JPH07305873A - 利雪・天然氷結の利用による蓄熱・熱交換システム - Google Patents

利雪・天然氷結の利用による蓄熱・熱交換システム

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JPH07305873A
JPH07305873A JP6096112A JP9611294A JPH07305873A JP H07305873 A JPH07305873 A JP H07305873A JP 6096112 A JP6096112 A JP 6096112A JP 9611294 A JP9611294 A JP 9611294A JP H07305873 A JPH07305873 A JP H07305873A
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heat
heat storage
storage tank
summer
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JP6096112A
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Fumio Maruhashi
文雄 丸橋
Yasuo Koseki
康雄 小関
Yoshinari Hori
嘉成 堀
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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Abstract

(57)【要約】 【構成】冬期に降った雪を一定規格の容器40に収納し
た上で、外部との伝熱が微小な貯雪室30に格納して夏
期まで保存する。夏期には、冷房・冷蔵の需要に応じて
必要な量の雪を取り出し、蓄熱槽60に導入する。蓄熱
槽60における熱交換は、浮遊している雪61に外気を
直接吹きつけ、温度を低下させる、直射日光の当たる道
路面の直下にパイプを通し、その中に雪と水との混在流
体を流通させる、在来のチラーユニットを用いるなどが
ある。1ヶ所の貯雪室から複数の蓄熱槽に雪を搬送する
には、各蓄熱槽内の雪の融解状況をセンサで監視し、そ
の結果に基づいて搬送量を変える。 【効果】電力需要のピーク緩和,省エネルギ,冷房コス
トの低減等の効果を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷房のために自然エネル
ギを利用することによって、電力需要ピークの緩和と省
エネルギとを図るためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】夏期における冷房は、現在、ほとんどす
べて人工的な熱力学的手段によって行われている。そし
て、このために消費される電力は、発電所群の発電能力
の最大限度近くに達しており、往々にして危機的状況に
遭遇している。これに対し、需要が緩和される夏期の夜
間に氷を製造し、蓄熱槽に蓄えておいて、次の日に利用
することによって電力使用の平準化を図るということが
行われている。
【0003】一方、日本海側地域を中心として冬期に降
り積もる雪は、場所によっては400cmの厚さに達し、建
造物への負担や交通への障害において、住民に多大な負
担を与えている。このような雪を、住民の利便のために
有効活用するシステムの例として、長岡技術科学大学で
集雪冷房システムが考案されている。これは、積雪地域
の都市部において、冬期の市街地における除雪によって
集められた雪を郊外の貯雪池に輸送・貯蔵し、夏期にそ
の融雪水を市街地に戻し、建物に供給して冷房するシス
テムである。降雪期が終わると、貯雪池の雪の表面には
断熱覆いをかけて保存することになっていた。
【0004】また、市街地と貯雪池との間の雪の移送
は、冬期に貯雪池に移送するときには雪と水との混合流
体、夏期に市街地に移送する時には水を、それぞれパイ
プを通して行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】長岡技術科学大学のシ
ステムでは、雪の融解を遅らせるため、断熱覆いをかけ
ている。これは、太陽からの輻射熱から雪を保護する上
では効果があるが、気温の上昇に対しての断熱効果は十
分ではない。特に、日本海側の豪雪地域は、夏期にはフ
ェーン現象によって気温が非常に高くなる地域でもあ
り、これでは雪の融解状況を十分に制御できない。
【0006】氷蓄熱システムで利用する冷熱の主体が、
氷が融解するときの潜熱であるのと同様に、雪が潜在的
に持つ冷熱も、圧倒的に大きな比率が融解時の潜熱にあ
る。雪の融解する場所が人里離れた貯水池の中であり、
夏期に市街地に返送するのが融解後の水であるというの
は、雪の潜在的冷熱の利用の面では、不十分である。本
発明は、雪を利用して人工的なエネルギ消費に代替する
冷房システムにおいて、人が冷熱を必要とする最適な時
点に効果的に雪を融解させることが可能であり、雪が融
解時に吸収する潜熱を高効率に利用できるシステムを提
供する。
【0007】なお、従来の氷蓄熱システムは、冷熱源を
発生させる時間帯をずらすことによって、電力コストの
差額を活用するもので、火力発電による化石燃料の消費
分を含むことは、従来の冷房システムと変わらない。こ
れに対し、本発明が提供するシステムは、従来未利用で
あった天然のエネルギを利用するもので、省エネルギの
効果は大きい。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のシステムでは、
貯雪室における外気との伝熱をできるだけ微小にし、雪
の自然融解を防止することによって、雪を夏期まで保存
する。貯雪室にこのような機能を具備させる断熱技術と
して、気泡を多く含んだ断熱材をはさんだ分厚い壁で、
貯雪室を上下,左右,完全に包囲することなどがある。
【0009】また、地下のある程度以上の深さに貯雪室
を設置すれば、地上の大きな温度変動の影響を避けるこ
とができる。加えて、夏期の数十日間の冷房を賄うのに
十分な空間を確保するには地下の方が楽であり、市街地
の直下にも設置できる等の利点もある。
【0010】断熱のためには、貯雪室の壁だけでなく、
雪の出入口にも対策を施すのが望ましい。入口と出口
が、開放される必要があるのはそれぞれ降雪期と夏期の
みであり、春期などには貯雪室は完全に密閉するのが良
い。夏期に出口を開き、雪の利用を開始する時期は、長
期の天気予報などに従って、その夏の低温源の需要を予
測して判断する。
【0011】このような断熱対策を施すことにより、貯
雪室内全体を雪と同等の温度にできる。このときの温度
は雪の融点である0℃に限定されるものではなく、雪を
収納する時点における、それより低い温度で保持してお
くことも可能である。
【0012】雪は一定規格の容器に収納すると、取り扱
いを自動化できて良い。近年、物流の現場では、自動倉
庫システムが急速に発達してきているが、この技術をそ
のまま用いることができる。また、雪特有の問題とし
て、単に積み重ねると自重で凝結し、動かすことが非常
に困難になるということがあるが、容器ごとに収納すれ
ば、この問題を解消することもできる。
【0013】容器化することによって、逆に、貯雪室内
の空間をより多く占めるようになるという問題が発生す
る。この解決策として、収納時に雪に圧力をかけて容器
に詰め込むという方法が可能である。自重による凝結で
は、上層の雪の密度は高くならないが、人工的に圧縮す
れば、均等に高密度にできる。
【0014】貯雪室から蓄熱槽に雪を搬送する際にも、
この容器をそのまま利用できる。水との混合状態でパイ
プを通すと、雪とパイプとの間には摩擦が発生する。こ
れが原因で発生する熱のため、雪が蓄熱槽に到着する前
に、いくらか融解してしまう。雪と周辺との摩擦のない
搬送方法の方が好ましく、その例として、容器ごと台車
に載せて運ぶ方法がある。
【0015】また、搬送時点で雪を容器ごとに取り扱う
ことは、雪の計量が容易になる利点もあり、雪の融解の
制御でも、精度の向上の点で有利である。
【0016】貯雪室は、1か所当りの規模を大きくした
方が、貯雪容量当りの表面積が小さくなり、外部からの
熱の侵入の影響は小さくなる。それと共に、蓄熱槽が複
数あるときには、各々における低温源の消費量は必ずし
も均一ではないが、貯雪室が集中形であれば、需要の大
きいところに多く搬送するというような融通が可能にな
る。各々の蓄熱槽への雪の搬送量を個別に設定するとき
には、雪の融解状況をセンサで監視し、オンラインで中
央制御室に結果を集め、そこで搬送計画を立てるのが良
い。このような方法により、雪の融解による冷熱の獲得
における最適制御が可能になる。
【0017】蓄熱槽に導入した雪の持つ冷熱を利用する
方法は、1通りではない。従来どおり、各建屋ごとにエ
アコンで冷房しても良いが、そのほかに市街地全体を冷
房するという方法もある。一つは、雪が浮遊する水面に
直接外気を吹きつけ、気温を低下させた後に外に吹き出
させるという方法である。外気の取り込み口及び冷気の
吹き出し口の両方とも市街地の中に設ける。もう一つ
は、市街地の道路面の温度を低下させ、間接的に気温も
低下させるという方法である。
【0018】雪が融解し、温度上昇した後の水にも利用
の余地はあり、本発明のシステムにフィードバックする
例では、雪の収納容器と周辺との間に凝結した氷を解消
して、容器を潤滑に動くようにする等の用途がある。
【0019】
【作用】冬期に天然に得られる雪を保存して冷房に供す
ることにより、夏期に逼迫する電力負荷の低減を図る。
雪の融解を蓄熱槽および/またはその周辺機器において
行わせることにより、熱の吸収が最大である融解の時点
を、有効に利用する。
【0020】夏期に使用に供するまでの雪は、厚い断熱
層を備えた壁や、地下深くの地盤に囲まれた貯雪室に保
存することにより、人の手によらない自然融解(融解潜
熱の損失)をできるだけ防止する。
【0021】また、夏期の冷熱利用時には、需要が大き
い時間帯に蓄熱槽に投入するように制御することによ
り、最大の冷房効果を得る。1ヶ所の大規模な貯雪室か
ら複数の蓄熱槽に雪を搬送するようにすれば、貯雪室と
蓄熱槽とが1対1に対応する場合よりも、各蓄熱槽への
雪の割当量は自由に設定できるようになる。
【0022】雪は、一定規格の容器に収納して扱えば、
量を均一化でき、搬送過程における損失も小さくでき
る。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【0024】図1は、本発明の蓄熱・熱交換システムの
一実施例を示す。降雪期では、地面1上に積もった雪
を、ブルドーザ等の機械やシャベル等による人力によっ
て集め、回収口2に落下させる。回収口2に入った雪
は、準備室10に導入され、ここで一定規格の容器40
に分けて収納される。このとき、雪に圧力をかけること
によって、容器容積当りに収納できる雪の量を増加させ
ても良い。
【0025】容器40に収納した雪は、貯雪室30に導
入し、内部に設けてある柵に、フォークリフト,自動倉
庫システム等を用いて格納する。この際、容器と貯雪室
の壁との間は接触させないようにし、外部からの伝熱を
防止する。貯雪室30は、本実施例では地中の一定以上
の深さに建設するとともに、壁は数十cmの厚さを持たせ
ることとする。地中に建設するのは、雪の保存期間にお
ける断熱性の良さとともに、降雪期に大量の雪を搬入す
る際のことを考慮してのことである。回収口2に集めら
れた雪は、かなりの重量を持っており、これを水平方向
に搬送するには余分のエネルギが必要となる。一方、地
中に建設すれば、雪を収納した容器は自重で貯雪室内に
導入できて良い。ただし、自由落下させるのでは容器が
破損する恐れがあるので、何らかのガイドウェイを設け
るのが良い。
【0026】降雪期が終わると、貯雪室の入口の扉20
を閉鎖する。この扉は貯雪室の壁同様、数十cmの厚さを
持たせる。材質は鉄等の金属ではなく、熱伝導率の低い
ものとする。気泡を多く含んだ断熱材を扉の内部に入れ
るのも良い。扉は以上のような構造にすると、かなりの
重量を持つようになると考えられるので機械で開閉すれ
ば楽であるが、開・閉それぞれ1年に1度なので、歯車
等の機構を具備させて人力で動かすのでも十分と考えら
れる。駆動方法は重要ではなく、それより閉鎖後に気密
性が確保できることが重要である。扉20を開ける時期
については、各年の最初に雪が積もった日に設定すれば
良い。
【0027】同様に、貯雪室から蓄熱槽に至る搬送路5
0にも扉21を設ける。こちらを開放するのは、搬送を
実施する夏期である。搬送を実施するのが昼間だけの場
合や、夜間だけの場合は、熱の侵入を防ぐために、1日
の間でも開閉操作をする方が良い。そのためには、扉2
1は機械仕掛で駆動するようにする方が適していると考
えられる。
【0028】搬送路50における雪の搬送もまた、容器
40に収納したままで実施する。容器何個かずつを台車
に載せ、蓄熱槽に向かって無人運転させる。貯雪室と蓄
熱槽との高低差の程度によって台車の駆動方法は異なっ
てくるが、搬送路50が水平または緩やかな斜面である
ときには、回転電動機やリニアモータが利用できる。ま
た、搬送路50が垂直である場合には、エレベータやリ
ニアモータが利用できる。
【0029】蓄熱槽60は、水62に雪61が浮遊した
状態になっている。搬送路50で運ばれて来た容器40
から雪を取り出す方法は、産業用ロボットを用いて、容
器を反転させた後、衝撃を加える等が考えられる。蓄熱
槽の設置場所は、熱交換の便利のためには、地上または
浅い地下が良い。
【0030】図2は、請求項7および8の、1ヶ所に集
中させた貯雪室から、複数箇所の蓄熱槽に雪を搬送する
システムの一実施例を示す。貯雪室30から出た搬送路
50は分岐し、複数の蓄熱槽60に至る。各々の蓄熱槽
の液面はセンサ90で監視し、雪の融解状況の情報を得
る。この情報は、ケーブル80を介して中央制御室70
に伝送され、そこで、雪の搬送計画を立てるためのデー
タとして用いられる。
【0031】図3は、センサ90に画像センサを用いる
請求項9のシステムの一実施例を示す。画像センサ91
を蓄熱槽の天井部に設置し、水面を見下ろすように撮像
する。このように設置することによって、センサが水を
被ることを防げると同時に、センシング作業上も、雪6
1の塊の像同士の重なりが少ない、処理に適した画像が
得られて良い。
【0032】センサ91からの信号は画像処理装置92
に導入され、そこで雪の部分の認識,投影面積の計測な
どの画像処理を実施する。センサ91からの信号をその
まま映した原画像や画像処理装置92で認識した結果の
画像は、モニタ93に映して可視化できる。中央制御室
に向かうケーブル80には、画像処理装置92における
処理結果のみを送信し、伝送する情報量を大幅に削減す
る。
【0033】図4は、図2のシステムにおいて、センサ
90に超音波センサを用いる請求項10のシステムの一
実施例を示す。パルスジュネレータ94でパルス電流を
発生させ、蓄熱槽60の壁に外接させた超音波発生器9
5において、超音波に変換する。超音波発生器95の設
置位置は、蓄熱槽内の水62の水面付近である。一方、
超音波発生器95を設置した壁と対面する蓄熱槽の壁に
は、超音波センサ96を外接させて設置する。高さはや
はり、蓄熱槽内の水62の水面付近である。そして、ア
ナライザ97を用いて真っ直ぐ水中を通ってきた音波を
選び出し、その強度を求める。雪の塊が多く浮遊してい
るほど、減衰の度合は大きくなるという相関関係を利用
して、蓄熱槽内の融解状況を検知する。この場合も、超
音波センサ96で得られた波形そのものではなく、アナ
ライザ97で数値化された情報をケーブル80に載せる
ことにより、中央制御室に送信する情報量の削減を図
る。図5は、蓄熱槽60内に浮遊した雪の塊61から冷
熱を得る方法のうち、請求項11のシステムで用いるも
のの一実施例である。ファン102を動力にして陰圧を
発生させることにより、市街地に設置した空気取り入れ
口100から、温度の高い外気を吸い込む。このとき、
塵の混入を軽減するため、フィルタ101を設置する。
ファン102で生成した気流は、蓄熱槽内において雪の
塊に直接衝突して温度低下するとともに、雪を融解させ
る。その後、気流はファン103によって引き出され、
吹き出し口104から外に放出される。
【0034】空気取り入れ口100は塵の混入が少なく
なるように、比較的背を高く造り、吹き出し口104
は、風の影響が小さいままで冷気が広く拡がるように、
低く造るのが良いと考えられる。
【0035】図6は、蓄熱槽60内に浮遊した雪の塊6
1から冷熱を得る方法のうち、請求項12のシステムで
用いるものの一実施例である。蓄熱槽60内の雪61と
水62との混在流体をポンプ111で吸い込み、道路面
113の直下に設置したパイプ112に通す。蓄熱槽6
0からの吸い込み口は、雪の塊も吸い込み得るように、
水62の水面近くの高さに設置する。直射日光を受ける
道路面113は、従来非常に高温になり、逆に熱を外気
に放射するようになって、都市部の気温を上昇させてい
るが、本実施例は、この現象を緩和し、間接的に近隣の
建屋における冷房の効率を向上させる。
【0036】なお、本発明の蓄熱槽に従来型のチラーユ
ニットを直結し、直接、各建屋の冷房に供することもで
きる。
【0037】以上、貯雪室と蓄熱槽とを別個に設けるこ
とにより、それぞれを雪の保存及び熱交換に適した構造
に建設できるシステムの実施例を示してきたが、このほ
かに降雪期に雪を直接蓄熱槽に格納して夏期まで保存
し、夏期にはそのまま熱交換に供するシステムも考えら
れる。この場合、雪の保存期間における断熱は別個に建
設する場合に比べて不完全になる恐れがあるし、夏期の
熱交換期には槽内の温度分布を均一にするのが困難にな
るという欠点がある。しかし、この方法によれば、使用
する空間、ひいては建設費が少なくて済む。
【0038】建設費が少ないという点では、地上に貯雪
池を設ける長岡技術科学大学の方法は有利である。この
方法は、雪の自然融解による損失が大きいが、残った雪
を蓄熱槽に導入して利用する余地はある。
【0039】これまで、多雪地域で有用な蓄熱・熱交換
システムを考えてきたが、日本国内には、北海道の太平
洋岸地域など、少雪寒冷地域も存在する。このような地
域では、保存すべき雪は多く確保できないが、気温は多
雪地域以上に低く、冬期には製氷のためのエネルギは全
く必要ない。このような地域では、冬期に雪の代わりに
氷を保存して、夏にそれを利用するシステムが有効と考
えられる。
【0040】
【発明の効果】本発明の蓄熱・熱交換システムによれ
ば、冬期に天然に得られる雪または氷を利用して、夏期
における冷熱源を供給することが可能になる。このこと
によって、人工的手段による冷房に代替して電力負荷を
軽減し、発電所におけるオーバーロード回避に寄与す
る。また、発電に伴う化石燃料消費を削減し、大気汚染
物質の排出を減少させる。冷房機器の運用者の立場から
は、冷房に要する運転コストの削減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱・熱交換システムの全体像の説明
図。
【図2】1ヶ所の貯雪室から複数の蓄熱槽に雪を搬送す
るシステムの説明図。
【図3】蓄熱槽内の雪の浮遊状況を監視するセンサに画
像センサを用いる説明図。
【図4】同じく超音波センサを用いる説明図。
【図5】蓄熱槽内の雪に外気を直接衝突させることによ
り、冷房を行うシステムの例の説明図。
【図6】道路面直下に通したパイプに雪と水との混在流
体を流通させることによって、冷房を行うシステムの例
の説明図。
【符号の説明】
10…準備室、20…入口側断熱扉、21…出口側断熱
扉、30…貯雪室、40…雪収納容器、50…搬送路、
60…蓄熱槽、61…雪、62…水。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冬期に降った雪を一定規格の容器に収納
    し、外部との伝熱が微小である貯雪室に格納して夏期ま
    で保存し、夏期には雪を融解しない状態のままで、専用
    の搬送路を介して蓄熱槽に導入し、冷房・冷蔵の需要に
    応じて、前記蓄熱槽の内部および/または、前記蓄熱槽
    から派出する周辺機器で融解させることを特徴とする蓄
    熱・熱交換システム。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記貯雪室で雪の保存
    は、前記貯雪室の入口で雪を圧縮した後に前記容器に収
    納することにより、前記貯雪室内の空間を有効に利用す
    る蓄熱・熱交換システム。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記貯雪室へ
    の雪の搬入口には断熱性の良い扉を設置し、降雪期にの
    み前記扉を開放し、それ以外の時期には閉鎖することに
    より、前記貯雪室への熱の流入を防止する蓄熱・熱輸送
    システム。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、貯雪室か
    ら蓄熱槽に至る搬送路の入口には断熱性の良い扉を設置
    し、雪の搬送を実施する時期にのみ前記扉を開放し、そ
    れ以外の時期には閉鎖することにより、前記貯雪室への
    熱の流入を防止する蓄熱・熱輸送システム。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記扉を開放し、前記
    蓄熱槽への雪の搬送を開始する時期は、年ごとの夏の冷
    熱の需要予測に基づいて決定する蓄熱・熱輸送システ
    ム。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    前記貯雪室から前記蓄熱槽への雪の搬送は、雪の融解状
    況に応じて前記容器単位で実施する蓄熱・熱交換システ
    ム。
  7. 【請求項7】請求項6において、1箇所に集中させた大
    規模な貯雪室から、複数箇所の蓄熱槽に雪を搬送する蓄
    熱・熱交換システム。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記貯雪槽から複数箇
    所の前記蓄熱槽への雪の搬送は、各箇所の前記蓄熱槽に
    おける雪の融解状況をセンサで監視し、結果をオンライ
    ンで中央制御室に伝送し、前記中央制御室では、冷熱の
    需要予測及び、融解状況の結果に従って配送計画を立て
    て行う蓄熱・熱交換システム。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記蓄熱槽内の雪の融
    解状況を監視するための前記センサが、画像センサであ
    る蓄熱・熱交換システム。
  10. 【請求項10】請求項8において、前記蓄熱槽内の雪の
    融解状況を監視するための前記センサは、超音波センサ
    である蓄熱・熱交換システム。
  11. 【請求項11】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9または10において、夏期の冷房は、雪が浮遊す
    る蓄熱槽の水面に直接外気を吹きつけ、温度を低下させ
    た後に外に返送することによって行う蓄熱・熱交換シス
    テム。
  12. 【請求項12】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9または10において、夏期の冷房は、前記蓄熱槽
    で雪と水とを混在させた流体を道路面直下のパイプに通
    すことによって、路面の温度を低下させることによって
    行う蓄熱・熱交換システム。
  13. 【請求項13】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11または12において、雪が融解して
    発生する水は貯雪室に返送し、雪の収納容器と周辺との
    間の凝結の解消に供することによって、前記収納容器の
    潤滑な動きを確保する蓄熱・熱交換システム。
  14. 【請求項14】冬期に少ないエネルギで製氷して、外部
    との伝熱が微小である貯氷室に格納して夏期まで保存
    し、夏期には当該の氷を融解しない状態のままで、専用
    の搬送路を介して蓄熱槽に導入し、冷房・冷蔵の需要に
    従って、前記蓄熱槽の内部および/または、前記蓄熱槽
    から派出する周辺機器において融解させることを特徴と
    する蓄熱・熱交換システム。
  15. 【請求項15】冬期に降った雪を貯雪池に貯め、断熱覆
    いで前記貯雪池の全体を覆って雪を夏期まで保存し、夏
    期には融解していない部分の雪を蓄熱槽に導入し、冷房
    ・冷蔵の需要に従って前記蓄熱槽の内部および/また
    は、前記蓄熱槽から派出する周辺機器で融解させること
    を特徴とする蓄熱・熱交換システム。
  16. 【請求項16】冬期に降った雪を大容量の蓄熱槽に格納
    した後、密閉して夏期まで保存し、夏期には熱媒体とし
    て水を注入して熱交換を実施し、冷房・冷蔵の需要に従
    って前記蓄熱槽の内部および/または、前記蓄熱槽から
    派出する周辺機器において雪を融解させることを特徴と
    する蓄熱・熱交換システム。
JP6096112A 1994-05-10 1994-05-10 利雪・天然氷結の利用による蓄熱・熱交換システム Pending JPH07305873A (ja)

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