装面が平面でもあるいは曲
面であっても、正確な鮮映性を測定することができるこ
とになる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0023】図1は、本発明にかかる塗装面性状測定装
置の光学系の概略構成図である。本発明装置では、絞り
8を回折限界近傍まで絞っているために、ぼけの原因と
なる結像に望ましくない光束は全て制限される。この結
果、焦点を合せた被写体面の前後どこでも結像として鮮
明に捕らえることができるようになり、被写界深度が飛
躍的に大きくなる。なお、絞り8を回折限界以下に絞ら
ないのは、回折現象による解像度の低下を防ぐためであ
る。
【0024】光源2からの光は半拡散板3によって光む
らが解消されてストライプ格子4に透光される。そし
て、ストライプ格子4を通過したむらのないストライプ
パターンの光は凸レンズ5を通って塗装面1に照射さ
れ、その反射光は、受光レンズ7で集光された後絞り8
で望ましくない光が遮光され、絞り8を通過した光だけ
がCCD素子9にとらえられて結像される。なお、受光
レンズ7,絞り8,およびCCD素子9はCCDカメラ
6を構成している。
【0025】このときには、絞り8によって上記のよう
に被写界深度が著しく増大しているので、被写体の位置
がどこであろうとピントが合うことになり、受光レンズ
7を移動させたりその焦点距離を変えたりすることなく
ストライプ格子4と塗装面1の両方にピントを合わせる
ことができる。これにより塗装面1のうねりの大小を同
時に測定することができるようになる。また、被写界深
度が極めて大きくピントがどこにでも合うために、凸レ
ンズ5との関係においてストライプ格子4を塗装面1か
ら疑似的に無限遠以上(ストライプ格子4の結像がCC
D素子9の反受光レンズ側後方で行われる状態)に離す
ことができる。これによって、感度をさらに上げること
ができるようになる。さらに、絞り8は回折限界程度の
非常に小さい口径となっているので、外乱光をほとんど
遮断することができるようになり、その結果測定が外乱
光の影響を受けることがなくなる。このようにして本装
置を塗装面1から離しての測定を可能としている。
【0026】図2は本発明による塗装面性状測定装置の
一例を示す構造図で、同図(A)は主にその内部構造を
示す正面図、同図(B)はその底面図である。なお、図
1と共通の部分には同じ符号を付している。
【0027】この塗装面性状測定装置25は小型軽量の
ハンディータイプの測定ヘッドであって、光の出入口と
なる開口12をもつケーシング11を備えている。この
ケーシング11内には、投光側に光源2、半拡散板3、
ストライプ格子4、鏡10および凸レンズ5が、また受
光側にはCCDカメラ6を構成する受光レンズ7、絞り
8およびCCD素子9が順にそれぞれ光軸を基準として
配列収納されている。光源2はハロゲン電球2aと反射
鏡2bで構成され、またストライプ格子4は例えばスト
ライプパターンが印刷されたガラス板からなっている。
こうして、投光側からストライプパターンが塗装面1に
照射されその反射光が受光側のCCDカメラ6によって
撮像されるようになっている。なお、CCDカメラ6で
撮像された反射ストライプパターンは内蔵モニター13
の画面に表示されるとともに外部コネクター14を介し
て図示しない鮮映性を数値化し記録する演算処理装置等
に出力されるようになっている。
【0028】概略以上のような構造をもつ本測定ヘッド
25の各構成要素の詳細について以下に順に説明する。
まず、本測定ヘッド25の光学系から説明する。受光側
の絞り8は、光の回折限界近傍まで絞られた直径0.2
〜0.3mm程度のピンホール絞りであって、同じCCD
カメラ6内の受光レンズ7とCCD素子9との間に配置
されている。前述したように、この非常に小さい絞り8
によって、結像がぼける原因となる望ましくない光束が
すべて遮光されるため、焦点を合わせた被写体面の前後
どこでも結像として鮮明にとらえることができるように
なり、被写界深度が飛躍的に大きくなる。そしてこの絞
り8による被写界深度の飛躍的増大によって、被写体の
位置がどこであろうとピントが合うようになり、受光レ
ンズ7を移動させたりその焦点距離を変えたりすること
なくストライプ格子4と塗装面1の両方にピントを合わ
せることができるようになる。その結果、塗装面1のう
ねりの大小に対応する鮮映性の三質感(平滑感、肉持
感、光沢感)を同時に精度良く測定することができるよ
うになる。この他、絞り8により被写界深度が著しく増
大したことで、再度後述するが、感度のさらなる向上お
よび感度の調節が可能になり、また測定ヘッド25を塗
装面1から離しての非接触の測定が可能になる。なお、
ピンホール8の直径を回折限界以下に小さくすると回折
現象によって解像度が低下するため、好ましくない。
【0029】次に投光側の光学系について説明する。こ
の光学系に含まれる凸レンズ5は感度を上げるためスト
ライプ格子4を疑似的にできるだけ遠くに置くようにす
るためのものであって、この凸レンズ5を入れることに
よってストライプ格子4を無限遠にあるように見せかけ
ることが可能になり、感度を上げつつ装置25を小型化
できるようになっている。さらに、前述のように絞り8
によって被写界深度が極めて大きくピントがどこにでも
合うため、凸レンズ5との関係においてストライプ格子
4を任意の適当な位置に置くことができ、ストライプ格
子4の位置を、このストライプ格子4の結像がCCD素
子9の後方側となるような位置に設定すれば、人間には
ぼけて見えないけれどもストライプ格子4を塗装面1か
ら疑似的に無限遠以上に離すことが可能になる。これに
よって感度がさらに一層向上する。また、本実施例で
は、鏡10を設けて光路をかせぎ、より一層装置の小型
化を図っている。なお、以下、本実施例において「スト
ライプ格子4を塗装面1から疑似的に無限遠以上に離
す」との意味は、「ストライプ格子4の像がCCD素子
9の後方側で結像される」ことを意味するものとする。
【0030】また、本実施例では、光源2について、図
3に示すように、従来の場合と違ってハロゲン電球2a
を反射鏡2bの焦点よりも若干遠くに配置し、光がいっ
たん集光した後広がる集光型の光源を構成している。こ
れは、塗装面1は通常曲面であるため、従来の平行光線
を発するスポット型の光源では塗装面の曲りによる角度
の変化により照射面の端が中心部に比べて暗くなりがち
であるため、光源の光線の方向に幅を持たせることによ
り曲面あるいは測定時の塗装面との角度の誤差に対して
より安定した明るさを確保するためである。この集光型
光源2の配光角はたとえば40°以上であり、スポット
型のもの(配光角0〜10°)に比べ大きくなってい
る。
【0031】光むらを解消させるための半拡散板3は、
従来使用していた拡散板と違って小さな散乱角の範囲内
で入射光を拡散透過させるもので、例えばすりガラスや
ピントガラス等を使用する。この半拡散板3は、図3に
示すように、光源2からの光の集光点Cの手前に配置す
る。拡散板と半拡散板との光軸上での光透過率を比較す
ると、拡散板で約45%、半拡散板で約85%(ともに
実測値)である。このように、半拡散板は拡散板と異な
り光を直進させる作用をある程度有するため、ストライ
プ格子4に照射される光軸方向の光量の減少は比較的小
さくてすむ。そのため、半拡散板3を用いることによっ
て従来より小さな容量の光源2で測定に必要な明るさを
確保することができる。また、本実施例では三枚の半拡
散板3を使用してむらを十分になくすようにしている。
このように適当な枚数の半拡散板3を使用することによ
り、光量を確保しつつむらのない光をストライプ格子4
に照射することができる。
【0032】次にこの測定ヘッド25の構造について説
明すると、まず、光の出入口としてのケーシング11の
開口12に透明ガラス15が取り付けられ、測定ヘッド
25自体が密閉構造になっている。これにより、塵等が
測定ヘッド25内部に侵入して光学系を汚染し装置の性
能低下をきたすことが防止される。なお、このとき、測
定ヘッド25は自由足16により塗装面1から離れた位
置に支持されるため、図4に示すようにガラス面からの
反射光はCCDカメラ6に入射しない。そのため、開口
12を透明ガラス15で塞いでも測定は可能である。こ
の他、直接塗装面1に接触させて測定するタイプの装置
の場合には、図示しないが、ガラス面が光軸に対して直
角になるようガラスを逆V字形に配置して密閉すれば、
結像に望ましくないガラス面での反射はなくなるため、
ガラスで密閉しても測定することができる。
【0033】また、測定ヘッド25の底面には四本の自
由足16が取り付けられている。この自由足16は、先
端がボールジョイントの旋回自在のスイベル式の足先
で、しかも脚部がばね内蔵の伸縮自在の構造をもってい
る。先端部にはフェルトが取り付けられており、測定時
に塗装面1を傷つけないように配慮している。このよう
に自由足16は足先が旋回自在のスイベル式でしかも脚
部が押すと縮む伸縮自在のものであるため、塗装面1が
曲面であっても足先の向きと脚部の長さを適当に調節す
ることにより塗装面1からの反射光を常にCCDカメラ
6でとらえることができる。なお、このように足16を
設けることで測定に際しヘッド25を塗装面1から離す
ことができるが、前述のようにCCDカメラ6内の絞り
8は回折限界程度と非常に小さいので、開口12からの
外乱光は絞り8によりほとんど遮断され、外乱光による
影響はなくなり、したがって測定ヘッド25を塗装面1
から離して測定することが可能になる。
【0034】さらに、本実施例では、操作スイッチ取付
基板20にタイマー回路が組み込まれており、一定時間
操作スイッチが操作されないと自動的に光源2やCCD
カメラ6、モニター13等の内部機器への電源供給が切
れ、操作スイッチが操作されると直ちに電源が入るよう
になっている。
【0035】次に、本発明にかかる塗装面性状測定装置
の画像処理を司る演算処理装置の概略構成について説明
する。この演算処理装置は、図5に示してあるようなブ
ロックから構成される。
【0036】画像メモリ30は、CCD素子9からの画
像を記憶するものであり、塗装面1を介して反射された
一枚のストライプパターン画像を記憶するものである。
本実施例においては、このストライプパターン画像は円
形としてあるが、これ以外の形状,例えば通常のカメラ
のファインダーの視野と同様に長方形であっても差し支
えない。なお、この画像メモリ30はストライプ画像入
力手段として機能する部分である。輪郭線抽出部32
は、画像メモリ30に記憶されているストライプパター
ン画像に画像処理を施してそのストライプパターン画像
の輪郭線のみを抽出する部分である。この輪郭線の抽出
には、公知のエッジ法などを用いている。この輪郭線抽
出部32は、輪郭線抽出手段として機能する部分であ
る。放物線近似部34は、輪郭線抽出部32によって抽
出された輪郭線の画像から、その輪郭線部分のデータに
最小二乗法を適用して、この輪郭線を放物線に近似させ
る処理を行う。塗装面曲率演算部36は、放物線近似さ
れた輪郭線から、その放物線の4つの頂点を求め、この
4つの頂点からストライプパターン画像のつぶれ具合を
演算し、塗装面1の曲率を演算する。放物線近似部34
と塗装面曲率演算部36とによって塗装面曲率算出手段
を構成している。
【0037】また、この塗装面曲率演算部36は、算出
された塗装面の曲率に応じて、平滑感(ゆず肌)、肉持
感(ちりちり感)、光沢感(つや感)等、鮮映性を表す
三種類の質感を算出するための補正値を出力する機能も
併有している。本発明装置では、鮮映性を定量的に表す
ために、入力したストライプパターン画像に設定される
画像処理エリア内のストライプの黒白の境界部分の乱れ
具合を測定している。この画像処理は本発明の要旨とは
直接関係がないので詳述はしないが、たとえば、塗装面
1が平面である場合に画像メモリ30に記憶されるスト
ライプパターン画像は図6(A)に示すような円形状の
画像となり、この画像に対しては、同図(B)に示すよ
うな画像処理エリアが設定されることとなって、この画
像処理エリア内のストライプの乱れを具合を測定する。
一方、塗装面1が曲面である場合には、画像メモリ30
に記憶されるストライプパターン画像は図7(A)に示
すように平面の場合とは異なって楕円形状となり、この
画像に対しては、同図(B)に示すような画像処理エリ
アが設定されることとなって、この画像処理エリア内の
ストライプの乱れを具合を測定する。しかしながら、塗
装面1が曲面である場合には、平面の場合と比較してス
トライプの幅が塗装面1の曲率に応じて細くなってしま
うので、前述の乱れ具合が若干変化することから、鮮映
性の測定精度に悪影響を及ぼすことになる。これは、曲
率に応じて画像処理エリアの大きさが異なってしまうこ
とと、この大きさが異なることに伴う倍率の変化に起因
するものである。
【0038】このような不具合を解消するために、図8
に示すような画像が記憶された場合には、この画像を縦
横方向にスキャンして輝度値の変化が大きい部分を輪郭
として輪郭線を抽出し、この抽出した同図(B)に示す
ような輪郭線に基づいて鮮映性の測定を行なう方法もあ
るが、このような方法を採ったとしても、実際のストラ
イプ像の大きさと抽出された輪郭線の大きさとは異なっ
てしまうことと、曲面の場合にはこの誤差が増幅されて
しまうことから、放物線近似部34では、抽出したスト
ライプパターン画像の輪郭線を正確に再現する放物線近
似の処理を行い、塗装面曲率演算部36には、曲率の相
違によるこのような測定精度の低下が起こらないよう
に、演算された曲率に応じた補正値を出力させる機能も
持たせてある。
【0039】このように構成してある演算処理装置は、
図9に示すフローチャートに基づいて塗装面の曲率を演
算する。まず、画像メモリ30は、CCDカメラ6によ
って捕らえられたストライプパターン画像を記憶する。
この記憶される画像としては、塗装面1の状態に応じて
図10の(A)に示すような鮮明なストライプが写し出
されているものや、同図(B)に示すように境界面に乱
れが生じているものや、同図(C)に示すように全体的
にチリチリ感のあるものなどがあるが、本実施例におい
ては、図10(B)に示す画像に類似している図9
(A)に示す画像を例示し、ストライプパターン画像の
輪郭は図示の通り円形状であるとする(S1)。次に、
輪郭線抽出部32は、画像メモリ30に記憶されている
ストライプパターン画像を上下方向にスキャンして、ス
トライプパターン画像の輪郭線を抽出する処理を行う。
この処理は、輝度値がある値を越えているかどうかをス
トライプパターン画像を構成する全ての画素に対して判
断し、ある値を越えている画素のみを抽出するものであ
る。この処理は同様に、ストライプパターン画像を左右
方向にスキャンしても行われる。この処理が行われる
と、同図(B),(C)に示すような画像が得られる。
これらの画像は、図示されていないが、輪郭線抽出部3
2の記憶装置に一時記憶される(S2)。そして輪郭線
抽出部32は、上下方向のスキャンによって得られた輪
郭線の抽出画像と、左右方向のスキャンによって得られ
た輪郭線の抽出画像とのANDをとって合成する処理を
行う。この処理によって同図(D)に示すようなストラ
イプの影響を受けていないストライプパターン画像の輪
郭線のみが抽出されることになる。つまり、ストライプ
パターン画像と背景との輪郭を示す線のみが抽出される
ことになる(S3)。
【0040】以上の処理によって、不連続的に輪郭線の
抽出をすることができたわけであるが、断片的な曲線か
らではストライプパターン画像の形状や円のつぶれ具合
などを把握することは非常に困難であるので、放物線近
似部34においては、ほぼストライプパターン画像の輪
郭に近似した輪郭を再現すべく次のような処理を行う。
放物線近似部34は、輪郭線抽出部32によって算出さ
れた図9(D)の輪郭線画像に基づいて、輪郭線を構成
する各画素の座標データから最小二乗法を用いた放物線
近似処理を行う。この放物線近似の処理を行うことによ
って、断片的に存在している輪郭線から連続的な輪郭線
が形成できる。この放物線近似処理は、具体的には、S
2のステップで得られた上下方向及び左右方向の輪郭線
に関するデータの内、上側半分のデータ、下側半分のデ
ータ、右側半分のデータ、左側半分のデータをそれぞれ
用いて不連続部分の放物線近似を行う処理である。この
ような処理を行うことによって、図9(E),(F)に
示したようなストライプパターン画像の輪郭線を再現す
ることができるようになる(S4)。塗装面曲率演算部
36は、放物線近似部34によって算出された輪郭線か
ら、図9(G)、(H)に示すようにX軸方向及びY軸
方向の両頂点をそれぞれ求め、この求めた4つの頂点に
基づいて塗装面1の曲率を求める(S5)。
【0041】本発明においては、この塗装面1の曲率を
求める処理が特に重要であるので、次に、この処理を図
面を参照しつつ詳細に説明する。
【0042】本発明にかかる塗装面性状測定装置の光学
系モデルを図11に示してあるが、この図において光軸
を傾けてあるのは、塗装面1を基準に光学系を描いてい
るからである。図中aは、塗装面1とCCDカメラ6の
受光レンズ7との距離を示し、bは、凸レンズ5と受光
レンズ7との距離を示し、cは、凸レンズ5と塗装面1
との距離を示している。なお、塗装面1に凹レンズを疑
似的に配してあるが、塗装面1の曲率を考慮すると、光
学的に凹レンズを配したのと同様になるからである。円
形状の輪郭線を有するストライプパターン画像の塗装面
1の曲率による凹レンズ(f=−r=−R/2)ででき
る像位置をdとすると、 (1/c)−(1/d)=1/−r であるから、 d=c・r/(c+r)となる。
【0043】像の大きさの比をKrとすると、Kr=d
/c=r/(c+r)となる。
【0044】CCDカメラから見た像の大きさの比Kc
は、カメラからの距離が変化するためにKrとは同一に
はならない。ここで、像の大きさの比Kcを求めると、 Kc=Kr・b/(a+d)={r/(c+r)} ・b/a+{c・r/(c+r)}=br/(ac+b
r)となって、KcよりR(=2r)を求めると、Kc
(a・c+b・r)=brより、R={2a・c/(a
+c)}・Kc/(1−Kc)となる。
【0045】したがって、横方向の塗装面の曲率R=
{2ac/(a+b)}・(dx/平面時のdx)/
{1−(dx/平面時のdx)}で求めることができ
る。なお、dxは、図9(G)に示したような2頂点間
の距離である。塗装面曲率演算部36は、このような補
正式を演算することによって塗装面1の曲率を算出して
いる。
【0046】また、塗装面曲率演算部36は、このよう
にして求めた曲率に基づいて鮮映性測定のための補正値
を演算して出力する機能をも有しているのは前述の通り
であるが、この補正値は次のようにして求めている。
【0047】図12に示すような光学系において、塗装
面1が1゜傾いたときの塗装面上でのストライプのズレ
量をΔG、像のズレ量をΔS、凸レンズ5からストライ
プ像までの距離をSLとする。
【0048】ΔS=tan2゜×(SL−c)で表すこ
とができ、 塗装面上のストライプのズレ量 ΔG=ΔS・{a/(SL−b)}・1/cosα =tan2゜・(SL−c)・{a/(SL−b)}・
1/cosα 塗装面が曲面である場合には、ΔG=tan2゜・(T
L−c)・{a/(TL−b)}・1/cosα ここで、TLは、[{XL・FL/(XL+FL)}−
c]・rL/[R−2・[{XL・FL/(XL+F
L)}−c]]+c である。
【0049】したがって、ストライプのズレ量ΔGは塗
装面1の曲率に応じて変化するが、この式を見れば明ら
かなように、曲率が小さくなると、ΔGも小さくなっ
て、ストライプ歪みの検出感度が低下する。これは、塗
装面1が曲面になると、ストライプの歪みが平面のとき
よりも小さく見えてしまうからである。このように、曲
率が小さくなるにしたがって測定結果は実際の平滑感よ
りも良好となってしまうことになる。塗装面曲率演算部
36は、このように曲率に応じて感度が悪化するのを補
償するための補正量を出力する。この補正量と算出され
た曲率との関係は図13のグラフに示すようになる。塗
装面曲率演算部36は、このグラフに示す関係を記憶し
た記憶装置を備えており、算出された曲率に応じてこの
グラフを参照し、この参照の結果に応じて補正量を出力
することになる。
【0050】以上の実施例においては、ストライプパタ
ーン画像の輪郭の変形具合から塗装面1の曲率を算出す
る手法を例示したが、これ以外にも、画像メモリ30に
入力されているストライプパターン画像のストライプ間
隔の変化具合に基づいて塗装面1の曲率を演算すること
ができる。
【0051】以下に、ストライプの間隔に基づいて塗装
面1の曲率を算出する手法について説明する。
【0052】この手法を実現するための装置構成は、図
5に示した輪郭線抽出部32及び放物線近似部34に代
えて図6(B)に示したと同様の画像を生成するストラ
イプ配置間隔演算部を設ける。このストライプ配置間隔
演算部は、このような画像処理を行うのみならず、得ら
れた画像における各ストライプの配置間隔を算出する機
能をも持っている。また、塗装面曲率演算部36を有し
ているのは第1の実施例の場合と同様であるが、ストラ
イプ配置間隔演算部によって演算されたストライプの配
置間隔に基づいて塗装面1の曲率を算出する点が第1の
実施例の場合とは異なっている。本実施例に用いられる
光学系は第1の実施例と同様の構成である。図中、TL
は、塗装面1が曲面である場合に形成されるストライプ
像の位置、fLは凸レンズの焦点距離、−rLは凹レン
ズの焦点距離である。
【0053】ストライプ像の倍率をARとすると、 AR=TL/XL・{a/(TL−b)} ここで、TL=[{XL・fL/(XL−fL)}−
c]・R/[R−2[{XL・fL/(XL−fL)}
−c]]+cである。
【0054】以上の式を見れば明らかな通り、塗装面1
の曲率Rが変化すると、この変化に応じて倍率ARも変
化することになる。この曲率の変化に対するストライプ
幅の変化の関係は、図15に示すような関係となってい
て、ストライプ配置間隔演算部は、このグラフに示す関
係を記憶した記憶装置を備え、算出された曲率に応じて
このグラフを参照し、この参照の結果に応じて曲率を演
算することになる。そして、この算出された曲率に応じ
て塗装面曲率演算部36から補正量が出力されるのは、
第1の実施例と同様である。
【0055】なお、本発明によれば、前述のように、絞
り8によって被写界深度が飛躍的に増大しピントがどこ
にでも合うようになるため、塗装面1の性状に応じて感
度を可変にすることが可能になる。すなわち、測定精度
を上げるため一般に感度はなるべく大きく設定するが、
塗装面1がたいへん乱れている場合(長波成分が多い場
合)には、CCDカメラ6でとらえられるストライプ像
が大きく乱れて隣のストライプどうしがくっついてしま
い、画像解析が極めて困難になる場合がある。そこで、
塗装面1の凹凸に長波成分が多い場合には感度を下げて
ストライプ像の乱れを抑制する一方、短波・中波成分が
多い場合には感度を上げてストライプ像の乱れを強調し
うるようにすることが望ましい。このような感度調節を
実現する方法としては、例えば、第一に、ストライプ格
子4を可動式にしてこれを光軸に沿って移動させうるよ
うにすること、第二に、凸レンズ5のほかに図示しない
もう一枚の出し入れ自在の補助凸レンズをストライプ格
子4と塗装面1との間に配置し、補助凸レンズの出し入
れにより焦点距離を切り換えうるようにすること等が考
えられる。そして、どちらの方法においても、CCDカ
メラ6でとらえた画像を判定して、長波成分が多いとき
にはストライプ格子4を凸レンズ5に近づく方向に移動
させあるいは補助凸レンズを出す方向に動かし、また短
波・中波成分が多いときにはストライプ格子4を凸レン
ズ5から遠ざかる方向に移動させあるいは補助凸レンズ
を入れる方向に動かして、塗装面1の性状に応じて自動
的に感度調節を行いうるようにすることも可能である。
【0056】このように、本実施例によれば、CCDカ
メラ6の絞り8を光の回折限界近傍まで絞って被写界深
度を飛躍的に大きくしたので、被写体の位置がどこであ
ろうとピントが合うようになり、受光レンズ7を移動さ
せたりその焦点距離を変えたりすることなくストライプ
格子4と塗装面1の両方にピントを合わせることができ
る。したがって、塗装面1のうねりの大小、つまり鮮映
性の三質感を同時に測定することが可能になる。
【0057】また、本実施例では、上記のように被写界
深度が極めて大きくピントがどこにでも合うため、凸レ
ンズ5との関係においてストライプ格子4を任意の適当
な位置に置くことができるため、ストライプ格子4を適
当な位置に配置すればストライプ格子4を塗装面1から
疑似的に無限遠以上に離すことができる。したがって感
度をさらに上げることが可能になる。
【0058】さらに、本実施例では、上記のように絞り
8が光の回折限界近傍まで絞られているため外乱光もほ
とんど遮断されるので、外乱光による影響を受けること
はなくなる。したがって、測定ヘッド25に足16を取
り付け、塗装面1から離して測定することが可能にな
る。また、足を取り付けないで測定ヘッドをロボットに
持たせて自動的に非接触な測定を行うことも可能とな
る。
【0059】また、上記のように絞り8により被写界深
度が著しく増大しピントがどこにでも合うようになるた
め、塗装面1の凹凸の程度に応じた感度調節を行うこと
が可能になる。したがって、例えばストライプ格子4を
可動式にしたりあるいは凸レンズ5に加えて出し入れ自
在の補助凸レンズを設けるなどして感度を変えうるよう
にし、どんな乱れた塗装面でも、また平らな塗装面でも
感度を調節して同じように測定することが可能になる。
【0060】また、本実施例によれば、光むらを解消す
るためにすりガラス等の半拡散板3を使用したので、ス
トライプ格子4に照射される光軸方向の光量の減少が少
なくてすみ、従来より小さな容量の光源2で測定に必要
な明るさを確保することができる。よって、測定ヘッド
25の小型化や省エネ化を図ることができるほか、装置
の小型化に必要な発熱対策にも寄与することになる。
【0061】さらに、本実施例では、光源2を集光型に
したため、塗装面1が曲面の場合に照射面の端の光量が
増加し、曲面に対してより安定した明るさを確保するこ
とができる。
【0062】また、本実施例では、ケーシング11の開
口12に透明ガラス15を取り付けて測定ヘッド25を
密閉構造にしたので、塵等の侵入による性能低下のおそ
れはない。よって、取扱いが楽になり、雰囲気が悪い場
所での使用が可能になる。
【0063】さらに、本実施例では、測定ヘッド25に
タイマー回路を組み込んで一定時間スイッチが操作され
ないと自動的に電源が切れるオートパワーオフ機能を付
加したので、光源2やCCDカメラ6、モニター13等
の内部機器の寿命が延び信頼性が向上するほか、省エネ
にもなる。また、発熱が減るため発熱対策が不要にな
り、装置構成の簡素化・軽量化が図られる。
【0064】そして、本実施例では、以上のように構成
された測定ヘッド25は極めて小型軽量であるため、手
持ちによりボディーのどこでも測定することができる。
その際、モニター13を見ながら測定場所を選ぶことが
できる。
【0065】加えて、本実施例のように塗装面の曲率に
応じた補正が自動的に行えるようにしたために、鮮映性
の程度を評価する三つの数値、すなわち、平滑感(ゆず
肌)を表すもの、肉持感が肉持感(ちりちり感)を表す
数値、光沢感が光沢(つや感、コントラスト)を表す数
値を塗装面の曲率によらずに正確に表すことができるよ
うになる。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の第1の構成
によれば、ストライプパターン画像の歪み具合によって
塗装面の曲率を正確に演算することができるようにな
る。
【0067】そして、第2の構成においては、ストライ
プの幅に基づいて塗装面の曲率を正確に演算することが
できるようになる。
【0068】さらに、第3の構成においては、第1及び
第2の構成に基づいて演算された塗装面の曲率に応じ
て、鮮映性を測定するための補正値を出力する構成とし
たために、曲率の程度に応じて発生する測定誤差を理論
上ほぼ0に近付けることができ、測定精度が飛躍的に向
上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による塗装面性状測定装置の光学系の構
成図である。
【図2】本発明の一実施例による塗装面性状測定ヘッド
の構造図である。
【図3】図2の光源の構成図である。
【図4】図2の実施例の説明に供する図である。
【図5】本発明装置における演算処理装置の概略構成ブ
ロック図である。
【図6】塗装面が平面である場合に、図5に示した画像
メモリに記憶される画像の一例とその画像処理領域を示
す図である。
【図7】塗装面が曲面である場合に、図5に示した画像
メモリに記憶される画像の一例とその画像処理領域を示
す図である。
【図8】本発明装置によって行われる画像処理の過程を
示す図である。
【図9】本発明装置によって行われる曲率算出のための
処理過程を示すフローチャートである。
【図10】塗装面の性状の相違によって画像メモリに記
憶される画像の相違の一例を示す図である。
【図11】塗装面の曲率がストライプパターン画像の輪
郭の歪みに基づいて算出される過程を光学的に説明する
ための図である。
【図12】塗装面の曲率がストライプの歪み感度に与え
る影響を説明するための図である。
【図13】図5の塗装面曲率演算部に記憶されている塗
装面の曲率とストライプ歪み感度との関係を示す図であ
る。
【図14】塗装面の曲率がストライプの間隔に基づいて
算出される過程を光学的に説明するための図である。
【図15】図5の塗装面曲率演算部に記憶されている塗
装面の曲率とストライプ幅との関係を示す図である。
【図16】従来技術の説明に供する図である。
【図17】本発明の基礎となる測定方法の原理の説明に
供する図である。
【図18】従来の光源の一例を示す構成図である
【図19】従来技術の説明に供する図である。
【図20】従来技術の説明に供する図である。 1…塗装面 2…光源 3…すりガラス 4…ストライプ格子 5…凸レンズ 6…CCDカメラ 7…受光レンズ 8…絞り 9…CCD素子 10…鏡 11…ケーシング 12…開口 13…モニター 15…透明ガラス(透明板) 16…自由足 25…測定ヘッド(塗装面性状測定装置) 30…画像メモリ 32…輪郭線抽出部 34…放物線近似部 36…塗装面曲率演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め設定された照射領域からストライプパ
    ターンを塗装面に照射しその反射光の乱れを観測して塗
    装面の鮮映性を測定する塗装面性状測定装置において、 当該塗装面に照射されたストライプパターン画像を入力
    するストライプ画像入力手段と、 当該ストライプ画像入力手段によって入力されたストラ
    イプパターン画像の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段
    と、 当該輪郭線抽出手段によって抽出されたストライプ画像
    の輪郭線の形状を、前記ストライプパターンが平坦な塗
    装面に照射された場合に前記輪郭線抽出手段によって抽
    出されるであろうストライプ画像の輪郭線の形状と比較
    することで当該輪郭線の歪み具合を演算し、前記塗装面
    の曲率を算出する塗装面曲率算出手段とを有することを
    特徴とする塗装面性状測定装置。
  2. 【請求項2】ストライプパターンを塗装面に照射しその
    反射光の乱れを観測して塗装面の鮮映性を測定する塗装
    面性状測定装置において、 当該塗装面に照射されたストライプパターン画像を入力
    するストライプ画像入力手段と、 当該ストライプ画像入力手段から入力されたストライプ
    パターン画像中のストライプ配置間隔を演算するストラ
    イプ配置間隔演算手段と、 当該ストライプ配置間隔演算手段によって演算されたス
    トライプ配置間隔を、前記ストライプパターンが平坦な
    塗装面に照射された場合に前記ストライプ配置間隔演算
    手段によって演算されるであろうストライプ配置間隔と
    比較することで前記塗装面の曲率を算出する塗装面曲率
    算出手段とを有することを特徴とする塗装面性状測定装
    置。
  3. 【請求項3】前記塗装面曲率算出手段は、算出された塗
    装面の曲率に応じて当該塗装面の性状を正確に評価する
    ための補正量を出力する機能を有していることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の塗装面性状測定装
    置。
JP06105719A 1994-05-19 1994-05-19 塗装面性状測定装置 Expired - Fee Related JP3106849B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06105719A JP3106849B2 (ja) 1994-05-19 1994-05-19 塗装面性状測定装置
KR1019950004775A KR0159442B1 (ko) 1994-05-19 1995-03-09 도장면 성상 측정장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06105719A JP3106849B2 (ja) 1994-05-19 1994-05-19 塗装面性状測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07311030A true JPH07311030A (ja) 1995-11-28
JP3106849B2 JP3106849B2 (ja) 2000-11-06

Family

ID=14415145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06105719A Expired - Fee Related JP3106849B2 (ja) 1994-05-19 1994-05-19 塗装面性状測定装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3106849B2 (ja)
KR (1) KR0159442B1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007139776A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 General Electric Co <Ge> 光学式エッジ急変部ゲージ
JP2016223911A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 リコーエレメックス株式会社 検査システム
JP2019193970A (ja) * 2018-04-26 2019-11-07 株式会社荏原製作所 研磨パッドの表面性状測定装置を備えた研磨装置および研磨システム
WO2022269301A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 日産自動車株式会社 塗装評価装置及び塗装評価方法
WO2022269300A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 日産自動車株式会社 塗装評価装置及び塗装評価方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007139776A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 General Electric Co <Ge> 光学式エッジ急変部ゲージ
JP2016223911A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 リコーエレメックス株式会社 検査システム
JP2019193970A (ja) * 2018-04-26 2019-11-07 株式会社荏原製作所 研磨パッドの表面性状測定装置を備えた研磨装置および研磨システム
US11958161B2 (en) 2018-04-26 2024-04-16 Ebara Corporation Polishing apparatus having surface-property measuring device of polishing pad and polishing system
WO2022269301A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 日産自動車株式会社 塗装評価装置及び塗装評価方法
WO2022269300A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 日産自動車株式会社 塗装評価装置及び塗装評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3106849B2 (ja) 2000-11-06
KR0159442B1 (ko) 1999-05-01
KR950033419A (ko) 1995-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10716465B2 (en) Methods and apparatuses for determining contact lens intolerance in contact lens wearer patients based on dry eye tear film characteristic analysis and dry eye symptoms
JP5133626B2 (ja) 表面反射特性測定装置
US7649628B2 (en) Optical inspection of test surfaces
KR101311184B1 (ko) 산란 측정기를 위한 듀얼 빔 장치
US20040070565A1 (en) Method and apparatus for displaying images
JP2002509259A (ja) 電子部品の三次元検査のための方法およびその装置
JP2021047200A (ja) 表面特性を決定する多段階方法および調査装置
US7692781B2 (en) Glazing inspection
JP3106849B2 (ja) 塗装面性状測定装置
JPH06160300A (ja) ウェット鮮映性測定装置
WO1998027744A1 (fr) Systeme d&#39;imagerie
JP2982472B2 (ja) 塗装面性状測定装置
JP2005505372A (ja) 眼の角膜プロファイルを測定する方法および装置
Ashdown Near-field photometry in practice
JP2996063B2 (ja) 塗装面鮮映性自動検査装置
TW202037893A (zh) 圖像檢查裝置
WO2014179728A1 (en) Methods and apparatuses for determning contact lens intolerance in contact lens wearer patients based on dry eye tear film characteristic analysis and dry eye symptoms
JPH05256773A (ja) 塗装面性状検査装置
JP2982471B2 (ja) 塗装面性状検査装置
WO2002047395A2 (en) Method and apparatus for displaying images
JPS6318210A (ja) 塗面の平滑性測定方法
JP2982474B2 (ja) 塗装面性状検査装置
JP2797819B2 (ja) 塗装面性状検査装置
Cassarly et al. Accurate illumination system predictions using measured spatial luminance distributions
JPS62274204A (ja) 3次元デ−タを得る顕微鏡システム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080908

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees