JPH07310842A - 微流量調整弁 - Google Patents

微流量調整弁

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JPH07310842A
JPH07310842A JP10553694A JP10553694A JPH07310842A JP H07310842 A JPH07310842 A JP H07310842A JP 10553694 A JP10553694 A JP 10553694A JP 10553694 A JP10553694 A JP 10553694A JP H07310842 A JPH07310842 A JP H07310842A
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JP
Japan
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piezoelectric element
valve
flow rate
diaphragm
holding case
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JP10553694A
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English (en)
Inventor
Ryosuke Doi
亮介 土肥
Yukio Minami
幸男 皆見
Kanetsugu Yamamoto
兼嗣 山本
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Fujikin Inc
Original Assignee
Fujikin Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微流量調整弁の温度による流量制御特性の変
化を少なくすると共に、作動速度を高めることにより、
流量制御精度を高める。 【構成】 弁本体と,下端部を弁本体へ固定した筒状保
持ケースと,押圧により弁座へ当座すると共に、押圧力
の喪失により弾性離座する金属ダイヤフラム弁体と,ダ
イヤフラム押えと,ダイヤフラム押えの上面中心に載置
した下部小球体と、小球体上に載置した下部受台と,下
部受台上に載置した圧電素子と,圧電素子の上方に配設
した上部支持機構と、保持ケースの上端部へ螺着され、
その締込みにより圧電素子を下方へ押し下げる位置決め
体と,保護ケースとより、微流量調整弁を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として半導体製造装
置等の高精度な流体流量制御を必要とする装置・設備に
利用されるものであり、パルス状ガス流による微流量調
整を可能とした微流量調整弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置の拡散炉等に於いては、
図11に示す如く、複数の異なるガスA,B,Cを小流
量づつ同時に若しくは順次切換え乍ら、プロセスチャン
バー(拡散炉)Dへ供給する必要があり、通常は流量調
整弁E1 〜E3 に高速開閉型バルブを使用し、その開度
や作動回数を制御することにより、前記各ガスA,B,
Cの供給流量が調整されている。尚、図11に於いて、
1 〜E3 はボリュームタンク、G1 〜G3 は圧力調整
バルブ、Hは真空ポンプである。
【0003】ところで、前記図11如きガス供給システ
ムに於いて、より高精度な微流量調整を行うためには、
高速開閉型バルブの作動速度を高め、流通するパルス
状ガス流の制御可能な周波数を高めること、温度によ
る流量制御特性の変化を少なくすること、各調整弁の
流量制御特性がほぼ揃っていること、及び流量制御特
性にヒステリシス現象が無いこと等が必要な条件となっ
てくる。
【0004】しかし、従前の半導体製造装置等のガス供
給システムに於いては、前記高速開閉型バルブEとし
て、ダイヤフラム型バルブにエアーシリンダー型アクチ
エータを組み付けた構造のエアーシリンダー駆動式ダイ
ヤフラム型流量制御弁が多く使用されているため、バル
ブの作動速度が比較的遅くパルス状作動に追従できる周
波数は1Hz程度まである。その結果、流通するパルス
状ガス流のパルス幅Wは500msec程度となり、微
流量制御に必要とするパルスは幅が20〜100mse
c、パルス周期が10〜1000msec程度のパルス
状ガス流を得ることは不可能であって、より高精度な微
流量制御が出来ないと云う問題がある。
【0005】また、連続ガス流の流量制御を行う場合に
あっても、従前のエアーシリンダー駆動式の微流量調整
弁では図12に示す如く、その流量特性にヒステリシス
現象が表れることになり、しかもこのヒステリシス現象
の発生を避けることは不可能である。その結果、入力信
号の印加方向により、同じ入力信号値であってもガス流
量V 1 〜V2 に差異を生ずることになり、高精度な連続
ガス流の微流量制御ができないと云う問題がある。
【0006】一方、エアーシリンダー駆動式の微流量制
御弁では、上述の如くパルス状作動に追従できる周波数
がせいぜい1Hz程度であるため、作動速度の速い圧電
素子を駆動部に利用し、高い作動周波数の達成を可能に
した圧電素子駆動式の高速開閉型バルブが開発されてい
る。
【0007】しかし、圧電素子型の駆動部はその作動量
(変位量)が数10μm程度と極く少ないため、微流量
調整弁を構成する各部材の加工精度や組立精度を高めた
だけでは、所定の流量制御特性を備えた微流量調整弁を
得ることはできず、製品毎に流量制御特性に大きなバラ
ツキが生ずるうえ、しかも流量制御特性の調整が簡単に
できないと云う問題がある。また、圧電素子型駆動部の
変位量が極く僅かであるため、調整弁を構成する各部材
の温度膨張がその流量制御特性に大きな影響を与えるこ
とになり、高精度な流量制御が困難になると云う問題が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前の微流
量調整弁に於ける上述の如き問題、即ちエアーシリン
ダー駆動式のダイヤフラム型微流量調整弁では、(イ)
連続的な流量制御に於いては流量特性に大きなヒステリ
シス現象が表れ、また、(ロ)パルス状ガス流による流
量制御では制御可能なパルス周波数が低いため、高精度
な微流量制御ができないこと、また、圧電素子駆動式
の微流量調整弁では、(イ)高加工精度を必要とするた
め弁の製造コストが上昇すること、(ロ)各製品毎に流
量制御特性が大きく変わり且つ流量制御特性の調整が困
難なこと、(ハ)温度変化によって流量制御特性が大き
く変化し、高精度な微流量制御ができないこと等の問題
を解決せんとするものであり、構造が簡単で比較的安価
に製造できると共に、高周波のパルス状ガス流の流通制
御や流量制御特性そのものの調整を可能とすることによ
り、パルス状ガス流や連続ガス流のより高精度な微流量
制御を可能とした微流量調整弁を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体出入口と
弁室と弁座を備えた弁本体と、下端部が弁本体へ固定さ
れ、その内部空間を弁室へ連通させた筒状の保持ケース
と、弁室内に弁座と対向状に配設され、下方への押圧に
より弁座へ当座すると共に、押圧力の喪失によりその弾
性により離座する金属製ダイヤフラム弁体と、ダイヤフ
ラム弁体の上方に載置したダイヤフラム押えと、ダイヤ
フラム押えの上面中心に載置した下部小球体と、前記保
持ケース内へ挿入され、下部小球体上に載置した圧電素
子の下部受台と、圧電素子の下部受台上に載置した圧電
素子と、圧電素子の上面へ載置した回動自在な圧電素子
の上部支持機構と、保持ケースの上端部へ螺着され、そ
の締込みにより上部支持機構を介して圧電素子の下方へ
押し下げる位置決め体と、前記保持ケース及び位置決め
体を囲繞してその下端部を弁本体へ固定した保護ケース
とを発明の基本構成とするものである。
【0010】
【作用】制御装置から、所要流量に対応するパルス入力
信号Oが圧電素子駆動部へ入力されることにより、圧電
素子が所定の長さ(約20μm程度)伸長する。これに
より、ダイヤフラム押えを介してダイヤフラム弁体が下
方へ押圧され、これが弁座へ当座することにより流体通
路が閉塞される。前記パルス入力信号Oが零になると、
伸長した圧電素子は初期状態へ復帰し、ダイヤフラムに
加わていた押圧力が喪失する。これにより、ダイヤフラ
ム弁体もその弾性力によって初期状態に復帰し、弁座か
ら離座することにより、流体通路が開放される。尚、本
発明の微流量調整弁に於いては、周波数100Hz程度
のパルス状作動が可能である。
【0011】駆動部が非作動時に於けるダイヤフラム弁
体の開度は、位置決め体の締め込み量を変えることによ
り調整可能であり、同一軸線上に配設した下部小球体と
上部小球体とを介設してダイヤフラム弁体を下方へ押圧
する構成とすることにより、位置決め体の締込み量と流
体流量とはほぼ直線状の比例関係なる。その結果、微流
量調整弁の初期流量制御特性、即ち入力信号Oの時の最
大流量値を極めて容易に所定値に設定することができ
る。また、本発明に於いては、圧電素子やその上・下受
台等の合成熱膨張率と、圧電素子の保持ケースや位置決
め体等の合成熱膨張率とがほぼ等しくなるように選定さ
れているため、温度変化による流量特性の変動はほぼ無
視し得る程度となる。
【0012】パルス状ガス流による流量制御に於いて
は、制御装置から圧電素子駆動部へ加わるパルス入力信
号Oの周波数やパルス幅を調整する。これにより、パル
ス状ガス流の周波数やパルス幅が変わり、所謂パルス状
ガス流のデューティー比αが調整される。前記デューテ
ィー比αとガス流量との関係は、各パルス状ガス流の形
状が同一であるため、ヒステリシスの無い直線状特性と
なり、デューティー比αに応じた微流量が得られる。ま
た、前記デューティー比αは、パルス状ガス流の周波数
を50Hz程度まで高めることができるため、細かい範
囲に亘って調整することができ、その結果、より高精度
な微流量制御が可能となる。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の第1実施例に係る微流量調整弁の
縦断面図である。図に於いて、1は弁本体、2は金属製
ダイヤフラム弁体、3はダイヤフラム押さえ、4は押え
アダプター、5はガイド体、6は圧電素子の保持ケー
ス、7はボンネットナット、8は下部小球体、9は下部
受台、10は圧電素子、11は上部支持機構、12は上
部支持機構を構成する小球体、13は上部支持機構を構
成する上部受台、14は位置決め体、15はロックナッ
ト、16は保護ケース、17はコネクター、18はリー
ド線である。
【0014】前記弁本体1はステンレス鋼製であり、流
体入口1a、流体出口1b、流体通路1c、弁室1d及
び弁座1e等を夫々備えている。また、前記金属製ダイ
ヤフラム体2はステンレス鋼(SUS304)の薄板に
より形成されており、中央部が上方へ僅かに膨出した逆
皿形に形成されている。尚、ダイヤフラム弁体2の形状
は平板状であってもよく、また、材質もインコネル合金
やその他のニッケル・クロム合金鋼であってもよい。更
に、本実施例では1枚のダイヤフラムを使用している
が、2〜3枚のダイヤフラムを積層したダイヤフラム弁
体とすることも可能である。
【0015】前記金属製ダイヤフラム2は、前記弁座1
eと対向状に弁室1d内へ配設され、その上にダイヤフ
ラム押え3、押えアダプター4、ガイド体5及び保持ケ
ース6を配設したあと、ボンネットナット7を締め込む
ことにより、ダイヤフラム2の外周縁が弁本体1側へ気
密に保持固定されている。尚、前記ダイヤフラム押え、
押えアダプター4、ガイド体5等はステンレス鋼等の金
属製であり、また、前記圧電素子の保持ケース6は熱膨
張率の小さなインバー材により形成されている。
【0016】前記ダイヤフラム押え3の上端面の中心部
には円錐状の溝3aが形成されており、ここに高炭素・
クロム鋼製の下部小球体8が回動自在に載置されてい
る。また、当該下部小球体8の上には、保持ケース6の
上方開口より挿入された下面側の中心部に逆円錐状の溝
9aを有するステンレス鋼(SUS630)製の圧電素
子用下部受台9が載置されている。更に、前記下部受台
9の上方には、圧電セラミックスより成る円柱状の圧電
素子10が載置されている。尚、10aは圧電素子10
の上端面の中心部に設けた円錐状の溝である。
【0017】前記圧電素子10の上端面上には、上部支
持機構11を形成する高炭素クロム鋼製の上部小球体1
2と、溝13aを有する上部受台13が配設されてお
り、保持ケース6の上端部へ螺着したキャップ状の位置
決め体14により、上方より所定の押圧力が加えられた
状態で保持ケース6内に固定されている。尚、本実施例
では、上記上部受台13は、後述する圧電素子駆動部の
熱膨張率のマッチングの点からネーバル黄銅材により形
成されている。
【0018】図2は、本発明の第2実施例に係る微流量
調整弁の部分縦断面図を示すものである。当該第2実施
例では、圧電素子10の上部支持機構11が上部受台1
3とスラストベアリング12aとから形成されており、
位置決め体14の裏面側は、スラストベアリング12a
のボールと接触しつつ回転動する。
【0019】図3は、本発明の第3実施例に係る微流量
調整弁の部分縦断面図であり、上部支持機構11を構成
する上部受台13とスラストベアリング12aの組合せ
位置関係が、前記第2実施例(図2)の場合と逆になっ
ている。
【0020】図4は、本発明の微流量調整弁を半導体製
造装置のガス供給システムへ適用した場合を示すもので
あり、プロセスチャンバー19へ供給するガスAの流れ
をパルス状A1 (又はパフ状A2 )の形状とし、そのデ
ューティー比αを調整することにより、供給ガスの流量
制御を行なうものである。図4に於いて、20は制御装
置、21は微流量調整バルブ、22は真空ポンプ、Aは
供給ガスである。
【0021】前記制御装置20は発振器20a、設定器
20b、電源装置20c等より形成されており、プロセ
スチャンバー19側から所望の流量制御信号S1 が入力
される。即ち、流量制御信号S1 が入力されるか、若し
くは設定器1bから設定流量信号S2 が発信されると、
発振器20aから前記入力信号S1 又は入力信号S2
対応するパルス信号P1 (又はパフ信号P2 )が電源装
置20cへ入力され、電源装置20cからは、前記パル
ス信号P1 (又はパフ信号P2 )に対応したパルス入力
信号O1 又はパフ入力信号O2 が、微流量調整弁21の
圧電素子駆動部へ入力される。
【0022】前記信号O1 (又は信号O2 )の入力によ
り微流量調整弁21が作動すると、プロセスチャンバー
19へはパルス状のガス流A1 (又はパフ状のガス流A
2 )が供給される。この時、後述する如く、発振器20
aからのパルス信号P1 (又はパフ信号P2 )の周波数
やパルス幅を変えると、パルス状ガス流A1 又はパフ状
ガス流A2 のデューティ比αが変わり、これによってプ
ロセスチャンバー19への供給ガス流量が制御される。
【0023】尚、本発明に於いては、図4のパルス信号
1 やパルス状ガス流A1 のように、一定の幅Wと一定
の高さHを有する信号又はガス流が連続的に繰り返し発
生する場合をパルス状と称呼し、また、図4の信号P2
やガス流A2 のように、一定の幅Wと一定の高さHを有
する信号又はガス流が間欠的に発生する場合を、パフ状
と称呼している。また、本発明では、前記パルス状ガス
流A1 のデューティ比α、α=流体が流れる時間TO
周期T×100%で定義している。ただし、流体が流れ
る時間T O はパルス状ガス流A1 のパルス幅Wであり、
また、周期Tは繰り返し周波数fの逆数である。
【0024】図5は、本発明の微流量調整弁のパルス入
力信号O1 (又はパルス信号P1 )とパルス状ガス流A
1 の関係を示す線図であり、所謂入力ー流量応答特性を
示すものである。即ち、当該図5は、図1に示すノーマ
ルオープン型の微流量調整弁を用いて、温度20℃、流
体N2 ガス、一次側圧力0.4kgf/cm2 、二次側
圧力0kgf/cm2 (大気開放)、パルス入力信号O
1 の周波数5Hzの条件下で測定されたものであり、各
パルス入力信号O1 に対して、実質的に同形状のパルス
状ガス流A1 が発生していることが判る。
【0025】図6は、本発明に係る微流量調整弁の流量
制御特性の一例を示すものであり、圧電素子駆動部への
パルス入力信号O1 又は入力信号P1 のパルス幅Wを変
化するか、若しくは各パルス入力信号O1 又は入力信号
1 の周波数を変えることによって前記デューティー比
αを変えた場合のαー流量の関係を示すものである。前
記図6に於いて、実線部分はデューティー比α0→10
0%とした場合を、また点線部分は前記αを100→0
%とした場合を表わしており、両者は実質的に重なった
状態となる。尚、図6の様に、デューティー比αと流量
の関係が常に直線状となってヒステリシスが表れないの
は、前記図5の符号イ及びロに示した如く、各パルス状
ガス流A1 の中に、一対の異なる流量特性部分が常に等
しく含まれているからである。
【0026】換言すれば、デューティー比αと流量との
関係は、直線状で且つヒステリシスの無い曲線となり、
その結果、αを調整することにより極めて高精度な流量
制御が可能となる。尚、図6のα−流量特性曲線は、前
記図5と同じ条件下で試験した場合のものである。
【0027】前記図5に於けるパルス状ガス流Aのパル
ス高さHは、微流量調整弁のダイヤフラム弁体2のスト
ロークを変えることにより、調整される。即ち、図1の
位置決め体14の締込み量を変えることにより、圧電素
子10の非作動時には開弁状態にあるダイヤフラム弁体
2の全開ストロークが調整され、これによって、パルス
状ガス流のパルス高さHが制御される。本発明の微流量
調整弁では、圧電素子10の伸長によりダイヤフラム押
え3にかかる下向きの弁体作動力が、正確に軸芯と一致
した方向となるように、圧電素子1の上端面と上部受台
13及び下部受台9とダイヤフラム押さえ3との間に夫
々小球体12及び下部小球体8を介挿しており、これに
よってダイヤフラム弁体6の作動の安定化が計られてい
る。そのため、本発明の微流量調整弁では、位置決め体
14の締込み量と流量の関係が図7に示す如く所謂リニ
アーな関係となり、製品の出荷時に行う微流量調整弁の
全開時流量の設定が極めて容易に行える。
【0028】図8は、本発明の微流量調整弁と従前のエ
アーシリンダー駆動式微流量調整弁の周波数と流量比の
関係を示すものであり、曲線Rは従前の微流量調整弁
の、また、曲線Jは本発明の微流量調整弁の特性を夫々
示すものである。即ち、微流量調整弁を作動せしめてパ
ルス状流体A1 を流通せしめた場合、パルス入力信号O
1 の周波数が増加するとアクチエータの作動やダイヤフ
ラム弁体の作動が信号周波数に追従し得なくなり、流量
比(実測流量値/理論計算流量値)が増大して行く。例
えば、従来の弁では、パルス入力信号O1 の周波数が1
Hzを越えれば、流量比が増大して弁のパルス状作動が
追従しなくなるのに対し、本発明の弁では、周波数が5
0Hz程度まで、流量比が一定値を示し、弁がパルス状
作動に追従していることが判る。
【0029】図9及び図10は、本発明で使用する圧電
素子駆動部の寸法を下記のように定めた場合の、各部材
の温度変化と変位量の関係を示すものである。下部受台
9の厚み7mm、上部小球体の直径3mm、上部受台1
3の厚み7.5mm、保持ケース6と位置決め14体の
全長80mm、図9に於いて、6aは保持ケース6、1
4aは位置決め体14の各熱膨張量曲線を示すものであ
り、また、図10に於いて、13bは上部受台(BS
材)、10bは圧電素子、9bは下部受台、12bは上
部小球体の各熱膨張量曲線を示すものである。
【0030】図9及び図10からも明らかなように、本
発明の第1実施例では保持ケース6等の総合変位量(温
度変化20℃)が8.07μmであるのに対して、圧電
素子10等の総合変位量(温度変化20℃)は7.99
μmとなっており、両者の変位量が相殺されることによ
り弁駆動部の温度変化による弁体作動量の変化はほぼ無
視できるように構成されている。
【0031】
【発明の効果】本発明では、メタルダイレクトタッチ方
式のダイヤフラム型弁と圧電素子駆動部とを組合せ、ダ
イヤフラム弁体の弾性力により開弁作動を行うと共に、
圧電素子の下面側とダイヤフラム押さえ3との間及び圧
電素子の上面側と位置決め体14との間に夫々下部小球
体8及び上部小球体12を配設し、且つ両小球体12を
圧電素子10の軸芯上に位置せしめる構成としている。
その結果、微流量調整弁の作動速度が高まり、約50H
z程度までの高速開閉に追従することができるようにな
り、より高精度な流体の微流量調整が可能となる。ま
た、位置決め体14の締込み量とダイヤフラム弁体の全
開時の流量との関係が直線状の関係となり、製品出荷時
に行う全開時流量の設定調整が極めて容易に行なえる。
更に、圧電素子10の上端面と位置決め体14との間に
上部小球体12等よりなる回転自在な上部支持機構11
を配設しているため、位置決め体14の回動操作が極め
て円滑に行え、全開時流量の設定調整が容易に行なえ
る。加えて、圧電素子の保持ケース6、位置決め体14
及びロックナット15等の総合的な熱膨張係数と、下部
受台9、圧電素子10及び上部受台13等の総合熱膨張
係数が等しくなるように各部材の材料が選定されている
ため、周囲温度の変化による弁駆動部の変位量が少なく
なり、流量誤差の発生を有効に防止することができる。
本発明は上述の通り、優れた実用的効用を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る微流量調整弁の縦断
面図である。
【図2】第2実施例に係る微流量調整弁の一部を示す縦
断面図である。
【図3】第3実施例に係る微流量調整弁の一部を示す縦
断面図である。
【図4】本発明に係る微流量調整弁を適用したガス供給
システムの一例を示すものである。
【図5】パルス入力信号とパルス状ガス流の関係を示す
線図である。
【図6】本発明に係る微流量調整弁のデューティー比α
と流量との関係線図である。
【図7】位置決め体の締込み量と流量との関係を示す線
図である。
【図8】従前のエアーシリンダー駆動式ダイヤフラム型
流量制御弁と本発明の微流量調整弁との周波数−流量比
特性を示すものである。
【図9】第1実施例の微流量調整弁の弁駆動部の熱膨張
変位量を示す線図である。
【図10】第1実施例の微流量調整弁の弁駆動部の熱膨
張変位量を示す線図である。
【図11】従前のエアーシリンダー駆動式ダイヤフラム
型流量制御弁を用いたガス供給システムの一例を示すも
のである。
【図12】従前のエアーシリンダー駆動式ダイヤフラム
型流量制御弁の流量特性を示すものである。
【符号の説明】
1 は 弁本体 1eは 弁座 1aは 流体入口 2 は 金属製ダイ
ヤフラム弁体 1bは 流体出口 3 は ダイヤフラ
ム押え 1cは 流体通路 4 は 押えアダプ
ター 1dは 弁室 5 は ガイド体 6 は 保持ケース 15 は ロックナッ
ト 7 は ボンネットナット 16 は 保護ケース 8 は 下部小球体 17 は コネクター 9 は 下部受台 18 は リード線 10は 圧電素子 19 は プロセスチ
ャンバー 11は 上部支持機構 20 は 制御装置 12は 上部小球体 21 は 微流量調整
弁 12aはスラストベアリング 22 は 真空ポンプ 13は 上部受台 A は 供給ガス 14は 位置決め体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体出入口と弁室と弁座を備えた弁本体
    と,下端部が弁本体へ固定され、その内部空間を弁室へ
    連通させた筒状の保持ケースと,弁室内に弁座と対向状
    に配設され、下方への押圧により弁座へ当座すると共
    に、押圧力の喪失によりその弾性により離座する金属製
    ダイヤフラム弁体と,ダイヤフラム弁体の上方に載置し
    たダイヤフラム押えと,ダイヤフラム押えの上面中心に
    載置した下部小球体と,前記保持ケース内へ挿入され、
    下部小球体上に載置した圧電素子の下部受台と,圧電素
    子の下部受台上に載置した圧電素子と,圧電素子の上面
    へ載置した回動自在な圧電素子の上部支持機構と,保持
    ケースの上端部へ螺着され、その締込みにより上部支持
    機構を介して前記圧電素子を下方へ押し下げる位置決め
    体と,前記保持ケース及び位置決め体を囲繞し、その下
    端部を弁本体へ固定した保護ケースとより構成した微流
    量調整弁。
  2. 【請求項2】 回動自在な上部支持機構を、圧電素子の
    上面中心に載置した上部小球体とその上方に載置した上
    部受台とから形成した請求項1に記載の微流量調整弁。
  3. 【請求項3】 回動自在な圧電素子の上部支持機構を、
    圧電素子の上方に配設した上部受台とスラストベアリン
    グの組合せにより形成した請求項1に記載の微流量調整
    弁。
  4. 【請求項4】 インバー材により保持ケースを、ステン
    レス鋼材(SUS304)により位置決め体を夫々形成
    すると共に、黄銅材により圧電素子の上部受台を、ステ
    ンレス鋼材(SUS630)により圧電素子の下部受台
    を、高炭素クローム鋼材により小球体を夫々形成するよ
    うにした請求項1又は請求項2に記載の微流量調整弁。
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