JPH0730949A - 移動通信における通話中チャネル切替方法および システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】移動局が異なる無線ゾーンに移動した場合に、
通話を瞬断させることなく、移動先基地局に通話中チャ
ネルを切り替える。 【構成】基地局ａ２５１を経由して移動交換局２に接続
された通話中の移動局１（状態１）が基地局ｂ２５２の
無線ゾーンに移動したとき、移動局１は、基地局ｂ２５
２との間のリンクチャネルを確立し（状態２）、上り音
声信号を基地局ａ２５１およびｂ２５２の両方に送信す
る（状態３）。チャネル切替要求を受信した移動交換局
２は下り音声信号を基地局ａ２５１およびｂ２５２の両
方に送信した後（状態４）、移動局１は下り音声信号を
基地局ｂ２５２経由に切り替える（状態５）。上りチャ
ネル切替要求を受信した移動交換局２は、上り音声信号
を基地局ｂ２５２経由に切り替えた後（状態６) 、基地
局ａ２５１との通信を切断し（状態７〜９）、無瞬断で
通話中チャネルを切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は移動通信における通話中
チャネル切替方法およびシステムに関し、特に時分割多
元接続（Ｔｉｍｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌ
ｅ Ａｃｃｅｓｓ；ＴＤＭＡ）移動通信における通話中
チャネル切替方法およびシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の通話中チャネル切替方法
は、携帯電話や自動車電話等（以下、移動局と総称）が
移動したときに、現在の通話を取扱っている基地局との
電波状態が悪化して通信品質が劣化し、この基地局より
も電波状態が良好な他の基地局が存在する場合に、この
電波状態の良好な他の基地局に通話中チャネルを切り替
えるために用いられている。

【０００３】第一の従来例として電波システム開発セン
ター発行の「第二世代コードレス電話システム標準規格
（ＲＣＲ ＳＴＤ−２８）第１版に示された通話中チャ
ネル切替方法の制御の要約を表した図７を参照すると、
移動局は、基地局１ａとの通信品質が劣化すると、切替
先基地局２ｂとの間のリンクチャネルを確立し、この切
替先基地局２ｂとの間の呼を生成し、通話中チャネルを
切り替えていた。

【０００４】また、第二の従来例として特開平２−３４
０４４号公報が例示するとおり、この方式では、移動局
が、通話中チャネルを切り替えるときに通話の瞬断を防
ぐ目的で、切替前基地局および切替先基地局の両方と通
信するために、送受信制御回路に接続された二つの送受
信信号処理回路と、この各送受信信号処理回路のうちの
受信信号処理回路からの情報信号を一致させて送受信制
御回路に入力する位相調整器とを備え、チャネル切替の
際に、二つの送受信信号処理回路の両方を一定時間だけ
並列起動してから一方を切り離すように構成されてい
る。

【０００５】更に、第三の従来例として特開昭６４−４
１５２９号公報が例示するとおり、通話中チャネルの切
替制御は、全ての無線ゾーンに同一周波数を割り付け、
各無線ゾーンにＴＤＭＡフレーム内の一つのタイムスロ
ットを隣接する無線ゾーンと重複しないように固定的に
割り付け、タイムスロットの切り替えのみによって通話
中チャネルを切り替えていた。また、移動局と移動交換
局との間のチャネル切替は、移動交換局が基地局および
移動局にチャネル切替タイミング信号を送信することに
より行っていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この第一の従来例で
は、通話中に通話チャネルのリンク制御を移動局と一つ
の基地局との間でしか行っていなかったため、切替先基
地局との間のリンクチャネルを確立した時点で、切替元
基地局とのリンクチャネルが切れてしまうので、切替先
基地局との呼の接続を完了させるまでの間、通話が瞬断
するという問題があった。

【０００７】また、第二の従来例では、通話が瞬断する
問題は解決できるものの、このために二つの送受信機と
位相調整器を設けているので、移動局の小型化，低コス
ト化の妨げになっている。

【０００８】また、第三の従来例では、移動通信網のト
ラヒックが増大した場合など、無線ゾーンに複数の周波
数を割り当てているが、移動先ゾーンで移動元ゾーンと
同一周波数が空いていなかった場合には瞬断が発生する
ことがこの公報に明記されている。また、チャネル切替
を移動交換局からのチャネル切替タイミング信号によっ
て行っているが、移動交換局−基地局−移動局の間の伝
播遅延を正確に考慮してチャネル切替タイミング信号を
発生させることは困難であるため、移動交換局と移動局
のチャネル切替のタイミングのずれによって瞬断が発生
する可能性がある。

【０００９】本発明の目的は、移動局が異なる無線ゾー
ンに移動したときに、通話を瞬断させることなく移動先
基地局に通話中チャネルを切り替えることが可能な移動
通信における通話中チャネル切替方法およびシステムを
提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の移動通信におけ
る通話中チャネル切替方法は、無線ゾーン内に散在し移
動する移動局と、この移動局と無線回線により接続され
ＴＤＭＡ通信方式を用いて信号の送受信を行い所定の無
線ゾーンをカバーする基地局との間の通信品質が、前記
移動局の無線ゾーン移行時に所定の値になるように通話
中チャネルを切り替え前記基地局と固定網の交換機とを
接続する移動交換局を通し通話を継続させる移動通信に
おける通話中チャネル切替方法において、前記移動局が
通話中に無線ゾーン間を移行する際に、移動前の無線ゾ
ーンに所在する第１の基地局および移動後の無線ゾーン
に所在する第２の基地局の両方と前記移動局との間でＴ
ＤＭＡフレームのなかの異なるタイムスロットを用い同
時通信を行い、前記移動局からの上り音声信号を前記第
１および第２の基地局を通して前記移動交換局に同報送
信し、この上り音声信号を受信した前記移動交換局で前
記移動局の通信相手からの下り音声信号を前記第１およ
び第２の基地局との同時通信に対応するタイムスロット
に同報出力し、前記移動交換局の指示にしたがい前記移
動局で、前記第２の基地局を通した下り音声信号を選択
した後、前記第２の基地局を通した上り音声信号を選択
する。

【００１１】また、本発明の移動通信における通話中チ
ャネル切替システムは、無線ゾーン内に散在し移動する
移動局と、この移動局と無線回線により接続されＴＤＭ
Ａ通信方式を用いて信号の送受信を行い所定の無線ゾー
ンをカバーする基地局と、前記移動局が無線ゾーンを移
行するときに通信品質が所定の値になるように通話中チ
ャネルを切り替え前記基地局と固定網の交換機とを接続
する移動交換局とを備える移動通信における通話中チャ
ネル切替システムにおいて、前記移動局が、入力された
上り音声信号を一方あるいは両方のいずれかに選択的に
出力する送話選択部と、入力された二つの下り音声信号
のうちいずれを出力するかを選択する受話選択部と、Ｔ
ＤＭＡフレームの複数のタイムスロットに含まれる呼制
御信号および音声信号を送受信する時分割多重化回路
と、前記送話選択部，前記受話選択部および前記時分割
多重化回路との間で呼制御信号および音声信号を送受信
し、前記移動交換局からの制御情報にしたがい，前記送
話選択部に上り音声信号の出力先の指示と，前記受話選
択部に二つの下り音声信号のうちいずれを出力するかの
指示と，前記時分割多重化回路に呼制御信号および音声
信号を送受信するタイムスロットの指示と，送信機およ
び受信機に送受信する周波数の指示とを行う第１の呼制
御部とを備え、前記移動交換局が、呼制御信号の送受信
およびこの信号にもとづき通話路スイッチを制御すると
ともに前記第１の呼制御部に前記制御情報を送出する第
２の呼制御部とを備える。

【００１２】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。移動通信システムは、無線ゾーン内に散在する移動
局と、この移動局と無線回線により接続されＴＤＭＡ通
信方式を用いてデジタル信号の送受信を行う複数の基地
局と、これらの基地局と固定網の交換局とを接続する移
動交換局とから構成される。

【００１３】図１は本発明の一実施例の通話中チャネル
切替方法を適用する移動局を示すブロック図である。本
実施例では、移動交換局→基地局→移動局の方向の信号
を「下り」、移動局→基地局→移動交換局の方向の信号
を「上り」と呼ぶ。図１を参照すると、移動局１は、送
話器１１と、送話器１１からの上りアナログ音声信号を
デジタル信号に変換出力する送話回路１２と、受話器１
８と、受話器１８に対し下りデジタル音声信号をアナロ
グ信号に変換出力する受話回路１９と、呼を制御する第
１の呼制御部Ａ１５および第２の呼制御部Ｂ１１０と、
これらの呼制御部からの指示により上り音声信号を呼制
御部Ａ１５およびＢ１１０のいずれに送信するかを選択
する送話選択部１３と、呼制御部Ａ１５およびＢ１１０
から入力された下り音声信号のいずれを受話回路１９に
出力するかを選択する受話選択部１４と、呼制御部Ａ１
５およびＢ１１０によって指定されたタイムスロットと
の信号の送受信を行う時分割多重化回路１６と、タイム
スロットごとに指定された周波数で信号を送信する送信
機１７と、タイムスロットごとに異なる周波数の信号を
受信する受信機１１１と、分波器１１２と、アンテナ１
１３とを備える。

【００１４】呼制御部Ａ１５およびＢ１１０は、発呼，
着呼，切断，通話中チャネル切替等の呼制御信号と音声
信号とを送話選択部１３，受話選択部１４および時分割
多重化回路１６との間で送受信し、送話選択部１３に上
り音声信号の出力および出力停止を指示し、受話選択部
１４に下り音声信号の出力および出力停止を指示し、時
分割多重化回路１６に送受信するタイムスロットを指示
し、送信機１７と受信機１１１に周波数を指示する。呼
制御部Ａ１５およびＢ１１０は、通常では、どちらか一
方が使用中で他方は待機中であり、通話中チャネル切替
時のみ両方とも使用中になる。送話選択部１３は、呼制
御部Ａ１５およびＢ１１０の両方から上り音声信号の出
力を指示された場合には、両方の呼制御部に出力する。
受話選択部１４は、呼制御部Ａ１５およびＢ１１０の両
方から下り音声信号の出力を指示された場合には、後か
ら指示された呼制御部からの下り音声信号を受話回路１
９に出力する。

【００１５】図２は本発明の一実施例の通話中チャネル
切替方法を適用する移動交換局のブロック図である。図
２を参照すると、移動交換局２は、呼を制御する呼制御
部２１と、基地局連絡線Ｃ１，Ｃ２〜Ｃｍを通じて基地
局と接続する基地局インタフェース部２２と、交換局連
絡線Ｌ１，Ｌ２〜Ｌｎを通じて固定網の交換局と接続す
る交換局インタフェース部２３と、時分割スイッチ２４
とを備える。呼制御部２１は、基地局インタフェース部
２２および交換局インタフェース部２３との呼制御信号
の送受信と、この送受信される信号に基づき時分割スイ
ッチ２４を制御する。時分割スイッチ２４は、呼制御部
２１の制御により、基地局インタフェース部２２および
交換局インタフェース部２３における各チャネル間を相
互接続し、一つのチャネルからの入力を、一つのチャネ
ルに出力したりあるいは、複数のチャネルに出力する。
基地局連絡線Ｃ１，Ｃ２〜Ｃｍには、基地局ａ２５１，
基地局ｂ２５２〜基地局２５ｍが接続されており、これ
らｍ台の基地局と移動交換局２との間の制御信号および
音声信号を伝送する。交換局連絡線Ｌ１，Ｌ２〜Ｌｎに
は、固定網の交換局が接続され、固定網の交換局との間
の制御信号および音声信号を伝送する。

【００１６】図３は本発明の一実施例の通話中チャネル
切替の動作を示すシーケンス図であり、図４および図５
は図３のシーケンス動作をしたときの音声経路を示す図
である。図３のシーケンス動作をしたときのタイムスロ
ットの使用状況を例示する図６を参照すると、単位時間
当り、上り、下り各々４個のタイムスロットがあり、４
チャネルの双方向の通信ができるようになっている。本
タイムスロットは、制御信号および音声信号の両方の通
信に使用される。なお、図３，図４，図５および図６に
おける括弧内の数字が同じものは、同一タイミングであ
ることを示している。

【００１７】次に、図１〜図６を参照して、基地局ａ２
５１，移動交換局２および交換局連絡線Ｌ１を経由して
固定網に接続された相手と通話中の移動局１が移動し
て、基地局ａ２５１から基地局ｂ２５２にチャネルを切
り替える場合の動作について説明する。

【００１８】図３の（１）の状態では、移動局１は基地
局ａ２５１，移動交換局２を経由して交換局連絡線Ｌ１
に接続された相手と通話を行っている。まず、このとき
の移動局１の内部動作について説明する。

【００１９】移動局１の使用者の音声は送話器１１に入
力され、音声信号が送話回路１２を経て送話選択部１３
に入力される。送話選択部１３は、この信号を呼制御部
Ａ１５と呼制御部Ｂ１１０のどちらに出力するかを判断
する。この通話は呼制御部Ａ１５により制御されている
ものとし、呼制御部Ｂ１１０は待機中であるものとす
る。このときは、呼制御部Ａ１５の指示により音声信号
を呼制御部Ａ１５に対して出力する。呼制御部Ａ１５に
入力された音声信号は、時分割多重化回路１６に出力さ
れ、時分割多重化回路１６ですでにリンクチャネルの確
立されているタイムスロットＴ１のタイミングで出力さ
れ、送信機１７および分波器１１２を経てアンテナ１１
３に出力される。

【００２０】一方、基地局ａ２５１からの信号は、アン
テナ１１３，分波器１１２および受信機１１１を経て時
分割多重化回路１６に入力される。時分割多重化回路１
６ではすでにリンクチャネルの確立されているタイムス
ロットＲ１のタイミングで受信した信号を呼制御部Ａ１
５に出力する。呼制御部Ａ１５は、入力された信号が呼
制御信号の場合には呼処理を行い、音声信号の場合には
受話選択部１４に出力する。このときは、受話選択部１
４では呼制御部Ａ１５から受信した信号を出力するよう
に指示されており、この信号は受話回路１９を経て受話
器１８に出力される。また、呼制御部Ａ１５は受信信号
の受信レベルを測定し呼制御部Ｂ１１０に通知してい
る。一方、待機中の呼制御部Ｂ１１０では、タイムスロ
ットＲ２，Ｒ３およびＲ４のタイミングで、他の基地局
からの電波を受信し、これら受信レベルと基地局ａ２５
１からの電波の受信レベルとの比較を行っている。

【００２１】次に、移動交換局２の内部動作について説
明する。基地局ａ２５１は基地局連絡線Ｃ１によって移
動交換局２と接続されている。移動局１との間の音声信
号は、基地局ａ２５１→基地局連絡線Ｃ１→基地局イン
タフェース部２２の経路で時分割スイッチ２４に接続さ
れる。時分割スイッチ２４では、この音声信号を交換局
インタフェース部２３→交換局連絡線Ｌ１の経路で固定
網の交換機に接続する。この接続は、移動局１からの発
呼の場合には移動局１からの制御データを受信した呼制
御部２１の指示により行われ、、移動局１への着呼の場
合には固定網の交換局からの制御データを受信した呼制
御部２１の指示により行われる。図４の（１）および図
６の（１）を参照すると、このときの音声信号の経路
は、タイムスロットＴ１およびＲ１を使用して、上り下
りの信号とも基地局ａ２５１を経由している。

【００２２】次に、呼制御部Ｂ１１０は、移動局１が移
動したとき、基地局ａ２５１との間の電波状態が悪化し
て通信品質が劣化し、基地局ｂ２５２との間の電波状態
の方が良好になったことを検出すると、待機中状態から
使用中状態になり、時分割多重化回路１６にタイムスロ
ットＴ３およびＲ３を使用するように指示して、基地局
ｂ２５２との間のリンクチャネルを確立する（図３の
（２），図４の（２）および図６の（２））。この場合
の周波数は基地局ａ２５１との間で通話に使用している
周波数と一致させる必要はない。なお、本実施例では、
タイムスロットＴ３およびＲ３を使用する場合を例示し
ているが、基地局ａ２５１との間で使用しているタイム
スロット以外ならば、どのタイムスロットでもよい。も
し、移動局１と基地局ｂ２５２の間で、現在基地局ａ２
５１との間で使用しているタイムスロットと同一のタイ
ムスロットしか空いておらず且つ基地局ａ２５１との間
で異なるタイムスロットが空いているならば、予めこの
別のタイムスロットに基地局ａ２５１との間のタイムス
ロットを変更することにより、これ以降の処理を続ける
ことができる。

【００２３】次に、呼制御部Ｂ１１０は、送話選択部１
３に対し呼制御部Ｂ１１０にも上り音声信号を出力する
ように指示し、上り音声信号をタイムスロットＴ１に送
信するだけでなく、タイムスロットＴ３にも送信し（図
４の（３）および図６の（３））、基地局ｂ２５２にチ
ャネル切替要求信号を送信する。基地局ｂ２５２はこの
信号を移動交換局２に送信する（図３の（３））。移動
交換局２の基地局インタフェース部２２は受信したこの
チャネル切替要求信号を呼制御部２１に送信する。この
ときのタイムスロットＴ３によって送信された上り音声
信号は基地局ｂ２５２→基地局連絡線Ｃ２→基地局イン
タフェース部２２を経由して時分割スイッチ２４に入力
されるが、この時点では呼制御部２１は上り音声信号を
時分割スイッチ２４からどこにも出力しない。

【００２４】チャネル切替要求信号を受信した呼制御部
２１は、時分割スイッチ２４に対し交換局連絡線Ｌ１か
らの下り音声信号を基地局ａ２５１にだけでなく基地局
ｂ２５２にも出力するよう指示し、移動局１にチャネル
切替受付信号を送信する。時分割スイッチ２４は、この
指示にもとづき下り音声信号を基地局ｂ２５２にも出力
する（図３の（４）および図４の（４））。この段階で
は基地局ｂ２５２経由の下り音声信号は、移動局１の受
信機１１１で受信され、時分割多重化回路１６でタイム
スロットＲ３のタイミングで抽出され、呼制御部Ｂ１１
０を経由して受話選択部１４に送られるが、受話選択部
１４では、下り音声信号は呼制御部Ａ１５からの信号が
選択され、受話器１８には出力されない。

【００２５】次に、チャネル切替受付信号を受信した移
動局１の呼制御部Ｂ１１０は、受話選択部１４に対し呼
制御部Ｂ１１０からの音声信号を出力するように指示
し、受話選択部１４は、呼制御部Ａ１５からの音声信号
に代えて呼制御部Ｂ１１０からの音声信号、すなわち、
基地局ｂ２５２を通じた音声信号を受話回路１９に出力
する。この音声信号は受話回路１９によってアナログ信
号に変換されて受話器１８より出力される。この段階で
は、移動局１と移動交換局２との間の下り音声信号は基
地局ｂ２５２経由で、上り音声信号は基地局ａ２５１経
由で送受信される。そして、呼制御部Ｂ１１０は上りチ
ャネル切替要求信号を基地局ｂ２５２経由で移動交換局
２に送信する。（図３の（５），図４の（５）および図
６の（５））。

【００２６】上りチャネル切替要求信号を受信した移動
交換局２の呼制御部２１は、時分割スイッチ２４に対し
基地局連絡線Ｃ２を通じた上り音声信号を交換局連絡線
Ｌ１に出力するように指示し、基地局ｂ２５２を通じて
移動局１に上りチャネル切替完了信号を送信する。時分
割スイッチ２４は、この指示にもとづき上り音声信号を
基地局ｂ２５２に出力する。この段階で、移動局１と移
動交換局２との間の上り下り両方の音声信号は基地局ｂ
２５２経由で送受信される（図３の（６）および図５の
（６））。

【００２７】上りチャネル切替完了信号を受信した移動
局１の呼制御部Ｂ１１０は呼制御部Ａ１５に対しこの上
りチャネル切替完了信号を送信し、この信号を受信した
呼制御部Ａ１５は解放要求信号を基地局ａ２５１経由で
移動交換局２に送信する（図３の（７）および図５の
（７））。

【００２８】解放要求信号を受信した呼制御部２１は、
時分割スイッチ２４に対し交換局連絡線Ｌ１から基地局
ａ２５１への下り音声信号の出力を停止するように指示
し、基地局ａ２５１を通じて移動局１に解放完了信号を
送信し、基地局ａ２５１を経由した移動局１との間の呼
を解放させる。時分割スイッチ２４は、この指示にもと
づき下り音声信号の基地局ｂ２５１への出力を停止する
（図３の（８）および図５の（８））。

【００２９】解放完了信号を受信した移動局１の呼制御
部Ａ１５は、基地局ａ２５１とのリンクチャネルを解放
し、待機状態になる（図３の（９），図５の（９）およ
び図６の（９））。

【００３０】上述の手順により、移動局１は通話を瞬断
させることなく、基地局ａ２５１から基地局ｂ２５２へ
通話中チャネルを切り替えることができる。

【００３１】なお、本実施例では、移動局１と複数の基
地局との間の電波状態の比較を移動局１で行い、移動局
１からの要求によって通話中チャネル切替の動作を開始
しているが、複数の基地局で移動局１からの送信電波を
受信して受信レベルを測定し、この受信レベルを移動交
換局２へ送信し、移動交換局２でこれらの受信レベルを
比較することによって通話中チャネル切替の動作を開始
する構成としてもよい。また、本実施例では、移動局１
と固定網の交換局に接続された相手との通話を例示した
が、移動局同志の通話でもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、移
動局が二つのタイムスロットを使用しで二つの基地局と
同時に通信するようにしたので、一つの送受信機を用い
通話を瞬断させることなく、通話中チャネル切替を行う
ことができる。

【００３３】また、切替元ゾーンと切替先ゾーンとでタ
イムスロットが異なっていれば、周波数が異なっていて
も無瞬断で通話中チャネル切替を行うことができ、ある
いは、切替元ゾーン内でタイムスロットを変更させるこ
とにより、切替先ゾーンとのタイムスロットの衝突を回
避できるので、無線ゾーン設計において周波数や無線ゾ
ーンの割当の自由度が大きくなるという効果がある。

【００３４】更に、移動交換局と移動局との間で、同時
に二つの基地局からの経路でチャネルが形成されている
ので、移動交換局と移動局との間のチャネル切替のタイ
ミングのずれによる瞬断を解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の通話中チャネル切替方法を
適用する移動局のブロック図である。

【図２】本発明の一実施例の通話中チャネル切替方法を
適用する移動交換局のブロック図である。

【図３】本発明の一実施例のチャネル切替動作を示すシ
ーケンス図である。

【図４】図３のシーケンス動作をしたときの音声経路を
示す図である。

【図５】図３のシーケンス動作をしたときの音声経路を
示す図である。

【図６】図３のシーケンス動作をしたときのタイムスロ
ットの使用状況を示す図である。

【図７】従来の通話中チャネル切替動作を示すシーケン
ス図である。

【符号の説明】

１ 移動局 ２ 移動交換局 １１ 送話器 １２ 送話回路 １３ 送話選択部 １４ 受話選択部 １５ 呼制御部Ａ １６ 時分割多重化回路 １７ 送信機 １８ 受話器 １９ 受話回路 ２１ 呼制御部 ２２ 基地局インタフェース部 ２３ 交換局インタフェース部 ２４ 時分割スイッチ １１０ 呼制御部Ｂ １１１ 受信機 １１２ 分波器 １１３ アンテナ ２５１ 基地局ａ ２５２ 基地局ｂ ２５ｍ 基地局ｍ Ｃ１，Ｃ２〜Ｃｍ 基地局連絡線 Ｌ１，Ｌ２〜Ｌｎ 交換局連絡線

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】無線ゾーン内に散在し移動する移動局と、
   この移動局と無線回線により接続されＴＤＭＡ通信方式
   を用いて信号の送受信を行い所定の無線ゾーンをカバー
   する基地局との間の通信品質が、前記移動局の無線ゾー
   ン移行時に所定の値になるように通話中チャネルを切り
   替え前記基地局と固定網の交換機とを接続する移動交換
   局を通し通話を継続させる移動通信における通話中チャ
   ネル切替方法において、前記移動局が通話中に無線ゾー
   ン間を移行する際に、移動前の無線ゾーンに所在する第
   １の基地局および移動後の無線ゾーンに所在する第２の
   基地局の両方と前記移動局との間でＴＤＭＡフレームの
   なかの異なるタイムスロットを用い同時通信を行い、前
   記移動局からの上り音声信号を前記第１および第２の基
   地局を通して前記移動交換局に同報送信し、この上り音
   声信号を受信した前記移動交換局で前記移動局の通信相
   手からの下り音声信号を前記第１および第２の基地局と
   の同時通信に対応するタイムスロットに同報出力し、前
   記移動交換局の指示にしたがい前記移動局で、前記第２
   の基地局を通した下り音声信号を選択した後、前記第２
   の基地局を通した上り音声信号を選択することを特徴と
   する移動通信における通話中チャネル切替方法。
2. 【請求項２】移動先の無線ゾーンに、現在通信中のタイ
   ムスロットと同一のタイムスロットしか空きがなかった
   場合には、この現在通信中のタイムスロットを他のタイ
   ムスロットに変更することを特徴とする請求項１記載の
   移動通信における通話中チャネル切替方法。
3. 【請求項３】無線ゾーン内に散在し移動する移動局と、
   この移動局と無線回線により接続されＴＤＭＡ通信方式
   を用いて信号の送受信を行い所定の無線ゾーンをカバー
   する基地局と、前記移動局が無線ゾーンを移行するとき
   に通信品質が所定の値になるように通話中チャネルを切
   り替え前記基地局と固定網の交換機とを接続する移動交
   換局とを備える移動通信における通話中チャネル切替シ
   ステムにおいて、 前記移動局が、 入力された上り音声信号を一方あるいは両方のいずれか
   に選択的に出力する送話選択部と、 入力された二つの下り音声信号のうちいずれを出力する
   かを選択する受話選択部と、 ＴＤＭＡフレームの複数のタイムスロットに含まれる呼
   制御信号および音声信号を送受信する時分割多重化回路
   と、 前記送話選択部，前記受話選択部および前記時分割多重
   化回路との間で呼制御信号および音声信号を送受信し、
   前記移動交換局からの制御情報にしたがい，前記送話選
   択部に上り音声信号の出力先の指示と，前記受話選択部
   に二つの下り音声信号のうちいずれを出力するかの指示
   と，前記時分割多重化回路に呼制御信号および音声信号
   を送受信するタイムスロットの指示と，送信機および受
   信機に送受信する周波数の指示とを行う第１の呼制御部
   とを備え、 前記移動交換局が、 呼制御信号の送受信およびこの信号にもとづき通話路ス
   イッチを制御するとともに前記第１の呼制御部に前記制
   御情報を送出する第２の呼制御部とを備えることを特徴
   とする移動通信における通話中チャネル切替システム。