JPH0730919U - マイクロ波加熱式炊飯器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別な容器を必要とせず、通常の炊飯器と同
様の要領で使用できるマイクロ波加熱式の炊飯器の提供
を図る。 【構成】 上端に開口部を有する有底筒状の本体１と、
本体１の内壁を構成する外釜２と、本体１の上記開口部
から外釜２内に着脱可能に配位されて米及び水を収納す
る内釜３と、本体１に対してヒンジ部４を介して回動可
能に取り付けられた蓋体５とを備える。本体１内に、マ
イクロ波発生手段１２と、導波手段１６とが設けられ、
蓋体５には、マイクロ波を外部に漏らさないための遮蔽
手段５４が設けられている。マイクロ波が内釜３内の米
と水を加熱して、御飯が炊ける。御飯が炊けた後にも、
御飯の冷却を補う程度にマイクロ波を弱く出力すること
によって、或いはマイクロ波を間欠的に出力することに
よって、炊けた御飯の保温も可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は、マイクロ波加熱式の調理器、さらに詳しくはマイクロ波加熱式の 炊飯器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

今日、マイクロ波加熱式の調理器は、所謂電子レンジとして広く普及している が、この所謂電子レンジは、前方に開閉蓋を有する箱型をなし、主としておかず の調理や御飯の再加熱に用いられるに止まり、米を炊くものとしては一般に使用 されていない。これは、電子レンジが上記の用途に用いるものとして普及されて きたという経緯が有ることは勿論、電子レンジによって米を炊くには、別途の容 器が必要となることにも原因がある。さらに、通常の電子レンジによって米を炊 いた場合、炊いた御飯を保温するための他のジャーポットが必要となるといった 課題も有る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本願考案は、特別な容器を必要とせず、通常の炊飯器と同様の要領で 使用できるマイクロ波加熱式の炊飯器を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本願考案は、上端に開口部を有する有底筒状の本体１と、本体１の内壁を構成 する外釜２と、本体１の上記開口部から外釜２内に着脱可能に配位されて米及び 水を収納する内釜３と、本体１に対してヒンジ部４を介して回動可能に接続され て本体１の上記開口部を開閉可能に蓋する蓋体５と、本体１内に収納されたマイ クロ波発生手段１２と、マイクロ波を本体の外釜２と蓋体５とにより構成される 空間内に導く導波手段１６と、本体の外釜２と蓋体５とにより構成される空間内 からマイクロ波を外部に漏らさないための遮蔽手段５４とを備えたマイクロ波加 熱式炊飯器を提供することにより、上記の課題を解決する。

【０００５】

【作用】

本願考案のマイクロ波加熱式炊飯器においては、従来の通常の炊飯器と同様、 内釜３に米と水を入れて、外釜２に内に配位して、蓋体５を閉じる。そして、適 宜スイッチを入れると、マイクロ波発生手段１２が作動し、マイクロ波は導波手 段１６により、外釜２と蓋体５とにより構成される空間内に導かれ、米と水を加 熱して、御飯が炊けるものである。さらに、御飯が炊けた後にも、御飯の冷却を 補う程度にマイクロ波を弱く出力することによって、或いは間欠的に出力するこ とによって、炊けた御飯の保温も可能となる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面に基づき本願考案の一実施例を説明する。 図１は、本願考案の一実施例に係るマイクロ波加熱式の炊飯器の断面図であり 、図２は要部斜視図である。

【０００７】 この炊飯器は、上端に開口部を有する有底筒状の本体１と、本体の内壁を構成 する金属製の外釜２と、本体の上記開口部から外釜２内に着脱可能に配位され米 及び水を収納する金属製の内釜３と、本体１に対してヒンジ部４を介して回動可 能に接続されて本体の上記開口部を開閉可能に蓋する蓋体５とからなる。

【０００８】 本体１は、その底部に脚１１を有し、この脚によりテーブル（図示せず）等の 適当な平面上に載置される。本体１内には、マイクロ波発生手段として、マグネ トロン１２と、このマグネトロン１２の駆動装置１３と、電動機１４により回転 する冷却ファン１５とを備える。マグネトロン１２には、導波管１６が接続され 、この導波管１６の先端は、本体の上端内周面、即ち外釜３の上端内周面に開口 しており、この開口を合成樹脂製等のアイリスカバー１７が蓋している。この開 口及びアイリスカバー１７は、図２に示すように、周方向に適当な長さ（１０cm 程度）に渡って設けられている。そして、内釜３の上端は、このアイリスカバー １７の下端に位置し、導波管１６からアイリスカバー１７を経て導かれたマイク ロ波は、内釜３内の米及び水を加熱する。尚、内釜３をマイクロ波の通過を許す 合成樹脂製等にした場合には、内釜３の上端をアイリスカバー１７より上方に位 置させてもよく、或いは外釜２の底部や外周の適宜位置に配位することができ、 設計の自由度が大きくなる。

【０００９】 蓋体５は、ヒンジ部４の反対側に開閉ロック５１を有し、この開閉ロック５１ は、本体１に設けられた係止部１８に係止される。蓋体５の内面には、適度な弾 性を備えた内蓋５２が設けられており、この内蓋５２の外周部が、内釜３の上端 に当接して、内釜３との間で空気及び水分の密閉をなす。この内蓋５２は蓋体５ の下面を構成する金属製の蓋カバー５３の下面に配設されている。この蓋カバー ５３の外周には、チョーク溝５４が形成され、電波漏れを防止する。このチョー ク溝５４には、シールパッキン５５が装着され、溝内への蒸気や水の浸入を防止 する。内釜３の適宜位置には、蒸気逃がし孔５６が形成されており、この蒸気逃 がし孔５６は、蓋体５を上下に貫くシリコン製等のチューブ５７及び蒸気口カバ ー５８を介して、外部に導通している。この蒸気口カバー５８には、適当な弁（ 図示せず）が設けられ、所定の圧力にまで達した蒸気を外部に排出する。尚、蓋 体５の上面には、把手を設けておいてもよいが、把手を設けずに、次に述べる操 作部５９の操作により、開閉ロック５１が自動的に解除状態となり、ヒンジ部４ に設けられた付勢手段（図示せず）によって蓋が開くようにしてもよい。

【００１０】 蓋体５の上面には、操作部５９が設けられている。この操作部５９には、押圧 スイッチや液晶表示部（図示せず）が設けられており、通常の炊飯器と同様の操 作により、御飯を炊く操作を行う。操作部５９は、本体１内のコントロール部１ ８にヒンジ部４を介して接続され、操作部５９より入力された操作情報に基づき 、マイクロコンピュータを備えたコントロール部１８が、マグネトロン駆動装置 １３等を制御駆動させる。また、開閉ロック５１部分にも、スイッチ（図示せず ）が設けられており、開閉ロック５１のロックが解除されると、自動的にマグネ トロン駆動装置１３が停止し、マイクロ波が発生しなくなる。

【００１１】 炊飯時の制御は、センサ（図示せず）によって、内釜３内の状態を検知しつつ 、マイクロ波の出力を変化させつつ行うことが望ましく、出力の円滑な調整のた めにマグネトロン駆動装置１３にインバータ制御式のものを用いることが望まし い。センサとしては、内釜３内の温度を検知する温度センサや、内釜３内のガス の湿度を検知する湿度センサや、内釜内の重量を検知する重量センサ等を用いる ことができる。また、これにタイマーを加えて実施することもできるものであり 、例えば、炊き始めの所定時間は低い出力で、所定時間経過後は高い出力で加熱 し、炊かれて水分が少なくなり内釜３内の温度が上昇したことを温度センサが検 知したり、或いは、炊かれて水蒸気が発生したことを湿度センサが検知したり、 水分量の減少に伴う重量の減少を重量センサが検知したりすると、出力を下げて 蒸らし状態にし、炊き上げ完了後には冷却を補う程度の最小限の出力に下げて保 温状態にする等、従来の炊飯器によって行われている制御方法を適宜選択して採 用することができる。尚、従来の炊飯器の場合には、外釜２を加熱して間接的に 米を炊くのに対して、本願考案では、マイクロ波が直接、水又は米を加熱するも のであり、設計者の意図する制御を、直接且つ確実に実現することができ、美味 い御飯を炊くことができる。また、マイクロ波で直接加熱するため、エネルギー ロスが少なく、省エネルギーにも貢献し得るものである。

【００１２】 上記の説明から理解されように、使用に際しては、内釜３を取り外して、米と 水を入れて装着し、蓋体５を閉じて、操作部５９を操作するだげであり、通常の 炊飯器と全く同様の使用方法を採ることができる。尚、図示は省略したが、本体 １及び蓋耐５には、適当な保温材を装着しておくことが望ましい。また、外釜２ の底部にターンテーブルを設けて、内釜３を回転させるようにしてもよい。さら に、マイクロ波の導波管等を複数設けて、複数箇所からマイクロ波を内釜３内に 導き出すようにしてもよい。尚、インバータ制御を用いずに、間欠的な出力調節 や、数種類の出力の変化のみに止めるようにする等、出力の制御方法も適宜変更 して実施することができる。

【００１３】

【考案の効果】 以上、本願考案は、特別な容器を必要とせず、通常の炊飯器と同様の要領で使 用できると共に、少ないエネルギーロスで美味しい御飯を炊くことのできるマイ クロ波加熱式の炊飯器を提供することができたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の一実施例に係るマイクロ波加熱式の
炊飯器の断面図である。

【図２】同要部斜視図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 外釜 ３ 内釜 ４ ヒンジ部 ５ 蓋体 １２ マグネトロン １６ 導波管 ５４ チョーク溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上端に開口部を有する有底筒状の本体
   (1) と、本体(1) の内壁を構成する外釜(2) と、本体
   (1) の上記開口部から外釜(2) 内に着脱可能に配位され
   て米及び水を収納する内釜(3) と、本体(1) に対してヒ
   ンジ部(4) を介して回動可能に接続されて本体(1) の上
   記開口部を開閉可能に蓋する蓋体(5) と、本体(1) 内に
   収納されたマイクロ波発生手段(1) (2) と、マイクロ波
   を本体の外釜(2) と蓋体(5) とにより構成される空間内
   に導く導波手段(16)と、本体の外釜(2) と蓋体(5) とに
   より構成される空間内からマイクロ波を外部に漏らさな
   いための遮蔽手段(54)とを備えたマイクロ波加熱式炊飯
   器。