JPH0730959Y2 - 遠心ポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、外形的にコンパクトで、液体を十分に汲み上
げることのできる遠心ポンプに関するものである。

従来の技術 従来、この種の遠心ポンプのポンプケースとポンプカバ
ーとの固定は、両者の接合面を超音波融着するか、また
はポンプケースとポンプカバーのうず巻室の延長空間の
外側にねじ取付部を設け、ここでねじ締付けすることで
ポンプケースとポンプカバーとを一体化していた。

考案が解決しようとする課題 しかし、このような従来の構成では、ポンプケースとポ
ンプカバーの接合面を超音波融着した場合は、分解や補
修が困難であり、またポンプケースとポンプカバーのう
ず巻室の延長空間の外側にねじ取付部を設けた場合は、
このねじ取付部がはみ出す形となってポンプ全体が大き
くなり、ポンプを挿入しようとする相手側の容器の口
は、より大きいものを必要とする。

本考案はこのような問題点を解決するもので、ポンプケ
ースとポンプカバーの分解が可能で、かつポンプの外形
をコンパクトにすることを目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために本考案は、ポンプケースと
ポンプカバーの各外周部に互いに係合しあう複数の係止
部を設けると共に、さらに両者の取り付けを確実にする
ためポンプケースとポンプカバーのそれぞれのうず巻室
の延長空間部内にねじ取付穴とねじ通し穴を設け、カバ
ー外側よりねじをねじ通し穴を貫通させてポンプケース
のねじ取付穴に取付けたものである。

作用 この構成により同じ吐出能力を有する遠心ポンプの場
合、本考案ではねじ取付部がポンプ外側にはみ出ること
はないためより小型なものとすることができる。またポ
ンプに異物が混入してインペラーの回転が止まった時
等、ポンプを破壊することなくケースとカバーとを分解
して修理できるほか、ポンプケース、ポンプカバーの両
外周部の係止部での係合とともにねじで両者を固定して
いるためポンプの吐出圧により万一ねじがゆるんでもポ
ンプケースからポンプカバーがはずれるということもな
く確実な固定ができることとなる。

実施例 以下、本考案の実施例について第１図〜第４図を参照し
て説明する。図において、１はポンプケースでこのポン
プケース１内にはモータ２を内蔵している。３はうず巻
室内に位置して、回転による遠心力で液体を吐出するイ
ンペラーであり、このインペラー３はモータ２の軸に圧
入されている。４はポンプカバーであり、これはその上
端外周部に設けた複数の係止部がボンプケース１の下端
外周部に設けた係止部５と係合すると共にねじ６によっ
てポンプケース１と固定される。6aはねじ取付のためポ
ンプケースに設けたねじ取付穴であり、これは第２図Ｂ
で明らかなようにうず巻室7aの延長空間部内に設けられ
ている。6bはねじ取付穴6aに対応してポンプカバーのう
ず巻室7bの延長空間部内に設けたねじ通し穴である。7a
はポンプケース１に設けたうず巻室であり、その終端に
は液体吐出口９がケース１と一体に設けられている。7
a,7bは組み合わされてインペラー３を内部に位置させた
吐出用のうず巻室を構成する。８は液体吸入口である。
Ｘはモータ２及びインペラー３の中心線、Ｙはポンプの
中心線である。

次に動作を説明する。電源が入り、モータ２が駆動する
とインペラー３がうず巻室内で回転する。これにより、
カバー４の下部中央の液体吸込口８から入った液体は、
インペラー３の回転により遠心力が加えられ、うず巻室
の狭い部分から次第に広い部分へと移動し、ついにはう
ず巻室終端の液体吐出口９から外部へ吐出される。うず
巻室7a,7bの広がりのうち、その延長空間部分、すなわ
ちはじめの狭い部分にはケースとカバーの各うず巻室7
a,7bの外周部とポンプケース１、ポンプカバー４の各外
周壁との間に幅広の空間部分ができるため、この空間部
分のポンプケース１側にねじ取付穴6aを、ポンプカバー
４側にねじ通し穴6bをそれぞれ設けた。またこの位置よ
り少し離れたポンプケース１、ポンプカバー４の各外周
部には相互に係合しあう複数の係止部５を設けた。

これにより、まず係止部５によってポンプケース１とポ
ンプカバー４とを係合させ、次にねじ６の締付けにより
ポンプカバー４をポンプケース１に取り付ける。この固
定法によれば、インペラー３の回転による遠心力がポン
プケース１、ポンプカバー４の各うず巻室7a,7bに強く
作用しても複数の係止部５及びねじ６の締付力によりポ
ンプケース１にポンプカバー４を強く固定しているため
はずれることがない。またねじ６の取付部をうず巻室7
a,7bのはじめの狭い部分と、ポンプケース１、ポンプカ
バー４の各外周壁との間のつまりうず巻室の延長空間部
内の広い部分に設けているため、空間を有効利用でき
て、ねじのための外側突出部は生じないためポンプの外
形を小形コンパクトにできる。なお、モータ２及びイン
ペラー３の中心線Ｘとポンプの中心線Ｙを偏心させてう
ず巻室7a,7bを形成しているため、ポンプケース１とポ
ンプカバー４との各外周部にねじを切り、両者をねじ嵌
合する方法はインペラー３がポンプカバー４に当たるの
で適切でない。

考案の効果 以上のように本考案によれば、同等吐出力のポンプと比
較した時、外形をコンパクトにできて相手容器の口径が
小さいものでも容易に投入できる遠心ポンプが得られ、
かつ分解修理時にもポンプケースとポンプカバーとの取
り付け取りはずしも確実にできる遠心ポンプを得られる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による一部を断面にした遠心
ポンプの正面図、第２図Ａは同ポンプケースの縦断面
図、第２図Ｂは同ポンプケースの下面図、第３図Ａはポ
ンプカバーの上面図、第３図Ｂは正面断面図、第３図Ｃ
は下面図、第４図はポンプケース１とポンプケース４と
の係止部を示す断面図である。 １……ポンプケース、２……モータ、３……インペラ
ー、４……ポンプカバー、５……係止部、６……ねじ、
７……うず巻室、８……液体吸入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部にモータを収納し、底面に液体吐出口
   を終端としたうず巻室とこのうず巻室の延長空間部内に
   ねじ取付穴を設け、かつ下端外周部にはポンプカバーと
   の係合部を複数設けたポンプケースと、 下部中央に液体導入口を有し、上面に上記ポンプケース
   側のうず巻室と組み合わされるうず巻室とこのうず巻室
   の延長空間部内に上記ねじ取付穴と対応するねじ通し穴
   を設け、さらに上端外周部にポンプケースとの係止部を
   複数設けたポンプカバーと、 上記ポンプケースとポンプカバーとで構成されるうず巻
   室内に位置し、上記モータによって回転駆動されるイン
   ペラーとを備え、 上記ポンプケースとポンプカバーとは、その各外周部に
   設けた複数の係止部を係合させるとともに上記ポンプカ
   バーのねじ通し穴を貫通してポンプケースのねじ取付穴
   に取付けられたねじにより締付一体化されている遠心ポ
   ンプ。